説明

クリーニング装置を有する、平坦な基板を運搬するための装置、対応する裁断装置、印刷機、及び前記装置の使用法

本発明は、平坦な基板(18,30)を運搬するための搬送ローラ(56,58)を有するシート(30)運搬装置(D1,D2)に関し、前記搬送ローラが、平坦な基板と接触する搬送面(82,102)と、複数の凹所(84,104)に負圧を生ぜしめるための真空装置(64)とを有している。装置は、搬送面(82,102)をクリーニングするための装置(120)も有している。発明は、印刷機からシートを排出するための装置にも適用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
−搬送される平坦な基板を運搬するための搬送ローラが設けられており、前記搬送ローラが、搬送中に平坦な基板と接触しかつ複数の孔が設けられた搬送面を有しており;
−複数の凹所に負圧を生ぜしめるための真空装置が設けられている形式の、シート又はウェブ等の平坦な基板を運搬するための装置に関する。
【0002】
紙のシート等の被印刷製品を運搬するための装置は従来技術において公知である。これらの運搬装置は、例えば印刷されたシートを運搬するためにオフセット印刷機において使用される。
【0003】
これらの運搬装置は、搬送されるシートと接触する搬送面を有する中空の搬送ローラを有する。
【0004】
シートを搬送ローラに付着させるために、搬送ローラは、真空を生ぜしめるための装置に接続された孔を有している。
【0005】
しかしながら、印刷されたシートは、搬送面におけるインキの堆積を生じ、劣悪な製品品質を生じる。
【0006】
本発明は、単純な手段を用いて、印刷機によって製造することができる被印刷製品の品質を高めることを目的とする。
【0007】
このために、本発明は、搬送面をクリーニングするための装置を有することを特徴とする、上記形式の運搬装置に関する。
【0008】
特定の実施形態によれば、運搬装置は以下の特徴のうちの1つ又は2つ以上を有する:
−クリーニング装置は、クリーニング液を搬送面に提供するためのアプリケーション装置を有する;
−クリーニング装置は、クリーニング液を含むタンクと、前記クリーニング液をアプリケーション装置へ運搬するためのダクトとを有している;
−クリーニング液は、インキ反発性の液体、例えばシリコーン及び水のエマルジョンである;
−クリーニング液は洗浄液、好適にはインキ溶剤であり、クリーニング装置は、洗浄液を搬送面から除去するための拭取り装置を有する;
−拭取り装置は、搬送ローラの駆動方向で、洗浄液を提供する装置の下流に配置されている;
−運搬装置は、搬送ローラの回転軸線を中心とする第1の角度範囲に亘って延びた負圧チャンバを有しており、この第1の角度範囲は360゜未満に亘って延びている;
−真空装置は、負圧チャンバに接続されており、第1の角度範囲に設けられた孔にだけ負圧を生ぜしめる;
−運搬装置は、第2の角度範囲に亘って延びた大気圧チャンバを有しており、第2の角度範囲に設けられた孔は大気圧に曝される;
−クリーニング装置は第2の角度範囲において搬送面と協働する;
−運搬装置は、回転軸線を中心とする第3の角度範囲に亘って延びた過圧チャンバを有しており、過圧チャンバに接続されかつ第3の角度範囲に設けられた孔にだけ過圧を生ぜしめるための過圧装置を有している;
−搬送ローラは、入口ローラ、圧胴、引渡しローラ又は制動ローラである。
【0009】
本発明は、
−刃を備える裁断胴と、
−裁断胴と協働する圧胴とが設けられており、これらの胴は、平坦な基板ウェブをシートに裁断するようになっており;
−裁断胴及び圧胴によって裁断されたシートを運搬するための第1の装置が設けられており、
第1の運搬装置が、前記請求項のいずれか1項記載の装置、特に引渡し装置である形式の、ウェブをシートに裁断するための装置にも関する。
【0010】
1つの特定の実施形態によれば、裁断装置は、シートを運搬するための第1の装置の下流に配置された、シートを運搬するための第2の装置を有しており、第2の運搬装置は、前記形式の装置、特に制動装置である。
【0011】
本発明は、
−印刷されるウェブのための繰出し機と、
−印刷されるウェブに印刷するためのユニットと、
−印刷されたウェブをシートに裁断するための装置とが設けられており、裁断装置が前記形式の裁断装置である形式の、輪転印刷機にも関する。
【0012】
本発明は、
