説明

キッチンパネル色コーディネートシステム

【課題】 キッチンパネルのレイアウト全体を所望のカラーパターンにデザインすることのできるキッチンパネル色コーディネートシステムを提供する。
【解決手段】 ポインタ20をフロアユニットFにおける一つの分割パネル区分13aに近づける。すると、ポインタ20と重なった分割パネル区分13aが分割区分枠13で囲まれる。ユーザーはその場所でマウスをクリックし分割パネル区分13をa指定し、次にカラーサンプル12から自分の好みに合った一つの色を選ぶ。色を決めると、ポインタ20がその色と重なった場所においてクリックする。すると、先ほど選択しておいた分割パネル区分13aの色が選んだ色へと変わる。このような操作を繰り返すことで、レイアウト11を自分の好みに合ったデザインへと変更することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチンパネル色コーディネートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなキッチンパネル色コーディネートシステムとして、例えば下記特許文献1に記載されているように、顧客が自ら扉の色、柄、取っ手の意匠面をコンピュータが所有しているデータベースの中から選択、組合せ等により扉をデザインし、このイメージの扉を家具又はキッチン家具に取付けた全体のイメージをCAD画面上でカラーパース化して完成レイアウトでのイメージとして確認し、顧客からの注文時点でそのデータを製造部門に電送することにより邸別の生産を指示するシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−197123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のキッチンパネル色コーディネートシステムでは、扉単体の仕様を決めることは出来たが、キッチン全体で複数枚の扉郡の色柄や配置をユーザーが選択しデザインすることができなかった。
【0005】
本発明の解決すべき課題は、キッチンパネルのレイアウト全体を所望のカラーパターンにデザインすることのできるキッチンパネル色コーディネートシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のキッチンパネル色コーディネートシステムは、
Webサーバに記憶され、キッチン家具のレイアウトを選定するための複数種類のレイアウトを、前記Webサーバにインターネットを介してアクセスされる端末の画面に表示する形態で、かつ各レイアウトにおいてパネル色が個別に設定できる複数の領域を分割パネル区分として記憶するレイアウトメモリと、
Webサーバに記憶され、前記レイアウトの分割パネル区分におけるパネル色を選定するための予めリストアップされたカラーサンプルを前記端末の画面に表示可能な形態で記憶するカラーサンプルメモリと、
Webサーバに記憶され、Webサーバにインターネットを介してアクセスされる端末からの操作によって前記レイアウトの分割パネル区分の1つを選択する、WebサーバのCPUにより実行される分割パネル区分指定プログラムと、
Webサーバに記憶され、Webサーバにインターネットを介してアクセスされる端末からの操作によって起動し、前記リストアップされたカラーサンプルから任意のものを選択する、WebサーバのCPUにより実行されるカラー選定プログラムと、
前記選択された分割パネル区分を、前記選択されたカラーサンプルのカラーに着色し、Webサーバにインターネットを通じてアクセスされる端末の画面に表示する、WebサーバのCPUによって実行される分割パネル区分着色プログラムと、
前記端末からの操作に基づき、前記分割パネル区分指定プログラム、カラー選定プログラム、分割パネル区分着色プログラムが順次複数回実行されることにより、複数の前記分割パネル区分の全てが着色されてレイアウト全体が所望のカラーパターンにデザインされた完成レイアウトを一時記憶する完成レイアウトメモリと、
Webサーバに記憶され、前記端末からの操作により起動し、前記完成レイアウトについてユーザーの個人情報と共に発注を指示する、WebサーバのCPUによって実行される発注プログラムと、
Webサーバに設けられ、その発注プログラムで発注された完成レイアウトを個人情報と共に受注データとして記憶する受注データメモリと
を含むことを特徴とする。
【0007】
ここで、本発明に示すパネル色とは青や赤等の色のみでは無く、木目のような柄や鏡面加工のように仕上げる金属色も含んでいる。また、分割パネル区分とはキッチンパネルのみではなく、扉に備え付けられるハンドル等を含む構成としてもよい。
