説明

クラゲ捕獲脱水方法および装置

【課題】クラゲを効率的に捕獲して脱水処理するクラゲ捕獲脱水方法と、船載可能なクラゲ捕獲脱水装置を提供することを目的とする。
【解決手段】細断装置を海に浮遊させて細断装置内に海水ごとクラゲを取り込んでクラゲを細断処理し、細断処理したクラゲ細断物を脱水装置に移送し、脱水装置でクラゲ細断物を脱水して船体に収納可能にしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラゲを捕獲して脱水処理する方法および装置に係る。
【背景技術】
【0002】
近年、大発生により大量のクラゲが漁網に魚とともにかかり、魚を傷つけて品質を低下させたり、漁網を破損させたりする等の問題が発生している。
このクラゲからは、コラーゲンといった有用なタンパク質が得られるが、クラゲの成分は殆どが水分であるため運搬効率が低く、一部食用として使用される他はそのまま廃棄されていた。
特開2002−138446号公報には、クラゲを網で捕集して吸引管で回収する技術を開示するが、捕獲効率が悪く、使用範囲も限定されていた。
【0003】
【特許文献1】特開2002−138446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記技術的課題に鑑みて、クラゲを効率的に捕獲して脱水処理するクラゲ捕獲脱水方法と、船載可能なクラゲ捕獲脱水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るクラゲの捕獲脱水方法は、細断装置を海に浮遊させて細断装置内に海水ごとクラゲを取り込んでクラゲを細断処理し、細断処理したクラゲ細断物を脱水装置に移送し、脱水装置でクラゲ細断物を脱水して船体に収納可能にしたことを特徴とする。
【0006】
本発明に係るクラゲの捕獲脱水装置は、海に浮遊させて海水ごとクラゲを取り込んでクラゲを細断処理する細断装置と、クラゲ細断物を船体に収納可能に脱水処理する脱水装置と、細断装置から脱水装置にクラゲ細断物を移送する移送管とを備えたことを特徴とする。
ここでクラゲを海水ごと取り込むとは例えばポンプ吸引等により取り込むことをいう。
【0007】
請求項3記載の発明の技術的要旨は、細断装置は、略筒形の筒部の内側に、クラゲを海水ごと筒部の取込口から吸引して排出口から送出するポンプと、クラゲを細断するカッターとを設け、筒部の外側に、細断装置を海に浮遊させるフロート部を設けてあることを特徴とする。
ここで略筒形の筒部とは、略管状で一方の開口側から他方の開口側へ送液可能であれば良く、例えば両方の開口の間の部分が曲がっていたり、異形状であっても良い。
【0008】
請求項4記載の発明の技術的要旨は、細断装置に圧縮空気を供給する圧縮空気供給機を船体に備え、圧縮空気供給機が供給した圧縮空気を細断装置の筒部取込口側から筒部排出口側に向けて筒部内に噴出させることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明の技術的要旨は、船体と細断装置とを連結する沈下量調節鎖を備えたことを特徴とする。
ここで、沈下量調節鎖とは例えば船体と細断装置とを連結する鎖の長さを調整したり、重り量を調整したりすることで細断装置の海中への沈み深さを調整する。
【0010】
請求項6記載の発明の技術的要旨は、脱水装置は、クラゲ細断物を含む海水からクラゲ細断物を分離して一次脱水する遠心脱水機と、遠心脱水機で一次脱水したクラゲ細断物を二次脱水するスクリュー脱水機を有する点である。
【0011】
