説明

クラッチ装置

【課題】磁力の大きな永久磁石を要せずに2つの回転体の追従性を向上させる。
【解決手段】隣接する永久磁石311の磁極が互いに異なる態様でヨーク保持体11の内周面30a及び外周面30bに構成した磁石歯列31を備え、磁性噛合歯列211,221と磁石歯列31とは、プーリ20及び軸部材10のヨーク保持体11が対向位置に配置された場合、隣接する磁性噛合歯211b,221bの間に永久磁石311による磁気回路を構成し、複数の磁性噛合歯211b,221bには、それぞれの周囲を取り囲む態様で渦電流体213,223を配設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触状態にある2つの回転体の間において動力を伝達する状態と、動力の伝達を遮断した状態とに切り替え可能に構成したクラッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術としては、例えば特許文献1に記載のものが提供されている。このクラッチ装置は、共通の軸心回りに回転可能に配設した軸部材と円筒部材との間に動力を伝達するためのもので、互いに対向する周面に複数の磁性噛合歯を有している。磁性噛合歯は、それぞれ軸心方向に沿って延在するもので、軸部材の外周面及び円筒部材の内周面に周方向に沿って並設されている。円筒部材には、中間部に非磁性体から成るスペーサによってギャップが設けてある。円筒部材のさらに外周には、両端面にヨークを配設した環状の永久磁石が軸心方向に沿って移動可能に配設されている。
【0003】
このクラッチ装置では、ギャップを跨って2つのヨークを円筒部材の外周部に位置させれば、対向する磁性噛合歯を介して軸部材と円筒部材との間に永久磁石による磁気回路が構成されることになり、互いの間に非接触で動力を伝達することができる。この状態から永久磁石を軸方向に沿ってスライドさせると、ギャップで分断された一方の円筒部材において磁気回路が短絡することになり、軸部材と円筒部材との間の動力伝達を絶つことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−52950号公報 (図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、軸部材と円筒部材との間の動力伝達が絶たれた状態で両者の回転速度に比較的大きな差がある状況下では、永久磁石をスライドさせてギャップを跨る位置に配置させたとしても、軸部材と円筒部材との間を直ちに磁気的に結合することは困難である。こうした現象は、動力伝達の断続時の衝撃を緩和できるという効果を奏する反面、接続時の切り替えレスポンスが遅くなるという追従性の問題を招来することになる。
【0006】
接続時の切り替えレスポンスを向上させるには、渦電流による反抗磁界を利用する方法が考えられる。すなわち、非磁性の導電性金属から成る渦電流体によって各磁気噛合歯の周囲を囲繞すれば、渦電流体に発生する渦電流により、軸部材と円筒部材との相対回転速度差を減少させる方向に反抗磁界が発生する。これにより、軸部材と円筒部材との磁気的な結合を補助することが可能になる。
【0007】
しかしながら、上述したクラッチ装置の構成では、渦電流体を追加したとしても、単一極性の磁界が変化することに起因した渦電流しか期待することができない。従って、大きな反抗磁界を得るためには、磁力の大きな永久磁石を適用せざるを得ず、製造コストを考慮した場合、必ずしも好ましいとはいえない。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて、磁力の大きな永久磁石を要せずとも、2つの回転体の追従性を向上させることのできるクラッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るクラッチ装置は、第1の軸心回りに回転可能に配設し、前記第1の軸心回りに回転した場合に変位する第1の回転変位面を有した第1の回転体と、第2の軸心回りに回転可能に配設し、前記第2の軸心回りに回転した場合に変位する第2の回転変位面を有するとともに、少なくとも前記第2の回転変位面の一部が前記第1の回転変位面に対向するように配置した