説明

クラブ及びその照準用補助具

【課題】目標物に対するヘッドのフェース面の向き調整を容易に且つ正確に行うことができるクラブ及びその照準用補助具を提供する。
【解決手段】フェース面4を有するヘッド1と、該ヘッド1から上方に伸びるシャフト2とを備えたクラブにおいて、前方の目標物を映して上方から見えるようにする後方傾斜の鏡面10aを備え、目標物を鏡面10aに映してヘッド1を目標物に向ける際の目印となる目標合わせ用目印部20,22が鏡面10aに設けられ、互いに前後に離間して対応した位置関係で配置された前後一対の照準用表示部を備え、前側の照準用表示部は照準体12の後面であって前後方向の軸線Bを中心とした囲いを形成するように構成され、後側の照準用表示部22は、鏡面10aにおいて前記軸線B上の点を示すように構成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフやゲートボールなどのように載置されたボールを打つ球技用あるいはそれらの球技を模したゲーム用としてのクラブ及びその照準用補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、ゴルフのパッティングにおいて、プレーヤはストレートラインやフックライン、スライスライン等を判断して打球方向を定める必要がある。その際、前方のホールの縁や樹木等を目標物にして、その目標物にヘッドのフェース面が対向するようにクラブの向きを調整する。即ち、前方の目標物とゴルフボールとを結ぶ直線に対してヘッドのフェース面が直交するようにクラブの向きを調整しなければならないが、このフェース面の向きの調整は必ずしも容易ではない。
【0003】
そこで、かかる調整を容易にするために、中央に縦線を引いた鏡をヘッド等に取り付けたものも提案されている(下記特許文献1乃至7)。これらの場合、プレーヤは、上方から鏡を見て、鏡に映った目標物が鏡の縦線に合致するように鉛直方向を中心にクラブを回動させてフェース面の向きを調整することになる。その一方、プレーヤが鏡を見る際にはその目線が鏡の真上に位置していることが重要である。即ち、目標物とゴルフボールとを結ぶ直線を含んだ鉛直面上に目線を位置させる必要がある。仮に、プレーヤの目がヘッドの真上から内外方向(目標物を前とした場合の前後方向に対して平面視において直交する方向であってプレーヤに近い側を内、プレーヤから遠い側を外とする)に位置ずれしていると、鏡に映る目標物を鏡の縦線に合致させたとしてもフェース面は目標物に対して傾いた状態となり、目標物に向かってボールを正確に打つことができない。そのため例えば下記特許文献2、6、7では、プレーヤの目線を調整するための構造についても提案されている。
【0004】
しかしながら、下記特許文献2のものでは、プレーヤはまず鏡の後方に位置する水準器を見ながらヘッドに対する目線の角度を内外方向に合わせた後、今度は鏡を見ながらその縦線に目標物が合致するようにパッドを回動させなければならず、作業が繁雑である。
【0005】
また下記特許文献6の場合には、鏡の上方に位置する細い確認棒を利用して目線を合わせることになる。しかしながら、鏡に描かれた縦線はそもそも細くて見にくいうえに、その上方に確認棒が位置しているためその確認棒の存在によって更に鏡の縦線が視認しにくくなる。この鏡の縦線を仮に太くすれば見やすくなるが、そうすると反射しない幅広の領域が鏡の中央に形成されることになって、鏡に映る目標物が見えにくくなる。
【0006】
また更に下記特許文献7の場合、まず第1に、鏡の後方に照準部材を位置させる構成では、鏡とは別に照準部材を見て目線を合わせる必要があり、また第2に、鏡の直ぐ上にスリットを有する比較的幅広の照準部材を位置させる構成では、その照準部材の存在によって鏡に映った目標物を確認しにくいという不具合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平2−104075号公報
【特許文献2】特開平7−299181号公報
【特許文献3】特開平8−215357号公報
【特許文献4】特開2000−93562号公報
【特許文献5】特開2000−210397号公報
【特許文献6】特開2005−279202号公報
【特許文献7】特表2002−511788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それゆえに本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、目標物に対するヘッドのフェース面の向き調整を容易に且つ正確に行うことができるクラブ及びその照準用補助具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであって、本発明に係るクラブは、フェース面を有するヘッドと、該ヘッドから上方に伸びるシャフトとを備えたクラブにおいて、前方の目標物を映して上方から見えるようにする後方傾斜の鏡面を備え、目標物を鏡面に映してヘッドのフェース面を目標物に向ける際の目印となる目標合わせ用目印部が鏡面又は鏡面の前方に設けられ、互いに前後に離間して対応した位置関係で配置された前後一対の照準用表示部を備え、後側の照準用表示部は鏡面又は鏡面の前方に位置し、該前後一対の照準用表示部のうち、一方の照準用表示部は前後方向の軸線を中心とした囲いを形成するように構成され、他方の照準用表示部は、前記軸線上の点を示すように構成されていることを特徴とする。
