説明

クライアント端末、コンテンツ受信方法、およびセッション管理装置

【課題】メタデータをもとにコンテンツを配信可能なサーバとのセッションの制御を実現する。
【解決手段】このクライアント端末は、コンテンツの場所を示す情報と、コンテンツを配信可能なサーバから当該コンテンツを受信するためのセッションを確立するために必要な情報を含むメタデータを取得するメタデータ取得部と、取得したメタデータをもとに、コンテンツの場所を示す情報を格納する宛先部とセッションを確立するために必要な情報を格納するボディ部とを有するメッセージを生成するメッセージ生成部と、生成されたメッセージを、前記セッションの制御を行うことが可能なサーバに送信するメッセージ送信部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを配信可能なサーバとの間にセッションを確立してコンテンツを視聴するクライアント端末、コンテンツ受信方法、およびセッション管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IPTV(Internet Protocol Television)は、IPを利用してデジタルテレビ放送を配信するサービス、またはその放送技術の総称である。IPTVのセッション制御の標準候補はIMS(IP Multimedia Sub-system)である。ETSIやITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)でのNGN(Next Generation Network)の標準化においては、IMSが前提となっている。NGNはIP技術をベースとした次世代の基幹ネットワークである。
【0003】
IMSは、パケット通信を利用した携帯電話のマルチメディアサービスのこと、あるいはそのようなサービスを実現するための標準である。IMSでは、SIP(Session Initiation Protocol)と呼ばれるIP電話の方式を利用して、マルチメディアセッションをセキュアにかつQoSを保証して制御することができる。すなわち、IMSでは、IPTVのセッションを確立する際に、SIPを利用して、セキュアでQoSの保証されたエンド・ツゥ・エンドのパスを確保して、IPTVのストリーミング等のセッションを制御することができる。
【0004】
この場合、セッションを確立するために必要なパラメタ(例えばQoS制御のためのパラメタ)がSDP(Session Description Protocol)に記述される。このSDPをボディ部に格納したSIP-INVITEメッセージを、IMS-SIPサーバとコンテンツの提供者がもつ端末との間、さらにはIMS-SIPサーバとコンテンツを視聴するユーザのもつ端末との間で相互に交換することにより、エンド・ツゥ・エンドでセッションを確立するためのパラメタのネゴシエーションが行われる。また、SIP-INVITEメッセージの宛先を示すSIP-URI(Uniform Resource Identifier)には、相手の人(ユーザ)を指定することにより、しかるべきアドレス解決(名前から端末のアドレスへのマッピング)がなされて相手の持っている端末にメッセージが届きセッションが確立される。
【0005】
特許文献1においては、IMS-SIPを用いたセッション制御の例が挙げられている。すなわち、画像通信装置間で画像通信を行うためのセッションを確立するために、要求元である画像通信装置からの送信要求パケットを受信したADSLゲートウェイからVoIPサービス業者のSIPプロキシに対して、SIPの仕様に基づくセッション要求メッセージ(INVITEメッセージ)を送信し、SIPプロキシは、セッション要求メッセージのヘッダに記述されている宛先のアドレス解決後に、その宛先のADSLゲートウェイへセッション要求メッセージ(INVITEメッセージ)を送信することとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−147128号参照(段落0046等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、IMS-SIPをIPTVのセッション制御に応用するためには、SIP-INVITEメッセージ等、セッションの確立を促すためのメッセージに、視聴対象のコンテンツならびにコンテンツを提供するサーバへアドレス解決できる情報と、コンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立に必要なパラメタを記述したSDPを格納することが必要になる。
【0008】
セッションの確立を促すためのメッセージは、IPTVクライアントアプリケーション13がコンテンツのメタデータをもとに作成しているが、この場合に次のような問題があった。
【0009】
IPTV(Internet Protocol Television)の標準化における標準メタデータフォーマットの候補がTV-Anytimeメタデータである。TV-Anytimeメタデータは、ETSI(European Telecommunications Standards Institute)で規格化されたメタデータの標準である。例えば、DVB(Digital Video Broadcasting)でのIPTV標準や、ITU-TにおけるIPTV標準のメタデータフォーマットとしてTV-Anytimeメタデータが候補となっている。
【0010】
しかしながら、TV-Anytimeメタデータの規格においては、IMS上でのIPTVセッションの制御に必要な情報を格納する規定がないため、現状では、TV-AnytimeメタデータをもとにIMS上でのIPTVセッションの制御を実現することができなかった。
【0011】
また、一般的なIPTVシステムでは、図20に示すように、IPTVクライアント端末10とIPTVサーバ20との間でコンテンツを視聴するためのセッションが確立されるまでに、アクセス制御210つまりどのユーザがどのコンテンツにアクセスできるかのアクセス権の制御のためのシグナリング(メッセージ交換)と、セッション制御220つまりコンテンツを視聴するためのセッションを確立する制御のためのシグナリングとが分離して行われる。
【0012】
図21は、この一般的なIPTVシステムにおいて、IPTVクライアント端末10とIPTVサーバ20との間で、コンテンツの視聴のためのIPTVセッションが確立されるまでの手順を示すシーケンス図である。
【0013】
メタデータサーバ40は、IPTVクライアント端末10のEPG(Electronic program Guide)アプリケーション14からの、コンテンツのメタデータの取得要求を受けて、コンテンツのメタデータを応答する(ステップS801)。このコンテンツのメタデータには、例えば、コンテンツのタイトル、そのコンテンツを識別するコンテンツID、そのコンテンツを配信するIPTVサーバのURLなどが記述されている。
【0014】
EPGアプリケーション14は、メタデータを取得した後(ステップS802)、このメタデータをもとにコンテンツの検索・選択用のインタフェース画面を作成してユーザに呈示する(ステップS803)。このインタフェース画面を用いて、ユーザによって、視聴したいコンテンツの検索・選択が行われると、EPGアプリケーション14は、その選択されたコンテンツを特定し(ステップS804)、取得したメタデータからそのコンテンツのコンテンツIDを取り出し、このコンテンツIDをIPTVクライアントアプリケーション13に渡す。
【0015】
IPTVクライアントアプリケーション13は、EPGアプリケーション14よりコンテンツIDを受けると、そのコンテンツIDを含む、当該コンテンツに対するアクセス権の確認を要求するメッセージをネットワークを通じてアクセス制御サーバ31に送信する(ステップS805)。アクセス制御サーバ31は、このアクセス権確認要求のメッセージを受信すると、これに含まれるコンテンツIDをもとにアクセス権確認の処理を行う(ステップS806)。コンテンツのアクセス権を許諾する場合、アクセス制御サーバ31は、アクセス権許諾の応答メッセージをネットワークを通じてIPTVクライアント端末10のIPTVクライアントアプリケーション13に送信するとともに、IPTVサーバ20に当該コンテンツのアクセス権をIPTVクライアント端末10に許諾したことを示すメッセージを送信する。
【0016】
IPTVクライアントアプリケーション13は、コンテンツのアクセス権許諾の応答を受信した場合には、当該コンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立に必要なパラメタ(例えばQoS制御のためのパラメタ等)の取得を要求するメッセージを、ネットワークを介して、そのコンテンツの配信元であるIPTVサーバ20に送信する(ステップS807)。このパラメタ取得要求のメッセージには、視聴対象のコンテンツのコンテンツID等も含まれている。
【0017】
IPTVサーバ20は、IPTVクライアント端末10のIPTVクライアントアプリケーション13からのパラメタ取得要求のメッセージを受けると、このメッセージに含まれる視聴対象のコンテンツのコンテンツIDと、アクセス制御サーバ31より事前に受信したアクセス権許諾のメッセージの内容とから、そのパラメタ取得要求が、IPTVクライアント端末10に対してアクセス権許諾済みのコンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立に必要なパラメタの所得要求であるかどうかを判定し、そうであれば、必要なパラメタを検索し、検索したパラメタをネットワークを通じてIPTVクライアント端末10のIPTVクライアントアプリケーション13に応答する(ステップS808)。
【0018】
この後、IPTVクライアントアプリケーション13は、取得したパラメタをもとに当該コンテンツを視聴するためのセッションの確立に必要なネットワークリソースの確保を要求するメッセージを生成し、これをネットワークを通じてネットワークリソース管理サーバ32とIPTVサーバ20にそれぞれ送信する (ステップS809)。
【0019】
ネットワークリソース管理サーバ32は、このネットワークリソース確保要求のメッセージを受信すると、このメッセージに含まれているパラメタをもとに当該コンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立に必要なネットワークリソースの確保のための処理を行う(ステップS810)。一方、IPTVサーバ20は、ネットワークリソース確保要求のメッセージを受信すると、このメッセージに含まれているパラメタをもとに当該コンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立に必要なネットワークリソースを確保し(ステップS811)、IPTVクライアント端末10のIPTVクライアントアプリケーション13との間でIPTVセッションを確立する処理を行う(ステップS812及びステップS813)。
【0020】
このように、一般的なIPTVシステムでは、IPTVクライアント端末10とIPTVサーバ20との間でコンテンツを視聴するためのセッションが確立されるまでに、アクセス制御210のためのシグナリングと、セッション制御220のためのシグナリングとが行われ、プロトコル処理のオーバヘッドが嵩むという問題があった。
【0021】
本発明は、かかる実情に鑑み、メタデータをもとにコンテンツを配信可能なサーバとのセッションの制御を実現することのできるコンテンツを配信可能なサーバとの間にセッションを確立してコンテンツを視聴するクライアント端末、コンテンツ受信方法、およびセッション管理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の側面のクライアント端末は、コンテンツの視聴のために当該コンテンツを受信するためのセッションの確立を行うためのメッセージの生成に必要な情報を含むメタデータを取得するメタデータ取得部と、前記取得したメタデータをもとに、ユーザによって視聴対象として選択されたコンテンツについて、前記コンテンツを識別するためのコンテンツ識別子を格納する宛先部と前記セッションを確立するために必要な情報を格納するボディ部とを有するメッセージを生成するメッセージ生成部と、前記生成されたメッセージを、前記セッションの制御を行うサーバに送信するメッセージ送信部とを具備する。
【0023】
本発明によれば、メッセージ生成部が、取得したメタデータから、コンテンツを配信可能なサーバからコンテンツを受信するためのセッションの確立を促すためのメッセージを生成し、メッセージ送信部がこのメッセージをセッションを確立する制御を行うサーバに送信することで、クライアント端末とコンテンツを配信可能なサーバとの間でのセッションが確立される。
【0024】
前記セッションを確立するために必要な情報はQoS(Quality of Service)の制御のための情報を含むものであってよい。
【0025】
前記クライアント端末は携帯機器であってよい。
【0026】
本発明の第2の側面であるコンテンツ受信方法は、コンテンツを受信するためのセッションを確立を行うためのメッセージの生成に必要な情報を含むメタデータを取得し、前記取得したメタデータをもとに、ユーザによって視聴対象として選択されたコンテンツについて、前記コンテンツを識別するためのコンテンツ識別子を格納する宛先部と前記セッションを確立するために必要な情報を格納するボディ部とを有するメッセージを生成し、前記生成されたメッセージを、前記セッションの制御を行うサーバに送信するというものである。
【0027】
本発明の第3の側面であるセッション管理装置は、コンテンツの視聴のために前記コンテンツを受信するためのセッションの確立を行うためのメッセージの生成に必要な情報を含むメタデータを取得することが可能なクライアント端末より、前記コンテンツを識別するためのコンテンツ識別子および前記セッションを確立するために必要な情報を含むセッション確立要求を受信し、前記コンテンツ識別子を格納する宛先部と前記セッションを確立するために必要な情報を格納するボディ部とを有するメッセージを生成し、前記セッションの制御を行うことが可能なサーバに送信するセッション処理部を具備するものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、メタデータをもとにコンテンツを配信可能なサーバとのセッションの制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるIPTVシステムでのIMS上のIPTVセッション制御の概要を示す図である。
【図2】図1のIPTVシステムにおいてIMS-SIPによるセッション制御にアクセス制御のシグナリングを組み込んだ状態を示す図である。
【図3】図1のIPTVシステムの全体的な構成を示す図である。
【図4】図1のIPTVシステムにおいて、IPTVクライアント端末とIPTVサーバとの間でIPTVセッションが確立されるまでの動作を示すシーケンス図である。
【図5】SIP-URI及びSDPを格納したTV-Anytimeメタデータの例を示す図である。
【図6】SDP要素の導入のためのXMLスキーマの拡張に必要なXMLスキーマのシンタクスの例を示す図である。
【図7】メタデータサーバでのTV-Anytimeメタデータの生成から、IPTVクライアント端末でのSIP-INVITEメッセージの生成までのシーケンスを示す図である。
【図8】SIP-INVITEメッセージのフォーマットを示す図である。
【図9】TV-AnytimeメタデータにtransportQuality要素を導入する拡張のためのXMLスキーマのシンタクスの例を示す図である。
【図10】図9のtransportQuality要素導入のXMLスキーマ拡張により、転送品質等のQoSパラメタが格納されたTV-Anytimeメタデータの例を示す図である。
【図11】transportQualityCS制限用語辞書の定義の例を示す図である。
【図12】VisualCodingFormatCS制限用語辞書の定義の例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態にかかるSIP-URIが格納されたTV-Anytimeメタデータの例を示す図である。
【図14】メタデータサーバでの図13に示したTV-Anytimeメタデータの生成から、IPTVクライアント端末でのSIP-INVITEメッセージの生成までのシーケンスを示す図である。
【図15】sipURI属性導入の拡張のためのXMLスキーマのシンタクスの例を示す図である。
