説明

キャビネットとこのキャビネットの組立方法、及びキッチンユニット

【課題】 レンジの熱による歪みを発生させず、良好な外観を維持することができるキャビネットと、このキャビネットの組立方法、及び美観を損なわせることがないキッチンユニットを提供する。
【解決手段】 外表面が不燃ボード7で覆われている底板5と、この底板5に対して直交状のコーナー部kが形成されるように接合された側板3とを備えており、これらの接合面の間に、接着空間15と注入空間12とが形成され、この注入空間12に注入された接着剤20により、底板5と側板3とが互いに連結されているボックス状のキャビネット1において、前記注入空間12に充填された接着剤20の硬化痕が、底板5の外表面に露出しないように不燃ボード7材料で覆われている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビネットとこのキャビネットの組立方法、及びキッチンユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
レンジの上方に設置したレンジフードに隣接する吊り戸棚は、レンジに接近しているため、その底面とレンジフード側の側面は不燃性であることが要請されている。そこで、例えば特許文献1に記載の収納キャビネットでは、地板、側板等となる板材をロックウールボードで構成することにより、底面及びレンジフード側の側面の不燃性を確保している。
【特許文献1】特許第3438476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1の収納キャビネットは、複数の板材からなるボックス体の隅に角部圧締用のコーナーブロックを押し付け、その隅に形成した外側空間部と内側空間部に当該コーナーブロックの樹脂吐出口から樹脂を注入することで組み立てられている。
しかしながら、上記外側空間部は、収納キャビネットの奥行き方向全長に渡っているため、出来上がった収納キャビネットの底面には奥行き方向全長に渡る柱状樹脂が露出している。そのため、レンジの熱により柱状樹脂が溶融することにより、接着強度が低下しキャビネットの歪みが発生し易いことや良好な外観を維持できなくなるという問題がある。また、このようなキャビネットよりなる吊り戸棚を備えるキッチンユニットでは、その美観が損なってしまうという問題がある。
【0004】
そこで、本発明はこのような従来技術の問題点に鑑み、レンジの熱による歪みを発生させず、良好な外観を維持することができるキャビネットと、このキャビネットの組立方法、及び美観を損なわせることがないキッチンユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明は、外表面が不燃材料で覆われている第一側板と、この第一側板に対して直交状のコーナー部が形成されるように接合された第二側板とを備えており、前記第一側板の接合面と前記第二側板の接合面の間に、前記コーナー部の内部側に位置する接着空間と、前記コーナー部の外部側に開口しかつ前記接着空間に連通する注入空間とが形成され、この注入空間から前記接着空間に向かって強制的に注入された接着剤により、前記第一側板と前記第二側板とが互いに連結されているボックス状のキャビネットにおいて、前記コーナー部の注入空間に充填された接着剤の硬化痕が、前記第一側板の外表面に露出しないように当該第一側板の前記不燃材料で覆われていることを特徴とする。
【0006】
上記本発明のキャビネットによれば、第一側板と第二側板のコーナー部の注入空間に充填された接着剤の硬化痕が、第一側板の外表面に露出しないように当該第一側板の不燃材料で覆われているので、このキャビネットで吊り戸棚を構成し第一側板をその底面とした場合、当該吊り戸棚の底面に接着剤の硬化痕が露出しない。これにより、レンジの熱による接着剤の溶融が防止され、接着強度の低下によるキャビネットの歪みが発生し難く、良好な外観を維持することができる。
【0007】
上記本発明において、前記第一側板と前記第二側板を構成する材料は限定されるものではないが、例えば、当該第一側板と第二側板は、いずれも、内面側のパーティクルボードと、このパーティクルボードの表面側に積層された前記不燃材料よりなる不燃ボードとから構成されているものとすることができる。
【0008】
また、上記本発明において、例えば、前記第一側板の接合面は、前記パーティクルボードよりも幅方向外側に延びる前記不燃ボードの張り出し部の裏面よりなり、前記第二側板の接合面は、前記張り出し部の幅寸法にほぼ相当する厚さに設定された当該第二側板の端面よりなるものとすることができる。