請求項7記載の発明の技術的要旨は、遠心脱水機は、頂部を上方に配置した円錐側面形スクリーンを円錐軸方向に回転駆動する透水性の回転スクリーン体と、側面に削取口を有するシュート付スクレーパーとを有し、海水を含むクラゲ細断物を円錐側面形スクリーン内面に吹き付けて遠心作用により一次脱水し、円錐側面形スクリーン内面に付着したクラゲ細断物は、一部はシュート付スクレーパーの削取口から送出して、円錐側面形スクリーンから剥がれ落ちたクラゲ細断物は落下させ、スクリュー脱水機は、遠心脱水機の円錐側面形スクリーンの下方に位置し、上方開口部を有するケーシングと、ケーシング内で駆動するスクリューとを有し、円錐側面形スクリーンから剥がれ落ちたクラゲ細断物をケーシングとスクリューとの間の圧縮作用により搬送二次脱水し、細断することを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の発明の技術的要旨は、細断装置および脱水装置に圧力水を供給する圧力水供給機を備え、細断装置は圧力水供給機が供給した圧力水で回転駆動してポンプおよびカッターを駆動するタービンを有し、脱水装置は圧力水供給機が供給した圧力水で回転駆動して遠心脱水機の回転スクリーン体とスクリュー脱水機のスクリューを駆動するタービンを有することを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載のクラゲの細断装置は、本発明に係るクラゲの捕獲脱水装置を構成する要部となるもので、略筒形の筒部の内側に、クラゲを海水ごと筒部の取込口から吸引して排出口から送出するポンプと、クラゲを細断するカッターとを設け、筒部の外側に、筒部取込口を海中に沈めた状態で浮力により細断装置を海に浮遊させるフロート部を設けてあることを特徴とする。
【0014】
請求項10に記載のクラゲの脱水装置は、本発明に係るクラゲの捕獲脱水装置を構成する要部となるもので、クラゲ細断物を一次脱水する遠心脱水機と二次脱水するスクリュー脱水機を備え、遠心脱水機は、頂部を上方に配置した円錐側面形スクリーンを円錐軸方向に回転駆動する透水性の回転スクリーン体と、側面に削取口を有するシュート付スクレーパーとを有し、海水を含むクラゲ細断物を円錐側面形スクリーン内面に吹き付けて遠心作用により一次脱水し、円錐側面形スクリーン内面に付着したクラゲ細断物は、一部はシュート付スクレーパーの削取口から送出して、円錐側面形スクリーンから剥がれ落ちたクラゲ細断物は落下させ、スクリュー脱水機は、遠心脱水機の円錐側面形スクリーンの下方に位置し、上方開口部を有するケーシングと、ケーシング内で駆動するスクリューとを有し、円錐側面形スクリーンから剥がれ落ちたクラゲ細断物をケーシングとスクリューとの間の圧縮作用により搬送二次脱水し、細断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るクラゲの捕獲脱水方法においては、海上に浮遊する細断装置で細断したクラゲ細断物を海水ごと、船側の脱水装置に送り脱水処理するため、捕獲したクラゲを効率よく海中から船側に移送出来、また、細断化してあるため効率良く脱水出来る。
これにより、成分のほとんどが水分であるクラゲを効率的に減量化出来るため、クラゲを資源化して、例えば健康分野・医療分野・食料分野等の原料に活用出来る。
クラゲの捕獲脱水装置は船載出来るために、例えば漁網内や漁網付近などの希望する場所で簡単に使用して、クラゲを捕獲して脱水処理出来る。
【0016】
細断装置は、筒部内にポンプとカッターを有してフロート部浮力で海上に浮遊させるシンプルな構造であるため、コンパクトに形成して容易に船載し、所定位置で海中に移すことが出来る。
そして、排出口に向けて筒部内に圧縮空気を噴出させると、エアレーション効果によりクラゲ細断物を含む海水の流動性を高めて、移送管におけるクラゲ細断物の移送効率をより高めることが出来る。
また、細断装置を船体側と、船体からの送出長さを調節可能な沈下量調節鎖で連結させると、沈下量調節鎖を海中に沈める長さを調節することで簡単に取込口深さを調節出来るため、より効率的に海中のクラゲを細断装置内に取り込むことが出来る。
