クラブトロリ式クレーン
【課題】組立・設置作業が容易なクラブトロリ式クレーンを提供する。
【解決手段】走行駆動装置２を備えて走行レール１上を走行するガーダ３と、横行駆動装置５を備えてガーダ３の横行レール４上を横行するトロリ６と、トロリ６に備えて吊具７の昇降を行う巻上装置８とを有するクラブトロリ式クレーンであって、巻上装置８による吊具７の昇降と横行駆動装置５によるトロリ６の横行とに関連する昇降・横行制御部５０を、取付板を介してトロリ６上に設置する。
【解決手段】走行駆動装置２を備えて走行レール１上を走行するガーダ３と、横行駆動装置５を備えてガーダ３の横行レール４上を横行するトロリ６と、トロリ６に備えて吊具７の昇降を行う巻上装置８とを有するクラブトロリ式クレーンであって、巻上装置８による吊具７の昇降と横行駆動装置５によるトロリ６の横行とに関連する昇降・横行制御部５０を、取付板を介してトロリ６上に設置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明はクラブトロリ式クレーンに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
クラブトロリ式クレーンは、図７、図８に示す如く、走行レール１上を走行駆動装置２により前後（図７の紙面と直交方法）に走行するガーダ３と、該ガーダ３に備えた横行レール４上を横行駆動装置５により左右に横行するトロリ６と、該トロリ６に備えて吊具７の昇降を行う巻上装置８を有しており、前記ガーダ３上には、電線接続箱９を介して前記走行駆動装置２、横行駆動装置５及び巻上装置８に給電を行うための横行給電装置１０が設けられている。
【０００３】
従来一般のクラブトロリ式クレーンにおいては、トロリ６から吊り下げる吊具７の昇降、トロリ６の横行及びガーダ３の走行を制御する必要があり、このため、前記ガーダ３に設けた作業床１７上には、吊具７の位置制御を行う昇降位置制御器１１ａを備えた昇降制御盤１１と、横行制御盤１２及び走行制御盤１３を並べて設置している。更に、作業床１７上には、ブレーカーを備えて各電動機を保護するための保護盤１４と、昇降抵抗器１５ａ、横行抵抗器１５ｂ及び走行抵抗器１５ｃからなる抵抗器１５（回生放電抵抗器）を設置していると共に、ガーダ３側の電線接続箱１６を設置している。
【０００４】
トロリの制御を行う制御装置を固定側のクレーン操作室に設けたものとしては特許文献１がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００４−１０７０３５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
図７、図８に示したように、従来のクラブトロリ式クレーンでは、一般に前記昇降制御盤１１と横行制御盤１２及び走行制御盤１３は、当該クラブトロリ式クレーンに対応するよう設計・製作しており、従って、昇降制御盤１１、横行制御盤１２及び走行制御盤１３のいずれかが故障した場合、或いは、仕様が変更になった場合には、故障等に対応した新たな制御盤を用意して交換するようにしており、このために多大な交換費用を要していた。
【０００７】
又、吊具７及びトロリ６の制御を行うための前記昇降位置制御器１１ａを備えた昇降制御盤１１及び横行制御盤１２と、昇降抵抗器１５ａ及び横行抵抗器１５ｂを、ガーダ３上に設置しているために、前記昇降制御盤１１、横行制御盤１２、昇降抵抗器１５ａ及び横行抵抗器１５ｂと、前記トロリ６との間に配設する信号ケーブルの数が増加し、そのために、クラブトロリ式クレーンを設置する際の信号ケーブルの接続作業が大変になるという問題がある。
【０００８】
更に、前記吊具７の昇降位置を検出して前記昇降制御盤１１の昇降位置制御器１１ａに送信する検出信号は弱電信号であるため、トロリ６と前記昇降位置制御器１１ａとの間の距離が大きくなるとノイズが発生して誤動作を生じ易くなるという懸念がある。
