説明

クロスカット用カッター

【課題】複数の刃を有するカットツールを使用してクロスハッチを行うにあたって、作業能率が低下することなく、複数の罫書き線を深さが均等になるように形成できるようにする。
【解決手段】複数の刃が一定間隔で並ぶカット刃14を備える。前記複数の刃14bが並ぶ方向とは直交する方向であって成膜面16aに沿うような方向を軸線方向として前記カット刃14を揺動自在に支持する把持部材15を備える。前記カット刃14を揺動方向の中央部に保持する弾性部材25を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば眼鏡レンズの光学面に形成する膜の密着性を評価するために、平板に形成した膜(以下、単に平板という)に対しクロスカットを施すために用いるクロスカット用カッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば従来の一般的な眼鏡レンズには、ハードコート膜や反射防止膜などの膜が設けられている。これらの膜の眼鏡レンズへの密着性を評価する方法としては、たとえば特許文献1に記載されているようなクロスカット法が知られている。このクロスカット法は、JIS K 5600-5-6に塗料一般試験方法として規定されている。
【0003】
特許文献1に記載されているクロスカット法による前記膜の密着性能試験は、レンズ面に直角の格子パターンが形成されるように刃を用いて切り込みを入れ、このレンズ面に粘着テープを強く圧着させて貼り付けてから剥離させることによって行う。この密着性能試験によれば、レンズ基材に対する密着性が低い膜は、粘着テープを剥離させるときに粘着テープに貼り付いて粘着テープとともにレンズ基材から剥離される。
【0004】
前記格子パターンは、縦方向の長さと横方向の長さがそれぞれ約1mmとなるような正方形が前記縦方向に10個並ぶとともに横方向に10個並ぶように形成されている。以下においては、このように格子パターンを形成することを単に「クロスカットを行う」という。
特許文献1に記載されている密着性能試験方法によれば、粘着テープを眼鏡レンズから剥離させた後にレンズ側に残存した膜を有する前記正方形の数を数え、この数に基づいて密着性の高低が評価される。
【0005】
前記クロスカットを行うに当たっては、たとえば図6に示すようなカット刃1を有するクロスカット用カッターを使用することが考えられる。前記カット刃1は、四角形の板からなる支持ブロック2と、この支持ブロック2の両側部に11枚ずつ突設された刃3とによって構成されている。前記支持ブロック2は、図示していないクロスカット用カッターのハンドグリップに固定されるものである。
【0006】
前記複数の刃3は、それぞれ先端が尖った板状に形成されており、厚み方向に一定の間隔をおいて並べられている。
このカット刃1を用いる場合のクロスカットは、作業者がハンドグリップを把持して行われる。すなわち、先ず、作業者は、ハンドグリップを把持して11枚の刃2を平板の被試験部分に押し付ける。次に、作業者は、この状態を保ちながらハンドグリップを所定の長さだけ一方向に引く。このときに刃3を移動させる方向は、複数の刃3が並ぶ方向とは直交する方向であって、平板の成膜面に沿うような方向である。このように刃3が移動することにより、11本の平行な罫書き線が成膜面に形成される。その後、刃の移動する方向を90°変えて前記被試験部分で前記同様に刃3を移動させ、11本の罫書き線を形成する。すなわち、上述した刃3を使用することによって、作業者が罫書き動作を2回行うことによりクロスカットが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−96300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した複数の刃を有するカット刃1を使用してクロスカットを行うと、11本の罫書き線の深さが不均等になることがあった。罫書き線の深さが過度に浅いと、被膜が剥離し難くなるため、クロスカット試験の結果が不正確になる。上述したように罫書き線の深さが不均等になる原因は、カット刃1が成膜面に対して傾斜した状態で罫書き動作が行われたからであると考えられる。
【0009】
すなわち、複数の刃3のうち、刃3が並ぶ方向の一端側に位置する刃3は、成膜面に深く切り込み、他方の刃3は切り込み量が少なくなるから、上述したように罫書き線の深さが不均等になったと考えられる。
