説明

クリーニング装置及び画像形成装置

【課題】現像剤を搬送スクリューによって搬送するときに、現像剤搬送方向の上流側で現像剤量が所定範囲にあるようにする。
【解決手段】搬送スクリュー9は、現像剤収容部の長手方向の同一軸上で回転する第一搬送スクリュー9aと第二搬送スクリュー9bとを有し、第一搬送スクリューは現像剤排出口側に配置され、第二搬送スクリューは現像剤排出口の反対側に配置され、第一搬送スクリューは、回収現像剤を排出口へ搬送するように所定速度で駆動制御され、第二搬送スクリューは、検知手段による検知結果に応じて正逆転駆動制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤収容部内の現像剤を搬送して排出口から排出するクリーニング装置及びこれを用いる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置にあっては、像担持体である感光体ドラムに現像剤像を形成し、その現像剤像を記録媒体に転写して画像を形成する。このとき、感光体ドラムから記録媒体に現像剤が完全に転写しきれず、わずかな現像剤が像担持体に残留する。この残留現像剤をクリーニング装置によって除去回収している。
【0003】
クリーニング装置としては、例えば感光体ドラムの長手方向周面にクリーニングブレードを圧接し、このブレードで感光体ドラムに残留した現像剤を掻き取り、感光体ドラムの長手方向に沿って配置された現像剤収容部に回収する。現像剤収容部内には感光体ドラムの回転軸と略平行な軸線を中心に回転可能な搬送スクリューが設けられており、現像剤収容部に回収した現像剤を長手方向の一方側から他方側に搬送し、該他方側に設けた現像剤排出口から現像剤溜部へと排出するようにしている。
【0004】
このように回収した現像剤を搬送スクリューで搬送するクリーニング装置にあっては、搬送スクリューの長手方向において均一に現像剤を搬送するのではなく、現像剤搬送方向の上流側(以下、単に「上流側」という)と下流側(以下、単に「下流側」という)とで搬送する現像剤量を変えたものがある。
【0005】
例えば、下流側の羽根スクリューピッチを上流側よりも大きく構成したものがある(特許文献1)。あるいは、下流側の羽根スクリュー外径を上流側より大きくしたものがある(特許文献2)。これらは、搬送スクリューで現像剤を搬送する場合、上流側に比べて下流側で現像剤が堆積し易くなるため、下流側の現像剤搬送力が大きくなるように構成することで、現像剤詰まりを生じないようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006‐251114
【特許文献2】特開平05‐072952
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、現像剤を用いた画像形成装置においては、現像剤の中に研磨剤を含有させ、これによる研磨効果によって感光体ドラム表面上の微細な異物等を除去する方法が用いられるようになっている。特に、感光体ドラムから回収した現像剤を搬送スクリューによって感光体ドラムの長手方向一方側から他方側へ搬送するクリーニング装置を備えた画像形成装置にあっては、回収現像剤を搬送スクリューで搬送する間に感光体ドラムに接触させることで回収現像剤により感光体ドラムの表面を研磨することができる。
【0008】
しかし、長手方向に均一な搬送力をもつ搬送スクリューを回転させて長手方向の一方側から他方側へ現像剤を搬送して排出口から排出する場合、長手方向の下流側では上流側から現像剤が搬送されて滞留するが、上流側では滞留しない。このため、感光体ドラムの長手方向において、前記下流側では研磨剤による研磨効果が得られるが、上流側では研磨剤による研磨効果が低下する。その結果、研磨効果が少ない上流側では画像が白く抜けてしまう画像不良を生ずることがある。
【0009】
そこで、現像剤による研磨効果を得るために、搬送スクリューによる現像剤搬送力を上流側と下流側とで異ならせることが考えられる。しかし、特許文献1、2に示す構成にあっては、下流側の現像剤搬送力のほうが大きいため、下流側で現像剤が詰まることを防止することはできるものの、上流側で回収現像剤を効果的に滞留させることは困難である。
【0010】
また、搬送スクリューの回転速度を制御し、あるいは搬送スクリューの螺旋の向きを一部逆向きにすることで回収した現像剤を感光体ドラムの長手方向に均一にすることも考えられる。しかし、この場合でも感光体ドラムの長手方向の一方側から他方側へ現像剤を搬送するクリーニング装置にあっては長手方向の全域で現像剤量を調整することはできても、上流側のみ調整することは難しい。
【0011】