−複数の孔の少なくとも一部において負圧を生ぜしめるステップと、
−運搬されるシートを提供するステップと、
−搬送面においてシートを運搬するステップと、
−クリーニング装置を使用して搬送面をクリーニングするステップとを含む、前記形式の運搬装置の使用法にも関する。
【0013】
本発明は、添付の図面を参照しながら、単に例として示された以下の詳細な説明を読むことによりさらに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による印刷機の概略的な側面図である。
【図2】本発明による印刷機の択一的な形態の、図1に対応する図である。
【図3】第1の実施形態による裁断及び積層装置の概略図である。
【図4】本発明による裁断及び積層装置の第2の実施形態の、図3に対応する概略図である。
【0015】
図1は、全体的な符号2によって示された、本発明による輪転印刷機を示している。
【0016】
印刷機2は、繰出し機4と、4つの印刷ユニット6と、トラクション装置8と、裁断及び積層装置10とを有している。印刷機2は、ウェブ14を掴むための装置及びパウダリング装置16をも有する。
【0017】
印刷機2は、理論上は1からnのあらゆる数の印刷ユニット6を有することができる。
【0018】
繰出し機4は、印刷される連続したウェブ18を繰り出すように構成されている。
【0019】
印刷されるウェブ18はコート紙のウェブである。コート紙は、紙の機械的特性又は光学的特性を改善する、例えばカオリン又はチョークから形成された、皮膜層を有する紙である。この紙は、高品質の被印刷製品を得ることを可能にする。択一例として、印刷されるウェブは皮膜を有さない紙のウェブであることもできる。
【0020】
印刷機2は、繰出し機4から、印刷ユニット6と、ウェブ掴み装置14と、パウダリング装置16と、トラクション装置8とを通って裁断及び積層装置10までウェブ18のための印刷経路を規定している。
【0021】
各印刷ユニット6は、紙ウェブ18に印刷するために提供されたインキ24を有するインキタンク22が設けられたインキングローラ装置20を有している。本発明に関連して使用されるインキ24は以下で説明する。各インキングローラ装置20は、インキ24を印刷ローラ28に転移させるためのインキ転移ローラ26を有している(以下参照)。
【0022】
印刷ユニット6は、紙のウェブ18に印刷するように構成された印刷ローラ28を有している。
【0023】
裁断及び積層装置10は、印刷されるウェブ18を個々のシート30に裁断しかつ裁断された個々のシートの積層部31を形成するように構成されている。
【0024】
トラクション装置8は、最も下流の印刷ユニット6の下流でかつ裁断及び積層装置10の上流に配置されている。このトラクション装置8は、最も下流の印刷ユニット6から出るウェブ18に所定の機械的な張力を提供するように適応されている。
【0025】
図1に示したように、印刷機2は、場合によってウェブ捕捉装置14及びパウダリング装置16を除外して、最も下流の印刷ユニット6とトラクション装置8との間の全経路に亘って自由に懸吊された状態で周囲空気中を印刷されたウェブ18を搬送するように構成されている。さらに、印刷機2は、トラクション装置8と裁断及び積層装置10との間の全経路に亘って周囲空気中において印刷されたウェブ18を搬送するようにも構成されている。つまり、図1の印刷機2は乾燥機を有さず、小型である。
【0026】
図2に示された択一的な態様による印刷機2は、ウェブ掴み装置14とトラクション装置8との間に赤外線乾燥機32が設けられていてこの赤外線乾燥機を通って印刷されたウェブ18が運搬されるという点において、図1に示された印刷機2とは異なる。
【0027】
赤外線乾燥装置32は、高温空気乾燥機等の、ウェブの別の熱乾燥装置と交換することができる。乾燥機32は、従来の乾燥機と比べて減じられた寸法を有する。
【0028】
ウェブ捕捉装置14は、紙ウェブ18における破断を検出し、その場合に紙ウェブ18の自由端部を捕捉するように構成されている。そのために、ウェブ捕捉装置14は適切な捕捉エレメント34を有している。択一的に、ウェブ捕捉装置14は省略される。
【0029】
パウダリング装置16は、印刷されたウェブ18のそれぞれの面に裏移り防止粉末を提供するように構成されている。パウダリング装置は、印刷されたウェブ18の一方又は両方の面に裏移り防止粉末を堆積させることができる。このために、パウダリング装置16は、粉末38を含んだタンク36と、紙ウェブ18のそれぞれの面のための、ダクト42によってインキタンク36に接続されたパウダリングヘッド40とを有している。
