説明

キッチン用キャビネット

【課題】棒状のフレーム部材を連結して構成したキッチン用キャビネットにおいて、引出しの手掛け部を備えたタイプであっても、コンロや食洗器等の機器の設置が可能なキッチン用キャビネットを提供する。
【解決手段】左右方向横フレーム部材4は、上面を左右方向へ直線状とすると共に、下面について機器設置領域S1,S2に面する部分が他の領域に面する部分よりも高い位置となる凹凸形状にして、機器設置領域に面する凹部4e,4fと他の領域に面する凸部4b,4c,4dを形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状のフレーム部材を連結して構成したキッチン用キャビネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、棒状のフレーム部材を連結して構成したキッチン用キャビネットには、特許文献1に記載のものがある。このキッチン用キャビネットは、上下方向に配置した前側縦フレーム部材(支柱フレーム)と後側縦フレーム部材(支柱フレーム)どうしを前後方向に配置した前後方向横フレーム部材(補強フレーム)で連結してなる複数の支持体を左右方向へ適宜間隔で配置し、これら支持体の前側縦フレーム部材(支柱フレーム)の上端側を、左右方向に配置した複数本の左右方向横フレーム部材(連結フレーム)で連結したものである(括弧内の文言は特許文献1に記載されたものに拠る)。また、特許文献2には、左右両側の前側縦フレーム部材(脚体)の上端側を左右方向に配置した一本の左右方向横フレーム部材(梁材)で連結したキッチン用キャビネット(キッチン台)が記載されている(括弧内の文言は特許文献2に記載されたものに拠る)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−265250号公報
【特許文献2】特開2005−296040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記キッチン用キャビネットは、何れも左右方向横フレーム部材に上下寸法が同一の棒状のものを用い、コンロや食洗機等の機器を設置できるようにするために、機器設置領域に面する左右方向横フレーム部材の上下寸法を小さくしてある。しかし、最近のキッチン用キャビネットには、意匠性を向上させるために、キャビネットの引き出し前板の表面に取手を設けずに、引き出しの前板表側から前板裏側へ指先を差し込むことができる手掛け部を形成し、前板に手を掛けて引き出しを引き出すタイプのものがある。棒状のフレーム部材を連結して構成したキッチン用キャビネットでこの手掛け部を備えたタイプを実現しようとすると、左右方向横フレーム部材の上下寸法を大きくして手掛け部に手を掛けやすくする必要がある。しかしながら、左右方向横フレーム部材の上下寸法を大きくすると、コンロや食洗機等の機器を設置する際に邪魔になってしまい、コンロや食洗機等の機器の設置が困難となる問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するために、棒状のフレーム部材を連結して構成したキッチン用キャビネットで手掛け部を備えたタイプであっても、コンロや食洗機等の機器の設置が可能なキッチン用キャビネットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
左右方向横フレーム部材の上下寸法が同一のままでは機器を設置できなくなる問題を解決するめたに請求項1記載の本発明が採用した手段は、上下方向に配置した前側縦フレーム部材と後側縦フレーム部材どうしを前後方向に配置した前後方向横フレーム部材で連結してなる複数の支持体を左右方向へ適宜間隔で配置し、これら支持体の前側縦フレーム部材の上端側を、左右方向に配置した左右方向横フレーム部材で連結して形成したキッチン用キャビネットであって、左右方向横フレーム部材は、上面を左右方向へ直線状とすると共に、下面について機器設置領域に面する部分が他の領域に面する部分よりも高い位置となる凹凸形状にして、機器設置領域に面する凹部と他の領域に面する凸部を形成したことを特徴とするキッチン用キャビネットである。
【0007】
左右方向横フレーム部材を容易に得られるようにするために請求項2記載の本発明が採用した手段は、前記左右方向横フレーム部材は、上半部の一部に上半部よりも短い寸法の下半部を突き合わせてなり、下半部の無い箇所で前記凹部を形成すると共に下半部の有る箇所で前記凸部を形成し、上半部及び下半部の突合わせ面どうしに左右長手方向へ延びる凹凸嵌合部を形成し、凹凸嵌合部を嵌合させて前後方向の位置決めをしている請求項1記載のキッチン用キャビネットである。
【0008】
左右方向横フレーム部材を前側縦フレーム部材に確実且つ目立ち難く固定するために請求項3記載の本発明が採用した手段は、左右両側の支持体の間に配置した中間の支持体は、前側縦フレーム部材の後面上端側と後側縦フレーム部材の前面上端側を前後方向横フレーム部材で連結すると共に、前側縦フレーム部材の前面側上端に前面より凹んだ切欠き部を設け、左右方向横フレーム部材は、前記凹部を前側縦フレーム部材の切欠き部に嵌合させ、前記他の領域に面する凸部における凹部との境界に形成した突出端面を前側縦フレーム部材の左右何れか一方の側面に当接させ、この凸部と前側縦フレーム部材とを前側縦フレーム部材の側面から左右方向横フレーム部材の突出端面へねじ込んだビスで固定した請求項1又は2記載のキッチン用キャビネットである。
【0009】
引出しの引き出し操作をし易くするために請求項4記載の本発明が採用した手段は、左右方向横フレーム部材は、前記凸部の前面に、左右方向へ延びる指差込み用凹部を形成し、前後移動自在に配置した引出しの前板の上縁側に、指差込み用凹部へ差し込んだ指先を引っ掛けできるようにした請求項1、2又は3記載のキッチン用キャビネットである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の本発明に係るキッチン用キャビネットは、左右方向横フレーム部材の下面について機器設置領域に面する部分が他の領域に面する部分よりも高い位置となる凹凸形状となっているので、左右方向横フレーム部材の手前側から見て覆い隠すことができる上下方向の寸法について、その他の領域に面する凸形状の部分に比べて機器設置領域に面する凹形状の部分の方を小さくして機器設置に必要な設置高さ寸法を確保できるようにして、左右方向横フレーム部材の上下寸法が同一のままでは設置が困難なコンロや食洗機等の機器を機器設置領域に設置させることが可能となり、また、その他の領域に面する凸形状の部分の上下方向の寸法を大きくできることで、引き出しの前板表側から前板裏側へ指先を差し込む手掛け部を備えたキッチン用キャビネットの実現についても対処できる。