【0010】
該構成のクラブにあっては、後側の照準用表示部が鏡面に位置している場合には前側の照準用表示部が鏡面に映り、また、後側の照準用表示部が鏡面の前方に位置している場合には前側の照準用表示部と後側の照準用表示部が共に鏡面に映ることになる。そして、目線を前後方向と内外方向に調整しながら鏡面において他方の照準用表示部が一方の照準用表示部の中心に位置するようにすると、目線が鏡面の真上に位置する。そして、引き続き鏡面を見ながら、目標合わせ用目印部を目印にしつつ、目標物を鏡面の所定位置に映るようにヘッドのフェース面の向きを調整する。鏡面に映っている目標物が鏡面の所定位置に位置すると、ヘッドのフェース面が目標物を向くことになる。従って、ゴルフ等の場合、その目標物に向けて正確にボールを打つことができる。尚、目標合わせ用目印部を鏡面の前方に設けたり、後側の照準用表示部を鏡面の前方に位置させる構成としては、例えば、鏡面の前方に透明体を配置してその透明体に目標合わせ用目印部や後側の照準用表示部を設ける。
【0011】
特に他方の照準用表示部が目標合わせ用目印部を兼ねていることが好ましく、他方の照準用表示部とは別に目標合わせ用目印部を設ける必要がなくなる。しかも、目線の調整と目標物に対するヘッドのフェース面の向き調整の何れにおいても、鏡面において他方の照準用表示部を見ながら行うことができるので、フェース面の向き調整がより一層スムーズとなる。
【0012】
その場合、特に、他方の照準用表示部を後側の照準用表示部として鏡面に形成することが好ましい。一方の照準用表示部の中心を示す他方の照準用表示部の位置が鏡面において固定されるので、目標物の目印となる目標合わせ用目印部も固定されることとなり、鏡面を見ながらの目線の調整とフェース面の傾き調整がより一層容易になる。
【0013】
更に、鏡面の前方に照準体が設けられ、該照準体は、前後に貫通した円形又は多角形の貫通孔を有する枠状又は門状に形成され、照準体の貫通孔の開口縁部が前側の照準用表示部を構成していることが好ましい。照準体を枠状又は門状に形成することにより十分な強度を確保でき、しかも、貫通孔を形成することで鏡面の前方視界も十分に確保できる。そして、その照準体の円形等の開口縁部が前側の照準用表示部となるので、鏡面に映った前側の照準用表示部が上方から見やすく、調整が簡単になる。
【0014】
また更に、照準体が円形の枠状であって、その後面全体が前側の照準用表示部を構成していることが好ましい。鏡面において照準体自体を視認すればよいので、より一層視認性に優れることとなる。
【0015】
特に、照準体の後面の上下左右の四カ所には、後面の他の部分とは異なる色彩のスポットエリア部が形成されていることが好ましい。上下左右のスポットエリア部の色彩が他の部分のそれとは異なっていることから、鏡面において前側の照準用表示部の中心が把握しやすくなる。
【0016】
また、照準体の後面に前側の補助照準用表示部が設けられ、該前側の補助照準用表示部に対応した鏡面の位置には後側の補助照準用表示部が設けられ、一方の補助照準用表示部は円形又は多角形であり、他方の補助照準用表示部は一方の補助照準用表示部の中心を示すものであることが好ましい。まずは前側の照準用表示部である照準体の貫通孔の開口縁部あるいは照準体の後面全体を見て概略の目線調整を素早く行う。そして、円形又は多角形である一方の補助照準用表示部は照準体の貫通孔の開口縁部あるいは照準体の後面全体よりも小型であるので、更にその前後の補助照準用表示部の中心を合わせるように見ることで、より一層正確な内外方向と前後方向の目線調整を行うことが可能になる。
【0017】
その場合特に、照準体の後面に該後面の他の部分とは異なる色彩のスポットエリア部が形成され、該スポットエリア部に前側の補助照準用表示部が設けられていることが好ましく、スポットエリア部が前側の補助照準用表示部の背景となることで前側の補助照準用表示部の視認性が高まる。
【0018】
また、鏡面には前記軸線上の点を通る縦線が後側の照準用表示部の一構成要素として形成され、照準体の後面の上部には鏡面に映ったときに鏡面の縦線と一致する補助照準用縦線が形成されていることが好ましい。この場合も、まずは前側の照準用表示部である照準体の貫通孔の開口縁部あるいは照準体の後面全体を見て概略の目線調整を素早く行い、そのうえで更に、補助照準用縦線を鏡面の縦線と一致させることで、特に内外方向の目線調整をより一層正確に行うことが可能になる。特に照準体の後面の上部に補助照準用縦線を設けると、照準体の後面の下部に設ける場合に比して、目線の内外方向のずれに対する補助照準用縦線と鏡面の縦線との差が生じやすいので、調整が容易であり且つ正確にできる。
【0019】