【0030】
パウダリング装置16は、裏移り防止粉末を紙ウェブ18に連続して、好適には印刷長さの少なくとも二倍に対応する長さに亘って中断することなく連続して提供するように構成されている。
【0031】
ウェブをパウダリングするために使用される裏移り防止粉末38は、好適には、例えばコーンベースの野菜粉末又は鉱物粉末である。
【0032】
印刷機の他のユニットに接続されたトラクション装置8は、紙のウェブ12を乾燥させることなくかつインキ溶剤の蒸発によって、紙のウェブを印刷しかつこのウェブを裁断及び積層装置10において受け取ることを可能にする。
【0033】
印像は、インキタンク22に収容されたインキ24によって印刷される。有利には、インキ24は、乾燥剤インキ、若しくは"水なし"インキ、又は二成分インキである。乾燥剤インキの乾燥は、"媒体における浸透"と呼ばれる第1の現象と、"油及び樹脂から成るワニスの酸化重合"と呼ばれる第2の現象との組合せである。
【0034】
水なしインキは、予め湿潤された親水性表面による油性インキの弾きに基づく従来の平版法を用いることなく、非印刷領域を規定することを可能にする特定の刷版と共に用いられる。これらのインキの使用は、前記の従来の乾燥剤インキと同様に考慮することができ、乾燥機を省略するか、乾燥機をより小型に設計することを可能にする。
【0035】
他方では、熱硬化性インキは、樹脂と混合された鉱物溶剤の蒸発によって乾燥する。UVインキは、紫外線放射の効果を受けた樹脂の重合によって乾燥する。
【0036】
図3は、裁断及び積層装置10を概略的に示している。
【0037】
裁断及び積層装置10は、シート30を積層部に向かって運搬するための2つの装置、すなわち、第1の運搬若しくは引渡し装置D1と、第2の運搬若しくは引渡し装置D2とを有している。
【0038】
裁断及び積層装置は、2つの入口ローラ50と、裁断胴52と、圧胴54と、引渡しローラ56と、制動ローラ58とを有している。
【0039】
裁断装置10は、この装置10の入口から順に、入口ローラ50と、圧胴54と、引渡しローラ56と、制動ローラ58とを通って個々のシート30の積層部31まで、紙ウェブ18の経路Tを規定している。
【0040】
裁断及び積層装置10は、固定された構造体S又はフレームを有している。
【0041】
入口ローラ50は、裁断胴52及び圧胴54の上流において紙ウェブ18の経路に配置されている。2つの入口ローラ50は、固定された構造体Sに対して軸線A及びBを中心に回転することができる。各入口ローラ50は、貫通孔62を備えたジャケット60を有している。
【0042】
裁断及び積層装置10は、該当する入口ローラ50の円周の一部に亘って孔62において負圧を生ぜしめるための真空装置64も有している。
【0043】
裁断胴52は、固定された構造体Sに対して軸線Cを中心に回転することができる。裁断胴52は、紙のウェブ18からシート30を裁断するための刃66を有している。
【0044】
圧胴54は、裁断胴52に隣接して位置決めされており、固定された構造体Sに対して回転軸線Dを中心に回転することができる。圧胴54には、例えば、圧胴54の円周に規則的に分配された2つの押圧ブロック68が設けられている。これらの押圧ブロック68は刃66と協働してウェブ18をシート30に裁断する。
【0045】
さらに、圧胴54は、貫通孔72が設けられたジャケット70を有している。ジャケット70は、円形の横断面を備える中空の円筒体である。ジャケット70の内側部分は真空装置64に接続されている。つまり、真空又は負圧を、ウェブの経路Tに対応するジャケット70の円周の角度部分において生ぜしめることができる。これにより、紙のウェブ18を圧胴54に対して保持することができる。
【0046】
第1の運搬装置D1は、圧胴54及び裁断胴52によって裁断された印刷されたシート30を取り上げ、このシート30を経路Tの一部に沿って運搬する。
【0047】
第1の運搬装置D1は引渡しローラ56を有している。
【0048】
