説明

キャリアおよびそれを用いる二成分現像剤、ならびに現像装置およびそれを備える画像形成装置

【課題】 画像濃度および解像度が高く、かぶりおよびキャリア付着の少ない優れた画質の画像を得ることができるキャリアおよびそれを用いた二成分現像剤、ならびにこの二成分現像剤を用いた現像装置およびそれを備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】 平均円形度が0.940以上であるコア材101とコート樹脂102との間にカップリング剤によって形成される接着層103が設けられたキャリア100を用いるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式などを採用した画像形成装置に用いられるキャリアおよびそれを用いる二成分現像剤に関し、またその二成分現像剤を用いる現像装置およびそれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、複写機およびプリンタなどの画像形成装置は、高速化および小型化が図られており、長期間高画質な画像を得るために、耐久性などの各性能に優れた現像剤の開発が求められている。
【0003】
現像剤がトナーとキャリアとから構成され、現像機内でのトナーとキャリアとの混合撹拌によりトナーを帯電させる二成分現像剤の場合、耐久性などの各性能を優れたものとするためには、現像剤を安定して帯電させるためにコア材の種類、コート樹脂の種類およびコート樹脂のコア材に対する被覆量の最適化などのキャリアの開発が、トナーの開発とともに重要である。
【0004】
二成分現像剤に用いられるキャリアとしては、主に導電性キャリアと絶縁性キャリアとが挙げられるが、鉄粉系キャリアなどから構成される導電性キャリアを用いた場合、現像機内での混合攪拌時にトナー粒子の付着および蓄積によってキャリア表面が被覆されやすく、これによりキャリアの電気抵抗が増加し現像バイアス電流が低下してしまう。さらに、トナーへの付与帯電量が不安定になり、形成される可視像にかぶりが発生してしまう。このように、導電性キャリアから構成される二成分現像剤は、少数回の使用で劣化するため短期間の使用で交換しなければならない。
【0005】
一方、絶縁性キャリアとしては、磁性粒子などから構成されるコア材表面をコート樹脂により被覆した樹脂被覆キャリアが多く用いられている。このような樹脂被覆キャリアでは、コート樹脂を選択することでトナーへの付与帯電量を制御することができる。また、キャリア表面へのトナー粒子の融着が生じにくいため、トナーへの付与帯電量が安定し、導電性キャリアに比べてトナーへの帯電付与性能および耐久性に優れる。
【0006】
しかし、樹脂被覆キャリアにおいても、以下のような問題がある。すなわち、現像機内での混合攪拌によりキャリアにストレスが加わり、コート樹脂の剥離が生じる。これによりトナーへの付与帯電量が不安定になり、形成される可視像にかぶりが発生する。また、コア材表面が露出するためキャリアの電気抵抗が低下し、これに伴う過剰現像により細線や文字がつぶれ、解像度が悪くなる。さらに感光体へのキャリア付着が増加する。
【0007】
このような樹脂被覆キャリアの問題は、高速現像を行う画像形成装置において特に顕著に発生する。これは、現像機内の混合攪拌部での高速混合および高速攪拌によってキャリアが受けるストレスが非常に大きくなるためである。また、高速現像時には現像スリーブを高速に回転させるために、現像スリーブと感光体の間の現像ニップ部においてもキャリアが受けるストレスが非常に大きくなる。これらのストレスを低減するために、混合撹拌速度を遅くする、現像ニップ距離を広くする、トナー濃度を高めて現像スリーブの回転速度を抑えるようにするなどの対策が行われているが、これらの対策の結果、トナーへの付与帯電量が不充分になりトナー飛散やかぶりが発生したり、現像領域へ搬送される現像剤量が不足して画像濃度が低下したりするなどの問題が生じている。
【0008】
また、コア材表面へコート樹脂を被覆する際には、被覆装置の条件や、湿度などの被覆環境の影響を受けないようにこれらの厳密な管理を行うが、このような管理を行ってもコート樹脂を均一に被覆することは困難である。特に近年は、高画質の画像を得るためにトナーおよびキャリアを小粒径化する傾向にあり、このためコート樹脂を均一に被覆することはますます困難になっている。コート樹脂による被覆が均一でないと機械的強度が低下し、耐久性が悪化するため、これらの問題は実用上大きな問題となる。
【0009】
そこで、上述のような問題を解決するために、たとえば、特許文献1の静電荷像現像用キャリアでは、コア材として、珪素元素を100ppm〜5000ppm含有した実質的に球形の磁性粒子を使用し、このコア材表面を樹脂被覆することによりキャリアのコア材表面と樹脂被覆層との高い接着性を確保し、かつ均一な樹脂被覆層を形成している。
【0010】
また、特許文献2では、少なくとも強磁性金属酸化物粒子と、フェノール樹脂を含むバインダー樹脂とを含有し、形状係数SF−1およびSF−2が規定された磁性体分散型キャリアコア粒子に、導電性微粒子を含有する樹脂被覆層が平均層厚0.1μm〜0.8μmとなるように被覆されている電子写真用キャリアについて開示されている。
【0011】
【特許文献1】特開平8−62902号公報
【特許文献2】特開2005−215397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1の静電荷像現像用キャリアでは、コア材表面と樹脂被覆層との界面において物理的な接着力と電気化学的な接着力とを持たせることによりコア材表面と樹脂被覆層との高い接着性を確保し、これによりトナーへの帯電付与性能および耐久性を向上させている。しかし、このようにして得られる接着性は、被覆層の剥離を防ぐにはまだ不充分である。
【0013】
また特許文献2の電子写真用キャリアは比抵抗が高いため、ハーフトーンとベタ画像との境界領域において画像部が白く抜けてしまう現象(白抜け)や、ベタ画像の端部において濃度が過剰に出てしまう現象(掃き寄せ)などが生じ、優れた画質の画像を得ることができない。
【0014】
また、従来の二成分現像剤の寿命としては、300000枚印刷程度が限界であり、より耐久性に優れた二成分現像剤が求められている。
【0015】
本発明は上述のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、コート樹脂の剥離を抑えてキャリアの耐久性を大幅に向上させることができ、またトナーへの帯電付与性能およびキャリアの電気抵抗を安定化させて、画像濃度および解像度が高く、かぶりおよびキャリア付着の少ない優れた画質の画像を得ることができるキャリアおよびそれを用いる二成分現像剤、ならびにその二成分現像剤を用いる現像装置およびそれを備える画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、二成分現像剤を構成し、コア材にコート樹脂が被覆されるキャリアであって、
前記コア材の平均円形度が0.940以上であり、
前記コア材と前記コート樹脂との間にカップリング剤によって形成される接着層が設けられ、
平均円形度が0.945以上であることを特徴とするキャリアである。
【0017】
また本発明のキャリアは、前記キャリア全体の面積をS、前記コート樹脂が被覆されていない非被覆部の面積をSとしたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
0≦(S/S)≦0.3 …(1)
【0018】
また本発明のキャリアは、前記カップリング剤がシラン系カップリング剤であることを特徴とする。
【0019】
また本発明のキャリアは、前記コート樹脂は、少なくともシリコン系樹脂を含むことを特徴とする。
【0020】
また本発明のキャリアは、体積平均粒径が25μm〜65μmであることを特徴とする。
【0021】
また本発明のキャリアは、体積抵抗が1×10Ωcm以上であることを特徴とする。
また本発明のキャリアは、前記コア材がMn−Mg系のコア材であることを特徴とする。
【0022】
また本発明は、トナーとキャリアとから構成される二成分現像剤であって、キャリアが前記キャリアであることを特徴とする二成分現像剤である。
【0023】
また本発明は、潜像担持体に形成される潜像を現像するために用いられる現像装置であって、
潜像担持体に対向して設けられ、前記二成分現像剤を担持して潜像担持体に形成される潜像を現像する位置へ搬送する現像剤担持体を含む現像剤供給手段を備えることを特徴とする現像装置である。
【0024】
また本発明は、像担持体と、
前記像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記現像装置と、
前記現像装置によって形成されたトナー像を前記像担持体の表面から被転写体に転写する転写手段と、
転写された前記トナー像を前記被転写体に定着させる定着手段とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0025】
本発明のキャリアは、二成分現像剤を構成し、コア材にコート樹脂が被覆されるキャリアであって、コア材の平均円形度が0.940以上であり、コア材とコート樹脂との間にカップリング剤によって形成される接着層が設けられ、平均円形度が0.945以上である。このように、真球に近い平均円形度を有するコア材を用いることによりコート樹脂が均一に被覆され、平均円形度の高いキャリアを得ることができる。また、コア材とコート樹脂との間にカップリング剤によって形成される接着層が設けられることによりコア材とコート樹脂との接着性を高めることができる。これによりコート樹脂の剥離を抑え、キャリアの耐久性を大幅に向上させることができる。また、トナーへの帯電付与性能およびキャリアの電気抵抗が安定するため、画像濃度および解像度が高く、またかぶりおよびキャリア付着の少ない優れた画質の画像を得ることができる。
