説明

クエリ抽出装置及びその方法

【課題】所定期間内に用いられたクエリにおいて、期間の後半になるにつれて段階的に検索数が上昇又は下降しているクエリを抽出できる装置及び方法を提供すること。
【解決手段】クエリ判定装置10は、分割部143により、所定期間を隣り合う期間同士の一部が重複するように複数の期間に分割し、第1順位付与部144により、複数の期間それぞれの日付ごとの検索数に対して、当該日付の新しいほうから古いほうに順位を付与し、第2順位付与部145により、複数の期間それぞれの日付ごとの検索数に対して、検索数が多い順に順位を付与し、算出部146により、複数の期間それぞれにおいて、順位相関係数を算出し、判定部147により、複数の期間それぞれの順位相関係数が全て第1の値以上である場合、クエリを徐々に検索数が上昇しているクエリと判定し、全て第2の値以下である場合、クエリを徐々に検索数が下降しているクエリと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クエリ抽出装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検索システムに入力される検索用のクエリについて、この検索システムを利用する複数のユーザが注目しているクエリを抽出する方法が提案されている。
例えば、検索システムに入力されたクエリを集計して、このクエリごとの検索数を集計し、この集計結果のうち、最も出現頻度の高いクエリ又はこのクエリと類似するクエリを抽出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1で提案される方法は、検索システムにクエリが入力された日時を限定して、所定期間内に入力されたクエリを集計することで、当該期間内において、世の中で注目や関心を集めているクエリを抽出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−013417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で提案される方法では、所定期間内において、検索数が徐々に増加したクエリや、徐々に減少したクエリといった情報を扱うことができない。このため、特許文献1で提案される方法では、所定期間における使用数は高いものの、期間の序盤で使用数が多く、期間の終盤で使用数が少ないクエリを抽出する場合がある。この場合、既に使用されなくなりつつあるクエリを抽出してしまうので、例えば、このクエリに関連付けられた広告を配信しても、十分に効果が得られないおそれがある。
【0006】
本発明は、所定期間内に検索に用いられたクエリの検索数が、徐々に上昇又は下降しているかを判定できる装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るクエリ判定装置は、所定期間に検索に用いられたクエリが、徐々に検索数が上昇又は下降しているかを判定するクエリ判定装置であって、前記クエリと、当該クエリが検索に用いられた日付とを関連付けたデータを検索ログとして記憶する検索ログ記憶手段と、クエリの入力を受け付ける受付手段と、前記検索ログ記憶手段を参照して、前記受付手段により受け付けられた前記クエリの前記所定期間における検索数を日付ごとに集計する集計手段と、前記所定期間を、隣り合う期間同士の一部が重複するように複数の期間に分割する分割手段と、前記複数の期間それぞれの日付ごとの前記検索数に対して、当該日付の新しいほうから古いほうに順位を付与する第1順位付与手段と、前記複数の期間それぞれの日付ごとの前記検索数に対して、当該検索数が多い順に順位を付与する第2順位付与手段と、前記複数の期間それぞれにおいて、前記第1順位付与手段により付された順位と、前記第2順位付与手段により付された順位との順位相関係数を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記複数の期間それぞれの順位相関係数が全て第1の値以上である場合、前記クエリを徐々に検索数が上昇しているクエリと判定し、全て第2の値以下である場合、前記クエリを徐々に検索数が下降しているクエリと判定する判定手段と、を備える。
【0008】
この発明によれば、クエリ判定装置は、分割手段により、所定期間を隣り合う期間同士の一部が重複するように複数の期間に分割する。続いて、クエリ判定装置は、第1順位付与手段により、複数の期間それぞれの日付ごとの検索数に対して、当該日付の新しいほうから古いほうに順位を付与し、第2順位付与手段により、複数の期間それぞれの日付ごとの検索数に対して、検索数が多い順に順位を付与する。続いて、クエリ判定装置は、算出手段により、複数の期間それぞれにおいて、第1順位付与手段により付された順位と、第2順位付与手段により付された順位との順位相関係数を算出する。続いて、クエリ判定装置は、判定手段により、算出手段により算出された複数の期間それぞれの順位相関係数が全て第1の値以上である場合、クエリを徐々に検索数が上昇しているクエリと判定し、全て第2の値以下である場合、クエリを徐々に検索数が下降しているクエリと判定する。
