説明

クレーンアタッチメント

【課題】上方に架線などの障害物が存在しても施工を簡単に行い得るクレーンアタッチメントを提供する。
【解決手段】本発明は、積載皿部110と、前記積載皿部110の鉛直下方に設けられる旋回ベアリング120と、前記旋回ベアリング120の鉛直下方に設けられるユニバーサルジョイント130と、前記ユニバーサルジョイント130の鉛直下方に設けられ、スリット141が配された外筒140と、前記外筒140の内側に配され、前記スリット141に嵌合する突起部151を有する内筒150と、前記内筒150の鉛直下方に設けられる錘部160と、からなることを特徴とするクレーンアタッチメント。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンのブーム先端に装着され、持ち運び対象物の運搬のために、これを載置するクレーンアタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電柱に電気機器を取り付ける工事を施工する際には、先端にフックが設けられたクレーンにより機器を吊り上げて、バランスをとりつつ当該機器が所定の位置にくるように人手により調整し、最終的にボルトナットなどにより固着を行う、という手順が踏まれていた。
【0003】
なお、特許文献1(特開2008−94549号公報)には、図12などに関連して、変圧器を電柱に取り付ける際の施工の様子が示されている。
【特許文献1】特開2008−94549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来のクレーンを用いた施工においては、取り付け対象である電気機器を吊り下げるようにして取り付け位置に移動させるので、取り付け位置の鉛直上方に架線などの障害物が存在すると工事が不可能となるなどの問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するために、請求項1に係る発明は、積載皿部と、前記積載皿部の鉛直下方に設けられる旋回ベアリングと、前記旋回ベアリングの鉛直下方に設けられるユニバーサルジョイントと、前記ユニバーサルジョイントの鉛直下方に設けられ、スリットが設けられた外筒と、前記外筒の内側に配され、前記スリットに嵌合する突起部を有する内筒と、前記内筒の鉛直下方に設けられる錘部と、からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のクレーンアタッチメントによれば、持ち運び対象物を、積載皿部に載置し下方から持ち上げるようにして運搬することができるので、取り付け位置の上方に架線などの障害物が存在しても施工を簡単に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係るクレーンアタッチメント100の接地状態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るクレーンアタッチメント100が取り付け対象物を挙上している状態を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るクレーンアタッチメント100がブームに取り付けられたクレーンを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るクレーンアタッチメント100がブームに取り付けられたクレーンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係るクレーンアタッチメント100の接地状態を示す図であり、図1(A)はクレーンアタッチメント100を正面からみた図であり、図1(B)はクレーンアタッチメント100を側面からみた図である。図1に示す状態では、クレーンアタッチメント100の底部側
に設けられている錘部160が地面に置かれ、地面に錘部160などの重量がかかり、内筒150が外筒140に格納された状態である。
【0009】
一方、図2は本発明の実施形態に係るクレーンアタッチメント100が持ち運び対象物を挙上している状態を示す図である。図1同様、図2(A)はクレーンアタッチメント100を正面からみた図であり、図2(B)はクレーンアタッチメント100を側面からみた図である。図2(の状態では、錘部160の重力により内筒150が最大限に伸張した状態となる。なお、本実施形態においては、積載皿部110に載せる持ち運び対象物としてはSTB(Spring Tension Balancer)を例として説明する。
【0010】
図3及び図4は本発明の実施形態に係るクレーンアタッチメント100がブームに取り付けられたクレーンを示す図であり、図3は錘部160が接地された状態で、STBを積載皿部110に積載した様子を示している。一方、図4は積載したSTBをクレーンにより取り付け位置に移動させた様子を示している。
【0011】
クレーンアタッチメント100における積載皿部110は、持ち運び対象物を載置するためのものであり、本実施形態においては円筒状のSTBが載置しやすい形状となっているが、積載皿部110の形状はこれに限定されず任意の形状をとることができる。
【0012】
積載皿部110の下部には旋回ベアリング120が設けられており、鉛直線を中心に積載皿部110が回転可能とされている。このような旋回ベアリング120により積載皿部110が回転するので、クレーンアタッチメント100によりSTBを運搬した後、取り付け位置の微調整時に、微調整が行いやすいようになっている。
【0013】
旋回ベアリング120の下方部には、ユニバーサルジョイント130が設けられており、このユニバーサルジョイント130に対してクレーンのブームが取り付けられる構成となっている。一方、ユニバーサルジョイント130の下方部には外筒140が固定され、ユニバーサルジョイント130により2方向に自在に可動するようになっている。上記のような構成によりブームがどのような角度になったとしても、外筒140は常に鉛直下方に向き、積載皿部110は常に水平を保つようになっている。
【0014】
外筒140の内側には内筒150が配されており、この内筒150の下方側に錘部160が設けられている。一方、外筒140には所定長のスリットが設けられ、このスリット141に内筒150の突起部151が嵌った状態とされ、外筒140と内筒150との相対移動を前記所定長の範囲内に規制するようになっている。図1は内筒150が最大限収納された状態を示しており、図2は内筒150が最大限に伸張した状態を示している。なお、前記所定長をより長く設定することで、錘部160の重さを変更することなく、より重量のある持ち運び対象物を運搬することができるようになる。
【0015】
錘部160は金属プレートが数段積まれたものが用いられており、積載皿部110に持ち運び対象物が載せられ、移動する間のバランサーとして利用される。なお、錘部160における金属プレートの枚数を変更可能とし、錘部160全体の重量を調整可能とすることで、様々な持ち運び対象物を運搬することができるようになる。
【0016】
以上のように構成される本発明の実施形態に係るクレーンアタッチメント100において、STBなどの持ち運び対象物を積載するためには、図3に示すように、錘部160を地面に接地させた状態でこれを行う。次に、クレーンを動作させることで、クレーンアタッチメント100を上昇させながら持ち運び対象物を運搬するが、このとき、図4に示すように、内筒150が伸張し、バランスがとれた状態となり、積載皿部110上のSTBを安定的に取り付け位置にまで運搬することが可能となる。
【0017】
以上のような本発明のクレーンアタッチメント100によれば、持ち運び対象物を、積載皿部110に載置し下方から持ち上げるようにして運搬することができるので、取り付け位置の上方に架線などの障害物が存在しても施工を簡単に行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0018】
100・・・クレーンアタッチメント
110・・・積載皿部
120・・・旋回ベアリング
130・・・ユニバーサルジョイント
140・・・外筒
141・・・スリット
150・・・内筒
151・・・突起部
160・・・錘部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載皿部と、
前記積載皿部の鉛直下方に設けられる旋回ベアリングと、
前記旋回ベアリングの鉛直下方に設けられるユニバーサルジョイントと、
前記ユニバーサルジョイントの鉛直下方に設けられ、スリットが配された外筒と、
前記外筒の内側に配され、前記スリットに嵌合する突起部を有する内筒と、
前記内筒の鉛直下方に設けられる錘部と、からなることを特徴とするクレーンアタッチメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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