説明

キノコの液状種菌接種方法及び接種装置

【課題】 栽培容器内の培地表面の広い範囲に亘り均一に液状種菌を接種することにより、培養期間が短縮され、培養のばらつきを低減することが可能なキノコの液状種菌接種方法及び装置を提供する。
【解決手段】 キノコの液状種菌を液状種菌圧送手段により液状種菌分配手段に対して所定圧力で圧送し、前記圧送されたキノコの液状種菌を液状種菌噴射手段に配設された複数のSノズル、Dノズルに対して液状種菌分配手段により所定比率量に分配して供給し、液状種菌分配手段により供給され加圧されたキノコの液状種菌を前記複数のSノズル、Dノズルの各噴出口より、Sノズルは栽培容器内に収容された培地の表面部であって当該容器の開口部内壁面との境界近傍部方向に向けてキノコの液状種菌を噴射し、Dノズルは栽培容器内に収容された培地内部に垂直に開口された複数の通気穴の内部方向に向けてキノコの液状種菌を噴射する、ことにより液状種菌を栽培容器内に収容された培地に接種する、キノコの液状種菌接種方法及び装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キノコの液状種菌接種方法及び装置に関し、特にキノコの液状種菌を栽培容器内に収容された培地に対してより広い範囲に亘り均一に噴出ノズルから噴射して接種するキノコの液状種菌接種方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
栽培容器を用いたえのき茸、エリンギ等のキノコの人工栽培は、栽培容器に収容された培地を殺菌処理した後に、栽培容器内の培地にキノコの種菌を接種して培養し、キノコの栽培工程、生育工程を経て栽培を完了することとなるが、キノコの種菌を接種して培養する工程において、接種後の培養期間を可能な限り短くすることが従来から求められている。
【0003】
従来の種菌接種装置において、このような接種後の培養期間が長くなる要因は、接種された種菌の多くは培地表面に留まり、残りが培地に開口された通気穴を落下して栽培容器の底部に溜まるために、栽培容器内で種菌の接種位置と接種量にばらつきが生じてしまうことにあり、特に通気穴の中央部分の培養が培養容器上部と底部に比較して著しく遅れることになり、このため栽培容器全体の培養が完了する期間が長くなっていた。なお、栽培容器は、上方が開口され内部に殺菌処理された培地が充填され、栽培容器の首部付近を培地表面としている。また、一般に培地には、培養期間中の菌糸が外気とガス交換を行うための通気穴が容器縦方向(垂直)に複数予め形成されている。
【0004】
そこで、本発明者は、特許文献1において、キノコの液状種菌が充填された容器を栽培容器内の培地に形成される通気穴に挿入する際又は通気穴から引上げる際に、穴の底、中間、表面部付近で当該容器から液状種菌を培地面に向けて放出させることにより、当該液状種菌を接種する方法及び装置を提案している。
【0005】
しかしながら、この接種方法には、栽培容器に充填された培地のうち、栽培容器の内壁面に接触している部分の培養が遅れることによって培養期間が長期化するという問題点があった。この問題が発生する原因は、この接種方法では通気穴内部と培地表面部分の培地のみに接種され、培地が接触する栽培容器の内壁部分に存在する培地に対する接種が実施されないために、菌糸の成長は培地の表面部分及び通気穴の内部のみから開始され、培地表面部及び通気穴から最も遠い位置にあたる培地と栽培容器の内壁が接触する部分の培養が遅れていたことにある。また、かかる接種方法では接種装置が複雑となり装置の製造コストが嵩むという問題点があった。そこで、本発明者は、接種後の培養期間を可能な限り短縮するべく、さらに実験、研究を重ねて本発明に至ったものである。
【特許文献1】特開2004−261134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、栽培容器内の培地表面のより広い範囲に亘り均一に液状種菌を接種することにより、培養期間が短縮され、培養のばらつきを低減することが可能なキノコの液状種菌接種方法及び接種装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題は、キノコの液状種菌1を液状種菌圧送手段4により液状種菌分配手段3に対して所定圧力で圧送し、前記圧送されたキノコの液状種菌を、液状種菌噴射手段2に配設された複数のSノズル11、Dノズル12に対して液状種菌分配手段3により所定比率量に分配して供給し、液状種菌分配手段3により供給され加圧されたキノコの液状種菌を、前記複数のSノズル11、Dノズル12の各噴出口より、Sノズル11は、栽培容器40内に収容された培地45の表面部41であって当該容器の開口部内壁面42との境界近傍部43方向Xに向けてキノコの液状種菌を噴射し、Dノズル12は、栽培容器40内に収容された培地45内部に垂直に開口された複数の通気穴46の内部方向Yに向けてキノコの液状種菌を噴射する、ことにより液状種菌を栽培容器内に収容された培地に接種することを特徴とするキノコの液状種菌接種方法によって解決される。