【0011】
請求項2記載の本発明に係るキッチン用キャビネットは、上半部の一部に下半部を突き合わせて凹凸部を嵌合させることで左右方向横フレーム部材となり、一本の部材をカッター等で部分的に切除して凹部を形成する場合に比べて左右方向横フレーム部材を容易に得ることができる。
【0012】
請求項3記載の本発明に係るキッチン用キャビネットは、左右方向横フレーム部材の凸部の突出端面を前側縦フレーム部材の左右何れか一方の側面に当接させてビス固定したので、左右方向横フレーム部材を前側縦フレーム部材に確実に固定できると共に、固定ビスが手前側からは見え難い前側縦フレーム部材の側面からビスをねじ込んでいるので、手前側からは目立ち難くビス固定することができる。
【0013】
請求項4記載の本発明に係るキッチン用キャビネットは、指差込み用凹部へ差し込んだ指先を引出しの前板の上縁側に引っ掛けることができるので、引出しの引き出し操作をし易くするできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明キッチン用キャビネットのキャビネット胴体1の正面図である。
【図2】キャビネット胴体1の平面図である。
【図3】キャビネット胴体1の前側上端に左右方向に配置した横フレーム部材4の正面図である。
【図4】図1のIV−IV線で断面した右側面図であって、図(A)は全体図、図(B)は図(A)中の「イ」箇所の拡大図、図(C)は図(A)中の「ロ」箇所の拡大図、図(D)は図(A)中の「ハ」箇所の拡大図である。
【図5】図(A)は図4(A)中の「ニ」箇所の拡大図、図(B)は図4(A)中の「ホ」箇所の拡大図である。
【図6】図1のVI−VI線で断面した右側面図であって、図(A)は全体図、図(B)は図(A)中の「イ」箇所の拡大図である。
【図7】図1のVII−VII線で断面した右側面図であって、図(A)は全体図、図(B)は図(A)中の「ヘ」箇所の拡大図、図(C)は図(A)中の「ハ」箇所の拡大図、図(D)は横フレーム部材5Aの別態様の連結構造を示すものである。
【図8】図1のVIII−VIII線で断面した右側面図であって、図(A)は全体図、図(B)は図(A)中の「ロ」箇所の拡大図である。
【図9】キャビネット胴体1の左側の支持体2Aを示すものであって、図(A)は支持体2Aの左側面図、図(B)は図(A)中の「イ」箇所の拡大図、図(C)は図(A)中の「ロ」箇所の拡大図、図(D)は支持体2Aと横フレーム部材4との連結箇所を拡大して示す平面図である。
【図10】キャビネット胴体1の斜視図であって、蹴込み板7及び蓋体15,16(16A,16B,16C)を取付ける前の状態を示すものである。
【図11】キャビネット胴体1を構成する複数個の支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)を左右方向へ適宜間隔で配置した状態を示す斜視図である。
【図12】支持体3(3A,3B,3C)を示す斜視図であって、図(A)は各フレーム部材及びネジを分離した状態の全体図、図(B)は前側上端の連結箇所を分離した状態の拡大図、図(C)は前側上端の連結状態を示す拡大図である。
【図13】支持体3(3A,3B,3C)の縦フレーム部材31,32と横フレーム部材33との連結箇所を拡大し且つ一部破断して示す平面図であって、図(A)はフレーム部材31,32,33、ネジ18及び蓋体16を分離した状態を示し、図(B)はフレーム部材31,32,33どうしを連結し且つ蓋体16を取付けた状態を示すものである。
【図14】支持体3(3A,3B,3C)を構成する上下方向に配置した後側のフレーム部材32と、支持体3どうしを連結する左右方向に配置した上下のフレーム部材5B,5Cとの関係を示すものであって、図(A)は分離状態を後左上方向から見た斜視図、図(B)は分離状態を示す左側面図、図(C)は連結状態を示す斜視図、図(D)は連結状態を示す左側面図である。
【図15】左右両側の支持体2(2A,2B)を示す斜視図であって、図(A)は各フレーム部材及びネジを分離した状態の全体図、図(B)は前側上端の連結箇所を分離した状態の拡大図である。
【図16】支持体3(3A,3B,3C)を構成する上下方向に配置した後側のフレーム部材32と、支持体3どうしを連結する左右方向に配置した上下のフレーム部材5B,5Cとの関係の別態様を示す斜視図であって、後側のフレーム部材32を中間省略すると共に上方のフレーム部材5Bを破断したものである。
【図17】キャビネット胴体1の前側上端及び前側中間の左右方向に配置する各横フレーム部材4,6Aと支持体3Aとの関係を示す斜視図であって、図(A)は各横フレーム部材4,6Aと支持体3Aとを分離した状態を示し、図(B)は各横フレーム部材4,6Aと支持体3Aとを連結した状態を示すものである。
【図18】キャビネット胴体1の左側寄りに左右方向へ配置するフレーム部材6Aを支持体3Aの前側縦フレーム部材31に連結する前の状態を拡大して示すものであって、図(A)は平面図、図(B)は右側面図である。
【図19】キャビネット胴体1の左側寄りに左右方向へ配置するフレーム部材6Aを支持体3Aの前側縦フレーム部材31に連結した状態を拡大して示すものであって、図(A)は平面図、図(B)は右側面図である。
【図20】キャビネット胴体1の前側上端に左右方向へ配置する横フレーム部材4と支持体3A,3Bとの関係を拡大して示すものであって、図(A)は二つの支持体3A,3Bの間に横フレーム部材4の凸部4cを連結する前の状態を中間省略して示す平面図、図(B)は支持体3Bに横フレーム部材4を連結する前の状態を示す右側面図、図(C)は支持体3Bに横フレーム部材4を連結した状態を示す右側面図である。
【図21】キャビネット胴体1の前側上端に左右方向へ配置する横フレーム部材4と支持体3A,3Bとの連結状態を中間省略して示す正面図である。
【図22】図22はキャビネット胴体1の前側上端に左右方向へ配置する横フレーム部材4の別態様を示すものであって、図(A)は横フレーム部材4の凹部4e(4f)と凸部4c(4d)との境界近辺を示す正面図、図(B)は接合部の凸部4c(4d)を断面した右側面図である。
