説明

クリップ装置

【課題】首振り首回し機構が短く軽量なクリップ装置を提供する。
【解決手段】第1の挟持部分17、指当て部分10とからなる第1の挟持体2と、第1の挟持体と開閉自在形態で一体の、第2の挟持部分27、指当て部分28とからなる第2の挟持体4とからなるクリップ本体45と、前記第1、第2の挟持体を付勢閉じ状態とし、かつ、挟持される品5を前記第1、第2の挟持部分17、27によって付勢挟持させる付勢手段41と、略垂直に曲がって形成された第1、第2の連結部分36、37とからなる連結体6と、前記第1の連結部分36と前記指当て部分28あるいはその延長部分32を回動自在に取付けた、前記クリップ本体45を回動自在としている首振り機構部44と、フレキシブルチューブ、アームなどの取付け部材5に回転自在に前記第2の連結部分37を取付けられる部位である、前記クリップ本体45を回動自在とした首回し機構部60とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(1)クリップ手段Fと、一端側でこのクリップ手段Fに連結されるアームAと、このアームAの他端側に設けられる当該アームAの支持手段Tとを備えるシート状体S・板状体等のクリップKにおける前記アームAが、少なくとも端部に連結頭部10を備えたロッドRと、連結部材Jとを備えているものとした。そして、前記連結部材Jが、前記ロッドRの連結頭部10を挟み込み状に受け入れて、当該ロッドRを当該ロッドRの軸線を巡る向きに回転可能に保持する一対の弾性片部15、15を備えると共に、この一対の弾性片部15、15が設けられていない側において回動可能に組み付けられた一対の連結体14、14を備えているクリップ装置が知られている。(例えば、特許文献1)

(2)対向する長板状部材で挟持部位と指当て部とからなり、前記挟持部位を「への字形態」としたる第1の挟持体、第2の挟持体を開閉自在形態に一体化するとともに、管体や棒体の挟持を前記付勢手段の閉じ付勢力によって前記挟持部位で付勢挟持し、前記挟持部位の開きは前記第1の挟持体および前記第2の挟持体の指当て部を指で摘んで前記前記付勢手段の閉じ付勢力に抗して抑え閉じ操作して開くクリップ装置が知られている。(例えば特許文献2)

【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-109487号公報
【特許文献2】特開2006-307904号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】特になし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(1)特許文献1の技術(符号は、特許文献1の構成名および符号)
[a]上述した特許文献1の技術は、首振り体(連結体14)とクリップ部(クリップ手段f)が別体であるために、前記首振り体とクリップ部を連結する手段は、前記クリップ部の背面側に設けた顎部32を有する軸体30と、前記首振り体(連結体14)の先頭側に設けた前記顎部32に嵌る突起を有した前記軸体30を挟持する一対の弾性片部15、15との連結によるものである。かつ、前記首振り体(連結体14)とアーム(ロッドR)を連結する手段は、前記アームの先頭に設けた顎部11を有する連結頭部10と、前記首振り体に首振り回動機構によって回動自在に取り付けられた前記アームの顎部32に嵌る突起を有した前記連結頭部10を挟持する一対の弾性片部15、15との連結によるものである。
[b]以上の構成の特許文献1の技術は、クリップ部の挟持部位からロッドR先頭部の間にストレート形態の首振り体(連結体14)と、この首振り体を回動自在に連結してなる連結部材Jが介した構成となっているため、クリップ部の挟持部位からロッドR先頭部までの距離が長い、重量が重くなるものであった。
すなわち、前記距離が長い、重量が重いということによって、ロッドに掛かる荷重が大きくなるという欠点を有するものであった。この欠点は、ロッドがフレキシブルチューブ(例えば、丸線と異形線(三角線など)のスプリングを組み合わせた構造のチューブなどで、自由なトルク伝達用の特殊な鋼線を右巻き、左巻きと交互に数層巻いた構造のものなど。)とした場合にあっては、ロッドに掛かる荷重が大きいために、ロッドがその荷重で首下がりになることから、その荷重に耐え首下がりとならない曲り難い(手では曲げることがきつい硬いもの)フレキシブルチューブとしなければならない、あるいは、長さを短くしなければならないという欠点を有するものであった。