【0008】
そして、本発明において使用する栽培容器40の培地45内部に形成される前記通気穴46を、栽培容器の培地表面41の中央部及び/又は外周部に適宜数開口し、前記Dノズル12を、該中央部及び/又は外周部に開口された通気穴の開口位置に対向するように液状種菌噴射手段2に配置し、前記Sノズル11を前記Dノズル12の周辺に適宜数液状種菌噴射手段2に配置して、当該Dノズル12、Sノズル11の各噴出口からキノコの液状種菌を噴射することにより液状種菌を栽培容器内に収容された培地に接種することを特徴とする。
【0009】
また、前記栽培容器40の内壁面42、47であって前記Sノズル11の噴出口に対向する部位に、該容器の上方から底部に向けて縦溝48を適宜数形成して、液状種菌を栽培容器内に収容された培地に接種することを特徴とする。さらに、前記栽培容器40内に収容された培地に対する液状種菌の接種処理の後、無菌エアー圧送手段5により、前記分配手段3を通って前記噴射手段2に配設された全てのノズルに至る流通路、噴出口に対して、残留液状種菌を排出するための無菌エアーによるエアレーション処理を実施することを特徴とする。
【0010】
また本発明の課題は、キノコの液状種菌1を液状種菌分配手段3に対して所定圧力で圧送する液状種菌圧送手段4と、前記圧送された液状種菌を液状種菌噴射手段2に配設された複数の噴射ノズル11、12に対して所定比率量に分配して供給する液状種菌分配手段3と、栽培容器40内に収容された培地45の表面部41であって当該容器の開口部内壁面42との境界近傍部43方向Xに向けて、加圧された液状種菌を噴出口から噴射するSノズル11と、培地内部に垂直に開口された複数の通気穴46の内部方向Yに向けて加圧された液状種菌を噴出口から噴射するDノズル12の少なくとも2種類のノズルを具備する液状種菌噴射手段2と、を備えたキノコの液状種菌接種装置によって解決される。
【0011】
そして、本発明において使用する栽培容器40の前記培地45内部に形成される通気穴が、栽培容器の培地表面41の中央部に少なくとも1個と培地表面の外周部に少なくとも4個開口される通気穴、栽培容器の培地表面の外周部に3個開口される通気穴、または栽培容器の培地表面の中央部に1個開口される通気穴の中から選ばれたいずれかの通気穴であり、前記Dノズル12が該中央部及び/又は外周部に開口された各通気穴の開口位置に対向するように液状種菌噴射手段2に配設され、前記Sノズル11が前記Dノズル12の周辺に少なくとも2個液状種菌噴射手段2に配設されるキノコの液状種菌接種装置であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明において使用する前記栽培容器40内に収容された培地45の表面部41の形状が、中央部が凹んだすり鉢状であることを特徴とする。また、前記栽培容器40の内壁面42、47に該容器の上方から底部に向けて縦溝48を適宜数形成したことを特徴とし、前記複数の縦溝48が、前記Sノズル11の噴出口に対向する部位に形成されたことを特徴とする。
【0013】
また本発明の課題は、前記液状種菌噴射手段2、液状種菌分配手段3、液状種菌圧送手段4に加えて、液状種菌の接種処理が完了した後に、前記分配手段を通って前記噴射手段に配設された全てのノズルに至る流通路、噴出口に対して、残留液状種菌を排出するための所定圧力で無菌エアーを圧送する無菌エアー圧送手段5を備えたキノコの液状種菌接種装置によって有利に解決される。
【0014】
さらに本発明の課題は、前記液状種菌噴射手段2、液状種菌分配手段3、液状種菌圧送手段4、無菌エアー圧送手段5を複数保持するための保持手段6を備え、培地が収容された複数の栽培容器に対して同時に液状種菌の接種を可能にする、キノコの液状種菌接種装置によってさらに有利に解決される。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、液状種菌貯蔵タンク等から供給されるキノコの液状種菌を液状種菌圧送手段4が液状種菌分配手段3に対して所定圧力で圧送し、圧送された液状種菌は所定比率量に分配されて、複数の噴射S、Dノズル11、12の各噴出口から、培地表面部41と容器の開口部内壁面42との境界近傍部43方向X、および培地45内部に開口された通気穴46の内部方向Yに向けて、噴射することにより液状種菌を栽培容器内に収容された培地に接種するように構成される。
【0016】
