説明

キャニスタ用吸着材およびキャニスタ

【課題】燃料蒸気の吸着脱離性能と、キャニスタとしての通気抵抗と、吸着材の強度と、を同時に満足させることができる吸着材を提供する。
【解決手段】100nm未満の大きさの微視的細孔を有する活性炭の粉末に、焼成時に消失するメルタブルコアおよびバインダを水とともに加えて混合し、外径が4〜6mmの中空円筒形に成形して焼成する。メルタブルコアによって100nm以上の大きさの巨視的細孔が形成されるが、微視的細孔の容積に対する巨視的細孔の容積の割合を65〜150%に調整する。吸着材10は、円筒壁10Aと十字形の放射状壁10Bとを有する断面形状とし、各部の肉厚を0.6mm〜3mmの範囲とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば自動車用内燃機関の燃料蒸気の処理などに用いられる活性炭を用いたキャニスタおよびその吸着材に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車用内燃機関においては、車両の燃料タンクから蒸発した燃料蒸気の外部への放出を防止するために、燃料蒸気の吸着および脱離が可能なキャニスタが設けられており、車両停止後等に発生する燃料蒸気を一時的に吸着し、かつ、その後の運転中に、吸着していた燃料成分を新気とともに脱離させて内燃機関で燃焼処理するようになっている。
【0003】
ここで、キャニスタの吸着材としては、燃料成分を捕捉する微細な細孔を有する活性炭が広く用いられているが、特許文献1では、活性炭の粉末をバインダを介して粒状に成形したいわゆる成形活性炭型の吸着材として、焼成時に昇華ないし分解するメルタブルコアを活性炭粉末にバインダとともに加え、これを成形かつ焼成することで、活性炭そのものの微視的細孔よりもサイズの大きな巨視的細孔を形成するようにした技術が提案されている。活性炭そのものの微視的細孔が100nm未満の大きさであるのに対し、メルタブルコアにより形成される巨視的細孔は100nm以上の大きさのものであり、蒸発燃料の分子が通流し得る一種の通路として機能する。このように吸着材内部に通路となる巨視的細孔を形成することで、吸着脱離性能を確保したまま吸着材の寸法を大きくすることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−19572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
キャニスタとして重要な通気抵抗の観点からは、粒状をなす吸着材がある程度の大きさ、例えば特許文献1に開示されている4mm程度の粒径を有することが望ましいが、このように大きな吸着材では、個々の吸着材の内部に位置する一部の活性炭成分が蒸発燃料の吸着脱離に寄与せず、従って微細な吸着材に比較して吸着脱離性能が低くなる。そのため、上記特許文献1に開示される粒径の大きい吸着材では、吸着脱離性能の確保のために、微視的細孔に比較した巨視的細孔の割合が非常に多くなっており、その結果、吸着材の強度が低い、という欠点がある。
【0006】
すなわち、上記従来の吸着材を用いたキャニスタにあっては、燃料蒸気の吸着脱離性能と、キャニスタとしての通気抵抗と、吸着材の強度と、を同時に満足させることができない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るキャニスタ用吸着材は、100nm未満の大きさの微視的細孔を有する活性炭の粉末に、焼成時に消失するメルタブルコアをバインダとともに加えて焼成することで、100nm以上の大きさの巨視的細孔を形成したものであって、外形状として、外径が4〜6mmの円柱状もしくは直径が4〜6mmの球形をなし、かつ、各部の肉厚が0.6mm〜3mmとなるように中空形状をなしている。そして、吸着材における微視的細孔の容積に対する巨視的細孔の容積の割合が、65〜150パーセントの範囲にある。
【0008】
一つの望ましい例では、上記吸着材は、外側の円筒壁と、この円筒壁の中心部に設けられた放射状壁と、からなる中空断面形状を有し、上記円筒壁および上記放射状壁の各部の肉厚が0.6mm〜3mmの範囲内にある。