【0009】
上記本発明において、前記接着空間は、前記第二側板の端面よりなる接合面の長手方向に延び、かつ、その接合面の構成部分のうち前記パーティクルボードの部分のみを切り欠き形成してなる接着溝により構成されていることが好ましい。
この場合、パーティクルボードの部分のみに接着溝を切り欠くことで、接着空間が構成されるので、接着空間を構成するための加工が簡単になる。
【0010】
上記本発明において、前記注入空間は、前記第一側板を構成する不燃ボードの端面側に前記接着剤の注入部分が位置するように、その不燃ボードの張り出し部の裏面よりなる接合面に切り欠き形成してなる注入溝により構成されていることが好ましい。
この場合、第一側板を構成する不燃ボードの端面側に接着剤の注入部分が位置するので、当該キャビネットを組み立てる際に、既存のコーナーブロックを用いることができ、コストを抑えることができる。
【0011】
上記本発明において、前記コーナー部の外部側に開口しかつ前記接着空間に連通する注入確認空間を形成してもよく、この場合、接着剤が接着空間に注入されたか否かを容易に確認することができる。なお、当該注入確認空間は、例えば、前記第一側板を構成する不燃ボードの端面側に、前記接着剤が注入されたか否かを視る確認部分が位置するように、その不燃ボードの張り出し部の裏面よりなる接合面に切り欠き形成してなる注入確認溝により構成することができる。
【0012】
また、本発明は、加熱調理を行うためのレンジ部と、このレンジ部の上方に設置されたレンジフードと、このレンジフードの側方に設置された吊り戸棚とを備えているキッチンユニットにおいて、前記吊り戸棚を構成するボックス本体が、前記第一側板が底板となるように設置された上記キャビネットよりなることを特徴とする。
上記本発明のキッチンユニットによれば、吊り戸棚を構成するキャビネットの良好な外観が維持されているので当該キッチンユニットの美観を損なうことがない。
【0013】
また、本発明は、外表面が不燃材料で覆われている第一側板と、この第一側板に対して直交状のコーナー部が形成されるように接着剤を介して接合された第二側板とを備えているキャビネットの組立方法であって、次の工程(a)〜(b)を含むことを特徴とするキャビネットの組立方法である。
(a)前記コーナー部の内部側に位置する接着空間を前記第二側板の接合面に形成する第一工程
(b)前記コーナー部の外部側から注入される前記接着剤の硬化痕が前記第一側板の前記不燃材料で覆われて当該第一側板の外表面に露出しない状態となるように、前記接着空間に連通する注入空間を前記第一側板の接合面に形成する第二工程
(c)前記コーナー部を四つ有するボックス状となるように前記第一側板と前記第二側板とを互いに接合させ、前記接着剤の注入部を有するコーナーブロックを前記各コーナー部に圧接させる第三工程
(d)前記コーナーブロックの注入部から前記注入空間を介して前記接着空間に前記接着剤を注入し、その接着剤の硬化を待って当該コーナーブロックを前記各コーナー部から取り外す第四工程
【0014】
上記本発明のキャビネットの組立方法によれば、第一側板と第二側板のコーナー部の注入空間に充填された接着剤の硬化痕が、第一側板の外表面に露出しないように当該第一側板の不燃材料で覆われたキャビネットが得られるので、このキャビネットで吊り戸棚を構成し第一側板をその底面とした場合、当該吊り戸棚の底面に接着剤が露出しない。これにより、レンジの熱による接着剤の溶融が防止され、接着強度の低下によるキャビネットの歪みが発生し難く、良好な外観を維持することができる。
【発明の効果】
【0015】
上記の通り本発明のキャビネット、このキャビネットの組立方法によれば、第一、第二側板のコーナー部の注入空間に充填された接着剤の硬化痕が、第一側板の外表面に露出しないように当該第一側板の不燃材料で覆われているので、このキャビネットでレンジフードの側方に設置される吊り戸棚を構成した場合、レンジの熱により歪みが発生し難く、良好な外観を維持することができる。また、本発明のキッチンユニットは、上記キャビネットで構成された吊り戸棚を備えているので、その美観を損なうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。図1は吊り戸棚を構成するボックス本体としての本発明に係るキャビネットの一実施形態を示しており、図2は本発明に係るキッチンユニットの一実施形態を示している。本実施形態のキッチンユニット100は、加熱調理を行うためのレンジ部101と、レンジ部101の上方に設置されたレンジフード102と、レンジフード102の側方に設置された上記吊り戸棚103とを備えている。
