説明

キースイッチ

【課題】部品点数が少なくローコストになるばかりか組立性が向上し、操作部の幅寸法が小さくなるし、ドライバー等による駆動カムの回転を防止することができるキースイッチを提供する。
【解決手段】ロックカム17,18が操作キー60で押されない状態で、ロックカム側嵌合突起部21の円弧面部21Aとロックカム側相手突起逃がし部21Bとの間の角部である係合部21Dが駆動カム側嵌合突起部12の角部12Rに係脱可能に係合することで駆動カム10の回転が抑制され、操作キー60の押圧によるロックカム17,18の回転でロックカム側嵌合突起部21を回転して係合を解除して駆動カム10を回転可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアロックスイッチ等に使用される安全スイッチとしてのキースイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
ドアロックスイッチは、一般に、自動化された工作機械を設置した作業エリアの出入り口に設けたドアの開閉を検知して、工作機械の電源を入り切りし、また、工作機械が稼動しているときはドアを開けないようにロックするものである。
【0003】
ドアを閉めるとドア側に備えた操作キーが、出入り口側に備えたキースイッチに挿入され、挿入された操作キーによってカム体が回転操作され、キースイッチに内蔵したスイッチ部がスイッチオン状態に切り換えられて電源回路などが接続される。
【0004】
そして、作業時に、工作機械のドアを開ける際には、先ず、外部の操作部(図示せず)で機械停止操作がなされる。ドアを開けると操作キーの抜き出しによってカム体が回転操作され、スイッチ部がスイッチオフ状態に切り換えられ、電源回路などが断たれるように構成してある。
【0005】
また、カム体は、操作キー引抜き時にはロック手段で操作キー引抜き正常位置(初期回動位置)に保持され、専用の操作キー以外では回転操作できないように構成し、工具などで簡単にスイッチオン状態に切り換えできないように構成してある。
【0006】
従来のこの種のキースイッチにおける操作部77は、図17及び図18に示すように、駆動カム70の両側に、一対の中間部材71を駆動カム70と同軸に回転可能に配設すると共に、駆動カム70の外周面に形成された係合部70aに当接して係合する一対のロック部材72を配設して、アクチュエータ73の進入に伴って中間部材71がねじりばね73の付勢力に抗して回転軸74回りに回転すると、両中間部材71によりロック部材72をコイルばね75の付勢力に抗して押し広げて外方向に移動させることにより、駆動カム70とロック部材72との係合状態を解除し、駆動カム70を回転可能な状態にすると共に、操作ロッド76をスイッチ側復帰ばね(図示せず)により図17において上方向に突出させ、各常閉接点をオンさせて産業機械への電源を供給して産業機械を操作可能な状態にするものがある(特許文献1参照)。
【0007】
また、従来のキースイッチにおける操作部は、図19乃至図21に示すように、両側部にヘッドロック溝部81を有する駆動カム80と、ロック部83を有する左右のヘッドロック部材82と、左右のコイルばね84を備えており、ベース部材(図示せず)に駆動カム80を支軸85で回転可能に支承し、且つ駆動カム80の両側にヘッドロック部材82を配して、これらのヘッドロック部材82を支軸85で駆動カム80側に往復動可能に保持し、コイルばね84のばね力でヘッドロック部材82を駆動カム80側に押圧してロック部83をヘッドロック溝部81に係脱可能に係合することで、駆動カム80が初期回動位置に保持されている。
【0008】
そして、操作キー(図示せず)の操作部への挿入によって、この操作キーの先端をヘッドロック部材82の内面部に当接させて、両ヘッドロック部材82をばね力に抗して移動させて、ロック部83をヘッドロック溝部81より外して駆動カム80のロックを解除して駆動カム80を回転可能な状態にすると共に、操作ロッド86をスイッチ側復帰ばね(図示せず)により図19において下方向に移動させ、各常閉接点をオンさせて産業機械への電源を供給して産業機械を操作可能な状態にする。
【特許文献1】特開2002−140962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記した前者の従来のキースイッチの操作部77にあっては、駆動カム70の両側に、アクチュエータ73の進入に伴って回転する一対の中間部材71を配設し、また、駆動カム70の外周方に、中間部材71の回転により押し広げられる一対のロック部材72を配設しており、しかも、一対の中間部材71にはねじりばね73が回転復帰力を与え、一対のロック部材72にはコイルばね75が復帰力を与えていて、操作部77の幅寸法を小さくしているが、操作部77の部品点数が多く複雑になってコスト高になるという問題点があった。
【0010】
また、後者の従来のキースイッチにおける操作部にあっては、駆動カム80と、その両側に配置されたヘッドロック部材82と、ヘッドロック部材82を駆動カム80側に押し付けるコイルばね85とで構成してあって、部品点数が少ないが、駆動カム80に対してヘッドロック部材82とコイルばね85とは操作部の幅方向に配置してあるために幅寸法が大きくなるという問題点があったし、また、操作部に設けられた操作キー挿入孔(図示せず)は常に開口していて、この操作キー挿入孔から塵埃等の異物が駆動カム80とヘッドロック部材82との間に入ると、ヘッドロック部材82の駆動カム80側への移動が阻止されることがあり、ヘッドロック部材82で駆動カム80をロックすることができず、操作キー挿入孔に挿入されたドライバー等の専用のアクチュエータ以外の工具で駆動カム80を回転させスイッチ部を作動させることができるという問題点があった。
