説明

クリップ

【課題】一対のレバー部材を指で押し挟む操作で物品を挟み留めることができ、高い咬持力を得られるクリップを提供する。
【解決手段】第一レバー部材2及び第一咬持部材3と、第二レバー部材と第二咬持部材とを兼ねる可動部材5とを用いる。第一のレバー部材2と第一の咬持部材3の頭部は互いに結合固定させて共通頭部11とする。この共通頭部11からそれぞれの尾部22,32に向かっては第一のレバー部材2と第一の咬持部材3とが互いに離間して行くようにすることで、一対の尾部22,32近傍を湾の開口部42とする湾状空間4とする。可動部材5を湾状空間4内に収め、その頭部51が共通頭部11に対し回動支点の周りに回動可能に係合するようにする。第一のレバー部材2と可動部材5の間には、当該可動部材を5第一の咬持部材3に圧接させるように付勢するバネ手段6を設ける。挟み留める物品がロープ7である場合、その一端71を第一レバー部材2に固定しておいて良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品をロープで縛ったり支持部材から物品をロープで吊り下げるときに、当該用いたロープの両端相互を縛らなくても縛ったと同様に簡単かつ確実にクリップでき、滑りを止めて解(ほど)けを良く防止したり、簡単に重ね合わせた書類等のシート状のものを挟み留めることができるクリップに関する。
【0002】
なお、予め述べておくと、本書でロープとは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニールその他の合成樹脂製や、麻その他の自然素材製の組紐、網紐、一本紐等々、種々の紐類の他、スチールワイヤ等をも含む包括的な概念で、要は、物を縛ったり吊り下げたりするときに使用する細長い線条部材の総称である。
【背景技術】
【0003】
例えば農作業において、トマトその他の作物の茎を支柱に縛り付けたりする作業(いわゆる誘引作業)は極く普通に行われるが、従来は単に支柱に対して茎を適当な材質のロープで結わい付けていただけに過ぎない。しかし、ロープの両端を縛って行くこの結締作業はかなりな面倒と労力を要していた。如何せん、農作業では縛らねばならない作物の本数が極めて多いのが普通であるし、また、一本当たりでも何個所も縛り留めねばならない。さらに、縛り留めの必要が無くなったときに解く作業も、これまた同様、大変な時間と労力を要していた。
【0004】
また、横梁状ないし横桟状の支持部材にロープを回し渡し、物品を吊り下げてから当該ロープの両端を結び止める作業も、特に物品が重いものであると困難であるか、非常な手間となっていた。
【0005】
もっとも従来からも、例えば洗濯ばさみ等を用いて紐の端部を留め付けようとする試みはあったが、それでは引っ張り力に弱く、直ぐに解けてしまったりして信頼性にも乏しいし、作業性も必ずしも良好ではなかった。
【0006】
これを解決すべく、本発明者は既に下記特許文献1において、改良されたロープクリップも提案していた。これは、基本的な構造においては洗濯ばさみに似た構造ではあるが、ロープの一端は予めこのクリップに留め付けられており、ロープを物品の周りに回してきてから一対の咬持部材(同公報中では挟着部)の間にロープの他端部辺りを挟み込ませるもので、咬持部材を開くには一対のレバー部材(同じく同公報中では把持部)をバネの力に逆らって回動支点の周りに相互に合い寄るように回転させるべく指で押し挟み、ロープを挟んでから指を離して咬持部材をバネ力により閉じさせ、その間に挟んだロープを挟み留めるようになっていた。
【特許文献1】特開2005-13035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
確かに、単純な洗濯ばさみ型に比べれば、上記特許文献1に開示のロープクリップは優れており、細かな構造的改良も加えられていることから咬持力は強く、作業性も悪くはなかった。しかし、指で押し挟む一対のレバー部材に対し、一対の咬持部材は独立した構造部材であって、回動支点を挟んで対向する側にあった。その結果、一対のレバー部材を挟むと開く一対の咬持部材の開口は一対のレバー部材側から見れば外側に向かって開いており、その結果、やはりロープは外に抜け出し易い状況になることがあった。これを避けるには、ロープ端を単に一対の咬持部材の間に挟ませるだけではなく、少なくとも一方の咬持部材の周りにぐるりと絡めてから挟ませる等、一手間余計に掛かることがあった。
【0008】
本発明は基本的にこの点の解決を目指したなされたもので、直感的にも行い易い操作、つまりは一対のレバー部材を単に指で押し挟むという行為により、一対の咬持部材の当接し合っていた咬持面部の間が開き、そこにロープを単に挟んだ後、一対のレバー部材を押し挟んでいた指を離せば咬持部材の咬持面部の間に挟まれたロープが挟み留められるというメカニズムを踏襲しながら、より十分なる留め付け力を発揮できる改良された構造を持つクリップを提供せんとする。すなわち、ロープの端部を簡単な操作で咬持、固定でき、滑りを確実に止めて、縛ったのと同様の信頼性と保持力を得られると共に、解くときの作業も簡単で済むロープクリップを提供せんとするものである。