【0017】
脱水装置は、クラゲ細断物を遠心脱水機で海水と分離して一次脱水し、遠心脱水機で一次脱水したクラゲ細断物をスクリュー脱水機で二次脱水すると、クラゲ細断物を効率的に脱水処理出来る。
脱水装置の遠心脱水機は、クラゲ細断物を含む海水を回転駆動する円錐側面形スクリーン内面に吹き付けて遠心作用により一次脱水し、円錐側面形スクリーンの内面に付着したクラゲ細断物の一部をシュート付スクレーパーで回収して、円錐側面形スクリーンの内面から剥がれ落ちたクラゲ細断物をスクリュー脱水機内に落下させて二次脱水すると、クラゲ細断物を、脱水装置を停止させることなく連続的に脱水処理出来る。
【0018】
細断装置および脱水装置は、船体側から供給した圧力水で駆動するタービンで駆動させると、回転数や回転速度の調整がしやすく、また電気駆動とした場合に比較して感電や漏電の事故の恐れがないため安全になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係るクラゲ捕獲脱水方法および装置について、以下図面を用いて説明する。
図1はクラゲを捕獲脱水するクラゲ捕獲脱水装置10の説明図を示す。
クラゲ捕獲脱水装置10は、いずれも船体5に船載可能な細断装置20と、脱水装置40と、移送管30とを備えている。
細断装置20は、クラゲ捕獲脱水装置10を使用する海上の所定位置において、図1に示すように船体5上から海4内に移して、浮力により海上に浮遊させる。
この時、脱水装置40は船体5の上に配設してあり、可撓性の移送管3で浮遊状態の細断装置20と繋いである。
細断装置20は、このように海4に浮遊した状態で海中側に設けた取込口20aから海水ごとクラゲ1を細断装置20内に取り込み、クラゲ1を細断処理して移送管30へポンプにより送出する。
細断装置20が細断したクラゲ細断物は移送管30を通して脱水装置40に送られる。
このクラゲ細断物を細断装置20から移送管30を通して脱水装置40に送るポンプは、細断装置20と移送管30と脱水装置40のいずれに設けてあってもよいが、例えば細断装置20と脱水装置40にそれぞれ設けると、クラゲ細断物を含む海水を移送管30を通して効率良く送ることが出来る。
脱水装置40はクラゲ細断物を含む海水からクラゲ細断物を分離して、クラゲ細断物を脱水して船体に収納して運搬しやすいものとする。
【0020】
図2(a)は細断装置20の内部構造の説明図を示す。
細断装置20は略筒形の筒部21の外面にフロート部22を取付けて、筒部21内にタービン25とポンプ23とカッター24とを配設してある。
筒部21は下部の開口側に取込口20aを設けて、上部の開口側に排出口20bを設けてある。
フロート部22上部には、船体上に配設してある圧縮空気供給機(図示省略)から圧縮空気を供給する供給管12が接続してある。
供給管12から供給された圧縮空気は、フロート部22内側の空洞部22aに導入した後に、取込口20a側に設けた圧縮空気噴出孔22bから排出口20b側に向けて噴出上昇させるようにしてある。
そしてフロート部22下部には、船体5からその送出長さを巻揚げ機等で調節可能に送出してある沈下量調節鎖11が連結してある。
フロート部22は、フロート部22の浮力により排出口22bを上方に向けて取込口20aを所定深さ海中に沈めた状態で、海上に細断装置20を浮遊させる
取込口20aを海中に沈める深さは、沈下量調節鎖11を海中へ送出する長さを変えることで海中分の沈下量調節鎖11の重さを変えて調節する。
タービン25は船体上に配設してある圧力水供給機(図示省略)から供給管13を通して供給された圧力水で回転駆動し、タービン25に回転軸26で連結してあるポンプ23およびカッター24を駆動する。
タービン25を駆動した圧力水の排水口25aは排出口20b方向に向けてある。