【図16】sipURI属性を導入するXMLスキーマ拡張によりSIP-URIが格納されたTV-Anytimeメタデータの例を示す図である。
【図17】メタデータサーバでの図16に示したTV-Anytimeメタデータの生成から、IPTVクライアント端末でのSIP-INVITEメッセージの生成までのシーケンスを示す図である。
【図18】IPTVクライアント端末のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図19】サーバのハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図20】一般的なIPTVシステムにおける、アクセス制御のためのシグナリングとセッション制御のためのシグナリングとの関係を示す図である。
【図21】一般的なIPTVシステムにおいて、IPTVクライアント端末とIPTVサーバとの間で、コンテンツの視聴のためのIPTVセッションが確立されるまでの手順を示すシーケンス図である。
【図22】本発明の第4の実施形態にかかるIPTVシステムの全体的な構成を示す図である。
【図23】第4の実施形態のIPTVシステムにおいて、IPTVクライアント端末とIPTVサーバとの間でIPTVセッションが確立されるまでの動作を示すシーケンス図である。
【図24】インスタンス選択基準の設定画面の例を示す図である。
【図25】IPTVクライアント端末からIMSゲートウェイに送信されるセッション確立要求に含まれるリストの例を示す図である。
【図26】第4の実施形態の変形例1である動作を示すフローチャートである。
【図27】優先度選択画面とユーザによる各インスタンスの優先度の選択例を示す図である。
【図28】コンテンツの選択画面の例を示す図である。
【図29】第4の実施形態の変形例1である動作を示すフローチャートである。
【図30】本発明の第5の実施形態にかかるIPTVシステムの全体的な構成を示す図である。
【図31】本発明の第6の実施形態にかかるIPTVシステムの全体的な構成を示す図である。
【図32】第6の実施形態のIPTVシステムにおいて、IPTVクライアント端末とIPTVサーバとの間でIPTVセッションが確立されるまでの動作を示すシーケンス図である。
【図33】デバイス/ユーザ優先度を設定するための画面の構成を示す図である。
【図34】2つのIPTVクライアント端末からIMSゲートウェイに送信された2つのセッション確立要求に含まれるリストの例を示す図である。
【図35】第7の実施形態のIPTVシステムにおいて、IPTVクライアント端末とIPTVサーバとの間でIPTVセッションが確立されるまでの動作を示すシーケンス図である。
【図36】図35から続くシーケンス図である。
【図37】第7の実施形態の変形例を示すフローチャートである。
【図38】第6の実施形態の変形例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるIPTVシステム100でのIMS上のIPTVセッション制御の概要を示す図である。
【0032】
同図に示すように、この実施形態のIPTVシステム100では、コンテンツを視聴するユーザが持つIPTVクライアント端末10とコンテンツを配信するIPTVサーバ20との間で、IMSプラットフォームを提供するサーバ群30を介して、SIP-INVITEメッセージ、SIP-BYEメッセージ等のSIPメッセージを交換する。これにより、IPTVクライアント端末10とIPTVサーバ20との間での、コンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立/解放等の制御が行われる。
【0033】
図3は、図1のIPTVシステム100の全体的な構成を示す図である。
【0034】
同図に示すように、このIPTVシステム100は、コンテンツを視聴するユーザ1が持つIPTVクライアント端末10、コンテンツを配信するIPTVサーバ20、IMSプラットフォームを提供するサーバ群30、メタデータサーバ40、及びこれらを接続可能なネットワーク3とで構成される。
【0035】
IPTVクライアント端末10は、例えば、PC、セットップボックス、TV等の端末機器である。IPTVクライアント端末10は、ユーザインタフェース部11、ネットワークインタフェース部12、IPTVクライアントアプリケーション13、EPGアプリケーション14、メタデータ記憶部15、コンテンツ記憶部16、コンテンツ再生部17等を備える。
【0036】
ユーザインタフェース部11は、ユーザ1に対する入出力を処理する。例えば、ユーザインタフェース部11は、ユーザ1からの各種の指令を入力して、IPTVクライアントアプリケーション13やEPGアプリケーション14に出力したり、IPTVクライアントアプリケーション13やEPGアプリケーション14からユーザ1への応答やコンテンツの再生情報を出力する処理などを行う。
【0037】
ネットワークインタフェース部12は、インターネット等のネットワーク3とのインタフェースを提供する。
【0038】
IPTVクライアントアプリケーション13は、IPTVクライアント端末10をIPTVクライアントとして動作させるための制御を行うソフトウエアである。
【0039】
EPGアプリケーション14は、ネットワーク3を通じてメタデータサーバ40よりコンテンツのメタデータを取得する処理、このメタデータを用いて視聴対象のコンテンツをユーザ1に検索・選択させるためのインタフェース画面を作成する処理、さらには、このインタフェース画面でユーザ1によって選択されたコンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立を促すためのメッセージの作成に必要な情報をメタデータより抽出して、IPTVクライアントアプリケーション13に渡す処理等を行う。
【0040】
メタデータ記憶部15は、例えば、ハードディスクドライブや半導体メモリ等の記憶装置で構成され、メタデータサーバ40より取得したコンテンツのメタデータを格納する。
【0041】
コンテンツ記憶部16は、例えば、ハードディスクドライブや半導体メモリ等の記憶装置で構成され、IPTVセッションが確立されたIPTVサーバ20よりストリーミングやダウンロード等により受信したコンテンツのデータを格納する。
【0042】
コンテンツ再生部17は、コンテンツ記憶部16に格納されたコンテンツのデータのデコードから再生までの処理を行う。
【0043】
メタデータサーバ40は、IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14からの取得要求に応じて、自身に管理されているコンテンツのメタデータを送信する。
【0044】
IMSプラットフォームを提供するサーバ群30は、コンテンツに対するアクセス権の確認等の制御を行うアクセス制御サーバ31、IPTVセッションを確立するために必要なネットワークリソースを管理するネットワークリソース管理サーバ32、IMS-SIPを用いてIPTVセッションの確立/解放等の制御を行うIMS-SIPサーバ33等で構成される。
【0045】
IMS-SIPサーバ33は、IPTVクライアント端末10のIPTVクライアントアプリケーション13よりSIP-INVITEメッセージを受信したとき、このSIP-INVITEメッセージの宛先に格納されたSIP-URIを用いてアクセス制御サーバ31に対して当該コンテンツのアクセス権の確認を依頼する処理を行う。また、IMS-SIPサーバ33は、アクセス制御サーバ31よりそのコンテンツのアクセス権の許諾を受けたとき、SIP-INVITEメッセージのボディ部に格納されたSDPを用いてネットワークリソース管理サーバ32に対して、当該コンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立に必要なネットワークリソースの確保を依頼する処理を行う。さらに、IMS-SIPサーバ33は、ネットワークリソース管理サーバ32よりネットワークリソースの確保応答を受信したとき、IPTVクライアントアプリケーション13より受信したSIP-INVITEメッセージを、このSIP-INVITEメッセージの宛先に格納されたSIP-URIをもとに該当するIPTVサーバ20に送信する処理を行う。
【0046】
IPTVサーバ20は、配信可能なコンテンツのデータを管理しており、IPTVクライアント端末10のIPTVクライアントアプリケーション13との間で、コンテンツの視聴のためのIPTVセッションを確立して、IPTVクライアント端末10のIPTVクライアントアプリケーション13に対して、コンテンツのストリーミングあるいはダウンロード等による配信を行う。
【0047】
図18は、IPTVクライアント端末10のハードウェアの構成を示すブロック図である。同図に示すように、CPU(Central Processing Unit)501には、システムバス502を介して、ROM(Read Only Memory)503と、RAM(Random Access Memory)504と、入力操作部505と、表示部506と、音声出力部507と、ネットワークインタフェース部12と、光通信部511と、記憶部512とが接続されている。
【0048】
入力操作部505は、各種のキーなどを備え、ユーザからの各種の命令やデータの入力を処理する。入力操作部505によってユーザより入力された命令は、図示しない入力インタフェース部によってシステムバス502を通じてCPU501に供給される。表示部506は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示器と、表示器を駆動する表示制御回路よりなる。音声出力部507は、デジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換する回路と、スピーカなどよりなる。入力操作部505、表示部506、音声出力部507は、図3のユーザインタフェース部11に相当する。ネットワークインタフェース部12は、ネットワーク3との有線または無線での接続を処理する。
【0049】
光通信部511は、リモートコントローラやその他の外部機器との間での通信を処理するためのインタフェースであり、具体的には、赤外線などの光を無線媒体として外部機器との通信を行うものである。また、光の他に、電波、音波、電磁波などの他の無線媒体を用いてもよい。記憶部512は、例えば、ハードディスクドライブや半導体メモリ等の記憶装置である。
【0050】
ROM503は、IPTVクライアント端末10としての機能をコンピュータに実行させるためのプログラムやデータなどが恒久的に格納された読み出し専用メモリである。なお、プログラムは記憶部512に格納されていてもよい。RAM504は、ROM503や記憶部512からロードされたプログラムやプログラムの作業データ等を書き込むために使用されるメモリである。CPU501は、ROM503に格納されたプログラムやRAM504にロードされたプログラムを解釈実行するための演算処理を行う。
【0051】
図19は、IPTVサーバ20、アクセス制御サーバ31、ネットワークリソース管理サーバ32、IMS-SIPサーバ33、メタデータサーバ40のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【0052】
IPTVサーバ20、アクセス制御サーバ31、ネットワークリソース管理サーバ32、IMS-SIPサーバ33、メタデータサーバ40はいずれも、図19に示すように、パーソナルコンピュータなどの典型的なコンピュータシステムからなる構成とされている。
【0053】
すなわち、CPU601には、システムバス609を介して、ROM602と、RAM603と、ネットワークインタフェース部604と、キーボード、マウスなどよりなる入力部605と、CRT(Cathode Ray Tube)、LCDなどよりなるディスプレイとスピーカなどよりなる出力部606と、メディアインタフェース部607と、ハードディスクドライブや不揮発性メモリなどよりなる記憶部608とが接続されている。
【0054】
ネットワークインタフェース部604は、ネットワーク3との有線または無線での接続を処理する。記憶部608には、特定のサーバとしての機能をコンピュータに実行させるためのプログラムと、各種のデータなどが格納されている。CPU601は、ROM602や記憶部608からプログラムをRAM602へロードして、解釈実行するための演算処理を行う。メディアインタフェース部607には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア2が適宜装着され、それらから読み出されたプログラムが、必要に応じて記憶部608にインストールされる。
【0055】
次に、本実施形態のIPTVシステム100において、IPTVクライアント端末10とIPTVサーバ20との間でIPTVセッションが確立されるまでの動作を説明する。
【0056】
図4は、この動作を示すシーケンス図である。IPTVクライアント端末10においては、IPTVクライアントアプリケーション13及びEPGアプリケーション14が既に起動されているものとする。
【0057】
メタデータサーバ40は、コンテンツのメタデータを作成して格納しており(ステップS101)、IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14より、メタデータの取得要求を受けたとき、そのIPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14にコンテンツのメタデータを提供する(ステップS102)。IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14は、メタデータサーバ40よりコンテンツのメタデータを受信し、メタデータ記憶部15に格納する(ステップS103)。
【0058】
EPGアプリケーション14は、取得したメタデータをもとに、コンテンツの検索・選択用のインタフェース画面を作成してユーザインタフェース部11を通じてユーザ1に呈示する(ステップS104)。このインタフェース画面を用いて、ユーザ1によって、視聴したいコンテンツの検索・選択が行われると(ステップS105)、EPGアプリケーション14は、ユーザ1によって視聴対象として選択されたコンテンツを判断し、メタデータ記憶部15に記憶されたメタデータから当該視聴対象コンテンツの場所を指定するSIP-URIと、このコンテンツに対応するSDPを抽出してIPTVクライアントアプリケーション13に渡す(ステップS106)。
【0059】
IPTVクライアントアプリケーション13は、EPGアプリケーション14より取得したSIP-URI及びSDPを用いて、そのコンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立を促すためのSIP-INVITEメッセージを生成し(ステップS107)、このSIP-INVITEメッセージを、ネットワーク3を通じて、IMSプラットフォームを提供するサーバ群30におけるIMS-SIPサーバ33に送信する(ステップS108)。
【0060】
IMSプラットフォームを提供するサーバ群30において、IMS-SIPサーバ33は、IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14からのSIP-INVITEメッセージを受信すると、このSIP-INVITEメッセージからSIP-URIを抽出し、このSIP-URIを少なくとも含む、コンテンツのアクセス権の確認を依頼するメッセージをアクセス制御サーバ31に送信する。アクセス制御サーバ31は、このアクセス権確認依頼のメッセージに含まれるSIP-URIをもとに当該コンテンツのアクセス権の確認を行う(ステップS109)。アクセス制御サーバ31は、当該コンテンツのアクセス権を許諾することを判定した場合には、IMS-SIPサーバ33にアクセス権許諾の応答メッセージを送信し、当該コンテンツのアクセス権を許諾しないことを判定した場合には、IMS-SIPサーバ33にアクセス権非許諾の応答メッセージを送信する。以後、アクセス権が許諾された場合について説明を続ける。
【0061】
IMS-SIPサーバ33は、アクセス権許諾の応答メッセージを受信すると、SIP-INVITEメッセージのボディ部からSDPを抽出し、このSDPを用いて、ネットワークリソースの確保を要求するメッセージを生成してネットワークリソース管理サーバ32に送信する。ネットワークリソース管理サーバ32はネットワークリソース確保要求のメッセージを受けると、これに含まれるSDPをもとに、コンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立に必要なネットワークリソースの確保のための処理を行った後(ステップS110)、IMS-SIPサーバ33にネットワークリソースの確保応答のメッセージを送信する。IMS-SIPサーバ33は、ネットワークリソースの確保応答のメッセージを受信すると、SIP-INVITEメッセージの宛先をもとに、SIP-INVITEメッセージをIPTVサーバ20に送信する(ステップS111)。
