説明

ガラス製造装置の搬送装置及び方法

【課題】 搬送装置において、搬送管全体を通して電流密度を均等に分布させる。
【解決手段】 線形導管144及びエルボ導管146を加熱するよう構成された電気回路を備える。線形導管144の上流部分150に第1の電極188を取り付け、上流部分150の下流に第2の電極190を取り付け、線形導管144の第1の通路154のフットプリント延長領域におけるエルボ導管146の湾曲部分174に第3の電極198を取り付ける。この電気回路は、第1の電極188、第2の電極190、及び第3の電極198を有する。別の例において、線形導管144を流れる電流束及びエルボ導管146を流れる電流束がいずれも8アンペア/mmを超えないように電流を加える溶融ガラスの加熱方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は搬送装置及び方法に関し、具体的にはガラス製造装置の搬送装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属の搬送管に電流を流すことにより、搬送管内を移動するガラスを加熱することが知られている。この過程において、金属搬送管の特定部分の電流密度が異常に高くなることがあり、それによってガラスの品質が不均一になったり、搬送管の寿命が影響を受けたりすることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、搬送管全体を通して電流密度を均等に分布させる方法及び装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
詳細な説明において示す幾つかの態様例に対し基本的な理解が得られるよう、本発明の概要を以下に説明する。
【0005】
1つの態様例において、ガラス製造装置の搬送装置が線形導管、エルボ導管、及び電気回路を備えている。線形導管は軸に沿って延び、上流部分と下流部分とから成り、上流部分と下流部分との間に第1の通路が画成されている。第1の通路は、線形導管内を移動する一定量の溶融ガラスの経路を提供するよう構成されている。線形導管を移動する溶融ガラスを撹拌するための撹拌素子を第1の通路に配置することができる。エルボ導管は上流部分と下流部分とから成り、上流部分と下流部分との間に第2の通路が画成されている。第1の通路が第2の通路と流体的に連結するよう、エルボ導管の上流部分が線形導管の下流部分に接続されている。エルボ導管は、線形導管の第1の通路のフットプリント延長領域から離間する方向に延びるよう、線形導管の軸方向から外側に屈曲することにより、フットプリント延長領域内において湾曲部分を画成している。電気回路は線形導管及びエルボ導管を加熱するよう構成されている。電気回路は線形導管の上流部分に取り付けられた第1の電極、線形導管の上流部分の下流に取り付けられた第2の電極、及びフットプリント延長領域内の湾曲部分に取り付けられた第3の電極を備えている。
【0006】
別の態様例において、溶融ガラスを加熱する方法が、第1の通路を画成する線形導管及び第1の通路と流体的に連結する第2の通路を画成するエルボ導管を備えた搬送装置に溶融ガラスを通すステップと、線形導管及びエルボ導管に電流を流すことにより、搬送装置内において溶融ガラスを加熱するステップとを有している。線形導管内を流れる電流束及びエルボ導管内を流れる電流束はいずれも8アンペア/mmを超えることはない。
【0007】
更に別の態様例において、ガラス製造装置の搬送装置が線形導管、エルボ導管、及び電気回路を有している。線形導管は軸に沿って延び、上流部分と下流部分とから成り、上流部分と下流部分との間に第1の通路が画成されている。第1の通路は、線形導管内を移動する一定量の溶融ガラスの経路を提供するよう構成されている。線形導管を移動する溶融ガラスを撹拌するための撹拌素子を第1の通路に配置することができる。エルボ導管は上流部分と下流部分とから成り、上流部分と下流部分との間に第2の通路が画成されている。第1の通路が第2の通路と流体的に連結するよう、エルボ導管の上流部分が線形導管の下流部分に接続されている。電気回路は線形導管及びエルボ導管を加熱するよう構成されている。電気回路は線形導管の上流部分に取り付けられた第1の電極、線形導管の下流部分に取り付けられた第2の電極、及びエルボ導管に取り付けられた第3の電極を有している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことにより、本発明の前記及びその他の特徴、態様、及び効果をより良く理解することができる。