第2の回転体との間に構成し、これら2つの回転体の間の動力伝達を断続させるクラッチ装置であって、前記第1の回転変位面に複数の磁性噛合歯をそれぞれ周方向に並設することによって構成した磁性噛合歯列と、隣接する磁極が互いに異なる態様で前記第2の回転変位面に複数の永久磁石を周方向に並設することによって構成し、前記第1の回転変位面に対向する部位において前記磁性噛合歯列に対向する磁石歯列とを備え、前記第1の回転体及び前記第2の回転体は、前記磁性噛合歯列と前記磁石歯列とを対向させる対向位置と、前記磁性噛合歯列と前記磁石歯列とが互いにずれた位置に配置される非対向位置との間を相対的に移動可能に配設し、前記磁性噛合歯列と前記磁石歯列とは、前記第1の回転体及び前記第2の回転体が前記対向位置に配置された場合、隣接する磁性噛合歯の間に前記永久磁石による磁気回路を構成することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上述したクラッチ装置において、前記複数の磁性噛合歯には、それぞれの周囲を取り囲む態様で非磁性の導電性金属から成る渦電流体を配設したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上述したクラッチ装置において、前記第1の回転体及び前記第2の回転体は、共通の軸心回りに回転可能、かつ軸心方向に沿って相対的に移動可能に配設したものであり、前記第1の回転変位面及び前記第2の回転変位面は、軸心を中心とした周方向の全長に渡って互いに対向配置されるものであり、前記磁性噛合歯列及び前記磁石歯列は、前記第1の回転体及び前記第2の回転体を相対的に軸心方向に沿って移動させることにより前記対向位置と前記非対向位置とに配置されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上述したクラッチ装置において、前記第2の回転体は、円筒状を成し、かつ円筒の径方向に沿って着磁した永久磁石を円筒の内周面及び外周面のそれぞれに露出させることにより、これら内周面及び外周面を第2の回転変位面として構成したものであり、前記第1の回転体は、前記第2の回転体の内周面及び外周面のそれぞれに対向する2つの第1の回転変位面を有し、かつ各第1の回転変位面の互いに対向する部位に磁性噛合歯列を備えたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、2つの回転体の磁性噛合歯にそれぞれ渦電流体を配設すれば、2つの回転体が相対回転した場合、渦電流体には磁極の変化に起因した渦電流が流れることになる。従って、従来のクラッチ装置に比べれば、同じ磁力の永久磁石を用いた場合にも2倍以上の渦電流が流れることになり、より大きな反抗磁界が2つの回転体の回転速度差をなくす方向に作用する。これにより、磁力の大きな永久磁石を用いることなく、2つの回転体の追従性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施の形態であるクラッチ装置を模式的に示した横断面図である。
【図2】図2は、図1におけるA−A線断面図であり、(a)は磁性噛合歯列と磁石歯列とが対向した対向位置を示す詳細構成図、(b)は磁性噛合歯列と磁石歯列とが互いにずれた非対向位置を示す詳細構成図である。
【図3】図3は、図1に示したクラッチ装置に適用する磁石歯列を示す斜視図である。
【図4】図4は、図3に示した磁石歯列の分解斜視図である。
【図5】図5は、図1に示したクラッチ装置に適用する内周側の磁性噛合歯列を示す斜視図である。
【図6】図6は、図5に示した磁性噛合歯列の分解斜視図である。
【図7】図7は、図1に示したクラッチ装置に適用する外周側の磁性噛合歯列を示す斜視図である。
【図8】図8は、図7に示した磁性噛合歯列の分解斜視図である。
【図9】図9は、図1に示したクラッチ装置の要部を示す拡大横断面図である。