(2)特許文献2の技術
上述した特許文献2の技術は、1本のチューブを挟持するには適しているが2本のチューブ、あるいは2本のチューブを分岐する二股ソケットや二股チューブを挟持したばあいでは、2つの分岐や2つのチューブを均一に挟持することができないという欠点を有するものであった。
【0006】
本発明は以上のような従来技術の欠点に鑑み、クリップの首振りおよび首回しが自在に行える首振り首回し機構が短く軽量であるクリップ装置を提供することを第1の目的としている。
また、本発明は前記第1の目的とともに、チューブの分岐部分や2本のチューブを均一に挟持するクリップ装置を提供することを第2の目的としている。

【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は次に述べる構成としている。
<請求項1の発明>
第1の挟持部分、第1の指当て部分とからなる第1の挟持体と、
この第1の挟持体と開閉自在形態で一体化された、第2の挟持部分、第2の指当て部分とからなる第2の挟持体と、
前記第1の挟持体と前記第2の挟持体からなるクリップ本体と、
前記第1の挟持体と前記第2の挟持体を付勢閉じ状態とし、かつ、挟持される品を前記第1の挟持部分と前記第2の挟持部分によって付勢挟持させる付勢手段と、
第1の連結部分、該第1の連結部分から略垂直に曲がった形態で形成された第2の連結部分とからなる連結体と、
前記第1の連結部分と前記第2の指当て部分あるいはその延長部分を回動自在に取付けた、前記クリップ本体を首振り形態である回動自在としている首振り機構部と、
フレキシブルチューブ、アームなどの取付け部材に回転自在に前記第2の連結部分を取付けた、ないし取り付けられる部位である、前記クリップ本体を首回し形態である回動回り自在としている首回し機構部とからなることを特徴とするクリップ装置である。

「付勢手段」には、コイルばね、U字形態の板ばねなどのばね部材、ゴムなどの弾性部材など多様なものがある。

<請求項2の発明>
第1挟持体および第2挟持体が略ストレート形態であり、
前記第1の挟持体が、挟持部分支持部、指当て部分とからなる挟持体本体と、前記挟持部分支持部に設けられた本体側軸受け部と、前記挟持体本体と別体とされ第1の挟持部分と、この第1の挟持部分の略中央に設けられた挟持部分側軸受け部と、前記本体側軸受け部と前記挟持部分側軸受け部を結合して、前記第1の挟持部分を前記挟持部分支持部から離して振れ可動状態とした軸受け結合手段とからなる第1の挟持体であることを特徴とする請求項1記載のクリップ装置である。

<請求項3の発明>
第1の挟持体が連結体の第1の連結部分の第2の連結部分の無い外側面に180度ないし360度回動自在に取り付けられてなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載のクリップ装置である。

<請求項4の発明>
第1の挟持部分および第2の挟持部分が挟持される品の2箇所を入れる2つの凹み部を対向して設けてなることを特徴とする請求項2、3のいずれか1項に記載のクリップ装置である。

<請求項5の発明>
第1の挟持部分および第2の挟持部分あるいはいずれか一方の挟持部分を第1の爪と第2の爪とからなる二股形態とし、前記第1の爪と前記第2の爪の先端側が閉部位の無い開放形態とされて、挟持される部位に突起体を有する挟持される品の該突起体が、前記第1の爪と前記第2の爪の先端に当ることなく該先端からその間に入って、該第1の爪と該第2の爪に挟持されない形態で納まるようにした突起体入り部位を設けてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のクリップ装置である。

<請求項6の発明>
第1の挟持部分と第2の挟持部分のいずれか一方の挟持部分が他方の挟持部よりも横幅が狭い細形態挟持部分とされ、一方の挟持部分の幅を狭くしたことによって前記他方の挟持部分の対向側(対向重なる側)に空間部位からなる突起体避け部位が前記細形態挟持部分の隣に形成され、挟持される部位に突起体を有する挟持される品の該突起体が、前記細形態挟持部分の先端に当ることなく前記突起体避け部位に位置されることを可能としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のクリップ装置である。