このような不具合は、作業者が一方の手でハンドグリップを把持し、他方の手でカット刃1を平板に押し付けて罫書き作業を慎重に行うことによって、ある程度は解消することができる。しかし、このように作業を行うと、作業時間が長くなってクロスカットの能率が低下してしまう。
【0010】
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、複数の刃を有するカットツールを使用してクロスハッチを行うにあたって、作業能率が低下することなく、複数の罫書き線を深さが均等になるように形成することが可能なクロスカット用カッターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するために、本発明に係るクロスカット用カッターは、平板に設けられている膜を切断可能な複数の刃が各刃の厚み方向に一定間隔で並ぶように突設されたカット刃と、前記複数の刃が並ぶ方向とは直交する方向であって成膜面に沿うような方向を軸線方向として前記カット刃を揺動自在に支持する把持部材と、前記カット刃を揺動方向の中央部に保持する弾性部材とを備えているものである。
【0012】
本発明は、前記発明において、前記把持部材は、前記カット刃を前記刃が並ぶ方向の軸線回りに回動可能に支持するとともに、このカット刃の回動端部の移動を規制する角度調整機構を備えているものである。
【0013】
本発明は、前記発明において、前記把持部材は、円柱状の把持用グリップと、このグリップの長手方向の一端部にこのグリップの長手方向に延びるように設けられた支軸と、この支軸に揺動自在に支持されたカット刃用ホルダーとを備え、前記カット刃は、前記カット刃用ホルダーに固定され、前記弾性部材は、前記カット刃用ホルダーにおける前記複数の刃が並ぶ方向の両端部と把持用グリップ側との間にそれぞれ弾装された引張りコイルばねによって構成されているものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るクロスカット用カッターに取付けられたカット刃は、平板から離間している自然状態においては、弾性部材によって前記揺動方向の中立位置に保持される。また、カット刃は、複数の刃の並ぶ方向が成膜面に対して傾斜するような状態で成膜面に押し付けられた場合は、前記傾斜が解消される方向に前記弾性部材の弾発力に抗して把持部材に対して揺動する。
【0015】
このため、作業者が把持部材を手で把持してカット刃を平板に押し付けたときにカット刃が成膜面に対して傾斜していたとしても、カット刃の成膜面に対する傾斜が解消され、複数の刃が均等に成膜面に接触するようになる。この結果、作業者が片手で速くかつ正確にクロスカットを行うことができるようになる。
したがって、本発明によれば、複数の刃を有するカット刃を使用してクロスハッチを行うにあたって、作業能率が低下することなく、複数の罫書き線を深さが均等になるように形成することが可能なクロスカット用カッターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るクロスカット用カッターの側面図である。
【図2】本発明に係るクロスカット用カッターの正面図で、同図(A)は自然状態を示し、同図(B)はカット刃用ホルダーの揺動が規制されている状態を示している。
【図3】図2(A)における要部のIII−III線断面図である。
【図4】クロスカット用カッターの動作を説明するための図で、同図(A)はカット刃が平板に押付けられる以前の状態を示し、同図(B)はカット刃が平板に押付けられた状態を示す。
【図5】カット刃の取付角度を変更した状態を示す要部の側面図である。
【図6】カット刃の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るクロスカット用カッターの一実施の形態を図1〜図5によって詳細に説明する。
図1に示すクロスカット用カッター11は、作業者(図示せず)が片手で把持できるように形成された円柱状の把持用グリップ12と、このグリップ12の一端部に後述するスイングユニット13を介して取付けられたカット刃14とによって構成されている。この実施の形態においては、把持用グリップ12とスイングユニット13とによって、本発明でいう把持部材15が構成されている。以下においては、図1において左方をこのクロスカット用カッター11の前方といい、同図において右方を後方という。このため、以下において各部材を説明するにあたっては、図1において左側(右側)を前側(後側)といい、左側(右側)の端部を前端部(後端部)という。また、図1の紙面と直交する方向を以下においては左右方向という。