【0009】
なお、予め述べておくと、本発明の所期の目的を達成した結果として、本発明のクリップは単にロープクリップとしてのみならず、後に顕かになるように、書類等のシート状のものを簡単に挟み留めるクリップとしても、便利で作業性が良く、小型なものを提供できることが分かった。ロープは本願クリップにより挟み留め得る物品の一例となったのである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するため、その基本的な構成においては、
それぞれ一端部である頭部から他端部である尾部に向けて長さを有する第一レバー部材及び第一咬持部材があり;
第一レバー部材と第一咬持部材の頭部は互いに結合固定されて共通頭部を構成し、かつこの共通頭部からそれぞれの尾部に向かっては互いに離間して行くように伸び、もって共通頭部、第一レバー部材、及び第一咬持部材で囲む空間が共通頭部内面を湾の深部、一対の尾部近傍を湾の開口部とする湾状空間となっている一方;
第二レバー部材と第二咬持部材を兼ねる同一部材としての可動部材があり、この可動部材が湾状空間内に収容されて、その頭部が共通頭部に対し回動支点の周りに回動可能な関係で係合しており;
第一レバー部材と可動部材との間には、可動部材を第一の咬持部材に圧接させるように付勢するバネ手段が設けられていること;
を特徴とするクリップを提案する。
【0011】
しかるに、本発明の一態様においては、上記した回動支点は有形の部材である軸により構成されたものではなく、仮想的に存在する支点である場合が含まれ、可動部材の頭部の回動は、バネ手段が可動部材頭部を共通頭部内面に押し付ける力も生ずることで安定な回動となることが保証されているように構成することができるし、また、第一レバー部材と第一咬持部材の両側面にそれぞれ固定され、可動部材の回動支点と直交する側面を抑えて回動支点の軸方向と平行な方向への可動部材の外れを防ぐ一対の側壁部材を設けるようにすることも提案できる。
【0012】
一方、一対の側壁部材を設けた場合、可動部材の頭部を貫通して設けられて回動支点を構成する有形の部材としての回動軸部材を設け、この両端を当該一対の側壁部材に固定した構造のクリップも提案できる。
【0013】
また、本願クリップにより挟み留め得る物品の代表的な一例はロープであるが、この場合、第一レバー部材にはその長さの途中に予め挟み留めるロープの一端を固定しておくことができる。ロープの先端は自由端としておいて良いが、この場合、望ましくはロープの当該一端の固定位置は第一レバー部材の長さの中央よりも当該第一レバー部材の尾部寄りにするのが良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、例えば挟み留める物品がロープのようなものであっても、単に一対のレバー部材を押し挟んで一対の咬持部材間の空間である咬持部を開き、そこにロープを挟んで指を釈放すればバネ力により咬持部が閉じ、ロープを挟み留めるという極めて簡単な作業で済む上に、挟み留めた後の保持力は高いものが得られ、咬持後の緩みを効果的に抑止できる。というのも、本願クリップでは、第一、第二咬持部材の間に規定される咬持部の開口は、可動部材の頭部の回動支点から見て第一,第二レバー部材の伸びると同じ側にあり、従前のクリップのように回動支点を挟んで反対側に対向してはいないからである。すなわち、こうした構造によると、ロープを緩めようとする力が働くと、そうした解き力はむしろロープを咬持部の奥に向けて押す力となり、決して咬持部開口方向に引き抜き出す力にはならないからである。
【0015】
さらに、咬持部の長さをレバー部材の長さに応じて十分長くすることで咬持力自体を高く取っても、咬持部がレバー部材の伸びる方向と逆方向に突出してはいないので、従来の洗濯ばさみ型のように全体の長さ寸法が長くなることもない。小型で高い咬持力を持つクリップを提供できる。
【0016】
上記のような効果は結局、本願発明では可動部材が第二レバー部材も第二咬持部材も兼ねているという合理的な構造により得られた作用,効果でもある。部品点数が少なくて済むことも好ましい。なお、挟み留める物品は書類等のシート状部材であっても本願クリップは有効に使うことができ、挟み留め後に追加の操作を必要とせずとも、シート状部材の縁から外に大きく突出する部分が生じない。本願クリップは既述の通り、可動部材に二機能を兼ねさせたことで、本質的に操作性が良く、小型なクリップを提供できる構造原理を備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1(A)〜(D)には本発明の望ましい一実施形態におけるクリップ1として、応用使途が最も広いであろうロープを挟み留めるロープクリップ1を構成した場合が示されている。図面が煩雑化するので、これら図1(A)〜(D)中において各符号はそれぞれ分かり易い所に相関を保ちながら分散して付してあり、全ての図面(A)〜(D)に全ての符号が付されている訳ではない。また、図2(A),(B)も参照すると、より理解の助けとなる。