【図10】図10は、図1に示したクラッチ装置において2つの回転体が相対回転した場合の磁界の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係るクラッチ装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1及び図2は、本発明の実施の形態であるクラッチ装置を示したものである。ここで例示するクラッチ装置は、自身の中心軸を回転軸心として回転可能に配設した軸部材(回転体)10と、この軸部材10の外周部にベアリング1を介して軸部材10の回転軸心回りに回転可能に支持させたプーリ(回転体)20との間に構成し、これら軸部材10とプーリ20との間の動力伝達を断続させるものである。
【0017】
このクラッチ装置には、軸部材10の外周部にヨーク保持体(回転体)11が設けてある。ヨーク保持体11は、円筒状を成す基部11aと、基部11aの外周面から径外方向に延在する円板状のプレート部11bとを有して構成したもので、基部11aを介して軸部材10の外周部に配設してある。ヨーク保持体11の基部11aには、内周面に内周スプライン11cが形成してある。内周スプライン11cは、軸部材10の外周部に形成した外周スプライン10aに歯合しており、ヨーク保持体11が軸部材10に対して軸心回りに回転するのを規制する一方、軸部材10の軸心方向に沿ったヨーク保持体11の移動を許容するものである。
【0018】
ヨーク保持体11には、中ヨーク部材30が設けてある。中ヨーク部材30は、互いの軸心を合致させた状態でヨーク保持体11のプレート部11bに取り付けた円筒状部材であり、一対の磁石歯列31を備えている。磁石歯列31は、図1、図3、図4に示すように、複数の永久磁石311を周方向に並設することによって構成したもので、中ヨーク部材30において軸方向に沿って互いに並設してある。磁石歯列31を構成する永久磁石311は、中ヨーク部材30の径方向に沿って着磁したもので、互いに隣接するものの磁極が異なり、かつ中ヨーク部材30の内周面(回転変位面)30a及び外周面(回転変位面)30bに露出した状態で非磁性体から成る磁石保持体312に取り付けてある。隣接する永久磁石311の相互間には、それぞれ磁石保持体312に一体に設けた隔壁部312aが介在している。
【0019】
一方、プーリ20には、図2に示すように、内ヨーク部21及び外ヨーク部22が構成してある。内ヨーク部21は、ベアリング1を介して軸部材10に支持される部分であり、中ヨーク部材30の内径よりも小さい外径の円筒状に構成してある。外ヨーク部22は、中ヨーク部材30の外径よりも大きな内径の円筒状に構成したものである。これら内ヨーク部21及び外ヨーク部22は、互いの軸心を合致させた状態で、互いの端面の間に設けた端面プレート部23を介して相互に連結してある。
【0020】
内ヨーク部21の外周面(回転変位面)21a及び外ヨーク部22の内周面(回転変位面)22aには、それぞれ一対の磁性噛合歯列211,221及び一対の自己保持用突体212,222が設けてある。磁性噛合歯列211,221は、図1、図5〜図8に示すように、円筒状を成す磁性基部211a,221aの周面に複数の磁性噛合歯211b,221bを周方向に並設することによって構成したものである。具体的には、内ヨーク部21の外周面21aに設けた磁性噛合歯列(以下、区別する場合に「外周磁性噛合歯列211」という)では、磁性基部211aの外周面に互いに等間隔となるように、磁石歯列31の永久磁石311と同数の磁性噛合歯211bが並設してある。外ヨーク部22の内周面22aに設けた磁性噛合歯列(以下、区別する場合に「内周磁性噛合歯列221」という)では、磁性基部221aの内周面に互いに等間隔となるように、磁石歯列31の永久磁石311と同数の磁性噛合歯221bが並設してある。磁性基部211a,221a及び磁性噛合歯211b,221bは、それぞれ磁性体によって一体に構成したものである。一対の外周磁性噛合歯列211及び一対の内周磁性噛合歯列221は、プーリ20の軸心方向に沿った相互間隔がいずれも一対の磁石歯列31の相互間隔と等しくなるように配設してある。
【0021】
これらの磁性噛合歯列211,221には、それぞれの両端面に渦電流体213,223が設けてある。渦電流体213,223は、磁性噛合歯211b,221bの相互間に位置する空所に嵌合することのできる凸状部213a,223aを有した円環状を成すもので、非磁性の導電性金属、例えばアルミニウムによって成形してある。これらの渦電流体213,223は、図5及び図7に示すように、それぞれの凸状部213a,223aを磁性噛合歯211b,221bの相互間で接合させ、個々の磁性噛合歯211b,221bの周囲を取り囲む態様で、対応する磁性噛合歯列211,221の両端面に装着してある。