【図23】キャビネット胴体1の前側上端に左右方向へ配置する横フレーム部材4の更に別態様を示すものであって、図(A)は横フレーム部材4の上半部4hと下半部4jを分離した状態の正面図、図(B)は分離した状態の右側面図、図(C)は横フレーム部材4の上半部4hと下半部4jを接合した状態の正面図、図(D)は接合した状態の右側面図である。
【図24】横フレーム部材4を支持体2(3)に連結する構造を示すものであって、図(A)は右側側面図、図(B)は要部を拡大した右側側面図である。
【図25】支持体2,3に対する蹴込み板7の連結構造を示す右側面図である。
【図26】支持体3(3B,3C)のフレーム部材33B(33C)と引出し案内具40,40との関係を示す正面図であって、図(A)はフレーム部材33B(33C)に引出し案内具40の各引出し用受けレール41を取付ける前の状態を示し、図(B)はフレーム部材33B(33C)に取付けた各引出し用受けレール41に引出し42の片側を支持させた状態を示すものである。
【図27】キャビネット胴体1に引出し用受けレール41を取付けた状態の正面図である。
【図28】キャビネット胴体1に引出し用受けレール41を取付けた状態の一部を拡大し、引出し案内具40を介して装着した引出し42D,42E,42Fをその前板を図示省略して示す正面図である。
【図29】キャビネット胴体1に総ての引出し42(42A〜42F)を配置した状態を示す正面図である。
【図30】図29のa−a線で断面して拡大した右側面図である。
【図31】支持体3(3A,3B)のフレーム部材33Cに引出し42(42A,42B,42C)を支持させる別態様の構造を示す正面図である。
【図32】図30中の「イ」箇所の拡大図である。
【図33】キャビネット胴体1に左右の外側板47,48、天板46、コンロ44、食洗機45及び引出し42(32A〜32F),43を配置したキッチン設備を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るキッチン用キャビネット(以下、「本発明キッチン用キャビネット」と言う。)を図1乃至図33に示す実施形態に基づいて説明する。
【0016】
本発明キッチン用キャビネットのキャビネット胴体1は、図11に示す如く、左右幅が狭い支持体2(2A,2B)及び左右幅が広い支持体3(3A,3B,3C)を左右方向へ適宜間隔で配置し、これら支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)の上下方向に配置した前側縦フレーム部材21,31,31,31,21どうし及び後側縦フレーム部材22,32,32,32,22どうしを、図10に示す如く、左右方向に配置した前上方の左右方向横フレーム部材4、前下方の左右方向横フレーム部材5A、後上方の左右方向横フレーム部材5B及び後下方の左右方向横フレーム部材5Cで連結し、支持体2A,3A,3Bの前側縦フレーム部材21,31,31の上下中間を左右方向横フレーム部材6Aで連結し、支持体3B,3Cの前側縦フレーム部材31,31の上下中間を左右方向横フレーム部材6Bで連結し、支持体3C,2Bの前側縦フレーム部材31,21の上下中間を左右方向横フレーム部材6Cで連結したものである。また、キャビネット胴体1は、前上方の左右方向横フレーム部材4と上下中間の左右方向横フレーム部材6Aとの間の左寄りに縦フレーム部材8を配置し、両横フレーム部材4,6Aに縦フレーム部材8の上下両端側を縦フレーム部材8の後方からネジ固定してある。更に、キャビネット胴体1は、支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21,31及び後側縦フレーム部材22,32に、蓋体15,16(16A,16B,16C)を着脱自在に嵌着してある。
【0017】
左右幅の広い支持体3(3A,3B,3C)は、図11〜図13に示す如く、上下方向に配置した棒状の前側縦フレーム部材31と後側縦フレーム部材32の間に、前後方向に配置した上方、中間及び下方側の前後方向横フレーム部材33(33A,33B,33C)を横架し、前側縦フレーム部材31(32)と横フレーム部材33とを突き合わせた状態で両フレーム部材どうしをネジ(タッピングネジ)18で連結固定して枠組したものである。一方のフレーム部材である縦フレーム部材31(32)は、アルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材を所定長さ寸法で切断して、上下端側等にカッター等で切除して切欠き部31a,31b(32a,32b)を形成したものであり、対向する二つの側片31c,31c(32c,32c)の中間部どうしを中仕切片31d(32d)で連結し、二つの側片31c,31c(32c,32c)の奥側の側縁どうしを連結片31e(32e)で連結すると共に、二つの側片31c,31c(32c,32c)の手前側の側縁どうしの間を開口31h(32h)したものであって、連結片31e(32e)の連結側外側面に長手方向(上下方向)に沿って直線筋状に延びる凸部31f(32f)を設けてある。縦フレーム部材31(32)は、前後方向横フレーム部材33(33A,33B,33C)とネジ固定するために、適当個数のネジ孔14を所定位置に設けてある。ネジ孔14は、中仕切片31d(32d)に穿設したネジ全体挿通孔14aと、連結片31e(32e)に穿設したネジ部挿通孔14bとからなる。更に、縦フレーム部材31(32)は、二つの側片31c,31c(32c,32c)の各手前内側に、蓋体16を嵌着するための係合部31g(32g)が上下方向に沿って形成されている。他方のフレーム部材である前後方向横フレーム部材33は、ネジ18が螺着するネジ受け部33a,33aを内側に設けたアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等からなる中空四角柱状素材を所定長さ寸法で切断したものであり、両端の各突き合わせ端面(小口面)33bの上下縁に凹部33c,33cを設け、前記縦フレーム部材31(32)の凸部31f(32f)と嵌合するようにしてある。
【0018】