更に、鏡面には前記軸線上の点を通る横線が後側の照準用表示部の一構成要素として形成され、照準体の後面の左右両側部のうち少なくとも一方の側部には鏡面に映ったときに鏡面の横線と一致する補助照準用横線が形成されていることが好ましい。補助照準用横線を鏡面の横線と一致させることで、前後方向の目線調整についても、より一層正確に行うことが可能になる。
【0020】
特に、照準体の後面の上部と左右両側部のうち少なくとも一方の側部には、該後面の他の部分とは異なる色彩のスポットエリア部が形成され、該スポットエリア部に前記補助照準用縦線と補助照準用横線が形成されていることが好ましい。スポットエリア部が補助照準用縦線と補助照準用横線の背景となることで、これら補助照準用縦線と補助照準用横線の視認性が高まる。
【0021】
また、本発明に係るクラブの照準用補助具は、フェース面を有するヘッドと該ヘッドから上方に伸びるシャフトとを備えたクラブに取り付けられて、ヘッドのフェース面を前方の目標物に向けるための補助となるクラブの照準用補助具であって、目標物を映して上方から見えるようにする後方傾斜の鏡面を備え、目標物を鏡面に映してヘッドのフェース面を目標物に向ける際の目印となる目標合わせ用目印部が鏡面又は鏡面の前方に設けられ、互いに前後に離間して対応した位置関係で配置された前後一対の照準用表示部を備え、後側の照準用表示部は鏡面又は鏡面の前方に位置し、該前後一対の照準用表示部のうち、一方の照準用表示部は前後方向の軸線を中心とした囲いを形成するように構成され、他方の照準用表示部は、前記軸線上の点を示すように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、鏡面を見ながらその鏡面において他方の照準用表示部を一方の照準用表示部の中心に位置させることにより、目線の内外方向の調整と共に前後方向の調整を一度に行うことができる。しかも、鏡面において他方の照準用表示部を一方の照準用表示部の中心に位置させればよいので、上方から見やすく、目線の調整が簡単である。更に、そのまま鏡面を見ながら引き続いてヘッドの向き調整を行うことができるので、目標物に対するヘッドのフェース面の向き調整が容易且つスムーズである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態におけるクラブを示す正面図。
【図2】図1のP−P断面図。
【図3】同実施形態におけるクラブの要部(照準体)を後方から見た図。
【図4】同実施形態におけるクラブの要部(鏡面)を上方から見た図。
【図5】同実施形態におけるクラブの一部断面を含む平面図。
【図6】本発明の他の実施形態におけるクラブを示す図2に対応した断面図。
【図7】本発明の他の実施形態におけるクラブを示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態にかかるクラブとしてのゴルフクラブとその照準用補助具について図1乃至図5を参酌しつつ説明する。図1乃至図5に示すゴルフクラブは、打球面であるフェース面4を有するヘッド1と、該ヘッド1から上方に伸びるシャフト2とを備えたアイアン(チッパーも含む)であり、ヘッド1のフェース面4を前方の目標物に向けるための照準用補助具Aを備えている。尚、種々のアイアンのうち、特に飛距離をそれほど要しないものに適している。また、図中の矢印Xの方向が前後方向で、矢印Yの方向が内外方向である。
【0025】
該アイアンは、照準用補助具Aをヘッド1に備えた構成となっている。ヘッド1は、前記フェース面4を有するフェース部3とソール部5とホーゼル部6とが一体となった構造であって、フェース部3の後方が凹んだ後方開口型のキャビティ状のものであり、ホーゼル部6にシャフト2が上方から挿入されて固定されている。そして、照準用補助具Aは、フェース面4より後方であってソール部5の上面に取り付けられている。該照準用補助具Aは、前方の目標物を映してヘッド1の上方から見えるようにする後方傾斜の鏡面10aをその上面に有する薄板状の鏡部10と、該鏡部10の前方に位置する照準体12と、鏡部10と照準体12を支持してヘッド1に取り付ける際の取付部となる台座部13とを備えている。そして、本実施形態において、前後方向の軸線Bを中心とした囲いを形成するように構成された前側の照準用表示部が照準体12に設けられ、前側の照準用表示部の中心である軸線B上の点を示すように構成された後側の照準用表示部が鏡面10aに設けられている。以下、詳細に説明する。
【0026】
鏡部10は、ヘッド1のフェース面4よりも後方に位置し、その前端部が下、後端部が上となるように後方に傾斜しており、その傾斜角度は例えば45度である。鏡部10は、ヘッド1のフェース面4の横幅(内外方向の寸法)と略同じ横幅であって、平面視矩形の板状に形成され、その上面が鏡面10aとなっている。尚、鏡部10には例えばステンレス等の金属板が使用でき、また研磨により表面を容易に鏡面10aにすることができる。
【0027】
