説明

クリーニング装置及び画像形成装置

【課題】クリーニング部材の部分的な劣化を低減するクリーニング装置及び画像形成装置を実現する。
【解決手段】画像形成装置1において画像形成(プリント)が実行されると、中間転写ベルト8の表面に付着している残留トナーの分布状態に応じて、クリーニング装置9の異物移送手段90が駆動されて、中間転写ベルト8の表面に偏って付着していたトナーを含む異物を中間転写ベルト8の搬送方向と交差する方向に移動させ、残留トナー等を中間転写ベルト8の表面に満遍なく広げることによって、クリーニングブレード91が、中間転写ベルト8の表面に満遍なく広がったトナーを含む異物を掻き取るように除去することが可能になるので、そのクリーニングブレード91に磨耗の偏りが生じ難くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーによる画像を用紙に形成する画像形成装置において、トナー像を坦持する像坦持体である感光体ドラムや、そのトナー像を用紙に転写する転写ベルト等の表面に付着した紙粉や残留トナー等を除去するためのクリーニング部材を備えたクリーニング装置が用いられている。
クリーニング部材としては、ウレタンゴム等の弾性部材からなる平板状のクリーニングブレードを利用し、そのブレードの先端面のエッジを転写ベルトの表面に当接させて、付着している残留トナー等を掻き取るように除去が行われる。クリーニングブレードは、構成が簡易であることや、残留トナーの除去が効率的であることが利点とされており、多くのクリーニング装置で用いられている。
【0003】
ここで、クリーニングブレードに到達したトナーやそのトナーに含まれている添加剤が潤滑剤として機能しており、残留トナーによってクリーニングブレードと転写ベルトとの間の摩擦力が低下されて、クリーニングブレードの磨耗劣化が抑制されていることが知られている。
そこで、クリーニングブレードの磨耗に偏りが生じないように、トナー像が形成される頻度が少ないために残留トナーが僅かであったり、画像形成領域外に対応するために残留トナーが付着しなかったりする転写ベルトの幅方向の両端側に、画像形成に供さないトナーを付与する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、転写ベルトの中央側に多く付着している残留トナーを、転写ベルトの幅方向の両端側に移送させるブラシ部材をクリーニング装置に設ける技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−15292号公報
【特許文献2】特開2008−268346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の場合、画像形成に供さないトナーを使用することで、トナーの消費量が増してしまい、ランニングコストが上がってしまうという問題があった。
また、上記特許文献2の場合、転写ベルトの幅方向一端側に付着した残留トナーを他端側まで移送させることは困難であるなど、その移送能力には限界があった。
【0006】
本発明の目的は、クリーニング部材の部分的な劣化を低減するクリーニング装置及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、クリーニング装置であって、
所定の搬送方向に回動するクリーニング対象物の表面に付着したトナーを含む異物を除去するクリーニング部材と、
前記クリーニング部材よりも搬送方向上流側に設けられ、前記クリーニング対象物の表面上の前記異物を前記搬送方向と交差する方向に移動させる異物移送手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のクリーニング装置において、
前記異物移送手段は、
前記クリーニング対象物の表面と略平行かつ前記搬送方向と略直交する軸を有し、その周面に螺旋状の凸条が設けられている回転体と、
前記回転体を前記軸を中心に回転させる回転駆動部と、
前記回転体の凸条を前記クリーニング対象物の表面に接離させるように、前記回転体の配置を切り替える接離機構部と、
前記回転駆動部と前記接離機構部の動作を制御する異物移送制御部と、
を備え、
前記異物移送制御部は、前記回転体の回転方向及び/又は回転速度と、前記回転体を前記クリーニング対象物の表面に接触させる時間の、少なくとも一方を調整することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のクリーニング装置において、
前記異物移送手段は、右螺旋の凸条が設けられた回転体と、左螺旋の凸条が設けられた回転体の、2つの回転体を備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のクリーニング装置において、
前記2つの回転体は、同じ回転方向に回転するように構成されており、
前記異物移送制御部は、前記異物を移動させる方向に対応する一方の回転体を回転させて前記クリーニング対象物の表面に接触させ、他方の回転体の回転を停止させて前記クリーニング対象物の表面から離間させることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のクリーニング装置において、
前記異物移送手段は、
前記クリーニング対象物の表面に当接し、互いに平行の配置をとる複数の短冊状部材と、
前記短冊状部材の向きを切り替える傾斜切替機構部と、
前記傾斜切替機構部の動作を制御する異物移送制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のクリーニング装置において、