【図1】ガラス製造装置の概略図。
【図2】電気回路の一部を示す搬送装置の第1の実施の形態例の斜視図。
【図3】搬送装置の側断面図。
【図4】搬送装置断面の拡大斜視図。
【図5】搬送装置全体の電流密度の推定分布を示す図。
【図6】搬送装置の第2の実施の形態例を示す図。
【図7】搬送装置の第3の実施の形態例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態例を示す添付図面を参照しながら、本発明の装置及び方法について詳細に説明する。図面において、同一又は同様の部品については、可能な限り同じ参照番号が付してある。しかし、本発明は様々な形態に具体化することが可能であり、本明細書において説明する実施の形態に限定されると解釈されるものではない。
【0010】
オーバフロー・ダウンドロー法のようなフュージョン法によって、高品質の薄いガラスシートを製造することができる。図1はガラス製造装置100、即ち、ガラスシート116を製造するためにフュージョン法を実施するフュージョン・ドロー装置の実施の形態例を示す図である。ガラス製造装置100は溶解容器102、清澄容器104、混合容器106(例えば、図示の撹拌室)、搬送容器108、形成容器110、延伸ローラー・アセンブリ112、及びガラス切り込みアセンブリ114を有している。
溶解容器102は、矢印118で示すように、ガラスバッチ材料が入れられ、溶解されて溶融ガラス120が形成される場所である。清澄容器104は、溶解容器102から溶融ガラス120を受け取り、溶融ガラス120から気泡を除くための高温処理領域を有している。清澄容器104は、清澄容器‐混合室接続管122によって混合容器106に接続されている。その後、混合容器106が撹拌室‐搬送容器接続管124によって搬送容器108に接続されている。搬送容器108は、下降管126を通して、溶融ガラス120を注入口128、次いで形成容器110内に供給する。形成容器110は溶融ガラス120を受け取る開口部130を有し、受け取った溶融ガラス120はトラフ132内に流入し、オーバフローし、形成容器110の2つの側面を流れ下り、底部134と呼ばれる場所において融合する。底部134は2つの側面が合流する場所であって、溶融ガラスの2つのオーバフロー壁流が融合する場所であり、その後融合したオーバフロー壁流が延伸ローラー・アセンブリ112によって下方に延伸されることにより、ガラスリボンが形成される。次に、ガラス切り込みアセンブリ114によって、延伸されたガラスリボン136に切り込みが入れられ、その後、個別のガラスシート116に分離される。
【0011】
図2はガラス製造装置100の一部であって、溶融ガラス120が搬送される搬送装置140の第1の実施の形態例を示す図である。ガラス製造装置100の様々な部分を搬送装置140とすることができるが、本搬送装置140は混合容器106として実現されている。
【0012】
搬送装置140は撹拌素子142(図3)、線形導管144、エルボ導管146を備えている。線形導管144は上流部分150及び下流部分152を有し、その間に第1の通路154が画成され、溶融ガラス120が線形導管144を通して移動する経路が設けられている。線形導管144の上流部分150は、ガラス製造装置100の上流部分(例えば、清澄容器)からの溶融ガラス120が第1の通路154に入るための導入口156を有している。上流部分150は開口部158を有し、そこを通して撹拌素子142が第1の通路154内に延びることができる。しかし、線形導管144の撹拌素子142は、これとは異なる構成とすることができる。例えば、開口部158を設けず、撹拌素子142を線形導管144の内部に完全に収容することができる。撹拌素子142を設ける場合には、第1の通路内154内に配置され、線形導管144内を移動する溶融ガラス120を撹拌するよう構成されている。撹拌素子142は離間する方向に突出している様々な形状を成すアーム又はヘラ164を備えた回転軸160を有している。
【0013】
エルボ導管146も上流部分166及び下流部分168を有し、その間に第2の通路170を画成している。第1の通路154が第2の通路170と流体的に連結し、溶融ガラス120が線形導管144からエルボ導管146に移動できるよう、エルボ導管146の上流部分166が線形導管144の下流部分152に接続されている。第2の通路170によって、溶融ガラス120がエルボ導管146を通して移動するための経路が提供される。
【0014】