【0018】
まず、頭部21から尾部22に向かって長さを有する第一のレバー部材2と、同じく頭部31から尾部32に向かって長さを有する第一の咬持部材3があり、これら両部材2,3の頭部21,31は互いに結合し、共通の頭部11となっている。そして、この共通頭部11からそれぞれの尾部21,31に向かっては互いに離間して行くように伸びており、これによりこれら両部材2,3により囲まれた空間4は、共通頭部11の内面を湾の深部41、一対の尾部22,32の間を湾の開口部42とする湾状空間4となっている。この場合は実質的にハの字ないしクの字に開いた形状の湾状空間4である。
【0019】
共通頭部11において互いに固定的な結合関係にあるこれら両部材2,3に対し、可動部材としてのもう一つの部材5があり、これは以下の説明から顕かになるように、第二のレバー部材でもあり第二の咬持部材でもある共通部材となる。この可動部材5も頭部51と尾部52の間に長さを有し、この場合は略々矩形断面の棒状をしていて、長さは第一レバー部材2の長さと概ね同じ程度であるが、第一咬持部材3よりは長くなっている。なお、第一レバー部材2、第一咬持部材3の断面もこの実施形態では略々矩形形状である。
【0020】
可動部材5は湾状空間4内に開口部42の側から長さ方向に侵入し、深部41に至って共通頭部11の内面に頭部51を当接させている。そして、湾の深部41における共通頭部11の内面がスムースな半円状の弧を描いていることから、図示実施形態の場合、可動部材5は自身の頭部51の外面の弧をその面に沿わせるようにして回動可能な状態で当該共通頭部51に係合している。
【0021】
第一レバー部材2と可動部材5の間にはバネ手段6が設けられ、このバネ手段6は常態では可動部材5を相対的に第一咬持部材3に向けて付勢するバネ力を発揮し、これにより可動部材5と第一咬持部材3とは圧接し合い、その圧接し合っている面部が一対の咬持面部33,53となって、後述のようにここに挟み込まれた物品、すなわちこの場合はロープ7を咬持する咬持部を構成する。この意味から、可動部材5は第二咬持部材でもあると言えるのである。
【0022】
一方で、後に図2(A) に即して詳しく説明するように、このバネ力に抗し、作業者がなす本願クリップに対する操作として、例えば親指と人差し指で第一レバー部材2と可動部材5を互いに相寄るように押し挟むことで一対の咬持面33,53間を開けば、ロープ7を当該咬持部の開いた口に挟み込むようにして簡単に挿入することができる。この意味から、可動部材5は第二レバー部材も構成しているのである。可動部材5の長さが第一咬持部材3の長さよりも長いのは、このときに指を掛ける部分を可動部材尾部52側に確保するためである。
【0023】
バネ手段6は、この実施形態の場合、金属のロッド状部材を曲げ加工して構成されており、その一端61は第一レバー部材2の尾部22にやや近い側に適当なる固定方法、例えばやや小径の盲孔内への無理嵌め等によって固定され、そこから後ろ(湾状空間4の開口部42に向かう方向)に向いて折れてから曲がり、前方、すなわち湾状空間の深部41に向けて、かつ可動部材5の第一レバー部材側を向いた内面に向けてやや斜めに伸びて、他端自由端62が可動部材5に設けられているこの場合は半円弧状の凹部54内に嵌合している。
【0024】
このようなバネ形状であると、可動部材5の咬持面部53を常態ではしっかりと第一咬持部材3の内面、すなわち対応する咬持面部33に押しつけながら、可動部材5を全体的に前方(湾状空間4の深部41に向かう方向)にも押す力が発揮され、可動部材5がその頭部51を共通頭部11の内面に当接させた所定位置から抜け落ちるのを防ぐことができ、この状態で可動部材5はその頭部51の外面を共通頭部11の内面に沿わせながらのスムースな回動が可能となる。
【0025】
従ってまた、この実施形態の場合、回動支点は実体のある有形の軸部材としては設けられていないが、仮想的な回動支点があり、それは概ね、可動部材頭部51の外面円弧を描く円の中心位置に存在することになる。換言すれば、回動支点が部材としては実体のない仮想的な支点であっても、上述のように構成すれば、可動部材5の頭部51の回動はバネ手段6が可動部材頭部51を共通頭部11の内面に押し付ける力も生ずることで安定な回動となるべく保証し得るのである。
【0026】
なお、バネ力により抜けを防ぎながら回動もスムースにするためには、可動部材頭部51の外面の円弧は共通頭部11の内面円弧にピッタリと沿うのではなく、図1(B) に示されているように、可動部材5がバネ力により第一咬持部材3に押しつけられているときにはその頭部51の外面円弧と共通頭部11の内面円弧との間に第一咬持部材3の側に僅かな隙間ができ、一方、図2(A) に示されているように、第一レバー部材2と可動部材5を指で押し挟んで回動させたときには、可動部材頭部51の外面円弧と共通頭部11の内面円弧との間に第一レバー部材2の側に僅かな隙間ができるような形状寸法関係とすると良い。
