説明

クリーニング材

【課題】被清掃体の表面に付着した微細粉粒体を、該被清掃体の表面を傷つけることなく除去することが可能なクリーニング材を提供する。
【解決手段】回転ブラシ21は、感光ドラム11の表面に摺接する毛羽部26を有し、該毛羽部26が感光ドラム11の表面を擦過することにより、該感光ドラム11の表面に付着したトナーを掻き取るようになっている。そして、回転ブラシ21の毛羽部26に、感光ドラム11の表面の通常領域Aを擦過する高毛部28と、感光ドラム11の表面の特殊領域Bを擦過する低毛部27とを設けることで、特殊領域Bを擦過する擦過力を通常領域Aを擦過する擦過力よりも弱くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電子写真装置内において、感光ドラム等の表面に付着したトナー等の微細粉粒体を除去するためのクリーニング材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複写機やレーザープリンタ等の電子写真装置は、その内部に回転可能に支持された感光ドラム(被清掃体)を備えている。感光ドラムの周囲には、帯電器及び露光器が配置され、帯電器の帯電ローラによって回転する感光ドラムの表面を一様に帯電させるとともに、レーザ光による光像を照射して静電潜像を形成させるようになっている。そして、感光ドラムの表面に形成された静電潜像に現像装置からトナーが供給され、静電潜像の現像が行われた後、転写器によって記録用紙にトナーによる可視像を転写するようになっている。
【0003】
そして、可視像を転写した後の感光ドラムは、クリーニング装置に設けられたクリーニング材がその表面に摺接することによって残留しているトナーが掻き取り除去され、その後、除電器によって感光ドラムの表面に残留する電荷が除去されるようになっている。そして、従来、このようなクリーニング材としては、帯状をなす基布上に複数の毛羽を立設することによって形成されたパイル織物を芯材に巻き付けることによってロール状に形成されたクリーニングブラシが知られている(特許文献1)。
【0004】
また、このようなロール状に形成されたクリーニングブラシとしては、ベルト状(又はロール状)の中間転写体(被清掃体)を用いて記録用紙にトナーによる可視像を転写する電子写真装置に備えられ、可視像を転写した後の中間転写体上に残留しているトナーを掻き取り除去するものも知られている(特許文献2)。
【特許文献1】実開昭62−167270号公報
【特許文献2】特開2003−337480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、通常、電子写真装置においては、主にA4サイズ及びA3サイズの記録用紙の印刷を行うことが多いが、特に印刷関連の業界では、A3サイズよりも一回り大きいA3ノビと呼ばれるサイズの記録用紙を印刷することもあるため、A3ノビサイズ対応の機種も存在する。そして、このようなA3ノビサイズ対応の電子写真装置においては、クリーニングブラシも、その軸方向長さがA3ノビサイズに対応可能となるように通常よりも長くなっている。
【0006】
しかしながら、このようにクリーニングブラシの軸方向長さが通常よりも長くされたA3ノビサイズ対応の電子写真装置によって、通常のA4サイズ及びA3サイズの記録用紙の印刷を行う場合には、次のような問題がある。
【0007】
すなわち、そのクリーニングブラシによって感光ドラムの表面上又は中間転写体の表面上に残留しているトナーを掻き取り除去する際に、感光ドラム等の表面におけるトナーが付着していない領域(クリーニングブラシの両端部と対応する領域)も該クリーニングブラシによって擦過される。このため、感光ドラム及び中間転写体の表面におけるトナーが付着していない領域に対しては、トナーが付着している領域よりも強い擦過力が働くため、繰り返し使用していると、クリーニングブラシによって感光ドラム及び中間転写体の表面が傷つけられるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような課題に着目してなされたものである。その目的とするところは、被清掃体の表面に付着した微細粉粒体を、該被清掃体の表面を傷つけることなく除去することが可能なクリーニング材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被清掃体の表面に摺接する毛羽部を有し、該毛羽部が前記被清掃体の表面を擦過することにより、該被清掃体の表面に付着した微細粉粒体を掻き取るクリーニング材であって、前記毛羽部には、前記被清掃体の表面に対する摺接時の擦過力を、該毛羽部における他の部分よりも弱くした弱擦過部が部分的に設けられていることを要旨とする。