【0062】
IPTVサーバ20は、IMS-SIPサーバ33よりIMS-INVITEメッセージを受信すると、コンテンツを視聴するためのIPTVセッションを確立するために必要なネットワークリソースを確保し(ステップS112)、IPTVクライアント端末10のIPTVクライアントアプリケーション13との間でIPTVセッションを確立する処理を行う(ステップS113及びステップS114)。
【0063】
この後、図示は省略したが、確立されたIPTVセッションを用いて、IPTVサーバ20からIPTVクライアント端末10のIPTVクライアントアプリケーション13への、ストリーミングまたはダウンロードによるコンテンツのデータの配信が行われる。
【0064】
コンテンツのメタデータのフォーマットにはTV-Anytimeを用いることとする。このTV-Anytimeの規格には、IMS上のIPTVセッション制御に必要な情報を提供する規定が設けられていない。そこで、この実施形態においては、IMS上のIPTVセッション制御に必要な情報である、コンテンツの場所を指定するSIP-URIと、このコンテンツを視聴するためのセッションの確立に必要なパラメタが記述されたSDPを、次のような方法でTV-Anytimeメタデータに格納している。
【0065】
次に、TV-Anytimeメタデータにコンテンツの場所を指定するSIP-URI及びSDPを格納する方法について説明する。
【0066】
図5にSIP-URI及びSDPを格納したTV-Anytimeメタデータの例を示す。
【0067】
TV-AnytimeメタデータはTVAMain要素50をルート要素に持つXML(Extensible Markup Language)ドキュメントである。ルート要素であるTVAMain要素50の下にはProgramDescription要素51が配置される。さらにその下にはProgramInformationTable要素52、ProgramLocationTable要素53が配置される。ProgramInformationTable要素52の下には、1つ以上のProgramInformation要素54を配置できる。ProgramInformation要素54の下には、コンテンツのタイトルが格納されるTitle要素56、その他のコンテンツのメタデータが格納される要素(図示せず)を子要素として有するBasicDescription要素57が配置されている。また、ProgramInformation要素54はprogramId属性を持ち、ここにコンテンツを識別するIDであるCRID(Content Reference Identifier)が格納される。
【0068】
CRIDのフォーマットは、"crid://<CRID_Authority"のDNS名>/<CRID_Authority内で一意な識別子>"とされ、例えば、"crid://ca.com/123"のように定義される。CRID_Authorityは、CRIDを一意(スコープはCRID_Ahthority)に振り出すエンティティである。
【0069】
ProgramLocationTable要素53の下には、ProgramLocation要素の派生であるOnDemandProgram要素55を1つ以上配置できる。OnDemandProgram要素55の下には、CRIDをcrid属性の値として格納するProgram要素61、コンテンツの場所を指定するSIP-URIが格納されるprogramURL要素59、InstanceDescription要素60が配置されている。
【0070】
TV-Anytimeにおいて、ProgramURLは、"An element specifying a programme location."と定義されており、コンテンツの場所は、通常、"http://..."等のURL(Uniform Resource Locator)で指定される。本実施形態では、コンテンツの場所を指定するために、SIPのメッセージの宛先であるSIP-URIが採用されている。SIP-URIは、例えば、"sip:ca.com_123@as.sp.com"のような形式で指定される。ここで、"ca.com_123"は、CRIDである"crid://abc.com/123"において、URLにおけるスキームを示す"crid:"と"//"を削除し、セパレータである"/"を"_"に置換して生成される。"@"以降の"as.sp.com"は、IPTVサーバ20のDNS(Domain Name System)名である。
【0071】
InstanceDescription要素60の下には、コンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立に必要なパラメタである、例えば、セッション名、セッション生成者、セッション有効期間、メディア記述として音声や動画を送受信するために必要なコーデックの情報等を含むSDPを格納するSDP要素62が配置されている。しかし、TV-Anytimeの規格には、SDPを格納できる要素が定められていないので、この実施形態では、オリジナルのTV-Anytimeメタデータに対するXMLスキーマで定義されるInstanceDescription要素に対応する型であるInstanceDescriptionType要素を拡張して、SDPを格納するためのSDP要素62を新たに導入している。
【0072】
図6はこのSDP要素の導入のためのXMLスキーマ拡張に必要なXMLスキーマのシンタクスの例である。このXMLスキーマのシンタクスには、オリジナルのTV-Anytimeメタデータを識別する名前空間63、XMLスキーマを識別する名前空間64、新しく定義するスキーマが"urn:IPTV"で識別されることの宣言65、新しいXMLスキーマにおけるInstanceDescriptionTypeの定義66、拡張するオリジナルのTV-Anytimeの要素の指定67、追加する属性であるSDPの定義68が含まれている。
【0073】
図5に示したTV-Anytimeメタデータの例では、InstanceDescription要素60内のxsi:type属性によるオーバーライドによって、上述のXMLスキーマの拡張で導入された名前空間"urn:IPTV"のInstanceDescriptionType型を参照することにより、オリジナルのTV-AnytimeメタデータのInstanceDescription要素が、このXMLスキーマの拡張で定義されたSDP要素62を持つInstanceDescription要素60に置換される。
【0074】
図7は、メタデータサーバ40での図5に示したTV-Anytimeメタデータの生成から、IPTVクライアント端末10でのSIP-INVITEメッセージの生成までのシーケンスを示す図である。
【0075】
メタデータサーバ40で図5に示したTV-Anytimeメタデータを作成する場合の手順は次の通りである。メタデータサーバ40は、まず、ProgramInformation要素54のprogramId属性の値としてコンテンツを識別するCRIDである"crid://ca.com/123"を格納する。次に、メタデータサーバ40は、OnDemandProgram要素55におけるProgram要素61のcrid属性の値として"crid://ca.com/123"を格納する。これにより、ProgramInformation要素54とOnDemandProgram要素55とがcrid属性の値によって紐付けられる。次に、メタデータサーバ40は、OnDemandProgram要素55におけるprogramURL要素59に、crid属性の値である"crid://ca.com/123"とコンテンツの配信元であるIPTVサーバ20のDNS名"as.sp.com"とから生成した"sip:ca.com_123@as.sp.com"をコンテンツの場所を指定するSIP-URIとして格納する。さらに、メタデータサーバ40は、そのコンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立に必要なパラメタを含むSDPを、XMLスキーマの拡張で、InstanceDescription要素60の下に導入されたSDP要素62に格納する。ここまでで、1つのコンテンツに関するSIP-URI及びSDPの格納が完了となる。実際には、複数のコンテンツについてSIP-URI及びSDPの格納が繰り返され、その都度、ProgramInformationTable要素52内のProgramInformation要素54とProgramLocationTable要素53内のOnDemandProgram要素55が追加されて行くこととなる(ステップS101)。
【0076】
IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14は、ネットワーク3を通じてメタデータサーバ40に対してコンテンツのメタデータの取得要求を送信し、メタデータサーバ40から、そのTV-Anytimeメタデータを取得する(ステップS103)。EPGアプリケーション14は、取得したTV-AnytimeメタデータにおけるProgramInformationTable要素52内の1以上のProgramInformation要素54の内容をもとにコンテンツのタイトル等を含む、コンテンツの検索・選択用のインタフェース画面を作成して、ユーザインタフェース部11を通じてユーザ1に呈示する(ステップS104)。この画面を用いてユーザ1によって所望のコンテンツのタイトルが選択されると、EPGアプリケーション14は、そのタイトルをTitle要素56の内容とするProgramInformation要素54のprogramId属性の値を取り出す(ステップS105)。ここで、CRIDが"crid://ca.com/123"であるコンテンツが視聴対象として選択されたこととする。
【0077】
EPGアプリケーション14は、このコンテンツの選択情報を受けて、取得したTV-Anytimeメタデータから、Program要素61のcrid属性の値が"crid://ca.com/123"であるOnDemandProgram要素55のProgramURL要素59に格納されたSIP-URIである"sip:ca.com_123@as.sp.com"と、そのOnDemandProgram要素55内のInstanceDescription要素60の下に配置されたSDP要素62のSDPの内容を取り出してIPTVクライアントアプリケーション13に渡す(ステップS106)。
【0078】
IPTVクライアントアプリケーション13は、EPGアプリケーション14より渡されたSIP-URIである"sip:ca.com_123@as.sp.com"をSIP-INVITEメッセージの宛先に格納するとともに、EPGアプリケーション14より渡されたSDPを、SIP-INVITEメッセージのボディ部に格納する。これによってコンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立を促すためのSIP-INVITEメッセージが生成される(ステップS107)。IPTVクライアントアプリケーション13は、この生成したSIP-INVITEメッセージをネットワーク3を通じてIMS-SIPサーバ33へ送信する(ステップS108)。以後の動作は、図4を参照して説明したとおりである。
【0079】
図8は、SIP-INVITEメッセージのフォーマットを示す図である。ここで、SIP-INVITEメッセージの宛先であるSIP-URIの部分71には、視聴しようとしているコンテンツへアドレス解決できる情報、つまり上記の例においては"sip:ca.com_123@as.sp.com"が格納され、ボディ部72にはSDPが格納される。IPTVシステム100では、このSIP-INVITEメッセージを、IMS-SIPサーバ33を介してIPTVクライアント端末10とIPTVサーバ20との間で相互に交換することにより、コンテンツを視聴するためのIPTVセッションを確立するためのパラメタのネゴシエーションが行われる。
【0080】
次に、図5に示したTV-Anytimeメタデータの変形例を説明する。
【0081】
図5に示したTV-AnytimeメタデータのSDP要素62の"SDPの内容"の部分にはSDPの記述そのものが格納されるが、SDP要素62内に表現される、例えば、コーデックやQoSパラメタ等の情報については、このままではXMLの要素としては抽出することはできない。市場に浸透してきているネイティブXMLデータベースのようなXML要素やその属性をそのまま検索の対象として扱えるようなデータベースに、SDPを含むTV-Anytimeメタデータを格納する場合、SDPの内容をベースに検索することができないこととなる。これらのデータベースにメタデータを格納し、コーデックやQoSパラメタ等の情報をもとに、対象となるメタデータを検索させるためには、以下の変形例のような方法を用いることが必要となる。
【0082】
SDPの基本的な内容のうち、コーデックについては、オリジナルのTV-AnytimeメタデータのProgramLocation要素内のInstanceDescription要素内のAVAttributes要素内のVideoAttributes要素内のCoding要素に記述できるが、転送品質等のQoSパラメタを記述できる要素/属性は、オリジナルのTV-Anytimeメタデータには規定されていない。
【0083】
そこで、この変形例では、転送品質等のQoSパラメタをTV-Anytimeメタデータに記述して検索、照会できるように、ProgramLocation要素内のInstanceDescription要素内のAVAttributes要素内に、転送品質等のQoSパラメタを格納するためのtransportQuality要素を新たに導入するように、XMLスキーマの拡張を行うこととする。
【0084】
次に、このtransportQuality要素の導入のためのXMLスキーマの拡張方法の詳細を説明する。
【0085】
図9は、このtransportQuality要素導入の拡張のためのXMLスキーマのシンタクスの例である。このXMLスキーマの拡張のためのシンタクスには、新しいXMLスキーマにおけるAVAttributesTypeの定義81、拡張するオリジナルのTV-Anytimeの要素の指定82、追加する属性であるtransportQualityの定義83等が含まれている。
【0086】
図10は、このtransportQuality要素導入のXMLスキーマ拡張により、転送品質等のQoSパラメタが格納されたTV-Anytimeメタデータの例である。
【0087】
このTV-Anytimeメタデータにおいて、ルート要素であるTVAMain要素50の下にはProgramDescription要素51が配置される。さらにその下にはProgramInformationTable要素52、ProgramLocationTable要素53が配置される。ProgramInformationTable要素52の下には、1つ以上のProgramInformation要素54が配置される。ProgramInformation要素54には、ストリーミングもしくはダウンロード等により配信されるコンテンツのタイトル等のメタデータが記述される。ProgramInformation要素54はprogramId属性を持ち、ここにコンテンツを識別するIDであるCRIDが格納される。
【0088】
ProgramLocationTable要素53の中には、ProgramLocation要素の派生であるOnDemandProgram要素55が1つ以上配置される。OnDemandProgram要素55の下には、CRIDが格納されたProgram要素61と、コンテンツの場所を指定するSIP-URIが格納されたProgramURL要素59と、InstanceDescription要素60とが配置されている。
【0089】