図4に示すように、鏡面10aの内外方向(幅方向)の中央には縦線20が上端から下端まで全高に亘って形成され、該縦線20はフェース面4の幅方向略中央に位置する。また、鏡面10aの所定高さには、縦線20と十字に交差する横線21が右端から左端まで全幅に亘って形成されている。縦線20は平面視において前後方向に伸びていて、横線21は平面視において内外方向に伸びている。そして、縦線20と横線21の交点には、小円である中心表示円22が形成されている。該縦線20と横線21の交点は、前側の照準用表示部の軸線B上にある。また、前側から鏡面10aを見た場合において縦線20と横線21の交点から所定距離右側(内外方向の内側)に離間した横線21上の位置には、中心表示円22よりも小径の小円である補助中心円23が形成されると共に縦方向の短い補助縦線24が補助中心円23の中心を通るようにして形成されている。尚、本実施形態において、縦線20と横線21及び中心表示円22が、後側の照準用表示部として構成されると共に、目標物を鏡面10aに映してヘッド1のフェース面4を目標物に向ける際の目印となる目標合わせ用目印部を兼ねている。また、補助中心円23は、後述する照準体12における前側の補助照準用表示部としての補助円36の中心を示すものであって後側の補助照準用表示部として機能し、また補助縦線24も後側の補助照準用表示部として機能する。
【0028】
更に、横線21上の中央付近には横方向の寸法を示す目盛り25が設けられている。また、向かって左側即ち内外方向の外側の縁部にはヘッド1の前後方向(上下方向)の傾きを示すために縦方向の寸法を示す目盛り26が設けられている。
【0029】
尚、中心表示円22の内側領域は黄色又は橙色あるいは白色に着色される一方、中心表示円22の外縁や縦線20、横線21、補助中心円23、縦方向の目盛り26、横方向の目盛り25は、何れも黄色等とは対立する色彩、例えば、黒色や青色で形成されている。尚、補助中心円23の内側領域も同様に黒色や青色で塗りつぶされている。尚、図1、図4及び図5において中心表示円22の内側領域を多数のドットを付して示している。
【0030】
次に、前記照準体12は、ヘッド1のフェース部3と鏡部10との間に立設されている。該照準体12は、前後方向に貫通する円形の貫通孔30を有して全体として円形の枠状に形成され、その軸線Bが前後方向となるようにして鏡部10の直ぐ前側に起立している。尚、照準体12の前後方向の厚さは略一定であり、貫通孔30の最下部がフェース面4の上端と略面一となっている。この照準体12の貫通孔30は前記前後方向の軸線Bをその中心軸とするもので、照準体12の外周面もまた全体として貫通孔30と同軸である。従って、貫通孔30の開口縁部を含めて照準体12の後面12aの全体が前側の照準用表示部として構成されている。
【0031】
また、照準体12の後面12aには、該後面12aの他の部分とは異なる色彩とされたスポットエリア部31が設けられている。具体的には、照準体12の後面12aの上部及び下部と左右両側部の合計四カ所にそれぞれスポットエリア部31が互いに同色にて設けられている。尚、スポットエリア部31の色彩は、他の部分の色彩と対立する色彩とすることが好ましく、例えば他の部分を青色や黒色とする場合、スポットエリア部31は黄色や橙色あるいは白色とすることが好ましい。尚、図3及び図5においてスポットエリア部31を多数のドットを付して示している。
【0032】
詳細には上部と下部のスポットエリア部31は貫通孔30の中心を通る後面12aの縦方向中心線を中心とする左右振り分けの対称形状に形成され、左右両側部のスポットエリア部31は貫通孔30の中心を通る後面12aの横方向中心線を中心とする上下振り分けの対称形状に形成されている。尚、照準体12の外周面のうち上部と左右両側部にはそれぞれ部分的に径方向外方に膨出した膨出部32が形成されている。該膨出部32の形成に伴って、照準体12の後面12aも、その上部と左右両側部においては部分的に他の部分よりも太くなっており、従って、上部のスポットエリア部31と左右両側部のスポットエリア部31も他の部分よりも太く形成されて、面積の拡大が図られている。尚、左右両側部のうち内外方向の外側の膨出部32(図3において右側)にはその中央に先細り形状(三角形状)の突起33が形成され、鏡面10aに映った際にそれが矢印のように見える。
【0033】
これらのスポットエリア部31には、照準用表示部を補助する役割を有して目線の調整のしやすさとその精度を高めるための補助照準用表示部が設けられている。即ち、上部と下部のスポットエリア部31には、補助照準用表示部として、それぞれ後面12aの縦方向中心線上に補助照準用縦線34が形成され、左右両側部のスポットエリア部31には、補助照準用表示部として、それぞれ後面12aの横方向中心線上に補助照準用横線35が形成されている。補助照準用縦線34は鏡面10aの縦線20とセットになって目線の内外方向の調整を行うためのものであり、補助照準用横線35は鏡面10aの横線21とセットとなって目線の前後方向の調整を行うためのものである。更に、図3において向かって左側、即ち、内外方向の内側のスポットエリア部31には、補助照準用表示部として、後面12aの横方向中心線上の所定位置を中心とした補助円36と、その所定位置を通る補助縦線37が更に形成されている。補助円36は上述した鏡面10aの補助中心円23(後側の補助照準用表示部)より大径であって両者は前後に対応した位置関係にあり、鏡面10aにおいて補助中心円23を補助円36の中心に位置させることで目線の調整を行うことができる。また、照準体12の補助縦線37と鏡面10aの補助縦線24(後側の補助照準用表示部)とを鏡面10aにおいて一致させることでも目線の内外方向の調整を行うことができる。