【0011】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、部品点数が少なくローコストになるばかりか組立性が向上し、しかも、幅寸法が小さく(厚さが薄く)なるし、専用の操作キー以外の工具等による駆動カムの回転を防止することができるキースイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明に係るキースイッチは、スイッチ部を操作する操作部を有し、且つこの操作部に操作キーを挿入することによりスイッチ部を作動させて接点切換を行なわせるキースイッチであって、操作部は、操作キーに押されて回転してスイッチ部を作動する駆動カムと、この駆動カムを直接ロックして当該駆動カムを操作キー引抜き正常位置に保持し且つ操作キーに押されて回転してロックを解除する複数個のロックカムを備えたものであり、また、操作キーによる押圧の解除時に、ロックカムを操作キー引抜き正常位置に保持するロックカム保持手段を更に備えてもよい。
【0013】
かかる構成により、操作キーによりロックカムを回転することにより、操作キー引抜き正常位置にある駆動カムのロックを解除して駆動カムを回転可能にし、この状態で操作キーによる押圧で駆動カムを回転させてスイッチ部を作動させて接点切換を行なわせることができる。
【0014】
このように、ロックカムは駆動カムを直接ロックして当該駆動カムを操作キー引抜き正常位置に保持しており、そして、回転によって駆動カムのロック解除作用を行うので、部品点数が少なくローコストになるし、組立性が向上し、しかも、従来のように駆動カムをロックするヘッドロック部材を操作部の幅方向に移動させる構成ではないために、操作部の幅寸法を小さく(厚さを薄く)することができる。
【0015】
また、ロックカムは回転運動で駆動カムのロックを行なうために、ロックカムが異物を挟み込んでも、このロックカムは回転可能であって駆動カムのロックが可能になり、ドライバー等の専用のアクチュエータ以外の工具による駆動カムの回転を防止し、スイッチ部の作動を防止することができる。
【0016】
また、本発明に係るキースイッチは、上記した本発明に係るキースイッチにおいて、駆動カムの回転中心とロックカムの回転中心とを異ならせたものである。
【0017】
かかる構成により、駆動カムとロックカムとのそれぞれの回転軌道を変えることができる。
【0018】
また、本発明に係るキースイッチは、上記した本発明に係るキースイッチにおいて、駆動カムの回転中心に駆動カム側回転軸と駆動カム側嵌合突起部を設けると共に、ロックカムの回転中心にロックカム側回転軸とロックカム側嵌合突起部を設け、ロックカムが操作キーで押されない状態で、駆動カム側嵌合突起部にロックカム側嵌合突起部を係脱可能に係合して駆動カムの回転を抑制し、操作キーの押圧によるロックカムの回転で係合を解除して駆動カムを回転可能にするようにしたものである。
【0019】
かかる構成により、ロックカムが操作キーで押されない状態で、駆動カム側嵌合突起部にロックカム側嵌合突起部が係脱可能に係合して駆動カムの回転が抑制され、操作キーの押圧によるロックカムの回転でロックカム側嵌合突起部を回転して、当該ロックカム側嵌合突起部の駆動カム側嵌合突起部への係合を解除して駆動カムを回転可能にすることができる。このために、駆動カムの回転抑制用の専用部材が不要になって、部品点数を削減できてローコストになるし、しかも、駆動カムをロックするヘッドロック部材を操作部の幅方向に移動させる構成ではないために、操作部の幅寸法を小さく(厚みを薄く)することができる。
【0020】
また、駆動カム側嵌合突起部は、駆動カムの回転中心に駆動カム側回転軸と共に設けてあるし、ロックカム側嵌合突起部は、ロックカムの回転中心にロックカム側回転軸と共に設けてあるために、操作部の小型化が可能になり、キースイッチ全体の小型化に寄与することができる。また、駆動カムにロックカムを重ねることで、ロックカム側嵌合突起部を駆動カム側嵌合突起部に組付けることができて、組立性が良くなる。
【0021】
また、ロックカム側嵌合突起部は回転運動で駆動カム側嵌合突起部に係合して駆動カムのロックを行なうために、ロックカム側嵌合突起部が異物を挟み込んでも、このロックカムは回転可能であって、駆動カムのロックが可能になり、ドライバー等の専用の操作キー(アクチュエータ)以外の工具による駆動カムの回転を防止し、スイッチ部の作動を防止することができる。
【0022】
また、本発明に係るキースイッチは、上記した本発明に係るキースイッチにおいて、同じ大きさの第1の円と第2の円と第3の円を、これらの中心が二等辺三角形の各頂点に位置するように配置し、第1の円と第2の円との重なり部分を削除して残った第1の円における円弧状突起が駆動カム側嵌合突起部であると共に、削除部分が駆動カム側相手突起逃がし部であり、第1の円と第2の円との重なり部分を削除し、且つ第2の円と第3の円との重なり部分を削除した場合の第2の円における円弧状突起がロックカム側嵌合突起部であると共に、削除部分がロックカム側相手突起逃がし部であり、ロックカム側嵌合突起部の円弧面部とロックカム側相手突起逃がし部との間の角部を係合部にして、この係合部を駆動カム側嵌合突起部の角部に係脱可能に係合することで駆動カムの回転が抑制され、駆動カムが操作キー引抜き正常位置に保持されるものである。