【０００９】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、組立・設置作業が容易なクラブトロリ式クレーンを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明は、走行駆動装置を備えて走行レール上を走行するガーダと、横行駆動装置を備えて前記ガーダの横行レール上を横行するトロリと、該トロリに備えて吊具の昇降を行う巻上装置とを有するクラブトロリ式クレーンであって、
前記巻上装置による吊具の昇降と横行駆動装置によるトロリの横行とに関連する昇降・横行制御部を、取付板を介して前記トロリ上に設置したことを特徴とするクラブトロリ式クレーン、に係るものである。
【００１１】
上記クラブトロリ式クレーンにおいて、前記昇降・横行制御部は、巻上装置による吊具の昇降を制御する昇降制御器及び吊具の位置を制御する昇降位置制御器と、横行駆動装置によるトロリの横行を制御する横行制御器と、前記吊具の昇降のための昇降抵抗器及びトロリの横行のための横行抵抗器を有している。
【００１２】
又、上記クラブトロリ式クレーンにおいて、前記昇降制御器及び昇降位置制御器と前記横行制御器は、前記取付板に備えたケーシングに対して着脱が可能な制御板により構成されていることが好ましい。
【００１３】
又、上記クラブトロリ式クレーンにおいて、前記取付板は制振手段を介してトロリに支持されていることが好ましい。
【００１４】
又、上記クラブトロリ式クレーンにおいて、前記ガーダの一端部には、前記取付板に備えた昇降・横行制御部をメンテナンスするためのメンテナンスステージを備えていることが好ましい。
【００１５】
又、上記クラブトロリ式クレーンにおいて、前記走行駆動装置によるガーダの走行を制御する走行制御器と、保護盤と、ガーダの走行のための走行抵抗器は、前記ガーダ上に備えられる。
【発明の効果】
【００１６】
本発明のクラブトロリ式クレーンによれば、昇降・横行制御部をトロリ上に備えたので、ガーダに備えた制御機器との間に配設する信号ケーブルの数を大幅に減少することができ、よって、クラブトロリ式クレーンを設置する際の信号ケーブルの接続作業を大幅に簡略化することができ、且つ、昇降・横行制御部は取付板を介してトロリ上にコンパクトに設置できるため、トロリの組立作業も容易になるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明のクラブトロリ式クレーンの一実施例を示す正面図である。
【図２】図１をＩＩ−ＩＩ方向から見た平面図である。
【図３】取付板をトロリに支持する制振手段の一例を示す正面図である。
【図４】図３の取付板上に備えたケーシングをＩＶ方向から見た側面図である。
【図５】ガーダの一端部に設けたメンテナンスステージの一例を示す正面図である。
【図６】図５をＶＩ方向から見た平面図である。
【図７】従来のクラブトロリ式クレーンの一例を示す正面図である。
【図８】図７をＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ方向から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【００１９】
図１、図２は本発明のクラブトロリ式クレーンの一例を示すもので、クラブトロリ式クレーンの基本構成は図７、図８と同様であり、図７、図８と異なる点は、巻上装置８による吊具７の昇降と横行駆動装置５によるトロリ６の横行とに関連する昇降・横行制御部５０を、図３、図４に示すように、取付板５１を介して前記トロリ６上に設置している点にある。前記昇降・横行制御部５０はトロリ６における横行駆動装置５の上部に設けた場合を示している。
【００２０】
前記昇降・横行制御部５０は、図３、図４に示す如く、巻上装置８による吊具７の昇降を制御する昇降制御器５２及び吊具７の位置を制御する昇降位置制御器５３と、横行駆動装置５によるトロリ６の横行を制御する横行制御器５４と、前記吊具７の昇降のための昇降抵抗器１５ａ及びトロリ６の横行のための横行抵抗器１５ｂを有している。前記昇降位置制御器５３には、吊具７の位置を検出するロータリエンコーダ及びリミットスイッチ等からの位置検出信号５５が入力されている。
