キャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチ、及びキャップ付きアダプタ
【課題】 本発明は、アダプタがスパウトから緩まず、又、キャップを用いてアダプタを再封することもできるスパウト付きパウチを提供する。
【解決手段】 スパウト付きパウチAと、チューブ部材を接続する接続部5と接続部5に連設され且つスパウト1に螺合可能な取付部6とを有するアダプタ3と、アダプタ3のネジ部7に螺合可能なキャップ本体8とキャップ本体8に架橋部89を介して架橋された環状部9とを有するスクリューキャップ4と、を備え、アダプタ3が取付部6を介してスパウト1に螺合され、取付部6はアダプタ3の緩方向に回転しないようにスパウト1に係合されており、キャップ本体8がアダプタ3に螺合されていると共に、環状部9がキャップ本体8の緩方向に回転しないようにアダプタ3に係合しており、架橋部89がキャップ本体8を緩方向に回転させたときに破断する。
【解決手段】 スパウト付きパウチAと、チューブ部材を接続する接続部5と接続部5に連設され且つスパウト1に螺合可能な取付部6とを有するアダプタ3と、アダプタ3のネジ部7に螺合可能なキャップ本体8とキャップ本体8に架橋部89を介して架橋された環状部9とを有するスクリューキャップ4と、を備え、アダプタ3が取付部6を介してスパウト1に螺合され、取付部6はアダプタ3の緩方向に回転しないようにスパウト1に係合されており、キャップ本体8がアダプタ3に螺合されていると共に、環状部9がキャップ本体8の緩方向に回転しないようにアダプタ3に係合しており、架橋部89がキャップ本体8を緩方向に回転させたときに破断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ部材を接続するためのアダプタが経腸栄養剤などが充填されたスパウト付きパウチに取り付けられている、キャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビタミン類やアミノ酸などを含む経腸栄養剤、流動食、水分補強ゼリーなどを患者に投与するため、経腸栄養剤などが充填されたスパウト付きパウチが用いられている。
このスパウト付きパウチ内の充填物を患者に投与する際には、スパウトにカテーテルのようなチューブ部材を取り付けるが、一般には、スパウトとチューブ部材は、アダプタを介して取り付けられる。
特許文献1には、チューブ部材を圧入する先細テーパ状の接続部とスパウトに取り付ける取付部とを有し、前記接続部に形状の異なる滑り止め部が形成されている、アダプタが開示されている。
【0003】
かかるアダプタは、次のようにして使用される。
スパウト付きパウチのスパウトからキャップを外し、スパウトの注出口を開口させる。次に、スパウトのネジ部にアダプタの取付部を螺合する。このアダプタの接続部にチューブ部材を接続する。そして、このチューブ部材を通じて、スパウト付きパウチ内の充填物が患者などに投与される。
【0004】
しかしながら、スパウトのキャップを外し、さらに、アダプタを取り付けている間に、スパウトの注出口やネジ部に粉塵や雑菌などが付着するおそれがある。また、スパウトにアダプタを取り付ける際には、アダプタの接続部を手で持ってスパウトに螺合するので、衛生面から好ましいものとは言えない。
【0005】
さらに、アダプタをスパウトに完全に螺合させずに、チューブ部材を接続して使用する場合がある。一方、当初、アダプタをスパウトに完全に螺合させていても、アダプタの接続部には患者に繋がったチューブ部材が接続されているので、使用している間に、アダプタの取付部がスパウトから緩むおそれがある。また、使用途中で、患者などが誤ってアダプタを回してスパウトから外すおそれもある。アダプタがスパウトに完全に螺合していないと、スパウトとアダプタの隙間から充填物が漏れてしまう。
【0006】
加えて、従来のアダプタにあっては、チューブ部材を接続して充填物を投与し始めると、その途中で投与を一旦止め、チューブ部材をアダプタから外すことができない。チューブ部材をアダプタから外すと、アダプタの注出口を密封状に封緘しなければならないが、従来のアダプタは、その注出口を適切に且つ簡易に封緘するための手段を有さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−136427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、アダプタがスパウトから緩まず、又、キャップを用いてアダプタを再封することもできる、キャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチを提供することである。
また、本発明の他の目的は、スパウト付きパウチのスパウトに緩まないように取り付けることができ、又、キャップを用いて再封することができるキャップ付きアダプタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチは、外周面にネジ部が形成されたスパウトを有するスパウト付きパウチと;チューブ部材を接続するための接続部と、前記接続部に連設され且つ締方向に回転させることにより前記スパウトのネジ部に螺合可能な取付部と、外周面に形成されたネジ部と、を有するアダプタと;前記アダプタの外周面のネジ部に螺合可能で且つ前記接続部を封緘可能なキャップ本体と、前記キャップ本体に架橋部を介して架橋され且つ前記アダプタの外周面に外嵌可能な環状部と、を有するスクリューキャップと;を備え、前記アダプタが、前記取付部を介して前記スパウトに螺合され、前記取付部は、前記アダプタの緩方向の回転を規制する回止め手段によって前記スパウトに係合されており、前記キャップ本体が、前記アダプタの締方向と同じ方向に回転させることによって前記アダプタのネジ部に螺合されていると共に、前記環状部が、前記アダプタの外周面に外嵌され且つ前記キャップ本体の緩方向に回転しないようにアダプタに係合しており、前記架橋部が、前記キャップ本体を緩方向に回転させたときに破断する。
【0010】
上記キャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチは、スパウトにキャップ付きアダプタが取り付けられているので、使用者がアダプタをスパウトに取り付ける必要がないので、取り扱いが簡便である。
また、キャップ本体を回すと、架橋部が破断してキャップ本体だけがアダプタから外れるので、アダプタに直接手が触れずに衛生的である。
キャップ本体を外した後には、アダプタの接続部にチューブ部材を圧入することにより、チューブ部材を通じて、充填物をアダプタから注出できる。このアダプタは、回止め手段によってスパウトから緩まないので、充填物の注出中に、アダプタとスパウトの間から充填物が漏れることもなく、又、患者や補助者などが誤ってアダプタを回そうとしても、アダプタがスパウトから緩むこともない。
さらに、取り外したキャップ本体は、アダプタのネジ部に再度螺合させることもできるので、充填物の注出を一旦止め、アダプタにキャップ本体を再度螺合して、アダプタを簡単に再封することもできる。
【0011】
本発明の好ましいキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチは、前記スクリューキャップの下端面が前記アダプタの下端面よりも上方に位置している。
このようにスクリューキャップの下端面がアダプタの下端面よりも上方に位置していれば、キャップ付きアダプタを正面から見て、アダプタの下方部を視認できる。よって、スクリューキャップがアダプタに対して完全に螺合しているかどうかを外部から容易に確認できる。
【0012】
本発明の別の局面によれば、キャップ付きアダプタを提供する。
本発明のキャップ付きアダプタは、スパウト付きパウチのスパウトとチューブ部材とを接続するアダプタと、前記アダプタに取り付けられるスクリューキャップと、を有するキャップ付きアダプタであって、前記アダプタが、チューブ部材を接続するための接続部と、前記接続部に連設され且つ締方向に回転させることによりスパウトのネジ部に螺合可能な取付部と、外周面に形成されたネジ部と、を有し、前記スクリューキャップが、前記アダプタの外周面のネジ部に螺合可能で且つ前記接続部を封緘可能なキャップ本体と、前記キャップ本体に架橋部を介して架橋され且つ前記アダプタの外周面に外嵌可能な環状部と、を有し、前記取付部には、スパウトに係合することによって前記アダプタの緩方向の回転を規制する回止め手段が設けられており、前記キャップ本体が、前記アダプタの締方向と同じ方向に回転させることにより前記アダプタのネジ部に螺合されていると共に、前記環状部が、前記アダプタの外周面に外嵌され且つ前記キャップ本体の緩方向に回転しないようにアダプタに係合しており、前記架橋部が、前記キャップ本体を緩方向に回転させたときに破断する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチは、充填物を注出する際の取り扱いが簡便である上、アダプタがスパウトから緩まないので、液漏れのおそれがなく、さらに、充填物の注出を一旦止めて、アダプタを再封することもできる。
本発明のキャップ付きアダプタは、スパウト付きパウチのスパウトに螺合することによって簡単に取り付けることができ、又、取付後にはスパウトから緩まない。従って、液漏れすることなく、スパウト付きパウチの充填物を注出できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の1つの実施形態に係るキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチの正面図。ただし、スパウト付きパウチの袋は、その一部を省略して表している(他の図も同様)。
【図2】図1のII−II線拡大断面図。
【図3】図1のIII−III線拡大断面図。
【図4】スパウト付きパウチにキャップ付きアダプタを取り付ける前の正面図。