【0018】
前記カット刃14は、従来からよく知られているものと同一のもので、四角形の板からなる支持用ブロック14aの2側部にそれぞれ11枚の刃14bが突設されたものである。刃14bは、平板16に設けられている膜(図示せず)を切断可能なもので、先端が尖る板状に形成されている。また、11枚の刃14bは、厚み方向に一定の間隔をおいて列をなすように並べられている。この実施の形態によるカット刃14は、詳細は後述するが、複数の刃14bが左右方向に並ぶ状態でスイングユニット13に装着されている。
【0019】
前記把持用グリップ12は、作業者(図示せず)が把持可能な太さの円柱状に金属材料によって形成されている。この把持用グリップ12におけるクロスカット時に平板とは反対側に位置する部位(図1においては上端)には、このクロスカット用カッター11を刃14bが上に位置する状態で作業台(図示せず)の上に載置できるように、更に使用時には平板に対して刃を垂直に当て、そのまま真っすぐクロスカットを行い易くするために平坦面17が形成されている。この平坦面17は、把持用グリップ12の前端から後端まで延びるように形成されている。
【0020】
また、この把持用グリップ12は、クロスカット時に作業者が刃14bを平板16に押し付けるときに金属材料の重量で助勢できるようにしておいても良く、逆に持ち運びに不便のないように内部に中空部を形成して軽量化を施しておいても良く、特に限定はされない。
把持用グリップ12の前端部には、後述するスイングユニット13を取付けるための取付片18が前方に向けて突設されている。
【0021】
スイングユニット13は、図1〜図3に示すように、前記グリップ12の取付片18に2本の固定用ボルト21によって固定された支持用ブラケット22と、このブラケット22に支軸23を介して揺動自在に支持されたカット刃用ホルダー24と、このカット刃用ホルダー24を揺動方向の中央部に保持するための弾性部材25とを備えている。
【0022】
前記支持用ブラケット22は、図1に示すように、クロスカットを行う状態で平板16に向けて開放する溝を有する形状に形成されており、前端部と後端部とにそれぞれ支持板26が一体に設けられている。前記支軸23は、これらの支持板26,26に前後方向に延びる状態で支持、固定されている。すなわち、支軸23の軸線は前後方向を指向している。
【0023】
この実施の形態によるカット刃用ホルダー24は、前記支軸23に支持された連結用ブロック27と、この連結用ブロック27の左右方向の両端部に一体に形成されたアーム28,28と、これらのアーム28の先端部どうしの間に取付用ボルト29によって回動可能に取付けられた下部プレート30と、前記連結用ブロック27の前端部に前方へ向けて突出するように一体に形成された上部プレート31とを備えている。
【0024】
前記連結用ブロック27は、前記支軸23が貫通する状態で前記一対の支持板26の間に挿入されている。この連結用ブロック27と支軸23との間には、図3に示すように、軸受32が設けられている。すなわち、カット刃用ホルダー24は、前記軸受32によって支軸23に左右方向に揺動自在に支持されている。このため、前記カット刃14は、複数の刃14bが並ぶ方向(左右方向)とは直交する方向であって、成膜面16aに沿うような方向(前後方向)を軸線方向として把持部材15に揺動自在に支持されている。
【0025】
カット刃用ホルダー24の揺動は、図2(B)に示すように、前記支持用ブラケット22によって形成される溝の底22aに連結用ブロック27の回動端が当接することによって規制される。
カット刃用ホルダー24の一対のアーム28は、図2(A)に示すように、前記カット刃14を挿入できる間隔をおいて互いに離間している。
【0026】
この実施の形態による前記下部プレート30は、図1および図3に示すように、カット刃14が取付けられる本体部30aと、この本体部30aの前端から前方に延びる突出部30bとを有する板状に形成されている。また、この下部プレート30は、前記本体部30aと前記突出部30bとの境界部分で折れ曲がった形状に形成されている。この下部プレート30が折れ曲がる方向は、図1に示すように、突出部30bが前方を指向する状態において、本体部30aが後方に向かうにしたがって把持用グリップ12に漸次近接するような方向である。