【0009】
このように本発明の吸着材は、その外形寸法が比較的大きく、従って、キャニスタ内に充填したときに、その通気抵抗が小さい。そして、中空形状とすることで外形寸法に比して各部の肉厚が比較的小さく設定され、かつこれに対応して、微視的細孔の容積に対する巨視的細孔の容積の割合が比較的低く設定されている。つまり、吸着材各部の肉厚と巨視的細孔の割合とが互いに最適となるように組み合わされている。これにより、キャニスタとして重要な通気抵抗を低く維持する一方で、吸着脱離性能と吸着材の強度とを両立させることができる。
【0010】
また、上記の吸着材をケース内に充填することで、流れ方向の一端に燃料蒸気の流入・流出部を備え、かつ他端に大気開放口を備えたキャニスタが構成されるが、本発明のキャニスタは、特に、上記吸着材が充填される流路の等価直径が、上記吸着材の上記外径もしくは上記直径の7倍以上となっている。このようにすれば、吸着材が比較的大きい場合でも、高い充填率が得られる。なお、等価直径とは、流路断面が円形であれば、その直径を、また、流路断面が非円形であれば同一断面積となる円の直径を意味する。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、通気抵抗低減のために吸着材の外形寸法を十分に大きくする一方で、吸着材を中空形状として各部の肉厚を制限し、かつ巨視的細孔の割合を比較的少なくすることで、燃料蒸気の吸着脱離性能と、キャニスタとしての通気抵抗と、吸着材の強度と、を同時に満足させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】キャニスタの一実施例を示す断面図。
【図2】成形された吸着材の(a)側面図および(b)正面図。
【図3】パージ時のブタン残存量と吸着材の厚みとの関係を示したグラフ。
【図4】吸着材の硬さと吸着材の厚みとの関係を示したグラフ。
【図5】パージ時のブタン残存量と巨視的細孔の割合との関係を示したグラフ。
【図6】吸着材の硬さと巨視的細孔の割合との関係を示したグラフ。
【図7】ケースの等価直径と充填率との関係を示したグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明に係るキャニスタ1の一実施例を示している。このキャニスタ1は、合成樹脂製のケース2によってUターン形状に流路が形成されているものであって、流れ方向の一端に、燃料蒸気の流入部となるチャージポート3と、燃料蒸気の流出部となるパージポート4と、が設けられており、流れ方向の他端に、大気開放口となる大気ポート5が設けられている。上記チャージポート3は例えば図示しない自動車の燃料タンクに接続され、上記パージポート4は例えば内燃機関の吸気系に接続される。
【0014】
上記ケース2内には、吸着材を収容する室として、上記チャージポート3およびパージポート4の側から順に、第1室6、第2室7および第3室8が直列に設けられており、第1室6および第2室7には、それぞれ比較的粒径の小さな成形活性炭ないし破砕活性炭からなる吸着材9が充填されている。この吸着材9は、基本的に、活性炭そのものの微視的細孔は有しているが、後述するメルタブルコアによる巨視的細孔は積極的には設けられていない。
【0015】
これに対し、第3室8には、本発明に係る粒径の大きな吸着材10が充填されている。これにより、キャニスタ1の流路の中で特に大気ポート5に近い部分での通気抵抗の低減が達成され、キャニスタ1全体としての脱離性能が向上する。上記第1室6、第2室7および第3室8の間は、例えば通気性を有する多孔板やフィルタによって互いに区画されている。
【0016】
上記吸着材10は、活性炭そのものの微視的細孔(直径が2nm以上100nm未満の細孔)に加えて燃料蒸気の通路となる巨視的細孔(直径が100nm以上100000nm未満の細孔)を有するものであり、例えば、粉末状の活性炭に、常温で固体でありかつ後述する焼成時の温度で気化、昇華または分解するメルタブルコアをバインダとともに加えて成形した上で、焼成し、所定の大きさの粒状としたものである。