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的は、現像剤収容部内の現像剤を搬送スクリューによって搬送するときに、現像剤搬送方向の上流側で現像剤量が所定範囲にあるようにしたクリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、像担持体から回収した現像剤を現像剤収容部に収容し、搬送部材によって前記現像剤収容部内の現像剤を排出口へ搬送して排出するクリーニング装置において、回収された現像剤を収容する長手形状の現像剤収容部と、前記現像剤収容部の長手方向の一方側端部に設けられた現像剤排出口と、前記現像剤収容部に回収された現像剤を前記像担持体の長手方向に沿わせて前記現像剤排出口へ向けて搬送する搬送部材と、前記現像剤収容部に収容された現像剤量を検知する検知手段と、を有し、前記搬送部材は、前記現像剤収容部の長手方向に回転する第一搬送スクリューと第二搬送スクリューとを有し、前記第一搬送スクリューは前記現像剤排出口側に配置され、前記第二搬送スクリューは前記第一搬送スクリューを挟んで前記現像剤排出口の反対側に配置され、前記第一搬送スクリューは、現像剤を前記排出口へ搬送するように所定速度で駆動制御され、前記第二搬送スクリューは、前記検知手段による検知結果に応じて正逆転駆動制御されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明にあっては、現像剤収容部内の現像剤は、搬送方向上流側では第二搬送スクリューによって搬送される。そして、第二搬送スクリューは検知手段の検知結果に応じて回転方向が駆動制御されるため、現像剤が滞留し難い現像剤収容部の上流側においても現像剤量を微細に制御可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】電子写真の画像形成装置の模式説明図である。
【図2】クリーニング装置の模式説明図である。
【図3】クリーニング装置の斜視説明図である。
【図4】クリーニング装置の構成説明図である。
【図5】搬送スクリューの連結構成の説明図である。
【図6】搬送スクリューの連結構成の説明図である。
【図7】搬送スクリューの羽根形状の説明図である。
【図8】搬送スクリューの羽根の説明図である。
【図9】閾値A、Bと第二搬送スクリューの駆動を示す関係図である。
【図10】閾値A、B、Cと第二搬送スクリューの駆動を示す関係図である。
【図11】閾値A、B、Cを設定した第二搬送スクリューの駆動動作を示すフローチャートである。
【図12】閾値A、B、Dと第二搬送スクリューの駆動を示す関係図である。
【図13】装置環境を考慮した第二搬送スクリューの駆動動作を示すフローチャートである。
【図14】実験で用いた搬送スクリューの形状を示す説明図である。
【図15】実験1の結果を示すグラフである。
【図16】実験2の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明を実施するための一形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
〔第1実施形態〕
<画像形成装置の全体構成>
図1は本実施形態に係るクリーニング装置を備えた画像形成装置の模式断面説明図である。本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真方式による複写機、プリンタ等として用いられるものである。
【0017】
まず、本実施形態の画像形成装置Aの全体構成を画像形成動作とともに説明する。画像形成に際しては、図1の矢印A方向に回転する像担持体としての感光体ドラム1に帯電ローラ2によって帯電バイアスが印加され、感光体ドラム1の表面が一様に帯電される。この感光体ドラム1に図示しない露光手段から画像信号に応じたレーザ光3が照射され、感光体ドラムに静電潜像が形成される。この静電潜像を現像装置4によって現像し、現像剤による現像剤像を形成する。
【0018】
上記現像剤像の形成と同期するように、記録媒体6を搬送手段(図示せず)によって転写部へ搬送する。この転写部は感光体ドラム1と転写ローラ5とのニップ部で構成され、前記ニップ部に記録媒体6が搬送されてきたときに、転写ローラ5に転写バイアスを印加して感光体ドラム1に形成された現像剤像を記録媒体に転写する。現像剤像が転写された記録媒体は定着装置(図示せず)に搬送されて加熱、加圧されて現像剤像が記録媒体に定着された後、排出部へと排出される。
【0019】
一方、感光体ドラム1上の現像剤は、転写部において記録媒体にすべて転写されず、微少な現像剤が感光体ドラム1に残留する。この残留現像剤をクリーニング装置Bによって除去回収し、感光体ドラム1には次の現像剤像が形成される。
【0020】
<クリーニング装置>
本実施形態のクリーニング装置は、図1及び図2に示すように、板金で構成した支持部材7aの端部にポリウレタン、クロロプレンゴムのエラストマー等適度の弾性と硬度を有する短冊状のゴム部材7bを取り付けたクリーニングブレード7が現像剤収容部8に取り付けられている。
【0021】
ゴム部材7bは感光体ドラム1の長手方向長さと略同じ長さを有し、感光体ドラム1の周面に圧接している。このゴム部材7bによって感光体ドラム1に残留した現像剤を掻き取り、回収した現像剤を現像剤収容部8に収容する。
【0022】
現像剤収容部8は感光体ドラム1の長手方向に沿って配置されたダクト形状を有し、内部に回収したトナーを搬送する搬送部材である搬送スクリュー9が回転可能に配置されている。この搬送スクリュー9は、感光体ドラム1から回収した現像剤を現像剤収容部8内の長手方向一方側から他方側へ感光体ドラム1の長手方向に沿って搬送するものである。そして、図3に示すように、現像剤収容部8の長手方向の一方側端部には回収した現像剤を回収ボックス10に排出するための排出口8aが設けられている。