【0027】
この下部プレート30を前記アーム28に取付けるための取付用ボルト29は、前記アーム28を貫通して下部プレート30の前記折曲部分に螺着している。下部プレート30は、前記取付用ボルト29を緩めた状態でこの取付用ボルト29を軸として回動させることができるように構成されている。カット刃14は、複数の刃14bが左右方向に並ぶ状態で前記本体部30aの裏面(把持用グリップ12とは反対側の面)に固定用ボルト33によって固定されている。すなわち、カット刃14は、カット刃用ホルダー24に前記複数の刃14bが並ぶ方向(左右方向)の軸線回りに回動可能に支持されている。なお、前記本体部30aには、カット刃14に穿設されている位置決め用の二つの貫通孔14c(図3参照)に嵌合するピン34が立設されている。
【0028】
前記上部プレート31は、図1および図3に示すように、前記支持用ブラケット22より前方に突出するように形成されている。この突出部分には、アジャストボルト35が貫通する状態で螺着されている。アジャストボルト35は、下部プレート30の回動を規制するためのもので、上部プレート31に支持された状態で前記下部プレート30の突出部30bに当接している。すなわち、下部プレート30は、アジャストボルト35を図1に示す位置から緩めて下部プレート30とは反対側に移動させ、その後、前記取付用ボルト29を緩めることによって、この取付用ボルト29を軸として前記アーム28に対して回動させることができる。
【0029】
このため、アジャストボルト35の上部プレート31に螺着する位置を変え、このアジャストボルト35の先端部に下部プレート30の突出部30bが当接する状態で取付用ボルト29により下部プレート30を前記アーム28に締結させることによって、図5に示すように、下部プレート30(カット刃14)が平板16に対して傾斜する角度を変えることができる。図5は、平板16の成膜面16aに対してカット刃14が傾斜する角度θが図1に示す場合に較べて相対的に小さくなる状態で描いてある。この実施の形態においては、前記前記一対のアーム28と、取付用ボルト29と、下部プレート30と、上部プレート31と、アジャストボルト35などによって、請求項2記載の発明でいう角度調整機構36が構成されている。
【0030】
前記弾性部材25は、この実施の形態においては引張りコイルばねによって構成されている。この引張りコイルばねは、図1および図2(A)に示すように、前記支持用ブラケット22とカット刃用ホルダー24の右側の端部どうしの間と、支持用ブラケット22とカット刃用ホルダー24の左側の端部どうしの間とにそれぞれ設けられている。すなわち、これらの引張りコイルばねは、前記カット刃用ホルダー24における前記複数の刃14bが並ぶ方向の両端部と、把持用グリップ12側(支持用ブラケット22)との間にそれぞれ弾装されている。
【0031】
上述したように構成されたクロスカット用カッター11を用いて平板16にクロスカットを行うためには、先ず、作業者が把持用グリップ12を片手で把持し、カット刃14を平板16と対向する位置に位置付ける。このとき、カット刃14は、弾性部材25の弾発力によって前記揺動方向の中立位置に保持された状態にある。
【0032】
次に、把持用グリップ12を平板16に接近させ、カット刃14を成膜面16aに押し付ける。このとき、図4(A)に示すように、複数の刃14bの並ぶ方向が成膜面16aに対して傾斜するような状態でカット刃14が成膜面16a押し付けられることがある。このような場合は、図4(B)に示すように、カット刃14がカット刃用ホルダー24と一体に支持用ブラケット22(把持部材15)に対して前記弾性部材25の弾発力に抗して前記傾斜が解消される方向に揺動する。
【0033】
このため、作業者が把持用グリップ12を手で把持してカット刃14を平板16に押し付けたときにカット刃14が成膜面16aに対して傾斜していたとしても、カット刃14の成膜面16aに対する傾斜が解消され、複数の刃14bが均等に成膜面16aに接触するようになる。
しかる後、上述したように複数の刃14bが成膜面16aに均等に接触している状態で、把持用グリップ12を所定の長さだけ手前(図1においては右側)に引く。この罫書き動作を平板16の被試験部分に2方向から行うことによって、クロスカットが終了する。
【0034】
したがって、この実施の形態によるクロスカット用カッター11を使用することにより、カット刃14の複数の刃14bが成膜面16aに自動的に沿うようになるから、作業者が片手で速くかつ正確にクロスカットを行うことができる。