【0009】
つまり、クエリ判定装置は、所定期間を複数の期間に分割して順位相関係数を算出し、これらの順位相関係数が第1の値以上(又は第2の値以下)であるかを判定するので、所定期間において、急激に検索数が上昇したり下降したりするクエリを除外できる。よって、クエリ判定装置は、検索数が徐々に上昇しているクエリを精度よく判定できる。
また、クエリ判定装置は、隣り合う期間同士の一部が重複するように所定期間を複数の期間に分割するので、期間の区切りの部分における順位の相関も精度よく算出できる。
【0010】
本発明に係るクエリ判定装置は、所定期間に検索に用いられたクエリが、徐々に検索数が上昇又は下降しているかを判定するクエリ判定装置であって、前記クエリと、当該クエリが検索に用いられた日付とを関連付けたデータを検索ログとして記憶する検索ログ記憶手段と、クエリの入力を受け付ける受付手段と、前記検索ログ記憶手段を参照して、前記受付手段により受け付けられた前記クエリの前記所定期間における検索数を日付ごとに集計するとともに、全てのクエリの検索数を日付ごとに集計し、前記所定期間における日付ごとの検索数を、全てのクエリの日付ごとの検索数で除算して、前記所定期間におけるクエリの日付ごとのシェア率を算出する集計手段と、前記所定期間を、隣り合う期間同士の一部が重複するように複数の期間に分割する分割手段と、前記複数の期間それぞれの日付ごとの前記シェア率に対して、当該日付の新しいほうから古いほうに順位を付与する第1順位付与手段と、前記複数の期間それぞれの日付ごとの前記シェア率に対して、当該シェア率が多い順に順位を付与する第2順位付与手段と、前記複数の期間それぞれにおいて、前記第1順位付与手段により付された順位と、前記第2順位付与手段により付された順位との順位相関係数を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記複数の期間それぞれの順位相関係数が全て第1の値以上である場合、前記クエリを徐々に検索数が上昇しているクエリと判定し、全て第2の値以下である場合、前記クエリを徐々に検索数が下降しているクエリと判定する判定手段と、を備える。
【0011】
この発明によれば、クエリ判定装置は、クエリの日付ごとのシェア率を算出し、シェア率の多い順に順位を付与し、この順位を用いて順位相関係数を算出するので、所定期間において、他のクエリの上昇又は下降に対して相対的に、徐々に上昇又は下降しているクエリであるか否かを判定できる。
【0012】
本発明に係るクエリを判定する方法は、所定期間に検索に用いられたクエリと、当該クエリが検索に用いられた日付とを関連付けたデータを検索ログとして記憶する検索ログ記憶手段を備えるクエリ判定装置が、クエリが徐々に検索数が上昇又は下降しているかを判定する方法であって、クエリの入力を受け付ける受付ステップと、前記検索ログ記憶手段を参照して、前記受付ステップにより受け付けられた前記クエリの所定期間における検索数を日付ごとに集計する集計ステップと、前記所定期間を、隣り合う期間同士の一部が重複するように複数の期間に分割する分割ステップと、前記複数の期間それぞれの日付ごとの前記検索数に対して、当該日付の新しいほうから古いほうに順位を付与する第1順位付与ステップと、前記複数の期間それぞれの日付ごとの前記検索数に対して、当該検索数が多い順に順位を付与する第2順位付与ステップと、前記複数の期間それぞれにおいて、前記第1順位付与ステップにより付された順位と、前記第2順位付与ステップにより付された順位との順位相関係数を算出する算出ステップと、前記算出ステップにより算出された前記複数の期間それぞれの順位相関係数が全て第1の値以上である場合、前記クエリを徐々に検索数が上昇しているクエリと判定し、全て第2の値以下である場合、前記クエリを徐々に検索数が下降しているクエリと判定する判定ステップと、を含む。
【0013】
この方法によれば、(1)に係る発明と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、所定期間内に検索に用いられたクエリが、期間の後半になるにつれて段階的に検索数が上昇又は下降しているかを判定できる装置及び方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係るクエリ判定装置の機能構成図を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る検索ログDBを示す図である。