【図5】本発明の1つの実施形態に係るアダプタの正面図。
【図6】同底面図。
【図7】図5のVII−VII線断面図。
【図8】本発明の1つの実施形態に係るスクリューキャップの正面図。
【図9】同底面図。
【図10】図8のX−X線断面図。
【図11】キャップ本体を取り外した状態のアダプタを備えるスパウト付きパウチの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<キャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチの概要>
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1〜図4において、本発明のキャップ付きアダプタBを備えるスパウト付きパウチAは、外周面にネジ部18が形成されたスパウト1を有するスパウト付きパウチAと、スパウト付きパウチAのスパウト1とチューブ部材(図示せず)とを接続するアダプタ3とアダプタ3に装着されたスクリューキャップ4とを有するキャップ付きアダプタBと、を有する。
チューブ部材とは、従来と同様に、充填物を患者などに投与するために使用される部材であって、スパウト付きパウチAと患者などを繋げるチューブである。
【0016】
アダプタ3は、チューブ部材を接続するための接続部5と、接続部5に連設され且つ締方向に回転させることによりスパウト1のネジ部18に螺合可能な取付部6と、外周面に形成されたネジ部7と、を有し、前記取付部6には、スパウト1に係合することによってアダプタ3の緩方向の回転を規制する回止め手段が設けられている。
スクリューキャップ4は、アダプタ3の外周面のネジ部7に螺合可能で且つ接続部5を封緘可能なキャップ本体8と、キャップ本体8に架橋部89を介して架橋され且つアダプタ3の外周面に外嵌可能な環状部9と、を有し、架橋部89はキャップ本体8を緩方向に回転させたときに破断するように構成されている。
キャップ付きアダプタBにおいては、アダプタ3の締方向と同じ方向にスクリューキャップ4を回転させることにより、キャップ本体8がアダプタ3のネジ部7に螺合されていると共に、環状部9がアダプタ3の外周面に外嵌され且つアダプタ3に対してキャップ本体8の緩方向に回転しないようにアダプタ3に係合している。
【0017】
キャップ付きアダプタBを備えるスパウト付きパウチAは、アダプタ3の取付部6がアダプタ3の緩方向の回転を規制する回止め手段によってスパウト付きパウチAのスパウト1に係合された状態で、キャップ付きアダプタBが取付部6を介してスパウト1に螺合されている。
以下、各構成部材ごとに分説しつつ、本発明のキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチ及びキャップ付きアダプタの実施形態を説明する。
【0018】
<スパウト付きパウチAについて>
スパウト付きパウチAは、図1及び図4に示すように、袋2と、袋2に装着されたスパウト1と、を有する。
袋2内には、充填物が充填されている。充填物は特に限定されず、例えば、経腸栄養剤、流動食、水分補強ゼリーなどが挙げられる。
【0019】
スパウト1は、その上端部の内側に注出口が開口された略円筒状であり、図4に示すように、その外周面にはネジ部18が形成されている。この注出口から袋2内に充填物を充填できる。すなわち、注出口から袋2内に充填物を充填した後、スパウト1にキャップ付きアダプタBを取り付けて注出口を閉栓することにより、充填済みのスパウト付きパウチAを得ることができる。
スパウト1の材質は特に限定されないが、通常、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂などの合成樹脂によって形成される。
また、袋2は、周囲を熱シールなどで接着した柔軟なフィルムから形成されている。
【0020】
また、スパウト1の外周面の、前記ネジ部18の下方には、アダプタ3の取付部6の内周面に設けられた被係合部61に係合する係合部11が形成されている。
以下、アダプタ3の取付部6に設けられた被係合部を、取付部被係合部61といい、スパウト1の外周面に設けられた係合部を、スパウト係合部11という。
【0021】
スパウト係合部11は、図2に示すように、スパウト1の外周面からアダプタ3の締方向外側に延びる傾斜面11aと、アダプタ3の緩方向に対向する係合面11bと、を有する。以下、この傾斜面を、スパウト傾斜面11aといい、この係合面を、スパウト係合面11bという。
スパウト傾斜面11aは、スパウト1の外周面の接線に対して鈍角状に延出された面である。前記スパウト傾斜面11aとスパウト1の外周面の接線との成す角は、鈍角であれば特に限定されず、例えば、120度〜175度であり、好ましくは、135度〜170度である。
スパウト係合面11bは、例えば、スパウト1の外周面の接線に対して略直交するように形成されている。
【0022】
スパウト係合部11の数は、特に限定されず、少なくとも1つ設けられ、好ましくは2つ以上(複数)であり、より好ましくは取付部被係合部61の数の1/2倍である。なお、本実施形態では、4つのスパウト係合部11が設けられている。
スパウト係合部11が複数設けられる場合、各スパウト係合部11は、スパウト1の外周面の周方向に所定間隔を開けて設けられ、好ましくは、一定間隔(等間隔)に設けられる。
【0023】
<アダプタについて>
アダプタ3は、図5〜図7にも示すように、接続部5と、接続部5に一体的に連設された取付部6と、取付部6に対応する外周面から突設されたネジ部7と、を有する。前記取付部6には、回止め手段が設けられている。
前記取付部6の外周面に形成されたネジ部7の螺旋方向は、スパウト1の外周面に形成されたネジ部18の螺旋方向と同じである。
接続部5、取付部6、及びネジ部7は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂などの合成樹脂又は金属などを用いて一体的に形成されている。
【0024】
接続部5及び取付部6は、それぞれ横断面が略円となる筒状である。接続部5及び取付部6の内部の各空洞は、軸方向に連通されている。従って、アダプタ3の内部には、軸方向に延びる1つの通路が形成されている。
【0025】
接続部5は、先端側の小径接続部51と、この小径接続部51と取付部6の間に形成された大径接続部52と、からなる。接続部5は、この小径接続部51及び大径接続部52が一体的に形成された、全体として略円錐台筒状である。小径接続部51の先端部の内側には開口が形成されている。
小径接続部51及び大径接続部52の各外周面には、滑り止め加工として複数の突起51a,52aが形成されている。小径接続部51及び大径接続部52の各外周面に形成された複数の突起51a,52aは、その形状が異なっている。小径接続部51に形成された複数の突起51aは、断面略鋸刃状であり、一方、大径接続部52に形成された複数の突起52aは、断面略半円状である。
なお、上記各突起51a,52aの形状は異なっているが、何れもが断面略鋸刃状又は略半円状であってもよいし、或いは、その他の断面形状であってもよい。
【0026】
取付部6は、略円筒状であり、その内周面にはネジ部68が形成されている。取付部6は、アダプタ3を締方向に回転させることにより、前記ネジ部68を介して、スパウト付きパウチAのスパウト1のネジ部18に螺合可能である。
なお、アダプタ3の締方向は、アダプタ3の軸回りの一方向であり、一般的には、アダプタ3の軸を上から見た場合の時計回り方向である。
さらに、取付部6には、前記ネジ部68を介してスパウト1に完全に螺合させた状態でアダプタ3を緩方向に回転させたときに、その緩方向の回転を規制する回止め手段が設けられている。なお、アダプタ3の緩方向は、前記締方向と反対方向(アダプタ3の軸回りの他方向)である。
また、前記完全に螺合とは、アダプタ3とスパウト1との間から充填物が漏れないように螺合した状態をいう。
【0027】
回止め手段は、例えば、取付部6の内周面に設けられている。
具体的には、取付部6の内周面には、その周方向に被係合部(取付部被係合部61)が内側に向かって突設されている。取付部被係合部61は、図2に示すように、上記スパウト係合部11に係合することによって、アダプタ3の緩方向の回転を規制する。取付部被係合部61は、アダプタ3の取付部6をスパウト1に完全に螺合した際にスパウト係合部11に係合する。なお、取付部6の内周面の上方部には、図3及び図7に示すように、アダプタ3をスパウト1に完全に螺合させたときに、スパウト1の上端部の内周面に水密状に密着するシール部65が周設されている。
【0028】
取付部被係合部61の数は、特に限定されず、少なくとも1つ設けられ、好ましくは2つ以上(複数)であり、より好ましくはスパウト係合部11の数の2倍である。なお、本実施形態では、8つの取付部被係合部61が設けられている。
取付部被係合部61が複数設けられる場合、各取付部被係合部61は、取付部6の内周面の周方向に所定間隔を開けて設けられ、好ましくは、一定間隔(等間隔)に設けられる。
【0029】
取付部被係合部61は、取付部6の内周面からアダプタ3の緩方向に延びる被傾斜面61aと、アダプタ3の締方向に対向する被係合面61bと、を有する。以下、この被傾斜面を、取付部被傾斜面61aといい、この被係合面を、取付部被係合面61bという。
取付部被傾斜面61aは、図2及び図6に示すように、取付部6の内周面の接線(厳密には、内周面を形作る円形線に対して引いた接線)に対して鈍角状に延出された面である。前記取付部被傾斜面61aと取付部6の内周面の接線との成す角は、鈍角であれば特に限定されず、例えば、120度〜175度であり、好ましくは、135度〜170度である。
取付部被係合面61bは、取付部被傾斜面61aの先端部(緩方向先端部)に形成されている。
【0030】