【0021】
カッター24の水平方向断面の一部を拡大した模式図を図2(b)に示す。
カッター24は、略円筒形の金属製で略円筒形の側面を貫通するスリット24aを設け、細断刃24bをスリット24aの回転方向後ろ側の縁部から内斜め前向きに延出させ、送液羽根24cをスリット24aの回転方向前側の縁部から外斜め後ろ向きに延出させてある。
カッター24は、回転駆動することで送液羽根24c及び細断刃24bでスリット24aを内側から外側に流れる海水の流れを作り、細断刃24bおよびスリット24aの縁部で海水とともに流れようとするクラゲを細断する。
この送液羽根24cは、回転することで排出口20b側へ向かう水流を形成し、細断したクラゲ細断物を海水ごと排水口20bへ送るように設けてある。
細断装置20は、海中に所定深さ沈下した浮遊状態でポンプ23が駆動することで生じる取込口20aから排出口20bに向かう水流により、取込口20aから海水ごとクラゲ1を筒部21内に取り込みつつ、回転駆動するカッター24でクラゲを細断処理する。
そして、このクラゲ細断物2を含む海水2aを、圧縮空気噴出孔22bから噴出させた圧縮空気のエアレーション効果により流動性を高めつつ、ポンプ23の送出力により排出口20bから移送管30に送出する。
【0022】
図3(a)は脱水装置40の内部構造の説明図を示す。
脱水装置40は、容器41内の上側に遠心脱水機50を設け、下側にスクリュー脱水機60を設けてある。
遠心脱水機50は、透水性材よりなる円錐側面形スクリーン52を回転軸53で回転駆動する回転スクリーン体51と、シュート57bに連通する削取口57aを有するシュート付スクレーパーと57と、移送管30に接続してあって噴出口54aを円錐側面形スクリーン52aの内面に向けてある噴出部54を有している。
円錐側面形スクリーン52は略円錐形で頂部を上方に向け下部を下方開口部52aで開口してあり、縦方向に設けてある回転軸53で円錐軸方向に回転駆動する。
この回転軸53は、船体上に配設してある圧力水供給機(図示省略)から供給管13を通して供給された圧力水で回転駆動するタービン56の駆動力により駆動する。
タービン56を駆動した圧力水の排水口56aは脱水装置容器41内に設けてある。
噴出部54は移送管30から送出されたクラゲ細断物2を含む海水2aを円錐側面形スクリーン52の内面に向けて噴出させるように、噴出口54a内に吸込み飛散ポンプ55を設けてある。
遠心脱水機40は、クラゲ細断物2を含む海水2aを、回転駆動する円錐側面形スクリーン52の内面に噴出部54で吹き付けて円錐側面形スクリーン内面にクラゲ細断物2を付着させて海水とクラゲ細断物2とを分離し、遠心力の作用でクラゲ細断物2を脱水(一次脱水)する。
シュート付スクレーパー57は、円錐側面形スクリーン52の内面に付着したクラゲ細断物2の一部を削取口57aで削り取ってシュート57bに投入する。
シュート57bは容器41の外側のシュート42に連通してあり、シュート57bに投入されたクラゲ細断物2は脱水装置40より送出されて、シュート42により網底71を有する収納容器70等に集められる。
円錐側面形スクリーン52の内面に付着したクラゲ細断物2のうち、例えば大きく重い等の理由でシュート付スクレーパー57による回収前に円錐側面形スクリーン52の内面への付着が剥がれたクラゲ細断物2は、円錐側面形スクリーン52の下方開口部52aから下方へ落下する。
【0023】
スクリュー脱水機60は、ケーシング63と、ケーシング63内で駆動するスクリュー61とを有している。
スクリュー61はケーシング63の排出口64側に向けて横向きに設けた回転軸62で駆動し、排出口64側になるにつれてスクリュー羽根61aを先細に絞った先絞り形としてある。
回転軸62は供給管13から供給される圧力水で駆動するタービン65で駆動される。