線形導管144は、軸に沿って延びる第1の通路154によって溶融ガラス120が流れる線形経路が形成されるよう実質的に円筒形を成している。これとは対照的に、エルボ導管146は湾曲を成し、エルボ導管146が第1の通路154のフットプリント延長領域172(図3)から離間する方向に延びるよう、線形導管144の軸方向から外側に屈曲している。従って、エルボ導管146の下流部分168は、線形導管144の第1の通路のフットプリント延長領域172の外部に位置することができる。フットプリント延長領域172内に位置するエルボ導管の部分によって、内半径領域176及び外半径領域178を有する湾曲部分174が画成される。
【0015】
エルボ導管146の下流部分168は、搬送容器108に通じる撹拌室‐搬送容器接続管124のような、エルボ導管146が連通しているガラス製造装置100の別の部分に接続することができる。溶融ガラス120を下流方向に移動させる駆動手段(図示せず)が停止すると、搬送管182を介し、溶融ガラス120がエルボ導管146に戻るよう、搬送容器108の導入口180をエルボ導管146の下流部分168より高い位置に配することができる。
管状のタップ導管184により第3の通路186を画成し、エルボ導管146の第2の通路と流体的に連結されるようエルボ導管146に接続することができる。タップ導管184は、駆動手段が停止したとき、搬送装置140及びガラス製造装置100の隣接部から溶融ガラス120を排出する開閉部(図示せず)を備えることができる。開閉部により、溶融ガラスの凝固による封塞及び溶融状態に戻すことによる封塞の解除によって溶融ガラス120の流量を制御することができる。あるいは、開閉手段は、バルブ等、当技術分野で周知の部品であってもよい。
【0016】
搬送装置140は、溶融ガラス120が流れたとき、線形導管144及びエルボ導管146に電流を流すための幾つかの電極を備えている。第1の実施の形態において、線形導管144及びエルボ導管146が並列接続された抵抗器として作用する。従って、線形導管144及びエルボ導管146が抵抗加熱され、撹拌中及び導管144、146内を移動する間、熱が溶融ガラス120に伝達される。線形導管144及びエルボ導管146は、例えば、白金合金のような導電性材料から成ることができる。
【0017】
図2及び3に示す第1の実施の形態において、線形導管144は、上流部分150に取り付けられている第1の電極188及び下流部分152に取り付けられている第2の電極190を備えている。例えば、線形導管144の下流端部とエルボ導管146の上流端部の接続部に第2の電極190を配することができる。実質的に線形導管144の全体に均等に電流が伝達されるよう、第1及び第2の電極188、190が線形導管144の周囲に延びている。第1及び第2の電極188、190はフランジ(図4)あるいは円筒又は切頂円錐管(図3)として実現することができる。第1及び第2の電極188、190に対し直接電線を接続することも、フランジから延びるタブ192(図2)を備え、それに電線を接続することもできる。第1の電気ループ194の一部である線形導管144内を電流が流れる。
【0018】
引き続き図2及び3の第1の実施の形態において、第2の電気ループ196の一部であるエルボ導管146にも電流が流れる。第2の電極190は線形導管144と同様にエルボ導管とも電気的に導通するよう構成することができる。しかし、第1の電気ループ194と第2の電気ループ196とが電気的に接続されない場合には、エルボ導管146の上流部分166に別の電極を設けることができる。搬送装置140はエルボ導管146の上流部分166の下流に接続された第3の電極198を更に備えている。本実施の形態において、第3の電極198は、第1の通路154のフットプリント延長領域172内における湾曲部分174の外半径領域178に取り付けられている。しかし、第3の電極198はフットプリント延長領域172内の外半径領域178から離間したエルボ導管146の部分又はフットプリント延長領域172外のエルボ導管146の部分に接続することもできる。エルボ導管146の様々な位置に第3の電極198を接続することができるが、このことはタブ導管184についても言える。更に、本実施の形態のように、第3の電極とタブ導管184とを1つの部品として実現し、タブ導管184により溶融ガラスを排出すると共にエルボ導管146に電流を流すことができる。
【0019】