【0008】
このようなキッチンパネル色コーディネートシステムでは、キッチン家具のレイアウトおいて、あらかじめ複数の領域に分割された分割パネル区分毎に個別にパネル色が設定できるので、ユーザーは分割パネル区分毎に自分の気に入った配色や柄とすることが可能である。
【0009】
よって、キッチン家具のレイアウトに対し、一部分のみを指定してデザインを決めるのではなく、キッチン家具全体のデザインを決めることができ、ユーザーは自分の好みに合ったキッチン全体のレイアウトを創作することができる。
【0010】
さらに、完成したレイアウトはユーザーの個人情報とともに発注することができ、ユーザーは自分で作成したレイアウトの注文を簡単に行うことができる。
【0011】
また、前記完成レイアウトは、全体が単一色とされる「プレーン」、大半が第1色でその一部のみが第2色とされる「アクセント」、帯状に区画された複数カラーとなる「ボーダー」、第1色と第2色が市松模様状に交互に配置された「チェス」、全体が互いに異なる2色以上で構成される「ランダム」のいずれかのカラーデザインとすることができる。
【0012】
上記のように、複数の分割パネル区分はキッチン家具の完成レイアウト毎に分割パネル区分が数個集まって一塊となったデザインを形成し、分割パネル区分が複数あることで、ユーザーは複雑な模様や色彩のキッチン家具の全体的なデザインを一種のコンセプトに従って創作することができる。
【0013】
また、前記レイアウトメモリは、キッチンのユーザーが立つ側とは反対側のフロントパネルも1以上の分割パネル区分としてカラー選択が可能であるレイアウトを記憶する構成としてもよい。
【0014】
これによれば、フロントパネルも1以上の分割パネル区分毎にカラー選択が可能となるので、調理する側のユーザーだけではなく、その反対側にいるユーザーにもキッチン家具の色彩や模様を視認させることができ、前面の意匠面の美感が向上する。
【0015】
また、前記レイアウトメモリは、キッチンの側面に位置するサイドパネルも1以上の分割パネル区分としてカラー選択が可能であるレイアウトを記憶する構成としてもよい。
【0016】
これによれば、サイドパネルにまで1以上の分割パネル区分毎にカラー選択が可能となるので、ユーザーはキッチン家具の細部に渡るまで、デザインを考えることができ、自分の好みに合うものを創作することが可能となり、満足度が高くなる。
【0017】
また、前記Webサーバは、前記分割パネル区分指定プログラム、カラー選定プログラム、分割パネル区分着色プログラムの実行により完成するカラーデザインのコーディネートの援助のために、前記「プレーン」「アクセント」、「ボーダー」、「チェス」、「ランダム」のカラーデザインのサンプルを記憶するカラーデザインサンプルメモリと、そのカラーデザインサンプルを、Webサーバにインターネットを介してアクセスされる端末の画面に、前記レイアウトと併せて表示するカラーデザインサンプル表示プログラムと、を備える構成としてもよい。
【0018】
これによれば、複数の分割パネル区分が数個集まって一塊となったいくつかのカラーデザインサンプルが端末の画面に表示されるので、ユーザーは配色などで迷った場合は、そのカラーデザインサンプルを参考にすることで容易にデザインの決定が可能となる。
【0019】
また、前記分割パネル区分指定プログラム、カラー選定プログラム、分割パネル区分着色プログラムの実行に先立って実行可能であり、前記完成レイアウトを作成する前提として、前記「プレーン」「アクセント」、「ボーダー」、「チェス」、「ランダム」のカラーデザインの各モードを設定し、各モードに従って許容されるカラーデザインのみをWebサーバにインターネットを介してアクセスされる端末からの操作により行わせる、該Webサーバに格納されたデザインモード設定プログラムを有する構成としてもよい。
【0020】
これによれば、ユーザーは複数の分割パネル区分が数個集まって一塊となったいくつかのカラーデザインサンプルの中から一つのデザインを選択すると、その選択されたカラーデザインのモード毎に配色の決定ができる。つまり、ユーザーは複数の分割パネル区分を一つずつ変更していく手間が省け、各モード毎に設定された数個の分割パネル区分の色を一斉に変更することが可能となる。よって、ユーザーは自分の気に入ったデザインを選んだ後、そのデザインに合った配色を考えることができ、レイアウトが先に決まっている場合などは、色の変更も簡単であり使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るキッチンパネル色コーディネートシステムの構成を示す説明図。