本実施形態では、取付部被傾斜面61a及び取付部被係合面61bを有する取付部被係合部61は、図2及び図6に示すように、取付部6の内周面から緩方向内側に向かって突設され且つ後端部が前記内周面に繋がった板状部から構成されている。板状部からなる取付部被係合部61によれば、その板バネ作用により、取付部被係合部61が外側に変形しながらスパウト係合部11を乗り越えることができるので、簡単にアダプタ3をスパウト1に完全に螺合できる。
【0031】
もっとも、取付部被係合部61は、板状部から形成されていなくてもよく、例えば、取付部6の内周面の一部が盛り上がった中実状の突部から構成されていてもよい。取付部被係合部61が中実状の突部から構成されていても、アダプタ3をスパウト1に螺合した際、取付部被係合部61、取付部6及び/又はスパウト係合部11がそれぞれ若干変形するので、アダプタ3をスパウト1に完全に螺合できる。
【0032】
さらに、取付部6の外周面の下方には、環状部9の内周面に設けられた被係合部93に係合する係合部63が形成されている。以下、環状部9に設けられた被係合部を、環状部被係合部93といい、取付部6の外周面に設けられた係合部を、取付部係合部63という。
【0033】
取付部係合部63は、図2及び図6に示すように、取付部6の外周面からアダプタ3の締方向外側に延びる傾斜面63aと、アダプタ3の緩方向に対向する係合面63bと、を有する。以下、この傾斜面を、取付部傾斜面63aといい、この係合面を、取付部係合面63bという。
取付部傾斜面63aは、取付部6の外周面の接線に対して鈍角状に延出された面である。前記取付部傾斜面63aと取付部6の外周面の接線との成す角は、鈍角であれば特に限定されず、例えば、120度〜175度であり、好ましくは、135度〜170度である。
取付部係合面63bは、例えば、取付部6の外周面の接線に対して略直交するように形成されている。
【0034】
取付部係合部63の数は、特に限定されず、少なくとも1つ設けられ、好ましくは2つ以上(複数)であり、より好ましくは環状部被係合部93の数の1/2倍である。なお、本実施形態では、4つの取付部係合部63が設けられている。
取付部係合部63が複数設けられる場合、各取付部係合部63は、取付部6の外周面の周方向に所定間隔を開けて設けられ、好ましくは、一定間隔(等間隔)に設けられる。
【0035】
さらに、取付部6の外周面であって、前記ネジ部7と取付部係合部63の間における取付部6の外周面には、図5に示すように、その周方向に渡って環状の小突部66が外側に突設されている。
環状の小突部66の突出頂部の外径は、キャップ本体8の下方内周面の内径よりも僅かに小さく且つ環状部9の上方内周面の内径よりも僅かに大きい。
スクリューキャップ4がアダプタ3に完全に螺合した状態において、環状部9の上端面は取付部6の小突部66と取付部係合部63の間に位置している。
【0036】
<スクリューキャップについて>
スクリューキャップ4は、図8〜図10にも示すように、キャップ本体8と、キャップ本体8の下端面よりも下方に位置し且つ架橋部89を介してキャップ本体8の下端に架橋された環状部9と、を有する。
キャップ本体8、架橋部89、及び環状部9は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂などの合成樹脂などを用いて一体的に形成されている。
【0037】
キャップ本体8は、取付部係合部63が設けられた周囲を除く取付部6の外周面全体及び接続部5の外周面全体を覆う筒状部81と、この筒状部81の上端に設けられた天板部82と、を有する。
前記筒状部81は、上方に向かうに従って小径となる横断面が略円の筒状である。前記天板部82は、アダプタ3の接続部5の開口を塞ぐ部分である。天板部82の下面には、スクリューキャップ4をアダプタ3に完全に螺合させたときに、アダプタ3の小径接続部51の上端部の内周面に水密状に密着するシール部85が周設されている。
なお、前記完全に螺合とは、スクリューキャップ4とアダプタ3との間から充填物が漏れないように螺合した状態をいう。
【0038】
アダプタ3の取付部6に対応するキャップ本体8の内周面には、取付部6のネジ部7に螺合するネジ部87が形成されている。
このキャップ本体8の内周面に形成されたネジ部の螺旋方向は、アダプタ3の取付部6の内周面に形成されたネジ部の螺旋方向と同じ方向である。アダプタ3に対するキャップ本体8の締方向及び締方向は、それぞれ、スパウト1に対するアダプタ3の締方向及び緩方向と同じである。
【0039】
また、キャップ本体8の下端面には、図8に示すように、環状部9の上端面から突設されたキャップ嵌合凸部94に嵌合するキャップ嵌合凹部84が凹設されている。
キャップ嵌合凸部94とキャップ嵌合凹部84が嵌合された状態で、キャップ本体8の下端は、脆弱な細い架橋部89を介して、環状部9と連結されている。
このキャップ嵌合凹部84は、スクリューキャップ4をアダプタ3に取り付けるべく、キャップ本体8を締方向に回転させたときに、キャップ嵌合凸部94に係合する。従って、環状部9は、キャップ本体8の締方向の回転に追従してその方向に回転する。一方、キャップ本体8を緩方向に回転させたときには、キャップ嵌合凸部94とキャップ嵌合凹部84の係合が解除されてキャップ本体8のみが回転し、架橋部89が破断してキャップ本体8のみがアダプタ3から外れる。
【0040】
キャップ嵌合凹部84は、上述のように、キャップ本体8を締方向に回転させたときに、キャップ嵌合凸部94に係合し、且つ、キャップ本体8を緩方向に回転させたときに、キャップ嵌合凸部94との係合が解除され得るように形成されていれば、その形状は特に限定されない。
例えば、キャップ嵌合凸部94は、環状部9の上端面からキャップ本体8の緩方向上側に延びる傾斜面94aと、環状部9の上端面に対して略直交し且つスクリューキャップ4の締方向に対向する係合面94bと、を有する。
一方、キャップ嵌合凹部84は、前記キャップ嵌合凸部94と同様な正面視略直角形状の凹み部であり、キャップ嵌合凸部94の傾斜面94aに対面する傾斜面84aと、キャップ嵌合凸部94の係合面94bに対面する係合面84aと、を有する。
【0041】
キャップ嵌合凸部94とキャップ嵌合凹部84は同数設けられる。
本実施形態では、キャップ嵌合凸部94及びキャップ嵌合凹部84の数は、それぞれ対応して2箇所設けられているが、それぞれ1箇所でもよいし、それぞれ対応して3箇所以上設けられていてもよい。
【0042】
上記環状部9は、スクリューキャップ4をアダプタ3に完全に螺合させた状態において、キャップ本体8の緩方向に回転不能で且つアダプタ3から上下方向に抜脱困難に係止されている。
具体的には、環状部9の内周面には、図2及び図9に示すように、取付部係合部63に係合する被係合部(環状部被係合部93)が形成されている。
この環状部被係合部93は、環状部9の内周面からキャップ本体8の緩方向内側に延びる被傾斜面93aと、キャップ本体8の締方向に対向する被係合面93bと、を有する。以下、この被傾斜面を、環状部被傾斜面93aといい、この被係合面を、環状部被係合面93bという。
【0043】
環状部被傾斜面93aは、環状部9の内周面の接線に対して鈍角状に延出された面である。前記環状部被傾斜面93aと環状部9の内周面の接線の成す角は、鈍角であれば特に限定されず、例えば、120度〜175度であり、好ましくは、135度〜170度である。
環状部被係合面93bは、環状部被傾斜面93aの先端部(緩方向先端部)に形成されている。
【0044】
環状部被係合部93の数は、特に限定されず、少なくとも1つ設けられ、好ましくは2つ以上(複数)である。なお、本実施形態では、8つの環状部被係合部93が設けられている。
環状部被係合部93が複数設けられる場合、各環状部被係合部93は、環状部9の内周面の周方向に所定間隔を開けて設けられ、好ましくは、一定間隔(等間隔)に設けられる。
【0045】
架橋部89は、キャップ本体8と環状部9の間に少なくとも1箇所設けられ、好ましくは、キャップ本体8の周方向に等間隔に2箇所〜4箇所設けられる。架橋部89は、環状部9がキャップ本体8から不用意に外れない程度に両者を連結できる細い線状部である。かかる架橋部89は、アダプタ3に回転不能に係合された環状部9に対してキャップ本体8を緩方向に回転させたときに、その回転力によって捩られることによって、容易に破断し得る。
【0046】
<キャップ付きアダプタについて>
キャップ付きアダプタBは、上記アダプタ3にスクリューキャップ4が取り付けられたものである。
キャップ付きアダプタBは、スクリューキャップ4のキャップ本体8がアダプタ3の外周面のネジ部7に完全に螺合されていると共に、スクリューキャップ4の環状部9がアダプタ3の外周面に外嵌され、この環状部9がキャップ本体8の緩方向に回転しないようにアダプタ3に係合している。
【0047】
具体的には、上記アダプタ3の接続部5からスクリューキャップ4を挿入し、スクリューキャップ4を、キャップ本体8の締方向に回していく。キャップ本体8の回転に従い、キャップ本体8のネジ部87が、アダプタ3のネジ部7に螺合していく。キャップ本体8と環状部9は、キャップ嵌合凸部94とキャップ嵌合凹部84において嵌合しているので、キャップ本体8と共に環状部9は締方向に回転し、スクリューキャップ4を螺合している途中で、両者が分離することはない。
そして、環状部被係合部93が取付部係合部63に接する所までキャップ本体8が螺合されると、環状部被傾斜面93aが取付部傾斜面63aを乗り越えていくので、スクリューキャップ4の回転が阻害されず、スクリューキャップ4をアダプタ3に完全に螺合できる。
このようにしてキャップ付きアダプタBを得ることができる。
【0048】
スクリューキャップ4がアダプタ3に完全に螺合した状態においては、キャップ本体8のシール部85によってアダプタ3の接続部5の開口が塞がれていると共に、キャップ本体8によってアダプタ3の接続部5が封緘され、さらに、環状部9の上端面が取付部6の小突部66と取付部係合部63の間に位置していると共に、環状部9の環状部被係合部93がアダプタ3の取付部係合部63に係合している。