【発明の効果】
【0008】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
<請求項1の発明の効果>
第1の挟持部分、第1の指当て部分とからなる第1の挟持体と、
この第1の挟持体と開閉自在形態で一体化された、第2の挟持部分、第2の指当て部分とからなる第2の挟持体と、
前記第1の挟持体と前記第2の挟持体からなるクリップ本体と、
前記第1の挟持体と前記第2の挟持体を付勢閉じ状態とし、かつ、挟持される品を前記第1の挟持部分と前記第2の挟持部分によって付勢挟持させる付勢手段と、
第1の連結部分、該第1の連結部分から略垂直に曲がった形態で形成された第2の連結部分とからなる連結体と、
前記第1の連結部分と前記第2の指当て部分あるいはその延長部分を回動自在に取付けた、前記クリップ本体を首振り形態である回動自在としている首振り機構部と、
フレキシブルチューブ、アームなどの取付け部材に回転自在に前記第2の連結部分を取付けた、ないし取り付けられる部位である、前記クリップ本体を首回し形態である回動回り自在としている首回し機構部とからなることを特徴とするクリップ装置であるので、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
第1の連結部分、該第1の連結部分から略垂直に曲がった形態で形成された第2の連結部分とからなる連結体によって、取付け部材とクリップ装置を連結して、クリップ本体を首振り形態および首回し形態としているので、連結体(例えばL型板)の長さを短いもの軽いものにでき、よって、取付け部材側への荷重を軽くできるクリップ装置を実現するという効果を奏する。

<請求項2の発明の効果>
第1挟持体および第2挟持体が略ストレート形態であり、
前記第1の挟持体が、
挟持部分支持部、指当て部分とからなる挟持体本体と、
前記挟持部分支持部に設けられた本体側軸受け部と、
前記挟持体本体と別体とされ第1の挟持部分と、
この第1の挟持部分の略中央に設けられた挟持部分側軸受け部と、
前記本体側軸受け部と前記挟持部分側軸受け部を結合して、前記第1の挟持部分を前記挟持部分支持部から離して振れ可動状態とした軸受け結合手段とからなる第1の挟持体であることを特徴とする請求項1記載のクリップ装置であるので、請求項1記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
第1の挟持体が振れ可動するので、挟持される品の形状にその振れ可動範囲で対応した挟持状態を実現するという効果を奏する。

<請求項3の発明の効果>
第1の挟持体が連結体の第1の連結部分の第2の連結部分の無い外側面に180度ないし360度回動自在に取り付けられてなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載のクリップ装置であるので、請求項1、2のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
クリップ本体の回動域に第2の連絡部分が無い、すなわち、回動して当る部分が無いので該クリップ本体は180度ないし360度回動自在な形態を実現し、これによって、図6に示すようにクリップ本体を取付け部材(図ではフレキシブルチューブ)の上、下ないし横に重なるように位置させることができるという効果を奏する。クリップ本体を取付け部材に重なるようにした状態は、取付け部材の根本から挟持される品までの距離が短くなって、取付け部材に掛かる荷重を軽減できる。
また、第1の挟持体の指当て部分が第2の連絡部分および該第2の連絡部分のナットなどの取付け部品に当ることがないので、前記指当て部分を長いものにして、弱い握り力でもクリップの開閉操作が行えるクリップ装置にできる。

<請求項4の発明の効果>
第1の挟持部分および第2の挟持部分が挟持される品の2箇所を入れる2つの凹み部を対向して設けてなることを特徴とする請求項2、3のいずれか1項に記載のクリップ装置であるので、請求項2、3のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
前記請求項2の発明で述べた動作によって、2つの凹み部にチューブの分岐部分や2本のチューブを均一に入れ挟持するクリップ装置を実現するという効果を奏する。

<請求項5の発明の効果>
第1の挟持部分および第2の挟持部分あるいはいずれか一方の挟持部分を第1の爪と第2の爪とからなる二股形態とし、前記第1の爪と前記第2の爪の先端側が閉部位の無い開放形態とされて、挟持される部位に突起体を有する挟持される品の該突起体が、前記第1の爪と前記第2の爪の先端に当ることなく該先端からその間に入って、該第1の爪と該第2の爪に挟持されない形態で納まるようにした突起体入り部位を設けてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のクリップ装置であるので、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
例えば、「挟持される部位に突起体を有する挟持される品」として、実施例3(図7)に示す、人工呼吸器、吸気装置などの管を連結する二股ソケット24がある。この二股ソケット24には枝分かれした部位のそれぞれに、他の薬品などを注入するための注入部位である2つの突起体70、71が設けられ、この突起体70、71には薬品注入用の管(図示せず省略)が連結されて薬品が注入される。
しかるに本発明では、この2つの突起体70、71は開放されている第1の爪と第2の爪の間を爪の先端に当ることなく突起体入り部位に入り納まるので、突起体70、71に連結された管を該突起体70、71から外すことなく、クリップ装置を二股ソケット24から着脱自在にできる、ないし、二股ソケット24を突起体70、71に管を連結させたままクリップ装置から着脱自在にできるという効果を奏する。