【図2】本発明に係るキッチンパネル色コーディネートシステムのフローチャート。
【図3】端末の画面に表示される図を示す説明図。
【図4】別処理が追加されたときのキッチンパネル色コーディネートシステムのフローチャート。
【図5】別処理が行われるときの端末の画面に表示される図を示す説明図。
【図6】発注画面を示す説明図。
【図7】複数のカラーデザインサンプルの配色例を示す図。
【図8】フロントパネル、サイドパネルに配色したときの図。
【図9】ハンドル部分に配色したときの図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施例1)
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明のキッチンパネル色コーディネートシステム1を示している。サーバ(Webサーバ)2は、通信ネットワークとしてのインターネット3に対してI/Oポート5を介して接続され、またこれにバス6を介してCPU7、RAM8及びROM9が接続されている。
また、インターネット3を介してサーバ2とアクセスされる端末4の画面には、キッチン家具のレイアウトを選定するための複数種類のレイアウトが表示される。
【0023】
RAM8には、ワークメモリ8a、完成レイアウトメモリ8b、受注メモリ8cが含まれている。
【0024】
ROM9には、レイアウトメモリ9a、カラーサンプルメモリ9b、カラーデザインサンプルメモリ9c及び分割パネル区分指定プログラム9d、カラー選定プログラム9e、分割パネル区分着色プログラム9f、発注プログラム9g、カラーデザインサンプル表示プログラム9h、デザインモード設定プログラム9iが含まれている。
【0025】
レイアウトメモリ9aは、各レイアウトにおいてパネル色が個別に設定できる複数領域を分割パネル区分としてサーバ2に記憶されている。カラーサンプルメモリ9bは、レイアウトの分割パネル区分におけるパネル色を選定するために予めリストアップされたカラーサンプルを端末4の画面に表示可能な形態でサーバ2に記憶されている。カラーデザインサンプルメモリ9cは、複数種類のカラーデザインのサンプルを端末4の画面に表示可能な形態でサーバ2に記憶されている。
【0026】
また、分割パネル区分指定プログラム9dは、端末4からの操作によってレイアウト分割パネル区分の1つを選択し、サーバ2のCPU7によって実行されるプログラムである。カラー選定プログラム9eは、端末4からの操作によって起動し、リストアップされたカラーサンプルから任意のものを選択し、サーバ2のCPU7によって実行されるプログラムである。分割パネル区分着色プログラム9fは、選択された分割パネル区分を、選択されたカラーサンプルのカラーに着色し、端末4の画面に表示するように、サーバ2のCPU7によって実行されるプログラムである。
【0027】
ここで、RAM8に含まれる完成レイアウトメモリ8bは、端末4からの操作に基づき、分割パネル区分指定プログラム9d、カラー選定プログラム9e、分割パネル区分着色プログラム9fが順次数回実行されることにより、複数の分割パネル区分の全てが着色されて、レイアウト全体が所望のカラーパターンにデザインされた完成レイアウトを一時記憶するものである。
【0028】
また、発注プログラム9gは端末4からの操作によって起動し、完成レイアウトについてユーザーの個人情報と共に発注を指示するように、サーバ2のCPU7によって実行されるプログラムである。さらに、RAM8に含まれる受注データメモリ8cは、発注プログラム9gで発注された完成レイアウトを個人情報と共に受注データとして記憶する。
【0029】
カラーデザインサンプル表示プログラム9hは、複数種類のカラーデザインのサンプルを端末4の画面にレイアウトと併せて表示するプログラムである。また、デザインモード設定プログラム9iは、分割パネル区分指定プログラム9d、カラー選定プログラム9e、分割パネル区分着色プログラム9fの実行に先立って実行可能であり、完成レイアウトを作成する前提として複数種類のカラーデザインの各モードに従って許容されるデザインのみを端末4からの操作によって行わせるプログラムである。
【0030】
図2にキッチンパネル色コーディネートシステム1の一例をフローチャートにより示す。ステップS1(以下単にS1という)で、ユーザー等のサイト利用者は、端末4からインターネット3を介してサーバ2に設定されたサイトに接続する。S2で、ユーザーが複数種類のキッチンデザインの中から1つのレイアウトを選択することで、端末4の画面にキッチンのレイアウトが表示される処理が実行される。