前記異物移送制御部は、前記異物を移動させる方向に応じて、前記搬送方向に対する前記短冊状部材の向きを調整することを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載のクリーニング装置において、
前記異物移送制御部は、前記短冊状部材の向きを前記搬送方向に対する右傾斜と左傾斜を交互に連続して切り替える調整を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、画像形成装置であって、
請求項1〜7の何れか一項に記載のクリーニング装置と、トナー像を担持する像担持体と、前記像坦持体から用紙に転写されたトナー像を定着する定着部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、クリーニング部材の部分的な劣化を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】画像形成装置の制御系を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置のクリーニング装置を示す拡大側面図である。
【図4】画像形成装置のクリーニング装置を示す拡大正面図である。
【図5】中間転写ベルトに対する螺旋ローラの接離に関する説明図である。
【図6】実施形態1のクリーニング装置の動作を示す説明図(a)(b)である。
【図7】実施形態2のクリーニング装置の動作を示す説明図(a)(b)である。
【図8】実施形態3のクリーニング装置の動作を示す説明図(a)(b)(c)である。
【図9】実施形態3の画像形成装置の制御系を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0018】
(実施形態1)
図1は、画像形成装置1を示す概略構成図であり、図2は、画像形成装置1の制御系を示すブロック図である。
画像形成装置1は、原稿から画像を読み取り、読み取った画像データに基づく画像を用紙P上に形成して出力するコピー機能や、外部装置等から画像データを含むページデータや各画像データの画像形成条件等を含むジョブデータを受信し、受信したページデータ及びジョブデータに基づく画像を用紙P上に形成して出力するプリント機能等を具備している。
【0019】
画像形成装置1は、図1、図2に示すように、画像読取部10と、画像形成部20と、用紙収容部25と、搬送部30と、操作部40と、制御部50等を備えて構成されている。
【0020】
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り部11と、読取部12とを備えている。
読取部12は、読取個所であるコンタクトガラス12a上に載置された原稿dの画像をCCD(Charge Coupled Device)により読み取る。
また、自動原稿送り部11の原稿トレイ11aに載置された原稿dは、読取個所であるコンタクトガラス12a上に搬送され、CCDによってその原稿dの片面又は両面の画像が読み取られる。
ここで、画像とは、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む。
【0021】
画像読取部10により読み取られた画像(アナログ画像信号)は、後述するCPU51図2参照)に出力され、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング補正、画像圧縮処理等の各種画像処理が施された後、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色に色分解され、デジタルの画像データとして画像形成部20に出力される。
【0022】
画像形成部20は、入力された画像データに基づいて、電子写真方式の画像形成処理を行う。
画像形成部20は、露光ユニット2Y、2M、2C、2Kと、現像ユニット3Y、3M、3C、3Kと、像担持体である感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kと、帯電部5Y、5M、5C、5Kと、感光体ドラム用のクリーニング部6Y、6M、6C、6Kと、一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kと、中間転写ベルト8と、中間転写ベルト用のクリーニング装置9と、二次転写ローラ21と、定着部22と、を備えて構成されている。
この画像形成部20において、中間転写ベルト8と二次転写ローラ21とが圧接している箇所が、用紙Pに画像を転写して画像形成を行う画像転写部として機能する。
また、この中間転写ベルト8が、本実施形態でのクリーニング対象物となる。
【0023】
露光ユニット2Y、2M、2C、2Kは、LD等のレーザ光源、ポリゴンミラー、複数のレンズ等から構成されている。
露光ユニット2Y、2M、2C、2Kは、制御部50(CPU51)から送られた画像データに基づいて、感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kの表面をレーザビームにより走査露光する。このレーザビームの走査露光により、帯電部5Y、5M、5C、5Kによって帯電された感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kに潜像が形成され、すなわち画像が書き込まれる。
【0024】