【００２１】
そして、前記昇降制御器５２及び昇降位置制御器５３と前記横行制御器５４は、前記取付板５１上に備えたケーシング５６内に備えられており、更に、各制御器５２，５３，５４は、ケーシング５６に対して着脱が可能な制御板５２'，５３'，５４'によって構成している。この制御板５２'，５３'，５４'は、例えば汎用のインバータ盤及びＰＬＣ（programmable logic controller）等によって構成されており、ケーシング５６に対して容易に着脱できるようになっている。
【００２２】
更に、前記取付板５１は、ゴム材等の弾性材料からなる制振手段５７を介してトロリ６に支持している。
【００２３】
一方、前記ガーダ３の一端部における横行レール４，４の間には、前記取付板５１上に備えた昇降・横行制御部５０等をメンテナンスするためのメンテナンスステージ５８を設けている。即ち、前記メンテナンスステージ５８は、前記トロリ６に対して昇降・横行制御部５０が設置された側（図５、図６では左側）のガーダ３端部に設けている。
【００２４】
一方、ガーダ３の作業床１７上には、図１、図２に示す如く、前記走行駆動装置２によるガーダ３の走行を制御する走行制御器５９と、ブレーカーにより各電動機を保護するための保護盤１４と、ガーダ３側の電線接続箱１６が一体に容器５９ａに収容されており、更に、ガーダ３の走行のための走行抵抗器１５ｃが設置されている。
【００２５】
次に、上記実施例の作動を説明する。
【００２６】
巻上装置８による吊具７の昇降を制御する昇降制御器５２及び吊具７の位置を制御する昇降位置制御器５３と、横行駆動装置５によるトロリ６の横行を制御する横行制御器５４と、前記吊具７の昇降のための昇降抵抗器１５ａ及びトロリ６の横行のための横行抵抗器１５ｂからなる昇降・横行制御部５０をトロリ６上に備えたので、前記ガーダ３に備えた制御機器との間に配設する信号ケーブルの数を大幅に減少することができ、よって、クラブトロリ式クレーンを設置する際の信号ケーブルの接続作業を大幅に簡略化できる。又、昇降・横行制御部５０は取付板５１を介してトロリ６上にコンパクトに設置できるため、トロリ６の組立作業も容易になる。
【００２７】
又、吊具７の位置を検出するロータリエンコーダ及びリミットスイッチ等からの位置検出信号５５を直近のトロリ６上に備えた前記昇降位置制御器５３に直接入力できるため、位置検出信号５５に対するノイズの発生を抑制して誤動作の問題を解消することができる。
【００２８】
更に、前記昇降制御器５２及び昇降位置制御器５３と前記横行制御器５４は、汎用のインバータ盤及びＰＬＣ等からなる制御板５２'，５３'，５４'により構成してあって取付板５１上のケーシング５６内に着脱可能に設置しているので、例えば前記昇降制御器５２、昇降位置制御器５３及び前記横行制御器５４のいずれかが故障した場合、或いは、仕様が変更になった場合には、対応する前記制御板５２'，５３'，５４'を取り換えるのみで容易に交換或いは変更することができる。
【００２９】
この時、前記ガーダ３の一端部における横行レール４，４の間にメンテナンスステージ５８を設けたので、前記トロリ６をメンテナンスステージ５８の位置に移動させることで、前記昇降・横行制御部５０のメンテナンス及び制御板５２'，５３'，５４'の交換等の作業を安全且つ迅速に行うことができる。
【００３０】
更に、前記取付板５１をゴム材等の弾性材料からなる制振手段５７を介してトロリ６に支持しているので、前記トロリ６の走行及び横行等に伴う振動から前記昇降・横行制御部５０を保護することができる。
【００３１】
尚、本発明のクラブトロリ式クレーンは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【００３２】
２ 走行駆動装置
３ ガーダ
５ 横行駆動装置
６ トロリ
７ 吊具
８ 巻上装置
１４ 保護盤
１５ａ 昇降抵抗器
１５ｂ 横行抵抗器
