説明

クロスピン固定案内装置及び方法

【課題】関節鏡視下外科手術などにおいて骨孔を通してクロスピンを移植するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】一般的に、本方法及び装置によれば、膝骨の内側に、膝骨に形成された骨孔と交差するようにクロスピン孔を形成することができる。一実施形態では、クロスピン孔が膝骨の別の側面、例えば外側を貫通することなく骨孔と交差するように、骨孔に対して角度をなしてクロスピン孔を位置決めするように構成することが可能なクロスピン固定ガイド装置が提供される。膝骨は、大腿骨又は脛骨であってもよく、これによりクロスピン孔及び骨孔のそれぞれの全体を大腿骨又は脛骨内に形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には整形外科の方法及び装置に関し、詳細には、軟部組織の損傷の関節鏡視下修復術において使用される方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関節損傷では一般に骨からの靱帯、腱、及び軟部組織の完全又は部分的な剥離が生じうる。組織の剥離は、例えば、転落などの事故、仕事に関連した活動中、運動競技中、又は他の多くの状況及び/又は活動のいずれかにおける過度の努力の結果など、多岐にわたる態様で発生しうる。これらのタイプの損傷は一般的に、組織に過剰な応力又は異常な力が作用した結果、生ずるものである。
【0003】
「捻挫」という総称で通常呼ばれる部分的剥離の場合、損傷は、医療的な介入を行うことなくしばしば治癒し、患者は安静にして、治癒過程の間に損傷が過度に激しい活動に曝されないように配慮する。しかしながら、靱帯又は腱が、付随する骨上の付着部位から完全に剥離している場合、又は靱帯又は腱が外傷性損傷の結果、断裂している場合には、損傷した関節に完全な機能を回復するために外科的介入が必要となる場合がある。このような腱及び靱帯を骨に再付着させるための多くの従来の外科手術が存在している。
【0004】
こうした手術の1つでは、損傷した前十字靭帯(ACL)の修復におけるように、ヒトの膝内において大腿骨及び脛骨に整列した骨孔を形成することを行う。移植靱帯が付着した骨ブロック又はアンカーを大腿骨骨孔の盲端まで骨孔に通し、そこでブロック又はアンカーを固定する。靱帯は脛骨骨孔から延出するので、その端部を脛骨皮質にステープルなどによって取り付ける。また、靱帯の端部は、アンカー又は干渉ネジによって脛骨骨孔内に固定することもできる。軟部組織を骨に取り付けるための各種の靱帯及び/又は縫合糸アンカーが当該技術分野において周知である。
【0005】
骨孔内に骨ブロックを固定するための方法の1つに、クロスピン固定によるものがあり、この方法では、ピン、ネジ、又はロッドなどのクロスピンを、移植靱帯及び/又は骨ブロックと交差するように骨孔に対して横断方向に骨内に挿入することにより、骨孔内で移植片を「クロスピン固定」する。クロスピンは一般的に、ドリルガイドを用いて準備処置を行った、骨内に予めドリル穿孔された骨孔内に置かれる。
【0006】
更に、脛骨内に移植靱帯をクロスピン固定するうえで考慮すべき点は、大腿骨内に移植靱帯をクロスピン固定するうえで考慮すべき点とは異なる。これらの考慮点としては、解剖学的構造、骨質の相違、及び他の考慮点がある。これらの異なる要求条件は、大腿骨及び脛骨のクロスピン固定のための異なるクロスピン固定用ガイドの開発及び応用に一般的につながり、このことがACL置換術などの組織再付着手術の実施を複雑化し、コストが嵩むものとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、靱帯を修復し、骨孔を位置決め及び形成するための改良された方法並びに装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態では、ガイドロッド、及び該ガイドロッドからある距離だけ離間した近位−遠位アークを有するフレームと、前記近位−遠位アークに摺動可能に取り付けられ、例えばクロスピン、ドリルスリーブなどの第1の手術器具を受容するように構成された少なくとも1つの通孔が貫通して形成されたガイドブロックと、内側−外側アークであって、該内側−外側アークを前記ガイドブロックに着脱可能に取り付けるように構成された嵌合機構を備えた第1の端部、及び、例えばニードル、トンネルガイドなどの第2の手術器具を受容するように構成された少なくとも1つの通孔が貫通して形成された第2の端部を有する内側−外側アークと、を備えたクロスピン固定案内装置が提供される。
【0009】
前記内側−外側アーク及び前記ガイドブロック、並びにガイドブロックを貫通して形成されたそれぞれの通孔は、内側−外側アークとガイドブロックとが互いに取り付けられる際に互いに対して様々な向きを有しうる。例えば、内側−外側アークがガイドブロックに取り付けられた状態で、内側−外側アークは、近位−遠位アークを含む平面に対してほぼ垂直な平面内に位置しうる。別の例として、内側−外側アークがガイドブロックに取り付けられた状態で、ガイドブロックを貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔は、内側−外側アークの第2の端部を貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔と同一の軸線を有しうる。
【0010】
ガイドブロックを貫通して形成された少なくとも1つの通孔、及び内側−外側アークを貫通して形成された少なくとも1つの通孔は、様々な形態を有しうる。一実施形態では、ガイドブロックを貫通して形成された少なくとも1つの通孔は第1及び第2の通孔を含み、内側−外側アークの第2の端部を貫通して形成された少なくとも1つの通孔は第3及び第4の通孔を含みうる。内側−外側アークがガイドブロックに取り付けられた状態で、第1の通孔は第3の通孔と同一の軸線を有し、第2の通孔は第4の通孔と同一の軸線を有しうる。別の実施形態では、ガイドブロックを貫通して形成された少なくとも1つの通孔は第1及び第2の通孔を含み、内側−外側アークの第2の端部を貫通して形成された少なくとも1つの通孔は単一の通孔を含みうる。内側−外側アークがガイドブロックに取り付けられた状態で、前記単一の通孔の長手方向軸は前記第1及び第2の通孔の各長手方向軸と平行でありかつそれらの間に位置しうる。
【0011】
内側−外側アークの嵌合機構は、ガイドブロックに対する第1の向き、及び第1の向きと異なるガイドブロックに対する第2の向きで前記ガイドブロックに取り付け可能であってもよい。内側−外側アークがガイドブロックに取り付けられた状態で、内側−外側アークは、第1の向きではガイドブロックに形成された第1の孔内に配置することができ、第2の向きではガイドブロックに形成された第2の孔内に配置することができる。
【0012】
他の態様では、ガイドブロックが近位−遠位アークに沿った任意の摺動可能な位置にある状態で、ガイドブロックを貫通して形成された少なくとも1つの通孔の長手方向軸は、ガイドロッドの遠位部分に形成された開口部を通って延びてもよい。内側−外側アークがガイドブロックに取り付けられた状態で、内側−外側アークの第2の端部を貫通して形成された少なくとも1つの通孔の長手方向軸は、ガイドロッドの遠位部分に形成された開口部を通って延びてもよい。
【0013】
フレームもまた、様々な形態を有しうる。例示的な一実施形態では、近位−遠位アークは、ガイドロッドの方向に対してほぼ平行な方向に延びうる。
【0014】
別の態様では、クロスピン固定案内装置のガイドブロックを、例えば大腿骨又は脛骨などの膝骨の内側に配置し、前記クロスピン固定案内装置のニードルガイドを前記膝骨の外側に配置することと、前記ニードルガイドの通孔を通って前記膝骨の前記外側の組織内に挿入されたニードルの挿入深さに基づいて、前記ガイドブロックを貫通して延びる通孔の軌跡を調節することと、を含む、骨孔を通じてクロスピンを移植するための方法が提供される。
【0015】
ガイドブロックを貫通して延びる通孔の軌跡は、様々な態様で調節することができる。例えば、ガイドブロックを貫通して延びる通孔の軌跡を調節することは、膝骨に形成された骨孔の長手方向軸を中心として膝骨に対してクロスピン固定案内装置を回転させることを含む。別の例として、ガイドブロックは、クロスピン固定案内装置の近位−遠位フレームに取り付けることができ、ガイドブロックを貫通して延びる通孔の軌跡を調節することは、ガイドブロックを近位−遠位フレームに沿って摺動させることを含みうる。更に別の例として、前記軌跡は、ニードルガイドの通孔の外側に位置するニードル上のマークとニードルガイドの外側面との間の第1の距離に基づいて調節することができる。第1の距離は、膝骨の外側の骨表面と膝骨に形成された内側−外側骨孔の外側終端との間の第2の距離に等しいか又はこれよりも小さくてもよい。