<請求項6の発明の効果>
第1の挟持部分と第2の挟持部分のいずれか一方の挟持部分が他方の挟持部よりも横幅が狭い細形態挟持部分とされ、一方の挟持部分の幅を狭くしたことによって前記他方の挟持部分の対向側に空間部位からなる突起体避け部位が前記細形態挟持部分の隣に形成され、挟持される部位に突起体を有する挟持される品の該突起体が、前記細形態挟持部分の先端に当ることなく前記突起体避け部位に位置されることを可能としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のクリップ装置であるので、このような構成としても前記請求項5記載の発明と同様な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1の組立分解斜視図。
【図2】本発明の実施例1の組立斜視図。
【図3】本発明の実施例1の挟持される品を挟持した状態の斜視図。
【図4】本発明の実施例1の組立斜視図、フレキシブルチューブに取り付けた斜視図および組立分解斜視図。
【図5】本発明の実施例1の首振り機構部の組立分解斜視図。
【図6】本発明の実施例2の斜視図。
【図7】本発明の実施例3の斜視図。
【図8】本発明の実施例4の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施例について説明する。但し、本発明をこれら実施例のみに限定する趣旨のものではない。また、後述する実施例の説明に当って、前述した実施例の同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0011】
図1〜図5に示す本発明の実施例1において1はクリップ装置であって、このクリップ装置1は、ストレート形態の第1の挟持体2と、この第1の挟持体2と開閉形態で一体化されて挟持される品である二股ソケット24を該第1の挟持体2とで付勢閉じ挟持するストレート形態の第2の挟持体4と、この第2の挟持体4を首振り形態および首回し形態で取り付けるための取付け部材5(ここではフレキシブルチューブであり、雄ネジ部(図示せず省略。雌ネジでもよい。)を有する先端部材7が設けられている)に取り付ける連結体6とからなっている。
【0012】
第1の挟持体2は、
挟持部分支持部9、指当て部分10とからなる挟持体本体11と、
挟持部分支持部9に設けられた軸受け孔12を有する本体側軸受け部13a、13bと、
挟持部分支持部9と指当て部分10の間で本体側軸受け部13a、13bの反対側に設けられた、軸受け孔14を有する軸受け部15a、15bと、
挟持体本体11と別体とされ第1の挟持部分17と、
この第1の挟持部分17の略中央に開口された本体側軸受け部13a、13bが入る開口部18と、
この開口部18の両側に本体側軸受け部13a、13bと同じ方向で設けられた、軸受け孔19を有する挟持部分側軸受け部20a、20bと、
合わせた本体側軸受け部13a、13bと挟持部分側軸受け部20a、20bを結合(連結)して、第1の挟持部分17を挟持部分支持部9から離して振れ可動状態(天秤振れ状態)とした、合わさった軸受け孔12と軸受け孔19に通したピン、ネジ付きピンなどからなる軸受け結合手段21と、
第1の挟持部分17の挟持部位に形成された、挟持される品である二股チューブ23、23部分や二股ソケット24部分が入る湾曲の凹み部25a、25bとからなっている。
【0013】
第2の挟持体4は、
第2の挟持部分27、指当て部分28とからなる挟持体本体29と、
第2の挟持部分27と指当て部分28の間に設けられた、軸受け孔30を有する軸受け部31a、31bと、
指当て部分28を延長してなる延長部32と、
この延長部分32にあけられた首振り機構形成孔33と、
第2の挟持部分27の挟持部位に形成された、二股チューブ23部分や二股ソケット24部分が入る湾曲の凹み部34a、34bとからなっている。
【0014】
連結体6は、第1の連結部分36、該第1の連結部分36から略垂直に曲がった形態で形成された第2の連結部分37と、第1の連結部分36にあけられた首振り機構形成孔38と、
第2の連結部分37にあけられた首回し機構形成孔39とからなっている。
【0015】
以上の部品構成に、コイルばねからなる付勢手段41、軸受け結合手段42、首振り機構形成部品群43を加えてクリップ装置1を組立形成する。
すなわち、
第1の挟持体の2の軸受け部15a、15bに間に付勢手段41のコイル部分をセットしコイル孔と軸受け孔14、14を合わせ、それを軸受け部31a、31bの軸受け孔30、30に合わせ、軸受け孔14、14、コイル孔および軸受け孔30、30に軸受け結合手段42を通して第1の挟持体と第2の挟持体を結合(連結)し一体化する。
首振り機構形成孔33と首振り機構形成孔38を合わせ首振り機構形成部品群43によって結合(連結)して首振り機構部44を形成する。
第1の挟持体2と前記第2の挟持体4とでクリップ本体45を形成している。
【0016】
第1の挟持部分17および第2の挟持部分27の挟持部位はゴム製部材、ビニール製部材などの合成樹脂製部材などの被覆部材46によって被覆されている。
【0017】
首振り機構形成部品群43は、
連結体6と挟持体本体29の間に位置される、首振り機構形成孔33、38と同じ孔径の波形ワッシャー48(スプリングワッシャ)と、
挟持体本体29の外側に位置される、連結体6と挟持体本体29の幅と略同じ幅の円盤体からなり、中央にネジ通し孔49を有するプレート50と、
ネジ通し孔49に通される締め付けネジ51と、
首振り機構形成孔38、波形ワッシャー48、首振り機構形成孔33に通され、これらを軸支する軸支凸部53、締め付けネジ51が螺合する貫通ネジ孔であるネジ孔54、連結体6と挟持体本体29の幅と略同じ幅のフランジ55とからなるプレート56と、
ネジ孔54から突き出た締め付けネジ51の突出ネジ部分に螺合するナット57とからなっている。
軸支凸部53の突き出し長さは、「(連結体6の厚み+挟持体本体29の厚み+開放状態の波形ワッシャー48の付勢方向幅=締め付け前長さ)」よりも長く、締め付け長さ前長さでの突出部分は首振り機構形成孔33の途中まで入る長さとなっている。
締め付けネジ51をネジ孔54に螺合させて締め付けて行くことによって、軸支凸部53は首振り機構形成孔33に奥深く入って行きプレート50とプレート56は近づけられて、波形ワッシャー48を押し潰しその付勢力を増大させ、よって、クリップ本体45の首振り摩擦抵抗を増大させる。
【0018】
先端部材7の先端には雄ネジ(図示せず省略)が突出され、金属製ワッシャー、合成樹脂製ワッシャーの組み合わせと、前記雄ネジ螺合するナット59と、首回し機構形成孔39とによって首回し機構部60を形成している。
【0019】
首振り機構部、首回し機構部は上記構成に限定されず、金属ワッシャーとゴム製部材などの他の方法でもよい。