１５ｃ 走行抵抗器
５０ 昇降・横行制御部
５１ 取付板
５２ 昇降制御器
５２'，５３'，５４' 制御板
５３ 昇降位置制御器
５４ 横行制御器
５６ ケーシング
５７ 制振手段
５８ メンテナンスステージ
５９ 走行制御器
【技術分野】
【０００１】
本発明はクラブトロリ式クレーンに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
クラブトロリ式クレーンは、図７、図８に示す如く、走行レール１上を走行駆動装置２により前後（図７の紙面と直交方法）に走行するガーダ３と、該ガーダ３に備えた横行レール４上を横行駆動装置５により左右に横行するトロリ６と、該トロリ６に備えて吊具７の昇降を行う巻上装置８を有しており、前記ガーダ３上には、電線接続箱９を介して前記走行駆動装置２、横行駆動装置５及び巻上装置８に給電を行うための横行給電装置１０が設けられている。
【０００３】
従来一般のクラブトロリ式クレーンにおいては、トロリ６から吊り下げる吊具７の昇降、トロリ６の横行及びガーダ３の走行を制御する必要があり、このため、前記ガーダ３に設けた作業床１７上には、吊具７の位置制御を行う昇降位置制御器１１ａを備えた昇降制御盤１１と、横行制御盤１２及び走行制御盤１３を並べて設置している。更に、作業床１７上には、ブレーカーを備えて各電動機を保護するための保護盤１４と、昇降抵抗器１５ａ、横行抵抗器１５ｂ及び走行抵抗器１５ｃからなる抵抗器１５（回生放電抵抗器）を設置していると共に、ガーダ３側の電線接続箱１６を設置している。
【０００４】
トロリの制御を行う制御装置を固定側のクレーン操作室に設けたものとしては特許文献１がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００４−１０７０３５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
図７、図８に示したように、従来のクラブトロリ式クレーンでは、一般に前記昇降制御盤１１と横行制御盤１２及び走行制御盤１３は、当該クラブトロリ式クレーンに対応するよう設計・製作しており、従って、昇降制御盤１１、横行制御盤１２及び走行制御盤１３のいずれかが故障した場合、或いは、仕様が変更になった場合には、故障等に対応した新たな制御盤を用意して交換するようにしており、このために多大な交換費用を要していた。
【０００７】
又、吊具７及びトロリ６の制御を行うための前記昇降位置制御器１１ａを備えた昇降制御盤１１及び横行制御盤１２と、昇降抵抗器１５ａ及び横行抵抗器１５ｂを、ガーダ３上に設置しているために、前記昇降制御盤１１、横行制御盤１２、昇降抵抗器１５ａ及び横行抵抗器１５ｂと、前記トロリ６との間に配設する信号ケーブルの数が増加し、そのために、クラブトロリ式クレーンを設置する際の信号ケーブルの接続作業が大変になるという問題がある。
【０００８】
更に、前記吊具７の昇降位置を検出して前記昇降制御盤１１の昇降位置制御器１１ａに送信する検出信号は弱電信号であるため、トロリ６と前記昇降位置制御器１１ａとの間の距離が大きくなるとノイズが発生して誤動作を生じ易くなるという懸念がある。
【０００９】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、組立・設置作業が容易なクラブトロリ式クレーンを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明は、走行駆動装置を備えて走行レール上を走行するガーダと、横行駆動装置を備えて前記ガーダの横行レール上を横行するトロリと、該トロリに備えて吊具の昇降を行う巻上装置とを有するクラブトロリ式クレーンであって、
前記巻上装置による吊具の昇降と横行駆動装置によるトロリの横行とに関連する昇降・横行制御部を、取付板を介して前記トロリ上に設置したことを特徴とするクラブトロリ式クレーン、に係るものである。
【００１１】