前記支持体3(3A,3B,3C)は、図13及び図12に示す如く、一方のフレーム部材である縦フレーム部材31(32)の凸部31f(32f)と他方のフレーム部材である横フレーム部材33の凹部33c,33cを嵌合させた状態で、縦フレーム部材31(32)の各ネジ孔14を挿通して横フレーム部材33のネジ受け部33aに螺着したネジ18で、縦フレーム部材31(32)と横フレーム部材33とを連結固定すると共に、縦フレーム部材31(32)の蓋用係合部31g(32g)に蓋体16の係止部16a,16aを嵌着して、縦フレーム部材31(32)のネジ孔14及びネジ18を蓋体16で覆ってある。各ネジ18は、その頭部を縦フレーム部材31(32)の連結片31e(32e)に当接することで、連結片31e(32e)を前後方向横フレーム部材33の各突き合わせ端面(小口面)33bに圧着させてある。なお、各ネジ18は、図示は省略したが、その頭部を縦フレーム部材31(32)の中仕切片31d(32d)に当接することで、連結片31e(32e)を前後方向横フレーム部材33の各突き合わせ端面(小口面)33bに圧着させることも可能である。この場合のネジ孔14は、中仕切片31d(32d)及び連結片31e(32e)に、頭部を挿通させることなくネジ部のみを挿通させるネジ部挿通孔14bを穿設することになる。
【0019】
前記支持体3(3A,3B,3C)は、一方のフレーム部材である縦フレーム部材31(32)の連結片31e(32e)の連結側外側面に凸部31f(32f)を設けると共に、他方のフレーム部材である横フレーム部材32の両端の上下縁に凹部31c(32c)を設けてあるが、これに限定するものではなく、図示は省略したが、縦フレーム部材31(32)の連結片31e(32e)の連結側外側面に凹部を設けると共に、横フレーム部材32の両側の突き合わせ端面の上下縁に凸部を設け、凹部と凸部を嵌合させるようにすることも勿論可能である。
【0020】
左右幅の狭い支持体2(2A,2B)、図9、図10及び図15に示す如く、上下方向沿って配置した棒状の前側縦フレーム部材21と後側縦フレーム部材22の間に、前後方向に配置した上方、中間及び下方側の前後方向横フレーム部材23A,23B,23Cを横架し、前側縦フレーム部材21(22)と横フレーム部材23とを突き合わせた状態でフレーム部材どうしをネジ18で連結固定して枠組したものである。一方のフレーム部材である縦フレーム部材21(22)及び他方のフレーム部材である横フレーム部材23は、前記左右幅の広い前記支持体3の縦フレーム部材31(32)及び横フレーム部材33と同様にアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材から成形されており、幅寸法を縦フレーム部材31(32)及び横フレーム部材33の半分としてある。幅寸法を半分とするのは、幅広の支持体3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材31が各支持体3の左右両側に配置した引出し42(42A,42C,42D,42F)(図29参照)の両方の前板で覆われるに対して、幅狭の支持体2(2A,2B)の前側縦フレーム部材21が左右の何れか一方に配置した引出し42(42A,42E,42F)の前板のみでしか覆われないためである。なお、左右の支持体2(2A,2B)は、支持体3(3A,3B,3C)の左右幅寸法と同一の左右幅寸法としたものを採用することも可能である。
【0021】
前述の如く支持体3は、一方のフレーム部材である縦フレーム部材31(32)の凸部31f(32f)又は凹部(図示略)と他方のフレーム部材である横フレーム部材33の凹部32c又は凸部(図示略)を嵌合させた状態で、縦フーム部材31(32)と横フレーム部材33どうしを突き合わせた状態でネジ18で固定することで、両方のフレーム部材どうしを左右方向(凸部31f(32f)の延設方向と直交する方向)について正確に位置決めして簡単に連結できることから、ジョイント金具を用いる従来に比べて連結作業工数を低減できる効果を奏する。また、一方のフレーム部材である縦フレーム部材31(32)の連結片31e(32e)の連結側外側面に長手方向に沿って直線状に延びる凸部31f(32f)又は凹部(図示略)を設けてあるので、連結側外側面の長手方向(上下方向)の選択した位置に他方のフレーム部材である横フレーム部材33の端面を突き合わせて簡単にネジ固定して連結できる効果を奏する。また、前記支持体2についても、支持体3の上記効果と同様の効果を奏することは勿論である。
【0022】
前記支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21,31,31,31,21どうしを左右方向に通して連結しするための前上方の左右方向横フレーム部材4は、図3、図10、図17及び図20に示す如く、上面4aを左右方向へ直線状の平面とすると共に、下面について機器(コンロや食洗機等)設置領域S1,S2(図29参照)に面する部分が他の領域に面する部分よりも高い位置となる凹凸形状とし、機器設置領域に面する凹部4e,4fと他の領域に面する凸部4b,4c,4dを形成してある。横フレーム部材4は、凹部4e,4f及び凸部4b,4c,4dに共通して備わる上半部4hと、凸部4b,4c,4dを形成する下半部4j(図20(B)参照)とを一体に形成したものであり、長手方向全域に一様に上半部4h及び下半部4jを備えるアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材を所定長さ寸法に切断すると共に、下半部4jの所定箇所をカッター等で切除して凹部4e,4fを形成したものである。上半部4hは、図20に示す如く、内側にネジ受け部4kを設けた中空四角柱状に形成され、下半部4jは、上半部4hの前後下端縁から下方へ延設した前片4m及び後片4nの両下端縁を下片4qで連接すると共に内側にネジ受け部4k,4kを設け中空柱状に形成されている。横フレーム部材4は、下半部4jの前片4mに、上下縁の平坦部4r,4sの間に左右方向へ延びる指差込み用凹部4tを形成してある。
【0023】
前記左右方向横フレーム部材4と支持体2(2A,2B)との連結固定は、図9(D)及び図10に示す如く、横フレーム部材4の左右両端側の上半部4h及び下半部4jを備えた端面を、支持体2(2A,2B)の前側縦フレーム部材21の上端側の側面に当接すると共に、前側縦フレーム部材21の複数個のネジ孔14へ挿通した各ネジ18を横フレーム部材4の各ネジ受け部4kに螺着して行っている。支持体2(2A,2B)は、縦フレーム部材21,22の係合部21g,22g(図15参照)に化粧板となる蓋板15を着脱自在に装着することで、ネジ孔14及びネジ18を覆い隠すようにしてある。
【0024】