感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上に形成された潜像は、対応する現像ユニット3Y、3M、3C、3Kによる現像によって顕像化され、各感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上にはトナー像が形成される。
感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上に形成されて担持されたトナー像は一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kにより、中間転写ベルト8上に一次転写される。
【0025】
トナー像の転写を終えた各感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kの表面は、クリーニング部6Y、6M、6C、6Kによって残留トナーが除去される。
【0026】
中間転写ベルト8は、複数のローラ(例えば、張架ローラ81、82、88)に懸架され回転可能に支持された無端状のベルト部材(エンドレスベルト)であり、ローラの回転に伴って図中時計回りの所定の搬送方向に回動される。
この中間転写ベルト8は、一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kによりそれぞれの感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kに圧着される。これにより各感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kの表面に現像された各トナー像が、各一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kによる転写位置で中間転写ベルト8に転写(一次転写)される。この中間転写ベルト8も像担持体である。
また、中間転写ベルト8は、二次転写ローラ21による転写位置で用紙Pと圧接し、その用紙Pに中間転写ベルト8上に形成されたトナー像を転写(二次転写)する。
そして、中間転写ベルト8は、二次転写ローラ21によって用紙Pにトナー像を転写した後、用紙Pを曲率及び静電的に分離して定着部22へ送る。
トナー像を用紙Pに転写した中間転写ベルト8は、クリーニング装置9により残留トナー等の異物が除去される。
【0027】
クリーニング装置9は、図1、図3、図4に示すように、所定の搬送方向(図中時計回り)に回動する中間転写ベルト8の表面に当接して、中間転写ベルト8の表面に付着したトナーを含む異物を除去するクリーニング部材であるクリーニングブレード91と、クリーニングブレード91の上流側で中間転写ベルト8の表面に当接しているシール部材92と、クリーニングブレード91とシール部材92の間に配された回転体である螺旋ローラ93及び螺旋ローラ94と、クリーニングブレード91とシール部材92と螺旋ローラ93及び螺旋ローラ94を支持するケーシング95等を備えている。
この螺旋ローラ93及び螺旋ローラ94は、クリーニングブレード91よりも搬送方向の上流側に設けられており、中間転写ベルト8の表面上の異物を搬送方向と交差する方向に移動させる異物移送手段90の一部として機能する。
【0028】
クリーニング装置9の異物移送手段90は、図2から図4に示すように、中間転写ベルト8の表面と略平行かつ中間転写ベルト8の搬送方向と略直交する軸93s、94sを有し、その周面に螺旋状の凸条93h、94hが設けられている回転体である螺旋ローラ93及び螺旋ローラ94と、螺旋ローラ93及び螺旋ローラ94をその軸93s、94sを中心に回転させる螺旋ローラ駆動部901(回転駆動部)と、螺旋ローラ93及び螺旋ローラ94の凸条93h、94hを中間転写ベルト8の表面に接離させるように、螺旋ローラ93及び螺旋ローラ94の配置を切り替える螺旋ローラ接離機構部902(接離機構部)と、螺旋ローラ駆動部901と螺旋ローラ接離機構部902の動作を制御する異物移送制御部とを備えている。なお、このクリーニング装置9(異物移送手段90)の異物移送制御部の機能は、画像形成装置1の制御部50が担う。
【0029】
クリーニングブレード91は、中間転写ベルト8の表面に付着したトナーを含む異物を除去する部材である。
クリーニングブレード91は、張架ローラ82に対向した配置で中間転写ベルト8の回動方向に対してカウンター方向に、クリーニングブレード91の先端(エッヂ)を中間転写ベルト8の表面に当接させている。クリーニングブレード91の材質は、例えばウレタンゴムであるが、その他任意の弾性材料を用いてもよい。
【0030】
シール部材92は、張架ローラ88との間に中間転写ベルト8を挟む位置で、中間転写ベルト8の表面に当接している。シール部材92は、例えば可撓性を有する樹脂フィルムからなり、中間転写ベルト8の表面から除去された異物をケーシング95内に保持し、ケーシング95外へ異物がこぼれたり漏れたりしないように、中間転写ベルト8の表面に密接している。特に、シール部材92と張架ローラ88とで中間転写ベルト8を挟み込んでいるため、シール部材92と中間転写ベルト8の間に隙間ができにくくなっており、シール部材92は、回収した異物をケーシング95内に保持する良好なこぼれ防止機能を有している。
【0031】
螺旋ローラ93は、軸93sを有する芯金に、例えば、発泡スポンジ(NBR;ニトリルブタジエンゴム)を被せたローラであって、その周面に発泡スポンジからなる幅1.5mm、高さ1.5mmの凸条93hが60mmピッチの螺旋を成して2本(各凸条間30mm)形成されている。