このように環状部被係合部93と取付部係合部63が係合することにより、環状部9を緩方向に回そうとしても環状部被係合面93bが取付部係合面63bに当たるので、環状部9を緩方向に回転させることができない。
【0049】
このキャップ付きアダプタBは、図1及び図3に示すように、スクリューキャップ4の環状部9の下端面4aがアダプタ3の取付部6の下端面6aよりも上方に位置している。従って、キャップ付きアダプタBを正面から見て、アダプタ3の取付部6の下方部を視認できる。
アダプタ3の全体がスクリューキャップ4によって覆われていると、スクリューキャップ4がアダプタ3に対して完全に螺合しているかどうか目視で判断し難い。この点、本実施形態のキャップ付きアダプタBによれば、スクリューキャップ4がアダプタ3に対して完全に螺合しているかどうかをその外部から確認できる。
【0050】
<キャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチについて>
キャップ付きアダプタBを備えるスパウト付きパウチAは、次のようにして得ることができる。
スパウト付きパウチAのスパウト1の注出口から袋2の内部に、充填物を充填する。本発明のスパウト付きパウチAは、スパウト1から袋2内に充填物を充填できるので、袋2の内部に生じるデッドスペース(充填物が充填されていない空間)を小さくできる。一般的にスパウトが取り付けられていない袋の開口部から充填物を充填すると、比較的大きなデッドスペースが生じるが、本発明のスパウト付きパウチAにあっては、デッドスペースが小さくなるため、正味の充填量に適合した容量の袋を用いることができる。このため、本発明では、袋のコストや保管運搬費の低減を図ることができる。さらに、本発明のスパウト付きパウチAに対する充填物の充填は、既存の充填装置を用いて行うことができるので、新たな設備投資を行う必要もない。
【0051】
充填物を充填した後、スパウト1からキャップ付きアダプタBを挿入し、これをアダプタ3の締方向に回していく。キャップ付きアダプタBの回転に従い、アダプタ3のネジ部68がスパウト1のネジ部18に螺合していく。キャップ本体8の締方向とアダプタ3の締方向は同じ方向なので、アダプタ3を取り付けている途中で、キャップ本体8がアダプタ3から外れることはない。
そして、アダプタ3の取付部被係合部61がスパウト係合部11に接する所までアダプタ3が螺合されると、取付部被傾斜面61aがスパウト傾斜面11aを乗り越えていくので、アダプタ3の回転が阻害されず、キャップ付きアダプタBをスパウト1に完全に螺合できる。
このようにしてキャップ付きアダプタBを備えるスパウト付きパウチAを得ることができる。
【0052】
キャップ付きアダプタBがスパウト1に完全に螺合した状態においては、アダプタ3のシール部65によってスパウト1の注出口が塞がれていると共に、アダプタ3の取付部被係合部61がスパウト1のスパウト係合部11に係合している。
このように取付部被係合部61とスパウト係合部11が係合することにより、アダプタ3を緩方向に回そうとしても取付部被係合面61bがスパウト係合面11bに当たるので、アダプタ3を緩方向に回転させることができない。
【0053】
得られたキャップ付きアダプタBを備えるスパウト付きパウチAを使用する場合、キャップ本体8を緩方向に回してアダプタ3を露出させる。
アダプタ3の取付部6が緩方向の回転を規制する回止め手段によってスパウト1に取り付けられているので、キャップ本体8を緩方向に回した際に、アダプタ3がスパウト1から外れることはない。
また、環状部9はアダプタ3の緩方向に回転しないようにアダプタ3に係合しているので、キャップ本体8を回すと、架橋部89が破断してキャップ本体8のみをアダプタ3から取り外すことができる(図11参照)。
【0054】
キャップ本体8を外すことによって露出したアダプタ3の接続部5に、チューブ部材を圧入することにより、チューブ部材を通じて、スパウト付きパウチAの充填物を患者などに投与できる。チューブ部材は、特に限定されず、単なる柔軟な管(ゴム管や柔軟なプラスチック管など)でもよいし、或いは、特開2009−136427号に開示されたような接続管付きの胃ろうカテーテルなどでもよい。
【0055】
本発明のキャップ付きアダプタBを備えるスパウト付きパウチAは、アダプタ3をスパウト付きパウチAに取り付けるときに、アダプタ3に直接触れないので、チューブ部材を取り付けるアダプタ3に粉塵や雑菌などが付着し難い。
また、キャップ本体8のみを簡単に外すことができる上、使用者がアダプタ3をスパウト付きパウチAに取り付ける作業も不要であるので、取り扱いが簡便である。
さらに、回止め手段によってアダプタ3がスパウト1から緩まないので、チューブ部材を通じて充填物を注出している途中に、アダプタ3とスパウト1の間から充填物が液漏れしない。さらに、患者や補助者などが誤ってアダプタ3を回そうとしても、アダプタ3がスパウト1から緩むこともない。
【0056】
さらに、取り外したキャップ本体8は、アダプタ3のネジ部7に再度螺合させることもできる。このため、例えば、充填物の注出を一旦止めてチューブ部材をアダプタ3から引き抜き、アダプタ3にキャップ本体8を再度螺合して、アダプタ3を再封することもできる。再び充填物を注出したい場合には、キャップ本体8をアダプタ3から外し、アダプタ3にチューブ部材を取り付ければよい。
【0057】
なお、キャップ本体8をアダプタ3から取り外した後、キャップ本体8で再封しても、架橋部89が破断しているので、キャップ本体8と環状部9は当初のように連結された状態にはならない。従って、環状部9の状態を見れば、キャップ本体8が既に開封されたかどうかを簡単に確認できる。
また、スクリューキャップ4がアダプタ3に完全に螺合した状態において、環状部9は、その上端面が取付部6の小突部66と取付部係合部63の間に位置されており、この小突部66の外径は、キャップ本体8の下方内周面の内径よりも僅かに小さく且つ環状部9の上方内周面の内径よりも僅かに大きい。このため、環状部9をアダプタ3の上方に抜き取ることが困難であるので、悪意者がキャップ本体8を開封後、開封の有無の確認対象となる環状部9を抜き取るという行為を防止できる。
【0058】
なお、本発明のキャップ付きアダプタ及びこれを備えるスパウト付きパウチは、上記実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で適宜変更できる。
例えば、上記実施形態のアダプタ3の接続部5においては、小径接続部51及び大径接続部52を有するが、小径接続部51だけであってもよい。
また、上記実施形態のキャップ本体8は、アダプタ3の接続部5及び取付部6を封緘するように形成されているが、キャップ本体8は、少なくとも接続部5を封緘可能に形成されていればよく、例えば、取付部6の外周面のネジ部7の一部分が露出するようにスクリューキャップ4が取り付けられていてもよい。
【0059】
また、取付部6のスパウト1に対する回転を規制する回止め手段、及び、環状部9のアダプタ3に対する回転を規制するための係合手段は、上記実施形態の構成に限られず、本発明の意図する範囲で変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明のキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチは、チューブ部材を取り付けて、パウチ内の充填物を患者などに投与するために使用できる。
【符号の説明】
【0061】
A…スパウト付きパウチ、B…キャップ付きアダプタ、1…スパウト、18…スパウトのネジ部、2…袋、3…アダプタ、5…接続部、6…取付部、7…アダプタの外周面のネジ部、8…キャップ本体、9…環状部、…89…架橋部
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ部材を接続するためのアダプタが経腸栄養剤などが充填されたスパウト付きパウチに取り付けられている、キャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビタミン類やアミノ酸などを含む経腸栄養剤、流動食、水分補強ゼリーなどを患者に投与するため、経腸栄養剤などが充填されたスパウト付きパウチが用いられている。
このスパウト付きパウチ内の充填物を患者に投与する際には、スパウトにカテーテルのようなチューブ部材を取り付けるが、一般には、スパウトとチューブ部材は、アダプタを介して取り付けられる。
特許文献1には、チューブ部材を圧入する先細テーパ状の接続部とスパウトに取り付ける取付部とを有し、前記接続部に形状の異なる滑り止め部が形成されている、アダプタが開示されている。
【0003】
かかるアダプタは、次のようにして使用される。
スパウト付きパウチのスパウトからキャップを外し、スパウトの注出口を開口させる。次に、スパウトのネジ部にアダプタの取付部を螺合する。このアダプタの接続部にチューブ部材を接続する。そして、このチューブ部材を通じて、スパウト付きパウチ内の充填物が患者などに投与される。
【0004】
しかしながら、スパウトのキャップを外し、さらに、アダプタを取り付けている間に、スパウトの注出口やネジ部に粉塵や雑菌などが付着するおそれがある。また、スパウトにアダプタを取り付ける際には、アダプタの接続部を手で持ってスパウトに螺合するので、衛生面から好ましいものとは言えない。
【0005】
さらに、アダプタをスパウトに完全に螺合させずに、チューブ部材を接続して使用する場合がある。一方、当初、アダプタをスパウトに完全に螺合させていても、アダプタの接続部には患者に繋がったチューブ部材が接続されているので、使用している間に、アダプタの取付部がスパウトから緩むおそれがある。また、使用途中で、患者などが誤ってアダプタを回してスパウトから外すおそれもある。アダプタがスパウトに完全に螺合していないと、スパウトとアダプタの隙間から充填物が漏れてしまう。