【図3】第1実施形態に係る制御部における処理を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態に係るクエリ判定装置の機能構成図を示す図である。
【図5】第2実施形態に係る制御部における処理を示すフローチャートである。
【図6】第3実施形態に係るクエリ判定装置の機能構成図を示す図である。
【図7】第3実施形態に係る制御部における処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明の実施形態の一例である第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るクエリ判定装置10の機能構成図を示す図である。
【0017】
本実施形態は、コンピュータ及びその周辺装置に適用される。本実施形態における各部は、コンピュータ及びその周辺装置が備えるハードウェア並びに当該ハードウェアを制御するソフトウェアによって構成される。
【0018】
上記ハードウェアには、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)の他、記憶部、通信装置、表示装置及び入力装置が含まれる。記憶部としては、例えば、メモリ(RAM:Random Access Memory、ROM:Read Only Memory等)、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)及び光ディスク(CD:Compact Disk、DVD:Digital Versatile Disk等)ドライブが挙げられる。通信装置としては、例えば、各種有線及び無線インターフェース装置が挙げられる。表示装置としては、例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の各種ディスプレイが挙げられる。入力装置としては、例えば、キーボード及びポインティング・デバイス(マウス、トラッキングボール等)が挙げられる。
【0019】
上記ソフトウェアには、上記ハードウェアを制御するコンピュータ・プログラムやデータが含まれる。コンピュータ・プログラムやデータは、記憶部により記憶され、制御部により適宜実行、参照される。また、コンピュータ・プログラムやデータは、通信回線を介して配布されることも可能であり、CD−ROM等のコンピュータ可読媒体に記録して配布されることも可能である。
【0020】
クエリ判定装置10は、このクエリ判定装置10の操作者から直接的な入力を受け付ける操作部11と、このクエリ判定装置10の機能に関する情報を表示する表示部12と、このクエリ判定装置10を機能させるための各種プログラム(図示省略)、本発明の機能を実行するプログラム(図示省略)等を記憶する記憶部13と、クエリ判定装置10に係る各機能を統括的に制御する制御部14と、を備える。
【0021】
操作部11は、例えば、キーボード及びポインティング・デバイス(マウス、トラッキングボール等)により実装される。
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の各種ディスプレイにより実装される。
【0022】
記憶部13は、上述の各種プログラムの他に、Webページの検索に用いられたクエリを検索ログとして記憶する検索ログ記憶手段としての検索ログDB131を備える。
【0023】
図2は、第1実施形態に係る検索ログDB131を示す図である。検索ログDB131は、ユーザ端末(図示省略)より、Webページの検索を行う検索エンジン(図示省略)に入力されたクエリと、このクエリが検索に用いられた日付とを関連付けたデータを検索ログとして記憶する。この検索ログDB131は、検索に用いられたクエリを示すクエリ131Aと、このクエリが検索エンジンに入力された日付を示す検索日付131Bと、を含む。
【0024】
図1に戻り、制御部14は、CPU等により構成されており、クエリ判定装置10の各処理動作の制御や情報の通信制御を行う。この制御部14は、受付手段としての受付部141と、集計手段としての集計部142と、分割手段としての分割部143と、第1順位付与手段としての第1順位付与部144と、第2順位付与手段としての第2順位付与部145と、算出手段としての算出部146と、判定手段としての判定部147と、出力部148と、を備える。
【0025】
受付部141は、クエリ判定装置10の操作者から、操作部11を介してクエリの入力を受け付ける。
【0026】