所定の壁厚を有する搬送装置140の導管は、特定のレベル以上の電流密度に対応することはできない。従って、搬送装置140全体にわたり、電流密度が所定のレベル以下に制限されるよう設計される。例えば、搬送装置140の本実施の形態を通して、電流密度が1平方ミリメートル当たり8アンペアを超えないように制限される。電流束が発生するタップ導管184に電流束が集中するため、タップ導管184の(断面積の他に)壁厚がタップ導管184に加えられ、エルボ導管146に伝達される電流束の制限要因になる。従って、エルボ導管146に伝達される電流束を増大させるためには、タップ導管184の壁厚を大きくする必要があり、タップ導管184の壁厚がエルボ導管146の壁厚より大きくなる。例えば、線形導管144及びエルボ導管146の壁厚を0.04インチ(1.016mm)とし、タップ導管184の壁厚を0.05インチ(1.27mm)とすることができる。更に、エルボ導管146とタップ導管184との接続部又は接続面200近傍のエルボ導管146の部分における電流密度が過度になり、所定の壁厚を有するエルボ導管146にとって耐えることができない場合がある。この場合、エルボ導管146の隣接部分より厚くなるよう接合面200を環状に構成することにより、電流束が接続面200に消散して、この付近のエルボ導管146の過熱を防止することができる。例えば、環状部分の厚さをタップ導管184の壁厚と同等又はそれ以上とすることができ、0.25〜1インチ(6.35〜25.4mm)とすることができる。
【0020】
搬送装置140の動作中、導入口156を介し、駆動手段によって線形導管144の上流部分150及び第1の通路154に溶融ガラスが導入される。第1の通路154を通過する際、撹拌素子142によって溶融ガラス120を混合することができる。更に、第1及び第2の電極188、190に加えられた電流による線形導管144の抵抗加熱によって溶融ガラスが加熱される。第2及び第3の電極190、198に加えられた電流によって、エルボ導管146にも抵抗加熱が生じるため、溶融ガラスは加熱状態で引き続き第2の通路170内を移動する。その後、溶融ガラス120は、搬送管182を通して更に下流に移動し、ガラス製造装置100の次の部署(例えば、搬送容器108)に到達する。
【0021】
図5は第1及び第2の電気ループ194、196に電流を流すことによって得られた搬送装置140の電流密度の推定分布を示す図である。図5の凡例に示すように、各々の陰影を施した部分は、それぞれアンペア/mmで示す電流密度の所定の範囲に対応している。本実施の形態において、電極188、190、及び198が最も高い電流密度範囲に属している。線形導管144が中間の電流密度範囲に属し、エルボ導管146が最も低い電流密度範囲に属している。
【0022】
一般に、電流束は電極間における最短経路をとる傾向にある。従って、湾曲導管構造体の長手方向の端部に電極を設けることにより、湾曲導管構造体を通して電流が供給されると、電流密度のピークが湾曲導管構造体の内半径部分に存在する。従って、第2の電極190がエルボ導管146の下流部分168に位置し、第1の電極188が線形導管144の上流部分150に位置する搬送装置140の変形例(図示せず)においては、内半径領域176に局部的な過熱が生じる。しかし、本実施の形態において、図5のモデル化による推定によれば、タップ導管184がエルボ導管146に接続される接続面200の位置を第1の通路154のフットプリント延長領域内に保ち、且つ/又は第2の電極190を線形導管144とエルボ導管146との間に取り付けることにより、導管144、146の局部的過熱を防止できることを示している。具体的には、図2及び3の実施の形態において、電流密度が所望の限度(例えば、8アンペア/mm)を超えておらず、導管144及び146はいずれも、1つの点の電流密度が周囲の領域より過度に又は不均一に高い局部過熱領域を有していないことを示している。
【0023】
更に、図示の実施の形態において、線形導管144が第1の電気ループ194の一部であり、エルボ導管146が第2の電気ループの一部であるため、エルボ導管146を流れる電流束の制御において、線形導管144とは明確に区別した高い独立性が得られる。具体的には、第1の電極188が線形導管144の上流部分150に接続され、第2の電極190がエルボ導管146の下流部分に接続され、第3の電極198がエルボ導管146に接続される変形例においては、エルボ導管を流れる電流束と線形導管144を流れる電流束とを分離制御することが困難であるため、エルボ導管146の電流密度範囲を線形導管144の電流密度範囲から大幅にずらすことはできない。それとは対照的に、図5のモデル化による推定によれば、図示の実施の形態においては、線形導管144とエルボ導管146とにおける電流密度が大幅に異なり、電流密度範囲が重複していないことを示している。例えば、エルボ導管146における電流密度分布の範囲は線形導管144の電流密度分布の範囲より一桁低い。