【0027】
以上のように、ここまでの説明による部材群を用いた構造だけでも、可動部材5は抜け落ちることなく、第一、第二レバー部材2,5を押し挟んだり釈放したりする相対的な回動動作が可能である。しかし、意図的に、ないしは不測の力で、回動支点と平行な方向に可動部材5に対して力が加わると、その頭部51が湾状空間深部41から横方向に外れ出てしまうこともないではなかった。
【0028】
そこでこの実施形態では、この回動支点の軸方向と平行な方向への可動部材5の外れを効果的に防ぐため、第一レバー部材2と第一咬持部材3の両側面に固定され、可動部材5の回動支点(この場合は上述のように空間的に仮想配置された軸)と直交する側面を抑える側壁部材12,12を一対設けている。この実施形態では一対の側壁部材12,12は概ね三角形状であって、専ら可動部材5の頭部51近傍を横から抑えるようになっているが、効果的に外れを防げる形状であれば任意の形状であって良い。なお、図2(A) では、説明のために各部の関係を明確に示す意味から、側壁部材12は仮想線で示してある。本図もまた、既に述べたように、図1各図に即しての説明を理解する上で有利に参照できる。
【0029】
本願クリップ1の各部材の材質は本来任意であって、バネ手段6は金属製とするのが普通ではあるが、他は合成樹脂の他、木製や金属製であることも想定でき、実際、本出願人においてはそれらの試作品を製作もしている。しかし、一般にはアクリルその他、適当な合成樹脂製とするのが軽量で便利であるし、その場合には、第一レバー部材2と第一咬持部材3とを共通頭部11で結合した格好に一体成形するのが一番便利かつ廉価であるので、そのときに一対の側壁部材12,12もこられと共に一体成形するのが合理的である。
【0030】
必要とするバネ力が小さくても済む場合等にはバネ手段6も合成樹脂製とすることも不可能ではなく、そうした場合には第一レバー部材2に対しバネ手段6の一端部61が初めから固定されているような合成樹脂一体成形も可能である。逆に、第一レバー部材2と第一咬持部材3は別部品であるが、共通頭部11にて何らかの固定部材(接着やボルト,ナット等の結締具を含む)により固定関係に置かれていても良い。これらのことは後述する本願他の実施形態でも同様である。
【0031】
また、本願クリップでは可動部材5を組み込む作業も簡単である。バネ手段6の一端61は、例えば既に述べたように第一レバー部材2に予め穿っておいたやや小さ目の径の盲孔内に当該端部61をやや無理に押し込むことで固定できるし、図1(D) に矢印Fdで示すように、このバネ手段6を第一レバー部材2の方に手または機械により撓めておきながら可動部材5をその頭部51から湾状空間4の深部41に向けて矢印Ff方向に単に押し込み、凹部54が所定位置に来たときにバネを撓めていた力を釈放すれば、バネ手段6の他端62を凹部54にパチンと嵌め込むことで組み立てが完了する。必要に応じて可動部材5の取り外しをせねばならなくなったときにも、上記と逆手順で簡単に分解できる。
【0032】
この実施形態では、既述した通り、本願クリップ1を特にロープクリップ1として構成しており、留め付けるべきロープ7の一端71は第一レバー部材2に予め固定されている。図示の場合にはこの留め付け位置はバネ手段6の一端61が固定されている個所よりも前方寄り(頭部寄り)で、バネ手段6の他端62が可動部材の凹部54に嵌合している位置よりも後方にあり、第一レバー部材2の長さの中央部分よりもやや後方にある。固定手法は任意であるが、この実施形態では第一レバー部材2の内面から外面に抜ける透孔24内に外側から内側(湾状空間4の側)に一端71が通された後、例えばこのロープ7が樹脂製であるならば当該一端71を熱で溶かし潰して拡径させる等の手法により固定されている。これに対応させ、第一レバー部材2には溶かし潰したロープ端71の突出をなるべく防ぐため、適当に座繰り25を設けて良い。もちろん、これに限らず、用いる材質に適当で簡易な手法を選べばよいし、一端を固定するロープ7の長さについても、後述するような各種の使用例に鑑み、適当な長さに設定すれば良い。
【0033】
さて、こうした図1の本願クリップ1の一使用例に就き、図2(A),(B)も用いて説明する。ここでは、同図に模式的に示すように、適当なる固い棒状の支柱SPにトマトの茎等、作物の茎STを結締して行く誘引作業を例に取る。
【0034】
まず、図2(B) に示すように、クリップ1の第一レバー部材2に固定されているロープ7の一端71から伸び出す長さ部分を矢印Fwで示すように支柱SPの周側壁周囲に通し、できれば図示のように八文字型に茎STの周りを通した後、支柱STの対向周側壁に沿わせて再び本願ロープクリップ1の所まで持ってくる。