【0026】
また本発明によれば、キャリア全体の面積をS、コート樹脂が被覆されていない非被覆部の面積をSとしたとき、下記式(1)を満たすことにより、キャリアの耐久性がより向上するためにトナーへの帯電付与性能およびキャリアの電気抵抗がさらに安定し、画像濃度および解像度がより高く、またかぶりおよびキャリア付着がより少ないさらに優れた画質の画像を得ることができる。
0≦(S/S)≦0.3 …(1)
【0027】
また本発明によれば、カップリング剤がシラン系カップリング剤であることにより、コア材とコート樹脂とがより強固に接着されるため、よりコート樹脂層の剥離を抑えることができ、キャリアの耐久性をさらに向上させることができる。
【0028】
また本発明によれば、コート樹脂は、少なくともシリコン系樹脂を含むことが好ましい。シリコン系樹脂は、耐久性およびカップリング剤との接着性に優れているため、コート樹脂がシリコン系樹脂を含むことによりコア材とコート樹脂との接着がより一層強固になり、さらにキャリアの機械的強度を高めることができる。
【0029】
また本発明のキャリアは、体積平均粒径が25μm〜65μmであることにより、充分な帯電サイトを得ることができるために、小粒径のトナーと組合わせても、トナーへの充分な帯電付与性能を示し、より優れた画質の画像を得ることができる。
【0030】
また本発明のキャリアは、体積抵抗が1×10Ωcm以上であることにより、解像度が高く、キャリア付着の少ないより優れた画質の画像を得ることができる。
【0031】
また本発明によれば、コア材がMn−Mg系のコア材であることにより、感光体付着やキャリア凝集が発生しにくくなり、キャリア付着の少ないより優れた画質の画像を得ることができる。
【0032】
また本発明によれば、トナーとキャリアとから構成される二成分現像剤において、キャリアが前記キャリアであることにより、トナーへの帯電付与性能およびキャリアの電気抵抗が安定するため、高速現像機を搭載した画像形成装置においても長期に渡って画像濃度および解像度が高く、またかぶりおよびキャリア付着の少ない優れた画質の画像を得ることができる。
【0033】
また本発明によれば、潜像担持体に形成される潜像を現像するために用いられる現像装置において、現像剤供給手段に含まれる現像剤担持体が、潜像担持体に対向して設けられ、前記二成分現像剤を担持して潜像担持体に形成される潜像を現像する位置へ搬送する。このように、現像装置が、キャリアのトナーへの帯電付与性能および電気抵抗が安定している本発明の二成分現像剤を用いて現像を行うことにより、長期に渡って現像性の良好なトナー像を得ることができる。
【0034】
また本発明によれば、画像形成装置は、前記現像装置が前記二成分現像剤によって像担持体に形成された潜像を現像し、転写手段が現像によって形成されたトナー像を像担持体の表面から被転写体に転写し、定着手段が転写されたトナー像を被転写体に定着させる。このように、長期に渡って現像性の良好なトナー像を得ることができる前記現像装置を備えることにより、長期に渡って画像濃度および解像度が高く、またかぶりおよびキャリア付着の少ない優れた画質の画像を記録出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は、本発明のキャリア100の構成を簡略化して示す断面図である。本発明は、図1に示すような、平均円形度が0.940以上であるコア材101とコート樹脂102との間にカップリング剤によって形成される接着層103が設けられたキャリア100およびこのキャリア100とトナーとから構成される二成分現像剤、ならびにこの二成分現像剤を用いる現像装置およびそれを備える画像形成装置である。
【0036】
[キャリア]
本発明のキャリア100は、コート樹脂102が接着層103が形成されたコア材101に被覆されて構成される。
【0037】
〈キャリア100の製造方法〉
キャリア100の製造方法としては、まず平均円形度が0.940以上のコア材101を製造し、得られたコア材101に前記接着層103を設けた後、さらにコート樹脂102で被覆することによって製造できる。
【0038】
コア材101の製造方法としては、従来の公知の方法を用いることができる。たとえば、フェライト粉末などの原料をボールミルなどにより混合した後仮焼し、湿式粉砕機などによる粉砕、スプレードライ方式などによる造粒、焼成を経た後、クラッシャなどにより解砕および粉砕して分級することにより、コア材101を製造できる。なお、仮焼はバッチ式またはロータリーキルンなどの連続式のいずれによっても行うことができる。
【0039】
コア材101に接着層103を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、たとえば湿式法や乾式法などが上げられる。湿式法では、n−ヘキサンやプロパノールなどの有機溶媒または水にカップリング剤を溶解または懸濁させた後にコア材101を添加して分散液を調製し、その分散液を数分〜1時間程度混合撹拌し、場合によっては加熱処理を施した後に、濾過などの工程を経て乾燥させることによってコア材101に接着層103を形成することができる。また、コア材101を有機溶媒または水に分散した懸濁液に、カップリング剤を添加する方法であってもよい。乾式法では、コア材101の表面水を除去するために予備乾燥などを行った後、コア材101に直接カップリング剤を添加し、ミキサーなどで混合撹拌することによってコア材101に接着層103を形成することができる。
【0040】
コート樹脂102を被覆する方法としては、従来の公知の方法を用いることができる。たとえば、コート樹脂102またはコート樹脂102およびカーボンブラックなどの各種添加剤をトルエンなどの有機溶媒に分散させて分散液を調整し、この分散液を浸漬法、噴霧法、流動床法およびニーダーコーター法などの方法によって接着層103が形成されたコア材101に塗布する。そして200℃〜300℃で加熱することにより塗布したコート樹脂102を硬化させ、さらに乾燥させることによって、接着層103が形成されたコア材101にコート樹脂102を被覆することができる。上記方法の中でも、均一な層厚を形成できる点で流動床法や湿式法が好ましく、湿式法の場合には、分散液に接着層103が形成されたコア材101を添加した後、180℃〜280℃で一定時間攪拌することが好ましい。
【0041】
上記のようにして製造された本発明のキャリア100は、平均円形度が0.945以上である。このように、真球に近い平均円形度を有するコア材101を用いることによりコート樹脂102が均一に被覆され、平均円形度の高い小粒径のキャリア100を得ることができる。また、コア材101とコート樹脂102との間にカップリング剤によって形成される接着層103が設けられることによりコア材101とコート樹脂102との接着性を高めることができる。これによりコート樹脂102の剥離を抑え、キャリア100の耐久性を大幅に向上させることができる。また、トナーへの帯電付与性能およびキャリア100の電気抵抗が安定するため、画像濃度および解像度が高く、またかぶりおよびキャリア付着の少ない優れた画質の画像を得ることができる。
【0042】
上記キャリア100は、キャリア100全体の面積をS、コート樹脂102が被覆されていない非被覆部の面積をSとしたとき、下記式(1)を満たすことが好ましい。これによりキャリア100の耐久性がより向上するためにトナーへの帯電付与性能およびキャリア100の電気抵抗がさらに安定し、画像濃度および解像度がより高く、またかぶりおよびキャリア付着がより少ないさらに優れた画質の画像を得ることができる。下記式(1)を満たさないと、コート樹脂102が剥離しやすくなるために、画像濃度および解像度が低下し、かぶりおよびキャリア付着が増加するために画質の低下が見られる。
0≦(S/S)≦0.3 …(1)
【0043】
上記S/Sの値は、キャリア100全体の面積Sおよび非被覆部の面積Sを以下の方法により間接的に測定して求める。すなわち、現像機内からキャリア100をサンプリングし、SEM(Scanning Electron Microscope,商品名:S−5500、株式会社日立製作所製)により任意の複数個のキャリア粒子について表面のSEM写真を撮影する。そして得られたSEM写真画像を、コート樹脂被覆部が黒、コート樹脂非被覆部が白となるように2値化処理し、キャリア100全体の面積に相当するキャリア全体の画素数(黒の画素数と白の画素数との合計)と、非被覆部の面積に相当するコート樹脂非被覆部の画素数(白の画素数)とをカウントし、キャリア全体の画素数をS、コート樹脂非被覆部の画素数をSとしたときのS/Sの平均値を求める。上記方法では、キャリア1粒子において、その半球部分、すなわち半分の面積のみを測定しているが、複数のキャリアにおけるS/Sの平均値を求めているため、キャリア1粒子の全面積を測定して算出した結果と同等の結果が得られる。
【0044】
また上記キャリア100の体積平均粒径は25μm〜65μmであることが好ましく、さらには40μmであることが好ましい。体積平均粒径が25μm〜65μmであることにより、充分な帯電サイトを得ることができるために、小粒径のトナーと組合わせても、トナーへの充分な帯電付与性能を示し、より優れた画質の画像を得ることができる。体積平均粒径が25μmより小さいと、キャリア付着が増加し、画質が悪化する。65μmより大きいと、画像上の欠け、ベタムラ(ベタ不均一)などの画像上の不具合が発生する。本実施形態における体積平均粒径とは、累積体積分布における大粒径側からの累積体積が50%になる粒径D50Vを示す。
【0045】