【0023】
かかる構成により、ロックカムが操作キーで押されない状態で、係合部が駆動カム側嵌合突起部の角部に係脱可能に係合することで駆動カムの回転が抑制され、操作キーの押圧によるロックカムの回転でロックカム側嵌合突起部を回転して係合を解除して駆動カムを回転可能にするために、駆動カムの回転抑制用の専用部材が不要になって、部品点数を削減することができる。
【0024】
また、本発明に係るキースイッチは、上記した本発明に係るキースイッチにおいて、操作キーは、その先端部に駆動カム操作部を有していて、この駆動カム操作部の両側部に、操作キーの板厚方向にずらしてロックカム操作部を設けて、これらのロックカム操作部の先側を駆動カム操作部より前方に突出させた構成にしてあり、ロックカム操作部が衝合するロックカムのロックカム側受圧部を、駆動カム操作部が衝合する駆動カムの駆動カム側受圧部よりロックカムの回転中心側に位置させたものである。
【0025】
かかる構成により、ロックカムのロックカム側受圧部が、駆動カムの駆動カム側受圧部よりロックカムの回転中心側に位置していて、ロックカムの回転半径を小さくすることができる。このために、ロックカムの小型化が可能になり、駆動カムの回転中心とロックカムの回転中心を異ならせたことに生じる操作部のサイズアップを防止し、キースイッチ全体の小型化に寄与することができる。
【0026】
また、本発明に係るキースイッチは、上記した本発明に係るキースイッチにおいて、駆動カムに、駆動カム側回転軸を中心とした円弧状の駆動カム側軸挿入孔部を設けると共に、ロックカムに、ロックカム側回転軸を中心とした円弧状のロックカム側軸挿入孔部を設け、駆動カム側回転軸をロックカム側軸挿入孔部に通すと共に、ロックカム側回転軸を駆動カム側軸挿入孔部に通してロックカム側回転軸同士を互いに連結するようにしたものである。
【0027】
かかる構成により、駆動カムが回転する際にロックカム側回転軸との干渉を防ぎ、ロックカムが回転する際に駆動カム側回転軸との干渉を防ぐことが可能になって、異なるカム(駆動カムとロックカム)間への回転軸保持部、例えば、軸受が不要になり、操作部のサイズアップを防止し、キースイッチ全体の小型化に寄与することができる。
【0028】
また、本発明に係るキースイッチは、上記した本発明に係るキースイッチにおいて、ロックカム側回転軸同士の連結は、隣り合うロックカム側回転軸の一方の対向端部に設けた嵌合凸部を他方の対向端部に設けた嵌合凹部に嵌合することで行うようにしたものである。
【0029】
かかる構成により、隣り合うロックカム側回転軸一方の対向端部に設けた嵌合凸部を他方の対向端部に設けた嵌合凹部に嵌合することでロックカム側回転軸同士の連結を行なうことができて、複数のロックカム側回転軸を一つの回転軸として扱うことが可能になる。このために、ロックカム側回転軸の保持機構としての軸受を省くことができて、部品点数を軽減することができるし、また、軸受がない分、操作部のサイズアップを防止し、キースイッチ全体の小型化に寄与することができる。
【0030】
また、本発明に係るキースイッチは、上記した本発明に係るキースイッチにおいて、ロックカム保持手段は、ロックカムを、ロックカム側嵌合突起部が駆動カム側嵌合突起部に係合する位置に保持するように作用する板ばねである。
【0031】
かかる構成により、板ばねはロックカムが操作キーで押されていない状態で駆動カムを単独で駆動することを防止することができるし、その設置場所を選択することができ、スペースのあるところに配置することができる。
【0032】
また、本発明に係るキースイッチは、上記した本発明に係るキースイッチにおいて、ロックカム保持手段は、ロックカムを、ロックカム側嵌合突起部が駆動カム側嵌合突起部に係合する位置に保持するように作用するコイルばねである。
【0033】
かかる構成により、コイルばねはロックカムが操作キーで押されていない状態で駆動カムを単独で駆動することを防止することができるし、その両端部の固定が簡単であり、組立性が向上する。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係るキースイッチによれば、ロックカムは駆動カムを直接ロックして当該駆動カムを操作キー引抜き正常位置に保持しており、そして、回転によって駆動カムのロック解除作用を行うので、部品点数が少なくローコストになるし、組立性が向上し、しかも、駆動カムをロックするヘッドロック部材を操作部の幅方向に移動させる構成ではないために、操作部の幅寸法を小さく(厚さを薄く)することができる。
【0035】
また、ロックカムは回転運動で駆動カムのロックを行なうために、ロックカムが異物を挟み込んでも、このロックカムは回転可能であって駆動カムのロックが可能になり、ドライバー等の専用の操作キー(アクチュエータ)以外の工具による駆動カムの回転を防止し、スイッチ部の作動を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0037】
図1は本発明に係るキースイッチの斜視図、図2は同キースイッチの操作部の縦断面図、図3は同操作部において、ヘッドカバー及びベース部材のそれぞれを一部破断して操作ユニットを表わした状態の斜視図、図4は同操作部の、ヘッドカバーを一部破断した場合の側面図である。なお、説明の便宜上、操作キーの横向きの挿抜方向を前後方向とし、この前後方向を元に上下方向、左右方向を図示のように設定する。