同様に、螺旋ローラ94は、軸94sを有する芯金に、例えば、発泡スポンジ(NBR;ニトリルブタジエンゴム)を被せて成り、その周面に幅1.5mm、高さ1.5mmの凸条94hが60mmピッチの螺旋を成して2本(各凸条間30mm)形成されている。
この螺旋ローラ93と螺旋ローラ94は、それぞれ螺旋の向きが異なるように形成されており、例えば、螺旋ローラ93には右螺旋の凸条93hが形成されており、螺旋ローラ94には左螺旋の凸条94hが形成されている。
【0032】
この螺旋ローラ93及び螺旋ローラ94は、回転駆動部である螺旋ローラ駆動部901によって、それぞれ同じ回転方向に回転されるようになっている。
螺旋ローラ駆動部901は、例えば、周知の駆動モータや周知の駆動伝達機構を組み合わせてなる駆動機構部である。
【0033】
また、この螺旋ローラ93及び螺旋ローラ94は、接離機構部である螺旋ローラ接離機構部902によって、各ローラの周面の凸条93h、94hを中間転写ベルト8の表面に接離させるように、その配置が切り替えられるようになっている。
螺旋ローラ接離機構部902は、例えば、図5に示すように、偏心軸89sを有する偏心カム89を備えて構成されている。そして、螺旋ローラ接離機構部902が図示しないモータ等で偏心軸89sを回転させて偏心カム89を回動させることで、偏心カム89の外周が当接している螺旋ローラ93の軸93s、螺旋ローラ94の軸94sにそれぞれ押圧力を付与して、螺旋ローラ93と螺旋ローラ94をそれぞれ中間転写ベルト8の表面に接触する方向や、中間転写ベルト8の表面から離間する方向にスライド移動させる。
【0034】
具体的には、図5に示すように、偏心軸89sとの距離が比較的近い偏心カム89の外周端を螺旋ローラ93の軸93sに当接させるように螺旋ローラ接離機構部902を作動させることによって、螺旋ローラ93を中間転写ベルト8の表面から離間させることができる。
また、図5に示すように、偏心軸89sとの距離が比較的遠い偏心カム89の外周端を螺旋ローラ94の軸94sに当接させるように螺旋ローラ接離機構部902を作動させることによって、螺旋ローラ94を中間転写ベルト8の表面に接触させることができる。
なお、図5では、螺旋ローラ93を中間転写ベルト8の表面から離間させ、螺旋ローラ94を中間転写ベルト8の表面に接触させているが、それぞれの偏心カム89の向きを上記とは逆にする回動を行うことで、螺旋ローラ93を中間転写ベルト8の表面に接触させ、螺旋ローラ94を中間転写ベルト8の表面から離間させることができる。
また、螺旋ローラ93と螺旋ローラ94をともに中間転写ベルト8の表面から離間させることもできる。
なお、螺旋ローラ93及び螺旋ローラ94は、図示しないバネ部材などを有する付勢機構を介してケーシング95に弾性的に支持されており、中間転写ベルト8の表面から離間する方向に付勢されている。
【0035】
定着部22は、用紙Pに転写されたトナー像を定着させる。これにより、用紙Pにトナー像が定着して画像が形成される。この定着部22による定着処理を終えた用紙Pは排紙トレイ91に排紙される。
【0036】
すなわち、画像形成部20による画像形成とは、露光ユニット2Y、2M、2C、2Kにより各感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kに潜像を形成し、形成された潜像にトナーを付着させて現像したトナー像を中間転写ベルト8に一次転写し、さらに用紙Pに二次転写して、その用紙P上に転写されたトナー像を定着部22で定着する一連の動作のことを意味する。
【0037】
用紙収容部25は、複数の給紙トレイ25a、25b、25cと、給紙手段25dとを備えて構成されている。
給紙トレイ25a、25b、25cには、用紙Pの斤量やサイズ等に応じて識別された各種用紙が予め設定された種類毎に格納されている。
給紙手段25dは、各給紙トレイに収容されている用紙Pを最上部から1枚ずつ搬送部30に向けて給紙する。
【0038】
搬送部30は、用紙収容部25から画像転写部(中間転写ベルト8および二次転写ローラ21)に向かう搬送路Rと、その搬送路Rに配置されて用紙収容部25から給紙された用紙Pを画像転写部に搬送するための複数の搬送ローラ対(31、32、33)とにより構成されている。なお、搬送路Rの一部は、画像転写部から排紙トレイ91に向かう経路や、用紙の表裏を反転させるための経路に延在している。
特に、搬送部30は、搬送ローラ対として、搬送路Rにおいて画像転写部(中間転写ベルト8および二次転写ローラ21)の上流側直近に配されたレジストローラ32と、そのレジストローラ32の上流側に隣接して配されたループローラ31と、そのループローラ31と給紙トレイ(給紙手段25d)との間に配された給紙用ローラ33とを備えている。
【0039】
ループローラ31は、用紙Pの曲がり(斜行)を矯正する機能を有する。具体的には、ループローラ31を通過した用紙Pは、停止した状態のレジストローラ32に突き当たる。そして、そのレジストローラ32に突き当たった用紙Pは、さらにループローラ31により搬送されることで湾曲し、レジストローラ32のニップ線に倣って斜行が矯正される。
レジストローラ32は、画像形成に備えて搬送途中の用紙Pを挟持しながら用紙の搬送方向と直交する方向に揺動して、中間転写ベルト8に一次転写されたトナー像に対する用紙Pの位置調整を行う機能を有する。
【0040】
操作部40は、例えば、液晶表示パネルとその液晶表示パネルの表示画面上に設けられたタッチパネルとを備えて構成されており、液晶表示パネルに表示される各種操作キー等をタッチ操作することにより、タッチパネルがタッチ指示された位置を検出し、検出した位置に応じた操作信号を制御部50(CPU51)に出力するようになっている。