【0010】
通常、被清掃体の表面に付着した微細粉粒体を毛羽部によって擦過して掻き取る際に、被清掃体の表面に微細粉粒体が付着していない領域があった場合には、この領域が毛羽部によって傷つけられてしまう。この点、本発明によれば、毛羽部における被清掃体の表面に微細粉粒体が付着していない領域と対応する部分に弱擦過部を設けることで、該領域に付与される毛羽部による擦過力を低減することが可能となる。したがって、被清掃体の表面に付着した微細粉粒体を、該被清掃体の表面を傷つけることなく除去することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記毛羽部は、基布上に立設された複数のパイル糸により構成され、前記弱擦過部は、前記毛羽部における他の部分よりも前記パイル糸の高さを低くした低毛部により構成されていることを要旨とする。
【0012】
上記構成によれば、毛羽部における弱擦過部によって被清掃体の表面に付与される擦過力を簡単な構成で確実に低減することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記被清掃体の表面に近接して配置される軸部材をさらに備え、前記毛羽部は、前記軸部材に対して前記基布における前記各パイル糸が立設されている側の反対側の面が前記軸部材の表面を覆うように取着されていることを要旨とする。
【0013】
上記構成によれば、毛羽部を容易にロール状に形成することが可能となり、軸部材を回転させることで、毛羽部により被清掃体の表面に付着した微細粉粒体を効果的に掻き取ることが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、被清掃体の表面に付着した微細粉粒体を、該被清掃体の表面を傷つけることなく除去することが可能なクリーニング材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明をA3ノビサイズの記録用紙対応の電子写真装置に用いられるクリーニング材に具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は電子写真装置を概念的に示した図である。電子写真装置内において被清掃体としての感光ドラム11は、支軸11aにより回転可能に支持され、その表面において帯電可能に構成されている。感光ドラム11の周囲には、その上方位置から回転方向に向かって順番に帯電部12、露光部13、現像部14、転写部15、クリーニング部16及び除電部17が配設されている。
【0016】
この感光ドラム11は回転時に帯電部12でその表面が帯電されるとともに、露光部13により静電潜像が形成された後、現像部14から微細粉粒体としてのトナー18が供給される。そして、転写部15により感光ドラム11及び転写部15間に供給された記録用紙19にトナー18による可視像が転写される。その後、クリーニング部16で感光ドラム11の表面に残留するトナー18が除去され、除電部17で感光ドラム11の表面に残留する電荷が消去される。
【0017】
現像部14は、感光ドラム11側が開口された略四角箱状をなすハウジング14aと、該ハウジング14a内に回転可能に支持された現像ローラ14bとを備えている。そして、現像ローラ14bの表面からトナー18が静電気により感光ドラム11の表面へ供給されるようになっている。
【0018】
クリーニング部16は、感光ドラム11側が開口された略四角箱状をなすハウジング20と、該ハウジング20内に回転可能に支持されたロール状をなすクリーニング材としての回転ブラシ21とを備えている。回転ブラシ21は、その表面が感光ドラム11の表面に摺接しており、該感光ドラム11の表面に残留するトナー18を掻き取り除去するようになっている。
【0019】
また、ハウジング20内には、回転ブラシ21の軸線方向に沿って延びる矩形板状のフリックバー22が設けられており、該フリックバー22の先端部は回転ブラシ21の表面に摺接している。そして、回転ブラシ21が感光ドラム11の表面からトナー18を掻き取る際に該回転ブラシ21の表面に付着したトナー18は、該回転ブラシ21が回転した際にフリックバー22によって掻き落とされてハウジング20内に回収されるようになっている。
【0020】
次に、回転ブラシ21の構成について詳述する。