【0016】
ガイドブロックを貫通して延びる通孔の軌跡を調節する前に、ニードルの遠位先端部が膝骨の外表面に当接するまでニードルガイドの通孔を通って膝骨の外側の組織内にニードルを挿入してもよい。ガイドブロックを配置する前、かつ、ガイドブロックを貫通して延びる通孔の軌跡を調節する前に、クロスピン固定案内装置の内側−外側アークの第1の端部をガイドブロックに取り付けることができ、内側−外側アークの第2の端部はニードルガイドを有する。ガイドブロックを貫通して延びる通孔の軌跡を調節した後に、クロスピンが、膝骨に形成された近位−遠位骨孔と交差するように、ガイドブロックを貫通して延びる通孔を通って、膝骨の内側内に延びる内側−外側骨孔内にクロスピンを進めることができる。
【0017】
本方法は他の任意の数の態様で異なりうる。本方法は、ガイドブロックに連結されたガイドロッドを、膝骨に形成された骨孔に挿入することと、骨孔にガイドロッドが挿入された状態で、クロスピン固定案内装置を骨孔の長手方向軸を中心として回転させることと、を含みうる。本方法は、ニードルガイドの通孔に対するニードル上のマークの位置に基づいてニードルの挿入深さを決定することを含みうる。
【0018】
別の実施形態では、前内側アプローチを用いて、大腿骨と脛骨との間の関節腔を通って前記大腿骨内部に大腿骨骨孔を準備することと、ガイドシステムの大腿骨ガイドロッドを前記大腿骨骨孔に挿入することと、前記大腿骨ガイドロッドから延びるフレームを前記大腿骨の内側に配置することと、前記フレームに連結されたゲージアセンブリ上のニードルガイドを前記大腿骨の外側に配置することと、前記大腿骨の外側表面と接触するように、前記ニードルガイドを通し、組織を通してニードルを挿入することであって、前記ニードルが、前記大腿骨の前記外側表面と前記大腿骨内に移植しようとするクロスピンの遠位端の標的位置との間の距離を示す深さインジケーターを有する、ことと、前記フレームのアーク上に取り付けられたガイドブロックを貫通して延びる少なくとも1つの通孔の軌跡を調節することと、前記ガイドブロックの前記少なくとも1つの通孔を通し、前記大腿骨の前記内側へとドリルを進めることによって前記大腿骨の前記内側に、前記大腿骨骨孔と交差するパイロット孔を形成することと、前記大腿骨骨孔内に移植靱帯を配置することと、前記パイロット孔を通してクロスピンを進めることによって前記クロスピンを前記移植靱帯と係合させ、これにより前記大腿骨骨孔内部で前記移植靱帯を固定することと、を含む外科的方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
添付の図面は、上記に記載した特徴、利点及び目的が明らかとなり、詳細に理解することができるように本明細書に含まれるものである。これらの図面は、明細書の一部をなすものである。しかしながら、添付の図面は例示的な実施形態を示したものであり、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない点には留意されたい。
【図1】フレーム、フレームに取り付けられたガイドブロック、及びガイドブロックに取り付けられた内側−外側アークを有するクロスピン固定案内装置の一実施形態の斜視図であり、2本のニードルが内側−外側アークの端部に挿通されている。
【図2】図1のフレーム及びガイドブロックの斜視図。
【図3】アダプターがフレームに取り付けられ、ドリル及びドリルスリーブがガイドブロックに挿通された、フレーム及びガイドブロックの別の実施形態の上面斜視図。
【図4】図3のフレーム、ガイドブロック、アダプター、ドリル、及びドリルスリーブの底面斜視図。
【図5】ドリル及びドリルスリーブがガイドブロックに挿通された、図1のフレーム及びガイドブロックの底面斜視図。
【図6】図5のフレーム、ガイドブロック、及びアダプターの上面斜視図。
【図7】ドリルスリーブの一実施形態、及び該ドリルスリーブに挿通されるように構成されたドリルの一実施形態の側面図。
【図8】図7のドリルスリーブの近位平面図。
【図9】図7のドリルが挿通されたドリルスリーブの別の実施形態の斜視図。
【図10】ドリルスリーブの更なる別の実施形態の側面図。
【図11】図10のドリルスリーブの別の側面図。
【図12】図10及び11のドリルスリーブの遠位端の側面図。
【図13】挿入ツールの一実施形態、及び該挿入ツールを使用して患者に挿入されるように構成されたクロスピンの一実施形態の側面図。
【図14】図1の内側−外側アークの斜視図。
【図15】図1のフレーム及びガイドブロック、並びにガイドブロックに取り付けられるように構成された内側−外側アークの別の実施形態の斜視図。
【図16】内側−外側アークの別の実施形態の斜視図。
【図17】図16の内側−外側アークに取り付けられるように構成された別のガイドブロックの斜視図であり、ガイドブロックはフレームの近位−遠位アークに取り付けられている。
【図18】内側−外側アークの端部に挿通された図1のニードルの一方の斜視図。
【図19】単一の通孔が貫通して形成された内側−外側アークの端部の別の実施形態の斜視図。
【図20】大腿骨に形成された骨孔に挿入された図1のフレームのガイドロッドの斜視図。
【図21】骨孔に挿入された図20のガイドロッド、及び図1の内側−外側アークの斜視図であり、内側−外側アークは、ガイドブロックに取り付けられておらず、ニードルも挿通されていない。
【図22】フレームに取り付けられたガイドブロックに取り付けられた図21の内側−外側アークの別の端部の斜視図。
【図23】図1のニードルが内側−外側アークの端部に挿通された、図22の内側−外側アーク、ガイドブロック、及びフレームの斜視図。
【図24】内側−外側アークに挿通され、更に患者の組織に挿通されて大腿骨の外側表面に当接している図23のニードルの一方の概略図。
【図25】内側−外側アークに挿通され、更に患者の組織に挿入されて大腿骨の外側表面に当接している図23のニードルの一方の別の概略図。
【図26】図23の内側−外側アーク、ガイドブロック、フレーム、及びニードルの斜視図であり、図4及び5のドリル及びドリルスリーブがガイドブロックに挿通され、更に大腿骨に挿入されている。
【図27】図1のガイドブロックに挿通された図13の挿入ツールに取り付けられた、クランプ締めされた形態の深さインジケーターの斜視図。
【図28】配置ガイドの例示的な一実施形態を示す。
【図29】ベース部分に取り付けられた配置ガイドを示す。
【図30】大腿骨に対して配置された配置ガイドを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書において開示される装置並びに方法の構造、機能、製造、及び使用の原理についての全体的な理解を与えるため、特定の例示的な実施形態を以下に説明する。これらの実施形態の1以上の例を添付図面に示す。当業者であれば、本明細書に詳細に具体的に述べられ、添付の図面に示される装置及び方法は、非限定的かつ例示的な実施形態であって、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることが理解されるであろう。ある例示的実施形態に関連して例示又は説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。そのような改変及び変形は、本出願の範囲内に含まれるものとする。
【0021】
関節鏡視下外科手術などにおいて骨孔を通じてクロスピンを移植するための様々な例示的な方法及び装置を開示する。一般的に、本方法及び装置によれば、膝骨の内側に、膝骨に形成された骨孔と交差するようにクロスピン孔を形成することができる。例示的な一実施形態では、クロスピン孔が膝骨の別の側面、例えば外側を貫通することなく骨孔と交差するように、骨孔に対して角度をなしてクロスピン孔を位置決めするように構成することが可能なクロスピン固定ガイド装置が提供され、これにより、膝への外傷が低減され、治癒が促される。膝骨は、大腿骨又は脛骨であってよく、これによりクロスピン孔及び骨孔のそれぞれの全体を大腿骨又は脛骨内に形成することができる。本方法及び装置は、脛骨及び大腿骨のそれぞれに骨孔及びクロスピン孔を形成するために脛骨及び大腿骨の両方にドリル穿孔する必要がないことから、外科手術中に骨に損傷を与える可能性を低減することができる。骨孔及びクロスピン孔のそれぞれの全体を同じ膝骨、例えば大腿骨及び脛骨の一方に形成することができることから、大腿骨と脛骨との間に位置する軟骨がある場合、これに外科器具を通過させる必要がなく、このため外科手術中に傷つきやすい軟骨に損傷を与える可能性が低減される。
【0022】