【0041】
また、画像形成装置1は、図2に示すように、装置の各部を統括制御する制御部50を備えており、その制御部50に、画像読取部10、画像形成部20、搬送部30、操作部40等が接続されている。
【0042】
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)51と、RAM(Random Access Memory)52と、ROM(Read Only Memory)53と、を備えて構成されている。
【0043】
CPU51は、ROM53に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM52に展開し、RAM52に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、画像形成装置1の各部を集中制御する。
【0044】
RAM52は、例えば揮発性のメモリであって、CPU51により実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有し、その情報を一時的に記憶する。
【0045】
ROM53は、例えば、画像形成装置1(CPU51)で実行可能なシステムプログラムや、そのシステムプログラムによって実行される各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータなどを記憶する。
例えば、ROM53は、中間転写ベルト8の表面に付着している残留トナーが中間転写ベルト8の幅方向に対する何れの範囲にあるか判断する作像位置判断プログラムと、クリーニング装置9の異物移送手段90を動作させる異物移送制御プログラム等を記憶している。
【0046】
ROM53に記憶されている作像位置判断プログラムは、画像形成装置1において画像形成(プリント)が実行された際、その画像形成を実行した画像データに基づいて、中間転写ベルト8の表面に転写されたトナー像が、中間転写ベルト8の幅方向の何れの範囲に形成されたか判断し、中間転写ベルト8の表面に付着している残留トナーの分布状態を判断する処理を制御部50に実現させるプログラムである。
そして、CPU51が、作像位置判断プログラムを実行すると、制御部50は、画像形成(プリント)を実行した画像データに基づいて、中間転写ベルト8の表面に付着している残留トナーの分布状態を判断する。
【0047】
また、ROM53に記憶されている異物移送制御プログラムは、螺旋ローラ93と螺旋ローラ94の回転方向及び/又は回転速度と、螺旋ローラ93と螺旋ローラ94を中間転写ベルト8の表面に接触させる時間の、少なくとも一方を調整する異物移送制御処理を制御部50に実現させるプログラムである。
そして、CPU51が、異物移送制御プログラムを実行すると、制御部50による作像位置判断に基づく、中間転写ベルト8の表面に付着している残留トナーの分布状態に応じて、中間転写ベルト8の表面の異物を移動させる方向に対応する一方の回転体(螺旋ローラ)を回転させて中間転写ベルト8の表面に接触させ、他方の回転体(螺旋ローラ)の回転を停止させて中間転写ベルト8の表面から離間させるように、異物移送手段90が駆動制御される。
【0048】
次に、本実施形態の画像形成装置1におけるクリーニング装置9の動作について説明する。
【0049】
画像形成装置1において画像形成(プリント)が実行されると、制御部50により作像位置判断が行われて、中間転写ベルト8の表面に付着している残留トナーの分布状態を判断する。
そして、制御部50によって判断された中間転写ベルト8の表面に付着している残留トナーの分布状態に応じて、制御部50が異物移送制御を実行し、中間転写ベルト8の表面の異物を移動させる方向に対応する一方の回転体(螺旋ローラ)を回転させて中間転写ベルト8の表面に接触させ、他方の回転体(螺旋ローラ)の回転を停止させて中間転写ベルト8の表面から離間させるように、異物移送手段90を駆動する。
【0050】
具体的には、図6(a)に示すように、中間転写ベルト8の表面、図中右側(図1の画像形成装置1の向きでは図中手前側)に、トナーを含む異物が付着している場合(残留トナーが多く分布していると判断された場合)、中間転写ベルト8の表面の異物を移動させる方向に対応する一方の螺旋ローラ93を回転させて中間転写ベルト8の表面に接触させ、他方の螺旋ローラ94の回転を停止させて中間転写ベルト8の表面から離間させる。
このように異物移送手段90を駆動することで、中間転写ベルト8の表面の右側(図6(a)での右側)に偏って付着していたトナーを含む異物を中間転写ベルト8の搬送方向と交差する方向、左側に向けて移動させ、トナーを含む異物を中間転写ベルト8の表面に満遍なく広げることができる。
【0051】
また、図6(b)に示すように、中間転写ベルト8の表面、図中左側(図1の画像形成装置1の向きでは図中奥側)に、トナーを含む異物が付着している場合(残留トナーが多く分布していると判断された場合)、中間転写ベルト8の表面の異物を移動させる方向に対応する一方の螺旋ローラ94を回転させて中間転写ベルト8の表面に接触させ、他方の螺旋ローラ93の回転を停止させて中間転写ベルト8の表面から離間させる。
このように異物移送手段90を駆動することで、中間転写ベルト8の表面の左側(図6(b)での左側)に偏って付着していたトナーを含む異物を中間転写ベルト8の搬送方向と交差する方向、右側に向けて移動させ、トナーを含む異物を中間転写ベルト8の表面に満遍なく広げることができる。
【0052】