【0024】
図6は第3の電極として実現されたタップ導管184が、第1の通路のフットプリント延長領域172内に位置する、第2の実施の形態例である搬送装置240を示す図である。タップ導管184の位置によって、電流束がエルボ導管146の内半径領域176に集中する傾向が低減される。しかし、図5の第1の実施の形態と異なり、第2の電極190が線形導管144の上流部分150の下流に位置しているものの、線形導管144の下流部分152ではなく、エルボ導管146の下流部分168に位置している。従って、線形導管144の電流束とは別に独立してエルボ導管146内の電流束を制御することはできない。
【0025】
図7は第2の電極が線形導管144の下流部分152に位置する第3の実施の形態例である搬送装置340を示す図である。その結果、線形導管144の電流束とは別に独立してエルボ導管146内の電流束を制御することができる。しかし、第3の電極198として実現されたタップ導管184が、第1の通路154のフットプリント延長領域外に位置しているため、エルボ導管146の内半径領域176が局部的に過熱される可能性がある。
【0026】
従って、これに限定されない下記のような幾つかの実施の形態例が考えられる。
【0027】
C1.ガラス製造装置の搬送装置であって、軸に沿って延びる線形導管であって、上流部分と下流部分とから成り、上流部分と下流部分との間に、内部を移動する一定量の溶融ガラスの経路を提供するよう構成された第1の通路が画成されて成る線形導管と、上流部分と下流部分とから成り、上流部分と下流部分との間に第2の通路が画成されて成るエルボ導管であって、第1の通路が第2の通路と流体的に連結するよう、上流部分が線形導管の下流部分に接続され、線形導管の第1の通路のフットプリント延長領域から離間する方向に延びるよう線形導管の軸方向から外側に屈曲することにより、フットプリント延長領域内において湾曲部分を画成して成るエルボ導管と、線形導管及びエルボ導管を加熱するよう構成された電気回路であって、線形導管の上流部分に取り付けられた第1の電極、線形導管の上流部分の下流に取り付けられた第2の電極、及びフットプリント延長領域内の湾曲部分に取り付けられた第3の電極を備えた電気回路とを有して成ることを特徴とする搬送装置。
【0028】
C2. 湾曲部分が内半径領域及び外半径領域を有し、第3の電極がフットプリント延長領域におけるエルボ導管の外半径領域に取り付けられて成ることを特徴とするC1の搬送装置。
【0029】
C3.エルボ導管に接続され、第2の通路と流体的に連結した第3の通路を備えたタップ導管を更に有して成ることを特徴とするC1又はC2の搬送装置。
C4.タップ導管が第3の電極を有して成ることを特徴とするC3の搬送装置。
【0030】
C5.湾曲部分が内半径領域及び外半径領域を有し、タップ導管がフットプリント延長領域におけるエルボ導管の外半径領域に接続されて成ることを特徴とするC4の搬送装置。
【0031】
C6.タップ導管の壁厚とエルボ導管の壁厚とが異なることを特徴とするC3の搬送装置。
【0032】
C7.エルボ導管が、タップ導管が接続される接続部を有し、接続部の壁厚がエルボ導管の隣接する壁厚より大きいことを特徴とするC3の搬送装置。
【0033】
C8.接続部が環状構造を成していることを特徴とするC7の搬送装置。
【0034】
C9.第1及び第2の電極の少なくとも1つがフランジであることを特徴とするC1〜C8の何れか1つの搬送装置。
【0035】
C10.線形導管の上流部分が溶融ガラスの導入口を有して成ることを特徴とするC1〜C9の何れか1つの搬送装置。
【0036】
C11.第2の電極が線形導管の下流部分に取り付けられ、電気回路が線形導管を流れる電流束とエルボ導管を流れる別の電流束とを独立して制御するよう構成されて成ることを特徴とするC1〜C10の何れか1つの搬送装置。
【0037】
C12.電気回路が、線形導管を流れる電流束及びエルボ導管を流れる電流束の何れも8アンペア/mmを超えないよう構成されて成ることを特徴とするC1〜C11の何れか1つの搬送装置。
【0038】
C13.第1の通路内に位置し、線形導管内を移動する溶融ガラスを撹拌するよう構成された撹拌素子を更に有して成ることを特徴とするC1〜C12の何れか1つの搬送装置。
【0039】