【0038】
キースイッチは、スイッチ本体1と、このスイッチ本体1の操作部2を備えており、このスイッチ本体1は、その内部にスイッチ部(図示せず)を備えていて、図3に示す操作ロッド40が移動することによりスイッチ部の接点が切り換るように構成してある。すなわち、操作ロッド40の押し込みによりスイッチ復帰ばね(図示せず)が圧縮され、スイッチ部において、スイッチオンの状態(例えば、NO接点がオン状態、NC接点が乖離状態)になるし、また、操作ロッド40への押込み力の解除によりスイッチ復帰ばねの復帰力でスイッチオフの状態(例えば、NO接点が乖離状態、NC接点がオン状態)になる。
【0039】
操作部2は、図2及び図3に示すように、操作ユニットFと、この操作ユニットFを覆うヘッドカバー3を備えている。そして、ヘッドカバー3は、図1に示すように、その前面部3a(及び頂面部3b)に、後述する操作キー60を挿入するキー挿入口8(9)を備えている。
【0040】
ヘッドユニットFは、図2及び図3に示すように、駆動カム10と、左右二つのロックカム17,18と、ベース部材26と、ロックカム保持手段としてのばね部材32で構成してある。
【0041】
駆動カム10は、図5及び図6に示すように、そのカム本体10Aの回転中心に駆動カム側回転軸であるカム軸11を有しており、また、カム本体10Aの周部には、凸形状のキー衝合部15とキー衝合部16とが前後方向に略90度位相をずらして形成してある。そして、キー衝合部15では、その前辺部が駆動カム側受圧部15aにしてあり、キー衝合部16では、その上辺部が駆動カム側受圧部16aにしてある。
【0042】
また、カム本体10Aの左側面部と右側面部には、カム軸11の回りに駆動カム側嵌合突起部12が形成してある。この駆動カム側嵌合突起部12は、円弧面部12Aと、駆動カム側嵌合突起部12の中心側に凹となる円弧形状の駆動カム側相手突起逃がし部12Bを連ねて形成して構成してある。また、カム本体10Aには、カム軸11が中心となる円弧形状の軸挿入孔部13が形成してある。また、カム本体10Aには、カム面部14が形成してある。
【0043】
また、図7及び図8に示すように、左のロックカム17は、板状で且つ略半円形状のカム本体17Aを有しており、このカム本体17Aには、その回転中心にロッドカム側回転軸であるカム軸23が設けてある。このカム軸23の内側部位(右側部位)23bは、図8に示すように、その先端側に嵌合凹部である嵌合穴部25Aが形成してある。
【0044】
また、カム本体17Aの周部には、凸形状のキー衝合部19とキー衝合部20とが前後方向に略90度位相をずらして形成してある。そして、キー衝合部19では、その前辺部がロックカム側受圧部19aにしてあり、キー衝合部20では、その上辺部がロックカム側受圧部20aにしてある。
【0045】
また、カム本体17Aの内側面部(右側面部)には、カム軸23回りにロックカム側嵌合突起部21が形成してある。このロックカム側嵌合突起部21は、円弧面部21Aと、ロックカム側嵌合突起部21の中心側に凹となる円弧形状の二つのロックカム側相手突起逃がし部21B、21Cを連ねて形成して構成してある。
【0046】
また、カム本体17Aには、カム軸23が中心となる円弧形状の軸挿入孔部22が形成してある。また、カム本体17Aには、ばね接触部24が形成してある。
【0047】
また、右のロックカム18は、図9及び図10に示すように、カム軸を除いて左のロックカム17と面対称(平面鏡に映した物と像との位置関係)であり、同じ部位については、左のロックカム17と同じ符号を付して説明を省略する。この場合、ロックカム側回転軸であるカム軸23−1の内側部位(左側部位)23b−1は、図10に示すように、その先端側に、上記したカム軸23の嵌合穴部25Aに嵌合する連結軸部25Bが形成してある。
【0048】
ここで、駆動カム10における駆動カム側嵌合突起部12と左右のロックカム17,18におけるロックカム側嵌合突起部21との形状を図11に基づいて説明する。
【0049】
図11に示すように、同じ大きさの第1の円E1と第2の円E2と第3の円E3を、これらの辺p1,p2=辺p2,p3となる二等辺三角形の各頂点に位置するように配置し、第1の円E1と第2の円E2の重なり部分G1を削除して残った第1の円E1における円弧状突起が駆動カム側嵌合突起部12に相当しており、削除部分が駆動カム側相手突起逃がし部12Bになる。
【0050】
また、第1の円E1と第2の円E2との重なり部分G1を削除し且つ第2の円E2と第3の円E3の重なり部分G2を削除した場合の第2の円E2における円弧状突起がロックカム側嵌合突起部21に相当する。この場合、重なり部分(削除部分)G1がロックカム側相手突起逃がし部12Bになり、重なり部分(削除部分)G2がロックカム側相手突起逃がし部21Cになる。そして、ロックカム側嵌合突起部21の円弧面部21Aとロックカム側相手突起逃がし部21Bとの間の角部が係合部21Dにしてある。なお、両ロックカム側相手突起逃がし部21B,21Cで挟まれた部分Hは削除して曲面Jとし、この曲面Jで両相ロックカム側手突起逃がし部21B,21Cは連ねてある。
【0051】
駆動カム側相手突起逃がし部12Bとロックカム側相手突起逃がし部21Bは、駆動カム10とロックカム17,18の両方の回転を可能にし、ロックカム側相手突起逃がし部21Cは駆動カム10が、図11においてA方向に回転した状態でロックカム17,18の図11においてC方向への回転を可能にする。