また上記キャリア100の体積抵抗は、1×10Ωcm以上であることが好ましい。体積抵抗が1×10Ωcm以上であることにより、解像度が高くキャリア付着の少ない、より優れた画質の画像を得ることができる。体積抵抗が1×10Ωcmより小さいと、過剰現像により解像度の悪化およびキャリア付着の増加が起こり、また感光体へのキャリア付着が発生するために実用上問題がある。体積抵抗を測定することにより、キャリアの電気抵抗を知ることができる。
【0046】
キャリア100の体積抵抗(tanδ)は、誘電体損測定装置(商品名:TRS−10T型、安藤電気株式会社製)を用いて、次のようにして求められる。キャリア1.00gを錠剤成形器により打錠し、径約1.5mmの測定用サンプルを作成する。この測定用サンプルを固体用電極内部に装着し、電極を誘電体損測定装置の恒温槽中にプラグインする。測定装置の測定モードをゼロバランスモード(ZERO BAL)に設定し、測定周波数に応じてPATIO値を決定し、平衝操作を行う。なお、測定周波数1kHzのとき、PATIO値は1×10−9である。この時測定されるコンダクタンス値をRoとする。さらに、誘電体損測定装置の測定モードをメジャーモード(MEAS)に切り替え、零平衝と同様に平衝操作を行う。この時測定される静電容量(キャパシタンス)値をCx、コンダクタンス値をR’とする。tanδはこれらの測定値を用い、次の式(2)〜(4)から求めることができる。
誘電率(ε')=Cx/Co …(2)
〔式中Coは誘電体を空気で置き換えた時の静電容量(幾何学的静電容量)である。〕
誘電損率(ε”)=Gx/ωCo …(3)
〔式中ωは角周波数2πfを示す。fは周波数(Hz)を示す。Gxはコンダクタンス値であり、Gx=PATIO値×(R’−Ro)で示される。〕
tanδ=ε'/ε” …(4)
【0047】
式(4)に式(2)式および式(3)を代入すると、
tanδ=Gx/ωCx=PATIO値×(R’−Ro)/2πfCx
となり、測定した各値をそれぞれ代入することによってキャリアの体積抵抗を算出できる。
【0048】
また本明細書中において、平均円形度は、以下のようにして、たとえばシスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」を用いて求められる。「FPIA−3000」では、各キャリア粒子の円形度(ai)を下記式(5)に従って算出後、各円形度(ai)を0.40〜1.00まで0.01毎に61分割した各分割範囲に分けて頻度を求め、各分割範囲の中心値と頻度とを用いて各キャリア粒子の円形度(ai)の平均値の算出を行う簡易算出法を用いて平均円形度を求めている。
円形度(ai)=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)
/(粒子の投影像の周囲の長さ) …(5)
【0049】
またm個のキャリア粒子について測定した各円形度(ai)の総和を求め、総和をコア材粒子数mで除算する式(6)によって得られる算術平均値もまた平均円形度(a)と定義される。
【0050】
【数1】

【0051】
上記簡易算出法で算出される平均円形度の値と、前記式(6)で与えられる平均円形度(a)の値との誤差は、非常に小さく実質的に無視出来る程度のものなので、本実施の形態では、簡易算出法による平均円形度を、前記式(6)で定義される平均円形度(a)と同じ値として取扱う。
【0052】
平均円形度の具体的な測定方法は、以下のとおりである。界面活性剤を約0.1mg溶解している水10mLに、キャリア5mgを分散させて分散液を調製し、周波数20kHz、出力50Wの超音波を分散液に5分間照射し、分散液中のキャリアの粒子濃度を5000個/μL〜20000個/μLとして、前記装置「FPIA−3000」により各粒子の円形度(ai)の測定を行い、平均円形度を求める。
【0053】
以下に、本発明のキャリア100の構成成分について説明する。
(コート樹脂102)
コート樹脂102としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂およびポリエステル系樹脂などを挙げることができる。コート樹脂102は、これらの樹脂のうち、1種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよいが、少なくともシリコン系樹脂を含むことが好ましい。シリコン樹脂としては公知のものを使用でき、たとえば、シリコーンワニス(商品名:TSR115、TSR114、TSR102、TSR103、YR3061、TSR110、TSR116、TSR117、TSR108、TSR109、TSR180、TSR181、TSR187、TSR144、TSR165など、いずれも信越化学株式会社製、KR271、KR272、KR275、KR280、KR282、KR267、KR269、KR211、KR212など、株式会社東芝製)、アルキッド変性シリコーンワニス(商品名:TSR184、TSR185など、株式会社東芝製)、エポキシ変性シリコーンワニス(商品名:TSR194、YS54など、株式会社東芝製)、ポリエステル変性シリコーンワニス(商品名:TSR187など、株式会社東芝製)、アクリル変性シリコーンワニス(商品名:TSR170、TSR171など、株式会社東芝製)、ウレタン変性シリコーンワニス(商品名:TSR175など、株式会社東芝製)、反応性シリコーン樹脂(商品名:KA1008、KBE1003、KBC1003、KBM303、KBM403、KBM503、KBM602、KBM603など、信越化学株式会社製)などが挙げられる。シリコン系樹脂は耐久性およびカップリング剤との接着性に優れているため、コート樹脂102がシリコン系樹脂を含むことによりコア材101とコート樹脂102との接着がより一層強固になり、さらにキャリアの機械的強度を高めることができる。
【0054】
コート樹脂102のコア材101に対する被覆量は特に限定されるものではないが、コア材101の100重量部に対して0.01重量部以上5重量部以下であることが好ましい。0.01重量部より少ないと、コート樹脂102の層厚が均一とならずキャリア表面の電気抵抗が均一にならないために画質が悪化し、また現像槽内での摩擦に起因する磨耗および剥離が生じやすく耐久性が低下する。5重量部より多いと、キャリア表面に凹凸が生じやすくなり、平滑さが損なわれるため、コート樹脂102が剥離しやすくなり、耐久性が低下する。またコート樹脂によって構成されるコート樹脂層102の層厚は2.0μm〜3.0μmであることが好ましい。
【0055】
また、これらのコート樹脂102には各種添加剤が添加されていてもよい。添加剤としては、たとえば、カーボンブラック、酸化ケイ素、アルミナ、グラファイト、酸化亜鉛、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。添加剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。添加剤の使用量は特に限定されるものではないが、コート樹脂102の100重量部に対して0.1重量〜20重量部であることが好ましい。
【0056】
(カップリング剤)
カップリング剤としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、アルコキシシラン化合物などのシラン系カップリング剤、ハロゲン、窒素および硫黄などの原子がケイ素と結合したシリル化剤、チタネート系カップリング剤、ならびにアルミニウム系カップリング剤などが挙げられる。
【0057】
シラン系カップリング剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、ヘキサメチルジシラザンおよびオクタメチルシクロテトラシラザンなどのシラザン類、ならびにテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−(1−アミノプロポキシ)−3,3−ジメチル−1−プロペニルトリメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)ジメチルメトキシシランおよびN−3−(アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン化合物、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシランおよびフェニルトリクロロシランなどのクロロシラン類などが挙げられる。チタネート系カップリング剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートなどが挙げられる。アルミニウム系カップリング剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。また、これらのカップリング剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0058】
カップリング剤は、上記カップリング剤の中でもシラン系カップリング剤であることが好ましい。シラン系カップリング剤を用いることにより、コア材101とコート樹脂102とがより強固に接着されるため、よりコート樹脂102の剥離を抑えることができ、キャリアの耐久性をさらに向上させることができる。
【0059】
カップリング剤のコア材101に対する使用量は、コア材101の種類や形態によって様々であり特に限定されるものではないが、カップリング剤によって構成される接着層103の層厚が0.1μm〜1.0μmとなるように適宜調整されることが好ましい。接着層103の層厚が0.1μmより薄くなると、接着層103を設けることによる効果が発現しにくく、1.0μmより厚くなるとキャリアが表面の平滑な球形状になりにくくなるため、コート樹脂102が剥離しやすくなりキャリアの耐久性が低下する。
【0060】