【0034】
尚、上部のスポットエリア部31には、ヘッド1の内外方向の傾きを示すために横方向の寸法を示す目盛り38が設けられている。また、図3において向かって右側、即ち、内外方向の外側のスポットエリア部31には、ヘッド1の前後方向(上下方向)の傾きを示すために縦方向の寸法を示す目盛り39が設けられている。更に、図5に示すように、照準体12の上面、具体的には、上部の膨出部32の上面にも、ヘッド1の内外方向の傾きを示すために横方向の寸法を示す目盛り40が設けられている。
【0035】
尚、スポットエリア部31に設けられた線や目盛りは、スポットエリア部31の色彩とは対立した色彩(例えば黒色や青色)とすることが好ましい。尚、照準体12の後面12aにおいてスポットエリア部31以外の部分に、文字やマークを入れてもよい。
【0036】
また、鏡部10と照準体12を支持する台座部13は、図1及び図2に示すように、ヘッド1に取り付けられる取付部50と、該取付部50の上側に位置してそれよりも内外方向に広くてその上面で鏡部10を支持する鏡支持部51と、該鏡支持部51の前側に位置してその上面が照準体12に対応して円弧状に湾曲した照準体支持部52とから構成される。
【0037】
以上のように構成されたアイアンにあっては、まずシャフト2のグリップ部を軽く把持してアイアンを吊り下げ状態にしてアイアンを鉛直姿勢とする。そして、図5のように鏡面10aには照準体12が映っているので、照準体12の中心に鏡面10aの中心表示円22を位置させることにより、目線を鏡面10aの真上に位置させることができる。即ち、目線の内外方向と前後方向の調整を一度に行うことができる。そして、そのまま鏡面10aを見ながら中心表示円22を目印にして鏡面10aに前方の目標物を映す。具体的には、目標物が中心表示円22あるいは縦線20上に位置するように、鉛直方向を中心にアイアンを左右に回動させてフェース面4の向きを調整して、そのフェース面4が目標物を向くようにする。このようにプレーヤは常に鏡面10aの中心表示円22付近を見ていればよいので、目線の調整とヘッド1の調整をスムーズにしかも簡単に行うことができる。その際、中心表示円22の内側領域を縦線20とは対立する黄色や橙色あるいは白色に着色しているので、仮に前方の風景等が黒色に近い場合であっても中心表示円22が黒色の風景等から浮かび上がって見えるので、目標物を容易に中心表示円22あるいは縦線20上に位置させることができるのである。
【0038】
特に、鏡面10aに映った円形の照準体12の中心に中心表示円22を位置させることで目線の調整が完了するので、簡単に目線の調整ができる。その際、照準体12の貫通孔30の開口縁部のみならず照準体12の後面12aが全体として円形であるので、上方から鏡面10aを見た場合において鏡面10aに映った照準体12を容易に視認でき、その中心に中心表示円22を容易に位置させることができる。更に、照準体12の中心を把握する際において、照準体12の後面12aにおいて上下左右の四カ所にスポットエリア部31が設けられているので、その四カ所のスポットエリア部31が目にとまりやすく、四カ所のスポットエリア部31によっても照準体12の中心位置を容易に把握することができる。
【0039】
そして、更に、目線の調整を正確に行いたい等の場合には補助照準用表示部を用いる。即ち、補助円36の中心に補助中心円23を位置させることにより、目線の内外方向と前後方向の調整を同時に行うことができ、特に補助円36が照準体12よりも小径であるので細かな調整が可能である。また、対立した色彩のスポットエリア部31が鏡面10aに映っていてそれが背景となっているので、補助円36や補助中心円23が見やすく、上方から鏡面10aを見ながらの目線の調整が極めて容易にできる。しかも、前方の視界を邪魔しない位置に存在しているので、補助円36や補助中心円23を太くすることもでき、それによっても良好な視認性を容易に確保でき、特に視力の弱い人や高齢者に適している。尚、その際、照準体12の補助縦線37と鏡面10aの補助縦線24を使用して内外方向の調整を行うこともできる。
【0040】