図1は、例えば大腿骨骨孔又は脛骨骨孔などの骨孔内に移植靱帯をクロスピン固定する際に補助となるように構成されたクロスピン固定ガイド装置100の例示的な一実施形態を示す。装置100は、ガイドロッド104、及び、ガイドロッド104からある距離だけ離間した、本明細書において「近位−遠位アーク」又は「第1のアーク」と呼ばれる、近位−遠位アーク106を有するフレーム102を有しうる。装置100は、ガイドブロック108及び内側−外側アーク110を更に有しうる。ガイドブロック108は、図1に示されるようなフレーム102の、例えば第1のアーク106に摺動可能に連結されるように構成されることにより、ガイドブロック108をフレーム102の、例えば第1のアーク106に沿って第1のアーク106に対して摺動するように動かすことができる。ガイドブロック108は、更に後述するように、第1のつまみネジ112などの、第1のアーク106に沿った選択された位置にロックされるように構成することができる。本明細書において「内側−外側アーク」又は「第2のアーク」と呼ばれる、内側−外側アーク110は、第2のアーク110がフレーム102に取り付けられた状態で図1に示されるように第1のアーク106を第1の平面内に配置し、第2のアーク110を第1の平面にほぼ垂直な第2の平面内に配置することができるようにガイドブロック108に着脱可能に取り付けることができる。図1は、ガイドブロック108においてフレーム102に取り付けられた第2のアーク110を示し、ガイドブロック108は、図1ではフレーム102の第1のアーク106に沿って摺動可能に取り付けられ、ロックされている状態が示されている。図2は、第2のアーク110がフレーム102に取り付けられていない状態でフレーム102に沿って摺動可能に取り付けられ、ロック解除されたガイドブロック108を示す。
【0023】
フレーム102は、様々な構成を有しうる。図の実施形態におけるように、フレーム102は、ガイドロッド104と、ベース部分114及びベース部分114に対して横断方向、例えば、ほぼ直交する方向に延びるアーム部分116を有するL字状部材とを有しうる。ベース部分114の末端は、ガイドロッド104の末端に取り付けられるように構成され、アーム部分116ははガイドブロック108に取り付けられるように構成されうる。
【0024】
図の実施形態におけるように、ガイドロッド104は、その遠位部分に開口部118が形成されたほぼ円筒状のシャフトを有しうる。開口部118は、図の実施形態におけるようにガイドロッド104の両側を貫通して延びうるが、実施形態によっては、開口部118はガイドロッド104に部分的に貫通して形成された行き止まりの穴として形成されてもよい。開口部118は、長尺のスロットの形状であってよく、ガイドロッドの長手方向の長さに沿って任意の長手方向の長さを有しうる。ガイドロッド104は中実の部材であってもよく、あるいはその長手方向の長さに沿ってカニューレ化されてもよい。ガイドロッド104がカニューレ化されることにより、ガイドロッド104をガイドワイア上(図に示されていない)に置くことが可能となる。図の実施形態ではガイドロッド104の遠位端104dは丸味を帯びているが、遠位端104dは、例えば円錐状、平坦又は平面状、斜角などの様々な形状を有しうる。更に後述する図3及び4のガイドロッド204は、斜角がつけられた遠位端を有している。
【0025】
ガイドロッド104は、図1に示されるように、ガイドロッド開口部118がガイドロッド104の長手方向の長さに沿ってベース部分114からある距離だけ離間し、ガイドロッド104がフレーム102のアーム部分116からある距離だけ離間し、第1のアーク106がガイドロッド104の方向にほぼ平行に延びるようにして、フレーム102のベース部分114に取り付けられるように構成することができる。図1に示されるようにガイドロッド104がベース部分114に取り付けられた状態で、開口部118内に、又は開口部118を貫通して通る軸線118Aがベース部分114に対してほぼ平行かつアーム部分114に対してほぼ垂直となるように、開口部118をベース部分114に対して方向付けることができる。
【0026】
例示的な一実施形態では、ガイドロッド104は、例えばガイドロッド104の近位端104pを、ベース部分114に形成された対応する孔122に挿入することによりガイドロッド104の近位端104pをベース部分114の端部に取り付けることによって、フレーム102のベース部分114に着脱可能に取り付けられるように構成することができる。ガイドロッド104は、例えばスナップ嵌め、嵌合可能なネジ、図の実施形態に示されるような第2のつまみネジ120によって、ベース部分114に対して取り付けられた位置でロックされるように構成することができる。ガイドロッド104とベース部分114とは、例えばキー溝加工、視覚的マーキングなどによって互いに対して所定の向きで取り付けることによって、ガイドロッド104がベース部分114に取り付けられる際にガイドロッドの開口部118のアーム部分116に対する適切な方向付けを促すように構成することができる。着脱可能なガイドロッドとすることにより、ガイドロッド104及びフレーム102の清掃を容易に行うことができる。フレーム102は、それぞれがフレーム102に着脱可能に取り付けられるように構成された複数のガイドロッドの内の1つとして着脱可能なガイドロッド104を含むキットの一部として与えることができる。複数のガイドロッドは、異なる移植片のサイズ及び患者の解剖学的構造に適合した様々な長手方向の長さ及び直径を有しうる。特定の実施形態では、ガイドロッド104の近位端は、ベース部分114の端部に着脱不能に取り付けることができる。ガイドロッド104がフレーム102に着脱不能に取り付けられている場合、フレーム102は、異なるサイズのガイドロッドがそれぞれに着脱不能に取り付けられた複数のフレームを含むキットの一部として与えることができる。
【0027】
図1の実施形態に示されるようなガイドロッド104は、更に後述するように、大腿骨に形成された骨孔内に挿入されるように構成された大腿骨ガイドロッドとしてベース部分114に取り付けられる。ガイドロッド104は、脛骨に形成された骨孔内に進められるように構成された脛骨ガイドロッドとしてベース部分114に取り付けることもできる。しかしながら、大腿骨と脛骨との解剖学的構造の違いにより、図1に示されるようにガイドロッド104をベース部分114に直接取り付けることは、外科手術においてガイドロッド104が挿入される骨孔が脛骨に形成される場合、脛骨に対してフレーム102を適切に方向付けることを困難としうる。図3及び4は、アダプター201を介してフレーム204のベース部分214に取り付けられたガイドロッド204を示す。アダプター201の近位端は、ベース部分214の端部と着脱可能に取り付けられるか又は一体に形成されるように構成することができ、ガイドロッド204の近位端は、アダプター201の遠位端と着脱可能に取り付けられるか、一体に形成されるように構成することができる。このようにして、アダプター201は、骨孔が大腿骨(アダプター201を使用しない)又は脛骨(アダプター201を使用する)のいずれに形成されているかによらずに、同じベース部分214及び同じガイドロッド204を使用することを可能とするものであり、手術キットの一部として与えられる必要のあるガイドロッド及び/又はベース部分の数を減らすことができる。
【0028】
再び図1及び図2を参照すると、アーム部分116は、ベース部分114から延びる近位部分と、第1のアーク106を有する遠位部分とを有しうる。第1のアーク106は、ガイドロッド104がベース部分114に取り付けられる際にガイドロッド104に面する内側凹面を有することにより、第1のアーク106は、その端部においてガイドロッド104に向かう方向Dにアークを描きうる。図の実施形態におけるように、第1のアーク106は、その長手方向の長さの少なくとも一部に沿って、例えば複数の角度マーク126のような目盛りを有しうる。更に後述するように、マーク126は、第1のアーク106に沿ったガイドブロック108の正確な配置を促すことができる。図の実施形態においてマーク126は、−25°〜25°まで5°刻みとなっているが、マーク126は、任意の範囲にわたって、任意の刻み幅とすることができる。第1のアーク126は、図1及び2の実施形態に示されるようにその両側にマーク126を有してもよく、これによりフレーム102を左膝及び右膝の両方に使用することが促される。
【0029】
図の実施形態におけるように、アーム部分116は、その内部に形成された1以上の孔116hを含むことができる。孔116hを利用して、手術部位の視認性を高め、フレーム102の把持を助け、かつ/又はフレーム102の重量を軽減することが可能であり、これにより、フレーム102の輸送及び外科手術中の使用が容易となる。アーム孔116hに加えるか又はこれに代えて、ベース部分114に1以上の孔が形成されてもよい。