【0023】
これにより、感光体ドラム1に残留した現像剤は、クリーニングブレード7によって掻き取られて現像剤収容部8に回収される。現像剤収容部8内に回収された現像剤は、搬送スクリュー9によって感光体ドラム1の長手方向に沿って排出口8aへと搬送され、排出口8aから回収ボックス10へと排出される。
【0024】
なお、本実施形態の現像剤には研磨剤が含有されており、現像剤収容部8に回収した現像剤が回転する感光体ドラム1の表面と摺擦することで感光体ドラム1の表面に付着した微細な異物等を除去するようにしている。そのため、本実施形態では現像剤収容部8を感光体ドラム1の上方に配置し、回収した現像剤が感光体ドラム1に接触し易いように配置している。
【0025】
また、本実施形態にあっては、現像剤収容部8に回収した現像剤により感光体ドラム1の表面の研磨が効果的に行われるように、搬送スクリュー9を構成し、かつその駆動を制御するように構成している。この搬送スクリュー9の構成及び搬送スクリュー9の駆動制御については後述する。
【0026】
<現像剤>
ここで、本実施形態に用いられる現像剤について説明する。現像剤は磁性樹脂粒子が一般的であり、磁性樹脂粒子の母体は主に、結着樹脂で構成されており、内部に帯電制御剤や磁性粉が含有されている。帯電安定性や潤滑性付与、研磨性付与、飛散防止といった性能を向上させる目的で配合される外添剤はその母体の周りに付着している。
【0027】
回収現像剤には感光体ドラム1を研磨する酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウムのような研磨剤が含まれており、感光体ドラムの帯電ローラ2との当接部で帯電ローラからの電圧印加による放電によって付着する放電生成物などを除去することで画像不良を防ぐ効果がある。
【0028】
ここで研磨粒子として外添されるチタン酸ストロンチウムの外添量はトナー粒子100重量部に対して、好ましくは0.1〜25重量部、さらに好ましくは2. 0〜3. 0重量部が好ましい。0.1重量部より少ないと研磨効果が十分に発揮されず、また、25重量部より多いと凝集性が上がり、現像性が低減したり、研磨効果が強過ぎて感光体を削り過ぎたり、傷を発生させたりするからである。
【0029】
研磨剤としては、チタン酸ストロンチウムを用いたが、同様な研磨剤としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニア、酸化クロム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化銅、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム等の酸化物、炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化ホウ素、炭化チタン等の炭化物、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物や、他の有機物粒子等も用いてもよい。
【0030】
トナーに添加する研磨剤は、キュービック型の粒子が研磨効果が高く好ましい。キュービック型の粒子は、平均粒径が30〜300nmであり、好ましくは40〜250nmあることがさらに好ましい。平均粒径が30nm未満ではクリーナ部における粒子の研磨効果が不十分である。一方、300nmを超えると研磨効果が強すぎるため感光体ドラム1にキズが発生するため適さない。
【0031】
また、本実施形態にあっては、上記にて述べたように研磨剤のような外添剤を含有する磁性回収現像剤の他に、粉体粒子全般を回収対象物とすることができる。
【0032】
<搬送スクリュー>
次に本実施形態に係る搬送スクリュー9の構成について説明する。図3は本実施形態に係るクリーニング装置Bの構成を表した斜視図であり、図4はクリーニング装置Bの模式図である。
【0033】
回収した現像剤が現像剤収容部8内にある程度滞留して感光体ドラムを摺擦しないと、回収現像剤に含まれる研磨剤による感光体ドラム1の研磨効果が薄れ、画像不良が発生し易くなる。この回収現像剤の滞留不足は搬送スクリュー9の現像剤搬送方向上流側(以下、「上流側」という)で生じ易い。そこで、本実施形態では搬送スクリュー9を第一搬送スクリュー9aと第二搬送スクリュー9bとに分けてそれぞれ独立して回転可能とし、上流側の第二搬送スクリュー9bの駆動制御を行うことで現像剤収容部8内の現像剤の滞留を制御するものである。
【0034】
現像剤収容部8内には感光体ドラム1の長手方向に沿って現像剤を搬送する搬送スクリュー9が設けられている。この搬送スクリュー9は、図4に示すように、現像剤収容部8の長手方向の同一軸上で回転する第一搬送スクリュー9aと、第二搬送スクリュー9bとを有し、前記第一搬送スクリュー9aは現像剤排出口側に配置され、第二搬送スクリュー9bは第一搬送スクリュー9aを挟んで前記現像剤排出口の反対側に配置されている。
【0035】
(材質)
搬送スクリュー9の材質としては、モールド材やアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂材が挙げられる。ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、クロロプレン、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、二トリルゴム、クロロプレンゴム等のエラストマーといった、ゴム材を使用してもよい。