引渡しローラ56にはジャケット80が設けられている。ジャケット80は、構造体Sに対して回転軸線Eを中心に回転することができる。ジャケット80は、図面において反時計回りである回転方向R1に駆動される。ジャケット80は、中空の円形横断面を備える円筒形状を有しており、シート30を運搬するためにシート30と接触するための搬送面82を規定している。ジャケット80には、回転軸線Eに対して半径方向に延びておりかつ搬送面82に開口した複数の貫通孔84が設けられている。
【0049】
第1の運搬装置D1は、構造体Sに対して固定された壁部85を有している。この固定された壁部85は、ジャケット80の内部に配置されており、第1の角度範囲αに亘って延びた負圧チャンバ86を形成している。この第1の角度範囲は、回転軸線Eを中心に360゜未満、この場合は180゜に亘って延びている。負圧チャンバ86は真空装置64に接続されている。つまり、第1の運搬装置D1は、第1の角度範囲αに対応するジャケット80の円周の部分に配置された孔84だけにおいて負圧を生ぜしめる。
【0050】
固定された壁部85は、回転軸線Eを中心に第2の角度範囲βに亘って延びた大気圧チャンバ88を形成している。つまり、ジャケット80の孔84は、前記第2の角度範囲に対応する搬送面82の円周の部分において大気圧に曝される。この第2の範囲は、回転軸線Eを中心に約160゜に亘って延びている。
【0051】
固定された壁部85は、回転軸線Eを中心に第3の角度範囲γに亘って延びた過圧チャンバ88も形成している。過圧チャンバ90は約20゜に亘って延びている。過圧チャンバ90は、第3の角度範囲に配置された孔84にだけ過圧を生ぜしめるために過圧装置92に接続されている。
【0052】
第1の角度範囲αは、引渡しローラ56に関連した経路Tの部分と一致している。第3の角度範囲γは、制動ローラ58と向き合って配置されており、シート30を前記制動ローラ58に向かって押し付ける。
【0053】
運搬装置D2は制動ローラ58を有している。
【0054】
制動ローラ58には、搬送面102を形成する中空の円形の横断面を備える円筒状のジャケット100が設けられている。ジャケット100は、構造体Sに対して回転軸線Fを中心に回転することができる。ジャケット100は、方向R1と反対の方向である回転方向R2に駆動される。ジャケット100には、前記ジャケット100を通過しかつ搬送面102に開口した複数の孔104が設けられている。
【0055】
第2の運搬装置D2は、構造体Sに対して固定された壁部105を有している。この固定された壁部105は、ジャケット100の内部に配置されており、回転軸線Fを中心とする第1の角度範囲δに亘って延びた負圧チャンバ106を形成している。この第1の角度範囲δは、過圧チャンバ90から回転方向R2に約90゜に亘って延びている。
【0056】
運搬装置D2は、回転軸線Fを中心に約270゜の第2の角度範囲εに亘って延びた大気圧チャンバ108も形成している。この大気圧チャンバ108は、第2の範囲εに設けられた孔104を大気圧に曝す。
【0057】
第2の運搬装置D2は、シート30を引渡しローラ56から取り上げ、シート30を制動し、シート30をシートの積層部31に堆積する。
【0058】
さらに、第1の運搬装置D1及び第2の運搬装置D2はそれぞれ、関連する搬送面82,102をクリーニングするための装置120を有している。以下では、クリーニング装置120のうちの一方だけを説明する。
【0059】
図3の実施形態によれば、クリーニング装置120は、クリーニング液を搬送面82及び102に提供するためのアプリケーション装置である。クリーニング装置120は、クリーニング液126を含むタンク124と、前記クリーニング液126をアプリケーション装置122へ運搬するためのダクト128とを有している。
【0060】
好適には、クリーニング液126は、インキ反発性の液体、例えばシリコーン及び水のエマルジョンである。好適には、アプリケーション装置122は、大気圧チャンバ88,108に接続された第2の角度範囲β,εに配置された周方向位置において搬送面82,102と接触している。つまり、クリーニング液は、孔84に吸入されないか、又は孔84を通って排出される。
【0061】
アプリケーション装置122は、例えば、液126によって湿潤された織物を有する。
【0062】
したがって、第1の実施形態の裁断装置10は、クリーニング液126を拭き取るための装置を有していない。
【0063】
裁断装置100は、第3の運搬装置D3と、第4の運搬装置D4と、第5の運搬装置D5とを有している。
【0064】