【0052】
また、スイッチ本体1は、図2乃至図4に示すように、左右に支持部27を有すると共に、底面部に操作ロッド挿入用開口部28とばね取付部29とを有しており、支持部27には、駆動カム10のカム軸11を支承する軸支承部30と、ロックカム17(右のロックカム18)のカム軸23(23−1)を支承する軸支承部31とが形成してある。
【0053】
また、図3に示すように、ばね部材32は板ばねであり、取付部33と、この取付部33に対して鋭角に屈曲された一対のばね片部34とを有していて、取付部33には操作ロッド挿入用開口部35が形成してある。
【0054】
そして、ベース部材26には、そのばね取付部29に取付部33を取付けて、ばね部材32が装着してあり、操作ロッド挿入用開口部35がベース部材26の操作ロッド挿入用開口部28に重なっている。
【0055】
そして、図2及び図3に示すように、駆動カム10を中にして、この駆動カム10の左右にロックカム17、18が配置してあり、この場合、駆動カム10のカム軸11の左側部位11aが左のロックカム側軸挿入孔部22を貫通しており、カム軸11の右側部位11bが右のロックカム側軸挿入孔部22を貫通している。
【0056】
また、左のロックカム17のカム軸23の内側部位(右側部位)23bと右のロックカム18のカム軸23−1の内側部位(左側部位)23b−1とは、共に、駆動カム側軸挿入孔部13に挿入してあって、図12に示すように、カム軸23の連結軸部25Bがカム軸23−1の嵌合穴部25Aに嵌合していて、カム軸23とカム軸23−1とは連結してある。
【0057】
そして、図4に示すように、駆動カム10のカム軸11の左側部位11aがベース部材26の左の支持部27の軸支承部30に、カム軸11の右側部位11bがベース部材26の右の支持部27の軸支承部30にそれぞれに回転可能に支承してある。また、左のロックカム17のカム軸23の外側部位(左側部位)23aが左の支持部27の軸支承部31に回転可能に支承してあり、右のロックカム18のカム軸23−1の外側部位(右側部位)23a−1が右の支持部27の軸支承部31に回転可能に支承してある。
【0058】
上記のように、ベース部材26にばね部材32と駆動カム10と左右のロックカム17、18を装着してヘッドユニットFが構成してあって、この場合、図3に示すように、ばね部材32の左のばね片部34が左のロックカム17のばね接触部24に接触しており、ばね部材32の右のばね片部34が右のロックカム18のばね接触部24に接触していて、左右のロックカム17,18を操作キー引抜き正常位置(ロック位置)に保持している。
【0059】
そして、図3及び図4に示すように、ベース部材26はヘッドカバー3内に収容してある。この場合、上記したように、左右のロックカム17,18はばね部材32で操作キー引抜き正常位置(ロック位置)に保持された状態で、図13に矢印Bで示す時計回り方向にばね付勢されていて、左右のロックカム17,18のロックカム側嵌合突起部21の係合部21Dが駆動カム側嵌合突起部12の角部12Rに係合し(引っ掛かり)、駆動カム10の矢印Aで示す反時計回り方向への回転を抑制している。
【0060】
この回転抑制状態(ロック状態)では、図4に示すように、駆動カム側受圧部15aと左右のロックカム側受圧部19aとはキー挿入口8に対向していて、ロックカム側受圧部19aが駆動カム側受圧部15aよりロックカム17,18のカム軸23,23−1側に位置しているし、また、駆動カム側受圧部16aと左右のロックカム側受圧部20aとはキー挿入口9に対向していて、ロックカム側受圧部20aが駆動カム側受圧部16aよりロックカム17,18のカム軸23,23−1側に位置している。
【0061】
このように、ロックカム側受圧部19aが駆動カム側受圧部15aよりロックカム17,18のカム軸23,23−1側に位置し、ロックカム側受圧部20aが駆動カム側受圧部16aよりロックカム17,18のカム軸23,23−1側に位置させるために、ロックカム17,18の半径が小さくて済み、図4で示す円K内に収まるようになる。
【0062】
そして、上記した操作部2はスイッチ本体1に装着してあり、この場合、このスイッチ本体1の操作ロッド40はスイッチ側復帰ばね(図示せず)により持ち上げられていて、操作ロッド40の先端部が駆動カム10のカム面部14に摺接している。
【0063】
アクチュエータとしての操作キー60は、図15に示すように、短冊状のキー本体60Aを有しており、このキー本体60Aの先端部が駆動カム操作部61にしてある。そして、キー本体60Aの先側の両側部には、キー本体60Aの板厚方向に突出させてロックカム操作部62が設けてあり、これらのロックカム操作部62の先側は駆動カム操作部61より前方に突出している。
【0064】
次に、上記したキースイッチを、工作機械を外囲した保護フェンスのドア(いずれも図示せず)における安全スイッチとして使用した場合について説明する。なお、ドアには操作キー60が取付けられ、保護フェンスの支柱(図示せず)にはキースイッチ70が取付けられる。この場合、キースイッチは、その軸線イ(図1参照)を縦方向に向けて支柱に取付ける。
【0065】
先ず、ドアを開放している状態においては、操作部2から操作キー60は引き抜かれており、上記したように、操作部2においては、左右のロックカム17,18はばね部材32で回転抑制位置(ロック位置)に保持された状態にあり、図13に示すように、左右のロックカム17,18のロックカム側嵌合突起部21の係合部21Dが駆動カム側嵌合突起部12の角部12Rに係合され、駆動カム10の矢印Aで示す反時計回り方向への回転を抑制(ロック)しており、駆動カム10が操作キー引抜き正常位置に保持されている。