【0036】
(連結構成)
本実施形態の搬送スクリュー9は、図5に示すように、第一搬送スクリュー9aの軸端9a1と第二搬送スクリュー9bの軸端9b1が、内部に連結部材11を介して回動自在に連結されており、両スクリュー9a,9bは同一軸上で回転可能に支持されている。
【0037】
連結部材11としては、搬送スクリュー9a,9bと同一の材質を用いてもよく、金属系の材質、たとえば銅、アルミ、スズ、鉄、ニッケルなどでもよい。搬送スクリュー9a,9bの材質より摩擦係数が小さい部材を用いてもよい。連結部材11の形状は、連結される搬送スクリュー9a,9bの摺動性を妨げないように、円筒、あるいは球形のものが好ましい。また、連結部材11は搬送スクリュー9a,9bの互いの回転を妨げないように連結されていればよく、内部に現像剤が固着しにくい構成が好ましい。
【0038】
図5における連結部材11の長さCは5〜50mm、好ましくは20〜30mmが好ましい。5mmより小さい場合、第一搬送スクリュー9aと第二搬送スクリュー9bの連結が弱くなり、搬送スクリューの軸が定まらず一定の動作が行われず、連結部が外れてしまうおそれもある。また50mmより大きいと、摺動部の摩擦が大きくなり搬送スクリューの動作を阻害することになる。
【0039】
さらに、第一搬送スクリュー9aと第二搬送スクリュー9bの連結部の摺動性をあげるために、グリスや二硫化モリブデンといった滑り性をあげる物質を連結部材11の内部や表面に塗布してもよい。
【0040】
図5に示すように、連結部材11を用いて両搬送スクリュー9a,9bを連結することにより、第一搬送スクリュー9aと第二搬送スクリュー9bとの連結部に凹凸が生じないため、連結部に現像剤の付着等が発生し難くなる。
【0041】
もっとも、第一搬送スクリュー9aと第二搬送スクリュー9bの連結部は、図5に示すように、凹凸が生じないようにすることが好ましいが、現像剤搬送に支障を生じなければ、図3及び図4に示すように、連結部がスクリュー軸より多少突出した構成であってもよい。
【0042】
また、第一搬送スクリュー9aと第二搬送スクリュー9bの連結構成は、図6に示すようにしてもよい。すなわち、第一搬送スクリュー9aよりも第二搬送スクリュー9bの軸径を太く構成し、第二搬送スクリュー9bに形成した嵌合穴に第一搬送スクリュー9aの端部を挿入して回動可能に連結したものである。このようにすることで、連結部材を用いることなく両搬送スクリュー9a,9bを連結することができる。
【0043】
上記のようにして同一軸上でそれぞれが回転可能に連結された搬送スクリュー9は、図3に示すように、第一搬送スクリュー9aが第一駆動源12aとギアを介して連結し、第二搬送スクリュー9bもギアを介して第二駆動源12bと連結している。
【0044】
従って、第一搬送スクリュー9aと第二搬送スクリュー9bとは、回転速度、回転方向が独立して回転可能に構成されている。そして、それぞれの搬送スクリュー9a,9bには回転軸に螺旋状の羽根9a2,9b2が設けられ、この羽根9a2,9b2が回転することで現像剤収容部8内の現像剤が排出口8aに向かって搬送される。
【0045】
また、第一搬送スクリュー9aと第二搬送スクリュー9bを同一軸上で回転するように構成したために、一本の搬送スクリューと同じスペースで現像剤収容部8内の長手方向の現像剤量を均一に保つことが可能となる。もっとも、第一搬送スクリュー9aと第二搬送スクリュー9bは現像剤を順次下流側へ搬送できれば必ずしも同一軸上で回転するものでなくてもよい。
【0046】
(第二搬送スクリューの長さ)
前述のように、現像剤収容部8内の現像剤を搬送するにあたり、上流側の第二搬送スクリュー9bの駆動制御を行うことで現像剤収容部8内の現像剤の滞留を制御する。そのために、搬送スクリュー9全体のうち、上流側に位置する第二搬送スクリュー9bの長さは、感光体ドラム1の長手方向長さの1/5以上1/2以下の範囲にあることが望ましい。1/5より短いと、第二搬送スクリュー9bにより搬送される回収現像剤量が少なく現像剤量の調整ができない。一方、1/2より長いと上流側での現像剤量の調整が難しくなるからである。
【0047】
(羽根形状)
本実施形態の搬送スクリュー9の羽根形状は、円形のものが好ましいが切り込みや凹凸がついていてもよい。図7に示すのは搬送羽根形状の例である。図7A、Bは搬送羽根の一部の形状を変更して現像剤の滞留性を向上させたものである。円形の羽根の一部に切り込みを入れることで現像剤の搬送性を抑え、より現像剤が滞留するようになる。また図7Cに示すように、羽根と羽根の間の軸に突起をつけたり、図7Dに示すように、搬送羽根に突起をつけた構成をとってもよい。
【0048】
回収現像剤が現像剤収容部8内に堆積してくるとスクリューの羽根、軸は回収現像剤が固着し易くなる。軸や羽根に上記のような突起をつけることで、現像剤の固着を防ぎ、現像剤の搬送の妨げを防ぐ。また搬送羽根の外径は長手方向に統一されているものを本実施形態では使用しているが、図7Eのように一部の搬送羽根外径が異なるスクリューを使用してもよい。図7Eは2種類の外径の羽根を交互に配置した場合を示しているが、羽根外径の種類は2種類以上でもよく、また配置もこれに限ったものではなく、2個置きに配置したり自由に選択できうる。