第3の運搬装置D3と、第4の運搬装置D4とは、紙のウェブ18を運搬するための装置であり、それぞれ入口ローラ50を有している。
【0065】
第3の運搬装置D3及び第4の運搬装置D4はそれぞれ、第1の運搬装置D1に関して説明したものと同じクリーニング装置120を有している。このクリーニング装置120は、ローラ50の搬送面をクリーニングする。
【0066】
第5の運搬装置D5は、圧胴54及び第1の運搬装置D1に関して説明したものと同じクリーニング装置120を有している。このクリーニング装置120は、対向切断胴54の搬送面をクリーニングする。
【0067】
運搬装置D1及びD2に関して説明したクリーニング装置120の全ての特徴は、運搬装置D3からD5までにも同様に適用される。
【0068】
図4は、以下のように前述の実施形態とは異なる本発明の第2の実施形態による裁断装置10を示している。同じ構成要素には同じ参照符号を付している。
【0069】
洗浄液のクリーニング液126は、例えば、炭化水素ベースのインキ溶媒である。クリーニング装置120は、洗浄液を搬送面82,102から除去するための拭取り装置130も有している。拭取り装置130は、搬送ローラ56又は制動ローラ58の駆動方向で、洗浄液122を提供する装置の下流に配置されている。
【0070】
本発明によれば、搬送面82,102は、シート30が引渡しローラ56及び制動ローラ58のそれぞれに配置されている時にクリーニングされ、印刷品質が高められる。
【0071】
使用中、紙のウェブ18は印刷ユニット6によって印刷され、印刷された紙のウェブ18は裁断装置10に進入する。
【0072】
次いで、紙のウェブは、裁断胴52と圧胴54とによってシート30に裁断され、シート30は第1の運搬装置D1に供給される。
【0073】
第1の角度範囲α,δに配置された孔84,104のそれぞれにおいて真空又は負圧が生ぜしめられる。
【0074】
シート30は、搬送面82において運搬され、次いで、過圧チャンバ90によって搬送面102に向かって吹き付けられる。
【0075】
次いで、シート30は、制動ローラ58によって制動され、積層部31に配置される。
【0076】
クリーニング液126は、搬送面82,102の一部において連続して提供されるのに対し、前記搬送面82,102の別の部分はシート30を運搬する。
【0077】
言い換えれば、シート30が、搬送面82,102の部分から出た後でかつ次のシート30が搬送面82,102の前記部分と接触する前に、クリーニング液126は搬送面の前記部分に提供される。
【0078】
クリーニング装置は、シート又はウェブ等の平坦な基板を搬送するためのあらゆる形態の胴の搬送面をクリーニングするために使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート(30)又はウェブ(18)等の平坦な基板を運搬するための運搬装置(D1,D2,D3,D4,D5)であって、
搬送される平坦な基板を運搬するための搬送ローラ(50,54,56,58)が設けられており、該搬送ローラが、搬送中に平坦な基板(18,30)と接触しかつ複数の孔(62,72,84,104)が設けられた搬送面(82,102)を有しており、
複数の孔において負圧を生ぜしめるための真空装置(64)が設けられている形式のものにおいて、
搬送面(82,102)をクリーニングするための装置(120)が設けられていることを特徴とする、シート又はウェブ等の平坦な基板を運搬するための運搬装置。
【請求項2】
前記クリーニング装置が、クリーニング液(126)を搬送面(82,102)に提供するためのアプリケーション装置(122)を有する、請求項1記載の運搬装置。
【請求項3】
前記クリーニング装置(120)が、クリーニング液(126)を含むタンク(124)と、前記クリーニング液をアプリケーション装置(122)へ運搬するためのダクト(128)とを有する、請求項2記載の運搬装置。
【請求項4】
前記クリーニング液が、インキ反発性の液体、特にシリコーン及び水のエマルジョンである、請求項3記載の運搬装置。
【請求項5】
前記クリーニング液(126)が、洗浄液、好適にはインキ溶媒であり、前記クリーニング装置(120)が、搬送面から洗浄液を除去するための拭取り装置(130)を有する、請求項3記載の運搬装置。
【請求項6】
前記拭取り装置(130)が、搬送ローラ(50,54,56,58)の駆動方向で、洗浄液を提供する装置の下流に配置されている、請求項5記載の運搬装置。