InstanceDescription要素60の下には、SDP要素62と、AVAttributes要素84が配置されている。AVAttributes要素84の下には、コーデックの情報が記述されるCoding要素86を子要素としてもつVideoAttributes要素87が配置されている。そして、この例では、AVAttributes要素84のxsi:type属性によるオーバーライドにより、上述のXMLスキーマ拡張で導入された名前空間"urn:IPTV"のAVAttributes型を参照することにより、オリジナルのTV-AnytimeメタデータのAVAttributes要素を、このXMLスキーマ拡張で定義されたtransportQuality要素85を持つAVAttributes要素84に置換している。
【0090】
transportQuality要素85はControlledTermTypeであるが、この型は、制限用語辞書を参照する型である。このため、参照する辞書を、例えば以下のように定義する。
【0091】
図11に、transportQualityCS制限用語辞書の定義の例を示す。ここで定義されている3つの転送品質クラスを示すAssuredForwarding、ExcellentEffort、BestEffortの制限用語の間の関係は、品質クラスが高い(遅延やジッターが小さい)ものから、AssuredForwarding、ExcellentEffort、BestEffortの順となる。以下の辞書定義においては、それぞれAssuredForwardingが"urn:iptv:transportQualityCS:1"に、ExcellentEffortが"urn:iptv:transportQualityCS:2"に、BestEffortが"urn:iptv:transportQualityCS:3"に割り当てられる。
【0092】
SDPでは、記述する対象のメディアの属性をm行とa行の組み合わせにより表現するが、上述の転送品質クラスは、対応するSDPの内容のうち、例えば、以下の属性値の組み合わせにより決定されるものとする。
【0093】
転送品質クラスがAssuredForwardingクラスとなるのは、SDPのm行/a行、以下の(1)〜(2)のいずれかの場合:
(1)media-type=videoかつa=sendrecv
(2)media-type=audioかつa=sendrecv
転送品質クラスがExcellentEffortとなるのは、SDPのm行/a行が、以下の(1)〜(4)のいずれかの場合:
(1)media-type=videoかつa=sendonly
(2)media-type=videoかつa=recvonly
(3)media-type=audioかつa=sendonly
(4)media-type=audioかつa=recvonly
転送品質クラスがBestEffortとなるのは、SDPのm行/a行が、以下の(1)〜(4)のいずれかの場合:
(1)media-type=data
(2)media-type=text
(3)media-type=application
(4)media-type=message
例えば、SDPの内容に、
"m=video … (メディアの種類はビデオであることを示す)"と
"a=sendrecv (送受信モードで処理しなければならないことを示す)"
の各行が含まれる場合には、転送品質クラスは、"AssuredForwarding"となる。これは、上記のtransportQualityCS制限用語辞書定義から、"urn:iptv:transportQualityCS:1"に相当する。
【0094】
図10に示したtransportQuality要素85の導入のための拡張が行われたTV-Anytimeメタデータの例では、Coding要素86に辞書参照href="urn:iptv:VisualCodingFormatCS:2"と記述されている。これは、例えば、以下のようなコーディングフォーマットを指定する、名前空間"urn:iptv:VisualCodingFormatCS"で識別されるVisualCodingFormatCS制限用語辞書定義があるものとしている。図12に、このVisualCodingFormatCS制限用語辞書の定義の例を示す。
【0095】
以上説明したように、この実施形態によれば、コンテンツを視聴するためのIMS上のIPTVセッションの確立を促すSIP-INVITEメッセージの生成に必要な情報を格納したTV-AnytimeメタデータをIPTVクライアント端末10に提供することによって、IPTVクライアント端末10は、このTV-Anytimeメタデータをもとに、視聴したいコンテンツの場所を指定するSIP-URIを宛先に格納し、そのコンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立に必要なパラメタが記述されたSDPをボディ部に格納したSIP-INVITEメッセージを生成することができる。
【0096】
また、この実施形態によれば、SIP-INVITEメッセージのSIP-URIにより、コンテンツへのアドレス解決に必要な情報へ誘導できることによって、IMSプラットフォームそのもので提供される、例えばSIPによるセッション確立の際の認証メカニズム等を、そのまま、コンテンツへのアクセス制御等に利用することができる。これにより、そのコンテンツへのアクセス制御をIMS-SIPによるセッション制御のレイヤーで実現でき、図2に示すように、IMS-SIPによるセッション制御220にアクセス制御210のシグナリングを組み込むことが可能となって、プロトコル処理のオーバヘッドの大幅な低減を図ることが期待できる。
【0097】
(第2の実施形態)
【0098】
次に、本発明の第2の実施形態として、SIP-URIをTV-Anytimeメタデータに格納する別の方法とともに、IPTVクライアント端末10において、そのTV-AnytimeメタデータからSIP-INVITEメッセージを生成する方法について説明する。
【0099】
図13は、本発明の第2の実施形態にかかるSIP-URIが格納されたTV-Anytimeメタデータの例を示す図である。
【0100】
このTV-Anytimeメタデータにおいて、ルート要素であるTVAMain要素50の下にはProgramDescription要素51が配置されている。ProgramDescription要素51の下には、ProgramInformationTable要素52、ProgramLocationTable要素53、及びServiceInformationTable要素91が配置されている。このServiceInformationTable要素91の中には、複数のServiceInformation要素92を配置できる。ProgramInformationTable要素52の構成は図5及び図10に示したものと同じである。
【0101】
ProgramLocationTable要素53の中には、ProgramLocation要素の派生であるOnDemandProgram要素55(図5及び図10)に代えてOnDemandService要素93が配置されている。このOnDemandService要素93には、CRIDをcrid属性の値として格納するProgram要素61、コンテンツのインスタンスのメタデータ(配信にかかわるメタデータ)が格納されるとともに、serviceIdRef属性の値として、コンテンツを提供するサービスのIDが格納されている。この例では、サービスのIDとして"sid"が格納されている。
【0102】
ServiceInformation要素92には、サービスの名前等のサービスのメタデータが格納されている。また、ServiceInformation要素92は、サービスのIDをserviceId属性の値として格納し、このserviceId属性の値によって識別される。さらに、ServiceInformation要素92の下には、サービスの名前を格納するName要素94と、サービスを提供するIPTVサーバ20のURLを格納するServiceURL要素95と、その他、サービスのメタデータを格納する要素(図示せず)が配置されている。
【0103】
TV-Anytimeにおいて、ServiceURLは、"An optional URL for the service e.g. a DVB URL. This URL allows the receiver to identify the associated physical service."と定義されているが、ここでは、ServiceURLとして、コンテンツの配信元であるIPTVサーバ20のURLが指定されることとする。このIPTVサーバ20のURLのスキームには"http:"が使用され、例えば、図14に示すように、"http://as.sp.com"のように指定される。
【0104】
図14は、メタデータサーバ40での図13に示したTV-Anytimeメタデータの生成から、IPTVクライアント端末10でのSIP-INVITEメッセージの生成までのシーケンスを示す図である。
【0105】
メタデータサーバ40で図13に示したTV-Anytimeメタデータを作成する場合の手順は次の通りである。メタデータサーバ40は、まずProgramInformation要素54のprogramId属性の値としてコンテンツを識別するCRIDである"crid://ca.com/123"を格納する。次に、メタデータサーバ40は、OnDemandService要素93のserviceIdRef属性の値としてサービスのIDである例えば"sid"を格納し、そのOnDemandService要素93内のProgram要素61のcrid属性の値として、CRIDである"crid://ca.com/123"を格納する。次に、メタデータサーバ40は、ServiceInformation要素92のserviceId属性の値として、OnDemandService要素93のserviceIdRef属性の値として格納されているサービスのIDである例えば"sid"を格納し、そのServiceInformation要素92内のName要素94にサービスの名前として例えば"contentService"を格納し、そのServiceInformation要素92内のServiceURL要素95に、コンテンツの配信元であるIPTVサーバ20のDNS名である"as.sp.com"に"http://"を付けた"http://as.sp.com"を格納する。なお、実際には、TV-Anytimeメタデータには、そのコンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立に必要なSDPも格納されるが、このSDPをTV-Anytimeメタデータに格納する方法については前述した通りであり、ここでは省略する。
【0106】
IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14は、ネットワーク3を通じてメタデータサーバ40に対してコンテンツのメタデータの取得要求を送信し、メタデータサーバ40から、そのTV-Anytimeメタデータを取得する(ステップS203)。EPGアプリケーション14は、取得したTV-AnytimeメタデータにおけるProgramInformationTable要素52内の1以上のProgramInformation要素54の内容をもとにコンテンツのタイトル等を含む、コンテンツの検索・選択用のインタフェース画面を作成して、ユーザインタフェース部11を通じてユーザ1に呈示する(ステップS204)。このインタフェース画面を用いてユーザ1によって所望のコンテンツのタイトルが選択されると、EPGアプリケーション14は、そのタイトルをTitle要素56の内容とするProgramInformation要素54のprogramId属性の値を取り出す(ステップS205)。ここで、CRIDが"crid://ca.com/123"であるコンテンツが視聴対象として選択されたこととする。
【0107】
EPGアプリケーション14は、このコンテンツの選択情報を受けて、TV-Anytimeメタデータから、Program要素61のcrid属性の値が"crid://ca.com/123"であるOnDemandService要素93のserviceIdRef属性の値である"sid"をserviceId属性の値として持つServiceInformation要素92内のServiceURL要素95に格納された"http://as.sp.com"と、OnDemandService要素93内のProgram要素61のcrid属性の値"crid://ca.com/123"と、図示しないSDP要素に格納されたSDPの内容をIPTVクライアントアプリケーション13に渡す(ステップS206)。
【0108】
IPTVクライアントアプリケーション13は、EPGアプリケーション14より渡された"http://as.sp.com"から"http://"を除いた"as.sp.com"と、OnDemandService要素93のProgram要素61のcrid属性の値である"crid://abc.com/123"から"crid://"を除いた"ca.com/123"から生成した"ca.com_123"と、さらには"sip-uri:"と"@"とを用いて"sip-uri:ca.com_123@as.sp.com"を生成し、これをSIP-INVITEメッセージの宛先にSIP-URIとして格納するとともに、SDPをSIP-INVITEメッセージのボディ部に格納する。これによってコンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立を促すためのSIP-INVITEメッセージが生成される(ステップS207)。IPTVクライアントアプリケーション13は、この生成したSIP-INVITEメッセージをネットワーク3を通じてIMS-SIPサーバ33へ送信する(ステップS208)。以後の動作は、第1の実施形態で図4を参照して説明したとおりである。
【0109】
以上説明したように、この実施形態によっても、IPTVクライアント端末10にて、TV-Anytimeメタデータをもとに、SIP-INVITEメッセージの宛先に格納するSIP-URIを得ることができる。
【0110】
(第3の実施形態)
【0111】
次に、本発明の第3の実施形態として、SIP-URIをTV-Anytimeメタデータに格納する別の方法とともに、IPTVクライアント端末10において、そのTV-AnytimeメタデータからSIP-INVITEメッセージを生成する方法について説明する。
【0112】
SIP-URIをそのまま格納できる要素は、オリジナルのTV-AnytimeのXMLスキーマで定義されるProgramInformation要素に対応する型であるProgramInformationType要素にはない。そのため、この例では、ProgramInformationType要素を拡張して、それにsipURI属性を新たに導入することでSIP-URIを格納できるようにする。
【0113】
このXMLスキーマの拡張を行うには、新たなXMLスキーマの名前空間、例えば、"urn:IPTV"を導入し、この名前空間のもとで、sipURI属性をTV-AnytimeのオリジナルのProgramInformationType要素の派生に導入する。
【0114】
図15は、このsipURI属性導入の拡張のためのXMLスキーマのシンタクスの例である。このXMLスキーマの拡張のためのシンタクスには、オリジナルのTV-Anytimeメタデータを識別する名前空間21、XMLスキーマを識別する名前空間22、新しく定義するスキーマが"urn:IPTV"で識別されることの宣言23、新しいXMLスキーマにおけるProgramInformationTypeの定義24、拡張するオリジナルのTV-Anytimeの要素の指定25、追加する属性であるsipURIの定義26等が含まれている。
【0115】
図16は、このsipURI属性を導入するXMLスキーマ拡張によりSIP-URIが格納されたTV-Anytimeメタデータの例を示す図である。
【0116】
このTV-Anytimeメタデータにおいて、ルート要素であるTVAMain要素50の下にはProgramDescription要素51が配置されている。ProgramDescription要素51の下には、ProgramInformationTable要素52が配置されている。このProgramInformationTable要素52の中には、1つ以上のProgramInformation要素54を配置できる。ProgramInformation要素54はprogramId属性を持ち、ここにコンテンツを識別するIDであるCRIDが格納される。また、ProgramInformationTable要素52の下には、BasicDescription要素57が配置され、このBasicDescription要素57の下には、コンテンツのタイトルを格納するTitle要素56、その他、コンテンツのメタデータを格納する要素(図示せず)が配置されている。