上記クラブトロリ式クレーンにおいて、前記昇降・横行制御部は、巻上装置による吊具の昇降を制御する昇降制御器及び吊具の位置を制御する昇降位置制御器と、横行駆動装置によるトロリの横行を制御する横行制御器と、前記吊具の昇降のための昇降抵抗器及びトロリの横行のための横行抵抗器を有している。
【００１２】
又、上記クラブトロリ式クレーンにおいて、前記昇降制御器及び昇降位置制御器と前記横行制御器は、前記取付板に備えたケーシングに対して着脱が可能な制御板により構成されていることが好ましい。
【００１３】
又、上記クラブトロリ式クレーンにおいて、前記取付板は制振手段を介してトロリに支持されていることが好ましい。
【００１４】
又、上記クラブトロリ式クレーンにおいて、前記ガーダの一端部には、前記取付板に備えた昇降・横行制御部をメンテナンスするためのメンテナンスステージを備えていることが好ましい。
【００１５】
又、上記クラブトロリ式クレーンにおいて、前記走行駆動装置によるガーダの走行を制御する走行制御器と、保護盤と、ガーダの走行のための走行抵抗器は、前記ガーダ上に備えられる。
【発明の効果】
【００１６】
本発明のクラブトロリ式クレーンによれば、昇降・横行制御部をトロリ上に備えたので、ガーダに備えた制御機器との間に配設する信号ケーブルの数を大幅に減少することができ、よって、クラブトロリ式クレーンを設置する際の信号ケーブルの接続作業を大幅に簡略化することができ、且つ、昇降・横行制御部は取付板を介してトロリ上にコンパクトに設置できるため、トロリの組立作業も容易になるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明のクラブトロリ式クレーンの一実施例を示す正面図である。
【図２】図１をＩＩ−ＩＩ方向から見た平面図である。
【図３】取付板をトロリに支持する制振手段の一例を示す正面図である。
【図４】図３の取付板上に備えたケーシングをＩＶ方向から見た側面図である。
【図５】ガーダの一端部に設けたメンテナンスステージの一例を示す正面図である。
【図６】図５をＶＩ方向から見た平面図である。
【図７】従来のクラブトロリ式クレーンの一例を示す正面図である。
【図８】図７をＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ方向から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【００１９】
図１、図２は本発明のクラブトロリ式クレーンの一例を示すもので、クラブトロリ式クレーンの基本構成は図７、図８と同様であり、図７、図８と異なる点は、巻上装置８による吊具７の昇降と横行駆動装置５によるトロリ６の横行とに関連する昇降・横行制御部５０を、図３、図４に示すように、取付板５１を介して前記トロリ６上に設置している点にある。前記昇降・横行制御部５０はトロリ６における横行駆動装置５の上部に設けた場合を示している。
【００２０】
前記昇降・横行制御部５０は、図３、図４に示す如く、巻上装置８による吊具７の昇降を制御する昇降制御器５２及び吊具７の位置を制御する昇降位置制御器５３と、横行駆動装置５によるトロリ６の横行を制御する横行制御器５４と、前記吊具７の昇降のための昇降抵抗器１５ａ及びトロリ６の横行のための横行抵抗器１５ｂを有している。前記昇降位置制御器５３には、吊具７の位置を検出するロータリエンコーダ及びリミットスイッチ等からの位置検出信号５５が入力されている。
【００２１】
そして、前記昇降制御器５２及び昇降位置制御器５３と前記横行制御器５４は、前記取付板５１上に備えたケーシング５６内に備えられており、更に、各制御器５２，５３，５４は、ケーシング５６に対して着脱が可能な制御板５２'，５３'，５４'によって構成している。この制御板５２'，５３'，５４'は、例えば汎用のインバータ盤及びＰＬＣ（programmable logic controller）等によって構成されており、ケーシング５６に対して容易に着脱できるようになっている。
【００２２】