このような構成の本発明によれば、Dノズル12の噴射により、液状種菌が通気穴46の内周部及び底部に付着することにより、通気穴の内周部及び底部の培地に対して接種される(通気穴接種)のに加えて、さらに、Sノズル11の噴射により、境界近傍部43に向けて噴射された液状種菌は境界近傍部に存在する隙間に流れ込み、液状種菌が培地容器内壁面42、47付近に存在する培地45に接種される(側壁接種)。また、境界近傍部43の隙間に入り切れなかった液状種菌は培地表面部41に広がり、培地表面部が接種される(表面接種)。
【0017】
なお、栽培容器内に収容される培地は粗い粒子で構成されているため、栽培容器の内壁と接触する部分に存在する培地には本来液体が通過できる程度の隙間が存在している。一般的に使用される標準サイズの栽培容器に充填される培地の重量は610〜620gであり、この場合であっても当該隙間は存在するが、本発明においては充填する培地の重量を580g前後とした(軽詰)栽培容器を使用することにより、前記側壁接種の効果を増強することができる。
【0018】
このように本発明においては、側壁接種領域cに対しても液状種菌の接種処理がなされる。したがって、従来、表面接種領域aの一部、通気穴接種領域bに対してのみ液状種菌の接種処理がなされ、これらの領域から開始されていた菌糸の成長が、本発明においては側壁接種領域cに対しても接種されるため、接種領域a、b、cの3領域から開始されることになり、培養期間が大幅に短縮される効果が得られる。
【0019】
また、本発明においては、前記Dノズル12が各通気穴46の開口位置に対向するように液状種菌噴射手段2に配設されているため、通気穴接種領域bに対する液状種菌の接種処理が確実になされ、培地表面部41の形状が中央部が凹んだすり鉢に形成されているため、境界近傍部43に存在する隙間に流れ込まなかった液状種菌が培地表面部41に均一かつ広範囲に拡散することにより、培地表面部41の全面が均一に接種され培養のばらつきが低減される。
【0020】
さらに、本発明においては、栽培容器40の内壁面に上方から底部に向けて縦溝48が適宜数形成されているので、縦溝48が、培地45と栽培容器40の内壁面との間に隙間を形成し、液状種菌の流路として機能し、Sノズル11から噴射された液状種菌が当該縦溝48に流れ込むことにより、容器のより下方まで到達する。これにより液状種菌が培地容器境界面47のより広い部分に接種され、培養期間がさらに短縮されることに繋がる。
【0021】
また、本発明においては、培地に対する液状種菌の接種処理の後、無菌エアー圧送手段5により、前記分配手段3を通って前記噴射手段2に配設された全てのノズルに至る流通路、噴出口に対して、残留液状種菌を排出するための無菌エアーによるエアレーション処理を実施するように構成するので、次の接種処理までの間に液状種菌が各ノズルから液ダレすることがなく、接種装置が清潔に保たれ、液ダレ部分からの雑菌の繁殖を防止できると共に、流通路、噴出口のツマリを阻止することができる。
【0022】
また本発明においては、液状種菌噴射手段2、液状種菌分配手段3、液状種菌圧送手段4及び無菌エアー圧送手段5を複数保持するための保持手段6を備えているので、培地が収容された複数の栽培容器に対して同時に液状種菌の接種処理が可能となる。なお、本発明においては栽培するキノコの種類や栽培容器のサイズ、形状に応じて通気穴の数、Sノズル、Dノズルの数、配置位置を最適に変更することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明に係るキノコの液状種菌接種方法および接種装置の実施の形態について添付図を参照しつつ開示する。図1は本発明に係るキノコの液状種菌接種方法の処理手順を示すフロー図であり、図2は本発明に係るキノコの液状種菌接種装置の構成例を示す概略断面図である。先に図2を参照して、本発明に係るキノコの液状種菌接種方法を実施するための液状種菌接種装置並びに本接種装置に使用される栽培容器の構成について説明する。
【0024】
図2に示すように、本発明に係る液状種菌接種装置は、キノコの液状種菌1を液状種菌分配手段3に対し所定圧力で圧送する液状種菌圧送手段4、圧送されたキノコの液状種菌を液状種菌噴射手段2に所定比率量に分配して供給する液状種菌分配手段3、栽培容器に収容された培地に対して液状種菌を噴射により接種する複数のSノズル11、Dノズル12を備えた液状種菌噴射手段2、により構成されている。また、本発明に係る接種装置は、前記栽培容器40内に収容された培地に対する液状種菌の接種処理の後に、前記分配手段3を通って前記噴射手段2に配設された全てのノズルに至る流通路、噴出口に対して、残留液状種菌を排出するための無菌エアーによるエアレーション処理を実施する無菌エアー圧送手段5を備えており、さらに、培地が収容された複数の栽培容器に対して同時に液状種菌の接種を可能にするように、前記液状種菌噴射手段2、液状種菌分配手段3、液状種菌圧送手段4、無菌エアー圧送手段5を複数保持するための保持手段6を備えることができる(図9参照)。