(コア材101)
コア材101としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、フェライトおよび鉄粉などを挙げることができる。フェライトとしては、たとえば、マンガン(以下、Mnと記す。)系、マグネタイト系、マンガン−マグネシウム(以下、Mn−Mgと記す。)系、銅系、ニッケル系、亜鉛系、コバルト系およびカルシウム系などのフェライト粉末を挙げることができる。鉄粉としては、たとえば、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉およびチッ化鉄粉などを挙げることができる。コア材101は、帯電性能、耐久性などを考慮すると、Mn−MgおよびMnのフェライト粉末が好ましく、さらにはMn−Mgのフェライト粉末が好ましい。Mn−Mgのフェライト粉末は飽和磁化の値がコア材として適した値であるため、感光体付着やキャリア凝集が発生しにくくなり、キャリア付着の少ない優れた画質の画像を得ることができる。また、コア材101とコート樹脂102との組合せとしては、Mn−Mgのフェライトコア材とシリコン樹脂とを組合せて用いることが、耐久性および高画質化の点からより好ましい。
【0061】
本発明のコア材101は、平均円形度が、0.940以上である。このように、真球に近い平均円形度を有するコア材101を用いることによりコート樹脂102が均一に被覆され、平均円形度の高い小粒径のキャリア100を得ることができる。平均円形度が0.940より小さいと、コート樹脂102が均一に被覆されないため、キャリア付着やスペントの発生が増加し、画質が悪化してしまう。コア材101の平均円形度は、キャリア100の平均円形度と同様にして求められる。
【0062】
コア材101の体積平均粒径としては、20μm〜60μmであることが好ましい。これにより体積平均粒径を25μm〜65μmのキャリアを得ることができ、より優れた画質の画像を得ることができる。
【0063】
[トナー]
本発明の二成分現像剤を構成するトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤および帯電制御剤などを含むトナー母体粒子に外添剤が添加されて構成される。以下にトナーの構成成分について説明する。
【0064】
(結着樹脂)
トナー母体粒子は、結着樹脂を含んで構成される。結着樹脂としては、特に限定されるものではなく黒トナーまたはカラートナー用の公知の樹脂を用いることができ、たとえば、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル−無水マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂およびアクリル樹脂などを挙げることができる。上記の共重合体としては、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。また、原料モノマー混合物に離型剤を混合し、重合反応を行って得られる樹脂を用いても良い。結着樹脂は、上記の樹脂1種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。これらの樹脂の分子量分布は、特に限定されるものではなく、1つのピークを有するものであってもよいし、2つのピークを有するものであってもよい。また熱的性質としては、ガラス転移点(Tg)が40℃以上70℃以下であることが好ましい。40℃より低いと、画像形成装置内の温度が上昇した場合に、トナーが溶融してしまい、トナー同士の凝集が発生してしまう。また、70℃より高いと、定着性が劣ってしまい、実用性に乏しい。
【0065】
(着色剤)
トナー母体粒子は、着色剤を含んで構成される。着色剤としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、イエロートナー用着色剤、マゼンタトナー用着色剤、シアントナー用着色剤、ブラックトナー用着色剤などが挙げられる。
【0066】
ブラックトナー用着色剤としては、たとえば、チャンネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。これら各種カーボンブラックの中から、得ようとするトナーの設計特性に応じて、適切なカーボンブラックを適宜選択すればよい。
【0067】
イエロートナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17などのアゾ系顔料、黄色酸化鉄、黄土などの無機系顔料、C.I.アシッドイエロー1などのニトロ系染料、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21などの油溶性染料などが挙げられる。
【0068】
マゼンタトナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、C.I.ディスパーズレッド15などが挙げられる。
【0069】
シアントナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー 25、C.I.ダイレクトブルー86などが挙げられる。
【0070】
これらの顔料以外にも、紅色顔料、緑色顔料などを使用できる。着色剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。また、同色系のものを2種以上用いることができ、異色系のものをそれぞれ1種または2種以上用いることもできる。
【0071】
また着色剤は、結着樹脂の一部と予め溶融混練され、結着樹脂中に着色剤が高濃度で分散されたマスターバッチとして用いられてもよい。マスターバッチとして混練される樹脂としては、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル−無水マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂およびアクリル樹脂などが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。マスターバッチは、上記の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合混練して得られる。この際、着色剤と樹脂との相互作用を高めるために、有機溶剤を添加してもよい。また、着色剤に水を含ませた水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させた後、水分と有機溶剤成分とを除去するフラッシング法を用いてもよい。混合混練するには3本ロールミルなどの高せん断分散装置が好ましく用いられる。
【0072】
着色剤の添加量は特に制限されないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して5重量部〜20重量部である。
【0073】
(離型剤)
トナー母体粒子は、離型剤としてワックスを含んで構成される。ワックスとしては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、低分子量ポリプロピレンワックスおよびその誘導体、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)およびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体、シリコン系重合体、高級脂肪酸などが挙げられる。なお、誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。ワックスの添加量としては、特に限定されるものではないが、結着樹脂100重量部に対して0.2重量部〜20重量部であることが好ましい。
【0074】
(帯電制御剤)
トナー母体粒子は、帯電制御剤を含んで構成される。帯電制御剤としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、正帯電制御用帯電制御剤および負帯電制御用帯電制御剤を使用できる。正帯電制御用帯電制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。負帯電制御用帯電制御剤としては、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属は鉄、クロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。電荷制御剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。帯電制御剤の添加量は、特に制限されるものではないが、結着樹脂100重量部に対して0.5重量部〜3重量部であることが好ましい。また、カラー画像形成に使用される場合には、無色あるいは淡色のものを使用することが好ましい。
【0075】
(外添剤)
トナーは、トナー母体粒子に外添剤を添加して構成されていてもよい。外添剤としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、シリカ、チタン、アルミナ、マグネタイトおよびフェライトなどの金属酸化物粒子ならびにチッ化ケイ素およびチッ化ホウ素などの金属チッ化物微粒子などの微粉末を挙げることができる。さらに、これらの微粉末の表面を疎水化処理したものが好ましい。疎水化処理としては、たとえば、ジメチルジクロルシランおよびアミロシランなどのシランカップリング剤による処理、シリコーンオイルによる処理ならびにフッ素含有成分による処理などを挙げることができる。また外添剤としては、シリカがより好ましい。シリカ以外の微粒子のみを外添しても、トナーとキャリアとの接触において帯電付与が充分でないことがあり、さらに、シリカはトナーの流動化剤としても働くので、トナーの供給量を安定化させることができる。シリカの市販品としては、たとえば、日本アエロジル株式会社製のR976S、R972およびR974(以上、いずれも商品名)が好ましく、特にはR976Sが好ましい。外添剤は、上記の外添剤1種を単独で用いてもよいし、または2種以上を併用して用いてもよい。外添剤の添加量は、トナー母体粒子100重量部に対して0.1重量部以上5.0重量部以下であることが好ましい。