【0006】
加えて、従来のアダプタにあっては、チューブ部材を接続して充填物を投与し始めると、その途中で投与を一旦止め、チューブ部材をアダプタから外すことができない。チューブ部材をアダプタから外すと、アダプタの注出口を密封状に封緘しなければならないが、従来のアダプタは、その注出口を適切に且つ簡易に封緘するための手段を有さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−136427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、アダプタがスパウトから緩まず、又、キャップを用いてアダプタを再封することもできる、キャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチを提供することである。
また、本発明の他の目的は、スパウト付きパウチのスパウトに緩まないように取り付けることができ、又、キャップを用いて再封することができるキャップ付きアダプタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチは、外周面にネジ部が形成されたスパウトを有するスパウト付きパウチと;チューブ部材を接続するための接続部と、前記接続部に連設され且つ締方向に回転させることにより前記スパウトのネジ部に螺合可能な取付部と、外周面に形成されたネジ部と、を有するアダプタと;前記アダプタの外周面のネジ部に螺合可能で且つ前記接続部を封緘可能なキャップ本体と、前記キャップ本体に架橋部を介して架橋され且つ前記アダプタの外周面に外嵌可能な環状部と、を有するスクリューキャップと;を備え、前記アダプタが、前記取付部を介して前記スパウトに螺合され、前記取付部は、前記アダプタの緩方向の回転を規制する回止め手段によって前記スパウトに係合されており、前記キャップ本体が、前記アダプタの締方向と同じ方向に回転させることによって前記アダプタのネジ部に螺合されていると共に、前記環状部が、前記アダプタの外周面に外嵌され且つ前記キャップ本体の緩方向に回転しないようにアダプタに係合しており、前記架橋部が、前記キャップ本体を緩方向に回転させたときに破断する。
【0010】
上記キャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチは、スパウトにキャップ付きアダプタが取り付けられているので、使用者がアダプタをスパウトに取り付ける必要がないので、取り扱いが簡便である。
また、キャップ本体を回すと、架橋部が破断してキャップ本体だけがアダプタから外れるので、アダプタに直接手が触れずに衛生的である。
キャップ本体を外した後には、アダプタの接続部にチューブ部材を圧入することにより、チューブ部材を通じて、充填物をアダプタから注出できる。このアダプタは、回止め手段によってスパウトから緩まないので、充填物の注出中に、アダプタとスパウトの間から充填物が漏れることもなく、又、患者や補助者などが誤ってアダプタを回そうとしても、アダプタがスパウトから緩むこともない。
さらに、取り外したキャップ本体は、アダプタのネジ部に再度螺合させることもできるので、充填物の注出を一旦止め、アダプタにキャップ本体を再度螺合して、アダプタを簡単に再封することもできる。
【0011】
本発明の好ましいキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチは、前記スクリューキャップの下端面が前記アダプタの下端面よりも上方に位置している。
このようにスクリューキャップの下端面がアダプタの下端面よりも上方に位置していれば、キャップ付きアダプタを正面から見て、アダプタの下方部を視認できる。よって、スクリューキャップがアダプタに対して完全に螺合しているかどうかを外部から容易に確認できる。
【0012】
本発明の別の局面によれば、キャップ付きアダプタを提供する。
本発明のキャップ付きアダプタは、スパウト付きパウチのスパウトとチューブ部材とを接続するアダプタと、前記アダプタに取り付けられるスクリューキャップと、を有するキャップ付きアダプタであって、前記アダプタが、チューブ部材を接続するための接続部と、前記接続部に連設され且つ締方向に回転させることによりスパウトのネジ部に螺合可能な取付部と、外周面に形成されたネジ部と、を有し、前記スクリューキャップが、前記アダプタの外周面のネジ部に螺合可能で且つ前記接続部を封緘可能なキャップ本体と、前記キャップ本体に架橋部を介して架橋され且つ前記アダプタの外周面に外嵌可能な環状部と、を有し、前記取付部には、スパウトに係合することによって前記アダプタの緩方向の回転を規制する回止め手段が設けられており、前記キャップ本体が、前記アダプタの締方向と同じ方向に回転させることにより前記アダプタのネジ部に螺合されていると共に、前記環状部が、前記アダプタの外周面に外嵌され且つ前記キャップ本体の緩方向に回転しないようにアダプタに係合しており、前記架橋部が、前記キャップ本体を緩方向に回転させたときに破断する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチは、充填物を注出する際の取り扱いが簡便である上、アダプタがスパウトから緩まないので、液漏れのおそれがなく、さらに、充填物の注出を一旦止めて、アダプタを再封することもできる。
本発明のキャップ付きアダプタは、スパウト付きパウチのスパウトに螺合することによって簡単に取り付けることができ、又、取付後にはスパウトから緩まない。従って、液漏れすることなく、スパウト付きパウチの充填物を注出できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の1つの実施形態に係るキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチの正面図。ただし、スパウト付きパウチの袋は、その一部を省略して表している(他の図も同様)。
【図2】図1のII−II線拡大断面図。
【図3】図1のIII−III線拡大断面図。
【図4】スパウト付きパウチにキャップ付きアダプタを取り付ける前の正面図。
【図5】本発明の1つの実施形態に係るアダプタの正面図。
【図6】同底面図。
【図7】図5のVII−VII線断面図。
【図8】本発明の1つの実施形態に係るスクリューキャップの正面図。
【図9】同底面図。
【図10】図8のX−X線断面図。
【図11】キャップ本体を取り外した状態のアダプタを備えるスパウト付きパウチの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<キャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチの概要>
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1〜図4において、本発明のキャップ付きアダプタBを備えるスパウト付きパウチAは、外周面にネジ部18が形成されたスパウト1を有するスパウト付きパウチAと、スパウト付きパウチAのスパウト1とチューブ部材(図示せず)とを接続するアダプタ3とアダプタ3に装着されたスクリューキャップ4とを有するキャップ付きアダプタBと、を有する。
チューブ部材とは、従来と同様に、充填物を患者などに投与するために使用される部材であって、スパウト付きパウチAと患者などを繋げるチューブである。
【0016】
アダプタ3は、チューブ部材を接続するための接続部5と、接続部5に連設され且つ締方向に回転させることによりスパウト1のネジ部18に螺合可能な取付部6と、外周面に形成されたネジ部7と、を有し、前記取付部6には、スパウト1に係合することによってアダプタ3の緩方向の回転を規制する回止め手段が設けられている。
スクリューキャップ4は、アダプタ3の外周面のネジ部7に螺合可能で且つ接続部5を封緘可能なキャップ本体8と、キャップ本体8に架橋部89を介して架橋され且つアダプタ3の外周面に外嵌可能な環状部9と、を有し、架橋部89はキャップ本体8を緩方向に回転させたときに破断するように構成されている。
キャップ付きアダプタBにおいては、アダプタ3の締方向と同じ方向にスクリューキャップ4を回転させることにより、キャップ本体8がアダプタ3のネジ部7に螺合されていると共に、環状部9がアダプタ3の外周面に外嵌され且つアダプタ3に対してキャップ本体8の緩方向に回転しないようにアダプタ3に係合している。
【0017】
キャップ付きアダプタBを備えるスパウト付きパウチAは、アダプタ3の取付部6がアダプタ3の緩方向の回転を規制する回止め手段によってスパウト付きパウチAのスパウト1に係合された状態で、キャップ付きアダプタBが取付部6を介してスパウト1に螺合されている。
以下、各構成部材ごとに分説しつつ、本発明のキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチ及びキャップ付きアダプタの実施形態を説明する。
【0018】
<スパウト付きパウチAについて>
スパウト付きパウチAは、図1及び図4に示すように、袋2と、袋2に装着されたスパウト1と、を有する。
袋2内には、充填物が充填されている。充填物は特に限定されず、例えば、経腸栄養剤、流動食、水分補強ゼリーなどが挙げられる。
【0019】
スパウト1は、その上端部の内側に注出口が開口された略円筒状であり、図4に示すように、その外周面にはネジ部18が形成されている。この注出口から袋2内に充填物を充填できる。すなわち、注出口から袋2内に充填物を充填した後、スパウト1にキャップ付きアダプタBを取り付けて注出口を閉栓することにより、充填済みのスパウト付きパウチAを得ることができる。
スパウト1の材質は特に限定されないが、通常、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂などの合成樹脂によって形成される。