【0017】
本実施形態のキャビネット1は、天板2と、第一側板としての底板5と、レンジフード側に配置される第二側板としての側板3と、これに対向する側板4と、背板6とからなり、これらは、図7で示すように直交状のコーナー部kが形成されるようにボックス状に互いに接合されている。このうち底板5とレンジフード側の側板3は、吊り戸棚103がレンジフード102に隣接して設けられているため、内面側のパーティクルボード8とこのパーティクルボード8の表面側に積層された不燃材料よりなる不燃ボード7で構成されている。
図3に底板5の要部斜視図、図4(a)に正面図、同図(b)に要部断面図を示す。また、図5にレンジフード側の側板3の斜視図、図6(a)に正面図、同図(b)に要部断面図を示す。図7に、底板5と側板3を接合した状態のコーナー部kの断面図を示す。
【0018】
図7に示すように、底板5の接合面と側板3の接合面の間に、コーナー部kの内部側に位置する接着空間15と、コーナー部kの外部側に開口しかつ接着空間15に連通する注入空間12が形成されている。この注入空間12から接着空間15に向かって強制的に注入された接着剤20により、底板5と側板3とが互いに連結されている。
底板5の端部に段差9が形成されており、当該底板5の接合面は、パーティクルボード8よりも幅方向外側に延びる不燃ボード7の張り出し部の裏面10よりなっている。
【0019】
また、上記注入空間12は、不燃ボード7の端面側に接着剤20の注入部分が位置するように、その不燃ボード7の張り出し部の裏面10よりなる接合面に切り欠き形成してなる注入溝12mにより構成されている。また、コーナー部kの外部側に開口しかつ接着空間15に連通する注入確認空間13が形成されており、この注入確認空間13は、底板5を構成する不燃ボード7の端面側に、接着剤20が注入されたか否かを見るための確認部分が位置するように、その不燃ボード7の張り出し部の裏面10よりなる接合面に切り欠き形成してなる注入確認溝13mにより構成されている。当該注入確認空間13により、接着剤が接着空間15に注入されたか否かを容易に確認することができる。上記注入溝12m及び注入確認溝13mは、互いに所定間隔をあけて正面視半円形状に形成されており、不燃ボード7の端面7tから内方に向かうに従って次第に窄まり、その内側先端が段差9の内角近傍まで延びている。
【0020】
側板3の接合面は、底板5の張り出し部の幅寸法にほぼ相当する厚さに設定された当該側板3の端面3tよりなっている。また、上記接着空間15は、側板3の端面3tよりなる接合面の長手方向に伸び、かつ、その接合面の構成部分のうちパーティクルボード8の部分のみを切り欠き形成してなる接着溝15mにより構成されている。この接着溝15mは、注入される接着剤がスムーズに流れることができる断面積を確保できるような所要高さと奥行き寸法を有している。
【0021】
上述のように構成されたキャビネットの構成とすれば、コーナー部kの注入空間12に充填された接着剤20の硬化痕が、底板5の外表面に露出しないように当該底板5の不燃ボード5で覆われており、そのため、吊り戸棚103の底面に接着剤の硬化痕が露出しない。なお、接着用の熱可塑性樹脂として例えばナイロンが使用されるが、これに限定するものではない。また、キャビネット1の上記角部k以外の他の角部は、レンジから遠いところに位置されるため耐熱性が要求されず、公知の接着方法による接着部(図示せず)が形成され、この接着部に樹脂が充填されて各板材の端面同士が接着されている。なお、これら他の角部を上記角部kと同じようにして接着してもよい。
【0022】
次に、上記キャビネット1の組み立て方法について説明する。
まず、コーナー部kの内部側に位置する上記接着空間15を側板3の接合面に形成する(第一工程)。それと共に、当該接着空間15に連通する上記注入空間12及び上記注入確認空間13を底板5の接合面に形成する(第二工程)。そして、図8(a)に示すように、天板2と、レンジフード側に配置される側板3と、これに対向する側板4と、底板5と、背板6とを、コーナー部kを四つ有するボックス状となるように互いに接合させる。そして、角部圧締用のコーナーブロック50を、その外側から各コーナー部に圧接させる(第三工程)。なお、当該コーナーブロック50には、樹脂流路51、及び樹脂注入シリンダ60のノズルが導入されるシリンダ受部52が形成されている。