【0025】
そして、本発明に係る接種装置に使用される栽培容器40は、図2、図4〜図9に示すように、上方が開口され、内部に殺菌処理された培地45が充填され、栽培容器の首部(開口部)付近を培地表面部41としている。また、当該容器内に収容される培地内部には、培養期間中の菌糸が外気とガス交換を行うための複数の通気穴46が培地表面部41から底方向に向け垂直に開口されている。なお、図において、42は栽培容器の開口部の内壁面を、43は培地表面部41と開口部内壁面42との境界近傍部を、45は培地を、46は通気穴を、47は栽培容器の胴部の内壁面を示している。48は後述する栽培容器の内壁面に形成される縦溝を示している(図5〜図8参照)。また、XはSノズル11の液状種菌の噴射方向を,YはDノズル12の液状種菌の噴射方向を示している。また、縦線を付した部分aは培地表面部41の接種領域を示し、横線を付した部分bは通気穴46の接種領域を示し、点で付した部分cは栽培容器の内壁面部の接種領域を示している。また、ここでは培地表面部41は中央部が凹んだすり鉢状を形成している。
【0026】
次に、上記した本発明に係る液状種菌接種装置並びに本接種装置に使用される栽培容器の構成に基づき、図1を参照しながら本発明に係るキノコの液状種菌接種方法の処理手順を説明する。本発明においては、先ず液状種菌貯蔵タンク等から供給されるキノコの液状種菌が、液状種菌圧送手段4により液状種菌分配手段3に対して所定圧力で圧送される。圧送された液状種菌は、液状種菌分配手段3により液状種菌噴射手段2に配設された複数のSノズル11、Dノズル12に対して所定比率量に分配されて供給される(ステップS1)。液状種菌分配手段3から供給され加圧された液状種菌は、Sノズル11の噴出口から培地表面部41と容器の開口部内壁面42との境界近傍部43方向Xに向けて、境界近傍部に拡がるように扇状に噴射され(ステップS2)、Dノズル12の噴出口からは培地45内部に開口された通気穴46の内部方向Yに向け、通気穴の内周部に接触するように扇状、円錐状に噴射される(ステップS3)。
【0027】
本発明においては充填する培地の重量を580g前後とした(軽詰)栽培容器を使用しているので、表面部の培地と栽培容器の内壁面が接触する部分である境界近傍部43並びに培地と栽培容器の内壁面が接触する培地容器境界面42、47には液状種菌が通過できる隙間が存在している。そのため、ステップS2でSノズル11から境界近傍部43方向Xに向けて噴射された液状種菌は、境界線近傍部43に存在する培地の隙間に流れ込む。境界近傍部43の隙間に流れ込んだ液状種菌は培地容器境界面42、47に存在する前記隙間を縫って栽培容器40の内壁面に沿って下方に流れ落ちる(ステップS4)。栽培容器40の内壁面に沿って流れ落ちる液状種菌が培地容器境界面付近の培地と接触することにより、液状種菌が培地容器境界面部に存在する培地に接種(側壁接種領域cに対する接種)されることになる(ステップS7)。なお、充填する培地の重量を610〜620g程度とした(重詰)栽培容器を使用しても、培地は粗い粒子で構成されているため流体が通過できる程度の隙間は存在するものである。また、本発明においては、培地容器境界面部の培地に対する接種処理をさらに効率よく行なうために、後述する縦溝48が栽培容器40の内壁面に上方から底部に向けて適宜数形成されている。
【0028】
ステップS2でSノズル11から境界近傍部43方向Xに向けて噴射された液状種菌のうち、境界近傍部43の隙間に入り切らなかった液状種菌は培地表面部41上に拡散する(ステップS5)。液状種菌が培地表面部41に拡散することにより培地表面部41の培地に接種(表面接種領域aに対する接種)されることになる(ステップS8)。
【0029】
なお、本発明においては、培地表面部41の形状を中央部が凹んだすり鉢状にしている。培地表面部41を中央部が凹んだすり鉢状に形成することにより、Sノズル11から噴射された液状種菌のうち境界線近傍部43に存在する隙間に流れ込まなかった液状種菌が、培地表面部41の中央部までより均一かつ広範囲に拡散する。これにより培地表面部41の全面が均一に接種され、培養のばらつきが低減されることになる。
【0030】
一方、ステップS3でDノズル12から培地内部に開口された通気穴46の内部方向Yに向けて噴射された液状種菌1は、通気穴46の内周部及び底部に付着し(ステップS6)、付着した液状種菌が通気穴46の内周部及び底部の培地に接種(通気穴接種領域bに対する接種)されることになる(ステップS9)。Sノズル11、Dノズル12による所定量の液状種菌の噴射が完了すると、液状種菌圧送手段4からの液状種菌の供給が停止され、液状種菌の接種処理が完了する(ステップS10)。
【0031】