【0049】
(羽根ピッチ)
図8は搬送スクリューの拡大図である。間隔aは搬送スクリュー上の羽根の間隔を示したもので、本実施形態では羽根ピッチ幅と表記する。また、間隔bはスクリュー上の羽根の外径を示したもので本実施形態では羽根外径と表記する。
【0050】
羽根のピッチ幅は5〜30mm、好ましくは10〜20mmが望ましい。5mmよりピッチ幅が細かくなると、現像剤の搬送力が増して、現像剤の滞留が悪くなる。また羽根が密集しすぎることにより現像剤の凝集、固着も引き起こされる。30mmよりピッチ幅が大きくなると現像剤の搬送性が小さくなり、現像剤の滞留はあがるが、一部に大量に現像剤が送りこまれたときの対応がとれずクリーニング不良を引き起こしてしまう。
【0051】
さらに、搬送スクリュー9の羽根外径は現像剤収容部8の図2に示した断面積S1に対して、羽根外径の占める面積S2が20〜80%好ましくは30〜50%になることがよい。羽根外径の面積が現像剤収容部8の断面積の80%より多く占めると、回収現像剤の搬送量が多くなり、本実施形態で狙う回収現像剤の十分な滞留が望めない。また20%より小さいと逆に回収現像剤が滞留しすぎて、現像剤収容部内の凝集や固着を引き起こしクリーニング不良につながる。
【0052】
<搬送スクリューの駆動制御>
次に搬送スクリュー9の駆動制御について、特に第二搬送スクリュー9bの駆動制御を中心に説明する。
【0053】
本実施形態にあっては、現像剤収容部8に回収された現像剤量を検知するための検知手段が設けられ、この検知手段による検知結果に応じて現像剤収容部8内の現像剤量が所定範囲にあるように第二搬送スクリュー9bの回転速度及び回転方向を制御する。
【0054】
(現像剤量検知手段)
現像剤収容部8内の現像剤量を検知する検知手段として、本実施形態では図4に示すように、第二搬送スクリュー9bを駆動する第二駆動源12bの駆動トルクをトルク検知部13によって検知し、その値によって現像剤収容部8に回収された現像剤のうち、特に搬送方向上流側の現像剤量を検知するようにしている。
【0055】
具体的には、第二搬送スクリュー9bの駆動系、例えばギアなどにかかるトルクを電圧値に換算して検知する。すなわち、現像剤量が多いときはトルクが大きく、現像剤量が少なくなるとトルクは小さくなる。そして、前記トルク値の変動によって、駆動源の回転数、回転方向などを制御し、第二搬送スクリュー9bの駆動制御を行う。
【0056】
なお、現像剤量の検知手段の構成としては、前記トルク検知でなくてもよい。例えば、磁性現像剤のように磁力を有する現像剤を用いる場合には、透磁率センサを用いて現像剤量を検知するようにしてもよい。透磁率センサは内蔵された電磁コア内を通過する磁力線の本数から透磁率センサに接する現像剤量を計測し、これにより現像剤収容部8内の現像剤量を検知する。
【0057】
上記現像剤量検知手段による検知結果に応じ、CPU等からなる制御部14により、第二駆動源12bの回転方向や回転速度を制御する。
【0058】
(駆動制御)
現像剤に研磨剤を含有させ、画像流れの発生を抑制する場合、感光体ドラム上に回収した現像剤を一定量に保つことが研磨効果を維持するのに必要である。本実施形態では第一搬送スクリュー9aと第二搬送スクリュー9bの回転方向、回転速度をそれぞれ独立して駆動制御可能としている。これにより、特に上流側の現像剤量が所定範囲にあるように、上流側に位置する第二搬送スクリュー9bの駆動を現像剤量に応じて制御することで、滞留し難い感光体ドラムの上流側での現像剤量を制御して研磨効果を維持する。
【0059】
本実施形態の搬送スクリュー9の駆動制御を説明するにあたり、第一搬送スクリュー9a及び第二搬送スクリュー9bが正回転したときに現像剤を図3の矢印X1方向に搬送し、逆回転したときに図3の矢印X2方向に搬送することとして説明する。
【0060】
本実施形態では下流側の第一搬送スクリュー9aは常に一定の所定速度で正回転させて現像剤を排出口8aへ搬送する。一方、上流側の第二搬送スクリュー9bは第一搬送スクリュー9aと同じ速度で回転させるが、回転方向は現像剤量に応じて正回転駆動又は逆回転駆動させる。これにより、現像剤収容部8内の現像剤量が所定範囲にあるようにしている。
【0061】
具体的には前記所定範囲の下方側閾値(下限設定値)をA、上方側閾値(上限設定値)をBとしたとき、図9に示すように、検知手段としてのトルク検知部13が上方側閾値Bを検知するまでは第二搬送スクリュー9bを逆回転する。これにより、回収現像剤は排出口8aと反対方向である矢印X2方向(図3参照)に搬送され、現像剤収容部8の上流側に所定範囲の上限になるまで滞留する。
【0062】
以後はトルク検知部13が上方側閾値Bを検知すると、第二搬送スクリュー9bを正回転させ、回収現像剤を排出口8aへ向かう方向へ搬送する。これによって上流側の回収現像剤は矢印X1方向(図3参照)に搬送されて排出され、所定範囲の上方側閾値B以上は滞留しなくなる。
【0063】