【0031】
S3では、レイアウト表示されたキッチンのレイアウトは分割区分指定プログラム9dにより複数の分割パネル区分毎に分割され、ユーザーが1つの分割パネル区分を選択すかしないかの判断がされる。さらに、S4で端末4の画面上に複数表示されたカラーサンプルの中からユーザーが1つのカラーサンプルを選択するかしないかの判断がされる。このとき、カラー選定プログラム9eによりカラーが選択される。そして、S5でCPU7が分割パネル区分着色プログラム9fを読み出すことで、端末4の画面上で分割されたパネルの1つが着色される。次にS6では、全分割パネル区分が着色されているかの判断がされ、着色されていなければS3〜S6が繰り返される。
【0032】
全分割パネル区分の着色が完了すると、次の処理へ進む。このときの完成レイアウトはRAM8上の完成レイアウトメモリ8b領域内に一時格納される。S7では、完成レイアウトをユーザーが発注するかしないの判断がなされ、発注しなければ終了処理となる。ユーザーが発注するとS8へ移行し、ユーザーの個人情報の入力と共にその信号がCPU7へと送られる。そして、CPU7は発注プログラム9gを読み出し、発注が完了する。このとき、完成レイアウトを個人情報と共に受注データとしてRAM8上の受注データメモリ8cに記憶する。
【0033】
図3における端末4の画面10で具体的な操作を説明する。ユーザーは予め複数種類あるキッチン家具のレイアウトから自分の好みに合ったレイアウト11を一つ決める。すると、レイアウト11が画面上に現れ、それと共にカラーサンプル12が画面の左に現れる。ここで、レイアウト11において、下方にはキッチン台を基本とするフロアユニットF、右上部には吊り戸を基本とするウォールユニットW、左上部にはレンジフード60が配置されている。
【0034】
ここで、フロアユニットFは七つの分割パネル区分13a,13b,13c,13d,13e,13f,13iに分割されている。また、ウォールユニットWは二つの分割パネル区分13g,13hに分割されている。
【0035】
ユーザーは、マウス等によりポインタ20をフロアユニットFにおける一つの分割パネル区分13aに近づける。すると、ポインタ20と重なった分割パネル区分13aがの分割区分枠13で囲まれる。ユーザーはその場所でマウスをクリックし分割パネル区分13aを指定する。次に、カラーサンプル12から自分の好みに合った一つの色を選ぶ。色を決めると、ポインタ20がその色と重なった場所においてマウスをクリックする。すると、先ほど選択しておいた分割パネル区分13aの色が選んだ色へと変わる。さらに、ポインタ20を分割パネル区分13bに近づけ同様の作業を行い、カラーサンプル12から選んだ色へと変更する。同様に分割パネル区分13c〜13iまで変更する。
【0036】
このように、分割パネル区分13a〜13iを変更することで、レイアウト11を自分の好みに合ったデザインへと変更することが可能となる。しかも、このようなキッチンパネル色コーディネートシステム1では、キッチン家具のレイアウト11に対し、あらかじめ複数の領域に分割された分割パネル区分13a〜13i毎に個別にパネル色が設定できるので、ユーザーは分割パネル区分13a〜13i毎に自分の気に入った配色をすることが可能である。また、分割パネル区分13a〜13iが複数あるので、ユーザーは自分の好みに合った色やバリエーションの選択が可能である。
【0037】
このように、複数の領域に分割された分割パネル区分13a〜13iが設定されているので、キッチンのレイアウト11に対し、一部分のみを指定してデザインを決めるのではなく、フロアユニットF,ウォールユニットWを含むキッチン家具全体のデザインを決めることができ、ユーザーは自分の好みに合った独創的なキッチン全体のレイアウトを創作することが可能であり、有り触れた一般的な色彩やデザインでは満足できないユーザーにとって大変魅力的である。
【0038】
そして、上記で作成した完成レイアウトは保存することができるので、作業の途中で止めたり複数作って保存しておくことも可能である。さらに、満足するレイアウトができるとユーザーはそのまま発注することもできるので、発注画面において個人情報を入力し発注を行えば、簡単に自分の満足行くデザインで発注が可能となる。
【0039】