【0035】
ロープ7を引き絞る感じでこの作業を行いながら、図2(A) に示すように例えば親指と人差し指で第一レバー部材2と第二レバー部材(可動部材)5の尾部22,52辺りをバネ手段6のバネ力に抗して押し挟み、第一咬持部材3と第二咬持部材(可動部材)5の間の当接し合っていた咬持面部33,53の間を開き、その開いた口の中に引き絞ってきたロープ7の長さ部分を挿入し、図2(A) に矢印Fiで示しているように咬持部の奥に押し込む方向に引きながら第一、第二レバー部材2,5を挟んでいた指を放すと、バネ力により可動部材5は第一咬持部材3に圧接するように付勢され、ロープ7は一対の咬持面部33,53の間に咬持される。ロープ7を咬持した状態でのクリップ断面構造は図1(C) に良く示されている。
【0036】
このように、極めて簡単な作業により、本願ロープクリップ1はロープ7を留め付け咬持できる上に、かつ、咬持後も緩みを効果的に抑止でき、確実、堅固に保持できる。すなわち、既掲の特許文献1に開示のロープクリップとは異なり、本願ロープクリップ1では第一、第二咬持部材3,5の間に規定される咬持部の開口は可動部材5の頭部51の回動支点から見て第一,第二レバー部材2,5の伸びると同じ側にあり、回動支点を挟んで反対側に対向してはいない。そのため、図2(B) に示すように、ロープ7を緩めようとする力Frが働くと、そうした解き力Frはむしろ、ロープ7を一対の咬持面部33,53により規定される咬持部の奥に向けて付勢する力となり、決して開口方向に引き抜き出す力にはならないからである。
【0037】
これはまた、ロープ7の固定端71が第一レバー部材2の長さ方向の中央位置よりも尾部22寄りにあることも寄与している。物品を留め付け後に加わる解き力は第一レバー部材2を支柱SPの周囲において共通頭部の側に外向きに回そうとし、これは結局、咬持部の奥部をロープ7に向けてより一層食い込ませようとする力に転嫁するからである。なお、図面上での説明の便宜のため、図2(B) は支柱SPに対して茎STを完全に引き締め留めた状態ではなく、少し緩みがあるような状態で示している。
【0038】
もちろん、咬持力の強さは、咬持面部33,53の角部(エッジ)がロープ7に接触する摩擦力も大いに寄与するが、要すればさらに加えて、図1(D) に特に良く示すように、咬持面部33,53のいずれか一方、例えば図示のように咬持面部53の表面に、咬持したロープの長さ方向に対してそれぞれが直交する鋸歯群を形成するような断面形状構造等、摩擦力増大のための適当なる滑り止め部55を意図的に設け、銜え込んだロープ7の抜け出しに対する抵抗力を一層強めても良い。
【0039】
本願ロープクリップ1の利点はさらに幾つもあり、例示したように固い棒状の支柱SPにトマトの茎等の作物の茎STを留め付ける場合にも、本願クリップ自体が茎STに直接に接することはなく、例えばロープ7を上述のように八文字型に巻き付ければ支柱SPと茎STの間にこの八文字の交差部分が位置するので、支柱SPに対しても茎STを物理的に接触させることなく保護でき、傷付ける恐れが少ない。
【0040】
もちろん、ロープ7を解くのも簡単で、第一、第二レバー部材2,5を指で押し挟んで第一、第二咬持部材3,5を互いに離間させれば一対の咬持面部33,53が開くので、その間からロープ7を簡単に釈放することができる。
【0041】
また、実質的な咬持部が共通頭部11からそれぞれ第一、第二レバー部材2,5が伸びているのと同じ側に有り、換言すれば第二レバー部材である可動部材5は咬持部を構成する一構成要素として共用されているので、回動支点を挟んでレバー部材対とは別途な部材対としての咬持部材対が反対側にあるような従来構造よりも寸法は小型化でき、例えば上述のように支柱SP等に留め付ける場合にも支柱SPからの突出距離を短くでき、邪魔にならない。
【0042】
図3(A)〜(F)には本願クリップ1の他の改変例が示されている。対応する符号はこれまで説明してきた同じ符号で示されている構成子と同一もしくは同様であって良い構成子であり、特に改変部分についてのみ説明し、他の構成子についての説明はこれまで説明してきた所を援用する。符号が付されていない部分についても、対応する部分にはこれまでの説明を援用できる。この点は以下の図面群においても同様である。
【0043】
まず、図3(A),(B)に示されている実施形態の本願クリップ1では、可動部材5の回動支点は、図1,2に即して説明した空間的に仮想的で実体的な部材は存在しないものではなく、実体のある回動軸部材8として設けられている。回動軸部材8は可動部材頭部51の回動支点に穿たれた透孔56内をやや緩めに貫通し、可動部材5はこの回動軸部材8に支えられながら回転する。回動軸部材8の留め付け方は任意であるが、図示の場合は廉価にして組み立ての容易な一例として、一対の側壁部材12,12の一方に穿たれた回動軸部材径よりやや小径の透孔12a内を無理に通された後、可動部材5の頭部51に穿たれた回動軸部材軸より僅か大径の透孔56内を抜けきった後、その先端が他方の側壁部材12に穿たれている回動軸部材径よりやや小径の盲孔12b内に無理嵌めされて固定されている。逆に、可動部材5の頭部51に穿たれている透孔56の方が回動軸部材径よりやや小径で、ここを無理に通過させることで固定関係に置くようにし、一対の側壁部材12,12に設ける透孔12aと盲孔12bの方を太めの径として、回動軸部材8が可動部材5と共に楽に回転できるようにしても良い。