そして、上流側の現像剤が排出されてトルク検知部13が下方側閾値Aを検知すると、第二搬送スクリュー9bを逆回転し、回収現像剤を排出口8aと反対方向に搬送して上流側に滞留させる。これによって上流側の回収現像剤は所定範囲の下方側閾値Aより少なくなることはない。
【0064】
上記のように第二搬送スクリュー9bの回転方向の切り替えを、回収した現像剤量が所定範囲A〜Bにあるように、プリントジョブが開始してから終了するまで繰り返し行う。なお、トルク値の判断は、ある一定の範囲内で複数回検出したものと平均化し、第二搬送スクリュー9bの回転方向の変更は閾値を判断したのち、次のジョブの命令を受けたときに変更してもよい。また、所定値の判断としては、通紙枚数管理をすることもでき、設定した通紙枚数を印字したとき検知を行うようにすればよい。
【0065】
なお、本実施形態で前記下方側閾値Aは、現像剤量がそれ以下になると搬送スクリューの搬送性が生じる現像剤量に達していないため、閾値を設ける意味がなくなる値である。また、上方側閾値Bは、現像剤量がそれ以上になると、現像剤収容部8内の現像剤が多くなりすぎて搬送の妨げになる値である。したがって、現像剤の搬送性が生じる時点から、現像剤が滞留しすぎて固着が起こる前の範囲内に納まるようにそれぞれの閾値を設定する。
【0066】
上記のように第二搬送スクリュー9bの回転方向を切り替えることにより、現像剤収容部8内の現像剤量、特に滞留し難い上流側の現像剤量が所定範囲にあるようになり、回収現像剤による感光体ドラム1の研磨効果が確実に維持されるようになる。
【0067】
〔第2実施形態〕
前述した第1実施形態では第二搬送スクリュー9bを一定回転数で回転させるようにしたが、前記上方側閾値Bよりも多い現像剤量が滞留した場合には、通常よりも速い回転数で第二搬送スクリュー9bを正回転させて現像剤を排出するようにしてもよい。
【0068】
例えば、現像剤量として前述した上方側閾値Bよりも大きい範囲外閾値Cを設定し、トルク検知部13が前記範囲外閾値(範囲外設定値)Cを検知したときは、第二搬送スクリュー9bを第一搬送スクリュー9aの回転速度よりも速い回転速度で回転させて回収現像剤を排出口8aへ向かう方向へ搬送する。
【0069】
図10は閾値A、B、C(A<B<C)を設けたときの閾値と第二搬送スクリュー9bの回転方向および回転数の関係を示した図である。本実施形態のように長手方向に距離を持った搬送系においては、一部分に大量に現像剤が大量に送り込まれたときの対処がし難い。そこで、現像剤量が所定範囲の上方側閾値Bを超えた範囲外閾値Cに達した場合は、上方側閾値Bになるまで第二搬送スクリュー9bの回転速度を第一搬送スクリュー9aよりも速く正転駆動させ、現像剤の詰まりを軽減する。このとき第二搬送スクリュー9bの回転速度の割合は第一搬送スクリュー9aの回転速度の1.1〜1.5倍、好ましくは1.1〜1.3倍に設定するとよい。
【0070】
図11は図10に示した駆動制御手順を示したフローチャートである。トルク検知部13はプリントジョブを受けて(S1)、感光体ドラムの回転を検知した後に(S2)、現像剤量の検知を行ない(S3)、そのときの回収現像剤量(スクリュー駆動トルク)によって第二搬送スクリュー9bの回転方向、回転速度を制御する(S4〜S7)。
【0071】
このように、回収現像剤量が上方側閾値Bを超えて滞留したときは、通常速度よりも速い速度で第二搬送スクリュー9bを回転させて現像剤を排出することで、現像剤詰まりを確実に軽減することができる。
【0072】
〔第3実施形態〕
前述した第1実施形態では現像剤量を所定範囲の下方側閾値Aと上方側閾値Bの間で第二搬送スクリュー9bの回転方向を切り替えるようにしたが、下方側閾値Aと上方側閾値Bの間に位置する範囲内閾値(範囲内設定値)D(A<D<B)を設定して制御するようにしてもよい。
【0073】
例えば、図12に示すように、最初はトルク検知部13が範囲内閾値Dを検知するまで第二搬送スクリュー9bを逆回転させて回収現像剤を排出口側とは反対側のX2方向に搬送して上流側に現像剤を滞留させる。そして、トルク検知部13が前記閾値Dを検知すると、その時点から上方側閾値Bを検知するまでの間、第二搬送スクリュー9bの駆動を停止する。すなわち、最初は第二搬送スクリュー9bを逆回転させて積極的に上流側に現像剤を滞留させ、その後は回転を停止することで滞留速度を遅くする。
【0074】
その後、トルク検知部13が上方側閾値Bを検知すると第二搬送スクリュー9bを正回転させて上流側の現像剤をX1方向へ搬送して排出口から排出する。そして、現像剤が排出されて少なくなり、トルク検知部13が閾値Dを検知すると、第二搬送スクリュー9bを停止させて上流側に現像剤を滞留させるようにする。これを繰り返すことで現像剤収容部8内の現像剤量を一定に保つようにする。
【0075】
上記のように範囲内閾値Dを設定し、その値を基準にして第二搬送スクリュー9bの回転を停止するように制御することで、上流側の現像剤量の調整を緩やかに行うことができる。なお、前述した説明では閾値Dを検知したときに、第二搬送スクリュー9bの回転を停止させたが、停止させずに回転速度を通常よりも遅くして逆回転又は正回転するようにしても上流側の現像剤量の調整を緩やかに行うことは可能である。
【0076】
〔第4実施形態〕
前述した第1実施形態では現像剤収容部8内の現像剤量に応じて第二搬送スクリュー9bの回転方向あるいは回転速度を切り替えるようにしたが、これに装置の設置環境を考慮するようにしてもよい。