培地表面部41と容器の開口部内壁面42との境界近傍部43方向Xに向けて液状種菌を噴射するSノズル11により、培地容器内壁面47付近の接種領域である側壁接種領域cおよび培地表面部分41の接種領域である表面接種領域aの培地に対して液状種菌が接種される。また、培地内部に開口された通気穴46の内部方向Yに向けて液状種菌を噴射するDノズル12により、通気穴46の内周面部及び底部の接種領域である通気穴接種領域bの培地に対して液状種菌が接種される。これにより、従来接種領域aの一部及び接種領域bのみから開始されていた菌糸の成長が、a、b、cの3つの接種領域から成長が開始されることとなり、培養期間が大幅に短縮する効果が得られる。
【0032】
液状種菌の接種処理が完了した後、エアー圧送手段5から液状種菌分配手段3に対し無菌エアーが供給され、液状種菌分配手段3から加圧された無菌エアーが液状種菌噴射手段2に対して供給される。液状種菌分配手段3及びSノズル、Dノズルを備えた液状種菌噴射手段2の内部に残留する液状種菌は、エアー圧送手段5から圧送される無菌エアーによりSノズル及びDノズルから排出される(ステップS11)。この無菌エアーによるエアレーション処理(液状種菌排出処理)により、前記分配手段3を通って噴射手段2に配設された全てのノズルに至る流通路、噴出口に残留する液状種菌が確実に排出される。
【0033】
このエアレーション処理は、液状種菌の接種後に栽培容器に蓋が被せられることになるが、ノズルからの液ダレ(たれ落ち)によって、容器の蓋や容器収容ケース等に雑菌が発生することを防止して清潔な環境を確保すると共に、流通路、噴出口のツマリを阻止するために行なうものである。なお、流通路、噴出口の構造等によってあえてエアレーション処理は必要でないと判断される場合は、この処理は省略しても差し支えない。このエアレーション処理が完了した後、次の接種処理に移行する。
【0034】
図3はSノズル11(1、2)及びDノズル12(3、4、5、6)の液状種菌の噴射状態を示す図である。Sノズル11及びDノズル12は液状種菌噴射手段2に配設され、接種時に栽培容器の開口部上方に配置されるものである。通気穴46の内部方向Yに向けて液状種菌を噴射するDノズル12は、通気穴への噴射を確実に行うために各通気穴の開口位置に対向するように液状種菌噴射手段2に配置され、Sノズル11は当該Dノズル12の周辺に適宜数配置される。Sノズル11は、境界近傍部43方向Xを目がけて液状種菌を噴射して側壁接種領域cおよび表面接種領域aの培地に対して接種することを目的とするため、斜め横方向に、扇形ノズル(1)を使用して噴射方向に向けて広角となるように噴射すると都合がよい。なお、Sノズル11は直進形ノズル(2)を使用して直線状、円柱状、四角柱状等に噴射しても差し支えなく特に限定されない。
【0035】
また、Dノズル12は、培地内部に開口された各通気穴46の内部方向Yを目がけて液状種菌を噴射して通気穴接種領域bの培地に対して接種することを目的とするため、下方向に、扇形ノズル(3)、充円錐形ノズル(4)、空円錐形ノズル(5)を使用して、通気穴の内周壁に液状種菌が付着するように噴射方向に向け広角となるように噴射すると都合がよい。なお、Dノズル12は直進形ノズル(6)を使用して、通気穴の内周壁に向けて直線状、円柱状、四角柱状等に噴射してもよく特に限定されない。
【0036】
図4は培地が収容された栽培容器を容器開口部側から視た平面図である。ここで使用される栽培容器40は、一般にえのき茸の栽培用に使用される容器であり、開口部の直径が65mm程度の栽培容器である。図に示すように、通気穴46が、栽培容器40の開口部に露出した培地表面部41の中央部に1個、容器開口部の内壁面42に接近した外周部に4個開口されている。通気穴46を開口部内壁面42に近接して配置することにより、通気穴接種領域bと側壁接種領域cとの間が離れることになり、栽培容器に収容された培地に対してより均一に接種され培養のばらつきが低減されることに繋がり、結果として培養期間の短縮効果を更に向上させる。
【0037】
図5は、図4に示した通気穴46の開口位置に対応して、液状種菌噴射手段2に配設されるSノズル11、Dノズル12の配置関係を説明するための平面図である。図5に示すように、縦線を付加した円形で示すDノズル12が、培地表面部41の中央部に開口された1個の通気穴、外周部に開口された4個の通気穴の上方に、それぞれの通気穴に対向して配置されている。点を付加した円形で示すSノズル11が、前記Dノズルの周辺に4個配置されている。Sノズル11の噴出口は、境界近傍部43に対向するように配置され、液状種菌を矢印で示す方向Xに向けて液状種菌を噴射する。なお、栽培容器の内壁面42の境界近傍部43には後述する縦溝48が形成されている。
【0038】