【0030】
図1及び2に示されるように、第1のアーク124には溝128が形成されてもよく、これによりガイドブロック108は第1のアーク106に沿って滑らかに摺動することができる。溝128は、第1のアーク106の互いに反対側の側面の一方、例えば側面のマーク126を有する方に形成することができるが、第1のアーク106のいずれの側面も溝を有しうる。溝128に加えるかこれに代えて、第1のアーク106には、長手方向の開口部又はスロット124が形成され、第1のアーク106の互いに反対側の表面を貫通して延びてもよい。図の実施形態におけるように、スロット124は、溝128の一部に形成することができる。更に後述するように、溝128及びスロット124は、第1のアーク106に沿ったガイドブロック108の摺動及び第1のアーク106に対するガイドブロック108のロックを促進するように構成することができる。
【0031】
ガイドブロック108は、様々な形態を有しうる。ガイドブロック108は、フレーム102に着脱可能かつ摺動可能に取り付けられるように構成するか、あるいはこの図の実施形態におけるように、ガイドブロック108はフレーム102の、例えば第1のアーク106に着脱不能かつ摺動可能に取り付けられるように構成することができる。溝128及びスロット124は、ガイドブロック108の滑らかな摺動を促すため、第1のアーク106に沿ったガイドブロック108の案内経路として構成することができる。ガイドブロック108は、第1のアーク106に沿って近位方向及び遠位方向に選択的に摺動するように構成することができる。上記に述べたように、ガイドブロック108は、第1のアーク106に沿った特定の位置にロックすることができる。第1のつまみネジ112を、ガイドブロック108が第1のアーク106に沿って摺動することが可能な、ネジが緩められた形態と、ガイドブロック108が第1のアーク106に沿った特定の位置にロックされ、第1のアーク106に沿って摺動することができない、ネジが締められた形態との間で動くように構成することができる。使用時には、更に後述するように、ガイドブロック108が第1のアーク108に沿った所望の位置、例えば、マーク126によって示されるような所望の角度方向にあるときに、第1のつまみネジ112を上記のネジが緩められた形態から上記のネジが締められた形態に動かしてガイドブロックの位置をロックすることができる。第1のつまみネジ112は、外科手術の間に、ネジが緩められた形態とネジが締められた形態との間で何度でも動かすことができる。同様に、ガイドブロック108は、第1のアーク106に沿って近位方向及び/又は遠位方向に何度でも、かつ任意の距離だけ摺動させることができる。
【0032】
ガイドブロック108には、例えばクロスピン、ドリル、ドリルを受容するように構成されたドリルスリーブなどの器具を受容するように構成された、ガイドブロック108を貫通する少なくとも1つの通孔が形成されてもよい。例示的な一実施形態では、通孔に挿入された器具同士が互いに平行となるように上記の1以上の通孔のそれぞれの長手方向軸を互いに平行とすることができる。1以上の通孔のそれぞれは、長手方向にガイドブロック108を貫通して形成されることにより、ガイドブロック108が第1のアーク106に取り付けられる際に、各通孔の長手方向軸がアーム部分116の長手方向軸に対してほぼ垂直となるようにすることができる。図の実施形態では、ガイドブロック108には、第1及び第2の通孔130、132が貫通して形成されている。図の実施形態におけるように、第1及び第2の通孔130、132は、ガイドブロック108の水平方向の中心H1から等距離の位置に設けることができる。別の実施形態では、第1及び第2の通孔130、132は、上記に加えるか又は上記に代えてガイドブロックの垂直方向の中心に配置することもできる。図の通孔130、132は円筒状であるが、通孔130、132は任意の形状を有することができる。図2に示されるように、ガイドロッド104がベース部分114に取り付けられた状態で、第1及び第2の通孔130、132は、互いに平行で、かつガイドロッド104の開口部118を通る第1及び第2の長手方向軸130A、132Aをそれぞれ有しうる。これにより、第1及び第2の通孔130、132にそれぞれ挿通された第1及び第2の器具は、互いに平行となり、ガイドロッド開口部118と交差することができるため、ガイドロッド104の方向に通孔130、132に挿通された器具は、開口部118を確実に通過することができる。ガイドブロック108は、第1のアーク106に沿ったガイドブロック104の位置によらず、第1及び第2の長手方向軸130A、132Aがガイドロッド104の開口部118を常に貫通するように構成することができる。
【0033】
例えば、図5及び6に示されるように、第1及び第2のドリル134、136を、ガイドロッド開口部118と交差するように第1及び第2の通孔130、132にそれぞれ挿通することができる。第1及び第2のドリル134、136は様々な形態を有しうる。一般的に、第1及び第2のドリル134、136はほぼ剛性の部材であってもよく、骨内に挿入されると骨孔を形成するように構成することができる。図に示されるように、第1及び第2のドリル134、136は、骨を貫通及び/又は切断するための尖端部134t、136tを有しうる。更に図7に示されるように、第1及び第2のドリル134、136は、それらのシャフトから延びる第1及び第2の横方向に延びるピン135、137をそれぞれ有しうる。第1及び第2のピン135、137は、ドリル134、136の長手方向の長さに沿った任意の位置に配置することができるが、例示的な一実施形態では、ピン135、137はドリル134、136の最近位端134p、136pからある距離だけ遠位側に、例えば図7に示される第1のドリル134では第1の距離135Dだけ離間して、ドリル134、136の近位部分に配置される。ピン135、137は、ドリル134、136の側面から一方向に延びうるが、例示的な一実施形態では、ピン135、137は図の実施形態におけるように、ドリル134、136の2つの側面から延びうる。ピン135、137は、それぞれが、ドリルの互いに反対の側面上の2個のピン延長部を含む、又はそれぞれが、ドリルを貫通して延び、ドリルの互いに反対の側面から延びる1本のピンを含む、といった任意の態様で形成することができる。
【0034】
第1及び第2のドリル134、136は、図5及び6では、それぞれ、第1及び第2のドリルスリーブ138、140内に配置されている状態が示されている。第1及び第2のドリルスリーブ138、140は、スリーブ138、140内にドリル134、136を配置する前にガイドブロック108の第1及び第2の通孔130、132に挿通される。しかしながら、第1及び第2のドリル134、136の一方又は両方を、例えばドリルスリーブを使用することなく、第1及び第2の通孔130、132にそれぞれ直接挿通することもできる。更に、図5及び6では、2本のドリル134、136がガイドブロック108に挿通されている状態が示されているが、実施形態によっては、1個のみの骨孔を形成するためにガイドブロックの通孔130、132の一方にドリルを1本だけ挿通することもできる。
【0035】
ドリルスリーブ138、140も様々な形態を有しうる。図の実施形態におけるように、ドリルスリーブ138、140は、それぞれほぼ剛性の部材であってもよく、例えばドリルなどの器具を内部に受容するように構成されたカニューレ化されたシャフトをそれぞれが有しうる。ドリルスリーブ138、140及びドリル134、136は、任意の長手方向の長さを有しうる。例示的な一実施形態では、ドリル134、136は、それぞれのドリルスリーブ134よりも大きな長手方向の長さを有しているため、図5及び6に示されるように、ドリル134、136はそれぞれのドリルスリーブ138、140内に受容されるとドリルスリーブ138、140の両端を超えて延びる部分を有しうる。換言すると、ドリル134、136がドリルスリーブ138、140に挿通される際に、遠位端部134t、136tは、ドリルスリーブ138、140の最遠位端を超えて遠位方向に位置し、ドリルの最近位端134p、136pはスリーブ138、140の最近位端を超えて近位方向に位置しうる。ドリルスリーブ138、140は、通孔134、136に挿通される際にそれぞれの通孔134、136内で軸方向及び回転方向に運動可能であるように構成することができる。
【0036】