前記横フレーム部材4と支持体3A,3Bとの連結固定は、図10、図17、図20及び図21に示す如く、支持体3A,3Bの各前側縦フレーム部材31の上端側に形成した切欠き部31aに横フレーム部材4の凹部4e,4fを形成する上半部4hを嵌合すると共に、横フレーム部材4の凸部4cを形成する下半部4jの左右両端の突出端面4g,4gを支持体3A,3Bの各前側縦フレーム部材31の側片31cに当接して、各前側縦フレーム部材31の側片31c,31cに設けたネジ孔14,14へ挿通した各ネジ18を横フレーム部材4の下半部4jの各ネジ受け部4kに螺着し、一方の側片31cと横フレーム部材4をネジ固定して行っている。横フレーム部材4と支持体3A,3Bとの連結固定は、左右方向横フレーム部材4の凸部4cの突出端面4gを前側縦フレーム部材31の左右何れか一方の側面に当接させてネジ固定したので、横フレーム部材4を前側縦フレーム部材31に確実に固定できると共に、固定ネジが手前側からは見え難い前側縦フレーム部材31の側面からネジ18をねじ込んで行っているので、手前側からは目立ち難くネジ固定することができる。なお、横フレーム部材4の上半部4hと支持体3A,3Bのネジ固定は、支持体3A,3Bの各前側縦フレーム部材31の後側からのネジ固定を上方の横フレーム部材32が邪魔しているため行わず、また、横フレーム部材4の上半部4hの前面からのネジ固定もネジ頭部が露出して見栄えが悪いために勿論行っていない。
【0025】
前記横フレーム部材4と支持体3Cとの連結固定は、図10に示す如く、支持体3Cの前側縦フレーム部材31の上端側に形成した切欠き部31a(図11参照)に横フレーム部材4の凹部4fを形成する上半部4hを嵌合すると共に横フレーム部材4の凸部4dを形成する下半部4jの左両端の突出端面4gを支持体3Cの前側縦フレーム部材31に当接すると共に、図20に示す前記支持体3Aとの連結固定の場合と同様に、前側縦フレーム部材31のネジ孔14,14へ挿通した各ネジ18を横フレーム部材4の下半部4jの各ネジ受け部4kに螺着して行っている。
【0026】
前記横フレーム部材4は、下面について機器設置領域S1,S2に面する部分が他の領域に面する部分よりも高い位置となる凹凸形状となっているので、手前側から見て覆い隠すことができる上下方向の寸法について、その他の領域に面する凸部4b,4c,4dの部分に比べて機器設置領域S1,S2に面する凹部4e,4fの部分の方を小さくして機器設置に必要な設置高さ寸法を確保できるようにして、従来の左右方向横フレーム部材のように上下寸法が同一のままでは設置が困難なコンロや食洗機等の機器を機器設置領域S1,S2に設置させることが可能となり、また、その他の領域に面する凸部4b,4c,4dの部分の上下方向の寸法を大きくできることで、引き出し42B,42Eの前板表側から前板裏側へ指先を差し込む手掛け部を備えたキッチン用キャビネット1の実現についても対処できる。また、図30に示す如く、指差込み用凹部4tへ差し込んだ指先を引出し42Bの前板42Baの上縁側に容易に引っ掛けることができるので、引出し42Bの引き出し操作をし易くするできる(引出し42E(図29参照)についても同様である)。
【0027】
前記横フレーム部材4は、図10に示す如く、左側の凸部4bと凹部4eとの境界部に縦フレーム部材8を連結してある。縦フレーム部材8は、支持フレーム3の前側縦フレーム部材31の素材と同一のアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材を所定長さ寸法に切断して成形されており、切欠き部8aに横フレーム部材4の凹部4eを形成する上半部4hを嵌合すると共に、横フレーム部材4の凸部4bの右端の突出端面4gを当接し、図20に示す前記支持体3Bとの連結固定の場合と同様に、ネジ孔14,14へ挿通した各ネジ18を横フレーム部材4の突出部4bの各ネジ受け部4kに螺着して連結してある。
【0028】
前記横フレーム部材4は、図10に示す如く、凹部4e,4f及び凸部4b,4c,4dに共通して備わる上半部4hと、凸部4b,4c,4dを形成する下半部4jとを一体成形したものに限定するものではなく、図22に示す如く、上半部4hと下半部4jを別体のアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材から成形し、一本の上半部4hと凸部4b,4c,4dを形成する各下半部4jをネジ18で連結して一体化したものを用いることも可能である。別体の上半部4h及び下半部4jは、突合わせ面どうしに左右長手方向へ延びる凹凸嵌合部4v,4wを形成し、凹凸嵌合部4v,4wを嵌合させて前後方向の位置決めをしている。
【0029】
前記横フレーム部材4は、図23に示す如く、別体に成形した上半部4hと下半部4jの位置決めのために設けた凹凸嵌合部4v,4wの嵌合させるための嵌合長さ寸法Hを図22に図示する凹凸嵌合部4v,4wに比べて長くすると共に、図24に示す如く、上半部4h及び下半部4jを別々に支持体2(3)に連結することも可能である。横フレーム部材4は、上半部4hの下面4h−1に凹嵌合部4vを左右方向へ延設すると共に下半部4jの上面4j−1に凸嵌合部4wを左右方向へ延設し、図(C)に示すように上半部4hと下半部4jの連結で形成した凹部4e(4f)に凹嵌合部4vを臨ませることで、上半部4hの下面4h−1に凸嵌合部4wを設ける場合に比べて凹部4e(4f)の高さ寸法を大きくしてある。
【0030】
上記横フレーム部材4の上半部4hの支持体3(3A,3B,3C)に対する連結は、図24に示す如く、支持体2(3)における上方の前後方向横フレーム部材33Aの連結位置を縦フレーム部材31の上端から若干下げ、前後方向横フレーム部材33Aが連結されていない前側縦フレーム部材31の部位を利用して、前側縦フレーム部材31の後側から連結片31e及び中仕切片31dへ挿通したネジ19を上半部4hにねじ込んで連結する。このとき、前側縦フレーム部材31の凸部31fが邪魔な場合には、邪魔な箇所を切除するとよい。また、横フレーム部材4の前記下半部4jの支持体3に対する連結は、前側縦フレーム部材31の側片31cに設けたネジ孔14(図17(A)参照)を挿通して下半部4jのネジ受け部4kに螺着したネジ18で行なう。
【0031】
図1及び図10に示すキャビネット胴体1の支持体2A,3A,3Bの前側縦フレーム部材21,31,31の上下方向の中間を連結する左右方向横フレーム部材6A、支持体3B,3Cの前側縦フレーム部材31,31の上下方向の中間を連結する左右方向横フレーム部材6B及び支持体3C,2Bの前側縦フレーム部材31,21の上下方向の中間を連結する左右方向横フレーム部材6Cは、図18(B)の横フレーム部材6Aの横断面形状と同一横断面形状のアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材を所定長さに切断したものを用いる。長尺素材は、上片6aの前後中間から下方へ延長した後片6b及び上片6aの前縁から下方へ延長した前片6cの両下端縁を下片6dで連接すると共に内側に左右方向へ延びる複数本のネジ受け部6kを設け、各片6a,6b,6c,6dで囲まれた中空柱状部6hとなっており、前片6cの上下縁の平坦部6e,6fの間に左右方向へ延びる指差込み用凹部6gを形成してある。なお、長尺素材6は、上片6aに後片6bから突出する後半部6a−1を形成してあるが、この後半部6a−1を無くした中空柱状部6hのみのものを用いることもある。