図6は図5に示した実施例の他の実施例に係る通気穴の開口位置に対応して、液状種菌噴射手段2に配設されるSノズル11、Dノズル12の配置関係を説明するための平面図である。ここで使用される容器は容器胴部の直径が78mm程度の細径栽培容器50であり、通気穴の数は一般に使用される容器に比して少数である。図に示すように、通気穴46が細径栽培容器50の開口部に露出した培地表面部41の内壁面42に沿って3個開口されている。縦線を付加した円形で示すDノズル12が当該内壁面42に沿って開口された3個の通気穴の上方に、それぞれの通気穴に対向して配置されている。点を付加した円形で示すSノズル11が、前記Dノズルの内側に3個配置されている。
【0039】
このように、本発明においては、使用する栽培容器のサイズ、形状、通気穴の開口位置、通気穴の数に応じて、適宜Sノズル、Dノズルの配置位置、数量を最適に変更することが可能である。なお、前記実施例と同様に、Sノズル11の噴出口は境界近傍部43に対向するように配置され、液状種菌を矢印で示す方向Xに向けて液状種菌を噴射する。また栽培容器の内壁面42の境界近傍部43には後述する縦溝48が形成されている。
【0040】
図7は、図5、6に示した実施例のさらに他の実施例に係る通気穴の開口位置に対応して、液状種菌噴射手段2に配設されるSノズル11、Dノズル12の配置関係を説明するための平面図である。ここで使用される栽培容器60は、一般にエリンギの栽培用に使用される容器である。図に示すように、通気穴46が、エリンギ用栽培容器60の開口部に露出した培地表面部41の中央部に1個開口されている。縦線を付加した円形で示すDノズル12が当該中央部に開口された1個の通気穴の上方に、当該通気穴に対向して配置されている。点を付加した円形で示すSノズル11が、前記Dノズルの外側周辺に4個配置されている。
【0041】
なお、前記実施例と同様に、Sノズル11の噴出口は境界近傍部43に対向するように配置され、液状種菌を矢印で示す方向Xに向けて液状種菌を噴射する。また栽培容器の内壁面42の境界近傍部43には後述する縦溝48が形成されている。このように、本発明においては、栽培する茸の種類に適応した栽培容器のサイズ、形状、通気穴の開口位置、通気穴の数に応じて、適宜Sノズル、Dノズルの配置位置、数量を最適に変更することが可能である。
【0042】
図8は、本発明に係るキノコの液状種菌接種装置に使用する栽培容器の内壁面42、47に形成される縦溝48を説明するための図である。図に示すように、培地表面部41より高い位置から栽培容器40の底部の任意の位置まで、縦溝48が形成されている。縦溝48はSノズル11から境界近傍部43方向Xに向けて噴射される液状種菌を容器の底部まで通過させる通路として機能すれば足り、ここでは縦溝を各Sノズル11の噴出口と対向する位置に1本形成しているが、この縦溝の配置位置、数、深さ、形状等は特に限定されず、例えば、細溝を数本形成することができる。
【0043】
また、この縦溝48は、図5、6、7に示されるように、Sノズル11が液状種菌を噴射する方向X、すなわち内壁面42のSノズル11の噴出口に対向する部位に形成すると都合がよい。この位置に縦溝48を形成することにより、Sノズル11から噴出される液状種菌の多くが、縦溝が形成する流路に流れ込み、より容器の下方まで到達することになる。液状種菌1がより下方まで到達することにより、液状種菌が培地容器境界面47のより広い部分に接種され、培養期間がより短縮されることになる。なお、この縦溝48の形成位置は、Sノズル11の噴出口に対向する部位のみに限定されず、その近傍や栽培容器内壁面の適宜位置に任意の数形成してもよい。
【0044】
図9は、本発明に係るキノコの液状種菌接種装置の保持手段により複数の栽培容器に対して同時に液状種菌を接種する状態を示す図である。図に示すように、本発明においては、液状種菌噴射手段2、液状種菌分配手段3、液状種菌圧送手段4、無菌エアー圧送手段5(全ての手段を含めて「液状種菌接種装置」ともいう)を複数保持するための保持手段6を備えている。保持手段6は複数の液状種菌接種装置を所定の位置に保持している。ここでは、培地が収容された4個の栽培容器40に対して同時に液状種菌の接種を可能にしている。4個の栽培容器への接種及びエアレーション処理が完了すると、次の列に並ぶ4個の栽培容器への接種及びエアレーション処理が実施され、次々に連続して当該処理がなさ、接種時間を大幅に短縮できる。なお、ここでは、4個の液状種菌接種装置を保持する保持手段を示しているが、保持する液状種菌接種装置はこれに限られず、8個、16個、20個等の液状種菌接種装置を保持するように構成することが可能である。
【実施例1】
【0045】