また、袋2は、周囲を熱シールなどで接着した柔軟なフィルムから形成されている。
【0020】
また、スパウト1の外周面の、前記ネジ部18の下方には、アダプタ3の取付部6の内周面に設けられた被係合部61に係合する係合部11が形成されている。
以下、アダプタ3の取付部6に設けられた被係合部を、取付部被係合部61といい、スパウト1の外周面に設けられた係合部を、スパウト係合部11という。
【0021】
スパウト係合部11は、図2に示すように、スパウト1の外周面からアダプタ3の締方向外側に延びる傾斜面11aと、アダプタ3の緩方向に対向する係合面11bと、を有する。以下、この傾斜面を、スパウト傾斜面11aといい、この係合面を、スパウト係合面11bという。
スパウト傾斜面11aは、スパウト1の外周面の接線に対して鈍角状に延出された面である。前記スパウト傾斜面11aとスパウト1の外周面の接線との成す角は、鈍角であれば特に限定されず、例えば、120度〜175度であり、好ましくは、135度〜170度である。
スパウト係合面11bは、例えば、スパウト1の外周面の接線に対して略直交するように形成されている。
【0022】
スパウト係合部11の数は、特に限定されず、少なくとも1つ設けられ、好ましくは2つ以上(複数)であり、より好ましくは取付部被係合部61の数の1/2倍である。なお、本実施形態では、4つのスパウト係合部11が設けられている。
スパウト係合部11が複数設けられる場合、各スパウト係合部11は、スパウト1の外周面の周方向に所定間隔を開けて設けられ、好ましくは、一定間隔(等間隔)に設けられる。
【0023】
<アダプタについて>
アダプタ3は、図5〜図7にも示すように、接続部5と、接続部5に一体的に連設された取付部6と、取付部6に対応する外周面から突設されたネジ部7と、を有する。前記取付部6には、回止め手段が設けられている。
前記取付部6の外周面に形成されたネジ部7の螺旋方向は、スパウト1の外周面に形成されたネジ部18の螺旋方向と同じである。
接続部5、取付部6、及びネジ部7は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂などの合成樹脂又は金属などを用いて一体的に形成されている。
【0024】
接続部5及び取付部6は、それぞれ横断面が略円となる筒状である。接続部5及び取付部6の内部の各空洞は、軸方向に連通されている。従って、アダプタ3の内部には、軸方向に延びる1つの通路が形成されている。
【0025】
接続部5は、先端側の小径接続部51と、この小径接続部51と取付部6の間に形成された大径接続部52と、からなる。接続部5は、この小径接続部51及び大径接続部52が一体的に形成された、全体として略円錐台筒状である。小径接続部51の先端部の内側には開口が形成されている。
小径接続部51及び大径接続部52の各外周面には、滑り止め加工として複数の突起51a,52aが形成されている。小径接続部51及び大径接続部52の各外周面に形成された複数の突起51a,52aは、その形状が異なっている。小径接続部51に形成された複数の突起51aは、断面略鋸刃状であり、一方、大径接続部52に形成された複数の突起52aは、断面略半円状である。
なお、上記各突起51a,52aの形状は異なっているが、何れもが断面略鋸刃状又は略半円状であってもよいし、或いは、その他の断面形状であってもよい。
【0026】
取付部6は、略円筒状であり、その内周面にはネジ部68が形成されている。取付部6は、アダプタ3を締方向に回転させることにより、前記ネジ部68を介して、スパウト付きパウチAのスパウト1のネジ部18に螺合可能である。
なお、アダプタ3の締方向は、アダプタ3の軸回りの一方向であり、一般的には、アダプタ3の軸を上から見た場合の時計回り方向である。
さらに、取付部6には、前記ネジ部68を介してスパウト1に完全に螺合させた状態でアダプタ3を緩方向に回転させたときに、その緩方向の回転を規制する回止め手段が設けられている。なお、アダプタ3の緩方向は、前記締方向と反対方向(アダプタ3の軸回りの他方向)である。
また、前記完全に螺合とは、アダプタ3とスパウト1との間から充填物が漏れないように螺合した状態をいう。
【0027】
回止め手段は、例えば、取付部6の内周面に設けられている。
具体的には、取付部6の内周面には、その周方向に被係合部(取付部被係合部61)が内側に向かって突設されている。取付部被係合部61は、図2に示すように、上記スパウト係合部11に係合することによって、アダプタ3の緩方向の回転を規制する。取付部被係合部61は、アダプタ3の取付部6をスパウト1に完全に螺合した際にスパウト係合部11に係合する。なお、取付部6の内周面の上方部には、図3及び図7に示すように、アダプタ3をスパウト1に完全に螺合させたときに、スパウト1の上端部の内周面に水密状に密着するシール部65が周設されている。
【0028】
取付部被係合部61の数は、特に限定されず、少なくとも1つ設けられ、好ましくは2つ以上(複数)であり、より好ましくはスパウト係合部11の数の2倍である。なお、本実施形態では、8つの取付部被係合部61が設けられている。
取付部被係合部61が複数設けられる場合、各取付部被係合部61は、取付部6の内周面の周方向に所定間隔を開けて設けられ、好ましくは、一定間隔(等間隔)に設けられる。
【0029】
取付部被係合部61は、取付部6の内周面からアダプタ3の緩方向に延びる被傾斜面61aと、アダプタ3の締方向に対向する被係合面61bと、を有する。以下、この被傾斜面を、取付部被傾斜面61aといい、この被係合面を、取付部被係合面61bという。
取付部被傾斜面61aは、図2及び図6に示すように、取付部6の内周面の接線(厳密には、内周面を形作る円形線に対して引いた接線)に対して鈍角状に延出された面である。前記取付部被傾斜面61aと取付部6の内周面の接線との成す角は、鈍角であれば特に限定されず、例えば、120度〜175度であり、好ましくは、135度〜170度である。
取付部被係合面61bは、取付部被傾斜面61aの先端部(緩方向先端部)に形成されている。
【0030】
本実施形態では、取付部被傾斜面61a及び取付部被係合面61bを有する取付部被係合部61は、図2及び図6に示すように、取付部6の内周面から緩方向内側に向かって突設され且つ後端部が前記内周面に繋がった板状部から構成されている。板状部からなる取付部被係合部61によれば、その板バネ作用により、取付部被係合部61が外側に変形しながらスパウト係合部11を乗り越えることができるので、簡単にアダプタ3をスパウト1に完全に螺合できる。
【0031】
もっとも、取付部被係合部61は、板状部から形成されていなくてもよく、例えば、取付部6の内周面の一部が盛り上がった中実状の突部から構成されていてもよい。取付部被係合部61が中実状の突部から構成されていても、アダプタ3をスパウト1に螺合した際、取付部被係合部61、取付部6及び/又はスパウト係合部11がそれぞれ若干変形するので、アダプタ3をスパウト1に完全に螺合できる。
【0032】
さらに、取付部6の外周面の下方には、環状部9の内周面に設けられた被係合部93に係合する係合部63が形成されている。以下、環状部9に設けられた被係合部を、環状部被係合部93といい、取付部6の外周面に設けられた係合部を、取付部係合部63という。
【0033】
取付部係合部63は、図2及び図6に示すように、取付部6の外周面からアダプタ3の締方向外側に延びる傾斜面63aと、アダプタ3の緩方向に対向する係合面63bと、を有する。以下、この傾斜面を、取付部傾斜面63aといい、この係合面を、取付部係合面63bという。
取付部傾斜面63aは、取付部6の外周面の接線に対して鈍角状に延出された面である。前記取付部傾斜面63aと取付部6の外周面の接線との成す角は、鈍角であれば特に限定されず、例えば、120度〜175度であり、好ましくは、135度〜170度である。
取付部係合面63bは、例えば、取付部6の外周面の接線に対して略直交するように形成されている。
【0034】
取付部係合部63の数は、特に限定されず、少なくとも1つ設けられ、好ましくは2つ以上(複数)であり、より好ましくは環状部被係合部93の数の1/2倍である。なお、本実施形態では、4つの取付部係合部63が設けられている。
取付部係合部63が複数設けられる場合、各取付部係合部63は、取付部6の外周面の周方向に所定間隔を開けて設けられ、好ましくは、一定間隔(等間隔)に設けられる。
【0035】
さらに、取付部6の外周面であって、前記ネジ部7と取付部係合部63の間における取付部6の外周面には、図5に示すように、その周方向に渡って環状の小突部66が外側に突設されている。
環状の小突部66の突出頂部の外径は、キャップ本体8の下方内周面の内径よりも僅かに小さく且つ環状部9の上方内周面の内径よりも僅かに大きい。
スクリューキャップ4がアダプタ3に完全に螺合した状態において、環状部9の上端面は取付部6の小突部66と取付部係合部63の間に位置している。
【0036】
<スクリューキャップについて>
スクリューキャップ4は、図8〜図10にも示すように、キャップ本体8と、キャップ本体8の下端面よりも下方に位置し且つ架橋部89を介してキャップ本体8の下端に架橋された環状部9と、を有する。
キャップ本体8、架橋部89、及び環状部9は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂などの合成樹脂などを用いて一体的に形成されている。
【0037】
キャップ本体8は、取付部係合部63が設けられた周囲を除く取付部6の外周面全体及び接続部5の外周面全体を覆う筒状部81と、この筒状部81の上端に設けられた天板部82と、を有する。
前記筒状部81は、上方に向かうに従って小径となる横断面が略円の筒状である。前記天板部82は、アダプタ3の接続部5の開口を塞ぐ部分である。天板部82の下面には、スクリューキャップ4をアダプタ3に完全に螺合させたときに、アダプタ3の小径接続部51の上端部の内周面に水密状に密着するシール部85が周設されている。