また、補助円36による調整に代えて、鏡面10aの縦線20に補助照準用縦線34を一致させることで目線の内外方向の調整をより一層正確に行うこともできる。その際には、特に、上部のスポットエリア部31に設けられた補助照準用縦線34を使用すると、目線の内外方向のずれが、下部の場合よりも拡大されて現れるので、高い調整精度が得られる。また更に、鏡面10aの横線21に補助照準用横線35を一致させることで目線の前後方向の調整もより一層正確に行うことができる。また、補助照準用縦線34や補助照準用横線35についてもスポットエリア部31に設けられていてそれとは対立する色彩にて表示されているので、鏡面10aに映ったスポットエリア部31が補助照準用縦線34等の背景となって上方から容易に視認できる。また、補助照準用縦線34や補助照準用横線35についても前方視界の邪魔にならない位置にあるので、十分な太さとすることができる。
【0041】
また更に、照準体12を円形の枠状としているので、その強度も十分に得られ、耐久性にも優れている。しかも、貫通孔30によって前方視界が大きく確保できているので、目標物を容易に捉えて鏡面10aに映すことができるのである。
【0042】
更に、照準体12の後面12aの上部には、ヘッド1の内外方向の傾きを示すために横方向の寸法を示す目盛り38が設けられているので、この目盛り38を使用することによりフックやスライスを打つ際の目安にもなる。一般に、ヘッド1を内外方向の内側(手前)に傾けるとフック、逆に外側(奥側)に傾けるとスライスになるが、その程度はプレーヤの感覚にゆだねられており、経験が浅いと一定のフックやスライスを打つことが難しい。そこで、フックやスライスを打つ際の目安としてこの目盛り38を使用する。つまり、鏡面10aの縦線20が図5のように照準体12の補助照準用縦線34に一致している場合を基準のストレートとし、ヘッド1を内側や奥側に傾けると、鏡面10aの縦線20は照準体12の補助照準用縦線34から左右にずれる。このずれ量がヘッド1の傾き量であるので、それを目盛り38から読み取ることで常に一定のヘッド1の傾き量を簡単に得ることができる。また、目盛り38を用いることでヘッド1の傾き量の大小も容易に調整できる。尚、鏡面10aの縦線20を基準にして、照準体12の上面の目盛り40を使用してヘッド1の内外方向の傾きを読み取ってもよい。
【0043】
尚、前方の地形が傾いている場合には、ヘッド1を内外方向に傾けることで、その地形の傾きを簡易的に把握することも可能である。即ち、鏡面10aの横線21を水平基準線として、その横線21に前方の地形を合わせるようにヘッド1を内外方向に傾ける。その際のヘッド1の傾きを上記目盛り38,40から読み取ることで、前方の地形の傾きを簡易的に測定することができる。
【0044】
更に、アイアンの場合、ヘッド1のフェース面4の前後方向(上下方向)の傾きを調整してボールの回転力を調整するということもある。その場合には、照準体12の後面12aの側部に設けられた目盛り39や、鏡面10aの縁部の目盛り26を用いる。即ち、図5の状態を基準としてヘッド1を前後方向に傾けると、鏡面10aの横線21に対して照準体12の補助照準用横線35が上下に位置ずれし、同時に、照準体12の一側部の突起33も上下にずれることになる。そのずれ量を、照準体12の後面12aの目盛り39や、鏡面10aの側部の目盛り26を使用して読み取り、ヘッド1の前後方向の傾き量を容易に調整することができる。尚、ヘッド1を前後方向に傾けると鏡面10aに映っている目標物もそれに合わせて鏡面10aにおいて前後(上下)に移動する。この移動量を目盛り39,26から読み取ることで、前方の目標物とプレーヤとの間の地形の傾きの大小を簡易的に把握することもできる。また逆に、目標物の高さがわかっている場合には、同様にヘッド1を前後方向に傾けてその傾き量を目盛り39,26から読み取ることで、その目標物までの距離も大まかに把握できる。
【0045】
また、あえて鏡面10aに映る目標物が中心表示円22ではなくそこから左右にずれた位置に映るように、ヘッド1のフェース面4の向きを調整して、ボールの方向性を意図的に調整するというような場合には、鏡面10aの横線21上に設けられた目盛り25を使用することができ、その方向の調整量を一定とすることができる。従って、この目盛り25はパターの場合にも特に有効である。
【0046】
尚、本実施形態では、後側の照準用表示部として、鏡面10aに縦線20と横線21と中心表示円22とを設けたが、これらを全て設ける必要はなく、例えば、中心表示円22のみの場合や、縦線20と中心表示円22、横線21と中心表示円22、縦線20と横線21とするなど、適宜変更可能である。また、中心表示円22のように円形とする他、矩形のものを設けるなど、後側の照準用表示部の形状についても変更可能であり、その色彩や大きさについても変更可能である。何れにしても、前側の照準用表示部の中心を鏡面10aにおいて表示する構成であればよい。
【0047】
また、照準用表示部に加えて補助照準用表示部を設けていたが、これを省略することもできる。補助照準用表示部を設ける場合においても、上述したような態様には限定されず、例えば、上述した補助照準用表示部のうちの何れか一つのみを設けてもよい。また、補助照準用表示部として補助円36と補助中心円23とを設ける場合、上述したのとは逆に、鏡面10aに補助円36を設けて照準体12の後面12aに補助中心円23を設けてもよい。更に、補助照準用縦線34を設けずに補助円36と補助中心円23とを設ける場合には、例えば、補助円36あるいは補助中心円23を照準体12の後面12aの上部に設けることが精度面から好ましい。