C14.C1の搬送装置を用いた溶融ガラスの加熱方法であって、線形導管の上流部分に一定量の溶融ガラスを導入するステップ、電気回路によって線形導管に電流を流すことにより、線形導管を加熱するステップ、一定量の溶融ガラスをエルボ導管の第2の通路に送るステップ、及び電気回路によってエルボ導管に電流を流すことにより、エルボ導管を加熱するステップを有して成る方法において、線形導管を流れる電流束及びエルボ導管を流れる電流束のいずれも8アンペア/mmを超えないことを特徴とする方法。
【0040】
C15.第2の電極が線形導管の下流部分に取り付けられ、電気回路が、エルボ導管とは独立して、線形導管を加熱することを特徴とするC14の方法。
【0041】
C16.線形導管の第1の通路内を移動中の一定量の溶融ガラスを撹拌するステップを更に有して成ることを特徴とするC14又はC15の方法。
【0042】
C17.溶融ガラスを加熱する方法であって、第1の通路を画成する線形導管及び第1の通路と流体的に連結する第2の通路を画成するエルボ導管を備えた搬送装置に溶融ガラスを通すステップと、線形導管及びエルボ導管に電流を流すことによって、搬送装置内の溶融ガラスを加熱するステップとを有して成り、線形導管を流れる電流束及びエルボ導管を流れる電流束の何れも8アンペア/mmを超えないことを特徴とする方法。
【0043】
C18.加熱するステップが、第2の通路内の溶融ガラスとは独立して、第1の通路内の溶融ガラスを加熱することを含んで成ることを特徴とするC17の方法。
【0044】
C19.ガラス製造装置の搬送装置であって、軸に沿って延びる線形導管であって、上流部分と下流部分とから成り、上流部分と下流部分との間に、内部を移動する一定量の溶融ガラスの経路を提供するよう構成された第1の通路が画成されて成る線形導管と、上流部分と下流部分とから成り、上流部分と下流部分との間に第2の通路が画成されて成るエルボ導管であって、第1の通路が第2の通路と流体的に連結するよう、上流部分が線形導管の下流部分に接続されて成るエルボ導管と、線形導管及びエルボ導管を加熱するよう構成された電気回路であって、線形導管の上流部分に取り付けられた第1の電極、線形導管の下流部分に取り付けられた第2の電極、及びエルボ導管に取り付けられた第3の電極を備えた電気回路とを有して成ることを特徴とする搬送装置。
【0045】
C20.電気回路が、エルボ導管とは独立して、線形導管を加熱することを特徴とするC19の搬送装置。
【0046】
C21.エルボ導管が、線形導管の第1の通路のフットプリント延長領域から離間する方向に延びるよう、線形導管の軸方向から外側に屈曲することにより、フットプリント延長領域内において湾曲部分を画成して成り、第3の電極がフットプリント延長領域内の湾曲部分に取り付けられて成ることを特徴とするC19又はC20の搬送装置。
【0047】
C22.湾曲部分が内半径領域及び外半径領域を有し、第3の電極がフットプリント延長領域におけるエルボ導管の外半径領域に取り付けられて成ることを特徴とするC21の搬送装置。
【0048】
C23.第1の通路内に位置し、線形導管内を移動する溶融ガラスを撹拌するよう構成された撹拌素子を更に有して成ることを特徴とするC19〜C22の何れか1つの搬送装置。
【0049】
当業者にとって、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、本発明に対し様々な改良及び変更が可能であることは明白である。例えば、撹拌容器の形態を成す搬送装置を直接加熱することをこれまで説明したが、本発明はそれぞれ電流を流すことによって加熱される線形導管及びエルボ導管を有する別の搬送装置にも適用できる。従って、各種改良及び変更は、添付クレーム及びその均等物の範囲に属する限り、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0050】
102 溶解容器
104 清澄容器
106 混合容器
108 搬送容器
110 形成容器
112 延伸ローラー・アセンブリ
114 ガラス切り込みアセンブリ
116 ガラスシート
120 溶融ガラス
142 撹拌素子
144 線形導管
146 エルボ導管
154 第1の通路
156 導入口
170 第2の通路
172 第1の通路のフットプリント延長領域
174 湾曲部分
184 タップ導管
188 第1の電極
190 第2の電極
198 第3の電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス製造装置の搬送装置であって、
軸に沿って延びる線形導管(144)であって、上流部分(150)と下流部分(152)とから成り、該上流部分と該下流部分との間に、内部を移動する一定量の溶融ガラスの経路を提供するよう構成された第1の通路(154)が画成されて成る線形導管と、