図2に示すように、回転ブラシ21は、アルミニウムやステンレス鋼等の金属製の丸棒よりなる軸部材23と、該軸部材23の表面に接合された帯状をなすパイル織物24とにより構成されている。図3に示すように、パイル織物24は、基布25と、該基布25上に立設されたループ状をなす複数のパイル糸26a(ループパイル)とにより構成されるとともに、該各パイル糸26aにより毛羽部26が構成されている。
【0021】
そして、図2に示すように、軸部材23の表面にパイル織物24を、螺旋状をなすように巻回して該パイル織物24の基布25における各パイル糸26aが立設されている側の反対側の面を接着剤により接着する。その後、軸部材23の軸線方向における毛羽部26の両端部をシャーリング加工することにより、該毛羽部26の両端部におけるループ状の各パイル糸26aが開繊されるとともに若干短くカットされてなる弱擦過部としての低毛部27が形成される。このようにして、図4に示すような回転ブラシ21が得られる。
【0022】
また、回転ブラシ21は、毛羽部26における低毛部27以外の部分が高毛部28とされている。したがって、回転ブラシ21の毛羽部26において、低毛部27を構成するカットパイル(ループパイルの先端を切断してなる直毛状のパイル糸)の高さは、高毛部28を構成するループパイルの高さよりも低くなっている。
【0023】
図4に示すように、感光ドラム11の表面は、A3サイズ、A4サイズ、及びA3サイズよりも一回りサイズの大きいA3ノビサイズの各記録用紙19に可視像を転写する場合に常にトナー18を付着させる通常領域Aと、A3ノビサイズの記録用紙19(図1参照)に可視像を転写する場合にのみトナー18を付着させる特殊領域Bとを備えている。すなわち、通常のA3サイズ(またはA4サイズ)の記録用紙19に可視像を転写する場合には、通常領域Aにのみトナー18が付着され、A3ノビサイズの記録用紙19に可視像を転写する場合には、通常領域A及び特殊領域Bの双方にトナー18が付着される。なお、トナー18の付着頻度でみた場合、通常領域Aは、記録用紙19のサイズがどのサイズであってもトナー18が付着される領域であることから、高頻度付着領域であるといえる。その一方、特殊領域Bは、記録用紙19のサイズがA3ノビサイズの場合にのみトナー18が付着される領域であることから、低頻度付着領域であるといえる。
【0024】
そして、この感光ドラム11に対して、回転ブラシ21は、高毛部28が感光ドラム11の表面の通常領域Aに摺接するとともに、低毛部27が感光ドラム11の表面の特殊領域Bに摺接するように配置されている。すなわち、回転ブラシ21における低毛部27は、感光ドラム11の表面においてトナー18の低頻度付着領域である特殊領域Bと対応する位置に設けられている。この場合、低毛部27を構成するカットパイルの高さは、高毛部28を構成するループパイルの高さよりも低くなっているため、低毛部27が特殊領域Bに付着したトナー18を掻き取る際の擦過力は、高毛部28が通常領域Aに付着したトナー18を掻き取る際の擦過力よりも弱くなる。したがって、回転ブラシ21の毛羽部26における低毛部27は、高毛部28よりも感光ドラム11の表面に対する擦過力が弱い弱擦過部として機能するようになっている。
【0025】
次に、回転ブラシ21の作用について説明する。
さて、電子写真装置によりA3ノビサイズの記録用紙19に可視像を転写する場合には、感光ドラム11が回転され、現像ローラ14bにより該感光ドラム11の表面の通常領域A及び特殊領域Bの双方にトナー18が付着される。そして、A3ノビサイズの記録用紙19に可視像が転写された後、回転ブラシ21により、感光ドラム11の表面の通常領域A及び特殊領域Bが擦過され、該通常領域A及び特殊領域Bに残留して付着しているトナー18が掻き取り除去される。この場合、感光ドラム11の通常領域Aに付着しているトナー18は、回転ブラシ21の高毛部28によって掻き落とされ、感光ドラム11の特殊領域Bに付着しているトナー18は、回転ブラシ21の低毛部27によって掻き落とされる。
【0026】
一方、電子写真装置によりA3サイズの記録用紙19に可視像を転写する場合には、感光ドラム11が回転され、現像ローラ14bにより該感光ドラム11の表面の通常領域Aのみにトナー18が付着される。そして、A3サイズの記録用紙19に可視像が転写された後、回転ブラシ21により、感光ドラム11の表面の通常領域A及び特殊領域Bが擦過され、該通常領域Aに残留して付着しているトナー18が掻き取り除去される。この場合、感光ドラム11の表面の特殊領域Bには、トナー18が付着していないにも関わらず回転ブラシ21により擦過される。
【0027】