【0076】
〈トナー製造方法〉
トナーは従来の公知の方法で製造でき、たとえば、結着樹脂、着色剤、離型剤および帯電制御剤などをヘンシェルミキサ、スーパーミキサなどの混合機により充分混合し、得られた混合物を二軸混練機などの混練機によって溶融混練する。この混練物をジェット式粉砕機などの粉砕機にて粉砕後、分級し、体積平均粒径で5μm〜15μm程度のトナー母体粒子を得ることができる。さらに、このトナー母体粒子に外添剤として無機微粒子などを添加し、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサなどの混合機により付着、均一分散させることによってトナーを製造することができる。
【0077】
[二成分現像剤]
本発明の二成分現像剤は、上記のようにして製造したトナーとキャリア100とを規定のトナー濃度となるように混合機で混合させることによって、二成分現像剤を製造できる。混合機としては、公知のものを用いることができ、V型混合機およびナウターミキサーなどを挙げることができる。
【0078】
本発明の二成分現像剤は、キャリアが前記のキャリア100であることにより、トナーへの帯電付与性能およびキャリアの電気抵抗が安定するため、高速現像機を搭載した画像形成装置においても長期に渡って画像濃度および解像度が高く、またかぶりおよびキャリア付着の少ない優れた画質の画像を得ることができる。
【0079】
[現像装置および画像形成装置]
図2は、本発明の二成分現像剤を用いるのに適した現像装置300を備える画像形成装置200の一例を概略的に示す構成図である。画像形成装置200は、電子写真方式の画像形成装置であって、画像形成装置200の外部に設けられ、画像形成装置200に接続される外部機器、たとえば、パーソナルコンピュータなどの画像処理装置から入力される画像データや、画像読取装置で読取られて入力される画像データなどを、被転写体である記録媒体に画像として記録出力するものである。
【0080】
画像形成装置200は、現像装置300を備える画像形成部201と、記録媒体供給部202と、画像定着部203と、制御部204とを含んで構成される。
【0081】
画像形成部201は、像担持体である感光体ドラム205と、感光体ドラム205の周面に対向するようにして設けられる帯電手段206、露光ユニット207、現像装置300、転写手段209、クリーニングユニット210および除電手段211とを含んで構成される。帯電手段206および露光ユニット207は、潜像形成手段に相当する。
【0082】
感光体ドラム205は、図示しない、円筒状または円柱状の導電性基体と、導電性基体の表面に形成される光導電層とを含む。
【0083】
帯電手段206は、帯電ローラ、帯電チャージャなどの接触式または非接触式の帯電器によって構成され、感光体ドラム205の周面を所定の極性および電位に均一に帯電させる。
【0084】
露光ユニット207は、半導体レーザなどを含むレーザユニットを含んで構成され、制御部204から伝達される画像データに基づいて、帯電手段206によって帯電された状態にある感光体ドラム205の周面を露光し、該周面に静電潜像を書き込む。
【0085】
現像装置300は、現像剤供給手段である現像ユニット208と、トナーが収容されるトナー補給容器212とを含んで構成される。現像ユニット208は、感光体ドラム205に対向して回転自在に設けられる現像剤担持体である現像ローラ213aと、現像ローラ213aを支持するとともに、内部空間に本発明の二成分現像剤を収容する現像剤収容容器213bと、現像剤収容容器の内部に設けられる現像剤撹拌機213cとを含む。トナー補給容器212は、現像剤収容容器213bに連通するように設けられ、内部空間に本発明の二成分現像剤に用いられるトナーを収容し、現像剤収容容器213bにトナーを補給する。
【0086】
現像ローラ213aは、たとえば円柱状であり、内部の図示しない回転軸の周りに図示しない磁極部材を備え、複数の磁極を有する。現像ローラ213aは、回転軸を介して現像剤収容容器213bに回転自在に支持され、図示しないモータなどの駆動手段によって回転駆動される。
【0087】
現像剤撹拌機213cは、現像剤収容容器213bに収容される本発明の二成分現像剤と、トナー補給容器212から補給されるトナーとを撹拌してトナーとキャリアとを逆の極性に帯電させるとともに、これらを現像ローラ213aに搬送する。現像ローラ213aは、本発明の二成分現像剤を担持し、潜像担持体である感光体ドラム205に形成される潜像を現像する位置(以下、現像位置と記す)、すなわち現像ローラ213aと感光体ドラム205との対向部に搬送する。
【0088】
現像装置300は、現像剤撹拌機213cによって本発明の二成分現像剤を撹拌して帯電させ、現像ローラ213aに担持して現像位置に供給する。このとき、現像ローラ213aには図示しない電源手段によって電圧が印加されているので、感光体ドラム205と現像ローラ213aとの間には電界が生じており、この電界によって現像ローラ213a表面のトナーが感光体ドラム205表面に付着する。これによって、感光体ドラム205に形成された静電潜像が現像され、感光体ドラム205の外周面にトナー像が形成される。
【0089】
転写手段209は接触転写方式の転写手段であり、転写ローラ214と、図示しない電圧印加手段とを含んで構成され、記録媒体の感光体ドラム205との当接面の反対側の表面から転写ローラ214を感光体ドラム205に対して押圧する。そして、感光体ドラム205と記録媒体とを圧接した状態で電圧印加手段から転写ローラ214に電圧を印加して、記録媒体をトナーと逆の極性に帯電させる。これにより、感光体ドラム205の周面上に形成されたトナー像を、記録媒体に転写する。転写手段209は、以上の構成に限定されず、たとえば、転写ローラ214に代えて、ベルト状に形成される転写ベルトを備える構成であってもよい。なお、記録媒体は、露光ユニット207による露光に同期して、記録媒体供給手段202によって転写手段209に供給される。
【0090】
クリーニングユニット210は、弾性材料からなるクリーニングブレードなどを含んで構成され、トナー像が記録媒体に転写された後に感光体ドラム205の周面に残留するトナーを除去し、清掃する。除電手段211は、除電ランプなどによって構成され、清掃後の感光体ドラム205の周面の電荷を除去する。
【0091】
このように、画像形成部201では、感光体ドラム205の周面が帯電手段206によって均一に帯電され、続いて露光ユニット207から露光が行われ、静電潜像が書き込まれる。この静電潜像は、現像装置300から供給される本発明の二成分現像剤により現像化され、感光体ドラム205周面にトナー像が形成される。このトナー像は、転写手段209によって記録媒体に転写される。転写後、感光体ドラム205は、クリーニングユニット210による残留トナーの除去および除電手段211による電荷除去を受け、清浄化される。この一連の操作が繰り返し実行されることにより、複数の画像を形成することができる。
【0092】
記録媒体供給手段202は、画像形成装置200の下部に設けられ、記録媒体収容トレイ215と、ピックアップローラ216と、レジストローラ217とを含んで構成される。記録媒体収容トレイ215は、普通紙、カラーコピー用紙、OHP(Over Head
Projector)用フィルムなどの記録媒体を収容するトレイである。記録媒体収容トレイ215への記録媒体の補給は、画像形成装置200の正面側(操作側)に、記録媒体収容トレイ215を引き出して行われる。ピックアップローラ216は、記録媒体収容トレイ215内の記録媒体を1枚ずつ分離してレジストローラ217に送給する。レジストローラ217は、画像形成部201における露光ユニット207の感光体ドラム205周面への露光に同期して、記録媒体を感光体ドラム205と転写手段209との間に順次送給する。
【0093】
このように、記録媒体供給手段202では、記録媒体収容トレイ215に収容される記録媒体は、ピックアップローラ216およびレジストローラ217を介して、画像形成部201に供給される。
【0094】
画像定着部203は、定着手段である定着装置218と、搬送ローラ219と、切換えゲート220と、反転ローラ221と、積載トレイ222とを含んで構成される。定着装置218は、加熱部材である加熱ローラ223と、加熱ローラ223に当接して設けられる加圧部材である加圧ローラ224とを含む。加熱ローラ223は、加熱手段を備え、所定の温度に加熱される。本実施の形態では、加熱ローラ223は、記録媒体のトナー像が転写された面に接触することができるように設けられる。定着装置218は、以上の構成に限定されず、加熱ローラ223および加圧ローラ224に代えて、ベルト状の加熱部材および加圧部材を備える構成であってもよい。
【0095】
定着装置218は、熱圧着方式の定着手段であり、画像形成部201の転写手段209によりトナー像が転写された記録媒体を順次受取り、加熱ローラ223と加圧ローラ224との当接部を通過させ、加熱ローラ223および加圧ローラ224によって加熱および加圧してトナー像を記録媒体に定着させる。記録媒体は、加熱ローラ223および加圧ローラ224に挟持され、加熱ローラ223および加圧ローラ224の回転によって搬送される。このように定着装置218は、加熱ローラ223をトナー像に接触させることによってトナー像を加熱して記録媒体に定着させ、記録媒体上に画像を形成する。