【請求項7】
前記運搬装置が、搬送ローラの回転軸線(E,F)を中心として第1の角度範囲(α,δ)に亘って延びた負圧チャンバ(86)を有しており、この第1の角度範囲(α,δ)が360゜未満に亘って延びており、
真空装置(64)が、負圧チャンバに接続されておりかつ第1の角度範囲(α,δ)に設けられた孔にだけ負圧を生ぜしめるようになっており、
運搬装置が、第2の角度範囲(β,ε)に亘って延びた大気圧チャンバ(8)を有しており、第2の角度範囲に設けられた孔が、大気圧に曝され、
クリーニング装置が、第2の角度範囲(β,ε)において搬送面(82,102)と協働する、請求項1から6までのいずれか1項記載の運搬装置。
【請求項8】
運搬装置が、回転軸線(E)を中心とする第3の角度範囲(γ)に亘って延びた過圧チャンバ(90)を有しており、運搬装置が、過圧チャンバに接続されかつ第3の角度範囲に設けられた凹所にだけ過圧を生ぜしめるようになっている過圧装置(92)を有している、請求項7記載の運搬装置。
【請求項9】
搬送ローラが、入口ローラ(50)、圧胴(54)、引渡しローラ(56)、又は制動ローラ(58)である、請求項1から8までのいずれか1項記載の運搬装置。
【請求項10】
ウェブをシートに裁断するための装置であって、
刃(66)が設けられた裁断胴(52)と、
該裁断胴と協働する圧胴(54)とが設けられており、これらの胴(52,54)が、平坦な基板のウェブ(18)をシート(30)に裁断するように構成されており、
裁断胴及び圧胴によって裁断されたシートを運搬するための第1の装置(D1,D2)が設けられている形式のものにおいて、
第1の運搬装置が、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置、特に引渡し装置であることを特徴とする、ウェブをシートに裁断するための装置。
【請求項11】
シートを運搬するための第1の装置(D1)の下流に配置された、シートを運搬するための第2の装置(D2)が設けられており、該第2の運搬装置が、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置、特に制動装置である、請求項10記載の裁断装置。
【請求項12】
印刷されるウェブ(18)のための繰出し機(4)と、
印刷されるウェブ(18)に印刷するためのユニット(6)と、
印刷されたウェブをシート(30)に裁断するための装置(10)とが設けられた輪転印刷機において、
裁断装置が、請求項10又は11記載の裁断装置であることを特徴とする、輪転印刷機。
【請求項13】
複数の孔のうちの少なくとも一部において負圧を生ぜしめるステップと、
運搬されるシート(30)を提供するステップと、
搬送面においてシート(30)を運搬するステップと、
クリーニング装置(120)を用いて搬送面(82,102)をクリーニングするステップとを有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の運搬装置の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−520724(P2011−520724A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506757(P2011−506757)
【出願日】平成21年4月29日(2009.4.29)
【国際出願番号】PCT/FR2009/050790
【国際公開番号】WO2009/138693
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(594141705)ゴス インターナショナル モンタテール ソシエテ アノニム (41)
【氏名又は名称原語表記】Goss International Montataire,S.A.
【住所又は居所原語表記】Square H.Marinoni,F−60761 Montataire,France
【出願人】(510290175)ヴィッツ プリント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (3)
【氏名又は名称原語表記】Vits Print GmbH
【住所又は居所原語表記】Winkelsweg 172, D−40764 Langenfeld, Germany
【Fターム(参考)】