更に、前記取付板５１は、ゴム材等の弾性材料からなる制振手段５７を介してトロリ６に支持している。
【００２３】
一方、前記ガーダ３の一端部における横行レール４，４の間には、前記取付板５１上に備えた昇降・横行制御部５０等をメンテナンスするためのメンテナンスステージ５８を設けている。即ち、前記メンテナンスステージ５８は、前記トロリ６に対して昇降・横行制御部５０が設置された側（図５、図６では左側）のガーダ３端部に設けている。
【００２４】
一方、ガーダ３の作業床１７上には、図１、図２に示す如く、前記走行駆動装置２によるガーダ３の走行を制御する走行制御器５９と、ブレーカーにより各電動機を保護するための保護盤１４と、ガーダ３側の電線接続箱１６が一体に容器５９ａに収容されており、更に、ガーダ３の走行のための走行抵抗器１５ｃが設置されている。
【００２５】
次に、上記実施例の作動を説明する。
【００２６】
巻上装置８による吊具７の昇降を制御する昇降制御器５２及び吊具７の位置を制御する昇降位置制御器５３と、横行駆動装置５によるトロリ６の横行を制御する横行制御器５４と、前記吊具７の昇降のための昇降抵抗器１５ａ及びトロリ６の横行のための横行抵抗器１５ｂからなる昇降・横行制御部５０をトロリ６上に備えたので、前記ガーダ３に備えた制御機器との間に配設する信号ケーブルの数を大幅に減少することができ、よって、クラブトロリ式クレーンを設置する際の信号ケーブルの接続作業を大幅に簡略化できる。又、昇降・横行制御部５０は取付板５１を介してトロリ６上にコンパクトに設置できるため、トロリ６の組立作業も容易になる。
【００２７】
又、吊具７の位置を検出するロータリエンコーダ及びリミットスイッチ等からの位置検出信号５５を直近のトロリ６上に備えた前記昇降位置制御器５３に直接入力できるため、位置検出信号５５に対するノイズの発生を抑制して誤動作の問題を解消することができる。
【００２８】
更に、前記昇降制御器５２及び昇降位置制御器５３と前記横行制御器５４は、汎用のインバータ盤及びＰＬＣ等からなる制御板５２'，５３'，５４'により構成してあって取付板５１上のケーシング５６内に着脱可能に設置しているので、例えば前記昇降制御器５２、昇降位置制御器５３及び前記横行制御器５４のいずれかが故障した場合、或いは、仕様が変更になった場合には、対応する前記制御板５２'，５３'，５４'を取り換えるのみで容易に交換或いは変更することができる。
【００２９】
この時、前記ガーダ３の一端部における横行レール４，４の間にメンテナンスステージ５８を設けたので、前記トロリ６をメンテナンスステージ５８の位置に移動させることで、前記昇降・横行制御部５０のメンテナンス及び制御板５２'，５３'，５４'の交換等の作業を安全且つ迅速に行うことができる。
【００３０】
更に、前記取付板５１をゴム材等の弾性材料からなる制振手段５７を介してトロリ６に支持しているので、前記トロリ６の走行及び横行等に伴う振動から前記昇降・横行制御部５０を保護することができる。
【００３１】
尚、本発明のクラブトロリ式クレーンは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【００３２】
２ 走行駆動装置
３ ガーダ
５ 横行駆動装置
６ トロリ
７ 吊具
８ 巻上装置
１４ 保護盤
１５ａ 昇降抵抗器
１５ｂ 横行抵抗器
１５ｃ 走行抵抗器
５０ 昇降・横行制御部
５１ 取付板
５２ 昇降制御器
５２'，５３'，５４' 制御板
５３ 昇降位置制御器
５４ 横行制御器
５６ ケーシング
５７ 制振手段
５８ メンテナンスステージ
５９ 走行制御器
【特許請求の範囲】
【請求項１】
走行駆動装置を備えて走行レール上を走行するガーダと、横行駆動装置を備えて前記ガーダの横行レール上を横行するトロリと、該トロリに備えて吊具の昇降を行う巻上装置とを有するクラブトロリ式クレーンであって、
前記巻上装置による吊具の昇降と横行駆動装置によるトロリの横行とに関連する昇降・横行制御部を、取付板を介して前記トロリ上に設置したことを特徴とするクラブトロリ式クレーン。
【請求項２】