このように、画像形成装置1において画像形成(プリント)が実行されると、中間転写ベルト8の表面に付着している残留トナーの分布状態に応じて、クリーニング装置9の異物移送手段90が駆動されて、中間転写ベルト8の表面に偏って付着していたトナーを含む異物を中間転写ベルト8の搬送方向と交差する方向に移動させ、残留トナー等を中間転写ベルト8の表面に満遍なく広げることができる。
そして、クリーニングブレード91は、中間転写ベルト8の表面に満遍なく広がったトナーを含む異物を掻き取るように除去することが可能になるので、そのクリーニングブレード91に磨耗の偏りが生じ難くなる。こうして、クリーニングブレード91の部分的な劣化を低減することができる。
【0053】
(実施形態2)
次に、本発明に係る画像形成装置およびクリーニング装置の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
【0054】
図7に示すように、クリーニング装置9は、所定の搬送方向に回動する中間転写ベルト8の表面に当接して、中間転写ベルト8の表面に付着したトナーを含む異物を除去するクリーニングブレード91と、クリーニングブレード91の上流側で中間転写ベルト8の表面に当接しているシール部材92と、クリーニングブレード91とシール部材92の間に配された回転体である螺旋ローラ93と、クリーニングブレード91とシール部材92と螺旋ローラ93を支持するケーシング95等を備えた構成であってもよい。
【0055】
このような1本の螺旋ローラ93を有するクリーニング装置9の場合、CPU51が、異物移送制御プログラムを実行すると、制御部50による作像位置判断に基づく、中間転写ベルト8の表面に付着している残留トナーの分布状態に応じて、中間転写ベルト8の表面の異物を移動させる方向に対応する回転方向に回転体(螺旋ローラ93)を回転させて中間転写ベルト8の表面に接触させるように、異物移送手段90が駆動制御される。
【0056】
具体的には、図7(a)に示すように、中間転写ベルト8の表面、図中右側(図1の画像形成装置1の向きでは図中手前側)に、トナーを含む異物が付着している場合(残留トナーが多く分布していると判断された場合)、中間転写ベルト8の表面の異物を移動させる方向に対応する回転方向(例えば、正方向)に螺旋ローラ93を回転させて中間転写ベルト8の表面に接触させる。
このように異物移送手段90を駆動することで、中間転写ベルト8の表面の右側(図7(a)での右側)に偏って付着していたトナーを含む異物を中間転写ベルト8の搬送方向と交差する方向、左側に向けて移動させ、トナーを含む異物を中間転写ベルト8の表面に満遍なく広げることができる。
【0057】
また、図7(b)に示すように、中間転写ベルト8の表面、図中左側(図1の画像形成装置1の向きでは図中手前側)に、トナーを含む異物が付着している場合(残留トナーが多く分布していると判断された場合)、中間転写ベルト8の表面の異物を移動させる方向に対応する回転方向(例えば、逆方向)に螺旋ローラ93を回転させて中間転写ベルト8の表面に接触させる。
このように異物移送手段90を駆動することで、中間転写ベルト8の表面の左側(図7(a)での左側)に偏って付着していたトナーを含む異物を中間転写ベルト8の搬送方向と交差する方向、右側に向けて移動させ、トナーを含む異物を中間転写ベルト8の表面に満遍なく広げることができる。
【0058】
このように、1本の螺旋ローラ93を有するクリーニング装置9であっても、画像形成装置1において画像形成(プリント)が実行されると、中間転写ベルト8の表面に付着している残留トナーの分布状態に応じて、クリーニング装置9の異物移送手段90が駆動されて、中間転写ベルト8の表面に偏って付着していたトナーを含む異物を中間転写ベルト8の搬送方向と交差する方向に移動させ、残留トナー等を中間転写ベルト8の表面に満遍なく広げることができる。
そして、クリーニングブレード91は、中間転写ベルト8の表面に満遍なく広がったトナーを含む異物を掻き取るように除去することが可能になるので、そのクリーニングブレード91に磨耗の偏りが生じ難くなる。こうして、クリーニングブレード91の部分的な劣化を低減することができる。
【0059】
(実施形態3)
次に、本発明に係る画像形成装置およびクリーニング装置の実施形態3について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
【0060】
図8に示すように、クリーニング装置9aは、所定の搬送方向に回動する中間転写ベルト8の表面に当接して、中間転写ベルト8の表面に付着したトナーを含む異物を除去するクリーニングブレード91と、クリーニングブレード91の上流側で中間転写ベルト8の表面に当接しているシール部材92と、クリーニングブレード91とシール部材92の間に配された複数の短冊状部材96と、クリーニングブレード91とシール部材92と短冊状部材96等を支持するケーシング95等を備えた構成であってもよい。
この複数の短冊状部材96は、クリーニングブレード91よりも搬送方向の上流側に設けられており、中間転写ベルト8の表面上の異物を搬送方向と交差する方向に移動させる異物移送手段90aの一部として機能する。
【0061】
クリーニング装置9aの異物移送手段90aは、図8(a)、図9に示すように、中間転写ベルト8の表面に当接し、互いに平行の配置をとる複数の短冊状部材96と、複数の短冊状部材96の略中央部と係合して各短冊状部材96の向きを切り替え可能に支持している軸部97と、複数の短冊状部材96の両端側に連結している無端状のベルト部材98と、軸部97の両端近傍でベルト部材98が懸架されている滑車99と、複数の短冊状部材96の向きを切り替える傾斜切替機構部901aと、傾斜切替機構部901aの動作を制御する異物移送制御部とを備えている。なお、このクリーニング装置9a(異物移送手段90a)の異物移送制御部の機能は、画像形成装置1の制御部50が担う。