なお、前記完全に螺合とは、スクリューキャップ4とアダプタ3との間から充填物が漏れないように螺合した状態をいう。
【0038】
アダプタ3の取付部6に対応するキャップ本体8の内周面には、取付部6のネジ部7に螺合するネジ部87が形成されている。
このキャップ本体8の内周面に形成されたネジ部の螺旋方向は、アダプタ3の取付部6の内周面に形成されたネジ部の螺旋方向と同じ方向である。アダプタ3に対するキャップ本体8の締方向及び締方向は、それぞれ、スパウト1に対するアダプタ3の締方向及び緩方向と同じである。
【0039】
また、キャップ本体8の下端面には、図8に示すように、環状部9の上端面から突設されたキャップ嵌合凸部94に嵌合するキャップ嵌合凹部84が凹設されている。
キャップ嵌合凸部94とキャップ嵌合凹部84が嵌合された状態で、キャップ本体8の下端は、脆弱な細い架橋部89を介して、環状部9と連結されている。
このキャップ嵌合凹部84は、スクリューキャップ4をアダプタ3に取り付けるべく、キャップ本体8を締方向に回転させたときに、キャップ嵌合凸部94に係合する。従って、環状部9は、キャップ本体8の締方向の回転に追従してその方向に回転する。一方、キャップ本体8を緩方向に回転させたときには、キャップ嵌合凸部94とキャップ嵌合凹部84の係合が解除されてキャップ本体8のみが回転し、架橋部89が破断してキャップ本体8のみがアダプタ3から外れる。
【0040】
キャップ嵌合凹部84は、上述のように、キャップ本体8を締方向に回転させたときに、キャップ嵌合凸部94に係合し、且つ、キャップ本体8を緩方向に回転させたときに、キャップ嵌合凸部94との係合が解除され得るように形成されていれば、その形状は特に限定されない。
例えば、キャップ嵌合凸部94は、環状部9の上端面からキャップ本体8の緩方向上側に延びる傾斜面94aと、環状部9の上端面に対して略直交し且つスクリューキャップ4の締方向に対向する係合面94bと、を有する。
一方、キャップ嵌合凹部84は、前記キャップ嵌合凸部94と同様な正面視略直角形状の凹み部であり、キャップ嵌合凸部94の傾斜面94aに対面する傾斜面84aと、キャップ嵌合凸部94の係合面94bに対面する係合面84aと、を有する。
【0041】
キャップ嵌合凸部94とキャップ嵌合凹部84は同数設けられる。
本実施形態では、キャップ嵌合凸部94及びキャップ嵌合凹部84の数は、それぞれ対応して2箇所設けられているが、それぞれ1箇所でもよいし、それぞれ対応して3箇所以上設けられていてもよい。
【0042】
上記環状部9は、スクリューキャップ4をアダプタ3に完全に螺合させた状態において、キャップ本体8の緩方向に回転不能で且つアダプタ3から上下方向に抜脱困難に係止されている。
具体的には、環状部9の内周面には、図2及び図9に示すように、取付部係合部63に係合する被係合部(環状部被係合部93)が形成されている。
この環状部被係合部93は、環状部9の内周面からキャップ本体8の緩方向内側に延びる被傾斜面93aと、キャップ本体8の締方向に対向する被係合面93bと、を有する。以下、この被傾斜面を、環状部被傾斜面93aといい、この被係合面を、環状部被係合面93bという。
【0043】
環状部被傾斜面93aは、環状部9の内周面の接線に対して鈍角状に延出された面である。前記環状部被傾斜面93aと環状部9の内周面の接線の成す角は、鈍角であれば特に限定されず、例えば、120度〜175度であり、好ましくは、135度〜170度である。
環状部被係合面93bは、環状部被傾斜面93aの先端部(緩方向先端部)に形成されている。
【0044】
環状部被係合部93の数は、特に限定されず、少なくとも1つ設けられ、好ましくは2つ以上(複数)である。なお、本実施形態では、8つの環状部被係合部93が設けられている。
環状部被係合部93が複数設けられる場合、各環状部被係合部93は、環状部9の内周面の周方向に所定間隔を開けて設けられ、好ましくは、一定間隔(等間隔)に設けられる。
【0045】
架橋部89は、キャップ本体8と環状部9の間に少なくとも1箇所設けられ、好ましくは、キャップ本体8の周方向に等間隔に2箇所〜4箇所設けられる。架橋部89は、環状部9がキャップ本体8から不用意に外れない程度に両者を連結できる細い線状部である。かかる架橋部89は、アダプタ3に回転不能に係合された環状部9に対してキャップ本体8を緩方向に回転させたときに、その回転力によって捩られることによって、容易に破断し得る。
【0046】
<キャップ付きアダプタについて>
キャップ付きアダプタBは、上記アダプタ3にスクリューキャップ4が取り付けられたものである。
キャップ付きアダプタBは、スクリューキャップ4のキャップ本体8がアダプタ3の外周面のネジ部7に完全に螺合されていると共に、スクリューキャップ4の環状部9がアダプタ3の外周面に外嵌され、この環状部9がキャップ本体8の緩方向に回転しないようにアダプタ3に係合している。
【0047】
具体的には、上記アダプタ3の接続部5からスクリューキャップ4を挿入し、スクリューキャップ4を、キャップ本体8の締方向に回していく。キャップ本体8の回転に従い、キャップ本体8のネジ部87が、アダプタ3のネジ部7に螺合していく。キャップ本体8と環状部9は、キャップ嵌合凸部94とキャップ嵌合凹部84において嵌合しているので、キャップ本体8と共に環状部9は締方向に回転し、スクリューキャップ4を螺合している途中で、両者が分離することはない。
そして、環状部被係合部93が取付部係合部63に接する所までキャップ本体8が螺合されると、環状部被傾斜面93aが取付部傾斜面63aを乗り越えていくので、スクリューキャップ4の回転が阻害されず、スクリューキャップ4をアダプタ3に完全に螺合できる。
このようにしてキャップ付きアダプタBを得ることができる。
【0048】
スクリューキャップ4がアダプタ3に完全に螺合した状態においては、キャップ本体8のシール部85によってアダプタ3の接続部5の開口が塞がれていると共に、キャップ本体8によってアダプタ3の接続部5が封緘され、さらに、環状部9の上端面が取付部6の小突部66と取付部係合部63の間に位置していると共に、環状部9の環状部被係合部93がアダプタ3の取付部係合部63に係合している。
このように環状部被係合部93と取付部係合部63が係合することにより、環状部9を緩方向に回そうとしても環状部被係合面93bが取付部係合面63bに当たるので、環状部9を緩方向に回転させることができない。
【0049】
このキャップ付きアダプタBは、図1及び図3に示すように、スクリューキャップ4の環状部9の下端面4aがアダプタ3の取付部6の下端面6aよりも上方に位置している。従って、キャップ付きアダプタBを正面から見て、アダプタ3の取付部6の下方部を視認できる。
アダプタ3の全体がスクリューキャップ4によって覆われていると、スクリューキャップ4がアダプタ3に対して完全に螺合しているかどうか目視で判断し難い。この点、本実施形態のキャップ付きアダプタBによれば、スクリューキャップ4がアダプタ3に対して完全に螺合しているかどうかをその外部から確認できる。
【0050】
<キャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチについて>
キャップ付きアダプタBを備えるスパウト付きパウチAは、次のようにして得ることができる。
スパウト付きパウチAのスパウト1の注出口から袋2の内部に、充填物を充填する。本発明のスパウト付きパウチAは、スパウト1から袋2内に充填物を充填できるので、袋2の内部に生じるデッドスペース(充填物が充填されていない空間)を小さくできる。一般的にスパウトが取り付けられていない袋の開口部から充填物を充填すると、比較的大きなデッドスペースが生じるが、本発明のスパウト付きパウチAにあっては、デッドスペースが小さくなるため、正味の充填量に適合した容量の袋を用いることができる。このため、本発明では、袋のコストや保管運搬費の低減を図ることができる。さらに、本発明のスパウト付きパウチAに対する充填物の充填は、既存の充填装置を用いて行うことができるので、新たな設備投資を行う必要もない。
【0051】
充填物を充填した後、スパウト1からキャップ付きアダプタBを挿入し、これをアダプタ3の締方向に回していく。キャップ付きアダプタBの回転に従い、アダプタ3のネジ部68がスパウト1のネジ部18に螺合していく。キャップ本体8の締方向とアダプタ3の締方向は同じ方向なので、アダプタ3を取り付けている途中で、キャップ本体8がアダプタ3から外れることはない。
そして、アダプタ3の取付部被係合部61がスパウト係合部11に接する所までアダプタ3が螺合されると、取付部被傾斜面61aがスパウト傾斜面11aを乗り越えていくので、アダプタ3の回転が阻害されず、キャップ付きアダプタBをスパウト1に完全に螺合できる。
このようにしてキャップ付きアダプタBを備えるスパウト付きパウチAを得ることができる。
【0052】
キャップ付きアダプタBがスパウト1に完全に螺合した状態においては、アダプタ3のシール部65によってスパウト1の注出口が塞がれていると共に、アダプタ3の取付部被係合部61がスパウト1のスパウト係合部11に係合している。
このように取付部被係合部61とスパウト係合部11が係合することにより、アダプタ3を緩方向に回そうとしても取付部被係合面61bがスパウト係合面11bに当たるので、アダプタ3を緩方向に回転させることができない。
【0053】
得られたキャップ付きアダプタBを備えるスパウト付きパウチAを使用する場合、キャップ本体8を緩方向に回してアダプタ3を露出させる。
アダプタ3の取付部6が緩方向の回転を規制する回止め手段によってスパウト1に取り付けられているので、キャップ本体8を緩方向に回した際に、アダプタ3がスパウト1から外れることはない。