【0117】
そして、このTV-Anytimeメタデータでは、ProgramInformation要素54のxsi:type属性によるオーバーライドにより、上述のXMLスキーマ拡張で導入された名前空間"urn:IPTV"のProgramInformationType型を参照することにより、オリジナルのTV-AnytimeメタデータのProgramInformation要素が、このXMLスキーマ拡張で新たに導入されたsipURI属性を持つProgramInformation要素54に置換されている。sipURI属性には、programId属性の値であるCRIDとコンテンツの配信元であるIPTVサーバ20のDNS名とを用いて作成されたSIP-URIが格納される。
【0118】
図17は、メタデータサーバ40での図16に示したTV-Anytimeメタデータの生成から、IPTVクライアント端末10でのSIP-INVITEメッセージの生成までのシーケンスを示す図である。
【0119】
メタデータサーバ40で図16に示したTV-Anytimeメタデータを作成する場合の手順は次の通りである。メタデータサーバ40は、まずProgramInformation要素54のprogramId属性の値としてコンテンツを識別するCRIDである"crid://ca.com/123"を格納する。次に、メタデータサーバ40は、上記のXMLスキーマ拡張により新たに導入されたsipURI属性の値として、CRIDである"crid://abc.com/123"から"crid://"を除き、"/"を"_"に置き換えて得た"ca.com_123"と、さらには、コンテンツの配信元であるIPTVサーバ20のDNS名"as.sp.com"と"sip-uri:"と"@"とを用いて作成された"sip-uri:ca.com_123@as.sp.com"をSIP-URIとして格納する。なお、実際には、TV-Anytimeメタデータには、そのコンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立に必要なSDPも格納されるが、このSDPをTV-Anytimeメタデータに格納する方法については前述した通りであり、ここでは省略する。
【0120】
IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14は、ネットワーク3を通じてメタデータサーバ40に対してコンテンツのメタデータの取得要求を送信し、メタデータサーバ40から、そのTV-Anytimeメタデータを取得する(ステップS303)。EPGアプリケーション14は、取得したTV-AnytimeメタデータにおけるProgramInformationTable要素52内の1以上のProgramInformation要素54の内容をもとにコンテンツのタイトル等を含む、コンテンツの検索・選択用のインタフェース画面を作成して、ユーザインタフェース部11を通じてユーザ1に呈示する(ステップS304)。このインタフェース画面を用いてユーザ1によって所望のコンテンツのタイトルが選択されると、EPGアプリケーション14は、そのタイトルをTitle要素56の内容とするProgramInformation要素54のprogramId属性の値を取り出す(ステップS305)。ここで、CRIDが"crid://ca.com/123"であるコンテンツが視聴対象として選択されたこととする。
【0121】
EPGアプリケーション14は、このコンテンツの選択情報を受けて、TV-Anytimeメタデータから、programId属性の値が"crid://ca.com/123"であるProgramInformation要素54のsipURI属性の値である"sip-uri:ca.com_123@as.sp.com"と、図示しないSDP要素に格納されたSDPの内容をIPTVクライアントアプリケーション13に渡す(ステップS306)。
【0122】
IPTVクライアントアプリケーション13は、EPGアプリケーション14より渡された"sip-uri:ca.com_123@as.sp.com"を、SIP-INVITEメッセージの宛先にSIP-URIとして格納し、SDPをSIP-INVITEメッセージのボディ部に格納する。これによってSIP-INVITEメッセージが生成される(ステップS307)。IPTVクライアントアプリケーション13は、この生成したSIP-INVITEメッセージをネットワーク3を通じてIMS-SIPサーバ33へ送信する(ステップS308)。以後の動作は、第1の実施形態で図4を参照して説明したとおりである。
【0123】
以上説明したように、この実施形態によっても、IPTVクライアント端末10にて、TV-Anytimeメタデータをもとに、SIP-INVITEメッセージの宛先に格納するSIP-URIを得ることができる。
【0124】
(第4の実施形態)
【0125】
以上の実施形態ではIPTVクライアント端末10がIMS-SIPサーバ33に対してセッションを確立するためのSIP-INVITEメッセージを直接送信する構成としたが、IMS-SIPサーバ33に対してセッションを確立するためのSIP-INVITEメッセージを生成して送信する部分をIPTVクライアント端末10から独立させて、セッション管理装置であるIMSゲートウェイとして構成してもよい。この場合、家庭内の機器は、1以上のIPTVクライアント端末とIMSゲートウェイとで構成され、これらをIPTVクライアントシステムと呼ぶこととする。
【0126】
図22は、このようなIPTVクライアントシステムを採用したIPTVシステム100の全体的な構成を示す図である。
【0127】
同図に示すように、このIPTVシステム100は、コンテンツを視聴するユーザ1が持つIPTVクライアント端末10A、IPTVクライアント端末10AとLAN(Local Area Network)などのホームネットワーク18を通じて接続されたIMSゲートウェイ110、コンテンツを配信するIPTVサーバ20、IMSプラットフォームを提供するサーバ群30、メタデータサーバ40、及びこれらを接続可能なインターネットなどの広域なネットワーク3とで構成される。
【0128】
IPTVクライアント端末10Aは、第1の実施形態のIPTVクライアント端末10の構成に、ホームネットワーク18とのインタフェースをとるネットワークインタフェース19を加えて構成される。その他の構成は、第1の実施形態のIPTVクライアント端末10と同じである。
【0129】
IMSゲートウェイ110は、例えば、PC、セットップボックスなどとして提供される機器である。IMSゲートウェイ110は、IPTVクライアント端末10Aとホームネットワーク18を通じて接続可能とされているとともに、広域なネットワーク3を通じてIPTVサーバ20、IMSプラットフォームを提供するサーバ群30、メタデータサーバ40と接続可能とされている。IMSゲートウェイ110は、インスタンス選択基準設定部111、インスタンス選択基準データベース112、ネットワークインタフェース部113,114、SIMカード読込部115、セッション処理部116等を備える。
【0130】
インスタンス選択基準設定部111は、IPTVクライアント端末10Aのユーザ1に、コンテンツのインスタンスの選択基準を選択させ、その情報をインスタンス選択基準データベース112に登録する処理を行う部分である。ここで、コンテンツのインスタンスとは次のようなものである。IPTVサーバ20には、同じタイトルのコンテンツであってもビットレートや符号化方式(コーデックの種類)の異なる複数のものが配信可能なコンテンツのデータの実体として用意されている場合がある。コンテンツのインスタンスとは、このようにビットレートや符号化方式などの違いにより実体が異なるコンテンツのデータのことを言う。一般的にビットレートが高いほどコンテンツの画質は高くなるが、それだけ家庭に割り当てられているネットワーク帯域を消費することになる。また、コーデックの種類によっても画質は変わる。たとえば、あるコーデックAにより10Mbpsのビットレートで符号化されたコンテンツは、別のコーデックBにより15Mbpsのビットレートで符号化されたコンテンツよりも画質が高いこともある。インスタンスの選択基準とは、このような事情を考慮してユーザの嗜好により選択される。その具体的な方法に関しては後で説明する。
【0131】
インスタンス選択基準データベース112は、IPTVクライアント端末10Aのユーザ1により選択されたインスタンス選択基準が格納されるデータベースである。
【0132】
ネットワークインタフェース部113は、ホームネットワーク18とのインタフェースを提供する。ネットワークインタフェース部114は、広域なネットワーク3とのインタフェースを提供する。
【0133】
SIM(Subscriber Identity Module)読込部115は、IMSにおけるセッション確立のために行われるIPTVクライアントの認証に必要な情報(例えばユーザIDおよびパスワードなど)が記憶されたSIMカード117の着脱が可能とされ、装着されたSIMカード117に記憶された認証に必要な情報を読み込むモジュールである。
【0134】
セッション処理部116は、IPTVクライアント端末10よりSIP-URIおよびSDPを含むセッション確立要求を受信したとき、このセッション確立要求に含まれる各インスタンスのSDPとインスタンス選択基準データベース112に格納されたインスタンス選択基準をもとに各インスタンスの優先順位を決定し、この優先順位の高いインスタンスから順に、SIP-URIとそのインスタンスのSDPを格納したSIP-INVITEメッセージを生成し、このSIP-INVITEメッセージを広域なネットワーク3を通じてIMSプラットフォームを提供するサーバ群30におけるIMS-SIPサーバ33に送信してセッション確立のためネゴシエーションを行う。
【0135】
また、セッション処理部116は、SIM読込部115によってSIMカード117から読み込まれた認証に必要な情報をもとにIPTVクライアントの認証処理を行い、認証に成功した場合にセッション確立のための処理を有効にする。
【0136】
IPTVサーバ20、IMSプラットフォームを提供するサーバ群30、メタデータサーバ40の構成は第1の実施形態と同じである。
【0137】
次に、この第4の実施形態のIPTVシステム100において、IPTVクライアント端末10とIPTVサーバ20との間でIPTVセッションが確立されるまでの動作を説明する。
【0138】
図23は、この動作を示すシーケンス図である。IPTVクライアント端末10においては、EPGアプリケーション14が既に起動されているものとする。IPTVサーバ20には、同じタイトルのコンテンツであってもビットレートや符号化方式の異なる複数のコンテンツのデータの実体がインスタンスとして用意されていることとする。
【0139】
まず、IPTVクライアント端末10内のEPGアプリケーション14からIMSゲートウェイ110内のインスタンス選択基準設定部111に対して、IPTVクライアント端末10のユーザ1により設定されたインスタンス選択基準を送信する(ステップS401)。IMSゲートウェイ110内のインスタンス選択基準設定部111は、IPTVクライアント端末10内のEPGアプリケーション14から送信されたインスタンス選択基準をインスタンス選択基準データベース112へ登録する(ステップS402)。
【0140】
ここまでの動作は、より具体的には次のような手順で行われる。まず、IPTVクライアント端末10内のEPGアプリケーション14は、ホームネットワーク18を通じて接続されているIMSゲートウェイ110内のインスタンス選択基準設定部111に対してインスタンス選択基準の設定要求を送信する。
【0141】
IMSゲートウェイ110内のインスタンス選択基準設定部111は、IPTVクライアント端末10内のEPGアプリケーション14からのインスタンス選択基準の設定要求を受信すると、インスタンス選択基準の設定画面情報をホームネットワーク18を通じてIPTVクライアント端末10内のEPGアプリケーション14に応答する。IPTVクライアント端末10内のEPGアプリケーション14は、このインスタンス選択基準の設定画面情報を受信すると、ユーザインタフェース部11に備えられている表示部にインスタンス選択基準の設定画面を表示する。
【0142】
図24は、このインスタンス選択基準の設定画面201の例を示す図である。これはコンテンツのインスタンス選択基準をユーザに選択させる場合の画面の例である。このインスタンス選択基準の設定画面201には、複数の嗜好設定項目210,220,230が設けられている。それぞれの嗜好設定項目210,220,230には、嗜好の種類を示す領域として「画質を優先しますか?」「価格を優先しますか?」といった質問文が配置された嗜好表示領域211,221,231と、それぞれの嗜好設定項目210,220,230の質問文に対するユーザの回答として「YES」または「NO」のいずれかを、インスタンス選択基準の設定画面201に設けられた例えばトグルスイッチなどのマウスクリック操作などによって択一的にユーザに選択させる嗜好選択領域212,222,232と、「YES」が選択された各嗜好設定項目に対して、インスタンス選択基準の設定画面201に設けられたプルダウンメニューのマウスクリック操作などにより優先度をユーザに指定させる優先度設定領域213,223,233とを備えている。たとえば、画質と価格についてユーザの嗜好を設定する場合には、上記の設定画面の「画質を優先しますか?」の嗜好表示領域211に対応する嗜好選択領域212で「YES」を選択するとともに、「価格を優先しますか?」の嗜好表示領域221に対応する嗜好選択領域222で「YES」を選択する。このように複数の嗜好設定項目210,220の嗜好選択領域212,222に対して「YES」が選択された場合には、これらの嗜好項目間での優先度を優先度設定領域213,223で指定する。図24は画質の優先度を"1"、価格の優先度を"2"として、画質を価格よりも優先した場合の設定例を示している。なお、優先度設定領域213,223,233においては、複数の嗜好が選択された場合にこれらの嗜好に対して同じ優先度が指定できないように入力値の排他制御が行われる。
【0143】
IPTVクライアント端末10のユーザによる、インスタンス選択基準の設定画面201への入力が完了した後、設定画面201に設けられたOKボタン241のマウスクリック操作が行われると、EPGアプリケーション14は、その設定画面201への入力情報であるインスタンス選択基準を、ホームネットワーク18を通じてIMSゲートウェイ110内のインスタンス選択基準設定部111に送信する(この動作がステップS401に相当)。
【0144】
IMSゲートウェイ110内のインスタンス選択基準設定部111は、IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14からインスタンス選択基準を受信すると、このインスタンス選択基準をインスタンス選択基準データベース112へ登録する(この動作がステップS402に相当)。
【0145】
この後、IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14は、コンテンツのメタデータの取得要求を広域なネットワーク3を通じてメタデータサーバ40に送信し、メタデータサーバ40よりコンテンツのTV-Anytimeメタデータを応答として受信してメタデータ記憶部15に格納する(ステップS403,S404)。
【0146】
EPGアプリケーション14は、取得したTV-Anytimeメタデータをもとに、コンテンツの選択画面を作成してユーザインタフェース部11を通じてユーザ1に呈示する(ステップS405)。図28はコンテンツの選択画面500の例を示す図である。コンテンツの選択画面500には、選択可能な各コンテンツのタイトル、概要、視聴価格などの文字情報501,502,503と、コンテンツの縮小画像504,505,506などが表示される。コンテンツの縮小画像504,505,506は、ユーザ1によるマウスクリック操作などによって選択されたとき、自身の縮小画像504,505,506に対応するコンテンツが選択されたというイベントの発生をEPGアプリケーション14に通知する機能を有する。EPGアプリケーション14はこの通知を受けてユーザ1により選択されたコンテンツを判別する。
【0147】