【0096】
搬送ローラ219は、定着装置218にて画像が形成された記録媒体を切換えゲート220に送給する。切換えゲート220は、画像記録済み記録媒体の送給経路を切換える。。反転ローラ221は、その軸線を中心として時計回りおよび反時計回りの両方向に回転駆動可能に設けられる1対のローラ部材であり、記録媒体の送給方向を変更する。積載トレイ222は、画像形成装置200の外部に設けられ、画像記録済み記録媒体を画像形成装置200の外部に排出し、貯留するためのトレイである。反転ローラ221は、画像記録済み記録媒体の排出トレイとして積載トレイ222が設定される場合には、切換えゲート220から画像記録済み記録媒体を積載トレイ222に排出する。
【0097】
一方、両面画像形成または後処理が指定される場合には、反転ローラ221は、画像記録済み記録媒体を挟持した状態で、記録媒体の一部を積載トレイ222に向けて排出した後逆回転し、この記録媒体を切換えゲート220から図示しない中継搬送装置に搬送する。このとき、切換えゲート220は、実線の状態から破線の状態に切換えられる。
【0098】
このように、画像定着部203では、定着装置218によりトナー像が定着され、画像が記録された記録媒体は、搬送ローラ219および切換えゲート220を介して反転ローラ221に搬送され、設定に応じて積載トレイ222に排出されるか、または再び切換えゲート220を介して図示しない中継搬送装置もしくは記録媒体再供給搬送装置に反転搬送される。
【0099】
制御部204は、画像形成装置200内部の、露光ユニット207の上下空間部に設けられ、図示しない、画像形成プロセスを制御する回路基板、外部機器からの画像データを受け入れるインターフェイス基板および電源装置を含んで構成される。電源装置は、回路基板およびインターフェイス基板だけでなく、画像形成部201、記録媒体供給部202および画像定着部203における各装置にも電力を供給する。
【0100】
なお、画像形成装置200の下面および側面には、搬送路225,226,227が設けられる。搬送路225,226,227は、その一端が外方に露出するように設けられ、画像形成装置200に外部装置を接続する際に、記録媒体を画像形成装置200の内部または外部に搬送するために利用される。
【0101】
上述のように、本発明の画像形成装置200では、制御部204に入力される画像データに基づいて、帯電手段206および露光ユニット207が感光体ドラム205に潜像を形成し、現像装置300が本発明の二成分現像剤によって感光体ドラム205に形成された潜像を現像し、転写手段209が現像によって形成されたトナー像を感光体ドラム205の表面から記録媒体に転写し、定着装置218が転写されたトナー像を記録媒体に定着させる。このように、現像装置300において、キャリア100のトナーへの帯電付与性能および電気抵抗が安定している本発明の二成分現像剤が用いられることにより、長期に渡って画像濃度および解像度が高く、またかぶりおよびキャリア付着の少ない優れた画質の画像を記録出力することができる。
【0102】
なお、本発明の二成分現像剤は、現像装置300および現像装置300を備える画像形成装置200に限定されることなく、二成分現像剤を用いる一般的な電子写真方式の現像装置および現像装置を備える画像形成装置に使用できる。
【0103】
以下に本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り特に本実施例に限定されるものではない。
【0104】
実施例および比較例における平均円形度、体積平均粒径、層厚および体積抵抗は、以下に示すようにして測定した。
【0105】
(平均円形度)
界面活性剤を約0.1mg溶解している水10mLに、コア材またはキャリア5mgを分散させて分散液を調製し、周波数20kHz、出力50Wの超音波を分散液に5分間照射し、分散液中の粒子濃度を5000個/μL〜20000個/μLとして、フロー式粒子像分析装置(商品名:FPIA−3000、シスメックス株式会社製)を用いて簡易算出法により平均円形度を求めた。
【0106】
(体積平均粒径)
100mlビーカーに、塩化ナトリウム(1級)の1重量%水溶液(電解液)を20ml入れ、これにアルキルベンゼンスルホン酸塩(分散剤、アルキル基(C2n+1、n=10〜14))0.5mgとコア材またはキャリア3mgとを順次添加し、5分間超音波分散した。これに全量が100mlになるように塩化ナトリウムの1重量%水溶液を加え、再度5分間超音波分散したものを測定用試料とした。この測定用試料について、コールターカウンターTA−III(コールター社製)を用い、アパーチャー径100μm、測定対象粒径が個数基準で2μm〜40μmの条件下に測定を行い、測定結果から累積体積分布における大粒径側からの累積体積が50%になる粒径D50Vを体積平均粒径として算出した。
【0107】
(層厚)
カップリング剤により接着層が形成されたコア材粒子を常温硬化性のエポキシ樹脂中に充分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させる。得られた硬化物をダイヤモンドナイフを設置したミクロトームを用いて切断し、接着層が形成されたコア材粒子の断面が出るようにしたサンプル切片を切り出す。このサンプルをSEM(Scanning
Electron Microscope,商品名:S−5500、株式会社日立製作所製)によって観察し、接着層が形成されたコア材粒子の任意の100個について断面のSEM写真を撮影した。得られたSEM写真画像を、コア材が黒、接着層が白となるように2値化処理した後、接着層の層厚を測定し、その平均値を求めた。
【0108】
(体積抵抗)
キャリア1.00gを加圧して径約1.5mmのペレット状に成形し、このペレット状成形体の静電容量およびコンダクタンス値を誘電体損測定装置(商品名:TRS−10T型、安藤電気社製)によって測定し、前記式(4)によりキャリアの体積抵抗を求めた。
【0109】
(実施例1)
[トナーの製造]
・ポリエステル(結着樹脂、商品名:EPA501、三洋化成工業株式会社製)
86重量%(100重量部)
・着色剤
(カーボンブラック、商品名:MA−100、三菱化学株式会社製)
10重量%(11.6重量部)
・ポリプロピレン(ワックス、商品名:ビスコール550P、三洋化成工業株式会社製)
2.0重量%(2.3重量部)
・鉄系金属錯塩(帯電制御剤、商品名:T−77、保土谷化学工業株式会社製)
2.0重量%(2.3重量部)
【0110】
以上の各トナー原料をヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)にて10分間混合後、混練機(商品名:PCM30、株式会社池貝製)にて溶融混練した。溶融混練における条件は、以下のとおりである。
・シリンダ温度 C1 30℃
C2 50℃
C3 80℃
C4 100℃
C5 100℃
(上記C1〜C5は、各シリンダの番号を示す。)
アダプタ/ダイ 120℃
・軸回転数 250rpm
・トナー原料供給速度 10kg/時
【0111】
なお、赤外線非接触温度計によって測定した溶融混練中におけるトナー原料の温度は、いずれの混練ポイントにおいても120℃以下であった。
【0112】
溶融混練後、得られた溶融混練物を室温まで冷却し、カッターミル(商品名:VM−16、オリエント社製)によって粗粉砕した。続いてカウンタジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)にて微粉砕した後、これをロータリー式分級機(ホソカワミクロン株式会社製)にて過粉砕トナーを分級除去し、体積平均粒径7.0μmのトナー母体粒子を作製した。このトナー母体粒子100重量部に対して、外添剤としてシリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製、商品名:R976S)を1.2重量部外添することによってトナーを得た。
【0113】
[キャリアの製造]
キャリアは、コア材を製造した後カップリング剤によって接着層を形成し、さらにコート樹脂を被覆することにより製造した。
【0114】
まず、以下のようにしてコア材を製造した。Mn−Mg系フェライト粉末(DOWA IP クリエイション株式会社製)を計量しボールミルにて混合した後、仮焼した。次に、Mn−Mg系フェライトの仮焼粉を、湿式粉砕機によりスチールボールを粉砕媒体として用いて体積平均粒径2μm以下にまで微砕した。得られたMn−Mg系フェライト微粉末をスプレードライ方式により粒径100μm〜200μmに造粒した。造粒されたフェライト粉末を焼成した後、クラッシャにより解砕および粉砕して分級することにより、平均円形度が0.940で、体積平均粒径が39μmのMn−Mg系フェライトコア材を得た。
【0115】
次いで、以下のようにして接着層を形成した。カップリング剤としてヘキサメチルジシラザン(シラン系カップリング剤、略称:HMDS)をn−ヘキサンに加えて溶液を調整した。この溶液に上記のようにして製造したMn−Mg系フェライトコア材を撹拌しながら加え、その後1時間撹拌して分散液を得た。撹拌終了後、得られた分散液を濾過し、得られた濾過物を100℃で3時間加熱乾燥することによりコア材に接着層を形成した。なお、接着層を形成する前のコア材100重量部に対して0.7重量部となるように接着層を形成した。また接着層の層厚は1μm以下であった。
【0116】