集計部142は、検索ログDB131を参照して、受付部141により受け付けられたクエリの所定期間における検索数を日付ごとに集計する。より具体的には、集計部142は、受付部141により受け付けられたクエリが検索ログDB131に含まれているか否かを判定し、検索ログDB131に含まれていると判定した場合に、所定期間におけるクエリの検索数を日付ごとに集計する。
ここで、所定期間は、1ヶ月、6ヶ月、1年といった、比較的長期間でのものである。すなわち、所定期間とは、当該所定期間における検索数の増減に対して、突発的な事件や、出来事についての検索数の増加に、影響を受けにくい長さを有する期間をいう。
【0027】
分割部143は、所定期間を、隣り合う期間同士の一部が重複するように複数の期間に均等に分割する。例えば、所定期間が1月から12月の1年であり、5つの期間に分割する場合、分割部143は、この所定期間を、1月〜4月、3月〜6月、5月〜8月、7〜10月、9〜12月に分割する。
なお、重複する期間は、特に限定されるものではない。
【0028】
第1順位付与部144は、複数の期間それぞれの日付ごとの検索数に対して、当該日付の新しいほうから古いほうに順位を付与する。
第2順位付与部145は、複数の期間それぞれの日付ごとの検索数に対して、この検索数が多い順に順位を付与する。
つまり、複数の期間それぞれの日付ごとの検索数は、第1順位付与部144及び第2順位付与部145により、2種類の順位が付される。
【0029】
算出部146は、複数の期間それぞれにおいて、第1順位付与部144により付された順位と、第2順位付与部145により付された順位との順位相関係数を算出する。具体的には、算出部146は、順位相関係数をスピアマンの順位相関係数を用いて算出する。
複数の期間をNとし、複数の期間それぞれの日付ごとの検索数における、第1順位付与部144により付与された順位と、第2順位付与部145により付与された順位との差をDとし、順位相関係数をρとすると、算出部146は、下記(1)式を用いて、ρを算出する。
【0030】
【数1】

【0031】
判定部147は、算出部146により算出された複数の期間それぞれの順位相関係数が全て第1の値以上である場合、受付部141により受け付けられたクエリが、徐々に検索数が上昇しているクエリと判定し、全て第2の値以下である場合、受付部141により受け付けられたクエリが、徐々に検索数が下降しているクエリと判定する。また、判定部147は、全て第1の値以上ではなく、さらに、全て第2の値以下ではない場合、徐々に検索数が上昇又は下降しているクエリではないと判定する。
【0032】
なお、順位相関係数が取り得る値は、−1から1である。
ここで、第1の値は、順位相関係数が正の相関であるかを判定するための基準値であり、例えば、0.7である。すなわち、順位相関係数が第1の値以上である場合、順位相関係数の算出に用いた2種類の順位は、順位相関係数の算出に用いた期間において、正の相関を持つと判定される。
【0033】
また、第2の値は、順位相関係数が負の相関であるかを判定するための基準値であり、例えば、−0.7である。すなわち、順位相関係数が第2の値以下である場合、順位相関係数の算出に用いた2種類の順位は、順位相関係数の算出に用いた期間において、負の相関を持つと判定される。
【0034】
出力部148は、判定部147により判定された結果を出力する。具体的には、出力部148は、表示部12に表示させることにより、判定部147により判定された結果を出力する。
【0035】
続いて、クエリ判定装置10の処理について説明する。図3は、第1実施形態のクエリ判定装置10の制御部14における処理を示すフローチャートである。
【0036】
ステップS1において、制御部14(受付部141)は、クエリ判定装置10の操作者より、操作部11を介して、クエリの入力を受け付ける。
ステップS2において、制御部14(集計部142)は、検索ログDB131を参照して、ステップS1で受け付けられたクエリの所定期間における検索数を日付ごとに集計する。
【0037】
ステップS3において、制御部14(分割部143)は、所定期間を、隣り合う期間同士の一部が重複するように複数の期間に均等に分割する。
ステップS4において、制御部14(第1順位付与部144)は、複数の期間それぞれの日付ごとの検索数に対して、新しい日付順、すなわち、日付の新しいほうから古いほうに順位を付与する。
【0038】
ステップS5において、制御部14(第2順位付与部145)は、複数の期間それぞれの日付ごとの検索数に対して、この検索数の多い順に順位を付与する。
ステップS6において、制御部14(算出部146)は、ステップS4で第1順位付与部144により付された順位と、ステップS5で第2順位付与部145により付された順位に基づいて、複数の期間それぞれにおける順位相関係数を算出する。