【0017】
以下、その一実施例を説明すると、上記活性炭としては、市販されている石炭系、木質系等の活性炭を粉砕して粒子径が350μm以下(42メッシュパス)の粉末状の活性炭とする。
【0018】
バインダとしては、粉末状のベントナイト、木節粘土、シリカゾル、アルミナゾルなどの粉体あるいはゾルの固形分を用いる。
【0019】
メルタブルコアは、常温で固体でありかつ焼成時の温度で気化、昇華または分解し、さらには製造時の媒体とする水に溶けにくい粉末状(好ましくは粒子径が0.1μm〜1mm)の材料、例えば、昇華性有機化合物(ナフタレン、パラジクロロベンゼンなど)や、融点が高く、分解しやすいポリマ(ポリエチレンなど)などを用いる。
【0020】
そして、これら3者を、適宜な配合比でもって、適宜に水を加えて混合し、押出成形により直径が4〜6mmで長さが2〜12mm程度(望ましくは直径とほぼ等しい長さ)の円柱状に成形する。そして、この成形体をロータリーキルンなどを使用して不活性ガス雰囲気下にて650℃〜1000℃で3〜4時間焼成して、粒状の吸着材10を得る。
【0021】
なお、メルタブルコアやバインダとしては、前述した特許文献1などで挙げられている他のものを用いることもできる。
【0022】
上記のメルタブルコアは、焼成の際に消失し、これによって、活性炭そのものの微視的細孔(直径が2nm以上100nm未満の細孔)に加えて燃料蒸気の通路となる巨視的細孔(直径が100nm以上100000nm未満の細孔)が形成される。つまり、得られた吸着材10は、巨視的細孔からなるいわゆるマクロポーラス構造を有すると同時に、燃料蒸気の分子を捕捉する微視的細孔からなるいわゆるミクロポーラス構造を有するものとなる。
【0023】
そして、吸着材10に占める微視的細孔の容積は、主に、使用する活性炭によって定まるが、吸着材10に占める巨視的細孔の容積は、メルタブルコアの割合によって制御可能であるので、吸着材10における微視的細孔の容積に対する巨視的細孔の容積の割合(つまり、巨視的細孔の容積/微視的細孔の容積)は、調整可能である。本発明では、この両者の割合が、65%以上150%以下である。この割合は、特許文献1で開示されているものに比べて、遙かに小さい値である。なお、巨視的細孔の容積は、例えば「ISO 15901−1」で規定される水銀圧入法によって測定でき、微視的細孔の容積は、例えば「ISO 15901−2」で規定される窒素ガス吸着法によって測定できる。
【0024】
一方、吸着材10は、一つの実施例では、図2に示すような断面形状を有する。すなわち、外側の円筒壁10Aと、この円筒壁10Aの中心部に設けられた十字形の放射状壁10Bと、を有する中空円筒状をなす。そして、各部の肉厚は、0.6mm以上で3mm以下の範囲内にある。例えば、円筒壁10Aの外径D1は、4.9mmであり、内径D2は、3.3mmである。また放射状壁10Bの各々の肉厚dは、例えば0.7mmであり、円筒壁10Aの肉厚(半径方向の厚さ)は、例えば0.8mmである。また、軸方向の長さLは、4mmである。但し、これらの寸法は、実際の切断加工の際に生じるばらつきが大きい。
【0025】
なお、放射状壁10Bとしては、上記のような十字形のほか、3方向へ延びる放射状のもの、あるいは2方向へ延びるI字形のもの、など種々の形状が可能である。
【0026】
キャニスタ1の通気抵抗の抑制の上では、吸着材10の大きさが大きいことが有利となる。しかし、それに伴って吸着材10の肉厚(単純な球形の場合はその直径が肉厚に相当する)が厚くなると、吸着材としての吸着脱離性能とりわけ脱離性能が悪化する。
【0027】
図3のグラフは、「ASTM D 5228」で規定されるブタンワーキングキャパシティ試験方法によって測定されるパージ後のブタン残存量と活性炭(吸着材)の厚みとの関係を示したものであり、パージ後のブタン残存量の目標値を、1.7g/dLとすると、上述した巨視的細孔の割合が65%以上であれば、活性炭(吸着材)の厚みを3mm以下とする必要がある。
【0028】