図5〜8に示されるように、第1及び第2のドリルスリーブ138、140は、直径方向に延びる第1及び第2のスロット145、147がそれぞれ形成された第1及び第2の近位カラー部分142、144をそれぞれ有しうる。第1及び第2のスロット145、147は、それぞれドリルの第1及び第2のピン135、137を受容するように構成することができる。第1及び第2のドリル134、136が、ドリルスリーブ138、140にそれぞれ挿入されると、図5及び6に示されるように、第1及び第2のピン135、137が第1及び第2のスロット145、147内にそれぞれ位置するまで第1及び第2のドリル134、136をスリーブ内で遠位方向に進めることができる。これにより、ドリル134、136の一方又は両方の遠位方向の軸方向運動によって、ドリルスリーブ138、140の関係する一方に対応する軸方向運動が生じうる。同様に、ドリル134、136の一方又は両方のその長手方向軸を中心とした回転運動によって、ドリルスリーブ138、140の関係する一方の対応する回転運動が生じうる。ドリル134、136とドリルスリーブ138、140とのこのような協調した運動によって、骨孔の形成を促すことができる。更に後述するように、例示的な一実施形態では、少なくともドリル134、136(ドリルスリーブ138、140はそうでないにしても)は、骨内に形成された骨孔内に予め配置されたガイドロッド開口部118に入る充分な距離で骨内にドリル穿孔することができる。
【0037】
別の実施形態では、ドリルスリーブの近位カラー部分は、ドリルのピンと係合するように構成された少なくとも1つの接触面を有しうる。図9に示される例示的な一実施形態では、ドリルスリーブ138’は、ドリルから延びるピン、例えば第1のドリル134の互いに反対の側面から延びるピン135と係合するようにそれぞれが構成された2つの互いに反対の接触面143を有する近位カラー部分142’を有しうる。これにより、ピン135が接触面143と係合するようにドリル134がドリルスリーブ138’に挿通されると、ドリル134の遠位方向の軸方向運動によって、ドリルスリーブ138’の対応する軸方向運動が生じ、ドリル134のその長手方向軸を中心とした時計回りの回転運動によって、ドリルスリーブ138’の時計回りの対応する回転運動が生じうる。ドリルスリーブ138’は、ドリル134の時計回りの回転運動に対応するように構成され、同様に、近位カラー部分142’も時計回りの回転運動に対応するように構成することができる。
【0038】
図5〜7に示されるように、スリーブ138、140の遠位端は、平坦な先端部を有しうる。しかしながら、ドリルスリーブ138、140の一方又は両方が、丸味を帯びた、又は円錐状などの他の遠位端の形態を有してもよい。例示的な一実施形態では、ガイドブロックの通孔130、132に挿通されたドリルスリーブの遠位端は1以上の切削歯を有しうる。切削歯は、ドリルスリーブの切削性能を高め、例えば骨孔を形成する場合などに切削に必要とされる軸方向の力を低減させるように構成することができる。図10〜12は、1個の切削歯339を含むドリルスリーブ338の一実施形態を示しているが、上記に述べたように、ドリルスリーブ338は複数の歯を含むことができる。歯339は、図12に示されるように、ドリルスリーブ338の最遠位の縁部338dがその長手方向軸338Aの周囲において非対称となるようにドリルスリーブ338から遠位方向に延びうる。ドリルスリーブ338の最遠位の縁部338dは、例えば約5°のある角度αが付けられていてもよく、全周にわたって鋭利とすることで更に切削を促すことができる。
【0039】
ドリルスリーブ138、140の一方又は両方が、その外表面、内表面、及び/又はドリルスリーブ138、140の他の任意の部分に潤滑コーティングを有してもよい。潤滑コーティングは、有効なシリコーン化処理においてドリルスリーブを完全に浸漬するなどの任意の態様でドリルスリーブ上に形成することができる。潤滑コーティングは、骨孔の舐めらかなドリル穿孔を促し、骨からのスリーブの脱着を促し、ドリル穿孔時の熱発生を低減し、かつ/又は、骨とスリーブとの間、スリーブとスリーブに挿通された器具との間、及び、スリーブとガイドブロックとの間のかじりの可能性を低減する補助となりうる。このコーティングには、任意の生体適合性の潤滑コーティングが含まれうるが、例示的な一実施形態においては、コーティングとして、ミシガン州ミッドランド所在のダウ・コーニング社より販売されるDow Corning(登録商標)630 Medical Fluidが挙げられる。
【0040】
上記に述べたように、第1及び第2の通孔130、132は、クロスピンなどのドリル及びドリルスリーブ以外の器具を受容するように構成することができる。クロスピンは、様々な形態を有してよく、任意の態様で患者に挿入することができる。クロスピンは、ポリマー材料、バイオセラミック材料、複合材料、非吸収性材料などの1以上の材料で形成することができる。例示的な一実施形態では、クロスピンは、例えばリン酸三カルシウムを含むポリ(乳酸)、リン酸三カルシウムを含むラクチドとグリコリドとのコポリマー(ポリ(ラクチド−コ−グリコリド))などの生体吸収性材料で形成される。クロスピン146の例示的な一実施形態が図13に示されている。
【0041】
クロスピンは、通孔130、132に直接挿通することができるが、例示的な一実施形態では、クロスピンは通孔130、132に挿通された挿入ツールに挿通することができる。挿入ツールは、通孔130、132に直接挿入するか、あるいはドリル134、136と同様、例えば通孔130、132に挿通されたドリルスリーブ138、140のようなスリーブに挿通することができる。挿入ツールは様々な形態を有しうる。図13は、通孔130、132の一方に摺動可能に挿通されるように構成され、クロスピン146が挿通されるように構成されたこのような挿入ツール148の例示的な一実施形態を示す。挿入ツール148は、クロスピン挿入先端部148i、これにクロスピン146を挿通するためにマレットで叩くことができるハンドル148h、及びクロスピン146の挿入の深さを調節するためのステップイン径148sを有しうる。
【0042】
図3及び4は、ガイドブロック108に内側−外側又は第2のアーク110が取り付けられていない状態でガイドブロックの通孔130、132に挿通されたドリルスリーブ138、140及びドリル134、136が示されているが(図5及び6も、ガイドブロックの通孔にそのように挿通されたドリルスリーブ及びドリルを同様に示す)、ドリルスリーブ138、140、ドリル134、136、及び/又は他の器具を、ガイドブロック108に第2のアーク110が取り付けられた状態でガイドブロックの通孔130、132に挿通することもできる。換言すれば、第2のアーク110がガイドブロック108に取り付けられている場合に第2のアーク110は通孔130、132を塞ぐことはない。これにより、クロスピン固定を促すようにガイドブロック108及びガイドブロックの通孔130、132が第2のアーク110と協働することができる。
【0043】
第2のアーク110は様々な形態を有しうる。図1に示される実施形態におけるように、第2のアーク110は、図14にも示されるように、第1の端部110a及び第2の端部110bを有し、それらの間にアーク状部分110cが延びている。アーク状部分110cは、図1の実施形態に示されるような中実の部材であってもよく、又は少なくとも部分的に中空であるか、かつ/又は1以上の孔が形成されていてもよい。図15は、第1の端部410a及び第2の端部410bを含み、それらの間にアーク状部分410cが延び、更に複数の孔410hが形成された内側−外側又は第2のアーク410の一実施形態を示す。上記に述べたアーム部分116の孔116hと同様、アーク状部分410の孔410hを利用して、手術部位の視認性を高め、アーク状部分410の把持を助け、かつ/又はアーク状部分410の重量を軽減することができる。
【0044】
図1及び14を再び参照すると、第2のアーク110の第1の端部110aは、ガイドブロック108に着脱可能に取りつけられるように様々な態様で構成することができる。一般的に、第2のアーク110は、第2のアーク110をガイドブロック108に着脱可能に取り付けるように構成された嵌合機構を有しうる。図の実施形態におけるように、第2のアークの嵌合機構は、第1の端部110aに、ガイドブロック108と摺動可能に嵌合するように構成された、例えば第1、第2、第3、及び第4の軌道158a、158b、158c、158dのような少なくとも1つの軌道が形成されていてもよい。少なくとも1つのこのような軌道は、ガイドブロック108の少なくとも1つのレールと摺動可能に嵌合するように構成するか、又は図の実施形態におけるように、4つの軌道158a、158b、158c、158dをほぼ矩形のガイドブロック108の4つの角部と嵌合するように構成することによって、ガイドブロック108が軌道158a、158b、158c、158d内に配置される。別の実施形態では、第2のアークは、ガイドブロックの少なくとも1つの軌道と嵌合するように構成された少なくとも1つのレールを有しうる。