上流部分(166)と下流部分(168)とから成り、該上流部分と該下流部分との間に第2の通路(170)が画成されて成るエルボ導管(146)であって、前記第1の通路が前記第2の通路と流体的に連結するよう、前記上流部分が前記線形導管の前記下流部分に接続され、前記線形導管の前記第1の通路のフットプリント延長領域(172)から離間する方向に延びるよう、前記線形導管の軸方向から外側に屈曲することにより、前記フットプリント延長領域内において湾曲部分(174)を画成して成るエルボ導管と、
前記線形導管及び前記エルボ導管を加熱するよう構成された電気回路であって、前記線形導管の前記上流部分に取り付けられた第1の電極(188)、前記線形導管の前記上流部分の下流に取り付けられた第2の電極(190)、及び前記フットプリント延長領域内の前記湾曲部分に取り付けられた第3の電極(198)を備えた電気回路と、
を有して成ることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記湾曲部分(174)が内半径領域(176)及び外半径領域(178)を有し、前記第3の電極(198)が前記フットプリント延長領域(172)における、前記エルボ導管(146)の前記外半径領域に取り付けられて成ることを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記エルボ導管(146)に接続され、前記第2の通路(170)と流体的に連結した第3の通路(186)を備えたタップ導管(184)を更に有して成ることを特徴とする請求項1又は2記載の搬送装置。
【請求項4】
前記第1の電極(188)及び前記第2の電極(190)の少なくとも1つがフランジであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の搬送装置。
【請求項5】
前記線形導管の前記上流部分が前記溶融ガラス(120)の導入口(156)を有して成ることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の搬送装置。
【請求項6】
前記第2の電極(190)が前記線形導管の前記下流部分(152)に取り付けられ、前記電気回路が前記線形導管(144)を流れる電流束と前記エルボ導管(146)を流れる別の電流束とを独立して制御するよう構成されて成ることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の搬送装置。
【請求項7】
前記第1の通路(154)内に位置し、前記線形導管(144)内を移動する前記溶融ガラス(120)を撹拌するよう構成された撹拌素子(142)を更に有して成ることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の搬送装置。
【請求項8】
請求項1記載の搬送装置を用いて溶融ガラスを加熱する方法であって、
前記線形導管(144)の前記上流部分(150)に一定量の溶融ガラス(120)を導入するステップ、
前記電気回路によって前記線形導管に電流を流すことにより、該線形導管を加熱するステップ、
前記一定量の溶融ガラスを前記エルボ導管(146)の前記第2の通路(170)に送るステップ、及び
前記電気回路によって前記エルボ導管に電流を流すことにより、該エルボ導管を加熱するステップ、
を有して成り、
前記線形導管を流れる電流束及び前記エルボ導管を流れる電流束のいずれも8アンペア/mmを超えないことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記第2の電極(190)が前記線形導管(144)の前記下流部分(152)に取り付けられ、前記電気回路が、前記エルボ導管(146)とは独立して、前記線形導管を加熱することを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記線形導管の前記第1の通路(154)内を移動中の前記一定量の溶融ガラス(120)を撹拌するステップを更に有して成ることを特徴とする請求項8又は9記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−111687(P2012−111687A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−255821(P2011−255821)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】