また、環状部9はアダプタ3の緩方向に回転しないようにアダプタ3に係合しているので、キャップ本体8を回すと、架橋部89が破断してキャップ本体8のみをアダプタ3から取り外すことができる(図11参照)。
【0054】
キャップ本体8を外すことによって露出したアダプタ3の接続部5に、チューブ部材を圧入することにより、チューブ部材を通じて、スパウト付きパウチAの充填物を患者などに投与できる。チューブ部材は、特に限定されず、単なる柔軟な管(ゴム管や柔軟なプラスチック管など)でもよいし、或いは、特開2009−136427号に開示されたような接続管付きの胃ろうカテーテルなどでもよい。
【0055】
本発明のキャップ付きアダプタBを備えるスパウト付きパウチAは、アダプタ3をスパウト付きパウチAに取り付けるときに、アダプタ3に直接触れないので、チューブ部材を取り付けるアダプタ3に粉塵や雑菌などが付着し難い。
また、キャップ本体8のみを簡単に外すことができる上、使用者がアダプタ3をスパウト付きパウチAに取り付ける作業も不要であるので、取り扱いが簡便である。
さらに、回止め手段によってアダプタ3がスパウト1から緩まないので、チューブ部材を通じて充填物を注出している途中に、アダプタ3とスパウト1の間から充填物が液漏れしない。さらに、患者や補助者などが誤ってアダプタ3を回そうとしても、アダプタ3がスパウト1から緩むこともない。
【0056】
さらに、取り外したキャップ本体8は、アダプタ3のネジ部7に再度螺合させることもできる。このため、例えば、充填物の注出を一旦止めてチューブ部材をアダプタ3から引き抜き、アダプタ3にキャップ本体8を再度螺合して、アダプタ3を再封することもできる。再び充填物を注出したい場合には、キャップ本体8をアダプタ3から外し、アダプタ3にチューブ部材を取り付ければよい。
【0057】
なお、キャップ本体8をアダプタ3から取り外した後、キャップ本体8で再封しても、架橋部89が破断しているので、キャップ本体8と環状部9は当初のように連結された状態にはならない。従って、環状部9の状態を見れば、キャップ本体8が既に開封されたかどうかを簡単に確認できる。
また、スクリューキャップ4がアダプタ3に完全に螺合した状態において、環状部9は、その上端面が取付部6の小突部66と取付部係合部63の間に位置されており、この小突部66の外径は、キャップ本体8の下方内周面の内径よりも僅かに小さく且つ環状部9の上方内周面の内径よりも僅かに大きい。このため、環状部9をアダプタ3の上方に抜き取ることが困難であるので、悪意者がキャップ本体8を開封後、開封の有無の確認対象となる環状部9を抜き取るという行為を防止できる。
【0058】
なお、本発明のキャップ付きアダプタ及びこれを備えるスパウト付きパウチは、上記実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で適宜変更できる。
例えば、上記実施形態のアダプタ3の接続部5においては、小径接続部51及び大径接続部52を有するが、小径接続部51だけであってもよい。
また、上記実施形態のキャップ本体8は、アダプタ3の接続部5及び取付部6を封緘するように形成されているが、キャップ本体8は、少なくとも接続部5を封緘可能に形成されていればよく、例えば、取付部6の外周面のネジ部7の一部分が露出するようにスクリューキャップ4が取り付けられていてもよい。
【0059】
また、取付部6のスパウト1に対する回転を規制する回止め手段、及び、環状部9のアダプタ3に対する回転を規制するための係合手段は、上記実施形態の構成に限られず、本発明の意図する範囲で変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明のキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチは、チューブ部材を取り付けて、パウチ内の充填物を患者などに投与するために使用できる。
【符号の説明】
【0061】
A…スパウト付きパウチ、B…キャップ付きアダプタ、1…スパウト、18…スパウトのネジ部、2…袋、3…アダプタ、5…接続部、6…取付部、7…アダプタの外周面のネジ部、8…キャップ本体、9…環状部、…89…架橋部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面にネジ部が形成されたスパウトを有するスパウト付きパウチと;
チューブ部材を接続するための接続部と、前記接続部に連設され且つ締方向に回転させることにより前記スパウトのネジ部に螺合可能な取付部と、外周面に形成されたネジ部と、を有するアダプタと;
前記アダプタの外周面のネジ部に螺合可能で且つ前記接続部を封緘可能なキャップ本体と、前記キャップ本体に架橋部を介して架橋され且つ前記アダプタの外周面に外嵌可能な環状部と、を有するスクリューキャップと;を備え、
前記アダプタが、前記取付部を介して前記スパウトに螺合され、
前記取付部は、前記アダプタの緩方向の回転を規制する回止め手段によって前記スパウトに係合されており、
前記キャップ本体が、前記アダプタの締方向と同じ方向に回転させることによって前記アダプタのネジ部に螺合されていると共に、前記環状部が、前記アダプタの外周面に外嵌され且つ前記キャップ本体の緩方向に回転しないようにアダプタに係合しており、
前記架橋部が、前記キャップ本体を緩方向に回転させたときに破断することを特徴とするキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチ。
【請求項2】
前記スクリューキャップの下端面が前記アダプタの下端面よりも上方に位置している請求項1に記載のキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチ。
【請求項3】
スパウト付きパウチのスパウトとチューブ部材とを接続するアダプタと、前記アダプタに取り付けられるスクリューキャップと、を有するキャップ付きアダプタであって、
前記アダプタが、チューブ部材を接続するための接続部と、前記接続部に連設され且つ締方向に回転させることによりスパウトのネジ部に螺合可能な取付部と、外周面に形成されたネジ部と、を有し、
前記スクリューキャップが、前記アダプタの外周面のネジ部に螺合可能で且つ前記接続部を封緘可能なキャップ本体と、前記キャップ本体に架橋部を介して架橋され且つ前記アダプタの外周面に外嵌可能な環状部と、を有し、
前記取付部には、スパウトに係合することによって前記アダプタの緩方向の回転を規制する回止め手段が設けられており、
前記キャップ本体が、前記アダプタの締方向と同じ方向に回転させることにより前記アダプタのネジ部に螺合されていると共に、前記環状部が、前記アダプタの外周面に外嵌され且つ前記キャップ本体の緩方向に回転しないようにアダプタに係合しており、
前記架橋部が、前記キャップ本体を緩方向に回転させたときに破断することを特徴とするキャップ付きアダプタ。
【請求項1】
外周面にネジ部が形成されたスパウトを有するスパウト付きパウチと;
チューブ部材を接続するための接続部と、前記接続部に連設され且つ締方向に回転させることにより前記スパウトのネジ部に螺合可能な取付部と、外周面に形成されたネジ部と、を有するアダプタと;
前記アダプタの外周面のネジ部に螺合可能で且つ前記接続部を封緘可能なキャップ本体と、前記キャップ本体に架橋部を介して架橋され且つ前記アダプタの外周面に外嵌可能な環状部と、を有するスクリューキャップと;を備え、
前記アダプタが、前記取付部を介して前記スパウトに螺合され、
前記取付部は、前記アダプタの緩方向の回転を規制する回止め手段によって前記スパウトに係合されており、
前記キャップ本体が、前記アダプタの締方向と同じ方向に回転させることによって前記アダプタのネジ部に螺合されていると共に、前記環状部が、前記アダプタの外周面に外嵌され且つ前記キャップ本体の緩方向に回転しないようにアダプタに係合しており、
前記架橋部が、前記キャップ本体を緩方向に回転させたときに破断することを特徴とするキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチ。
【請求項2】
前記スクリューキャップの下端面が前記アダプタの下端面よりも上方に位置している請求項1に記載のキャップ付きアダプタを備えるスパウト付きパウチ。
【請求項3】
スパウト付きパウチのスパウトとチューブ部材とを接続するアダプタと、前記アダプタに取り付けられるスクリューキャップと、を有するキャップ付きアダプタであって、
前記アダプタが、チューブ部材を接続するための接続部と、前記接続部に連設され且つ締方向に回転させることによりスパウトのネジ部に螺合可能な取付部と、外周面に形成されたネジ部と、を有し、
前記スクリューキャップが、前記アダプタの外周面のネジ部に螺合可能で且つ前記接続部を封緘可能なキャップ本体と、前記キャップ本体に架橋部を介して架橋され且つ前記アダプタの外周面に外嵌可能な環状部と、を有し、
前記取付部には、スパウトに係合することによって前記アダプタの緩方向の回転を規制する回止め手段が設けられており、
前記キャップ本体が、前記アダプタの締方向と同じ方向に回転させることにより前記アダプタのネジ部に螺合されていると共に、前記環状部が、前記アダプタの外周面に外嵌され且つ前記キャップ本体の緩方向に回転しないようにアダプタに係合しており、
前記架橋部が、前記キャップ本体を緩方向に回転させたときに破断することを特徴とするキャップ付きアダプタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−66866(P2012−66866A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215162(P2010−215162)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
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