【0077】
高温高湿環境では感光体ドラム表面上に付着した異物の影響がより顕著に表れる。したがって、高温高湿環境では現像剤による研磨効果の向上が求められる。そこで、画像形成装置内の環境温度及び湿度を検知するための温湿度センサを設置し、装置内の温度、湿度が設定した温度、湿度以上(例えば温度30℃以上、湿度80%以上)の高温高湿環境になった場合、トルク検知部13による現像剤量の閾値を、通常環境(例えば温度30℃未満、湿度80%未満)の場合よりも高い値、例えば設置した閾値A、B(あるいは閾値C、D)の値を20〜30%高くした値に設定し直す。これにより、現像剤による研磨効果の向上を図ることができる。
【0078】
なお、前記高温高湿として設定する温度、湿度、また高温高湿になったときに増加させる閾値のレベルは設定テーブル等を設け、これに従って設定するようにすればよい。
【0079】
図13は上記手順を示したフローチャートである。このフローチャートは図11のフローチャートに対し、ステップS1とS2との間に温湿度を検知し(S8)、その環境によって閾値レベルを設定し直す(S9)の手順が増えている。
【0080】
上記のよう装置環境を考慮して閾値を設定することで感光体ドラム表面上に付着した異物の影響を効果的に防止することができる。
【0081】
〔実験結果〕
次に上述した実施形態に係るクリーニング装置により実際に現像剤搬送実験をした結果を示す。
【0082】
<実験1>
実験1で使用した装置は第1実施形態で説明した画像形成装置及びクリーニング装置により第2実施形態で説明した閾値A、B、Cを設定した搬送制御を行った。
【0083】
実験1で用いた研磨剤を有する現像剤は、粉砕法で生成された平均粒子径7μmの磁性一成分現像剤である。具体的には、現像剤粒子100重量部に対して、シリカ母体の表面をシランカップリング剤及びシリコーンオイルで疎水化処理した疎水性シリカ(体積平均粒径10nm)を1.0重量部と酸化チタン(体積平均粒径50nm)を0. 8重量を外添したものである。そして、研磨性を向上させておくため、研磨粒子としてのチタン酸ストロンチウム(体積平均粒径1. 5μm)を3.0重量部を外添したものを用いた。
【0084】
搬送スクリューは図14に示すような羽根外径がφ14、芯金径はφ6、羽根のピッチ幅を10mmピッチにした渦巻き状のスクリューを第一、第二搬送スクリューそれぞれに用いた。
【0085】
第一搬送スクリュー9aの長さを350mm、第二搬送スクリュー9bの長さを100mmとし、第一搬送スクリュー9aの端部を第二搬送スクリュー9bの端部に挿入する図6に示した連結方法をとり、連結部の長さは20mmとした。第一搬送スクリュー9a、第二搬送スクリュー9bともに現像剤の搬送速度を118mm/secとし、さらに現像剤量が多くなり搬送速度を切り替えるときの第二搬送スクリュー9bの搬送速度を154mm/secとした。
【0086】
現像剤収容部8は断面積350mm、長手方向の長さ450mmの容積157cmのものを使用した。回収現像剤をA4横一枚あたり0.6mgの載り量で現像剤収容部8に送り、第二搬送スクリュー9bの駆動端部15mmの回収現像剤の蓄積量変化から効果を確認した。
【0087】
回収現像剤量の検知手段としては第二搬送スクリュー9bの駆動ギアにかかるトルクを電圧値変換したトルク検知構成を使用した。
【0088】
ジョブの命令と同時に随時モニタリングし、閾値を判断し、第二搬送スクリュー9bの回転方向、回転速度の制御を行った。このとき、回収現像剤量検知の下方側閾値Aを0.2g/cm、上方側閾値Bを0.45g/cm、範囲外閾値Cを0.6g/cmに設定した。そして、回収現像剤量の検知手段が100msecに5回連続で閾値を判断した場合に切り替えを行ない、切り替えのタイミングは閾値が判断されてから、次のジョブの命令を受け付けたときとした。
【0089】
図15は、従来例として、一本の搬送スクリューで回転速度を可変せずに搬送したものに対し、上記の駆動制御を行ったときの効果を確認したものである。
【0090】
「制御なし」と表記してある従来例と比較すると、上記の制御を行った場合、現像剤量は約0.4g/cmに保たれ効果が確認された。従来例に比べ、現像剤回収量も多く感光体ドラムへの研磨効果も充分であり、駆動側端部において画像不良は見られなかった。
【0091】
<実験2>
実験2では、実験1で示した画像形成装置を用いて、さらに下方側閾値Aと上方側閾値Bの間にもうひとつ範囲内閾値Dを設け(A<D<B)、前述した第3実施形態で説明した第二搬送スクリューの駆動制御を行う実験を行った。
【0092】
閾値A、B、Dとしては、下方側閾値Aを0.2g/cm、範囲内閾値Dを0.27g/cm、上方側閾値Bを0.45g/cm、範囲外閾値Cを0.6g/cmに設定し、実験1と実験2の効果を比較した。その結果を図16に示す。この結果から、範囲内閾値Dを設けて第二搬送スクリュー9bを駆動制御すると、滞留現像剤量をより円滑に制御可能なことがわかる。
【0093】
<実験3>
実験3では、実験1で示した画像形成装置を用い、前述した第4実施形態で説明した装置環境を考慮した搬送制御を行った。
【0094】