【0045】
第2のアークの嵌合機構がガイドブロック108と嵌合した状態で、第2のアーク110をガイドブロック108に対して固定された位置にロックされるように構成することができる。第2のアーク110は、スナップ嵌め、嵌合可能なネジ、押し込みボタンなどの様々な態様でガイドブロック108に対してロックすることができる。図の実施形態におけるように、第2のアーク110の第1の端部110aは、図2に示されるガイドブロック108に形成された対応する通孔162に押し込まれ、かつ/又は螺入されるように構成された第3のつまみネジ160を有することにより、第2のアーク110をガイドブロック108に対して摺動不能な固定位置にロックすることができる。
【0046】
内側−外側又は第2のアークをガイドブロックに着脱可能に取りつけるように構成された嵌合機構の別の実施形態は、第2のアークの第1の端部に雄部材を有している。雄部材は、ガイドロッドに形成された雌部材に受容されるように構成することができる。第2のアークは、第2のアークの雄部材がガイドブロックの雌部材内に配置された状態でガイドブロックに対する固定位置にロックされるように構成することができる。第2のアークは、スナップ嵌め、嵌合可能なネジ、押し込みボタンなどの様々な態様でガイドブロックに対してロックすることができる。図16は、内側−外側又は第2のアーク110’の第1の端部110a’の雄部材159の形態の嵌合機構の一実施形態を示す。雄部材159は、ガイドロッド内に形成された雌部材に受容されるように構成することができる。第2のアーク110’は、第2のアークの雄部材159がガイドブロックの雌部材内に配置された状態で、ガイドブロックに形成された対応する凹部又は孔に、解除可能なスナップ嵌めなどによって嵌合するように構成された押し込み可能な突起部161を使用することなどによって、ガイドブロックに対する固定位置にロックされるように構成することができる。
【0047】
ガイドブロックは、それぞれが第2のアークの雄部材を受容するように構成された1以上の雌部材を有しうる。例示的な一実施形態では、ガイドブロックは、それぞれが第2のアークの対応するキー溝加工された雄部材を受容するようにキー溝加工された2個の雌部材を有しうる。キー溝加工によって、第2のアークがガイドブロックに誤った向きで連結されることを防止することができる。キー溝加工に加えるか又はこれに代えて、雄及び雌部材を、視覚的マーキングなどによって互いに対する特定の関連付けがなされるように構成することができる。これにより、一方の雌部材を、左膝に使用するための第2のアークの雄部材を受容するように構成し、他方の雌部材を、右膝に使用するための別の第2のアークの別の雄部材を受容するように構成することで、ガイドブロックが取り付けられたフレームを左右両方の膝に使用することが可能である。図17は、近位−外側又は第1のアーク106’に取り付けられ、第1及び第2の雌部材161a、161bを有するガイドブロック108’の一実施形態を示す。雌部材161a、161bのそれぞれは、この実施形態に示されるようにキー溝加工することができる。雌部材161a、161bの一方、例えば第1又は左側の雌部材161aを、左膝に使用するように構成された第2のアークの雄部材を受容するようにキー溝加工し、雌部材161a、161bの他方、例えば第1又は左側の雌部材161bを、右膝に使用するように構成された別の第2のアーク、例えば図16の第2のアーク110’の別の雄部材(そのキー部分は、雄部材159の隠れた幅広い側面上にあり、見ることができない)を受容するようにキー溝加工することができる。この図の実施形態における雌部材161a、161bは更にそれぞれ、雄部材の対応する突起部を受容してその中に雄部材を解除可能にロックするように構成することが可能な、ガイドブロック108’の壁に形成された孔163a、163bを有している。
【0048】
再び図1の実施形態を参照すると、第2のアーク110の第2の端部110bには図18にも示されるようなニードルガイドが配置され、ニードルガイドには少なくとも1個の通孔、例えば第1及び第2の通孔150、152がニードルガイドを貫通して形成されている。図の実施形態におけるように、第1及び第2の通孔150、152は、第2の端部110bの水平方向の中心H2から等距離の位置に設けられ、第2の端部110bの垂直方向の中心V2に位置するよう設けることができる。図の通孔150、152は円筒状であるが、通孔150、152は任意の形状を有することができる。図の実施形態におけるように、ガイドロッド104がベース部分114に取り付けられた状態で、第1及び第2の通孔150、152は、互いに平行で、かつガイドロッド104の開口部118を通る第1及び第2の長手方向軸150A、152Aをそれぞれ有しうる。これにより、第1及び第2の通孔150、152にそれぞれ挿通される、例えば第1及び第2のニードル154、156などの第1及び第2の器具は互いに平行となり、かつガイドロッド開口部118と交差する、通孔の軸線150A、152Aと整列した長手方向軸を有しうる。第2のアーク110は、第1のアーク106に沿ったガイドブロック104の位置によらず、ガイドブロック108に取り付けられている場合、第2のアークの通孔150、152がガイドブロックの通孔130、132と軸線が一致する、例えば、第2のアークの第1及び第2の長手方向軸150A、152Aがガイドブロックの第1及び第2の長手方向軸130A、132Aと一致するように構成することができる。したがって、第2のアークの通孔の第1及び第2の長手方向軸150A、152Aも、第2のアーク110がガイドブロック108に取り付けられる際にガイドロッド開口部118を通ることになる。
【0049】
図19に示される別の実施形態では、内側−外側又は第2のアーク510は、1個のみの通孔550が貫通して形成された第2の端部510bを有しうる。図の実施形態におけるように、1個の通孔550は、第2のアークの第2の端部の水平方向H及び垂直方向Vに中心が位置する中心通孔であってもよい。図1及び16の実施形態と同様、第2のアーク510の第1の端部(図に示されていない)がガイドブロック(図に示されていない)に着脱可能に取りつけられている場合、フレーム(図に示されていない)の第1のアークに沿ったガイドブロックの位置によらず、第2のアーク510は、1個の通孔550の長手方向軸550Aが、フレームのガイドロッドの遠位開口部(図に示されていない)を通るように構成することができる。1個の通孔の長手方向軸550Aは、1個の通孔の長手方向軸550Aが、ガイドブロックを貫通して形成された第1及び第2の通孔の各長手方向軸と平行となり、かつそれらの間に位置するように第1及び第2の通孔の長手方向軸に対して整列させることができる。
【0050】
上記に述べたように、図1、14、及び18の実施形態の通孔150、152、並びに図19の実施形態の通孔550のそれぞれは、例えばニードル154、156のようなニードルなどの器具が通孔を通じて進められるように構成することができる。ニードル154、156は様々な形態を有しうる。例示的な一実施形態では、ニードル154、156は、それぞれほぼ剛性の部材であってよく、近位カラー154c、156cから遠位方向に延びる長尺シャフト154s、156sをそれぞれ有してもよい。長尺シャフト154s、156sはそれぞれ、その近位部分に深さインジケーター154i、156iを有しうる。深さインジケーター154i、156iは、シャフト154s、156sのそれぞれに付された1以上のマークなど、様々な形態を有しうる。マークは、例えば、線、色、光などの視覚的マーク、及び/又は、例えば溝などの触覚的マークとすることができる。一般的に、第2のアーク110の端部110a、110b間の距離が固定されていること、ニードル154、156の長手方向の長さが固定されていること、更に、ガイドブロックの通孔130、132にそれぞれ挿通されるドリル134、136の長手方向の長さが分かっており、例えば近位カラー部分142、144がガイドブロック108に当接するまでドリル134、136を通孔130、132に挿入することによって所定の位置にまで挿入することができることから、深さインジケーター154i、156iをそれぞれのニードルの長手方向の長さに沿って配置することによって、ガイドブロック108が第1のアーク106に沿った現在の位置にある状態でドリル134、136が膝骨内にどれくらい深く貫通するかを示すことができる。換言すれば、深さインジケーター154i、156iは、ドリル134、136、更にこれに続いてクロスピンが、例えば膝骨の外側表面を貫通することなく、クロスピンをその内部に機械的に固定できるように膝骨の外側に充分な骨ストック量を残して膝骨の内側に挿入され、その遠位端が膝骨の内部に配置される際の助けとなるように構成することができる。それぞれのニードル154、156の長手方向の長さに沿った深さインジケーター154i、156iの位置は、深さインジケーター154i、156iのそれぞれについて同じであってもよく、例えば、ニードルの長手方向の長さの25%が深さインジケーターの一方の側となり、ニードルの長手方向の長さの75%が深さインジケーターの他方の側となるように1/4の位置のマークにそれぞれを配置することができる。