【実施例2】
【0020】
図6に示す本発明の実施例2において前記実施例1と主に異なる点は、第1の挟持体1が連結体6の第1の連結部分36の第2の連結部分37の無い外側面に180度ないし360度回動自在に取り付けられてなるクリップ装置64を形成した点にある。
クリップ本体の回動域に第2の連絡部分が無い、すなわち、回動して当る部分が無いので該クリップ本体は180度ないし360度回動自在な形態を実現し、これによって、図6に示すようにクリップ本体を取付け部材(図ではフレキシブルチューブ)の上、下ないし横に重なるように位置させることができる。

【実施例3】
【0021】
図7に示す本発明の実施例3において前記実施例1と主に異なる点は、第2の挟持部分27を第1の爪27aと第2の爪27bとからなる二股形態とし、前記第1の爪27aと前記第2の爪27bの先端側が閉部位の無い開放形態とされて、挟持される部位に突起体を有する挟持される品である二股ソケット24の管連結部位である突起体70、71が、前記第1の爪27aと前記第2の爪27bの先端に当ることなく該先端からその間に入って、該第1の爪27aと該第2の爪27bに挟持されない形態で納まるようにした突起体入り部位72を設けてなることを特徴とするクリップ装置73を形成した点にある。
二股ケット24は人工呼吸器、吸気装置などの管を連結する二股ソケットがある。この二股ソケット24には枝分かれ部位74、75のそれぞれに、他の薬品などを注入するための注入部位である2つの突起体70、71が設けられ、この突起体71、72には薬品注入用の管(図示せず)が連結されて薬品が注入される。
しかるに、この2つの突起体70、71は開放されている第1の爪27aと第2の爪27bの間をその爪の先端に当ることなく突起体入り部位72に入り納まるので、突起体70、71に連結された管(図示せず省略)を該突起体70、71から外すことなく、クリップ装置73を二股ソケット24から着脱自在にできる、ないし、二股ソケット24を突起体70、71に管(図示せず)を連結させたままクリップ装置73から着脱自在にできる。
【0022】
第1の挟持部分17および第2の挟持部分27あるいはいずれか一方の挟持部分を第1の爪27aと第2の爪27bとするのもよい。