【0032】
図1に示す如く、キャビネット胴体1の左側寄りに配置した左右方向横フレーム部材6Aは、左右両端面を支持体2A,3Bの前側縦フレーム部材21,31に当接し、縦フレーム部材21,31に穿設したネジ孔14へ挿通したネジ18で連結固定され(図7及び図9参照)、また、左右の中間部を食い込ませるようにして支持体3Aの前側縦フレーム部材31へ連結してある。
【0033】
横フレーム部材6Aと支持体3Aの前側縦フレーム部材31とを連結する連結構造60は、図17〜図19に示す如く、前側縦フレーム部材31に前述の如く内部に中仕切片31dを設けると共に、前側縦フレーム部材31の側片31c,31cの連結箇所にカッター等で切除して中仕切片31dへ至る切欠き部31jを設け、また、横フレーム部材6Aの上片6aの後半部6a−1にカッター等で切除して後片6bへ至る切欠き部6jを設け、前側縦フレーム部材31の切欠き部31jに横フレーム部材6Aの中空柱状部6hを嵌合させ、前側縦フレーム部材31の連結片31e及び中仕切片31dに設けたネジ孔14,14へ挿通したネジ18,18で前側縦フレーム部材31の中仕切片31dと横フレーム部材6Aの後片6bをネジ止め固定し、前側縦フレーム部材31の蓋用係合部31g,31gに蓋体16(16B,16C)の係止部16a,16aを嵌着してある。そして、連結構造60は、横フレーム部材6Aの前側上下の平坦部6e,6fと蓋体16(16B,16C)の表面とを面一にすると共に、上片6aの後端縁を前側縦フレーム部材31の連結片31eの表面と面一にして見栄え良くある(図19参照)。なお、横フレーム部材6Aの長尺素材について、上片6aの後半部6a−1を無くした中空柱状部6hだけのものを用いる場合には、切欠き部6jを設ける必要はない。
【0034】
前記連結構造60は、従来のジョイント金具や連結金具を用いることなく前側縦フレーム部材31と横フレーム部材6Aとを連結できるので、従来に比べて連結作業工数を低減でき、また、前側縦フレーム部材31の切欠き部31jに横フレーム部材6Aを嵌合させることで、両フレーム部材31,6Aどうしは、同一の仮想平面を含むようにして仮想平面上で直交して連結させることができ、更に、両フレーム部材31,6Aどうしを、直接にネジ止め固定して強固に連結できる。
【0035】
図10及び図8に示す如く、前記支持体3B,3Cの前側縦フレーム部材31,31の間の上下中間に配置した左右方向横フレーム部材6Bは、左右両端面を支持体3B,3Cの前側縦フレーム部材31,31に当接し、縦フレーム部材31,31に穿設したネジ孔14へ挿通したネジ18で連結固定してある。また、図10に示す如く、前記支持体3C,2Bの前側縦フレーム部材31,21の間の上下中間に配置した左右方向横フレーム部材6Cは、左右両端面を支持体3C,2Cの前側縦フレーム部材31,21に当接し、縦フレーム部材31,21に穿設したネジ孔14へ挿通したネジ18で連結固定してある。
【0036】
図4〜図10に示すキャビネット胴体1の支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21,31,31,31,21の下端寄り、後側縦フレーム部材21,32,32,32,21の上端寄り及び下端寄りを連結する前下方の左右方向横フレーム部材5A、後上方の左右方向横フレーム部材5B及び後下方の左右方向横フレーム部材5Cは、横断面が図4(D)、図5(A)(B)及び図16に示すアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材を所定長さ寸法に切断したものを用いる。長尺素材は、内側に左右方向へ延びる複数本のネジ受け部5kを設けた中空四角柱状部5hから突設する板部5aを長手方向へ延設したものである。
【0037】
前記前下方の左右方向横フレーム部材5Aと支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21,31,31,31,21の下端寄りとを連結する連結構造61は、図15及び図12に示す如く、各前側縦フレーム部材21(31)の内部に中仕切片21d(31d)を設け、各前側縦フレーム部材21(31)の側片21c,21c(31c,31c)の下端寄りに中仕切片21d(31d)へ至る段状の切欠き部21b(31b)を設けると共に、切欠き部21b(31b)から中仕切片21d(31d)に沿って上方へ向かってスリット状の切込み部21k(31k)を設け、図4(D)、図6〜図8及び図10に示すく如く、スリット状の切込み部21k(31k)に横フレーム部材5Aの板部5aの一部を挿入すると共に切欠き部21b(31b)に横フレーム部材5Aの中空柱状部5hを嵌合させ、各前側縦フレーム部材21(31)の中仕切片21d(31d)と横フレーム部材5Aの板部5aをネジ18でネジ止め固定してある。このネジ止めは、板部5aの前側から下孔5b(図14(A)参照)へネジ18を挿入し、中仕切片21d(31d)に螺着して行われる。更に、連結構造61は、各前側縦フレーム部材21(31)の蓋用係合部21g(31g)に蓋体15(16)の係止部15a,15a(16a,16a)を嵌着して、横フレーム部材5の中空柱状部5hの前側表面と蓋体15(16)の表面とを面一にして見栄えよくしてある。
【0038】
なお、前下方の左右方向横フレーム部材5Aの連結構造61は、図7(D)に示す如く、前側縦フレーム部材31の後側から連結片31e及び中仕切片31dへ挿通したネジ19をフレーム部材5Aにねじ込んで連結することも可能である。
【0039】