一方、図4のグラフは、「JIS K1474」で規定される強度試験方法によって測定される活性炭(吸着材)の硬さ(%)と活性炭(吸着材)の厚みとの関係を示したものであり、キャニスタ用吸着材として必要な硬さを95%とすると、0.6mm以上の厚みが必要である。
【0029】
また、上述した巨視的細孔の割合つまり(巨視的細孔の容積/微視的細孔の容積)は、これが大きいほど脱離性能の上では有利となるが、逆に吸着材の強度が低下する。図5のグラフは、同じく「ASTM D 5228」で規定されるブタンワーキングキャパシティ試験方法によって測定されるパージ後のブタン残存量と巨視的細孔の割合との関係を示したものであり、活性炭の厚みを0.7〜2mmとした試料については、図のような特性が得られた。そのため、余裕を見込んで、巨視的細孔の割合を65%以上とすれば、目標値である1.7g/dL以下のブタン残存量となる。
【0030】
図6のグラフは、同じく「JIS K1474」で規定される強度試験方法によって測定される活性炭(吸着材)の硬さ(%)と巨視的細孔の割合との関係を示したものであり、図示するように、巨視的細孔の割合が150%付近に達すると硬さが急激に低下する。必要な硬さを95%とすると、巨視的細孔の割合は150%以下である必要がある。
【0031】
従って、巨視的細孔の割合を65%〜150%とすると同時に、吸着材10の各部の肉厚を0.6〜3mmとすることで、脱離性能と強度とを高いレベルで両立できる。
[実施例]
前述した粉末状の活性炭、バインダおよびメルタブルコアを用い、成形ならびに焼成して、表1に示す実施例1〜3の吸着材を形成した。いずれも、図2に示した十字形の放射状壁10Bを有する中空円筒状とし、実施例1,2では、外形D1が4.9mm、最大の肉厚となる円筒壁10Aの肉厚が0.8mmであり、実施例3では、外形D1が4.6mm、最大の肉厚となる円筒壁10Aの肉厚が0.7mmである。活性炭に混合するメルタブルコアの量を調整することで、微視的細孔の容積に対する巨視的細孔の容積の割合をそれぞれ異ならせてあり、この巨視的細孔の割合は、実施例1では105%、実施例2では75%、実施例3では65%であった。これらの実施例1〜3では、表1に示すように、目標とする1.7g/dL以下のブタン残存量および95%以上の硬さが得られた。
【0032】
実施例1〜3の材料の具体的な配合は下記の通りである。
【0033】
実施例1:粉末状の活性炭を53wt%、バインダとして木節粘土を29wt%、メルタブルコアとしてメチルセルロースを7wt%、同じくメルタブルコアとしてポリエチレンを11wt%とした。
【0034】
実施例2:粉末状の活性炭を50wt%、バインダとして木節粘土を37wt%、メルタブルコアとしてメチルセルロースを13wt%とした。
【0035】
実施例3:粉末状の活性炭を53wt%、バインダとして木節粘土を40wt%、メルタブルコアとしてメチルセルロースを7wt%とした。
【0036】
なお、原料となる粉末状の活性炭における微視的細孔の容積は、いずれも、0.7mL/g(「ISO 15901−2」で規定される窒素ガス吸着法による)であった。また、焼成温度は、いずれも900℃である。
【0037】
同様に、形状、寸法あるいはメルタブルコアの割合を異ならせることで、比較例1〜4の吸着材を形成した。比較例1,3は単純な円柱状とし、比較例2,4は、球形とした。巨視的細孔の割合は、それぞれ、25%、60%、205%、140%であった。比較例1では、肉厚(円柱の直径)に比較して巨視的細孔の割合が低いため、強度(硬さ)は十分である反面、ブタン残存量で示される脱離性能が不十分である。比較例2は、粒径の小さい微細な吸着材としたため、脱離性能には優れるが、強度(硬さ)が不十分である。なお、このように粒径の小さい吸着材では、キャニスタ1として通気抵抗が大となり、キャニスタ1全体での脱離性能は低くなる。また比較例3は、実施例1〜3と同程度に大きな円柱状としたものであり、肉厚(円柱の直径)が大であることによる吸着脱離性能の低下を補うように巨視的細孔の割合を増やした例であるが、このように巨視的細孔の割合を増やしても、ブタン残存量で示される脱離性能は不十分なものとなっている。しかも、巨視的細孔の割合が高いことから、強度(硬さ)も不十分である。比較例4は、粒径が2mmであり、巨視的細孔の割合が140%という適当な範囲にあるので、ブタン残存量で示される脱離性能ならびに強度(硬さ)の双方が満足なレベルにある。しかし、このように比較的小さな粒径の吸着材では、キャニスタ1として通気抵抗が大となり、キャニスタ1全体での脱離性能は低くなる。