このコンテンツの選択画面500でユーザ1によって視聴したいコンテンツが選択されると(ステップS406)、EPGアプリケーション14は、その視聴対象として選択されたコンテンツを判断し、メタデータ記憶部15に記憶されたTV-Anytimeメタデータから当該視聴対象のコンテンツの場所を指定するSIP-URIと、このコンテンツのインタンス毎のSDPを抽出する。ここで、インタンス毎のSDPにはビットレート、コーデック情報、価格情報などが含まれている。
【0148】
EPGアプリケーション14は、TV-Anytimeメタデータから抽出した各インスタンスのSDPに含まれるコーデック情報を読み込み、IPTVクライアント端末10内のコンテンツ再生部17にて復号が可能なインスタンスのSDPを判定する(ステップS407)。この判定は、IPTVクライアント端末10のシステムに実装されている符号化および復号のためのソフトウエアであるコーデックの種類を調べることによって行われる。
【0149】
続いて、EPGアプリケーション14は、IMSゲートウェイ110内のインスタンス選択基準設定部111に対してインスタンス選択基準の取得要求を送信し、応答として取得したインスタンス選択基準と、コンテンツの各インスタンスのSDPをもとに、コンテンツのインスタンス間の優先順位を優先度として決定する(ステップS408)。そして、EPGアプリケーション14は、視聴対象として選択されたコンテンツの場所を指定するSIP-URIと、優先度が付けられた各インスタンスのSDPとのリストを含むセッション確立要求をホームネットワーク18を通じてIMSゲートウェイ110内のセッション処理部116に送信する(ステップS409)。
【0150】
図25はIPTVクライアント端末10のユーザ1によって画質を最優先するようにインスタンス選択基準が設定され、IPTVクライアント端末10にはcodec-Aとcodec-Bの2種類のコーデックが実装されている場合のリスト301の例である。このリスト301には、コンテンツの場所を指定するSIP-URIと、優先度が付けられた3つのインスタンスa,b,cそれぞれのSDPとが含まれている。ここでは、codec-Aのコーデックはcodec-Bのコーデックよりビットレートが小さいが高画質であることから、コーデック情報が" codec-A "のインスタンスのSDPが、コーデック情報が" codec-B "のインスタンスのSDPよりも優先度が高く設定されている。
【0151】
IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116は、IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14からのセッション確立要求を受信すると、このセッション確立要求に含まれる、優先度が付けられた各インスタンスのSDPをもとにセッション確立のためのネゴシエーションを行う(ステップS410)。このセッション確立のためのネゴシエーションは、たとえば、次のように行われる。
【0152】
まず、IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116は、IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14より取得した各インスタンスのSDPの中で最も優先度が高いインスタンスのSDPを判断し、このSDPをボディ部に格納し、IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14より取得したSIP-URIを宛先に格納したSIP-INVITEメッセージを生成し、このSIP-INVITEメッセージを、広域なネットワーク3を通じて、IMSプラットフォームを提供するサーバ群30におけるIMS-SIPサーバ33に送信する。IMS-SIPサーバ33は、IMSゲートウェイ110からのSIP-INVITEメッセージを受信すると、このSIP-INVITEメッセージからSIP-URIを抽出し、このSIP-URIを少なくとも含む、コンテンツのアクセス権の確認を依頼するメッセージをアクセス制御サーバ31に送信する。アクセス制御サーバ31は、このアクセス権確認依頼のメッセージに含まれるSIP-URIをもとに当該コンテンツのアクセス権の確認を行う。アクセス制御サーバ31は、当該コンテンツのアクセス権を許諾することを判定した場合には、IMS-SIPサーバ33にアクセス権許諾の応答メッセージを送信し、当該コンテンツのアクセス権を許諾しないことを判定した場合には、IMS-SIPサーバ33にアクセス権非許諾の応答メッセージを送信する。以後、アクセス権が許諾された場合について説明を続ける。
【0153】
IMS-SIPサーバ33は、アクセス権許諾の応答メッセージを受信すると、SIP-INVITEメッセージのボディ部からSDPを抽出し、このSDPを用いて、ネットワークリソースの確保を要求するメッセージを生成してネットワークリソース管理サーバ32に送信する。ネットワークリソース管理サーバ32はネットワークリソース確保要求のメッセージを受けると、これに含まれるSDPをもとに、コンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立に必要なネットワークリソース(ネットワーク帯域)の確保を試み、ネットワーク帯域の確保に成功したならば、IMS-SIPサーバ33にネットワーク帯域の確保応答のメッセージを送信する。IMS-SIPサーバ33は、ネットワーク帯域の確保応答のメッセージを受信すると、SIP-INVITEメッセージの宛先をもとに、SIP-INVITEメッセージをIPTVサーバ20に送信するとともに、IMSゲートウェイ110にセッションの確立が成功したことを通知する。IMSゲートウェイ110は、セッションの確立が成功したことを知ると、ホームネットワーク18を通じてその旨をIPTVクライアント端末10のIPTVクライアントアプリケーション13に通知する(ステップS411)。
【0154】
また、ネットワークリソース管理サーバ32は、コンテンツを視聴するためのIPTVセッションの確立に必要なネットワークリソースの確保に失敗した場合には、IMSゲートウェイ110にセッションの確立に失敗したことを通知する。IMSゲートウェイ110は、このセッションの確立に失敗したことの通知を受信すると、IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14より取得した各インスタンスのSDPのリストの中で次に優先度が高いインスタンスのSDPを判断し、前回と同様に、このSDPをボディ部に格納し、IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14より取得したSIP-URIを宛先に格納したSIP-INVITEメッセージを生成し、このSIP-INVITEメッセージを、帯域ネットワーク3を通じて、IMSプラットフォームを提供するサーバ群30におけるIMS-SIPサーバ33に送信する。以後の動作は前回の処理と同じである。IMSゲートウェイ110は、セッションの確立に成功したことの通知を受信するか、または、SIP-INVITEメッセージのボディ部に格納すべきSDPがなくなるまで、上記の処理を繰り返す。
【0155】
セッションの確立に成功した場合の説明に戻る。
IPTVサーバ20は、IMS-SIPサーバ33よりIMS-INVITEメッセージを受信すると、コンテンツを視聴するためのIPTVセッションを確立するために必要なネットワーク帯域を確保し、IPTVクライアント端末10のIPTVクライアントアプリケーション13との間で確立されたセッションを用いて、コンテンツのデータを送信する。IPTVクライアント端末10のIPTVクライアントアプリケーション13は、IPTVサーバ20との間に確立されたセッションを通じてコンテンツのデータを受信し、コンテンツ再生部17への供給、あるいはコンテンツ記憶部16への蓄積を行う(ステップS412)。
【0156】
以上説明したように、本実施形態では、IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14からIMSゲートウェイ110に対してセッション確立要求を行うとき、視聴対象として選択されたコンテンツの場所を指定するSIP-URIとともに、優先度が付けられた各インスタンスのSDPをIMSゲートウェイ110に送信することによって、IMSゲートウェイ110は各インスタンスの優先度を考慮しつつセッション確立のためのネゴシエーションを行うことができる。
【0157】
(第4の実施形態の変形例1)
図26は、第4の実施形態の変形例1である動作を示すフローチャートである。
【0158】
第4の実施形態では、予めIMSゲートウェイ110のインスタンス選択基準データベース112に登録されたインスタンス選択基準と、ユーザ1により視聴対象として選択されたコンテンツの各インスタンスのSDPとをもとにIPTVクライアント端末10が各インスタンスに優先度を自動的に付けることとした。変形例では、ステップS408aで、IPTVクライアント端末10がユーザインタフェース部11に備えられている表示部を通じて優先度選択画面をユーザ1に呈示し、クライアント端末10のユーザ10に各インスタンスの優先度をマニュアルで付けさせることとしている。
【0159】
図27は、この優先度選択画面400とユーザ1による各インスタンスの優先度の選択例を示す図である。この優先度選択画面400には、ユーザ1により視聴対象として選択されたコンテンツの識別番号、タイトル、概要など、コンテンツに関する情報401と、当該コンテンツのインスタンス毎の画質、ビットレートなどが表示された画質情報表示領域402,403,404と、当該コンテンツのインスタンス毎の優先度をユーザ1に選択させるための優先度選択領域405,406,407などが設けられている。ユーザ1は、各インスタンスの画質情報表示領域402,403,404を参照しつつ各インスタンスの優先度を優先度選択領域405,406,407に入力する。これにより、IPTVクライアント端末10はIMSゲートウェイ110のインスタンス選択基準データベース112に登録されたインスタンス選択基準に拠らず、各インスタンスの優先度の情報を取得して、各インスタンスに優先度を自動的に付けることができる。その他の動作は第4の実施形態と同じである。
【0160】
(第4の実施形態の変形例2)
図29は、第4の実施形態の変形例2である動作を示すフローチャートである。
【0161】
第4の実施形態では、インスタンス選択基準をIMSゲートウェイ110内のインスタンス選択基準データベース112で管理することとしたが、IPTVサーバ20で管理するようにしてもよい。この場合、IPTVクライアント端末10は、広域なネットワーク3を通じてIPTVサーバ20に対してインスタンス選択基準の設定要求を送信する。IPTVサーバ20は、IPTVクライアント端末10内のEPGアプリケーション14からのインスタンス選択基準の設定要求を受信すると、その設定画面の情報を広域なネットワーク3を通じてIPTVクライアント端末10内のEPGアプリケーション14に応答する。IPTVクライアント端末10内のEPGアプリケーション14は、この設定画面の情報を受信すると、ユーザインタフェース部11に備えられている表示部に設定画面を表示し、ユーザにインスタンス選択基準を入力させた後、広域なネットワーク3を通じてIPTVサーバ20に送信する(この動作がステップS401bに相当)。
【0162】
IPTVサーバ20は、IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14からのインスタンス選択基準を受信すると、この情報を図示しないインスタンス選択基準データベースへ登録する(この動作がステップS402bに相当)。
【0163】
IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14は、ステップS408bでコンテンツのSDPとインスタンス選択基準をもとに各コンテンツのインスタンスに優先度を付けるために、広域なネットワーク3を通じてIPTVサーバ20にインスタンス選択基準の取得要求を送信してインスタンス選択基準を応答として取得する。その他の動作は第4の実施形態と同じである。
【0164】
(第5の実施形態)
【0165】
上記の第4の実施形態では、IMSゲートウェイ110とIPTVクライアント端末10Aとがホームネットワーク18を介して1対1で接続されているものとしたが、IMSゲートウェイ110に対して、1つの家庭内の複数のIPTVクライアント端末10A,10Bがホームネットワーク18を介して接続されていてもよい。
【0166】
図30は、このような構成を採用したIPTVシステム100の全体的な構成を示す図である。IPTVクライアント端末10A,10Bの構成、IMSゲートウェイ110の構成は、第4の実施形態と同じである。
【0167】
このIPTVシステム100では、いずれかのIPTVクライアント端末(10Aまたは10B)がインスタンス選択基準を設定し、IMSゲートウェイ110に送信してインスタンス選択基準データベース112に登録する。このインスタンス選択基準データベース112に登録されたインスタンス選択基準は、各IPTVクライアント端末10A,10Bが視聴対象のコンテンツの各インタンスのSDPに対して優先度を付ける際にアクセスされる。これにより、家庭内に複数のIPTVクライアント端末10A,10Bが設置された環境においても、インスタンス選択基準を選択する操作は一回で済むことになる。
【0168】
また、IMSゲートウェイ110に、IPTVクライアントの認証に必要な情報が記録されたSIMカード117を読み込むSIM読込部115を設け、このSIM読込部115によってSIMカード117から読み込まれた認証に必要な情報をもとにIPTVクライアントの認証処理を行うことによって、複数のIPTVクライアント端末10A,10BそれぞれにSIM読込部を設ける必要がなくなる。
【0169】
なお、図28では、2機のIPTVクライアント端末10A,10Bがホームネットワーク18を通じてIMSゲートウェイ110と接続されている場合を示したが、3機以上のIPTVクライアント端末が接続されている場合も動作は同様である。
【0170】
(第6の実施形態)
【0171】
IMSゲートウェイ110に対して複数のIPTVクライアント端末10A,10Bがホームネットワーク18を介して接続されている場合、複数のIPTVクライアント端末10A,10Bから同時にセッション確立要求がIMSゲートウェイ110に送信されたときには、どのIPTVクライアント端末からのセッション確立要求に対して優先してセッションの確立のためのネゴシエーションを行うかという競合解決処理をIMSゲートウェイ110にて行う。
【0172】
図31は、このような競合解決処理を採用したIPTVシステム100の全体的な構成を示す図である。IPTVクライアント端末10A,10Bの構成はEPGアプリケーション14の一部の処理内容が異なるだけで、その他の部分は第1の実施形態と同様である。IMSゲートウェイ110は、第1の実施形態に示した構成に、デバイス/ユーザ優先度データベース119とデバイス/ユーザ優先度設定部120とが付加されたものである。
【0173】
デバイス/ユーザ優先度データベース119は、セッション確立のためのネゴシエーションを行う際のデバイス間の優先順位を示す優先度と、IPTVクライアント端末のユーザ間の優先順位を示す優先度が格納されるデータベースである。
【0174】
デバイス/ユーザ優先度設定部120は、特定のIPTVクライアント端末(この例ではIPTVクライアント端末10A)のユーザ1に、デバイス間の優先度またはユーザ間の優先度を選択させ、その情報をデバイス/ユーザ優先度データベース119に登録する処理を行う部分である。デバイス間の優先度またはユーザ間の優先度をまとめて「デバイス/ユーザ優先度」と表記する。
【0175】
セッション処理部116は、複数のIPTVクライアント端末10A,10BよりデバイスID、ユーザID、SIP-URIおよびSDPを含むセッション確立要求を受信したとき、これらのセッション確立要求に含まれるデバイスIDまたはユーザIDとデバイス/ユーザ優先度データベース119に登録されたデバイス/ユーザ優先度とをもとに、各IPTVクライアント端末10A,10Bからのセッション確立要求間の競合解決を行う。また、セッション処理部116は、競合解決によって優先度が高いと判定されたセッション確立要求から順に、第4の実施形態と同様に、そのセッション確立要求に含まれる各インスタンスのSDPとインスタンス選択基準データベース112に格納されたインスタンス選択基準とをもとにインスタンス間の優先順位を決定し、優先順位の高いインスタンスから順に、SIP-URIとそのインスタンスのSDPを格納したSIP-INVITEメッセージを生成し、このSIP-INVITEメッセージを広域なネットワーク3を通じてIMSプラットフォームを提供するサーバ群30におけるIMS-SIPサーバ33に送信してセッション確立のためネゴシエーションを行う。