ここで、カラーサンプル12やレイアウト11の位置は適宜変更が可能であり、その表示を大小に変更できるようにしてもよい。また、ポインタ20を分割パネル区分13a上に重ね合わせたとき、「この領域に色を塗って下さい」等のガイダンスが表示されるようにしてもよい。さらに、分割区分枠13の表示ではなく、ポインタ20を分割パネル区分13a上に重ね合わせることでその領域が拡大されるような構成としてもよい。また、色を選んでから分割パネル区分13aを決定することも可能である(図2のS3とS4の順所が逆となる)。さらに、これらの作業はマウスのみではなくキーボード等から行うことも可能である。
【0040】
次に、図4において別処理が追加されたときのフローチャートを示す。S1、S2は上記の説明と同様の処理である。次に、S3の処理の前にS3’の判断が行われる。S3’では、全体が単一色とされる「プレーン」、大半が第1色でその一部のみが第2色とされる「アクセント」、上側が水平方向に延びる第1色・下側が水平方向に延びる第2色のツートンカラーとされた「ボーダー」、第1色と第2色が市松模様状に交互に配置された「チェス」、全体が互いに異なる3色以上で構成される「ランダム」のカラーデザインがカラーデザインサンプル表示プログラム9hにより端末4の画面に表示される(図5の下端参照)。ユーザーがそのカラーデザインサンプルの中から1つのカラーデザインサンプルを選択すると、その信号がCPU7に送られCPU7はデザインモード設定プログラム9iを読み出す。すると、S3では、複数の分割パネル区分が集まって一塊(分割パネル区分郡)となった各モードのデザインの内、S3’で選択されたモードのカラーデザインの分割パネル区分(郡)のみが選択可能となる。そして、S3〜S8まで同様の処理が行われる。
【0041】
図5は図4の処理が追加されたときの端末4の画面10の表示であり、この図5において具体的な操作を説明する。ユーザーは予め複数種類あるキッチン家具のレイアウトから自分の好みに合ったレイアウト11を一つ決める。すると、レイアウト11が画面上に現れ、それと共にカラーサンプル12が画面の左に現れる。さらに、レイアウト11において、中央にはキッチン台を基本とするフロアユニットF、右上部には吊り戸を基本とするウォールユニットW、左上部にはレンジフード60が配置されている。
【0042】
ここで、フロアユニットFの下方には、カラーデザインサンプル14が表示される。カラーデザインサンプル14は、左から順にプレーンのカラーデザイン30、アクセントのカラーデザイン31、ボーダーのカラーデザイン32、チェスのカラーデザイン33、ランダムのカラーデザイン34と並んでいる。
【0043】
ユーザーは、最初にカラーデザインサンプル14の中から自分の好みのカラーデザインを選ぶ。一例としてボーダーのカラーデザイン32にしたいと考えたとき、ユーザーはボーダーのカラーデザイン32上にポインタ20を合わせマウスのボタンをクリックする。すると、レイアウト11はボーダーのカラーデザイン32の設定となる。
【0044】
ボーダーのカラーデザイン32が設定されると、フロアユニットFの分割パネル区分13a〜13d及び13iの内、上側の13a,13b,13c,13iが一塊となって一つの分割パネル区分(郡)15aを形成し、下側の13d,13e,13fが一塊となって一つの分割パネル区分15b(郡)を形成する。ここで、ウォールユニットWの上側の分割パネル区分13gは、分割パネル区分15aと連動されて一つの塊として認識されるようになる。同様に、ウォールユニットWの下側の分割パネル区分13hは、分割パネル区分15bと連動されて一つの塊として認識されるようになる。
【0045】
そして、ポインタ20がフロアユニットFにおける上側の分割パネル区分15aと重なったとき、上側の分割パネル区分15aが分割区分枠13で囲まれる。このときウォールユニットWにおける上側の分割パネル区分13gも同様に分割区分枠13で囲まれる。そしてこの状態で、マウスをクリックする。次にカラーサンプル12から自分の好みに合った一つの色を選ぶ。色を決めると、ポインタ20がその色と重なった場所においてマウスをクリックする。すると、先ほど選択しておいたフロアユニットFにおける上側の分割パネル区分15a及びウォールユニットWにおける上側の分割パネル区分13gの色が選んだ色へと変わる。
【0046】
次に、ポインタ20をフロアユニットFにおける下側の分割パネル区分15bと重ねると、先ほどと同様に下側の分割パネル区分15bが枠で囲まれる。さらに、ウォールユニットWにおける下側の分割パネル区分13hも同様に枠で囲まれる。そして、上記と同様の作業を行い、カラーサンプル12から別の色を選択し、マウスをクリックすると、先ほど選択しておいたフロアユニットFにおける下側の分割パネル区分15b及びウォールユニットWにおける下側の分割パネル区分13hの色が選んだ色へと変わる。
【0047】