【0022】
自己保持用突体212,222は、それぞれ一対の磁性噛合歯列211,221に対してプーリ20の軸心方向に沿って交互となるように配設した磁性材から成る環状部材であり、周方向の全周に渡って一定の径方向寸法を有するように構成してある。自己保持用突体212,222の径方向寸法は、磁石歯列31及び磁性噛合歯列211,221よりもわずかに小さく設定してある。これら一対の自己保持用突体212,222は、プーリ20の軸心方向に沿った相互間隔がいずれも一対の磁石歯列31の相互間隔と等しくなるように配設してある。
【0023】
上記のように構成したクラッチ装置では、軸部材10に対してヨーク保持体11を適宜軸方向に沿って移動させると、図2(a)及び図2(b)に示すように、中ヨーク部材30に設けた一対の磁石歯列31に対して内ヨーク部21の磁性噛合歯列211及び外ヨーク部22の磁性噛合歯列221が対向した状態(対向位置)と、一対の磁石歯列31に対して内ヨーク部21の自己保持用突体212及び外ヨーク部22の自己保持用突体222とが対向した状態(非対向位置)とに切り替わる。
【0024】
また、図2(a)に示すように、中ヨーク部材30に設けた一対の磁石歯列31に対して内ヨーク部21の磁性噛合歯列211及び外ヨーク部22の磁性噛合歯列221を対向した状態に保持し、この状態から軸部材10に対してプーリ20を軸心回りに回転させると、磁石歯列31の各永久磁石311に対して外周磁性噛合歯列211の磁性噛合歯211b及び内周磁性噛合歯列221の磁性噛合歯221bが相対移動することになる。換言すると、軸部材10のヨーク保持体11とプーリ20とが相対回転すると、磁性噛合歯列211,221の各磁性噛合歯211b,221bには、永久磁石311の異なる磁極が順次近接した状態で通過することになる。
【0025】
ここで、図9に示すように、中ヨーク部材30に設けた一対の磁石歯列31に対して内ヨーク部21の磁性噛合歯列211及び外ヨーク部22の磁性噛合歯列221が対向した場合には、図中の破線で示すように、隣接する一対の永久磁石311と、これらの永久磁石311に対向する外周磁性噛合歯列211の隣接する一対の磁性噛合歯211b及び内周磁性噛合歯列221の隣接する一対の磁性噛合歯221bとの間に、永久磁石311による磁気回路が構成される。従って、上述したように、磁性噛合歯列211,221の各磁性噛合歯211b,221bに対して永久磁石311の異なる磁極が順次通過すると、それぞれの磁性噛合歯211b,221bの周囲を取り囲むように配設した渦電流体213,223には、図11中の実線で示す磁界の変化を打ち消すため、渦電流が流れる。この磁界の変化の大きさは、単一極性の磁界が変化する場合(図10中の破線)に比べて、2倍以上のものとなり、これに起因して発生する反抗磁界も2倍以上のものとなる。この結果、磁力の大きな永久磁石を適用せずとも、より大きな補助トルクによって軸部材10のヨーク保持体11とプーリ20とが同期回転するように補助されるようになり、製造コストの増大を招来することなく、軸部材10のヨーク保持体11とプーリ20との追従性を大幅に向上させることができる。
【0026】
軸部材10のヨーク保持体11とプーリ20とが図2(a)に示す状態で同期回転した場合には、両者が非接触の状態で磁気的に結合されることになり、例えばプーリ20を回転させれば、その動力がヨーク保持体11を介して軸部材10に伝達される。
【0027】
一方、図2(b)に示すように、中ヨーク部材30に設けた一対の磁石歯列31に対して内ヨーク部21の自己保持用突体212及び外ヨーク部22の自己保持用突体222とが対向した状態に保持した場合には、隣接する一対の永久磁石311と、これらの永久磁石311に対向する内ヨーク部21の自己保持用突体212及び外ヨーク部22の自己保持用突体222との間に永久磁石311による磁気回路は構成されるものの、中ヨーク部材30と内ヨーク部21及び外ヨーク部22との間にトルクは発生しない。従って、例えばプーリ20を回転させた場合にも、その動力が軸部材10に伝達されることはない。