【0176】
また、セッション処理部116は、SIM読込部115によってSIMカード117から読み込まれた認証に必要な情報をもとにIPTVクライアントの認証処理を行い、認証に成功した場合にセッション確立のための処理を有効にする。
【0177】
図32は、この第6の実施形態のIPTVシステム100において、IPTVクライアント端末10A,10BとIPTVサーバ20との間でIPTVセッションが確立されるまでの動作を示すシーケンス図である。
【0178】
まず、IPTVクライアント端末10AのEPGアプリケーション14からIMSゲートウェイ110内のデバイス/ユーザ優先度設定部120に対して、IPTVクライアント端末10Aのユーザ1により設定されたユーザ/デバイス優先度を送信する(ステップS501A)。IMSゲートウェイ110内のデバイス/ユーザ優先度設定部120は、IPTVクライアント端末10内のEPGアプリケーション14から送信されたユーザ/デバイス優先度をデバイス/ユーザ優先度データベース119へ登録する(ステップS502)。
【0179】
ここまでの動作は、より具体的には次のような手順で行われる。まず、IPTVクライアント端末10A内のEPGアプリケーション14は、ホームネットワーク18を通じて接続されているIMSゲートウェイ110内のデバイス/ユーザ優先度設定部120に対してデバイス/ユーザ優先度の設定要求を送信する。
【0180】
IMSゲートウェイ110内のデバイス/ユーザ優先度設定部120は、IPTVクライアント端末10A内のEPGアプリケーション14からのデバイス/ユーザ優先度の設定要求を受信すると、その設定画面の情報をホームネットワーク18を通じてIPTVクライアント端末10A内のEPGアプリケーション14に応答する。IPTVクライアント端末10A内のEPGアプリケーション14は、この設定画面の情報を受信すると、ユーザインタフェース部11に備えられている表示部に設定画面を表示する。
【0181】
図33は、このデバイス/ユーザ優先度を設定するための画面の構成を示す図である。まず、IMSゲートウェイ110内のデバイス/ユーザ優先度設定部120は、初期画面としてデバイス/ユーザ優先度設定画面600を作成し、これをIPTVクライアント端末10A内のEPGアプリケーション14に送信して表示部に表示させる。このデバイス/ユーザ優先度設定画面600には、競合解決をデバイス間の優先度をもとに行うか、ユーザ間の優先度をもとに行うかを択一的に指定するための2つのボタン611,612が設けられている。
【0182】
2つのボタン611,612のうち、競合解決をデバイス間の優先度をもとに行うボタン611が例えばマウスクリック操作などによって選択されると、デバイス間の優先度を設定するためのデバイス優先度設定画面602が現れる。このデバイス優先度設定画面602には、各デバイスの優先度を例えばプルダウンメニューに対するマウスクリック操作などにより選択するためのデバイス優先度設定領域621,622が設けられている。ここで、デバイスとはIPTVのクライアントとしてサービスを利用できるように予め登録されたIPTVクライアント端末である。それぞれのデバイスはデバイス固有のデバイスIDによって識別される。IPTVのクライアントとしてサービスを利用する際に、EPGアプリケーション14はそのデバイスIDを使ってサービスを利用する。デバイス優先度設定領域621,622への各デバイスの優先度の選択後、デバイス優先度設定画面602に設けられたOKボタン623のマウスクリック操作が行われると、EPGアプリケーション14は、そのデバイス優先度設定画面602への入力情報であるデバイス間の優先度をホームネットワーク18を通じてIMSゲートウェイ110内のデバイス/ユーザ優先度設定部120に送信する(この動作がステップS501Aに相当)。
【0183】
また、2つのボタン611,612のうち、競合解決をユーザ間の優先度をもとに行うボタン612が例えばマウスクリック操作などによって選択されると、ユーザ間の優先度を設定するためのユーザ優先度設定画面603が現れる。このユーザ優先度設定画面603には、各ユーザの優先度を例えばプルダウンメニューに対するマウスクリック操作などにより選択するためのユーザ優先度設定領域631,632が設けられている。ここで、ユーザとはIPTVのクライアントとしてサービスを利用できるように予め登録されたユーザであり、それぞれのユーザはユーザ固有のユーザIDによって識別される。IPTVのクライアントとしてサービスを利用する際にユーザは自分のユーザIDを入力することで、EPGアプリケーション14はそのユーザIDを使ってサービスを利用する。ユーザ優先度設定領域631,632への各ユーザの優先度の選択後、ユーザ優先度設定画面603に設けられたOKボタン633のマウスクリック操作が行われると、EPGアプリケーション14は、そのユーザ優先度設定画面603への入力情報である各ユーザの優先度をホームネットワーク18を通じてIMSゲートウェイ110内のデバイス/ユーザ優先度設定部120に送信する(この動作がステップS501Aに相当)。
【0184】
IMSゲートウェイ110内のデバイス/ユーザ優先度設定部120は、IPTVクライアント端末10内のEPGアプリケーション14からデバイス/ユーザ優先度を受信すると、これをデバイス/ユーザ優先度データベース119へ登録する(この動作がステップS502に相当)。
【0185】
次に、各IPTVクライアント端末10A,10B内のEPGアプリケーション14はIMSゲートウェイ110内のインスタンス選択基準設定部111に対して、IPTVクライアント端末10のユーザ1により設定されたインスタンス選択基準を送信する(ステップS503A,503B)。IMSゲートウェイ110内のインスタンス選択基準設定部111は、IPTVクライアント端末10内のEPGアプリケーション14から送信されたインスタンス選択基準をインスタンス選択基準データベース112へ登録する。このときの処理の詳細は第4の実施形態で説明した通りである。
【0186】
この後、各IPTVクライアント端末10A,10BのEPGアプリケーション14はそれぞれ、コンテンツのメタデータの取得要求を広域なネットワーク3を通じてメタデータサーバ40に送信し、メタデータサーバ40よりコンテンツのTV-Anytimeメタデータを応答として受信してメタデータ記憶部15に格納する(ステップS504A,S504B)。
【0187】
この後、各IPTVクライアント端末10A,10Bにおいて、EPGアプリケーション14は、TV-Anytimeメタデータをもとに、コンテンツの選択画面500(図28)を作成してユーザインタフェース部11を通じてユーザ1に呈示する(ステップS505A,S505B)。
【0188】
このコンテンツの選択画面500でユーザ1によって視聴したいコンテンツが選択されると(ステップS506A,S506B)、EPGアプリケーション14は、その視聴対象として選択されたコンテンツを判断し、メタデータ記憶部15に記憶されたTV-Anytimeメタデータから当該視聴対象コンテンツの場所を指定するSIP-URIと、このコンテンツのインタンス毎のSDPを抽出する。
【0189】
EPGアプリケーション14は、TV-Anytimeメタデータから抽出した各インスタンスのSDPに含まれるコーデック情報を読み込み、IPTVクライアント端末10A,10B内のコンテンツ再生部17にて復号が可能なインスタンスのSDPを判定する(ステップS507A,S507B)。
【0190】
続いて、EPGアプリケーション14は、IMSゲートウェイ110内のインスタンス選択基準設定部111に対してインスタンス選択基準の取得要求を送信し、応答として取得したインスタンス選択基準と、コンテンツの各インスタンスのSDPをもとに、コンテンツのインスタンス間の優先順位を優先度として決定する(ステップS508A,S508B)。そして、EPGアプリケーション14は、デバイスIDまたはユーザIDと、視聴対象として選択されたコンテンツの場所を指定するSIP-URIと、優先度が付けられた各インスタンスのSDPとを含むセッション確立要求をホームネットワーク18を通じてIMSゲートウェイ110内のセッション処理部116に送信する(ステップS509A,S509B)。
【0191】
ここで、IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116は、2つのIPTVクライアント端末10A,10Bから同時にセッション確立要求が受信したことによって競合の発生を検知し、それぞれのセッション確立要求に含まれるデバイスIDまたはユーザIDとデバイス/ユーザ優先度データベース119に登録されたデバイス/ユーザ優先度とをもとに、各IPTVクライアント端末10A,10Bからのセッション確立要求間の競合解決を行う(ステップS510)。次に、この競合解決の具体例を説明する。
【0192】
図34は、2つのIPTVクライアント端末10A,10BからIMSゲートウェイ110内のセッション処理部116にそれぞれ送信された2つのセッション確立要求に含まれるデバイスIDまたはユーザID、SIP-URI、優先度が付けられた各インスタンスのSDPの例を示す図である。700AはIPTVクライアント端末10A(デバイスID=d1)のユーザ(ユーザID=u1)から送信されたセッション確立要求に含まれるデバイスIDまたはユーザID、SIP-URI、優先度が付けられた各インスタンスのSDP、700AはIPTVクライアント端末10B(デバイスID=d2)のユーザ(ユーザID=u2)から送信されたセッション確立要求に含まれるデバイスIDまたはユーザID、SIP-URI、優先度が付けられた各インスタンスのSDPである。
【0193】
ここで、2つのIPTVクライアント端末10A,10BとIMSゲートウェイ110が設置されている家庭に割り当てられているネットワーク帯域が15Mbpsとする。また、ここではユーザの優先度に基づいて競合解決が行われることとし、優先度はd2がd1より高いものとする。この場合、セッション処理部116は最初に、ユーザ優先度が高いIPTVクライアント端末10B(デバイスID=d2)のユーザ(ユーザID=u2)が依頼する優先度1のインスタンスに対するセッションを確立するためのネゴシエーションを行う(ステップS511)。このセッションの確立によりネットワーク帯域は8 Mbps消費されるので残りは7Mbpsである。そこで次に、セッション処理部116は、IPTVクライアント端末10A(デバイスID=d1)のユーザ(ユーザID=u1)が依頼するセッションを確立するために、IPTVクライアント端末10Aから受信したセッション確立要求に含まれる各インスタンスのSDPを優先度の高いインスタンスから順に参照し、ビットレートが7Mbps以下のインスタンスを検出する。この結果、IPTVクライアント端末10A(デバイスID=d1)のユーザ(ユーザID=u1)が依頼する優先度1のインスタンスのビットレートは10Mbpsであることからこれを無効とし、ビットレートが5Mbpsである優先度2のインスタンスに対するセッションを確立するためのネゴシエーションを行う(ステップS511)。
【0194】
ここでは、ユーザの優先度に従って競合解決が行われる場合を例示したが、デバイスの優先度に従って競合解決が行われる場合も同様である。
【0195】
セッションを確立するためのネゴシエーションを含む以後の動作は第4の実施形態と同様である。IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116は、IMS-SIPサーバ33よりセッションの確立が成功したことの通知を受けると、ホームネットワーク18を通じてその旨をそれぞれのIPTVクライアント端末10A,10BのIPTVクライアントアプリケーション13に通知する(ステップS512)。各IPTVクライアント端末10A,10B内のIPTVクライアントアプリケーション13はそれぞれ、IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116からセッション確立が成功したことの通知を受信すると、このセッションを通じてIPTVサーバ20からコンテンツのデータを受信し、コンテンツ再生部17への供給、あるいはコンテンツ記憶部16への蓄積を行う(ステップS513A,513B)。
【0196】
以上説明したように、本実施形態では、複数のIPTVクライアント端末10A,10Bから同時に発生したセッション確立要求に対して、IMSゲートウェイ110がデバイス間の優先度またはユーザ間の優先度に基づいて、順次適切なセッションを確立することができる。
【0197】
なお、この実施形態では、複数のIPTVクライアント端末10A,10Bから同時にセッション確立要求が発生した場合について説明したが、既に、あるIPTVクライアント端末から依頼されたセッションが確立されているときに、別のIPTVクライアント端末からのセッション確立要求が発生した場合、IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116は、その新たに発生したセッションの確立要求の中で優先度の高いインスタンスから順にそのインスタンスのビットレートが、家庭に割り当てられているネットワーク帯域から既に消費されているネットワーク帯域を差し引いた残りのネットワーク帯域以下のものを検出し、このインスタンスに対するセッションを確立するためのネゴシエーションを行う。
【0198】
(第6の実施形態の変形例1)
図38は、第6の実施形態の変形例1の動作を示すフローチャートである。
【0199】
第6の実施形態では、デバイス/ユーザ優先度をIMSゲートウェイ110で管理することとしたが、IPTVサーバ20で管理するようにしてもよい。この場合、IPTVクライアント端末10Aは、広域なネットワーク3を通じてIPTVサーバ20に対してデバイス/ユーザ優先度の設定要求を送信する。
【0200】
IPTVサーバ20は、IPTVクライアント端末10A内のEPGアプリケーション14からのデバイス/ユーザ優先度の設定要求を受信すると、その設定画面の情報を広域なネットワーク3を通じてIPTVクライアント端末10A内のEPGアプリケーション14に応答する。IPTVクライアント端末10A内のEPGアプリケーション14は、この設定画面の情報を受信すると、ユーザインタフェース部11に備えられている表示部に設定画面を表示し、ユーザ1にデバイス/ユーザ優先度を入力させた後、広域なネットワーク3を通じてを通じてIPTVサーバ20に送信する(この動作がステップS501Abに相当)。
【0201】
IPTVサーバ20は、IPTVクライアント端末10のEPGアプリケーション14からのデバイス/ユーザ優先度を受信すると、この情報を図示しないインスタンス選択基準データベースへ登録する(この動作がステップS502bに相当)。
【0202】
IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116は、競合を解決するために、広域なネットワーク3を通じてIPTVサーバ20にデバイス/ユーザ優先度の取得要求を送信してデバイス/ユーザ優先度を応答として取得する。
【0203】
なお、各IPTVクライアント端末10A,10Bで作成されたインスタンス選択基準についてもIPTVサーバ20にて管理するようにしてもよい。
【0204】
(第7の実施形態)
【0205】
あるIPTVクライアント端末のユーザから依頼されたセッションが確立されているときに、そのIPTVクライアント端末またはそのユーザよりデバイス/ユーザ優先度が高い別のIPTVクライアント端末またはユーザからセッション確立要求が発生した場合には、後から依頼されたセッションを優先するために、既に確立されているセッションをより低画質のセッションに変更するようにしてもよい。この方式を採用した第7の実施形態を説明する。
【0206】
図35および図36は、この第7の実施形態のIPTVシステム100において、IPTVクライアント端末10A,10BとIPTVサーバ20との間でIPTVセッションが確立されるまでの動作を示すシーケンス図である。なお、第7の実施形態のIPTVシステム100の構成は図31に示した第6の実施形態と同じであるが、IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116の処理が異なる。