【実施例4】
【0023】
図8に示す本発明の実施例3において前記実施例1と主に異なる点は、第2の挟持部分27が第1の挟持部分17よりも横幅が狭い細形態挟持部分77とされ、細形態挟持部分77の幅を狭くしたことによって前記第1の挟持部分17の対向重なる側に空間部位からなる突起体避け部位78が形成され、挟持される部位に突起体を有する挟持される品である二股ソケット24の管連結部位である突起体70、71が、前記細形態挟持部分77の先端に当ることなく前記突起体避け部位78に位置されることを可能としたクリップ装置79を形成した点にある。
このような形態としても、前記実施例3と同様な使い方、操作が可能である。
【0024】
第1の挟持部分17と第2の挟持部分27のいずれか一方の挟持部分が他方の挟持部分よりも横幅が狭い細形態挟持部分77とするのもよい。
【0025】
<付記>
[付記1の発明]
第1の挟持部分、第1の指当て部分とからなる第1の挟持体と、
この第1の挟持体と開閉自在形態で一体化された、第2の挟持部分、第2の指当て部分とからなる第2の挟持体と、
前記第1の挟持体と前記第2の挟持体からなるクリップ本体と、
前記第1の挟持体と前記第2の挟持体を付勢閉じ状態とし、かつ、挟持される品を前記第1の挟持部分と前記第2の挟持部分によって付勢挟持させる付勢手段と、
第1の連結部分、該第1の連結部分から略垂直に曲がった形態で形成された第2の連結部分とからなる連結体と、
前記第1の挟持部分および前記第2の挟持部分あるいはいずれか一方の挟持部分を二股形態として形成した第1の爪、第2の爪と、
前記第1の爪と前記第2の爪の先端側が閉部位の無い開放形態とされて、挟持される部位に突起体を有する挟持される品の該突起体が、前記第1の爪と前記第2の爪の先端に当ることなく該先端からその間に入って、該第1の爪と該第2の爪に挟持されない形態で納まるようにした突起体入り部位とからなることを特徴とするクリップ装置。
[付記2の発明]
第1の挟持部分、第1の指当て部分とからなる第1の挟持体と、
この第1の挟持体と開閉自在形態で一体化された、第2の挟持部分、第2の指当て部分とからなる第2の挟持体と、
前記第1の挟持体と前記第2の挟持体からなるクリップ本体と、
前記第1の挟持体と前記第2の挟持体を付勢閉じ状態とし、かつ、挟持される品を前記第1の挟持部分と前記第2の挟持部分によって付勢挟持させる付勢手段と、
第1の連結部分、該第1の連結部分から略垂直に曲がった形態で形成された第2の連結部分とからなる連結体と、
前記第1の挟持部分と前記第2の挟持部分のいずれか一方の挟持部分が他方の挟持部よりも横幅が狭い形態とされた細形態挟持部分と、
前記一方の挟持部分の幅を狭くしたことによって前記他方の挟持部分の対向側に空間部位からなる突起体避け部位が前記細形態挟持部分の隣に形成され、挟持される部位に突起体を有する挟持される品の該突起体が、前記細形態挟持部分の先端に当ることなく前記突起体避け部位に位置されることを可能としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のクリップ装置。