このように、複数の分割パネル区分13a〜13iが数個集まって一塊となったいくつかのカラーデザインサンプル14が端末4の画面10に複数種類(30〜34)表示されるので、ユーザーは配色などで迷った場合は、そのカラーデザインサンプル14を参考にすることで容易にデザインの決定が可能となる。
【0048】
また、ユーザーは複数の分割パネル区分13a〜13iが数個集まって一塊となったいくつかのカラーデザインサンプル14の中から一つのデザイン(例えばボーダーのカラーデザイン32)を選択すると、その選択されたカラーデザイン(例えばボーダーのカラーデザイン32)のモード毎に配色の決定ができる。つまり、ユーザーは複数の分割パネル区分13a〜13iを一つずつ変更していく手間が省け、各モード毎に設定された数個の分割パネル区分(例えば13a〜13c及び13iが一塊となった15a)の色を一斉に変更することが可能となる。よって、作業効率が上がるとともに、ユーザーは自分の気に入ったデザインを選んだ後、そのデザインに合った配色を考えることができ、レイアウトが先に決まっている場合などは、色の変更も簡単であり使い勝手が良い。
【0049】
上記ではボーダーのカラーデザイン32を選択した場合を示したが、プレーンのカラーデザイン30、アクセントのカラーデザイン31、チェスのカラーデザイン33を選択した場合もポインタ20を移動することで同様に分割区分枠13が表示され、カラーサンプル12から一色の色を選択することで一斉に分割区分枠13内の色の変更が可能となる。ここで、ランダムのカラーデザイン34は複数の分割パネル区分13a〜13i毎に一色ずつ異なる設定となっているので、異なる色柄や同じ色柄を好きな配置で一つずつ色を変更したい場合はランダムのカラーデザイン34を選ぶとよい。
【0050】
また、カラーサンプル12やカラーデザインサンプル14及びレイアウト11の位置は適宜変更が可能であり、その表示を大小に変更できるようにしてもよい。また、ポインタ20を上側の分割パネル区分15a上に重ね合わせたとき、「上ボーダーの領域に色を塗って下さい」等のガイダンスが表示されるようにしてもよい。さらに、分割区分枠13の表示ではなく、ポインタ20を分割パネル区分15a上に重ね合わせることでその領域が拡大されるような構成としてもよい。また、色を選んでから分割パネル区分15aを決定することも可能である(図4のS3とS4の順所が逆となる)。さらに、これらの作業はマウスのみではなくキーボード等から行うことも可能である。
【0051】
さらに、フロアユニットFの分割パネル区分15aとウォールユニットWの分割パネル区分13gは連動して配色が行われるようにしたが、フロアユニットFとウォールユニットWの分割パネル区分15a,13gを別々に配色する設定とすることも可能である。
【0052】
次に、図6において完成した完成レイアウトを発注するときの画面を示す。サーバ2は一般的にキッチンメーカー又はキッチン販売店が主体的に運用し、登録されたデータ(完成レイアウト及び個人情報)は、サーバー運用者(キッチンメーカー等)が各々の端末4によりインターネット3を介して受注データメモリ8cの内容をサーバ2から読み出し、あるいはサーバ2から各々の端末4へ自動転送して確認することができる。
【0053】
ユーザーは作成が完成した完成レイアウトを一時保存する。そして、端末4の画面10を発注画面へと切り換える。左上には、ユーザーが作成した完成レイアウト名81が表示される。また、その下方にはキッチンの細かな見積82が表示されるとともに、右上には見積額の合計金額83が表示される。ユーザーはその金額を確認した上で、発注者情報84に自分の個人情報85(例えば、住所や氏名など)を入力する。そして、全ての入力が終わったら、ポインタ20を発注ボタン86上に重ね合わせマウスをクリックすることで発注が終了する。ここで、発注ボタン86をクリックした後、再度記載内容をユーザーに確認させるような画面が表示されるようにしてもよい。また、ここに挙げた画面内容は一例であり仕様に合わせ適宜変更が可能である。
【0054】
次に、図7に複数のカラーデザインサンプルの配色例を示す。図7(a)はボーダーのカラーデザイン32を選択した場合の配色例を示す図であり、フロアユニットF及びウォールユニットWが上下に第1色40と第2色50とで構成されている。(b)はプレーンのカラーデザイン30を示し、フロアユニットF及びウォールユニットWは第1色40のみで構成されている。(c)はアクセントのカラーデザイン31を示し、フロアユニットFの一部のみが第2色50となり他が第1色となる構成となっている。(d)はチェスのカラーデザイン33を示し、フロアユニットF及びウォールユニットWは市松模様状に交互に第1色40と第2色50が交互に配置されている。(e)はランダムのカラーデザイン34を示し、フロアユニットF及びウォールユニットWは第1色40、第2色50のみでなくさらに多くの色70で構成されている。