【0207】
まず、ステップS501AからステップS503A,S503Bで、IPTVクライアント端末10AからIMSゲートウェイ110内のデバイス/ユーザ優先度データベース119へのデバイス/ユーザ優先度の登録と、各IPTVクライアント端末10A,10BからIMSゲートウェイ110内のインスタンス選択基準データベース112へのインスタンス選択基準の登録が第6の実施形態と同様に行われる。
【0208】
この後、IPTVクライアント端末10AのEPGアプリケーション14がメタデータサーバ40よりコンテンツのTV-Anytimeメタデータを取得するステップS504Aから、IPTVクライアント端末10AのEPGアプリケーション14が、デバイスIDまたはユーザIDと、視聴対象として選択されたコンテンツの場所を指定するSIP-URIと、優先度が付けられた各インスタンスのSDPとを含むセッション確立要求を、ホームネットワーク18を通じてIMSゲートウェイ110内のセッション処理部116に送信するステップS509Aまでの動作も第6の実施形態と同様である。
【0209】
ここではIPTVクライアント端末10AのEPGアプリケーション14だけからセッション確立要求が送信されたことから、IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116は、第4の実施形態と同様に、そのセッション確立要求に含まれる各インスタンスのSDPとインスタンス選択基準データベース112に格納されたインスタンス選択基準とをもとに各インスタンスの優先順位を決定し、優先順位の高いインスタンスから順に、SIP-URIとそのインスタンスのSDPを格納したSIP-INVITEメッセージを生成し、このSIP-INVITEメッセージを広域なネットワーク3を通じてIMSプラットフォームを提供するサーバ群30におけるIMS-SIPサーバ33に送信してセッション確立のためネゴシエーションを行う。
【0210】
IMSゲートウェイ110は、IMS-SIPサーバ33よりセッションの確立が成功したことの通知を受けると、ホームネットワーク18を通じてその旨をIPTVクライアント端末10AのIPTVクライアントアプリケーション13に通知する(ステップS512)。この後、IPTVクライアント端末10A内のIPTVクライアントアプリケーション13は、IPTVサーバ20との間に確立されたセッションを通じてコンテンツのデータを受信し、コンテンツ再生部17への供給、あるいはコンテンツ記憶部16への蓄積を行う(ステップS513A)。
【0211】
IPTVクライアント端末10AのIPTVクライアントアプリケーション13とIPTVサーバ20との間にセッションが確立されているとき、IPTVクライアント端末10BのEPGアプリケーション14が、同様にステップS504BのTV-Anytimeメタデータの取得から、ステップS509Bのセッション確立要求の送信までを行ったこととする。
【0212】
IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116は、IPTVクライアント端末10BのEPGアプリケーション14からのセッション確立要求を受信すると競合の発生を検知し、IPTVクライアント端末10Aから既に受信しているセッション確立要求とIPTVクライアント端末10Bから受信したセッション確立要求のそれぞれに含まれるデバイスIDまたはユーザIDとデバイス/ユーザ優先度データベース119に登録されたデバイス/ユーザ優先度とをもとにセッション確立要求間の競合解決を行う(ステップS514)。次に、この競合解決の具体例を説明する。
【0213】
この競合解決の具体例を説明するために、再び図34の2つのIPTVクライアント端末10A,10BからIMSゲートウェイ110内のセッション処理部116にそれぞれ送信された2つのセッション確立要求に含まれるデバイスIDまたはユーザID、SIP-URI、優先度が付けられた各インスタンスのSDPの例を採用する。ここで、2つのIPTVクライアント端末10A,10BとIMSゲートウェイ110が設置されている家庭に割り当てられているネットワーク帯域が15Mbpsとする。また、ここではユーザの優先度に従って競合解決が行われることとし、優先度はd2がd1より高いものとする。さらに、IPTVクライアント端末10Bからのセッション確立要求が発生する以前に、IPTVクライアント端末10Aからのセッション確立要求に含まれる優先度1のインスタンスに対するセッションが既に確立されているものとする。したがって、ネットワーク帯域は既に10Mbps消費されているので残りは5Mbpsである。
【0214】
セッション処理部116は、まず、2つのセッション確立要求それぞれに含まれるユーザIDをもとに、どちらのIPTVクライアント端末のユーザのユーザ優先度が高いかを判定する。図34の例では、IPTVクライアント端末10B(デバイスID=d2)のユーザ(ユーザID=u2)のユーザの方がIPTVクライアント端末10A(デバイスID=d1)のユーザ(ユーザID=u1)のユーザよりもユーザ優先度が高いことを判定する。そこでセッション処理部116は、IPTVクライアント端末10Bからのセッション確立要求に含まれる各インスタンスの中で優先度が最も高いインスタンスに対するセッションを確立するようにネゴシエーションを行う(ステップS515)。
【0215】
このネゴシエーションにおいて、IPTVクライアント端末10Bからのセッション確立要求に含まれる各インスタンスの中で優先度が最も高いインスタンスのビットレートは8Mbpsであるのに対し、家庭に割り当てられているネットワーク帯域の残りは現在5Mbpsであるため、このままでは3Mbps分の不足が生じる。そこでセッション処理部116は、IPTVクライアント端末10Aからのセッション確立要求に含まれる各インスタンスのSDPを参照して、現在セッションが確立されているインスタンスよりもビットレートの低いインスタンスのビットレートを確認して、このビットレートが7Mbps以下ならば、このインスタンスに対するセッションへの変更を行うようにセッション確立のための処理を行う。図34の例では、IPTVクライアント端末10Aからのセッション確立要求に含まれる各インスタンスの中で優先度が2番目に高いインスタンスのビットレートは5Mbpsであることから、このインスタンスに対するセッションへの変更が行われる。そして、セッション処理部116は、このセッションへの変更要求をIPTVクライアント端末10AのIPTVクライアントアプリケーション13に送信する(ステップS516)。なお、ビットレートが7Mbps以下のインスタンスがIPTVクライアント端末10Aからのセッション確立要求に含まれる各インスタンスの中に無い場合には、現在確立されているIPTVクライアント端末10Aからのセッション確立要求に対するセッションを解放する処理のみが行われる。
【0216】
IPTVクライアント端末10AのIPTVクライアントアプリケーション13は、IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116からのセッションの変更要求を受信すると、この変更要求に従って低画質なインスタンスに対するセッションへの変更を行い、IPTVサーバ20からのコンテンツのデータの受信を続ける(ステップS517B)。
【0217】
一方、IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116は、IMS-SIPサーバ33より、IPTVクライアント端末10Bからのセッション確立要求に対してセッションの確立に成功したことの通知を受けると、ホームネットワーク18を通じてその旨をIPTVクライアント端末10BのIPTVクライアントアプリケーション13に通知する(ステップS518)。IPTVクライアント端末内のIPTVクライアントアプリケーション13は、IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116からセッション確立が成功したことの通知を受信すると、このセッションを通じてIPTVサーバ20からコンテンツのデータを受信し、コンテンツ再生部17への供給、あるいはコンテンツ記憶部16への蓄積を行う(ステップS513B)。
【0218】
ここでは、ユーザの優先度に従って競合解決が行われる場合を例示したが、デバイスの優先度に従って競合解決が行われる場合も同様である。
【0219】
以上説明したように、本実施形態では、あるIPTVクライアント端末のユーザから依頼されたセッションが確立されているときに、そのIPTVクライアント端末またはそのユーザよりデバイス/ユーザ優先度が高い別のIPTVクライアント端末のユーザからセッション確立要求が発生した場合には、既に確立されているセッションを低画質のものに変更してでも、後から依頼されたセッションの確立を優先する。これにより、デバイス/ユーザ優先度を重視して適切にセッションを確立することができる。
【0220】
(第7の実施形態の変形例1)
【0221】
第7の実施形態では、デバイス/ユーザ優先度データベース119に登録されたデバイス/ユーザ優先度をもとに、必要ならば既に確立されているセッションに割り当てられたネットワーク帯域を修正することとしたが、デバイス/ユーザ優先度に拠らず、後から別のIPTVクライアント端末からのセッション確立要求が発生しならば、そのセッション確立要求に対するセッションの確立を許可するかどうかを、既にセッションが確立されているIPTVクライアント端末のユーザに呈示してユーザに指定させるようにしてもよい。
【0222】
図37は、この処理のフローチャートである。IPTVクライアント端末10A(デバイス1)から依頼されたセッションが確立されているときに、IPTVクライアント端末10B(デバイス2)よりセッション確立要求が発生した場合に、IPTVクライアント端末10A(デバイス1)の表示部を通して、そのIPTVクライアント端末10B(デバイス2)のセッション確立要求を許可するかどうかをユーザ1に質問する(ステップS601)。この質問に対してユーザ1から許可する通知が入力されると、IPTVクライアント端末10A(デバイス1)内のEPGアプリケーション14からIMSゲートウェイ110内のセッション処理部116にセッション確立要求を許可する通知が送信される。
【0223】
IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116は、IPTVクライアント端末10A(デバイス1)内のEPGアプリケーション14からセッション確立要求を許可する通知を受信すると、IPTVクライアント端末10B(デバイス2)からのセッション確立要求に含まれる各インスタンスの中で優先度が最も高いインスタンスに対するセッションを確立するようにネゴシエーションを行う。また、セッション処理部116は、IPTVクライアント端末10Aからのセッション確立要求に含まれる各インスタンスのSDPを参照して、現在セッションが確立されているインスタンスよりもビットレートの低いインスタンスのビットレートを確認し、このビットレートと、IPTVクライアント端末10B(デバイス2)からのセッション確立要求に含まれる各インスタンスの中で優先度が最も高いインスタンスのビットレートとの合計が家庭に割り当てられているネットワーク帯域以下ならば、このインスタンスに対するセッションに変更するように処理を行う(ステップS602)。
【0224】
また、IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116は、IPTVクライアント端末10A(デバイス1)内のEPGアプリケーション14からセッション確立要求を許可しない通知を受信した場合には、IPTVクライアント端末10B(デバイス2)のEPGアプリケーション14に対してその旨を通知する。IPTVクライアント端末10B(デバイス2)のEPGアプリケーション14は、この通知を受信すると、表示部を通して、セッション確立許可が下りなかったことをユーザ1に呈示する(ステップS603)。この後、IMSゲートウェイ110内のセッション処理部116は、現在確立されているセッションを維持し、IPTVクライアント端末10B(デバイス2)のEPGアプリケーション14からのセッション確立要求を却下する(ステップS604)。
【0225】
本発明は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々更新を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0226】
3 ネットワーク
10 IPTVクライアント端末
13 IPTVクライアントアプリケーション
14 EPGアプリケーション
15 メタデータ記憶部
20 IPTVサーバ
31 アクセス制御サーバ
32 ネットワークリソース管理サーバ
33 IMS-SIPサーバ
40 メタデータサーバ
52 ProgramInformationTable要素
53 ProgramLocationTable要素
54 ProgramInformation要素
55 OnDemandProgram要素
56 Title要素
57 BasicDescription要素
59 programURL要素
60 InstanceDescription要素
61 Program要素
62 SDP要素
84 AVAttributes要素
85 transportQuality要素
86 Coding要素
87 VideoAttributes要素
91 ServiceInformationTable要素
92 ServiceInformation要素
93 OnDemandService要素
95 ServiceURL要素
100 IPTVシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの視聴のために当該コンテンツを受信するためのセッションの確立を行うためのメッセージの生成に必要な情報を含むメタデータを取得するメタデータ取得部と、
前記取得したメタデータをもとに、ユーザによって視聴対象として選択されたコンテンツについて、前記コンテンツを識別するためのコンテンツ識別子を格納する宛先部と前記セッションを確立するために必要な情報を格納するボディ部とを有するメッセージを生成するメッセージ生成部と、
前記生成されたメッセージを、前記セッションの制御を行うサーバに送信するメッセージ送信部と
を具備するクライアント端末。
【請求項2】
請求項1に記載のクライアント端末であって、
前記セッションを確立するために必要な情報がQoS(Quality of Service)の制御のための情報を含む
クライアント端末。
【請求項3】
請求項1に記載のクライアント端末であって、
前記クライアント端末が携帯機器である
クライアント端末。
【請求項4】
コンテンツを受信するためのセッションを確立を行うためのメッセージの生成に必要な情報を含むメタデータを取得し、
前記取得したメタデータをもとに、ユーザによって視聴対象として選択されたコンテンツについて、前記コンテンツを識別するためのコンテンツ識別子を格納する宛先部と前記セッションを確立するために必要な情報を格納するボディ部とを有するメッセージを生成し、
前記生成されたメッセージを、前記セッションの制御を行うサーバに送信する
コンテンツ受信方法。
【請求項5】
コンテンツの視聴のために前記コンテンツを受信するためのセッションの確立を行うためのメッセージの生成に必要な情報を含むメタデータを取得することが可能なクライアント端末より、前記コンテンツを識別するためのコンテンツ識別子および前記セッションを確立するために必要な情報を含むセッション確立要求を受信し、前記コンテンツ識別子を格納する宛先部と前記セッションを確立するために必要な情報を格納するボディ部とを有するメッセージを生成し、前記セッションの制御を行うことが可能なサーバに送信するセッション処理部
を具備するセッション管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2012−217190(P2012−217190A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−135090(P2012−135090)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2008−52927(P2008−52927)の分割
【原出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】