ケーシング63はスクリュー61に合わせて排出口64側を先細にした略円錐形としてあり、その上部は遠心脱水機50の円錐側面形スクリーン52の下方開口部52aに合わせた上方開口部63dで開口してある。
図3(b)にスクリュー脱水機60の回転軸62方向から見た縦断面の模式図を示す。
ケーシング63は、上側に拡げるように設けた受け片部63cの間に上方開口部63dを円錐側面形スクリーン52の下方開口部52aに合わせて開口させてあり、これにより円錐側面形スクリーン52の下方開口部52aから落下したクラゲ細断物2を受けてスクリュー61に向けて流すようにしてある。
ケーシング63の底部63aは、スクリュー羽根61aの下縁にほぼ沿うように形成してあって多数の排水孔63bが設けてある。
スクリュー脱水機60は、排出口64に向けて底部63内のクラゲ細断物2を細断しつつスクリュー搬送することで、排出口64側になるに従ってスクリュー羽根61a間とケーシング底部63aとの間の空間容積を先絞り形状で小さくしてクラゲ細断物2を圧縮して脱水(二次脱水)する。
脱水したクラゲ細断物2は排出口64からシュート42へ送出する。
シュート42へ送出されたクラゲ細断物2は、網底71を有する収納容器70等に集められる。
このクラゲ捕獲脱水装置は腐食防止のために、細断装置の筒部やフロート部、脱水装置のシュート等は例えば繊維強化プラスチック製とすると良く、その他の金属部分は例えば静電塗装により樹脂被覆を設ける等の防錆処理をすると良い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】クラゲを捕獲脱水するクラゲ捕獲脱水装置の説明図を示す。
【図2】(a)は細断装置の内部構造の説明図を示し、(b)はカッターの水平方向断面の一部を拡大した模式図を示す。
【図3】(a)は脱水装置の内部構造の説明図を示し、(b)はスクリュー脱水機のスクリュー回転軸方向視の断面の模式図を示す。
【符号の説明】
【0025】
1 クラゲ
2 クラゲ細断物
2a クラゲ細断物を含む海水
4 海
5 船体
10 クラゲ捕獲脱水装置
11 沈下量調節鎖
12 圧縮空気の供給管
13 圧力水の供給管
20 細断装置
20a 取込口
20b 排出口
21 筒部
22 フロート部
22a 空洞部
22b 圧縮空気噴出孔
23 ポンプ
24 カッター
24a スリット
24b 細断刃
24c 送液羽根
25 タービン
25a 排水口
26 回転軸
30 移送管
40 脱水装置
41 脱水装置容器
42 シュート
50 遠心脱水機
51 回転スクリーン体
52 円錐側面形スクリーン
52a 下方開口部
53 回転軸
54 噴出部
54a 噴出口
55 吸込み飛散ポンプ
56 タービン
56a 排水口
57 シュート付スクレーパー
57a 削取口
57b シュート
60 スクリュー脱水機
61 スクリュー
61a スクリュー羽根
62 回転軸
63 ケーシング
63a 底部
63b 排水孔
63c 受け片部
63d 上方開口部
64 排出口
65 タービン
70 収納容器
71 網底

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細断装置を海に浮遊させて細断装置内に海水ごとクラゲを取り込んでクラゲを細断処理し、
細断処理したクラゲ細断物を脱水装置に移送し、
脱水装置でクラゲ細断物を脱水して船体に収納可能にしたことを特徴とするクラゲの捕獲脱水方法。
【請求項2】
海に浮遊させて海水ごとクラゲを取り込んでクラゲを細断処理する細断装置と、
クラゲ細断物を船体に収納可能に脱水処理する脱水装置と、
細断装置から脱水装置にクラゲ細断物を移送する移送管とを備えたことを特徴とするクラゲの捕獲脱水装置。
【請求項3】