【0044】
図3(C),(D)はバネ手段6に対する改変例で、自由端である先端62が円弧形状をなしており、可動部材5に当接する位置で終わるのではなく、当接してから弧を描いて頭を下げるような格好で第一レバー部材2の側を向いている。その結果、可動部材5を組み付けるときに、先に図1(D) に即して説明したようにレバー手段6を指で矢印Fd方向に押し下げながら可動部材5を湾状空間4の深部41に向けて矢印Ff方向に押し込まずとも、単に可動部材5を当該方向Ffに向けて押し込むだけで済む。可動部材5自体がバネ手段6の弧状をした先端62に当接しながらその上面を押し進むことでバネ手段6を方向Fdに押し下げながら進み、頭部51が湾状空間深部41の共通頭部11内面に当接したときに、対応する形状に加工してある凹部54内にバネ手段6が自身のバネ力で自然にパチンと嵌り込むようにできるからである。必要に応じての取り外しも、可動部材5を長さ方向後方に無理抜きするような感じで引っ張るだけで済む。
【0045】
図3(E),(F)には、図3(A),(B)に示したような回動軸部材8を必要とせず、また、可動部材5の外れ防止手段として一対の側壁部材12,12も用いなくても、組み立ての大きな複雑化を招かずに可動部材5の外れを防止できる構造が示されている。説明すると、可動部材5の頭部51の先端からは可動部材5の長さ方向に沿って外方に適宜長さの軸57が突出している。一方、クリップ1の共通頭部11には、当該共通頭部51の側面に開口し、そこから厚み方向(深さ方向)に進み、厚みの真ん中当たりで第一レバー部材2の側に略々直角に折れたL字型断面を持つ挿入溝13が穿たれている。
【0046】
そこで、組み立て時にはバネ手段6を撓めた状態で可動部材5を湾4内に側方から押し込む感じにする。すなわち、可動部材頭部51の軸57が挿入溝13内に納まるように可動部材5を厚み方向に押し込んで行き、軸57が挿入溝13の厚み方向の底に当接した時点でバネ力を開放し、可動部材5をバネ力により回動させて軸57が挿入溝13の底から連接する溝部分内に収まるようにすれば、軸57と挿入溝13との嵌合関係が生じ、これが可動部材5の外れ防止手段となって、側壁部材12,12等が無くても、可動部材5が第一咬持部材3に当接する常態において可動部材5が横にずれて抜け落ちることがない。一方で、第一レバー部材2に対し可動部材5を組み付けた後には、ロープの挟み留め作業に必要な、咬持部を適当程度に開口させる適当回転角分の回転動もスムースに許容できる。
【0047】
図4(A),(B)は、同じく既掲の一対の側壁部材12,12がなくても、また図3(E),(F)のように別途な軸57や挿入溝13を形成しなくても、バネ手段6の構造的改変により、バネ手段6としての本来の機能に可動部材5の外れ防止機能を付加し得る実施形態が示されている。この実施形態では専らバネ手段6に改変が施され、まずは第一レバー部材2の内面を厚み方向に渡し越す第一部分63があり、当該第一レバー部材2の内面に穿った溝(ここは図中では良く見えてはいない)内に嵌り込むようにしてクリップ軸方向のずれが防がれている。
【0048】
この第一部分63の両端からは共に第一レバー部材2の側面に沿ってクリップ前方に向けて伸びる一対の第二部分64,64があり、それらの先端は可動部材5の側面に沿うように起ち上がる第三部分65,65となっており、その先端がさらに可動部材5の側面を押さえるようにクリップ後方に向けて折れて第四部分66,66を構成し、さらにそれらの先端が可動部材5の内面で厚み方向に渡るように折れて第五部分67,67となり、この部分67,67が可動部材5の内面に穿たれている溝58に嵌り付いている。このバネ手段6は言ってみれば各部分が連続し、一筆書きのような関係で加工されており、部分65,65:66,66の離間間隔は可動部材5の幅とほぼ同じか、寧ろやや狭めとなっている。
【0049】
こうした形状構造はパイプ椅子に見られるカンチレバー構造に似ており、バネ手段6としてのバネ力を維持しながら、可動部材5の横ずれを部分65,65:66,66にて効果的に防止し得る形状となっている。組み立て時にはもちろん、このバネ手段6を押圧して撓めながら可動部材5を湾状空間4内所定位置に挿入する。
【0050】
ところで、本願クリップ1はこれまで説明した来たようなロープクリップとしてのみならず、例えばロープ7を一体化させず、つまりロープ7が設けられていない構造であっても、例えば図4(C) に示すように、書類等のシート状部材9を重ねた常態で留め付ける等の用途にも使える。これまでの図面中に示されている姿勢に対し、当該図4(C) では丁度クリップの上下をひっくり返した姿勢関係に示されている。