【0048】
更に、各種の目盛りは何れも任意であって、設ける場合においてもその配置や形状等を適宜設計変更可能である。
【0049】
また更に、照準体12の形状を全体として円形の枠状としたが、矩形の枠状としたり、半円や矩形の門状としたり、また円形の貫通孔30に代えて矩形等の貫通孔30としてもよく、照準体12の後面12a全体ではなく貫通孔30のみを前側の照準用表示部としてもよい。尚、例えば、門状の照準体12とする場合でも、その後面12aに図3のような円形状の図柄を施して図5と同様の像を鏡面10aに映すようにしてもよい。また、照準体12の後面12aに上述したようなスポットエリア部31を同心円上に三カ所以上配置することによって、その同心円を把握できるようにしてもよい。即ち、照準用表示部の囲いは、前後方向の軸線Bを中心として周方向に連続したもののみならず、不連続のものであってもよい。
【0050】
また、例えば角棒状の照準体12を内外方向の中央から内側や外側に偏心させて立設し、その後面12aとそれに対応した鏡面10aに、上述したような補助円36と補助中心円23を設けて、それらを照準用表示部として使用することもできる。即ち、補助円36が囲いを形成する一方の照準用表示部となり、補助中心円23が他方の照準用表示部となって、それらで目線の調整を行うようにしてもよい。その場合には、目標物を鏡面10aに映してヘッド1を目標物に向ける際の目印となる目標合わせ用目印部として、縦線20や中心表示円22等を鏡面10aに別途設ける。
【0051】
尚、後側の照準用表示部や目標合わせ用目印部を鏡面10aに設けたが、例えば図6のように鏡面10aの前方に透明板62(透明体)を配置してその透明板62に後側の照準用表示部や目標合わせ用目印部を設けてもよい。その場合、図6のように例えば、照準体12と鏡面10aとの間に透明板62を配置する。その配置の一態様としては、図6のように、照準体12の左右両側部から後方にそれぞれ連結板60を伸ばしてその両連結板60間に透明板62を架橋させるようにする。尚、透明板としてはガラス板やプラスチック板、フィルム等が使用できる。
【0052】
また、図6のように鏡面10aの前方に前後二枚の透明板61,62を互いに平行配置して、一方の透明板には例えば円を一方の照準用表示部として設け、他方の透明板にはその中心を示すように点や小円等を他方の照準用表示部として設けることもできる。そして、その他方の照準用表示部としての点や小円等を鏡面10aの例えば略中央に映るように配置すれば、その点や小円等を目標合わせ用目印部として使用できる。このように、鏡面10aの前方に透明板61,62を配置してそこに照準用表示部等を設けると、鏡面10aに映る照準用表示部等の像に立体感が得られる。尚、前後二枚の透明板61,62を連結板60を介して照準体12に取り付けているが、照準体12に代えて左右一対の棒状体を立設してその棒状体に連結板60を介して前後二枚の透明板61,62を取り付けてもよい。また、前後二枚の透明板61,62ではなく、円柱状や角柱状等の透明体の前後の端面を透明板の代わりとして用いるようにしてもよく、該透明体は中実でも中空でもよい。
【0053】
尚、鏡部10の形状についても任意であって、上述のように矩形とするほか、円形等にしてもよい。また、凸面の鏡面10aを使用すれば、視野が広角になり、鏡面10aを小型化できる。
【0054】
更に、鏡部10や照準体12をクラブに着脱可能に構成したり逆に一体成形したりしてもよい。
【0055】
尚、上記実施形態では、クラブとしてアイアンを例に説明したが、パターにも無論適用でき、ゴルフクラブの他、図7のようにゲートボールのクラブ(スティック)にも適用できる。尚、図7においてヘッド1に切欠を前後二カ所形成してそこに照準体12と鏡部10をそれぞれ差し込むようにして直接取り付けているが、台座部に照準体12等を取り付けておいて台座部を介してヘッド1に取り付けるようにしてもよい。
【0056】
また、ゴルフやゲートボールを模したゲーム用のクラブとしても適用可能である。その場合、ボールを実際に打っても、打たなくてもよい。設置場所としては、例えばゲームセンターや各種の屋内施設があり、ゴルフゲーム機やゲートボールゲーム機として、小さなスペースにも設置できる。更に、ボールを実際に打たずに、前側にモニターを設置し、そのモニターを見ながらクラブをスイングすることによりモニター上でボールを仮想的に打つようにしてもよい。その場合、例えば、凸面の鏡面を用いたり、プレーヤの足場を高くしたり、照準用補助具Aの位置を高めにするなどして、モニターに映った風景(目標物)をクラブの鏡面10aに映すようにする。また、家庭用のTVゲームにも適用できる。クラブの位置や方向については各種のセンサーで認識する。
【0057】
尚、上記実施形態では、照準用補助具Aをヘッド1に取り付ける等して設けた場合について説明したが、照準用補助具Aの一部あるいは全部をシャフト2に設けてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 ヘッド