【0066】
この回転抑制状態では、図4に示すように、駆動カム側受圧部15aと左右のロックカム側受圧部19aはキー挿入口8に対向しているし、また、操作ロッド40はスイッチ側復帰ばねの付勢により持ち上げられていて、操作ロッド40の先端部が駆動カム10のカム面部14に摺接しており、工作機械の電源回路が遮断されている。したがって、ドアの開放状態においては、工作機械が駆動されることがない。
【0067】
次にドアを閉じると、操作キー60がキー挿入口8に挿入されることになり、この操作キー60の挿入によって、この操作キー60のロックカム操作部62が左右のロックカム側受圧部19aに衝合して、左右のロックカム17,18を、ばね部材32による付勢力に抗して図14に示す矢印Cの方向(反時計回り方向)に回転させる。このために、係合部21Dの駆動カム10の角部12Rへの係合が外れ駆動カム10の回転抑制が解除され、駆動カム10が回動可能になる。
【0068】
また、操作キー60の駆動カム操作部61が駆動カム側受圧部15aを押すことで、駆動カム10が、図4において時計回り方向に回転し、この駆動カム10が、これのカム面部14に摺接している操作ロッド40をスイッチ復帰ばねの復帰力に抗して押し込み、スイッチ部をオン作動して工作機械の電源回路がオンして工作機械が駆動可能状態になる。
【0069】
一方、作業時に、工作機械のドアを開ける際には、先ず、外部の操作部(図示せず)で機械停止操作がなされる。
【0070】
工作機械のドアを開けるべくドアを引くと、操作キー60も共に引かれて後退するために、操作キー60のロックカム操作部62が左右のロックカム側受圧部19aから離れるために、左右のロックカム17,18はばね部材32によるばね付勢力によって図13に示す矢印Bの方向(時計回り方向)に回転する。
【0071】
これと同時に、操作キー60の駆動カム操作部61が駆動カム側受圧部15aから離れるために、スイッチ復帰ばねの復帰力で操作ロッド40が押し上げられて、この操作ロッド40がカム面部14を押して駆動カム10を、図4において、時計回り方向に回転させる。このために、図13に示すように、係合部21Dが駆動カム側嵌合突起部12の角部12Rに係合して駆動カム10の回転抑制(ロック)が行なわれ、駆動カム10が操作キー引抜き正常位置に保持される。
【0072】
また、キースイッチ70を、その軸線イを横方向に向けて保護フェンスの支柱に取付けた場合には、操作キー60の挿入は、ヘッドカバー3の頂面部3dに設けられたキー挿入口9で行なわれる。
【0073】
この場合、図4に示すように、操作キー60のキー挿入口9への挿入によって、この操作キー60のロックカム操作部62が左右のロックカム側受圧部20aに衝合して、左右のロックカム17,18を、ばね部材32によるばね付勢力に抗して図14に示す矢印Cの方向(反時計回り方向)に回転させるし、また、操作キー60の駆動カム操作部61が駆動カム側受圧部16aを押すことで、駆動カム10を、図4において時計回り方向に回転させる。その後の動作は、上記した操作キー60のキー挿入口8への挿入の場合と同様であるので省略する。
【0074】
上記したように、本発明の実施の形態によれば、ロックカム17,18が操作キー60で押されない状態で、ロックカム側嵌合突起部21の円弧面部21Aとロックカム側相手突起逃がし部21Bとの間の角部である係合部21Dが駆動カム側嵌合突起部12の角部12Rに係脱可能に係合することで、駆動カム10の回転が抑制され、操作キー60の押圧によるロックカム17,18の回転でロックカム側嵌合突起部21を回転して係合を解除して駆動カム10を回転可能にするために、駆動カム10の回転抑制用の専用部材が不要になって、部品点数を削減することができる。また、従来のように、駆動カムをロックするヘッドロック部材を操作部の幅方向に移動させる構成ではないために、操作部2の幅寸法を小さく(厚さを薄く)することができる。
【0075】
また、駆動カム側嵌合突起部12は、駆動カム10の回転中心にカム軸11と共に設けてあるし、ロックカム側嵌合突起部21は、ロックカム17,18の回転中心にカム軸23,23−1と共に設けてあるために、操作部2の小型化が可能になり、キースイッチ全体の小型化に寄与することができる。また、駆動カム10にロックカム17,18を重ねることで、ロックカム側嵌合突起部21を駆動カム側嵌合突起部12に組付けることができて、組立性が良くなる。
【0076】
また、ロックカム側嵌合突起部21は回転運動で駆動カム側嵌合突起部12に係合して駆動カム10のロックを行なうために、ロックカム側嵌合突起部21が異物を挟み込んでも、このロックカム17,18は回転可能であって、駆動カム10のロックが可能になり、ドライバー等の専用の操作キー(アクチュエータ)以外の工具による駆動カムの回転を防止し、スイッチ部の作動を防止することができる。
【0077】
また、本発明の実施の形態によれば、駆動カム10の回転中心とロックカム17,18の回転中心とが異なるために、駆動カム10とロックカム17,18とのそれぞれの回転軌道を変えることができる。
【0078】