【0051】
ニードルの長尺シャフト154s、156sが通孔150、152の直径よりも小さい直径を有しうるのに対して、近位カラー154c、156cは、少なくともその遠位端において、通孔150、152の直径よりも大きい直径を有しうる。このようにして、近位カラー154c、156cを、ニードル154、156が通孔150、152に深く挿入されすぎて扱いにくくなることを防止するための係止部として構成することができる。ニードル154、156のそれぞれの遠位先端部154t、156tは、尖っているか、鋭利であるか、かつ/又は別の方法で組織を貫通するように構成することができる。
【0052】
使用時には、上記に述べたように、本明細書において開示されるクロスピン固定ガイド装置を、骨孔内に移植靱帯をクロスピン固定するための低侵襲性外科手術において使用することができる。一般的には、最初に標準的な方法によって手術の準備処置を患者に行うことができる。患者の膝に、前外側(AL)関節鏡視用ポート、及び前内側(AM)作業用ポートを形成することができる。図面には、これらの標準的な手術用ポートは示されていない。図面には、手術の異なる局面を行うのに使用することができる皮膚の切開もやはり示されていない。例えば、患者から半腱様筋移植片を採取することにより、又は同種移植片を与えることにより、適当な移植片を与えることができるが、本発明の方法を用いて、軟部組織移植片及び骨ブロック又は代用剛性材料を端部に付着させた移植片を含むあらゆる種類の移植片又は移植片源を移植することが可能である。
【0053】
図20に示される例示的な一実施形態では、クロスピン固定外科手術は、前内側アプローチを用いて、大腿骨172と脛骨176との間の関節腔174を通って大腿骨172内部へと患者の膝の大腿骨172に本明細書において「大腿骨骨孔」とも呼ぶ骨孔170を準備することを含みうる。大腿骨骨孔170は、当業者には認識されるであろう様々な態様で準備することができる。非限定的な例として、大腿骨骨孔170は、大腿骨顆間窩内の移植片の挿入に適した位置を決定し、選択された大腿骨軸線に沿って大腿骨172内にガイドピン(図に示されていない)によりドリル穿孔した後、リーマーにより孔を拡大して、移植片を受容するのに適した深さ及び直径にまでガイドピンに沿って大腿骨骨孔170を形成することによって形成することができる。大腿骨骨孔は2個の開放端を有しうるが、この図の実施形態におけるように、大腿骨孔170は1個のみの開放端を有する、例えば盲孔であってもよい。この実施形態では大腿骨骨孔が形成されているが、上記に述べたように、クロスピン固定外科手術では代わりに脛骨トンネルを形成することもできる。
【0054】
例えば図1の装置100のガイドロッド104のようなガイドロッドを大腿骨骨孔170に挿入することができる。例示的な一実施形態では、ガイドロッド104は大腿骨骨孔170に挿入される際にベース部分114に取り付けられているが、ガイドロッド104は大腿骨骨孔170に挿入した後でベース部分114に取り付けることもできる。図1の装置は、この図の実施形態では非限定的な例として用いられている。異なるガイドロッド、例えば、ガイドロッド104と異なる直径及び/又は長手方向の長さを有するガイドロッドをベース部分114に取り付けて代わりに大腿骨骨孔170に挿入するか、あるいは、本明細書において述べるような異なるクロスピン固定案内装置を手術に使用することもできる。
【0055】
ガイドロッド104が大腿骨骨孔170に挿入された状態で、図20に示されるように、内側178に第1のアーク106が配置されるようにしてフレーム102を大腿骨172の内側178に配置することができる。一実施形態では、ガイドロッド104が大腿骨骨孔170に挿入され、ガイドロッド104がフレーム102のベース部分114に取り付けられた状態で、フレーム102をガイドロッド104の長手方向軸A1及び大腿骨骨孔を中心として回転させることによって第1のアーク106を大腿骨172の内側178に配置することができる。別の実施形態では、ガイドロッド104を、ベース部分114に取り付ける前に大腿骨骨孔104に挿入することもできる。次いで、ガイドロッド104が大腿骨骨孔170から延出した状態で、第1のアーク106が内側178に配置されるようにベース部分114をガイドロッド104に取り付けることができる。図20では、フレーム102は、第2のアーク110が取り付けられていない状態で示されているが、第2のアーク110は外科手術の間の任意の時点でガイドブロック108に取り付けることができる。例示的な一実施形態では、ガイドブロック108が取り付けられた第1のアーク106が内側178に配置された後で第2のアーク110をガイドブロック108に取り付けることができる。ガイドブロック108がフレーム102から着脱可能に構成されている場合、ガイドブロック108は手術の間の任意の時点においてフレーム102の、例えば第1のアーク106に取り付けることができる。例示的な一実施形態では、ガイドブロック108は、第1のアーク106が大腿骨172の内側178に配置される前に第1のアーク106に取り付けることができる。
【0056】
図21は、大腿骨172の内側178の第1のアーク106、及び内側−外側方向に延びる予め取り付けられた位置にある第2のアーク110を示している。上記に述べたように、例えば4つの軌道158a、158b、158c、158dをガイドブロック108と嵌合させることによって第2のアーク110の第1の端部110aをガイドブロック108に取り付けることができる。ガイドブロック108と嵌合させた時点で、第2のアーク110を上記に述べたようにガイドブロック108に対する固定位置にロックすることができる。図22及び23は、第2のアーク110をガイドブロック108に対する固定位置にロックするためにガイドブロック108と摺動可能に嵌合させられた第2のアークの第1の端部110a、及びガイドブロック108に形成された対応する通孔162内に進められた第3のつまみネジ160を示している。これにより、ガイドブロック108が第2のつまみネジ112を介してフレーム102にロックされると、第2のアーク110はフレーム102に対してロックされうる。図22及び23は、上記に述べたように、第2のアーク110がガイドブロック108に取り付けられる際に第2のアーク110がガイドブロックの通孔130、132を塞がない、又は通孔130、132へのアクセスを妨げないように構成することができることを示している。
【0057】
ガイドブロック108が取り付けられた第1のアーク106が大腿骨172の内側178に配置された状態で、第1のアーク106に沿った選択された角度位置にガイドブロック108が位置決めされて大腿骨172に対してガイドブロック108が位置決めされるようにガイドブロック108を第1のアーク106に沿って摺動させることが可能であり、かつ/又はフレーム102をガイドロッド及び骨孔の軸線A1を中心として回転させて大腿骨172に対してガイドブロック108を位置決めすることができる。このようにして、ガイドブロック108の通孔130、132の軌跡の角度を、大腿骨172及び骨孔170に対して調節することができる。本明細書において述べられるように、選択される角度位置は、第2の端部の通孔150、152に挿通され、大腿骨172の外側180の組織内に挿入されるニードル154、156の挿入深さに基づいたものとすることができる。一般的には、大腿骨の一般的形状のため、また、骨孔170と交差させるための大腿骨172内への前内側アプローチに必要とされる角度のため、骨孔170の外側、例えば骨孔170と大腿骨の外側表面182との間に存在する骨ストック量は不充分となりうる。このような不充分な骨ストック量により、大腿骨172内におけるクロスピンの機械的固定が妨げられ、かつ/又は困難となりうる。第2のアーク110を通じたニードルの挿入深さに基づいて通孔130、132の軌跡が調節されることにより、骨孔170の外側に充分な骨ストック量が与えられる。
【0058】