【0039】
ステップS7において、制御部14(判定部147)は、ステップS6で算出部146により算出された複数の期間それぞれの順位相関係数が全て第1の値以上であるか否かを判定する。制御部14(判定部147)は、この判定がYESである場合、処理をステップS8に移し、この判定がNOである場合、処理をステップS9に移す。
ステップS8では、制御部14(判定部147)は、ステップS1において受付部141により受け付けられたクエリが、徐々に検索数が上昇しているクエリであると判定する。
【0040】
ステップS9において、制御部14(判定部147)は、ステップS6で算出部146により算出された複数の期間それぞれの順位相関係数が全て第2の値以下であるか否かを判定する。制御部14(判定部147)は、この判定がYESである場合、処理をステップS10に移し、この判定がNOである場合、処理をステップS11に移す。
【0041】
ステップS10において、制御部14(判定部147)は、ステップS1において受付部141により受け付けられたクエリが、徐々に検索数が下降しているクエリであると判定する。
ステップS11において、制御部14(判定部147)は、ステップS1において受付部141により受け付けられたクエリが、所定期間において検索数が徐々に上昇又は下降しているクエリではないと判定する。
【0042】
ステップS12において、制御部14(出力部148)は、ステップS8、ステップS10及びステップS11にて判定された結果を出力する。この処理が終了すると、制御部14は処理を終了する。
【0043】
以上のように、クエリ判定装置10は、分割部143により、所定期間を隣り合う期間同士の一部が重複するように複数の期間に分割する。続いて、クエリ判定装置10は、第1順位付与部144により、複数の期間それぞれの日付ごとの検索数に対して、当該日付の新しいほうから古いほうに順位を付与し、第2順位付与部145により、複数の期間それぞれの日付ごとの検索数に対して、検索数が多い順に順位を付与する。続いて、クエリ判定装置10は、算出部146により、複数の期間それぞれにおいて、第1順位付与部144により付された順位と、第2順位付与部145により付された順位との順位相関係数を算出する。続いて、クエリ判定装置10は、判定部147により、算出部146により算出された複数の期間それぞれの順位相関係数が全て第1の値以上である場合、クエリを徐々に検索数が上昇しているクエリと判定し、全て第2の値以下である場合、クエリを徐々に検索数が下降しているクエリと判定する。
【0044】
つまり、クエリ判定装置10は、所定期間を複数の期間に分割して順位相関係数を算出し、これらの順位相関係数が第1の値以上(又は第2の値以下)であるかを判定するので、所定期間において、急激に検索数が上昇したり下降したりするクエリを除外できる。よって、クエリ判定装置10は、検索数が徐々に上昇しているクエリを精度よく判定できる。
また、クエリ判定装置10は、隣り合う期間同士の一部が重複するように複数の期間を分割するので、期間の区切りの部分における順位の相関も精度よく算出できる。
【0045】
[第2実施形態]
以下、本発明の実施形態の一例である第2実施形態について図を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0046】
図4は、本発明の第2実施形態に係るクエリ判定装置10aの機能構成を示す図である。
クエリ判定装置10aは、第1実施形態の集計部142、第1順位付与部144、第2順位付与部145及び算出部146に代えて、集計部142a、第1順位付与部144a、第2順位付与部145a及び算出部146aを備える。
【0047】
集計部142aは、検索ログDB131を参照して、受付部141により受け付けられたクエリの所定期間における検索数を日付ごとに集計する。続いて、集計部142aは、検索ログDB131を参照して、全てのクエリの検索数を日付ごとに集計する。続いて、集計部142aは、受付部141により受け付けられたクエリの所定期間における日付ごとの検索数を、全てのクエリの日付ごとの検索数で除算して、所定期間におけるクエリの日付ごとのシェア率を算出する。
【0048】
第1順位付与部144aは、複数の期間それぞれの日付ごとのシェア率に対して、当該日付の新しいほうから古いほうに順位を付与する。
第2順位付与部145aは、複数の期間それぞれの日付ごとのシェア率に対して、このシェア率が多い順に順位を付与する。
【0049】
算出部146aは、複数の期間それぞれにおいて、第1順位付与部144aにより付された順位と、第2順位付与部145aにより付された順位との順位相関係数を算出する。具体的には、複数の期間それぞれにおいて、複数の期間それぞれの日付ごとのシェア率における、第1順位付与部144aにより付与された順位と、第2順位付与部145aにより付与された順位との順位相関係数を、第1実施形態に示される(1)式を用いて算出する。