ここで、通常、感光ドラム11の表面は、トナー18が付着していない状態で回転ブラシ21によって繰り返し擦過されると、傷つけられてしまう。しかしながら、この点、本実施形態では、トナー18が付着していない感光ドラム11の表面の特殊領域Bは、高毛部28よりも感光ドラム11の表面に対する擦過力が弱い回転ブラシ21の低毛部27によって擦過されるため、該特殊領域Bが回転ブラシ21によって傷つけられることがない。この場合、感光ドラム11の表面における特殊領域Bと対応する低毛部27を構成するカットパイルの高さは、該特殊領域Bに付着したトナー18を掻き取り除去するために必要十分な高さに設定されている。したがって、回転ブラシ21により、感光ドラム11の表面の特殊領域Bが傷つけられることなく、通常領域Aに付着しているトナー18が掻き取り除去される。
【0028】
以上詳述した実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(1)通常、感光ドラム11の表面は、トナー18が付着していない状態で回転ブラシ21によって繰り返し擦過されると、傷つけられてしまう。しかしながら、この点、本実施形態では、電子写真装置によりA3サイズの記録用紙19に可視像を転写する場合、トナー18が付着していない感光ドラム11の表面の特殊領域Bは、高毛部28よりも感光ドラム11の表面に対する擦過力が弱い回転ブラシ21の低毛部27(弱擦過部)によって擦過されるため、特殊領域Bが回転ブラシ21によって傷つけられないようにすることができる。したがって、回転ブラシ21により、感光ドラム11の表面の特殊領域Bが傷つけられることなく、通常領域Aに付着しているトナー18を掻き取り除去することができる。
【0029】
(2)また、回転ブラシ21の毛羽部26には、高毛部28よりも高さを低くしただけの低毛部27が弱擦過部として形成されているため、感光ドラム11の表面における特殊領域Bに対して低毛部27が付与する擦過力を簡単な構成で確実に低減することができる。
【0030】
(3)クリーニング材が、軸部材23の表面にパイル織物24を、螺旋状をなすように巻回して該パイル織物24の基布25における各パイル糸26aが立設されている側の反対側の面を接着剤により接着してなるロール状の回転ブラシ21によって構成されている。このため、回転ブラシ21の毛羽部26により、感光ドラム11の表面に付着したトナー18を効果的に掻き取ることができる。
【0031】
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・回転ブラシ21の毛羽部26に設ける弱擦過部としての低毛部27は、部分的に設けるのであれば、クリーニングする被清掃体の種類や形状に応じて、その位置や数は任意としてもよい。
【0032】
・回転ブラシ21において、ループパイルによって構成された高毛部28とカットパイルによって構成された低毛部27とを同じ高さにしてもよい。この場合、ループパイルは、カットパイルに比べて腰が強く、且つ感光ドラム11の表面に対する接触面積も大きいため、感光ドラム11の表面に対する擦過力(トナー18の掻き取り力)がカットパイルに比べて強い。したがって、ループパイルは、カットパイルにするだけで感光ドラム11の表面に対する擦過力が低減されるので、このようにしても低毛部27を弱擦過部として機能させることができる。
【0033】
・クリーニング材には、回転ブラシ21でなく、例えば回転しない板状のブラシを用いてもよい。
・回転ブラシ21は、パイル織物24の代わりにパイル編物を用いて構成してもよい。
【0034】
・回転ブラシ21において、高毛部28をカットパイルによって構成してもよい。
・回転ブラシ21において、低毛部27の代わりに、高毛部28よりもパイル糸の硬さを軟らかくした軟毛部により弱擦過部を構成してもよい。
【0035】
・回転ブラシ21において、低毛部27の代わりに、高毛部28よりもパイル糸の太さを細くした細毛部により弱擦過部を構成してもよい。
・回転ブラシ21において、低毛部27の代わりに、高毛部28よりもパイル糸の密度を小さくした疎毛部により弱擦過部を構成してもよい。
【0036】
・回転ブラシ21は、軸部材23の表面に直接複数のパイル糸26aを植毛することによって毛羽部26を設けるようにしてもよい。
・回転ブラシ21は、トナー18が感光ドラム11、中間転写体(中間転写ローラまたは中間転写ベルト)などにフィルミングされるのを防止するべく使用される、ステアリン亜鉛体などの固体潤滑材を塗布するための塗布ブラシとして用いてもよい。
【0037】