【0028】
尚、上述した実施の形態では、軸部材10のヨーク保持体11とプーリ20との間の動力伝達を断続させるクラッチ装置を例示しているが、回転体としては必ずしも軸部材10に設けたヨーク保持体11とプーリ20とに限定されず、軸心回りに回転するものであればその他のものにも適用することが可能である。この場合、必ずしも2つの回転体が共通の軸心回りに回転する必要はなく、異なる軸心回りに回転する2つの回転体の間に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0029】
10 軸部材
11 ヨーク保持体
20 プーリ
21 内ヨーク部
22 外ヨーク部
30 中ヨーク部材
31 磁石歯列
211,221 磁性噛合歯列
211b,221b 磁性噛合歯
213,223 渦電流体
311 永久磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の軸心回りに回転可能に配設し、前記第1の軸心回りに回転した場合に変位する第1の回転変位面を有した第1の回転体と、第2の軸心回りに回転可能に配設し、前記第2の軸心回りに回転した場合に変位する第2の回転変位面を有するとともに、少なくとも前記第2の回転変位面の一部が前記第1の回転変位面に対向するように配置した第2の回転体との間に構成し、これら2つの回転体の間の動力伝達を断続させるクラッチ装置であって、
前記第1の回転変位面に複数の磁性噛合歯をそれぞれ周方向に並設することによって構成した磁性噛合歯列と、
隣接する磁極が互いに異なる態様で前記第2の回転変位面に複数の永久磁石を周方向に並設することによって構成し、前記第1の回転変位面に対向する部位において前記磁性噛合歯列に対向する磁石歯列と
を備え、前記第1の回転体及び前記第2の回転体は、前記磁性噛合歯列と前記磁石歯列とを対向させる対向位置と、前記磁性噛合歯列と前記磁石歯列とが互いにずれた位置に配置される非対向位置との間を相対的に移動可能に配設し、
前記磁性噛合歯列と前記磁石歯列とは、前記第1の回転体及び前記第2の回転体が前記対向位置に配置された場合、隣接する磁性噛合歯の間に前記永久磁石による磁気回路を構成する
ことを特徴とするクラッチ装置。
【請求項2】
前記複数の磁性噛合歯には、それぞれの周囲を取り囲む態様で非磁性の導電性金属から成る渦電流体を配設したことを特徴とする請求項1に記載のクラッチ装置。
【請求項3】
前記第1の回転体及び前記第2の回転体は、共通の軸心回りに回転可能、かつ軸心方向に沿って相対的に移動可能に配設したものであり、
前記第1の回転変位面及び前記第2の回転変位面は、軸心を中心とした周方向の全長に渡って互いに対向配置されるものであり、
前記磁性噛合歯列及び前記磁石歯列は、前記第1の回転体及び前記第2の回転体を相対的に軸心方向に沿って移動させることにより前記対向位置と前記非対向位置とに配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のクラッチ装置。
【請求項4】
前記第2の回転体は、円筒状を成し、かつ円筒の径方向に沿って着磁した永久磁石を円筒の内周面及び外周面のそれぞれに露出させることにより、これら内周面及び外周面を第2の回転変位面として構成したものであり、
前記第1の回転体は、前記第2の回転体の内周面及び外周面のそれぞれに対向する2つの第1の回転変位面を有し、かつ各第1の回転変位面の互いに対向する部位に磁性噛合歯列を備えたものであることを特徴とする請求項1に記載のクラッチ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−196411(P2011−196411A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61546(P2010−61546)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(303049418)株式会社松栄工機 (21)