【0051】
使用法は簡単で、第一レバー部材2と可動部材5を押し挟むことで開いた可動部材5と第一咬持部材3の間に規定される咬持部内にシート状部材9を滑り込ませる感覚でシート状部材9を挟む込むことがきる。そして、本願クリップ1では、第一咬持部材3と第二咬持部材でもある可動部材5とにより規定される咬持部の開口はレバー部材2の伸びる方向と同じ方向を向いて開口しているため、挟み込んだ書類等のシート状部材9の縁から外に大きく突出する部分は一切無く、原理構造的に小型化に適した構造となっている。
【0052】
また、単に第一レバー部材2と可動部材5を押し挟み、書類を咬持部に入れたら押し挟んでいた指を放すと言う操作だけで良く、その後の追加の作業は必要がない。例えば、書類挟みとして強いバネ力を応用するものの中で、従来から多用されているものの一つとしては、大阪市東成区大今里南6丁目に在するコクヨ株式会社の販売に係る商品名“ダブルクリップ”等があるが、これは書類を留めた後に書類の縁から突出する部分は少ないものの、そうするためには、書類を挟んだ後、書類を挟むために挟み口を開くために操作した一対のレバー部材を当該書類の表面側に回転させながら倒し、収納する手間を要する。本願クリップではこの手間すら必要ない。
【0053】
なお、挟み留めたシート状部材9を外すときに、第一レバー部材2と可動部材5を指で押し挟む操作を容易にするためには、図示のように、可動部材5の尾部52を第一レバー部材2の方向に曲げ、シート状部材9の表面との間に隙間ができるようにして、指が掛かり易くするのが良い。
【0054】
再び本願クリップ1をロープクリップとして用いる場合に戻り、他の使用例に就き説明すると、本願ロープクリップ1は図5(A),(B)に示すように、単に物品SBを吊り下げたりする用途にも便利に使うことができる。例えば図5(A) に示すように、本願ロープクリップ1から伸び出すロープ7を上方にある横桟SKに掛け回してから、吊り下げたい物品SBにロープを通す部分SB-Hがあるのならばそこにロープ7を通し、そうでないのならば物品SBに巻き付ける等した後、本願ロープクリップ1の所までロープ7を持ってきて、これまで説明してきたように可動部材5と第一レバー部材2を押し挟んで開いた可動部材5と第一咬持部材3の間の咬持部内にロープ7を挟み込み、指を放せばよい。
【0055】
こうすると、物品SBの重さ自体がロープ7を本願ロープクリップ1の咬持部内深くに押し込む力となり、簡単な作業であるにも拘らずロープ7を良く挟み留め、結局は物品SBを安定に吊り下げ支持できる。ロープ7の固定端71の固定位置が、既に述べたように第一レバー部材2の長さ方向中央位置よりも尾部22寄りになっていると、図示のようにクリップ1に良好な傾きを与え、引き上げ戻してきたロープ7をより強く咬持部内に噛ませることができる。
【0056】
もっとも、このような使途では、ロープクリップ1に一端を固定するロープ7の長さは相当長くしておく必要があることも考えられる。製品ごとに長さを異ならせるのを何種類も用意するのはコスト高にもなるので、ある程度の短さに留め、せいぜい何種類か、長さの違うロープの付いたロープクリップを提供したい場合には、図5(B) に示されるような使い方もできる。つまり、ロープクリップ1から伸び出すロープ7の自由端72は予め横桟SKに掛け回してから縛り留めるか、あるいは本図には示していないが図4(C) に示したようなロープ7のない本願クリップ1を用い、その咬持部内に横桟SKに向かう側のロープ長さ部分と横桟SKの周りに掛け回して来た後のロープ部分を共に挿入することで挟持させておく。そして、別途なロープ7'を用意して、このロープ7'の一端を物品SBのロープを通す部分SB-Hに縛り止めるか物品SB自体を縛るようにし(この縛り止めにも図4(C) に示したような本願クリップ1を応用可能である)、その他端を本願ロープクリップ1の咬持部にて既述した作業により、挟み留めるようにする。
【0057】
なお、本願ロープクリップに用いるロープとして、例えば鋼鉄製のワイヤロープを用いれば、バーベルのように相当に重いものも吊下できる。また、ロープ長さが決まらないときには、上述のように、書類挟みとして示した図4(C) に開示の本願クリップ1を用いても、書類の変わりにロープ7が挟まっている状態を考えれば容易に想像できるように、一本または二本以上のロープを挟み留めることができるので、このクリップを用いることもできる。
【0058】
さらに、本願ロープクリップ1は、例えば図5(C) に模式的に示すような使用例にも有効である。すなわち、例えばビニールハウス内等では、昨今、堅固な支柱に作物の茎STを適所ごとに縛り付けるのではなく、柔軟なビニール紐等をいわば“支柱紐”RP-Sとして用い、その一端をビニールハウスの天井梁部材SKに縛りつけ、下端はそのままブラブラさせて置くか、縛り付けるトマト等の作物の茎STの下端部に結わえ、この支柱紐RP-Sに対し、当該茎STを縛って行く作業となっていることも多い。もちろん、この作業も極めて手間が掛かる。