細断装置は、略筒形の筒部の内側に、クラゲを海水ごと筒部の取込口から吸引して排出口から送出するポンプと、クラゲを細断するカッターとを設け、
筒部の外側に、細断装置を海に浮遊させるフロート部を設けてあることを特徴とする請求項2記載のクラゲの捕獲脱水装置。
【請求項4】
細断装置に圧縮空気を供給する圧縮空気供給機を船体に備え、
圧縮空気供給機が供給した圧縮空気を細断装置の筒部取込口側から筒部排出口側に向けて筒部内に噴出させることを特徴とする請求項3記載のクラゲの捕獲脱水装置。
【請求項5】
船体と細断装置とを連結する沈下量調節鎖を備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のクラゲの捕獲脱水装置。
【請求項6】
脱水装置は、クラゲ細断物を含む海水からクラゲ細断物を分離して一次脱水する遠心脱水機と、
遠心脱水機で一次脱水したクラゲ細断物を二次脱水するスクリュー脱水機を有することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のクラゲの捕獲脱水装置。
【請求項7】
遠心脱水機は、頂部を上方に配置した円錐側面形スクリーンを円錐軸方向に回転駆動する透水性の回転スクリーン体と、
側面に削取口を有するシュート付スクレーパーとを有し、
海水を含むクラゲ細断物を円錐側面形スクリーン内面に吹き付けて遠心作用により一次脱水し、
円錐側面形スクリーン内面に付着したクラゲ細断物は、一部はシュート付スクレーパーの削取口から送出して、円錐側面形スクリーンから剥がれ落ちたクラゲ細断物は落下させ、
スクリュー脱水機は、遠心脱水機の円錐側面形スクリーンの下方に位置し、上方開口部を有するケーシングと、
ケーシング内で駆動するスクリューとを有し、
円錐側面形スクリーンから剥がれ落ちたクラゲ細断物をケーシングとスクリューとの間の圧縮作用により搬送二次脱水し、細断することを特徴とする請求項6記載のクラゲの捕獲脱水装置。
【請求項8】
細断装置および脱水装置に圧力水を供給する圧力水供給機を備え、
細断装置は圧力水供給機が供給した圧力水で回転駆動してポンプおよびカッターを駆動するタービンを有し、
脱水装置は圧力水供給機が供給した圧力水で回転駆動して遠心脱水機の回転スクリーン体とスクリュー脱水機のスクリューを駆動するタービンを有することを特徴とする請求項7記載のクラゲの捕獲脱水装置。
【請求項9】
略筒形の筒部の内側に、クラゲを海水ごと筒部の取込口から吸引して排出口から送出するポンプと、クラゲを細断するカッターとを設け、
筒部の外側に、筒部取込口を海中に沈めた状態で浮力により細断装置を海に浮遊させるフロート部を設けてあることを特徴とするクラゲの細断装置。
【請求項10】
クラゲ細断物を一次脱水する遠心脱水機と二次脱水するスクリュー脱水機を備え、
遠心脱水機は、頂部を上方に配置した円錐側面形スクリーンを円錐軸方向に回転駆動する透水性の回転スクリーン体と、
側面に削取口を有するシュート付スクレーパーとを有し、
海水を含むクラゲ細断物を円錐側面形スクリーン内面に吹き付けて遠心作用により一次脱水し、
円錐側面形スクリーン内面に付着したクラゲ細断物は、一部はシュート付スクレーパーの削取口から送出して、円錐側面形スクリーンから剥がれ落ちたクラゲ細断物は落下させ、
スクリュー脱水機は、遠心脱水機の円錐側面形スクリーンの下方に位置し、上方開口部を有するケーシングと、
ケーシング内で駆動するスクリューとを有し、
円錐側面形スクリーンから剥がれ落ちたクラゲ細断物をケーシングとスクリューとの間の圧縮作用により搬送二次脱水し、細断することを特徴とするクラゲ脱水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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