また、このクロスカット用カッター11においては、クロスカットの実施回数が増えるにしたがって刃が摩耗し、罫書き線が深さが浅くなることがある。このような場合は、異なる刃先を成膜面16aに接触させるために、カット刃14を下部プレート30から取外して表裏を反転させたり、前後方向に反転させる。
【0035】
この実施の形態による前記把持部材15は、前記カット刃14を前記刃14bが並ぶ方向の軸線回りに回動可能に支持するとともに、このカット刃14の回動端部の移動を規制する角度調整機構36を備えている。
このため、この実施の形態によれば、刃が成膜面16aに接触する角度を最適となるように調整できるから、より一層正確にクロスカットを行うことが可能になる。
なお、クロスカット用カッター11でクロスカットを行うにあたっては、角度調整機構36でカット刃14の傾斜角度をその都度調整する必要はない。このため、カット刃14を最適な傾斜角度に固定できる構成を採ることにより、角度調整機構36は不要になる。
【0036】
この実施の形態による前記把持部材15は、円柱状の把持用グリップ12と、このグリップ12の長手方向の一端部にこのグリップ12の長手方向に延びるように設けられた支軸23と、この支軸23に回動自在に支持されたカット刃用ホルダー24とを備えている。前記弾性部材25は、前記カット刃用ホルダー24における前記複数の刃14bが並ぶ方向の両端部と把持用グリップ12側との間にそれぞれ弾装された引張りコイルばね(弾性部材25)によって構成されている。
【0037】
このため、この実施の形態によれば、安価な部品である引張りコイルばねによって前記弾性部材25を構成することができる。しかも、引張りコイルばねを最も外側に位置付けることができるから、引張りコイルばねの組付作業が簡単になる。したがって、この実施の形態によれば、製造コストが低いとともに組み立てが容易なクロスカット用カッター11を提供することができる。
なお、カット刃14は、上述した実施の形態で示したものに限定されることはなく、適宜変えることができる。すなわち、カット刃14の支持用ブロック14aをたとえば6角形等の4角形以外の多角形に形成し、この支持用ブロック14aの各辺にそれぞれ複数の刃14bを突設することができる。
【符号の説明】
【0038】
11…クロスカット用カッター、12…把持用グリップ、13…スイングユニット、14…カット刃、14b…刃、15…把持部材、16…平板、16a…成膜面、22…支持用ブラケット、23…支軸、24…カット刃用ホルダー、25…弾性部材、28…アーム、29…取付用ボルト、30…下部プレート、31…上部プレート、35…アジャストボルト、36…角度調整機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板に設けられている膜を切断可能な複数の刃が各刃の厚み方向に一定間隔で並ぶように突設されたカット刃と、
前記複数の刃が並ぶ方向とは直交する方向であって成膜面に沿うような方向を軸線方向として前記カット刃を揺動自在に支持する把持部材と、
前記カット刃を揺動方向の中央部に保持する弾性部材とを備えていることを特徴とするクロスカット用カッター。
【請求項2】
請求項1記載のクロスカット用カッターにおいて、前記把持部材は、前記カット刃を前記刃が並ぶ方向の軸線回りに回動可能に支持するとともに、このカット刃の回動端部の移動を規制する角度調整機構を備えていることを特徴とするクロスカット用カッター。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のクロスカット用カッターにおいて、前記把持部材は、円柱状の把持用グリップと、このグリップの長手方向の一端部にこのグリップの長手方向に延びるように設けられた支軸と、この支軸に揺動自在に支持されたカット刃用ホルダーとを備え、
前記カット刃は、前記カット刃用ホルダーに固定され、
前記弾性部材は、前記カット刃用ホルダーにおける前記複数の刃が並ぶ方向の両端部と把持用グリップ側との間にそれぞれ弾装された引張りコイルばねによって構成されていることを特徴とするクロスカット用カッター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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