2 シャフト
3 フェース部
4 フェース面
5 ソール部
6 ホーゼル部
10 鏡部
10a 鏡面
12 照準体
12a 後面
13 台座部
20 縦線
21 横線
22 中心表示円
23 補助中心円
24 補助縦線
25 目盛り
26 目盛り
30 貫通孔
31 スポットエリア部
32 膨出部
33 突起
34 補助照準用縦線
35 補助照準用横線
36 補助円
37 補助縦線
38 目盛り
39 目盛り
40 目盛り
50 取付部
51 鏡支持部
52 照準体支持部
60 連結板
61 透明板(透明体)
62 透明板(透明体)
A 照準用補助具
B 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェース面を有するヘッドと、該ヘッドから上方に伸びるシャフトとを備えたクラブにおいて、
前方の目標物を映して上方から見えるようにする後方傾斜の鏡面を備え、目標物を鏡面に映してヘッドのフェース面を目標物に向ける際の目印となる目標合わせ用目印部が鏡面又は鏡面の前方に設けられ、互いに前後に離間して対応した位置関係で配置された前後一対の照準用表示部を備え、後側の照準用表示部は鏡面又は鏡面の前方に位置し、該前後一対の照準用表示部のうち、一方の照準用表示部は前後方向の軸線を中心とした囲いを形成するように構成され、他方の照準用表示部は、前記軸線上の点を示すように構成されていることを特徴とするクラブ。
【請求項2】
前記他方の照準用表示部は目標合わせ用目印部を兼ねている請求項1記載のクラブ。
【請求項3】
前記他方の照準用表示部は後側の照準用表示部であって鏡面に形成されている請求項2記載のクラブ。
【請求項4】
鏡面の前方に照準体が設けられ、該照準体は、前後に貫通した円形又は多角形の貫通孔を有する枠状又は門状に形成され、照準体の貫通孔の開口縁部が前側の照準用表示部を構成している請求項3記載のクラブ。
【請求項5】
照準体が円形の枠状であって、その後面全体が前側の照準用表示部を構成している請求項4記載のクラブ。
【請求項6】
照準体の後面の上下左右の四カ所には、後面の他の部分とは異なる色彩のスポットエリア部が形成されている請求項5記載のクラブ。
【請求項7】
照準体の後面に前側の補助照準用表示部が設けられ、該前側の補助照準用表示部に対応した鏡面の位置には後側の補助照準用表示部が設けられ、一方の補助照準用表示部は円形又は多角形であり、他方の補助照準用表示部は一方の補助照準用表示部の中心を示すものである請求項4又は5記載のクラブ。
【請求項8】
照準体の後面に該後面の他の部分とは異なる色彩のスポットエリア部が形成され、該スポットエリア部に前側の補助照準用表示部が設けられている請求項7記載のクラブ。
【請求項9】
鏡面には前記軸線上の点を通る縦線が後側の照準用表示部の一構成要素として形成され、照準体の後面の上部には鏡面に映ったときに鏡面の縦線と一致する補助照準用縦線が形成されている請求項4又は5記載のクラブ。
【請求項10】
鏡面には前記軸線上の点を通る横線が後側の照準用表示部の一構成要素として形成され、照準体の後面の左右両側部のうち少なくとも一方の側部には鏡面に映ったときに鏡面の横線と一致する補助照準用横線が形成されている請求項9記載のクラブ。
【請求項11】
照準体の後面の上部と左右両側部のうち少なくとも一方の側部には、該後面の他の部分とは異なる色彩のスポットエリア部が形成され、該スポットエリア部に前記補助照準用縦線と補助照準用横線が形成されている請求項10記載のクラブ。
【請求項12】
フェース面を有するヘッドと該ヘッドから上方に伸びるシャフトとを備えたクラブに取り付けられて、ヘッドのフェース面を前方の目標物に向けるための補助となるクラブの照準用補助具であって、
目標物を映して上方から見えるようにする後方傾斜の鏡面を備え、目標物を鏡面に映してヘッドのフェース面を目標物に向ける際の目印となる目標合わせ用目印部が鏡面又は鏡面の前方に設けられ、互いに前後に離間して対応した位置関係で配置された前後一対の照準用表示部を備え、後側の照準用表示部は鏡面又は鏡面の前方に位置し、該前後一対の照準用表示部のうち、一方の照準用表示部は前後方向の軸線を中心とした囲いを形成するように構成され、他方の照準用表示部は、前記軸線上の点を示すように構成されていることを特徴とするクラブの照準用補助具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−10984(P2011−10984A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159658(P2009−159658)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【特許番号】特許第4610024号(P4610024)
【特許公報発行日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(509113368)
【Fターム(参考)】