前記昇降・横行制御部は、巻上装置による吊具の昇降を制御する昇降制御器及び吊具の位置を制御する昇降位置制御器と、横行駆動装置によるトロリの横行を制御する横行制御器と、前記吊具の昇降のための昇降抵抗器及びトロリの横行のための横行抵抗器を有することを特徴とする請求項１に記載のクラブトロリ式クレーン。
【請求項３】
前記昇降制御器及び昇降位置制御器と前記横行制御器は、前記取付板に備えたケーシングに対して着脱が可能な制御板により構成したことを特徴とする請求項２に記載のクラブトロリ式クレーン。
【請求項４】
前記取付板は制振手段を介してトロリに支持したことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記載のクラブトロリ式クレーン。
【請求項５】
前記ガーダの一端部には、前記取付板に備えた昇降・横行制御部をメンテナンスするためのメンテナンスステージを備えたことを特徴とする請求項１〜４のいずれか１つに記載のクラブトロリ式クレーン。
【請求項６】
前記走行駆動装置によるガーダの走行を制御する走行制御器と、保護盤と、ガーダの走行のための走行抵抗器は、前記ガーダ上に備えたことを特徴とする請求項１に記載のクラブトロリ式クレーン。
【請求項１】
走行駆動装置を備えて走行レール上を走行するガーダと、横行駆動装置を備えて前記ガーダの横行レール上を横行するトロリと、該トロリに備えて吊具の昇降を行う巻上装置とを有するクラブトロリ式クレーンであって、
前記巻上装置による吊具の昇降と横行駆動装置によるトロリの横行とに関連する昇降・横行制御部を、取付板を介して前記トロリ上に設置したことを特徴とするクラブトロリ式クレーン。
【請求項２】
前記昇降・横行制御部は、巻上装置による吊具の昇降を制御する昇降制御器及び吊具の位置を制御する昇降位置制御器と、横行駆動装置によるトロリの横行を制御する横行制御器と、前記吊具の昇降のための昇降抵抗器及びトロリの横行のための横行抵抗器を有することを特徴とする請求項１に記載のクラブトロリ式クレーン。
【請求項３】
前記昇降制御器及び昇降位置制御器と前記横行制御器は、前記取付板に備えたケーシングに対して着脱が可能な制御板により構成したことを特徴とする請求項２に記載のクラブトロリ式クレーン。
【請求項４】
前記取付板は制振手段を介してトロリに支持したことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記載のクラブトロリ式クレーン。
【請求項５】
前記ガーダの一端部には、前記取付板に備えた昇降・横行制御部をメンテナンスするためのメンテナンスステージを備えたことを特徴とする請求項１〜４のいずれか１つに記載のクラブトロリ式クレーン。
【請求項６】
前記走行駆動装置によるガーダの走行を制御する走行制御器と、保護盤と、ガーダの走行のための走行抵抗器は、前記ガーダ上に備えたことを特徴とする請求項１に記載のクラブトロリ式クレーン。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２０１３−８６８９３（Ｐ２０１３−８６８９３Ａ）
【公開日】平成２５年５月１３日（２０１３．５．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２２６５６５（Ｐ２０１１−２２６５６５）
【出願日】平成２３年１０月１４日（２０１１．１０．１４）
【出願人】（０００１９８３６３）ＩＨＩ運搬機械株式会社 (292)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年５月１３日（２０１３．５．１３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１０月１４日（２０１１．１０．１４）
【出願人】（０００１９８３６３）ＩＨＩ運搬機械株式会社 (292)
【Ｆターム（参考）】
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