また、本発明の実施の形態によれば、ロックカム17,18のロックカム側受圧部19aが駆動カム側受圧部15aよりロックカム17,18の回転中心側に位置していて、ロックカム17,18の回転半径を小さくすることができる。このために、ロックカム17,18の小型化が可能になり、駆動カム10の回転中心とロックカム17,18の回転中心を異ならせたことに生じる操作部2のサイズアップを防止し、キースイッチ全体の小型化に寄与することができる。
【0079】
また、本発明に実施の形態によれば、駆動カム10を中にして、この駆動カム10の左右にロックカム17、18が配置してあり、この場合、駆動カム10のカム軸11の左側部位11aが左のロックカム側軸挿入孔部22を貫通しており、カム軸11の右側部位11bが右のロックカム側軸挿入孔部22を貫通しており、また、左のロックカム17のカム軸23の内側部位(右側部位)23bと右のロックカム18のカム軸23−1の内側部位(左側部位)23b−1とは、共に、駆動カム側軸挿入孔部13に挿入してあって、カム軸23の連結軸部25Bがカム軸23−1の嵌合穴部25Aに嵌合していて、カム軸23とカム軸23−1を連結するようにしたことで、駆動カム10が回転する際にカム軸23,23−1との干渉を防ぎ、ロックカム17,18が回転する際にカム軸11との干渉を防ぐことが可能になると共に、二つのカム軸23、23−1を一つの回転軸として扱うことが可能になる。
【0080】
このために、カム軸23、23−1の保持機構としての軸受を省くことができて、部品点数を軽減することができるし、また、軸受がない分、操作部2のサイズアップを防止し、キースイッチ全体の小型化に寄与することができる。
【0081】
また、本発明に実施の形態によれば、ばね部材32としての板ばねは、ロックカム17,18を、ロックカム側嵌合突起部21が駆動カム側嵌合突起部12に係合する位置に保持するように作用するものであり、この板ばねは、その設置場所を選択することができ、スペースのあるところに配置することができる。
【0082】
また、本発明の実施の形態では、ばね部材32として、取付部33に対して鋭角に屈曲された一対のばね片部34を有する構成の板ばねを使用したが、図16に示すように、ロックカム保持手段としてコイルばね(ゼンマイばね)32−1を二個使用して、左の渦巻ばね32−1の内端部32a−1を左のロックカム17に係止すると共に、この渦巻ばね32−1の外端部32b−1をベース部材26の左の支持部27に係止し、また、右の渦巻ばね32−1を左の渦巻ばね32−1と同様に右のロックカム18に連係させるようにしてもよい。
【0083】
そして、コイルばね32−1は、ロックカム17,18を、ロックカム側嵌合突起部21が駆動カム側嵌合突起部12に係合する位置に保持するように作用するものであり、渦巻ばね32−1は、その両端部の固定が簡単であり、組立性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明に係るキースイッチによれば、部品点数が少なくローコストになるばかりか組立性が向上し、しかも、幅寸法が小さく(厚さが薄く)なるし、ドライバー等の専用の操作キー(アクチュエータ)以外の工具による駆動カムの回転を防止し、スイッチ部の作動を防止することができるという効果を有しており、ドアロックスイッチ等に使用される安全スイッチ等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係るキースイッチの斜視図である。
【図2】同キースイッチの操作部の縦断面図である。
【図3】本発明に同操作部において、ヘッドカバー及びベース部材のそれぞれを一部破断して操作ユニットを表わした状態の斜視図である。
【図4】同操作部の、ヘッドカバーを一部破断した場合の側面図である。
【図5】同操作ユニットにおける駆動カムを左方から見た斜視図である。
【図6】同操作ユニットにおける駆動カムを右方から見た斜視図である。
【図7】同操作ユニットにおける左のロックカムを左方から見た斜視図である。
【図8】同左のロックカムを右方から見た斜視図である。
【図9】同操作ユニットにおける右のロックカムを右方から見た斜視図である。
【図10】同右のロックカムを左方から見た斜視図である。
【図11】駆動カム側嵌合突起部とロックカム側嵌合突起部の形状を模式的に示した説明図である。
【図12】左右のロックカムにおけるカム軸の連結部の断面図である。
【図13】ロックカム側嵌合突起部が駆動カム側嵌合突起部に係合した状態の説明図である。
【図14】ロックカム側嵌合突起部による駆動カム側嵌合突起部への係合が解除された状態の説明図である。
【図15】操作キーの斜視図である。
【図16】本発明に係るキースイッチの操作部において、ロックカム保持手段として渦巻ばねを用いた操作ユニットをヘッドカバー及びベース部材のそれぞれを一部破断して表わした状態の斜視図である。
【図17】従来のキースイッチの操作部において、ヘッドカバーを一部破断して操作部に操作キーを挿入した場合の操作ユニットの側面図である。
【図18】同操作ユニットの正面図である。
【図19】従来の他のキースイッチの操作部における操作ユニットの斜視図である。
【図20】同操作ユニットにおける駆動カムのロック状態の説明図である。
【図21】同操作ユニットにおける駆動カムのロック解除状態の説明図である。
【符号の説明】
【0086】
E1 第1の円
E2 第2の円
E3 第3の円
F 操作ユニット
G1,G2 重なり部分(削除部分)
p1,p2,p3 中心
1 スイッチ本体
2 操作部
3 ヘッドカバー
10 駆動カム
11 カム軸(駆動カム側回転軸)
12 駆動カム側嵌合突起部