【0062】
複数の短冊状部材96は、例えば、発泡スポンジ(NBR;ニトリルブタジエンゴム)製の板状部材であって、中間転写ベルト8側の側面を中間転写ベルト8の表面に当接させている。
この複数の短冊状部材96は、傾斜切替機構部901aによって、互いに平行の配置をとりつつ、中間転写ベルト8の搬送方向に対する向きが切り替えられるようになっている。
【0063】
傾斜切替機構部901aは、例えば、周知の駆動モータや周知の駆動伝達機構を組み合わせてなる駆動機構部である。
この傾斜切替機構部901aが図示しないモータ等で滑車99を回動させてベルト部材98を回動させることで、ベルト部材98に連結されている複数の短冊状部材96を、中間転写ベルト8の搬送方向に対する任意の角度に傾斜させる。
具体的には、図8(b)に示すように、傾斜切替機構部901aによって滑車99を図中反時計回りに所定量回動させて、ベルト部材98を図中反時計回りに所定量回動させることによって、複数の短冊状部材96を中間転写ベルト8の搬送方向に対して左傾斜に切り替えることができる。
また、図8(c)に示すように、傾斜切替機構部901aによって滑車99を図中時計回りに所定量回動させて、ベルト部材98を図中時計回りに所定量回動させることによって、複数の短冊状部材96を中間転写ベルト8の搬送方向に対して右傾斜に切り替えることができる。
【0064】
そして、例えば画像形成装置1のROM53は、クリーニング装置9aの異物移送手段90aを動作させる異物移送制御プログラム等を記憶している。
このROM53に記憶されている異物移送制御プログラムは、中間転写ベルト8の表面上の異物を移動させる方向に応じて、中間転写ベルト8の搬送方向に対する短冊状部材96の向きを調整する異物移送制御処理を制御部50に実現させるプログラムである。
そして、CPU51が、異物移送制御プログラムを実行すると、制御部50による作像位置判断に基づく、中間転写ベルト8の表面に付着している残留トナーの分布状態に応じて、中間転写ベルト8の表面の異物を移動させる方向に対応する向き、角度に複数の短冊状部材96の傾斜を調整するように、異物移送手段90aが駆動制御される。
【0065】
次に、本実施形態の画像形成装置1におけるクリーニング装置9aの動作について説明する。
【0066】
画像形成装置1において画像形成(プリント)が実行されると、制御部50により作像位置判断が行われて、中間転写ベルト8の表面に付着している残留トナーの分布状態を判断する。
そして、制御部50によって判断された中間転写ベルト8の表面に付着している残留トナーの分布状態に応じて、制御部50が異物移送制御を実行し、中間転写ベルト8の表面の異物を移動させる方向に対応する向き、角度に複数の短冊状部材96の傾斜を切り替えるように、異物移送手段90を駆動する。
【0067】
具体的には、図8(a)に示すように、中間転写ベルト8の表面にトナーを含む異物が付着していない場合(残留トナーが殆ど付着していないと判断された場合)や、中間転写ベルト8の表面にトナーを含む異物が全体的にほぼ均一に付着している場合(残留トナーがほぼ均一に分布していると判断された場合)は、複数の短冊状部材96を中間転写ベルト8の搬送方向に沿うように、搬送方向と平行に切り替える。
【0068】
また、図8(b)に示すように、中間転写ベルト8の表面、図中右側(図1の画像形成装置1の向きでは図中奥側)に、トナーを含む異物が付着している場合(残留トナーが多く分布していると判断された場合)、中間転写ベルト8の表面の異物を図中左側に移動させるように、複数の短冊状部材96を左傾斜に切り替える。
このように異物移送手段90aを駆動することで、中間転写ベルト8の表面の右側(図8(b)での右側)に偏って付着していたトナーを含む異物を中間転写ベルト8の搬送方向と交差する方向、左側に向けて移動させ、トナーを含む異物を中間転写ベルト8の表面に満遍なく広げることができる。
【0069】
また、図8(c)に示すように、中間転写ベルト8の表面、図中左側(図1の画像形成装置1の向きでは図中奥側)に、トナーを含む異物が付着している場合(残留トナーが多く分布していると判断された場合)、中間転写ベルト8の表面の異物を図中右側に移動させるように、複数の短冊状部材96を右傾斜に切り替える。
このように異物移送手段90aを駆動することで、中間転写ベルト8の表面の左側(図8(b)での左側)に偏って付着していたトナーを含む異物を中間転写ベルト8の搬送方向と交差する方向、右側に向けて移動させ、トナーを含む異物を中間転写ベルト8の表面に満遍なく広げることができる。
【0070】
このように、画像形成装置1において画像形成(プリント)が実行されると、中間転写ベルト8の表面に付着している残留トナーの分布状態に応じて、クリーニング装置9aの異物移送手段90aが駆動されて、中間転写ベルト8の表面に偏って付着していたトナーを含む異物を中間転写ベルト8の搬送方向と交差する方向に移動させ、残留トナー等を中間転写ベルト8の表面に満遍なく広げることができる。
そして、クリーニングブレード91は、中間転写ベルト8の表面に満遍なく広がったトナーを含む異物を掻き取るように除去することが可能になるので、そのクリーニングブレード91に磨耗の偏りが生じ難くなる。こうして、クリーニングブレード91の部分的な劣化を低減することができる。