【0055】
図8(a)はフロントパネル17を配色したときの図、図8(b)はフロアユニットFのサイドパネル18及びウォールユニットWのサイドパネル19をそれぞれ配色したときの図、図8(c)はフロントパネル17を別分割したときの配色を示す図である。図8(a)に示すように、フロントパネル17は分割パネル区分17a〜17dに水平方向に四分割されている。また、図8(b)に示すように、フロアユニットFのサイドパネル18は分割パネル区分18a〜18dに左右で二分割され、ウォールユニットWのサイドパネル19は分割パネル区分19a〜19dに左右で二分割されている。さらに、フロアユニットFのフロントパネル17は図8(c)に示すように、上下・左右に四分割されている。
【0056】
このように、フロントパネル17もカラー選択が可能となるので、調理する側のユーザーだけではなく、その反対側にいるユーザーにもキッチン家具の色彩を視認させることができ、前面の意匠面の美感が向上する。ここで、フロントパネル17は分割パネル区分17a〜17dに四分割されている例を示したが、1以上の分割パネル区分毎に分割されるように設定でき、その分割数は適宜変更が可能である。さらに、分割の形態も適宜変更が可能である。
【0057】
さらに、サイドパネル18,19にまでカラー選択が可能となるので、ユーザーはキッチン家具の細部に渡るまで、デザインを考えることができ、自分の好みに合うものを創作することが可能となり、満足度が高くなる。ここで、フロントパネル17と同様にサイドパネル18,19は分割パネル区分18a〜18d及び19a〜19dに四分割されている例を示したが、1以上の分割パネル区分毎に分割されるように設定でき、その分割数は適宜変更が可能である。さらに、分割の形態も適宜変更が可能である。
【0058】
図9はハンドル部分に配色したときの図であり、図9(a)の扉90にはフラットバーハンドル91が取付けられ、図9(b)の扉90にはバーハンドル92が取付けられ、図9(c)の扉90,90にはハンドル93,93が取付けられている。
【0059】
このように、予め素材や形状を選択した様々な形状のハンドル91〜93にも配色することができ、ユーザーはキッチン家具の細部にまでこだわりを持ってカラーコーディネートが可能である。
【0060】
上記の実施例では、カラーサンプル12は数種類しか描かれていないが、より多くの種類に増やすこともでき、木目などの模様を備えたデザインを用意することもできる。また、木目のほか金属調(色)、1つの分割パネル区分自体が模様で構成される場合のその模様も全て広義のカラーサンプルである。さらに、カラーデザインサンプル14は5種類のみ記載したが、キッチン家具のレイアウトを変更する場合は、これらの種類とは別のカラーデザインサンプルを使用することも可能である。
【0061】
また、分割パネル区分の数はキッチンのレイアウトにより、増減が可能でありキッチン家具をより複雑な模様や色彩のデザインとすることもできる。
【0062】
また、ハンドル等のように一定の面を持った場所であれば分割パネル区分として指定できるので、表面色を変更したい細部があればその部分を分割パネル区分とすれば良く、キッチン家具の至る所の配色を変更できる。
【符号の説明】
【0063】
1 キッチンパネル色コーディネートシステム
2 サーバ(Webサーバ)
3 インターネット
4 端末
7 CPU
8 RAM
9 ROM
10 画面
11 レイアウト(キッチン家具のレイアウト)
12 カラーサンプル
13 分割区分枠
13a〜13h 分割パネル区分
14 カラーデザインサンプル
17 フロントパネル
18 サイドパネル
19 サイドパネル
20 ポインタ
30 プレーンのカラーデザイン
31 アクセントのカラーデザイン
32 ボーダーのカラーデザイン
33 チェスのカラーデザイン
34 ランダムのカラーデザイン
40 第1色
50 第2色
F フロントユニット
W ウォールユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webサーバに記憶され、キッチン家具のレイアウトを選定するための複数種類のレイアウトを、前記Webサーバにインターネットを介してアクセスされる端末の画面に表示する形態で、かつ各レイアウトにおいてパネル色が個別に設定できる複数の領域を分割パネル区分として記憶するレイアウトメモリと、