前記後上方の左右方向横フレーム部材5Bと支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の後側縦フレーム部材22,32,32,32,22の上端寄りとを連結する連結構造62は、図11に示す如く、各後側縦フレーム部材22(32)の内部に中仕切片22d(32d)を設けると共に、各後側縦フレーム部材22(32)の側片22c,22c(32c,32c)の上端寄りに中仕切片22d(32d)へ至る段状の切欠き部22a(32a)を設けると共に、切欠き部22a(32a)から中仕切片22d(32d)に沿って下方へ向かってスリット状の切込み部22k(32k)を設け、図5(A)及び図14に示す如く、スリット状の切込み部22k(32k)に横フレーム部材5Bの板部5aの一部を挿入すると共に切欠き部22a(32a)に横フレーム部材5Bの中空柱状部5hを嵌合させ、各後側縦フレーム部材22(32)の中仕切片22d(32d)と横フレーム部材5Bの板部5aをネジ18でネジ止め固定してある。更に、連結構造62は、各後側縦フレーム部材22(32)の蓋用係合部22g(32g)に蓋体15(16)の係止部15a,15a(16a,16a)を嵌着して、横フレーム部材5Bの中空柱状部5hの後側表面と蓋体15(16)の表面とを面一にして見栄えよくしてある。
【0040】
前記後下方の左右方向横フレーム部材5Cと支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の後側縦フレーム部材22,32,32,32,22の下端寄りとを連結する連結構造63は、図11に示す如く、各後側縦フレーム部材22(32)の内部に中仕切片22d(32d)を設けると共に、各後側縦フレーム部材22(32)の側片22c,22c(32c,32c)の下端寄りに中仕切片22d(32d)へ至る段状の切欠き部22b(32b)を設けると共に、切欠き部22b(32b)から中仕切片22d(32d)に沿って上方へ向かってスリット状の切込み部22k(32k)を設け、図5(B)及び図14に示す如く、スリット状の切込み部22k(32k)に横フレーム部材5Cの板部5aの一部を挿入すると共に切欠き部22b(32b)に横フレーム部材5Cの中空柱状部5hを嵌合させ、各後側縦フレーム部材21(32)の中仕切片21d(31d)と横フレーム部材5Cの板部5aをネジ18でネジ止め固定してある。更に、連結構造63は、各後側縦フレーム部材22(32)の蓋用係合部22g(32g)に蓋体15(16)の係止部15a,15a(16a,16a)を嵌着して、横フレーム部材5Bの中空柱状部5hの後側表面と蓋体15(16)の表面とを面一にして見栄えよくしてある。
【0041】
なお、横フレーム部材5B,5Cは、図16に示す如く、支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)の隣接する支持体の左右間隔寸法を確保するために、板部5aの差込先端縁の所定位置に二個一組の位置決用切込み部5n,5nの複数組を各支持体2,3のスリット状の切込み部22k(32k)に対応する位置に設け、各組の位置決用切込み部5n,5nを後側縦フレーム部材22(32)の切込み部22k(32k)の奥側縁部に係合させることもある。横フレーム部材5Aについても同様に、図示は省略したが、二個一組の位置決用切込み部5n,5nの複数組を各支持体2,3に対応する位置に設け、各組の位置決用切込み部5n,5nを前側縦フレーム部材21(31)の切込み部21k(31k)の奥側縁部に係合させることもある。
【0042】
また、前記横フレーム部材5Bの連結構造62及び前記横フレーム部材5Cの連結構造63は、前記横フレーム部材5Aの連結構造61(図7(D)参照)と同様に、後側縦フレーム部材22(32)の前側から連結片22e(32e)及び中仕切片22d(32d)へ挿通したネジ19を横フレーム部材5B(5C)にねじ込んで連結することも可能である。
【0043】
前記連結構造61,62及び63は、各後側縦フレーム部材21(32)のスリット状の切込み部21k,31k(22k,32k)に挿入する横フレーム部材5A(5B,5C)の板部5aが、横フレーム部材5A(5B,5C)の部材長手方向に沿って設けた板部5aの一部からなるために変形し難く、この変形し難い板部5aの一部を後側縦フレーム部材21(32)の中仕切片21d(32d)にネジ止め固定することで、縦フレーム部材21(32)と横フレーム部材5A(5B,5C)の連結を強固にすることができる。
【0044】
前記支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21,31,31,31,21の下端寄りと蹴込み板7とを連結する連結構造64は、図10及び図11に示す如く、各前側縦フレーム部材21(31)の下端寄りに設けた前記切欠き部21b(31b)に、前記横フレーム部材5Aの下面に当接又は接近させるようにして蹴込み板7を左右方向に配置し、図25に示す如く、各前側縦フレーム部材21(31)の下端寄り後側に設けたネジ孔14へ挿通したネジ50で、各前側縦フレーム部材21(31)の中仕切片21d(31d)に蹴込み板7をネジ固定して連結してある。なお、蹴込み板7は、連結する相手を総ての前側縦フレーム部材とする必要はなく、ガタ付きなく連結できる本数の前側縦フレーム部材を選択することができる。
【0045】
前記キャビネット胴部1は、図26〜図30に示す如く、備える引出し42(42A〜42F)を案内する引出し案内具40の引出し受けレール41を手間をかけずに所定高さ位置へ正確に固定できるレール固定構造65を採用している。このレール固定構造65は、前記支持体2(2A,2B)を構成する前後方向横フレーム部材23B,23C及び支持体3(3A,3B,3C)を構成する前後方向横フレーム部材33B,33Cの左右側面23k,33kに前後方向へ延びる上下位置決め用の嵌合部23m(図15参照),33m(図12参照)を設け、この嵌合部23m,33mに引出し受けレール41の被嵌合部41dを嵌着して引出し受けレール41の上下位置決めを行うと共に、前後方向横フレーム部材33B,33Cに引出し受けレール41をネジ49(図26及び図30参照)で取付け固定してある。
【0046】