図5に示した位置に培地内部に5個の通気穴を形成した栽培容器と、同図に示すようにSノズル4個、Dノズル5個を当該通気穴の上方に配置した接種装置を用いて、えのき茸の種菌の接種処理を実施した。栽培容器は、容量850cc、開口部径65mmのサイズとし、当該栽培容器に、580gのコーンコブを主成分とする培地を充填(軽詰)し、通気穴5本の内部方向に向け各2ccの合計10ccのえのき茸の液状種菌をDノズルから噴射し、栽培容器と培地表面の境界部に対して各2ccの合計8ccのえのき茸の液状種菌をSノズルから噴射した。その結果、従来の通気穴の内部と培地表面部に接種する方法(特開2004−261134号公報に開示された接種方法・装置)による接種処理では19日〜21日かかっていた培養期間が、16日〜18日に短縮された。
【実施例2】
【0046】
前記実施例1で使用した栽培容器に、さらに当該容器の内壁面のSノズルの噴出口に対向する部分(Sノズルが液状種菌を噴射する方向X部分)に、上方から容器底部に至る1本の縦溝を形成した容器に培地を充填し、前記実施例1で使用した接種装置を用いて、えのき茸の種菌の接種処理を前記実施例1と同様の要領により実施した。その結果、培養期間が、実施例1における培養期間よりも大幅に短縮され、14日〜15日となった。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係るキノコの液状種菌接種方法及び装置は、Sノズルの噴射により培地容器内壁面付近の接種領域(側壁接種領域c)及び培地表面部分の接種領域(表面接種領域a)の培地に対して液状種菌を接種すると共に、Dノズルの噴射により通気穴の内周面部及び底部の接種領域(通気穴接種領域b)の培地に対して液状種菌を接種する。したがって、種菌が栽培容器に収容された培地の広い範囲に均一に接種されるために培養期間を大幅に短縮することができ、さら培養のばらつきを低減させることが可能である。
【0048】
本発明においては、液状種菌の接種処理が完了した後に、液状種菌の流通路、ノズルの噴出口に残留する液状種菌を排除するためのエアレーション処理(残留液状種菌排出処理)を実施する。したがって、次の接種処理までの間に液状種菌が各ノズルから液ダレすることがなく、接種装置が清潔に保たれ、液ダレ部分からの雑菌の繁殖を防止でき接種時のコンタミのリスクを低減することができる。また、本発明においては栽培するキノコの種類や使用する栽培容器のサイズ、形状に応じてノズルの数、配置位置を最適に変更することができるので、各種キノコの種菌に接種することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係るキノコの液状種菌接種方法の処理手順を示すフロー図である。
【図2】本発明に係るキノコの液状種菌接種装置の構成例を示す概略断面図である。
【図3】本発明に係るキノコの液状種菌接種装置のノズルの液状種菌の噴射状態を説明するための斜視図である。
【図4】本発明に係るキノコの液状種菌接種装置に使用する栽培容器の培地内に開口される通気穴の開口位置を説明するための平面図である。
【図5】本発明に係るキノコの液状種菌接種装置に使用する栽培容器の培地内に開口される通気穴の開口位置とノズルの配置関係並びに縦溝の形成位置を説明するための平面図である。
【図6】図5に示した実施例の他の実施例に係る通気穴の開口位置とノズルの配置関係並びに縦溝の位置を説明するための平面図である。
【図7】図5に示した実施例のさらに他の実施例に係る通気穴の開口位置とノズルの配置関係並びに縦溝の形成位置を説明するための平面図である。
【図8】本発明に係るキノコの液状種菌接種装置の栽培容器内壁面に形成される縦溝を説明するための図である。
【図9】本発明に係るキノコの液状種菌接種装置の保持手段により複数の栽培容器に対して液状種菌を接種する状態を説明するための図である。
【符号の説明】
【0050】
1 液状種菌
2 液状種菌噴射手段
3 液状種菌分配手段
4 液状種菌圧送手段
5 無菌エアー圧送手段
6 保持手段
11 Sノズル(方向Xに向けて液状種菌を噴射するノズル)
12 Dノズル(方向Yに向けて液状種菌を噴射するノズル)
40 栽培容器
41 培地表面部
42 栽培容器の開口部内壁面
43 境界近傍部
45 培地
46 通気穴
47 栽培容器の胴部内壁面(培地容器境界面)
48 縦溝
50 小径栽培容器
60 エリンギ栽培容器
X、Y 液状種菌の噴射方向
a 表面接種領域
b 通気穴接種領域
c 側壁接種領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キノコの液状種菌を液状種菌圧送手段により液状種菌分配手段に対して所定圧力で圧送し、
前記圧送されたキノコの液状種菌を、液状種菌噴射手段に配設された複数のSノズル、Dノズルに対して液状種菌分配手段により所定比率量に分配して供給し、
液状種菌分配手段により供給され加圧されたキノコの液状種菌を、前記複数のSノズル、Dノズルの各噴出口より、
Sノズルは、栽培容器内に収容された培地の表面部であって当該容器の開口部内壁面との境界近傍部方向に向けてキノコの液状種菌を噴射し、