【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、主にクリップを製造する産業あるいは医療介護現場で利用される。
【符号の説明】
【0027】
1:クリップ装置1、
2:第1の挟持体、
3:挟持される品、
4:第2の挟持体、
5:取付け部材、
6:連結体、
7:先端部材、
9:挟持部分支持部、
10:指当て部分、
11:挟持体本体、
12:軸受け孔、
13a、13b:本体側軸受け部、
14:軸受け孔、
15a、15b:軸受け部、
17:第1の挟持部分、
18:開口部、
19:軸受け孔、
20a、20b:挟持部分側軸受け部、
21:軸受け結合手段、
23:二股チューブ23、
24:二股ソケット、
25a、25b:凹み部、
27:第2の挟持部分、
27a:第1の爪、
27b:第2の爪、
28:指当て部分、
29:挟持体本体、
30:、軸受け孔、
31a、31b:軸受け部、
32:延長部分、
33:首振り機構形成孔、
34a、34b:凹み部、
36:第1の連結部分、
37:第2の連結部分、
38:首振り機構形成孔、
39:首回し機構形成孔、
41:付勢手段、
42:軸受け結合手段、
43:首振り機構形成部品群、
44:首振り機構部、
45:クリップ本体、
46:被覆部材、
48:波形ワッシャー、
49:ネジ通し孔、
50:プレート、
51:締め付けネジ、
53:軸支凸部、
54:ネジ孔、
55:フランジ、
56:プレート、
57:ナット、
59:ナット、
60:首回し機構部、
64:クリップ装置、
70:突起体、
71:突起体、
72:突起体入り部位、
73:クリップ装置、
74:枝分かれ部位、
75:枝分かれ部位、
77:細形態挟持部分、
78:突起体避け部位、
79:クリップ装置。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の挟持部分、第1の指当て部分とからなる第1の挟持体と、
この第1の挟持体と開閉自在形態で一体化された、第2の挟持部分、第2の指当て部分とからなる第2の挟持体と、
前記第1の挟持体と前記第2の挟持体からなるクリップ本体と、
前記第1の挟持体と前記第2の挟持体を付勢閉じ状態とし、かつ、挟持される品を前記第1の挟持部分と前記第2の挟持部分によって付勢挟持させる付勢手段と、
第1の連結部分、該第1の連結部分から略垂直に曲がった形態で形成された第2の連結部分とからなる連結体と、
前記第1の連結部分と前記第2の指当て部分あるいはその延長部分を回動自在に取付けた、前記クリップ本体を首振り形態である回動自在としている首振り機構部と、
フレキシブルチューブ、アームなどの取付け部材に回転自在に前記第2の連結部分を取付けた、ないし取り付けられる部位である、前記クリップ本体を首回し形態である回動回り自在としている首回し機構部とからなることを特徴とするクリップ装置。
【請求項2】
第1挟持体および第2挟持体が略ストレート形態であり、
前記第1の挟持体が、挟持部分支持部、指当て部分とからなる挟持体本体と、前記挟持部分支持部に設けられた本体側軸受け部と、前記挟持体本体と別体とされ第1の挟持部分と、この第1の挟持部分の略中央に設けられた挟持部分側軸受け部と、前記本体側軸受け部と前記挟持部分側軸受け部を結合して、前記第1の挟持部分を前記挟持部分支持部から離して振れ可動状態とした軸受け結合手段とからなる第1の挟持体であることを特徴とする請求項1記載のクリップ装置。
【請求項3】
第1の挟持体が連結体の第1の連結部分の第2の連結部分の無い外側面に180度ないし360度回動自在に取り付けられてなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載のクリップ装置。
【請求項4】
第1の挟持部分および第2の挟持部分が挟持される品の2箇所を入れる2つの凹み部を対向して設けてなることを特徴とする請求項2、3のいずれか1項に記載のクリップ装置。
【請求項5】
第1の挟持部分および第2の挟持部分あるいはいずれか一方の挟持部分を第1の爪と第2の爪とからなる二股形態とし、前記第1の爪と前記第2の爪の先端側が閉部位の無い開放形態とされて、挟持される部位に突起体を有する挟持される品の該突起体が、前記第1の爪と前記第2の爪の先端に当ることなく該先端からその間に入って、該第1の爪と該第2の爪に挟持されない形態で納まるようにした突起体入り部位を設けてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のクリップ装置。
【請求項6】
第1の挟持部分と第2の挟持部分のいずれか一方の挟持部分が他方の挟持部よりも横幅が狭い細形態挟持部分とされ、一方の挟持部分の幅を狭くしたことによって前記他方の挟持部分の対向側に空間部位からなる突起体避け部位が前記細形態挟持部分の隣に形成され、挟持される部位に突起体を有する挟持される品の該突起体が、前記細形態挟持部分の先端に当ることなく前記突起体避け部位に位置されることを可能としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のクリップ装置。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−117667(P2012−117667A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241748(P2011−241748)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000212599)
【出願人】(509199225)
【Fターム(参考)】