12A 円弧面部
12B 駆動カム側相手突起逃がし部
12R 角部
13 駆動カム側軸挿入孔部
14 カム面部
15 キー衝合部
15a 駆動カム側受圧部
16 キー衝合部
16a 駆動カム側受圧部
17 左のロックカム
18 右のロックカム
19 キー衝合部
19a ロックカム側受圧部
20 キー衝合部
20a ロックカム側受圧部
21 ロックカム側嵌合突起部
21A 円弧面部
21B、21C ロックカム側相手突起逃がし部
21D 係合部
22 ロックカム側軸挿入孔部
23 カム軸(ロックカム側回転軸)
23−1 カム軸(ロックカム側回転軸)
24 ばね接触部
25A 嵌合穴部(嵌合凹部)
25B 連結軸部(嵌合凸部)
26 ベース部材
27 支持部
32 ばね部材(ロックカム保持手段)
32−1 コイルばね(ロックカム保持手段)
34 ばね片部
60 操作キー
61 駆動カム操作部
62 ロックカム操作部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ部を操作する操作部を有し、且つこの操作部に操作キーを挿入することにより前記スイッチ部を作動させて接点切換を行なわせるキースイッチであって、
前記操作部は、前記操作キーに押されて回転して前記スイッチ部を作動する駆動カムと、この駆動カムを直接ロックして当該駆動カムを操作キー引抜き正常位置に保持し且つ前記操作キーに押されて回転して前記ロックを解除する複数個のロックカムを備えたことを特徴とするキースイッチ。
【請求項2】
前記操作キーによる押圧の解除時に、前記ロックカムを前記操作キー引抜き正常位置に保持するロックカム保持手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載のキースイッチ。
【請求項3】
前記駆動カムの回転中心と前記ロックカムの回転中心とを異ならせたことを特徴とする請求項1又は2に記載のキースイッチ。
【請求項4】
前記駆動カムの前記回転中心に駆動カム側回転軸と駆動カム側嵌合突起部を設けると共に、前記ロックカムの前記回転中心にロックカム側回転軸とロックカム側嵌合突起部を設け、前記ロックカムが前記操作キーで押されない状態で、前記駆動カム側嵌合突起部に前記ロックカム側嵌合突起部を係脱可能に係合して前記駆動カムの回転を抑制し、前記操作キーの押圧による前記ロックカムの回転で前記ロックカム側嵌合突起部を回転し前記係合を解除して前記駆動カムを回転可能にするようにしたことを特徴とする請求項3に記載のキースイッチ。
【請求項5】
同じ大きさの第1の円と第2の円と第3の円を、これらの中心が二等辺三角形の各頂点に位置するように配置し、前記第1の円と前記第2の円との重なり部分を削除して残った前記第1の円における円弧状突起が前記駆動カム側嵌合突起部であると共に、前記削除部分が駆動カム側相手突起逃がし部であり、前記第1の円と前記第2の円との重なり部分を削除し、且つ前記第2の円と前記第3の円との重なり部分を削除した場合の前記第2の円における円弧状突起が前記ロックカム側嵌合突起部であると共に、前記削除部分がロックカム側相手突起逃がし部であり、前記ロックカム側嵌合突起部の円弧面部と前記ロックカム側相手突起逃がし部との間の角部を係合部にして、この係合部を前記駆動カム側嵌合突起部の角部に係脱可能に係合することで前記駆動カムの回転が抑制され、前記駆動カムが前記操作キー引抜き正常位置に保持されること特徴とする請求項4に記載のキースイッチ。
【請求項6】
前記操作キーは、その先端部に駆動カム操作部を有していて、この駆動カム操作部の両側部に、前記操作キーの板厚方向にずらしてロックカム操作部を設けて、これらのロックカム操作部の先側を前記駆動カム操作部より前方に突出させた構成にしてあり、前記ロックカム操作部が衝合する前記ロックカムのロックカム側受圧部を、前記駆動カム操作部が衝合する前記駆動カムの駆動カム側受圧部より前記ロックカムの前記回転中心側に位置させたことを特徴とする請求項5に記載のキースイッチ。
【請求項7】
前記駆動カムに、前記駆動カム側回転軸を中心とした円弧状の駆動カム側軸挿入孔部を設けると共に、前記ロックカムに、前記ロックカム側回転軸を中心とした円弧状のロックカム側軸挿入孔部を設け、前記駆動カム側回転軸を前記ロックカム側軸挿入孔部に通すと共に、前記ロックカム側回転軸を前記駆動カム側軸挿入孔部に通して前記ロックカム側回転軸同士を互いに連結するようにしたことを特徴とする請求項6に記載のキースイッチ。
【請求項8】
前記ロックカム側回転軸同士の連結は、隣り合う前記ロックカム側回転軸の一方の対向端部に設けた嵌合凸部を他方の対向端部に設けた嵌合凹部に嵌合することで行うようにしたことを特徴とする請求項7に記載のキースイッチ。
【請求項9】
前記ロックカム保持手段は、前記ロックカムを、前記ロックカム側嵌合突起部が前記駆動カム側嵌合突起部に係合する位置に保持するように作用する板ばねであることを特徴とする請求項4乃至請求項8の何れかの一に記載のキースイッチ。
【請求項10】
前記ロックカム保持手段は、前記ロックカムを、前記ロックカム側嵌合突起部が前記駆動カム側嵌合突起部に係合する位置に保持するように作用するコイルばねであることを特徴とする請求項4乃至請求項8の何れかの一に記載のキースイッチ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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