環境温度、湿度として、温度30℃以上、湿度80%以上を検知した場合は高温高湿環境にあるとして、各閾値レベルを高温高湿環境以外の場合の80%引き下げるようにした。具体的には、高温高湿環境では下方側閾値Aを0.16g/cm、範囲内閾値Dを0.21g/cm、上方側閾値Bを0.36g/cm、範囲外閾値Cを0.48g/cmに設定して効果を確認した。
【0095】
その結果、回収現像剤粒子の凝集性があがる高温高湿環境においても、回収現像剤量は0.3g/cmに保たれ、第二搬送スクリュー9b側端部に画像不良は発生せず、クリーニング不良も起こらなかった。
【符号の説明】
【0096】
A …画像形成装置
B …クリーニング装置
1 …感光体ドラム
2 …帯電ローラ
3 …レーザ光
4 …現像装置
5 …転写ローラ
6 …記録媒体
7 …クリーニングブレード
7a …支持部材
7b …ゴム部材
8 …現像剤収容部
8a …排出口
9 …搬送スクリュー
9a …第一搬送スクリュー
9a1,9b1 …軸端
9a2,9b2 …羽根
9b …第二搬送スクリュー
10 …回収ボックス
11 …連結部材
12a …第一駆動源
12b …第二駆動源
13 …トルク検知部
14 …制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体から回収した現像剤を現像剤収容部に収容し、搬送部材によって前記現像剤収容部内の現像剤を排出口へ搬送して排出するクリーニング装置において、
回収された現像剤を収容する長手形状の現像剤収容部と、
前記現像剤収容部の長手方向の一方側端部に設けられた現像剤排出口と、
前記現像剤収容部に収容された現像剤を前記像担持体の長手方向に沿わせて前記現像剤排出口へ向けて搬送する搬送部材と、
前記現像剤収容部に収容された現像剤量を検知する検知手段と、
を有し、
前記搬送部材は、前記現像剤収容部の長手方向に回転する第一搬送スクリューと第二搬送スクリューとを有し、前記第一搬送スクリューは前記現像剤排出口側に配置され、前記第二搬送スクリューは前記第一搬送スクリューを挟んで前記現像剤排出口の反対側に配置され、
前記第一搬送スクリューは、現像剤を前記排出口へ搬送するように所定速度で駆動制御され、
前記第二搬送スクリューは、前記検知手段による検知結果に応じて正逆転駆動制御されることを特徴とするクリーニング装置。
【請求項2】
前記現像剤量の所定範囲の下方側の閾値をA、上方側の閾値をBとしたとき、前記検知手段が前記上方側閾値Bを検知するまでは前記第二搬送スクリューは現像剤を前記排出口と反対方向に搬送するように逆回転し、以後は前記検知手段が上方側閾値Bを検知すると前記第二搬送スクリューが現像剤を前記排出口へ向かう方向へ搬送するように正回転し、前記検知手段が下方側閾値Aを検知すると前記第二搬送スクリューが現像剤を前記排出口と反対方向に搬送するように逆回転駆動することを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
【請求項3】
前記上方側閾値Bよりも大きい範囲外閾値Cを設定し、前記検知手段が前記範囲外閾値Cを検知したときは、前記第二搬送スクリューを前記第一搬送スクリューの回転速度よりも速い回転速度で回転させて現像剤を前記排出口へ向かう方向へ搬送するように駆動することを特徴とする請求項2記載のクリーニング装置。
【請求項4】
前記下方側閾値Aと前記上方側閾値Bの間に位置する範囲内閾値Dを設定し、前記検知手段が前記範囲内閾値Dを検知したときは、前記検知手段が前記上方側閾値Bを検知するまで前記第二搬送スクリューの駆動を停止することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のクリーニング装置。
【請求項5】
前記検知手段が検知する現像剤量の閾値は、装置の環境温度及び湿度が設定した温度及び湿度以上になると前記温度及び湿度未満よりも高い値に切り替えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
【請求項6】
前記第二搬送スクリューの長手方向長さは、前記像担持体の長手方向長さの1/5以上1/2以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
【請求項7】
研磨剤を含有する現像剤を搬送することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
【請求項8】
像担持体に形成した現像剤像を記録媒体に転写して画像を形成する画像形成装置において、
前記像担持体から前記記録媒体に現像剤像を転写した後に像担持体に残留した現像剤を回収し、回収した現像剤を搬送して排出口から排出する現像剤搬送装置として、請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載のクリーニング装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−242638(P2012−242638A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113181(P2011−113181)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)
【Fターム(参考)】