Webサーバに記憶され、前記レイアウトの分割パネル区分におけるパネル色を選定するための予めリストアップされたカラーサンプルを前記端末の画面に表示可能な形態で記憶するカラーサンプルメモリと、
Webサーバに記憶され、Webサーバにインターネットを介してアクセスされる端末からの操作によって前記レイアウト分割パネル区分の1つを選択する、WebサーバのCPUにより実行される分割パネル区分指定プログラムと、
Webサーバに記憶され、Webサーバにインターネットを介してアクセスされる端末からの操作によって起動し、前記リストアップされたカラーサンプルから任意のものを選択する、WebサーバのCPUにより実行されるカラー選定プログラムと、
前記選択された分割パネル区分を、前記選択されたカラーサンプルのカラーに着色し、Webサーバにインターネットを通じてアクセスされる端末の画面に表示する、WebサーバのCPUによって実行される分割パネル区分着色プログラムと、
前記端末からの操作に基づき、前記分割パネル区分指定プログラム、カラー選定プログラム、分割パネル区分着色プログラムが順次複数回実行されることにより、複数の前記分割パネル区分の全てが着色されてレイアウト全体が所望のカラーパターンにデザインされた完成レイアウトを一時記憶する完成レイアウトメモリと、
Webサーバに記憶され、前記端末からの操作により起動し、前記完成レイアウトについてユーザーの個人情報と共に発注を指示する、WebサーバのCPUによって実行される発注プログラムと、
Webサーバに設けられ、その発注プログラムで発注された完成レイアウトを個人情報と共に受注データとして記憶する受注データメモリと
を含むことを特徴とするキッチンパネル色コーディネートシステム。
【請求項2】
前記完成レイアウトは、全体が単一色とされる「プレーン」、大半が第1色でその一部のみが第2色とされる「アクセント」、帯状に区画された複数カラーとなる「ボーダー」、第1色と第2色が市松模様状に交互に配置された「チェス」、全体が互いに異なる2色以上で構成される「ランダム」のいずれかのカラーデザインとされる請求項1に記載のキッチンパネル色コーディネートシステム。
【請求項3】
前記レイアウトメモリは、キッチンのユーザーが立つ側とは反対側のフロントパネルも1以上の分割パネル区分としてカラー選択が可能であるレイアウトを記憶する請求項1又は2に記載のキッチンパネル色コーディネートシステム。
【請求項4】
前記レイアウトメモリは、キッチンの側面に位置するサイドパネルも1以上の分割パネル区分としてカラー選択が可能であるレイアウトを記憶する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のキッチンパネル色コーディネートシステム。
【請求項5】
前記Webサーバは、前記分割パネル区分指定プログラム、カラー選定プログラム、分割パネル区分着色プログラムの実行により完成するカラーデザインのコーディネートの援助のために、前記「プレーン」「アクセント」、「ボーダー」、「チェス」、「ランダム」のカラーデザインのサンプルを記憶するカラーデザインサンプルメモリと、そのカラーデザインサンプルを、Webサーバにインターネットを介してアクセスされる端末の画面に、前記レイアウトと併せて表示するカラーデザインサンプル表示プログラムと、を備える請求項2に記載のキッチンパネル色コーディネートシステム。
【請求項6】
前記分割パネル区分指定プログラム、カラー選定プログラム、分割パネル区分着色プログラムの実行に先立って実行可能であり、前記完成レイアウトを作成する前提として、前記「プレーン」「アクセント」、「ボーダー」、「チェス」、「ランダム」のカラーデザインの各モードを設定し、各モードに従って許容されるカラーデザインのみをWebサーバにインターネットを介してアクセスされる端末からの操作により行わせる、該Webサーバに格納されたデザインモード設定プログラムを有する請求項2又は5に記載のキッチンパネル色コーディネートシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−248554(P2011−248554A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120041(P2010−120041)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(592017286)トーヨーキッチンアンドリビング株式会社 (29)
【Fターム(参考)】