【0071】
なお、クリーニング装置9aの動作は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、制御部50が異物移送制御を実行することで、複数の短冊状部材96の向きを中間転写ベルト8の搬送方向に対する右傾斜と左傾斜を交互に連続して切り替えるように、異物移送手段90を駆動してもよい。
このように、複数の短冊状部材96を動かし続けるように、右傾斜と左傾斜を連続して切り替えるようにすることで、中間転写ベルト8の表面に偏って付着していたトナーを含む異物を、中間転写ベルト8の全面に散らすように移動させ、残留トナー等を中間転写ベルト8の表面に満遍なく広げることができる。
そして、クリーニングブレード91は、中間転写ベルト8の表面に満遍なく広がったトナーを含む異物を掻き取るように除去することが可能になるので、そのクリーニングブレード91に磨耗の偏りが生じ難くなる。こうして、クリーニングブレード91の部分的な劣化を低減することができる。
【0072】
なお、以上の実施の形態においては、クリーニング部材としてクリーニングブレード91を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば回転ブラシや帯電ローラなど、中間転写ベルト8の表面から残留トナーを除去できるものであれば、他のクリーニング部材であってもよい。
【0073】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0074】
1 画像形成装置
4Y、4M、4C、4K 感光体ドラム(像担持体)
8 中間転写ベルト(クリーニング対象物)
9、9a クリーニング装置
90、90a 異物移送手段
901 螺旋ローラ駆動部(回転駆動部)
902 螺旋ローラ接離機構部(接離機構部)
89 偏心カム
91 クリーニングブレード(クリーニング部材)
92 シール部材
93 螺旋ローラ(回転体)
93s 軸
93h 凸条
94 螺旋ローラ(回転体)
94s 軸
94h 凸条
95 ケーシング
96 短冊状部材
97 軸部
98 ベルト部材
99 滑車
10 画像読取部
20 画像形成部
22 定着部
25 用紙収容部
30 搬送部
40 操作部
50 制御部(異物移送制御部)
P 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の搬送方向に回動するクリーニング対象物の表面に付着したトナーを含む異物を除去するクリーニング部材と、
前記クリーニング部材よりも搬送方向上流側に設けられ、前記クリーニング対象物の表面上の前記異物を前記搬送方向と交差する方向に移動させる異物移送手段と、
を備えたことを特徴とするクリーニング装置。
【請求項2】
前記異物移送手段は、
前記クリーニング対象物の表面と略平行かつ前記搬送方向と略直交する軸を有し、その周面に螺旋状の凸条が設けられている回転体と、
前記回転体を前記軸を中心に回転させる回転駆動部と、
前記回転体の凸条を前記クリーニング対象物の表面に接離させるように、前記回転体の配置を切り替える接離機構部と、
前記回転駆動部と前記接離機構部の動作を制御する異物移送制御部と、
を備え、
前記異物移送制御部は、前記回転体の回転方向及び/又は回転速度と、前記回転体を前記クリーニング対象物の表面に接触させる時間の、少なくとも一方を調整することを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
【請求項3】
前記異物移送手段は、右螺旋の凸条が設けられた回転体と、左螺旋の凸条が設けられた回転体の、2つの回転体を備えていることを特徴とする請求項2に記載のクリーニング装置。
【請求項4】
前記2つの回転体は、同じ回転方向に回転するように構成されており、
前記異物移送制御部は、前記異物を移動させる方向に対応する一方の回転体を回転させて前記クリーニング対象物の表面に接触させ、他方の回転体の回転を停止させて前記クリーニング対象物の表面から離間させることを特徴とする請求項3に記載のクリーニング装置。
【請求項5】
前記異物移送手段は、
前記クリーニング対象物の表面に当接し、互いに平行の配置をとる複数の短冊状部材と、
前記短冊状部材の向きを切り替える傾斜切替機構部と、
前記傾斜切替機構部の動作を制御する異物移送制御部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
【請求項6】
前記異物移送制御部は、前記異物を移動させる方向に応じて、前記搬送方向に対する前記短冊状部材の向きを調整することを特徴とする請求項5に記載のクリーニング装置。
【請求項7】
前記異物移送制御部は、前記短冊状部材の向きを前記搬送方向に対する右傾斜と左傾斜を交互に連続して切り替える調整を行うことを特徴とする請求項5に記載のクリーニング装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載のクリーニング装置と、トナー像を担持する像担持体と、前記像坦持体から用紙に転写されたトナー像を定着する定着部と、を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−220696(P2012−220696A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85870(P2011−85870)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】