・回転ブラシ21は、電子写真装置以外に、例えば微細粉粒体(粉末あるいは顆粒)の薬剤を包装する包装機等に設けられた粉粒体の送りローラ、工場の生産設備においてフィルム等の成型品を加工する際に成型品を搬送するコンベア等のクリーニング材として用いてもよい。その他にも、回転ブラシ21は、情報読取り装置等のレンズ、銀行の現金自動引出機のキャッシュカード挿入口、公衆電話機のテレホンカード挿入口、自動販売機の紙幣挿入口等といった読取り装置のシート挿入口等のクリーニング材として用いてもよい。
【0038】
・回転ブラシ21によってクリーニングされる微細粉粒体は、トナー18に限らず、例えば紙粉や塵埃等であってもよい。
・軸部材23の表面にパイル織物24を巻回する際には、螺旋状ではなく、軸部材23の表面を覆うことができるのであれば、一周だけ巻きつけるようにしてもよい。この場合、パイル織物24の長手方向の長さを、軸部材23の軸方向におけるパイル織物24を巻き付けるべき長さと同じ値に設定するとともに、パイル織物24の短手方向の長さを、軸部材23の外周の長さと同じ値に設定する必要がある。
【0039】
さらに、上記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)前記毛羽部は、基布上に立設された複数のパイル糸により構成され、
前記弱擦過部は、前記毛羽部における他の部分よりも前記パイル糸の硬さを軟らかくした軟毛部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング材。
【0040】
(ロ)前記毛羽部は、基布上に立設された複数のパイル糸により構成され、
前記弱擦過部は、前記毛羽部における他の部分よりも前記パイル糸の太さを細くした細毛部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング材。
【0041】
(ハ)前記毛羽部は、基布上に立設された複数のパイル糸により構成され、
前記弱擦過部は、前記毛羽部における他の部分よりも前記パイル糸の密度を小さくした疎毛部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング材。
【0042】
上記(イ)、(ロ)または(ハ)の構成によれば、毛羽部における弱擦過部によって被清掃体の表面に付与される擦過力を簡単な構成で確実に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施形態における電子写真装置の概念図。
【図2】実施形態において、軸部材にパイル織物を巻回している状態を示す正面図。
【図3】実施形態におけるパイル織物の断面斜視図。
【図4】実施形態において、感光ドラムに回転ブラシが摺接している状態を示す平面図。
【符号の説明】
【0044】
11…被清掃体としての感光ドラム、18…微細粉粒体としてのトナー、21…クリーニング材としての回転ブラシ、23…軸部材、25…基布、26…毛羽部、26a…パイル糸、27…弱擦過部としての低毛部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被清掃体の表面に摺接する毛羽部を有し、該毛羽部が前記被清掃体の表面を擦過することにより、該被清掃体の表面に付着した微細粉粒体を掻き取るクリーニング材であって、
前記毛羽部には、前記被清掃体の表面に対する摺接時の擦過力を、該毛羽部における他の部分よりも弱くした弱擦過部が部分的に設けられていることを特徴とするクリーニング材。
【請求項2】
前記毛羽部は、基布上に立設された複数のパイル糸により構成され、
前記弱擦過部は、前記毛羽部における他の部分よりも前記パイル糸の高さを低くした低毛部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング材。
【請求項3】
前記被清掃体の表面に近接して配置される軸部材をさらに備え、前記毛羽部は、前記軸部材に対して前記基布における前記各パイル糸が立設されている側の反対側の面が前記軸部材の表面を覆うように取着されていることを特徴とする請求項2に記載のクリーニング材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−52209(P2008−52209A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−230966(P2006−230966)
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【出願人】(596024426)槌屋ティスコ株式会社 (47)
【Fターム(参考)】