【0050】
図5は、第2実施形態に係るクエリ判定装置10aの制御部14aにおける処理を示すフローチャートである。
【0051】
ステップS21は、第1実施形態のステップS1と同様であるため、説明を省略する。
ステップS22において、制御部14a(集計部142a)は、検索ログDB131を参照して、受付部141により受け付けられたクエリの所定期間における検索数のシェア率を日付ごとに集計する。
ステップS23は、第1実施形態のステップS3の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0052】
ステップS24において、制御部14a(第1順位付与部144a)は、複数の期間それぞれの日付ごとのシェア率に対して、新しい日付順、すなわち、日付の新しいほうから古いほうに順位を付与する。
ステップS25において、制御部14a(第2順位付与部145a)は、複数の期間それぞれの日付ごとのシェア率に対して、このシェア率の多い順に順位を付与する。
【0053】
ステップS26において、制御部14a(算出部146a)は、ステップS24で第1順位付与部144aにより付された日付の順位と、ステップS25で第2順位付与部145aにより付されたシェア率の順位に基づいて、複数の期間それぞれにおける順位相関係数を算出する。
【0054】
ステップS27からステップS32は、第1実施形態のステップS7からステップS12の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0055】
以上のように、クエリ判定装置10aは、クエリの日付ごとのシェア率を算出し、シェア率の多い順に順位を付与し、この順位を用いて順位相関係数を算出するので、所定期間において、他のクエリの上昇又は下降に対して相対的に、徐々に上昇しているクエリであるか否かを判定できる。
【0056】
[第3実施形態]
以下、本発明の実施形態の一例である第3実施形態について図を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0057】
図6は、本発明の第3実施形態に係るクエリ判定装置10bの機能構成を示す図である。
クエリ判定装置10bは、第1実施形態の構成に加えて、制御部14bに、移動平均算出部149を備える。
【0058】
移動平均算出部149は、集計部142により集計された、クエリの日付ごとの検索数の移動平均を算出する。例えば、移動平均算出部149は、クエリの日付ごとの検索数について、n日間の移動平均を算出する。なお、移動平均において平均値をとるための日数は、例えば、7日等、検索数に周期性が確認できる範囲で算出することが好ましいが、これに限らず、その他の日数であってもよい。
【0059】
図7は、第3実施形態に係るクエリ判定装置10bの制御部14bにおける処理を示すフローチャートである。
【0060】
ステップS41及びステップS42は、第1実施形態のステップS1及びステップS2と同様であるため、説明を省略する。
【0061】
ステップS43において、制御部14b(移動平均算出部149)は、ステップS42において集計部142により集計された、クエリの日付ごとの検索数の移動平均値を算出し、この移動平均値を、当該クエリの日付ごとの検索数とする。
【0062】
ステップS44からステップS53は、第1実施形態のステップS3からステップS12と同様であるため、説明を省略する。
【0063】
以上のように、クエリ判定装置10bは、所定期間におけるクエリの日付ごとの検索数の移動平均を算出するので、所定期間において周期的に発生する検索数のゆらぎを平滑化できる。よって、クエリ判定装置10bは、この平滑化した所定期間における日付ごとの検索数を複数の期間に分割して、順位相関係数を算出するので、検索数のゆらぎを除いて順位相関係数を算出できる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0065】
10、10a、10b クエリ判定装置
11 操作部
12 表示部
13 記憶部
14、14a、14b 制御部
20 管理者端末
131 検索ログDB
141 受付部
142、142a 集計部
143 分割部
144、144a 第1順位付与部
145、145a 第2順位付与部
146、146a 算出部
147 判定部
148 出力部
149 移動平均算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定期間に検索に用いられたクエリが、徐々に検索数が上昇又は下降しているかを判定するクエリ判定装置であって、