【0023】
次に、図8(b)に示すように、コーナーブロック50のシリンダ受部52に樹脂注入シリンダ60を導入し、この樹脂注入シリンダ60から樹脂流路51、注入空間12を介して接着空間15に接着剤を注入する。同図のように、樹脂流路51の内側突出口は、注入空間12と向き合うように位置されており、シリンダ60から出た接着剤は、接着空間15へ注入されるようになっている。なお、図8(a)において、上記角部k以外の他の角部に設けるコーナーブロック及び樹脂注入シリンダの図示を省略する。
【0024】
また、コーナーブロック50には、側板3に形成された注入確認空間13に向き合う孔部53が形成されており、接着剤が接着空間15に十分充填されたか否かを確認することができる。すなわち、接着剤が接着空間15を流れていき注入確認空間13までくると、これをコーナーブロック50の孔部53から確認することができ、接着剤が十分に充填されたと判断した時点で注入を停止し、注入確認空間13まで接着剤がきておらず十分に充填されてないければ、注入を続ければよい。接着剤の充填が完了したら当該接着剤の硬化を待って、コーナーブロック50を各コーナー部kから取り外す(第四工程)。なお、上記各工程の他、適宜当該工程以外の他の工程を導入してもよい。
【0025】
上記本実施形態の組立方法で組み立てられた上記キャビネット1とすれば、底板5と側板3のコーナー部kの注入空間12に充填された接着剤20の硬化痕が、底板5の外表面に露出しないように当該底板5の不燃ボード7で覆われているので、吊り戸棚103の底面に接着材の硬化痕が露出しない。これにより、レンジの熱による接着剤の溶融が防止され、接着強度の低下によるキャビネット1の歪みが発生し難く、良好な外観を維持することができる。
【0026】
また、接着空間15が、パーティクルボード8の部分のみに接着溝15mを切り欠くことで構成されるので、接着空間15を構成するための加工が簡単になっている。さらに、底板5を構成する不燃ボード7の端面側に接着剤の注入部分が位置するので、キャビネット1を組み立てる際に、既存のコーナーブロック50を用いることができ、コストを抑えることができる。そして、本実施形態のキッチンユニット100は、良好な外観が維持されたキャビネット1よりなる吊り戸棚103を備えているので、当該キッチンユニット100の美観を損なうことがない。
【0027】
なお、上記組立方法を使用すれば、ダボを使用して組み立てる方法に比べて、ダボ穴に接着剤を入れることや、ダボ穴の加工、ダボ径の管理等の手間が不要とされ、さらに、各板材の量産が可能となっているので、工数が低減され効率良く組み立てることができるのはいうまでもない。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態のものとは逆に、底板5に接着溝を形成し、それと共に側板3に段差を設けて注入空間及び注入確認空間を形成してもよい。また、注入空間の位置は、コーナーブロックに併せて適宜変更されるものであり、注入確認空間は一つに限らず、二つ以上設けてもよい。接着溝の長さ、形状、断面積は適宜変更することができ、注入空間は上記実施形態のように凹状とせずに、貫通孔として形成してもよい。また、キャビネットを構成する各板材の寸法や、厚み、構成は、吊り戸棚に併せて変更される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る戸棚用のキャビネットの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のキャビネットで構成された吊り戸棚を備えるキッチンユニットの一実施形態を示す正面図である。
【図3】底板の斜視図である。
【図4】(a)は底板の正面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図5】レンジフード側の側板の斜視図である。
【図6】(a)はレンジフード側の側板の正面図であり、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図7】底板と側板を接合した状態における角部の断面図である。
【図8】(a)はボックス体の四隅にコーナーブロックを設置した状態を示す斜視図であり、(b)はその要部断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 キャビネット