【0059】
このような場合、本願ロープクリップ1を用いると作業は極めて簡単化する。図2(B) に示したと同様の手順であっても良いが、もっと単純に、本願ロープクリップ1に付属のロープ7を茎STの周りに回して茎STを支柱紐RP-S側に引き寄せ、本願ロープクリップ1の咬持部にてロープ7を咬持する際に、一緒に支柱紐RP-Sも咬持部内に挟み込んでしまうだけでも良い。それで簡単に茎STの支持ができる。従来のように一箇所一箇所縛っていた手間を考えると、遙かに簡単な作業となる。もちろん、解きも簡単である。支柱紐RP-Sの下端を縛り付けるトマト等の作物の茎STの下端部に結わえるに代えて、図4(C) に示した本願クリップ1を使うこともできる。
【0060】
以上、本発明の望ましい実施形態に即して説明してきたが、本発明要旨構成に即する限り、任意の改変は自由である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の望ましい一実施形態におけるロープクリップの構成例の説明図である。
【図2】図1に示したロープクリップの使用例ないし操作例の説明図である。
【図3】本願クリップの他の改変例の説明図である。
【図4】本願クリップのさらに他の改変例の説明図である。
【図5】本願クリップの他の使用例の説明図である。
【符号の説明】
【0062】
1 本発明ロープクリップ
2 第一レバー部材
3 第一咬持部材
4 湾状空間
5 可動部材(第二レバー部材,第二咬持部材)
6 バネ手段
7 ロープ
11 共通頭部
12 側壁部材
21 第一レバー部材頭部
22 第一レバー部材尾部
31 第一咬持部材頭部
32 第一咬持部材尾部
33 咬持面部
41 湾状空間深部
42 湾状空間開口部
51 可動部材頭部
52 可動部材尾部
53 咬持面部
61 バネ手段固定端
62 バネ手段自由端
71 ロープ固定端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ一端部である頭部から他端部である尾部に向けて長さを有する第一レバー部材及び第一咬持部材があり;
該第一レバー部材と該第一咬持部材の上記頭部は互いに結合固定されて共通頭部を構成し、かつ、該共通頭部からそれぞれの上記尾部に向かっては互いに離間して行くように伸び、もって該共通頭部、該第一レバー部材、及び該第一咬持部材で囲む空間が該共通頭部内面を湾の深部、上記一対の尾部近傍を湾の開口部とする湾状空間となっている一方;
第二レバー部材と第二咬持部材を兼ねる同一部材としての可動部材があり、該可動部材が上記湾状空間内に収容されて、その頭部が上記共通頭部に対し回動支点の周りに回動可能な関係で係合しており;
上記第一レバー部材と上記可動部材との間には、該可動部材を上記第一の咬持部材に圧接させるように付勢するバネ手段が設けられていること;
を特徴とするクリップ。
【請求項2】
請求項1記載のクリップであって;
上記回動支点は有形の部材である軸により構成されたものではなく、仮想的に存在する支点であり、上記可動部材の頭部の回動は上記バネ手段が該可動部材頭部を上記共通頭部内面に押し付ける力も生ずることで安定な回動となることが保証されていること;
を特徴とするクリップ。
【請求項3】
請求項1記載のクリップであって;
上記第一レバー部材と上記第一咬持部材の両側面にそれぞれ固定され、該可動部材の上記回動支点と直交する側面を抑えて該回動支点の軸方向と平行な方向への該可動部材の外れを防ぐ一対の側壁部材を有すること;
を特徴とするクリップ。
【請求項4】
請求項3記載のクリップであって;
上記可動部材の上記頭部を貫通して設けられ、上記回動支点を構成する有形の部材としての回動軸部材が設けられ、該回動軸部材の両端が上記一対の側壁部材に固定されていること;
を特徴とするクリップ。
【請求項5】
請求項1記載のクリップであって;
上記第一レバー部材にはその長さの途中に一端を固定し、先端は自由端となったロープが設けられていること;
を特徴とするクリップ。
【請求項6】
請求項5記載のクリップであって;
上記ロープの上記一端の固定位置は、上記第一レバー部材の上記長さの中央よりも該第一レバー部材の上記尾部寄りになっていること;
を特徴とするクリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−157359(P2008−157359A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−347345(P2006−347345)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(501141703)
【Fターム(参考)】