前後方向横フレーム部材23B,23C(33B,33C)を得るためのアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等からなる中空四角柱状素材は、側面23k,33kに凹状又は凸状(図示省略)の嵌合部23m,33m(図15及び図12参照)を設けたものが用いられる。引出し受けレール41は、図26に示す如く、横フレーム部材23B,23C(33B,33C)に取付け固定されるキャリアレール41aと、引出し42を受け止める引出しレール41bと、キャリアレール41aと引出しレール41bの間にスライド可能に配置した中間レール4cとを備え、キャリアレール41aの側面に、この側面の長手方向(前後方向)に沿って凸状又は凹状(図示省略)の被嵌合部41dを設け、横フレーム部材23B,23C(33B,33C)の嵌合部23m,33mに被嵌合部41dを嵌着できるようにしてある。嵌合部23m,33mと被嵌合部41dの嵌め合いは、嵌着したときに、引出し受けレール41が横フレーム部材23B,23C(33B,33C)に対して上下方向にズレない程度としてある。引出し案内具40は、引出し受けレール41を覆い隠すためのカバー39を備え、引出し42(42A〜42F)を格納する空間に面する横フレーム部材23B,23C(33B,33C)の側面23k,33kに設けられる。
【0047】
引出し42(42A〜42F)は、図28に示す如く、左右両側が引出し受けレール41で支持されて前後移動自在に配置され、引出し43は、左右幅が狭いため、片側のみが引出し受けレール41で支持されて前後移動自在に配置される。
【0048】
キャビネット胴体における引出し受けレール41の固定構造は、支持体支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21(31)び後側縦フレーム部22(32)に連結して所定の上下位置に配置した前後方向横フレーム部材23(23B,23C)、33(33B,33C)の上下位置決め用の嵌合部23m,33mに、引出し受けレール41の被嵌合部41dを嵌着して引出し受けレール41の上下位置決めをしているので、レール取付金具を用いる従来の固定構造に比べて、多くの手間をかけずに引出し受けレール41を所定高さ位置に正確に固定することができる。
【0049】
前記キャビネット胴部1は、引出し42(42A,42C,42D)を支持案内する構造として図31に示す別態様の構造を採用することもある。この支持案内構造は、前記支持体3(3A,3B)の前後方向横フレーム部材33Cの左右各側面33kから前後方向へ延びる帯板状等の引出し受けレール33pを一体に突設させると共に、引出し42(42A,42C,42D)に被案内具66を設け、引出し受けレール33pで引出し42(42A,42C,42D)を案内させるようにしてる。また、上記同様の支持案内構造は、引出し42B,42E,42F(図29参照)についても採用することが可能である。なお、支持案内構造は、被案内具66を省略することもある。
【0050】
上述の如くキャビネット胴体1は、図10に示す如く、前後方向に対をなす二本の縦フレーム部材21,22、(31,32)どうしを前後方向に配置した棒状の横フレーム部材23(23A,23B,23C)、33(33A,33B,33C)で連結してなる複数の支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)を左右方向へ適宜間隔で配置し、これら支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)の前側の縦フレーム部材21,31,31,31,21及び後側の縦フレーム部材22,32,32,32,22どうしを、前側の左右方向に配置した横フレーム部材4,5A及び後側の左右方向に配置した横フレーム部材(第2のフレーム部材)5B,5Cで強固に連結することで、頑丈に組み立てられている。
【符号の説明】
【0051】
1…キャビネット胴部、2…支持体、3…支持体、4…左右方向横フレーム部材、4v,4w…凹凸嵌合部、5…左右方向横フレーム部材、6…左右横フレーム部材、7…蹴込み板、14…ネジ孔、15…蓋体、16…蓋体、18…ネジ、21…前側縦フレーム部材、22…後側縦フレーム部材、23…前後方向横フレーム部材、31…前側縦フレーム部材、32…後側縦フレーム部材、33…前後方向横フレーム部材、39…カバー、40…引出し案内具、41…引出し受けレール、42…引出し、43…引出し、44…コンロ、45…食洗機、46…天板、47,48…外側板、49…ネジ、50…ネジ、S1,S2…機器設置領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に配置した前側縦フレーム部材と後側縦フレーム部材どうしを前後方向に配置した前後方向横フレーム部材で連結してなる複数の支持体を左右方向へ適宜間隔で配置し、これら支持体の前側縦フレーム部材の上端側を、左右方向に配置した左右方向横フレーム部材で連結して形成したキッチン用キャビネットであって、左右方向横フレーム部材は、上面を左右方向へ直線状とすると共に、下面について機器設置領域に面する部分が他の領域に面する部分よりも高い位置となる凹凸形状にして、機器設置領域に面する凹部と他の領域に面する凸部を形成したことを特徴とするキッチン用キャビネット。
【請求項2】
前記左右方向横フレーム部材は、上半部の一部に上半部よりも短い寸法の下半部を突き合わせてなり、下半部の無い箇所で前記凹部を形成すると共に下半部の有る箇所で前記凸部を形成し、上半部及び下半部の突合わせ面どうしに左右長手方向へ延びる凹凸嵌合部を形成し、凹凸嵌合部を嵌合させて前後方向の位置決めをしている請求項1記載のキッチン用キャビネット。
【請求項3】
左右両側の支持体の間に配置した中間の支持体は、前側縦フレーム部材の後面上端側と後側縦フレーム部材の前面上端側を前後方向横フレーム部材で連結すると共に、前側縦フレーム部材の前面側上端に前面より凹んだ切欠き部を設け、左右方向横フレーム部材は、前記凹部を前側縦フレーム部材の切欠き部に嵌合させ、前記他の領域に面する凸部における凹部との境界に形成した突出端面を前側縦フレーム部材の左右何れか一方の側面に当接させ、この凸部と前側縦フレーム部材とを前側縦フレーム部材の側面から左右方向横フレーム部材の突出端面へねじ込んだビスで固定した請求項1又は2記載のキッチン用キャビネット。
【請求項4】
左右方向横フレーム部材は、前記他の領域に面する上下寸法の大きい部分の前面に、左右方向へ延びる指差込み用凹部を形成し、前後移動自在に配置した引出しの前板の上縁側に、指差込み用凹部へ差し込んだ指先を引っ掛けできるようにした請求項1、2又は3記載のキッチン用キャビネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2010−29635(P2010−29635A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6957(P2009−6957)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】