3 側板
5 底板
7 不燃ボード
10 裏面(接合面)
12 注入空間
13 注入確認空間
15 接着空間
50 コーナーブロック
60 樹脂注入用シリンダ
100 キッチンユニット
102 レンジフード
103 吊り戸棚
k コーナー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外表面が不燃材料で覆われている第一側板と、この第一側板に対して直交状のコーナー部が形成されるように接合された第二側板とを備えており、前記第一側板の接合面と前記第二側板の接合面の間に、前記コーナー部の内部側に位置する接着空間と、前記コーナー部の外部側に開口しかつ前記接着空間に連通する注入空間とが形成され、この注入空間から前記接着空間に向かって強制的に注入された接着剤により、前記第一側板と前記第二側板とが互いに連結されているボックス状のキャビネットにおいて、
前記コーナー部の注入空間に充填された接着剤の硬化痕が、前記第一側板の外表面に露出しないように当該第一側板の前記不燃材料で覆われていることを特徴とするキャビネット。
【請求項2】
前記第一側板と前記第二側板は、いずれも、内面側のパーティクルボードと、このパーティクルボードの表面側に積層された前記不燃材料よりなる不燃ボードとから構成されている請求項1に記載のキャビネット。
【請求項3】
前記第一側板の接合面は、前記パーティクルボードよりも幅方向外側に延びる前記不燃ボードの張り出し部の裏面よりなり、前記第二側板の接合面は、前記張り出し部の幅寸法にほぼ相当する厚さに設定された当該第二側板の端面よりなる請求項2に記載のキャビネット。
【請求項4】
前記接着空間は、前記第二側板の端面よりなる接合面の長手方向に延び、かつ、その接合面の構成部分のうち前記パーティクルボードの部分のみを切り欠き形成してなる接着溝により構成されている請求項3に記載のキャビネット。
【請求項5】
前記注入空間は、前記第一側板を構成する不燃ボードの端面側に前記接着剤の注入部分が位置するように、その不燃ボードの張り出し部の裏面よりなる接合面に切り欠き形成してなる注入溝により構成されている請求項3又は4に記載のキャビネット。
【請求項6】
前記コーナー部の外部側に開口しかつ前記接着空間に連通する注入確認空間が形成されており、この注入確認空間は、前記第一側板を構成する不燃ボードの端面側に、前記接着剤が注入されたか否かを見るための確認部分が位置するように、その不燃ボードの張り出し部の裏面よりなる接合面に切り欠き形成してなる注入確認溝により構成されている請求項3〜5のいずれか1項に記載のキャビネット。
【請求項7】
加熱調理を行うためのレンジ部と、このレンジ部の上方に設置されたレンジフードと、このレンジフードの側方に設置された吊り戸棚とを備えているキッチンユニットにおいて、前記吊り戸棚を構成するボックス本体が、前記第一側板が底板となるように設置された請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャビネットよりなることを特徴とするキッチンユニット。
【請求項8】
外表面が不燃材料で覆われている第一側板と、この第一側板に対して直交状のコーナー部が形成されるように接着剤を介して接合された第二側板とを備えているキャビネットの組立方法であって、次の工程(a)〜(b)を含むことを特徴とするキャビネットの組立方法。
(a)前記コーナー部の内部側に位置する接着空間を前記第二側板の接合面に形成する第一工程
(b)前記コーナー部の外部側から注入される前記接着剤の硬化痕が前記第一側板の前記不燃材料で覆われて当該第一側板の外表面に露出しない状態となるように、前記接着空間に連通する注入空間を前記第一側板の接合面に形成する第二工程
(c)前記コーナー部を四つ有するボックス状となるように前記第一側板と前記第二側板とを互いに接合させ、前記接着剤の注入部を有するコーナーブロックを前記各コーナー部に圧接させる第三工程
(d)前記コーナーブロックの注入部から前記注入空間を介して前記接着空間に前記接着剤を注入し、その接着剤の硬化を待って当該コーナーブロックを前記各コーナー部から取り外す第四工程

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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