前記クエリと、当該クエリが検索に用いられた日付とを関連付けたデータを検索ログとして記憶する検索ログ記憶手段と、
クエリの入力を受け付ける受付手段と、
前記検索ログ記憶手段を参照して、前記受付手段により受け付けられた前記クエリの前記所定期間における検索数を日付ごとに集計する集計手段と、
前記所定期間を、隣り合う期間同士の一部が重複するように複数の期間に分割する分割手段と、
前記複数の期間それぞれの日付ごとの前記検索数に対して、当該日付の新しいほうから古いほうに順位を付与する第1順位付与手段と、
前記複数の期間それぞれの日付ごとの前記検索数に対して、当該検索数が多い順に順位を付与する第2順位付与手段と、
前記複数の期間それぞれにおいて、前記第1順位付与手段により付された順位と、前記第2順位付与手段により付された順位との順位相関係数を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記複数の期間それぞれの順位相関係数が全て第1の値以上である場合、前記クエリを徐々に検索数が上昇しているクエリと判定し、全て第2の値以下である場合、前記クエリを徐々に検索数が下降しているクエリと判定する判定手段と、を備えるクエリ判定装置。
【請求項2】
所定期間に検索に用いられたクエリが、徐々に検索数が上昇又は下降しているかを判定するクエリ判定装置であって、
前記クエリと、当該クエリが検索に用いられた日付とを関連付けたデータを検索ログとして記憶する検索ログ記憶手段と、
クエリの入力を受け付ける受付手段と、
前記検索ログ記憶手段を参照して、前記受付手段により受け付けられた前記クエリの前記所定期間における検索数を日付ごとに集計するとともに、全てのクエリの検索数を日付ごとに集計し、前記所定期間における日付ごとの検索数を、全てのクエリの日付ごとの検索数で除算して、前記所定期間におけるクエリの日付ごとのシェア率を算出する集計手段と、
前記所定期間を、隣り合う期間同士の一部が重複するように複数の期間に分割する分割手段と、
前記複数の期間それぞれの日付ごとの前記シェア率に対して、当該日付の新しいほうから古いほうに順位を付与する第1順位付与手段と、
前記複数の期間それぞれの日付ごとの前記シェア率に対して、当該シェア率が多い順に順位を付与する第2順位付与手段と、
前記複数の期間それぞれにおいて、前記第1順位付与手段により付された順位と、前記第2順位付与手段により付された順位との順位相関係数を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記複数の期間それぞれの順位相関係数が全て第1の値以上である場合、前記クエリを徐々に検索数が上昇しているクエリと判定し、全て第2の値以下である場合、前記クエリを徐々に検索数が下降しているクエリと判定する判定手段と、を備えるクエリ判定装置。
【請求項3】
所定期間に検索に用いられたクエリと、当該クエリが検索に用いられた日付とを関連付けたデータを検索ログとして記憶する検索ログ記憶手段を備えるクエリ判定装置が、クエリが徐々に検索数が上昇又は下降しているかを判定する方法であって、
クエリの入力を受け付ける受付ステップと、
前記検索ログ記憶手段を参照して、前記受付ステップにより受け付けられた前記クエリの所定期間における検索数を日付ごとに集計する集計ステップと、
前記所定期間を、隣り合う期間同士の一部が重複するように複数の期間に分割する分割ステップと、
前記複数の期間それぞれの日付ごとの前記検索数に対して、当該日付の新しいほうから古いほうに順位を付与する第1順位付与ステップと、
前記複数の期間それぞれの日付ごとの前記検索数に対して、当該検索数が多い順に順位を付与する第2順位付与ステップと、
前記複数の期間それぞれにおいて、前記第1順位付与ステップにより付された順位と、前記第2順位付与ステップにより付された順位との順位相関係数を算出する算出ステップと、
前記算出ステップにより算出された前記複数の期間それぞれの順位相関係数が全て第1の値以上である場合、前記クエリを徐々に検索数が上昇しているクエリと判定し、全て第2の値以下である場合、前記クエリを徐々に検索数が下降しているクエリと判定する判定ステップと、を含む方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−180722(P2011−180722A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42683(P2010−42683)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】