【0038】
【表1】

【0039】
図1に示したように、上記のように構成された吸着材10は、キャニスタ1の第3室8にランダムに充填されて使用されるが、吸着材10の粒径が大きいと、吸着材10同士の間に生じる空間が大きくなるので、通気抵抗が低減する反面、ケース2への充填率が低下する。特に、ケース2(第3室8)の径が小径であると、充填率が過度に低くなってしまう。図7のグラフは、直径が4mmの円筒形の吸着材10を用いた場合に、ケース2(第3室8)の等価直径と充填率との関係を示したものであり、等価直径が十分に大きい場合の充填率を100%とした場合に94%以上の充填率が得られるようにするには、吸着材10の径の7倍(この例では28mm)以上の等価直径が必要である。
【0040】
円筒状をなす吸着材10の直径は、上述したように4〜6mmが好ましい。キャニスタ1のケース2(第3室8)として、直径42mm×長さ100mmの空間を想定し、ここに吸着材10を充填した場合、50L/分の流量で空気を流したときの通気抵抗が1kPa以下であることを目標値とすると、吸着材10が4mm以上の直径であれば、通気抵抗が1kPa以下となる。一方、上記のように94%以上の充填率を確保するためには、直径42mmのケース2では、6mm以下の直径とする必要がある。
【0041】
なお、このような特性は、吸着材が球形をなす場合でも同様であり、直径が4〜6mmの球形の吸着材に対して、キャニスタ1の流路の等価直径が直径の7倍以上であることが望ましい。
【符号の説明】
【0042】
1…キャニスタ
10…吸着材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
100nm未満の大きさの微視的細孔を有する活性炭の粉末に、焼成時に消失するメルタブルコアをバインダとともに加えて焼成することで、100nm以上の大きさの巨視的細孔を形成してなるキャニスタ用吸着材であって、
この吸着材は、外形状として、外径が4〜6mmの円柱状もしくは直径が4〜6mmの球形をなし、かつ、各部の肉厚が0.6mm〜3mmとなるように中空形状をなし、
吸着材における微視的細孔の容積に対する巨視的細孔の容積の割合が、65〜150パーセントである、ことを特徴とするキャニスタ用吸着材。
【請求項2】
上記吸着材は、外側の円筒壁と、この円筒壁の中心部に設けられた放射状壁と、からなる中空断面形状を有し、上記円筒壁および上記放射状壁の各部の肉厚が0.6mm〜3mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のキャニスタ用吸着材。
【請求項3】
請求項1または2に記載のキャニスタ用吸着材がケース内に充填されているとともに、流れ方向の一端に燃料蒸気の流入・流出部を備え、かつ他端に大気開放口を備えたキャニスタであって、上記吸着材が充填される流路の等価直径が、上記吸着材の上記外径もしくは上記直径の7倍以上であることを特徴とするキャニスタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−11243(P2013−11243A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145237(P2011−145237)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000151209)株式会社マーレ フィルターシステムズ (159)
【出願人】(390001177)クラレケミカル株式会社 (30)
【出願人】(592129486)株式会社長峰製作所 (18)
【Fターム(参考)】