次いで、以下のようにして接着層が形成されたコア材をコート樹脂により被覆した。まず、シリコーン樹脂(コート樹脂、商品名:KR−255、信越化学工業株式会社製)をトルエンに溶解させた。次いで、この溶液を湿式法にて接着層が形成されたコア材に塗布し、250℃で2時間加熱して塗布したコート樹脂を硬化させた後乾燥させることによって平均円形度が0.945で、体積平均粒径が40μmのキャリアを製造した。なお、コート樹脂の被覆量は、接着層を形成する前のコア材100重量部に対して2.0重量部となるようにした。
【0117】
[現像剤の作製]
上記のようにして作製したトナーとキャリアとを、トナー濃度が5.0重量%になるようにV型混合機(商品名:V−5、株式会社特寿工作所製)にて20分間混合攪拌することによって二成分現像剤を製造した。
【0118】
(実施例2)
カップリング剤としてイソプロピルトリイソステアロイルチタネート(チタネート系カップリング剤)を使用し、これをプロパノールに加えて溶液を調整した以外は、実施例1と同様にして二成分現像剤を製造した。
【0119】
(実施例3)
カップリング剤としてアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート(アルミニウム系カップリング剤)を使用し、これをプロパノールに加えて溶液を調整した以外は、実施例1と同様にして二成分現像剤を製造した。
【0120】
(実施例4)
平均円形度が0.945で、体積平均粒径が28μmのMn−Mg系フェライトコア材を製造して使用した以外は、実施例1と同様にして二成分現像剤を製造した。
【0121】
(実施例5)
コート樹脂としてアクリル樹脂(商品名:BR−80、三菱レイヨン株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様にして二成分現像剤を使用した。
【0122】
(実施例6)
平均円形度が0.940で、体積平均粒径が38μmのMn−Mg系フェライトコア材を製造して使用し、コート樹脂としてシリコーン樹脂とアクリル樹脂とを同量ずつ混合したものを使用し、コート樹脂の被覆量を2.5重量部とした以外は、実施例1と同様にして二成分現像剤を使用した。
【0123】
(実施例7)
Mn系フェライト粉末(DOWA IP クリエイション株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様にして二成分現像剤を使用した。
【0124】
(実施例8)
カップリング剤としてイソプロピルトリイソステアロイルチタネート(チタネート系カップリング剤)を使用し、これをプロパノールに加えて溶液を調整した以外は、実施例7と同様にして二成分現像剤を製造した。
【0125】
(実施例9)
平均円形度が0.940で、体積平均粒径が38μmのMn系フェライトコア材を製造して使用し、カップリング剤としてアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート(アルミニウム系カップリング剤)を使用し、これをプロパノールに加えて溶液を調整した以外は、実施例7と同様にして二成分現像剤を製造した。
【0126】
(実施例10)
平均円形度が0.945で、体積平均粒径が28μmのMn系フェライトコア材を製造して使用した以外は、実施例7と同様にして二成分現像剤を製造した。
【0127】
(実施例11)
コート樹脂としてアクリル樹脂を使用した以外は、実施例7と同様にして二成分現像剤を製造した。
【0128】
(実施例12)
コート樹脂としてシリコーン樹脂とアクリル樹脂とを同量ずつ混合したものを使用し、コート樹脂の被覆量を2.5重量部とした以外は、実施例7と同様にして二成分現像剤を使用した。
【0129】
(実施例13)
平均円形度が0.940で、体積平均粒径が22μmのMn−Mg系フェライトコア材を製造して使用した以外は、実施例1と同様にして二成分現像剤を製造した。
【0130】
(実施例14)
平均円形度が0.940で、体積平均粒径が73μmのMn−Mg系フェライトコア材を製造して使用した以外は、実施例1と同様にして二成分現像剤を製造した。
【0131】
(実施例15)
コア材の焼成温度およびコート樹脂の硬化温度を変更した以外は、実施例1と同様にして二成分現像剤を製造した。
【0132】
(比較例1)
カップリング剤によるコア材の予備被覆を行わなかった以外は、実施例1と同様にして二成分現像剤を製造した。
【0133】
(比較例2)
平均円形度が0.930で、体積平均粒径が39μmのMn−Mg系フェライトコア材を製造し使用した以外は、実施例1と同様にして二成分現像剤を製造した。
【0134】
下記表1に、実施例1〜15および比較例1,2の二成分現像剤を構成するキャリアの各原料およびキャリアの平均円形度、体積平均粒径および体積抵抗についてまとめた。なお、Aはヘキサメチルジシラザン(シラン系カップリング剤)、Bはイソプロピルトリイソステアロイルチタネート(チタネート系カップリング剤)、Cはアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート(アルミニウム系カップリング剤)を示し、aはシリコン樹脂、bはアクリル樹脂を示す。
【0135】
【表1】

【0136】
[評価]
上記実施例1〜15および比較例1,2の二成分現像剤を使用して、高速現像機を搭載したデジタルフルカラー複合機(商品名:AR−C250、シャープ株式会社製)を用いて原稿の印刷(記録出力)を行い、以下に示すようにして上記二成分現像剤の評価を行った。なお、本複写機の現像条件は以下のとおりである。
評価環境 NN環境(20℃/50%RH)
感光体表面電位 +650V
DCバイアス +500V
感光体−現像スリーブ間距離(DSD) 420μm
現像スリーブ アルミニウム製、直径30mmφ
現像スリーブ移動線速 540mm/s
感光体移動線速 337.5mm/s
現像磁極の位置 現像剤搬送上流側+2°
【0137】
〔評価1〕
実施例1〜3および比較例1の二成分現像剤について、以下のようにしてコート樹脂残存率およびトナースペントについて評価した。その結果を表2に示す。なお、評価項目の説明に記載されている「◎」、「○」、および「×」の記号は、表2で用いる評価結果を示す記号である。「◎」は非常に優れていることを示し、「○」は優れていることを示し、「×」は実用が困難であることを示す。
【0138】
(コート樹脂残存率)
SEM(Scanning Electron Microscope,商品名:S−5500、株式会社日立製作所製)により任意の100個のキャリア粒子について表面のSEM写真を撮影した。得られたSEM写真画像を、コート樹脂被覆部が黒、コート樹脂非被覆部が白となるように2値化処理した後、キャリア全体の画素数(黒の画素数と白の画素数との合計)とコート樹脂被覆部の画素数(黒の画素数)とをカウントし、キャリア全体の画素数をS、コート樹脂被覆部の画素数をSとしたときのS/Sの平均値を求めた。測定は、印字率5%の原稿を5枚間欠で400000枚印刷した後のキャリアについて行い、下記の基準に基づいてコート樹脂残存率を評価した。
◎:コート樹脂残存率が80%以上である。
○:コート樹脂残存率が75%以上80%未満である。
×:コート樹脂残存率が75%未満である。
【0139】
(トナースペント)
現像機内からキャリア1.0gをサンプリングし、カーボンアナライザー(商品名:EMIA、株式会社堀場製作所製)により検出されたキャリア表面の炭素量をトナースペントとした。測定は、印字率6%の原稿を50枚間欠で500000枚印刷した後のキャリアについて行い、下記の基準に基づいてトナースペントを評価した。
◎:トナースペントが0.12未満である。
○:トナースペントが0.12以上0.20未満である。
×:トナースペントが0.20以上である。
【0140】
【表2】

【0141】
表2に示した結果から、本発明における実施例1〜3の二成分現像剤は、比較例1の二成分現像剤と比べて以下のように耐久性に優れている。
【0142】
実施例1の二成分現像剤は、400000枚以上印刷後であってもコート樹脂残存率が80%以上でトナースペントが0.12未満であり、非常に優れた耐久性を示す。
【0143】
実施例2,3の二成分現像剤は、400000枚以上印刷後であってもコート樹脂残存率が75%以上80%未満でトナースペントが0.12以上0.20未満であり、優れた耐久性を示す。
【0144】
一方、比較例1の二成分現像剤では、400000枚以上印刷後において、コート樹脂残存率が75%未満でトナースペントが0.20以上であり、耐久性の悪化が見られる。
【0145】
したがって、本発明における実施例1〜3の二成分現像剤はカップリング剤によって形成される接着層によりコア材とコート樹脂とが強固に接着されることにより、コート樹脂の剥離を抑えることができ、300000枚印刷前後に劣化の見られる従来の二成分現像剤と比較して、大幅に耐久性を向上させることができる。また、シラン系カップリング剤を用いた実施例1の二成分現像剤は、チタネート系カップリング剤およびアルミニウム系カップリング剤を用いた実施例2,3の二成分現像剤と比較して、より優れた耐久性を示すことがわかる。
【0146】
〔評価2〕
実施例1〜15および比較例2の二成分現像剤について、以下のようにしてコート樹脂の剥離、画像濃度、解像度、かぶり、キャリア付着および帯電量について評価した。その結果を表3に示す。なお、評価項目の説明に記載されている「◎」、「○」、「△」および「×」の記号は、表3で用いる評価結果を示す記号である。「◎」は非常に優れていることを示し、「○」は優れていることを示し、「△」は実用可能であることを示し、「×」は実用が困難であることを示す。
【0147】
(コート樹脂の剥離)