Dノズルは、栽培容器内に収容された培地内部に垂直に開口された複数の通気穴の内部方向に向けてキノコの液状種菌を噴射する、
ことにより液状種菌を栽培容器内に収容された培地に接種する、ことを特徴とするキノコの液状種菌接種方法。
【請求項2】
前記通気穴を栽培容器の培地表面の中央部及び/又は外周部に適宜数開口し、前記Dノズルを、該中央部及び/又は外周部に開口された通気穴の開口位置に対向するように液状種菌噴射手段に配置し、前記Sノズルを、前記Dノズルの周辺に適宜数液状種菌噴射手段に配置して、当該Dノズル、Sノズルの各噴出口からキノコの液状種菌を噴射することにより液状種菌を栽培容器内に収容された培地に接種する、ことを特徴とする請求項1に記載のキノコの液状種菌接種方法。
【請求項3】
前記栽培容器の内壁面であって前記Sノズルの噴出口に対向する部位に、該容器の上方から底部に向けて縦溝を適宜数形成して、液状種菌を栽培容器内に収容された培地に接種する、ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のキノコの液状種菌接種方法。
【請求項4】
前記栽培容器内に収容された培地に対する液状種菌の接種処理の後、無菌エアー圧送手段により、前記分配手段を通って前記噴射手段に配設された全てのノズルに至る流通路、噴出口に対して、残留液状種菌を排出するための無菌エアーによるエアレーション処理を実施する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のキノコの液状種菌接種方法。
【請求項5】
キノコの液状種菌を液状種菌分配手段に対して所定圧力で圧送する液状種菌圧送手段と、
前記圧送された液状種菌を、液状種菌噴射手段に配設された複数の噴射ノズルS、Dに対して所定比率量に分配して供給する液状種菌分配手段と、
栽培容器内に収容された培地の表面部であって当該容器の開口部内壁面との境界近傍部方向に向けて、加圧された液状種菌を噴出口から噴射するSノズルと、培地内部に垂直に開口された複数の通気穴の内部方向に向けて加圧された液状種菌を噴出口から噴射するDノズルの少なくとも2種類のノズルを具備する液状種菌噴射手段と、
を備えたことを特徴とするキノコの液状種菌接種装置。
【請求項6】
前記培地内部に形成される通気穴が、栽培容器の培地表面の中央部に少なくとも1個と培地表面の外周部に少なくとも4個開口される通気穴、栽培容器の培地表面の外周部に3個開口される通気穴、または栽培容器の培地表面の中央部に1個開口される通気穴の中から選ばれたいずれかの通気穴であり、前記Dノズルが該中央部及び/又は外周部に開口された各通気穴の開口位置に対向するように液状種菌噴射手段に配設され、前記Sノズルが前記Dノズルの周辺に少なくとも2個液状種菌噴射手段に配設される、ことを特徴とする請求項5に記載のキノコの液状種菌接種装置。
【請求項7】
前記栽培容器内に収容された培地の表面部が、中央部が凹んだすり鉢状を形成した、ことを特徴とする請求項5又は6のいずれかに記載のキノコの液状種菌接種装置。
【請求項8】
前記栽培容器の内壁面に、該容器の上方から底部に向けて縦溝を適宜数形成した、ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のキノコの液状種菌接種装置。
【請求項9】
前記複数の縦溝が、前記Sノズルの噴出口に対向する部位に形成されたことを特徴とする請求項8に記載のキノコの液状種菌接種装置。
【請求項10】
請求項5に記載の液状種菌噴射手段、液状種菌分配手段、液状種菌圧送手段に加えて、液状種菌の接種処理が完了した後に、前記分配手段を通って前記噴射手段に配設された全てのノズルに至る流通路、噴出口に対して、残留液状種菌を排出するための所定圧力で無菌エアーを圧送する無菌エアー圧送手段を備えた、ことを特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載のキノコの液状種菌接種装置。
【請求項11】
請求項5及び10に記載の液状種菌噴射手段、液状種菌分配手段、液状種菌圧送手段及び無菌エアー圧送手段を複数保持するための保持手段を備え、培地が収容された複数の栽培容器に対して同時に液状種菌の接種を可能にする、ことを特徴とする請求項5乃至10のいずれかに記載のキノコの液状種菌接種装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−136179(P2009−136179A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−313863(P2007−313863)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(500548460)えのき園有限会社 (2)
【Fターム(参考)】