現像機内からキャリアをサンプリングし、SEM(Scanning Electron Microscope,商品名:S−5500、株式会社日立製作所製)により任意の100個のキャリア粒子について表面のSEM写真を撮影した。得られたSEM写真画像を、コート樹脂被覆部が黒、コート樹脂非被覆部が白となるように2値化処理した後、キャリア全体の画素数(黒の画素数と白の画素数との合計)とコート樹脂非被覆部の画素数(白の画素数)とをカウントし、キャリア全体の画素数をS、コート樹脂非被覆部の画素数をSとしたときのS/Sの平均値を求めた。測定は、印字率5%の原稿を5枚間欠で100000枚印刷した後のキャリアについて行い、下記の基準に基づいてコート樹脂の剥離を評価した。
○:S/Sが0.3以下である。
△:S/Sが0.3より大きく0.4以下である。
×:S/Sが0.4より大きい。
【0148】
(画像濃度)
白紙用紙上に原稿濃度が1.30になるようにベタ画像を複写し、得られたベタ画像の白紙用紙に対する相対反射濃度をマクベス反射濃度計(Macbeth社製、商品名:RD−914)によって測定した。測定は、初期状態の二成分現像剤を用いて印刷したベタ画像の画像濃度と印字率5%の原稿を5枚間欠で100000枚印刷した後に印刷したベタ画像の画像濃度とについて2回行い、これらの画像濃度の平均値によって下記の基準に基づいて画像濃度を評価した。
○:画像濃度が1.30以上である。
△:画像濃度が1.20以上1.30未満である。
×:画像濃度が1.20未満である。
【0149】
(解像度)
白紙用紙上に、幅1mmの間に等間隔で12本の直線を引いた細線画像を複写し、得られた1mm幅あたりに形成されている細線画像のうち、目視観察により識別することのできる本数によって解像度を評価した。測定は、印字率6%の原稿を50枚間欠で100000枚印刷した後に印刷した細線画像について行い、下記の基準に基づいて解像度を評価した。
◎:7.2本/mm以上識別可。
○:6.3本/mm以上7.2本/mm未満識別可。
△:4.5本/mm以上6.3本/mm未満識別可
×:4.5本/mm未満識別可。
【0150】
(かぶり)
白紙用紙上に白紙画像を複写し、得られた白紙画像の白紙用紙に対する相対反射濃度をマクベス反射濃度計によって測定した。測定は、印字率5%の原稿を5枚間欠で100000枚印刷した後に印刷した白紙画像について行い、下記の基準に基づいてかぶりを評価した。
○:画像濃度が1.0未満である。
△:画像濃度が1.0以上1.5未満である。
×:画像濃度が1.5以上である。
【0151】
(キャリア付着)
A3サイズの白紙用紙上に白紙画像を複写し、得られた白紙画像上に見られる付着キャリア粒子の個数を拡大鏡(直径:5mm、倍率×30)を使用して目視観察により測定した。測定は、印字率5%の原稿を5枚間欠で100000枚印刷した後に印刷した白紙画像について行い、下記の基準に基づいてキャリア付着を評価した。
◎:A3用紙1枚当りに観察される付着キャリア粒子の個数が5個以下である。
○:A3用紙1枚当りに観察される付着キャリア粒子の個数が5個より多く30個以下である。
△:A3用紙1枚当りに観察される付着キャリア粒子の個数が30個より多く50個以下である。
×:A3用紙1枚当りに観察される付着キャリア粒子の個数が50個より多い。
【0152】
(帯電量)
マグネットローラ上から二成分現像剤1gを採取し、吸引式小型帯電量測定装置(商品名:210HS−2A、Trek株式会社製)を使用して帯電量を測定した。測定は、初期状態の二成分現像剤と印字率6%の原稿を50枚間欠で100000枚印刷した後の二成分現像剤とについて2回行い、両者の帯電量の差について下記の基準に基づいて帯電量を評価した。
◎:帯電量の差が5μC/g未満である。
○:帯電量の差が5μC/g以上8μC/g未満である。
△:帯電量の差が8μC/g以上10μC/g未満である。
×:帯電量の差が10μC/g以上である。
【0153】
【表3】

【0154】
表3に示した結果から、本発明における実施例1〜15の二成分現像剤は、比較例2の二成分現像剤と比べて以下のようにトナーへの帯電付与性能および体積抵抗が安定し、優れた画質の画像を得ることができる。
【0155】
たとえば、実施例1〜12の二成分現像剤は、コート樹脂の剥離において、S/Sが0.3以下であるため、キャリアのトナーへの帯電付与性能が非常に安定し、帯電量の差が8μC/g未満の2μC/g〜7μC/gである。このように帯電量が安定することにより、画像濃度が1.30以上と高く、かぶりも1.0未満と少ない。また、キャリアの体積抵抗が非常に安定するために、解像度が6.3本/mm以上識別可となりキャリア付着も50個以下となる。したがって高画質性に優れた画像が得られる。
【0156】
実施例13〜15の二成分現像剤は、コート樹脂の剥離において、S/Sが0.3より大きく0.4以下であるため、キャリアのトナーへの帯電付与性能が安定し、帯電量の差が10μC/g未満の7μC/g〜9μC/gである。したがって、画像濃度が1.20以上1.30未満でかぶりが1.0以上となり、画質が若干劣るものの性能判断においては充分に利用可能であった。
【0157】
一方、比較例2の二成分現像剤は、コート樹脂の剥離において、S/Sが0.4より大きいため、キャリアのトナーへの帯電付与性能が不安定になり、帯電量の差が10μC/g以上の12.3μC/gである。したがって、画像濃度が1.30未満1.20以上でかぶりが1.0以上であり、また解像度が4.5本/mm以上6.3本/mm未満識別可の低画質の画像が得られる。
【0158】
また、Mn−Mg系のフェライトコア材を用いた実施例1〜6の二成分現像剤は、Mn系のフェライトコア材を用いた実施例7〜12の二成分現像剤と比較して、キャリア付着がより少ない、より優れた画質の画像が得られることがわかる。
【0159】
以上に示したように、本発明の実施例1〜15の二成分現像剤は、平均円形度が0.940以上であるコア材と、コート樹脂との間にカップリング剤によって形成される接着層が設けられたキャリアを用いることによって、キャリアのトナーへの帯電付与性能および電気抵抗が安定するため、高速現像機を搭載した画像形成装置においても長期に渡って画像濃度および解像度が高く、またかぶりおよびキャリア付着の少ない優れた画質の画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明のキャリアの構成を簡略化して示す断面図である。
【図2】本発明の二成分現像剤を用いるのに適した現像装置を備える画像形成装置の一例を概略的に示す構成図である。
【符号の説明】
【0161】
100 キャリア
101 コア材
102 コート樹脂
103 接着層
200 画像形成装置
201 画像形成部
202 記録媒体供給部
203 画像定着部
204 制御部
205 感光体ドラム
206 帯電手段
207 露光ユニット
208 現像ユニット
209 転写手段
210 クリーニングユニット
211 除電手段
212 トナー補給容器
213a 現像ローラ
213b 現像剤収容容器
213c 現像剤撹拌機
214 転写ローラ
215 記録媒体収容トレイ
216 ピックアップローラ
217 レジストローラ
218 定着装置
219 搬送ローラ
220 切換えゲート
221 反転ローラ
222 積載トレイ
223 加熱ローラ
224 加圧ローラ
225,226,227 搬送路
300 現像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二成分現像剤を構成し、コア材にコート樹脂が被覆されるキャリアであって、
前記コア材の平均円形度が0.940以上であり、
前記コア材と前記コート樹脂との間にカップリング剤によって形成される接着層が設けられ、
平均円形度が0.945以上であることを特徴とするキャリア。
【請求項2】
前記キャリア全体の面積をS、前記コート樹脂が被覆されていない非被覆部の面積をSとしたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のキャリア。
0≦(S/S)≦0.3 …(1)
【請求項3】
前記カップリング剤がシラン系カップリング剤であることを特徴とする請求項1または2に記載のキャリア。
【請求項4】
前記コート樹脂は、少なくともシリコン系樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のキャリア。
【請求項5】
体積平均粒径が25μm〜65μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のキャリア。
【請求項6】
体積抵抗が1×10Ωcm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のキャリア。
【請求項7】
前記コア材がMn−Mg系のコア材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のキャリア。
【請求項8】
トナーとキャリアとから構成される二成分現像剤であって、
前記キャリアが請求項1〜7のいずれか1つに記載のキャリアであることを特徴とする二成分現像剤。
【請求項9】
潜像担持体に形成される潜像を現像するために用いられる現像装置であって、
潜像担持体に対向して設けられ、請求項8に記載の二成分現像剤を担持して潜像担持体に形成される潜像を現像する位置へ搬送する現像剤担持体を含む現像剤供給手段を備えることを特徴とする現像装置。
【請求項10】
像担持体と、
前記像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、
請求項9に記載の現像装置と、
前記現像装置によって形成されたトナー像を前記像担持体の表面から被転写体に転写する転写手段と、
転写された前記トナー像を前記被転写体に定着させる定着手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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