ガイドブロック108がロックされた形態にある場合、例えば第1のつまみネジが締められた形態にある場合、第1のつまみネジ112を締められた形態から緩められた形態に動かすことによって、ガイドブロック108を第1のアーク106に沿って摺動させることが可能となる。ガイドブロック108が選択された角度位置、例えば、図20に示されるような20°のマークにある場合、第1のつまみネジ112を緩められた形態から締められた形態に動かすことなどによってガイドブロック108をその位置にロックすることができる。
【0059】
図23に示されるように、第2のアーク110がガイドブロック108に取り付けられ、ガイドブロック108及び第2のアークの第1の端部110aが大腿骨の内側178に配置され、更に第2のアークの第2の端部110bが大腿骨の外側180に配置された状態で、第1及び第2のニードル154、156を第2のアーク110内に形成された通孔150、152にそれぞれ挿通することができる。第1及び第2のニードル154、156は、それぞれの遠位先端部154t、156tがそれぞれ大腿骨182の外側表面182と接触するまで、第1及び第2の通孔150、152を通じ、更に大腿骨172の近傍の組織を通じて進めることができる。遠位先端部154t、156tが大腿骨の外側表面182に接触したことは、触覚によって、及び/又は、内視鏡若しくは患者の体内に進められた他の視認器具などにより視覚によって検出することができる。例示的な一実施形態では、遠位先端部154t、156tは組織を通じて延び、外側表面182を貫通して大腿骨172に孔を形成することはなく、又は他の方法により大腿骨172内に入ることもないが、遠位先端部154t、156tは、大腿骨の外側表面182内にわずかに貫通しうる。図23では、ニードル154、156は、遠位先端部154t、156tのいずれかが大腿骨172の外側表面182と接触するまで進められるよりも前に第2のアークの第2の端部110bに挿通されている様子が示されているが、ニードル154、156は、同時に、又は任意の順序で連続して第2のアークの通孔150、152に挿通することができる。第2の端部の通孔150、152の両方に挿通されたニードル154、156を使用することで、ガイドブロックの通孔130、132の両方の軌跡を望ましい配置とする助けとなりうるが、実施形態によっては、ニードル154、156の一方のみを使用して、例えば患者の大腿骨が実質上均一なサイズとなっているとみなされるか、といったガイドブロックの位置を確認することができる。
【0060】
ニードルの遠位先端部154t、156tが大腿骨の外側表面182と接触した状態で、ニードルの深さインジケーター154i、156iにより、大腿骨172の外側表面182と大腿骨172内に移植しようとするクロスピンの遠位端の標的位置、例えば大腿骨骨孔170内に配置されたガイドロッド開口部118の位置との間の距離を示すことができる。第1の条件では、深さインジケーター154i、156iの両方が第2のアークの第2の端部110bの外側面110L、例えば通孔150、152の外側開口部に対して外側に位置している場合、ガイドブロックの通孔130、132のそれぞれに挿通されたクロスピンを、大腿骨172の内側178に挿入して大腿骨の外側表面182を貫通することなく(例えばクロスピンは大腿骨172内部に収容されうる)大腿骨骨孔170と交差させることができる。第1のニードル154を例として用い、図24を参照すると、第1のニードル154は、その遠位先端部154tが大腿骨の外側表面182と接触するまで、第2のアークの第1の通孔150を通って進めることができる。深さインジケーター154iは、第2の端部の外側面110Lから外側に距離D1、かつ大腿骨の外側表面182から外側に距離D2の位置に配置されている。距離D1は、大腿骨の外側表面182と大腿骨172に形成される内側−外側骨孔の外側終端との間の距離D3に等しいか又はこれよりも小さい距離を表す。これにより、距離D1は距離D3が存在することを示し、このことは大腿骨の内側表面にドリル挿入される骨が大腿骨の外側表面182から突出しないことを示す。換言すれば、第2のアークの第1及び第2の端部110a、110b間の距離D4が固定されていること、ニードルの遠位先端部154tと深さインジケーター154iとの間の距離D2が固定されていること、及びガイドブロックの通孔130、132が第2の端部の通孔150、152と同一の軸線を有することにより、第2の端部の外側面110Lに対して外側に位置する深さインジケーター154iは、ガイドブロックの通孔の対応する一方130に挿通されて大腿骨172の内側178に挿入されるクロスピンが、大腿骨の外側表面182を貫通することなく、大腿骨骨孔170と交差することを示している。したがって、ガイドブロック108は、ガイドブロックの通孔130、132のそれぞれにクロスピンを挿通するための許容される位置にあるものと考えられる。
【0061】
ニードル154、156上の深さインジケーター154i、156iは、深さインジケーター154i、156iが第2の端部の外側面110Lと同一平面上となる場合、その遠位先端部154t、156tがある距離、例えば安全距離だけ、大腿骨の外側表面182に対して内側となるような予め組み込まれた安全距離を有するようにニードル154、156上に配置することができる。この安全距離は、約2mmに等しいか、又は約4mmに等しいといったように変化しうる。
【0062】
この逆に、第2の条件では、深さインジケーター154i、156iの一方又は両方が第2のアークの第2の端部110bの外側面110Lに対して内側に位置している場合、ガイドブロックの通孔130、132の対応する一方又は両方に挿通され、大腿骨172の内側178内に挿入されるクロスピンは、大腿骨の外側表面182を貫通することになる(又は外側表面182の安全距離内となる)。深さインジケーターのこのような内側の位置は、クロスピンをガイドブロック108の通孔130、132に挿通して大腿骨172内に挿入する前に通孔130、132を再配置しなければならないことを示しうる。再び第1のニードル154を例として用い、図25を参照すると、第1のニードル154は、その遠位先端部154tが大腿骨の外側表面182と接触するまで、第2のアークの第1の通孔150を通って進めることができる。深さインジケーター154iは、第2の端部の外側面110Lから配置されているために負の距離D5(例えば、内側に)に位置し、大腿骨の外側表面182から距離D6だけ外側に位置している。深さインジケーター154iは見えない場合もあり、例えば第2の端部110bの通孔150内に配置されているか、組織内に配置されている場合がある。負の距離D5は、大腿骨の外側表面182と、後述するように大腿骨172に形成することが可能な内側−外側骨孔の外側終端との間の距離D7よりも大きい。これにより、第2のアークの第1及び第2の端部110a、110b間の距離D4が固定されていること、ニードルの遠位先端部154tと深さインジケーター154iとの間の距離D2が固定されていること、及びガイドブロックの通孔130、132が第2の端部の通孔150、152と同一の軸線を有することにより、第2の端部の外側面110Lに対して内側に位置する深さインジケーター154iは、ガイドブロックの通孔の対応する一方130に挿通されて大腿骨172の内側178に挿入されるクロスピンが、大腿骨骨孔170と交差し、大腿骨の外側表面182を貫通することを示している。したがって、ガイドブロック108は、ガイドブロックの通孔130、132のそれぞれからクロスピンを挿入するには許容されない位置であると考えられ、患者に挿入されたニードル154、156のいずれかを患者から抜脱し、ガイドブロック108を第1のアーク106に沿って摺動可能に再配置することができる。ガイドブロック108を摺動可能に再配置することにより、ガイドブロック108に取り付けられた第2のアークの第2の端部110bも再配置される。ガイドブロックが再配置された状態で、ニードル154、156を第2の端部の通孔150、152から再び患者に挿入して大腿骨の外側表面182と接触させ、深さインジケーターの位置を、第2の端部の外側面110Lに対して望ましい内側にあるか、望ましくない外側にあるかを評価することができる。ガイドブロック108の再配置、ニードルの挿入、及び深さインジケーターの評価を必要な回数だけ繰り返すことによって、大腿骨172の外側182を貫通することなくクロスピンを大腿骨172に挿入することが可能な第1の条件を実現することができる。
【0063】
上記に述べたように、第2のアーク110の第2の端部は、図19の実施形態におけるように1個のみの通孔が貫通して形成されていてもよい。この場合、1本のみのニードルを第2の端部から挿入して、ガイドブロックの通孔130、132を通じて大腿骨172内に挿入されるクロスピンが大腿骨の外側表面182を貫通するか否かを評価することができる。第2の端部の1個の通孔は、上記に述べたようにガイドブロックの各通孔の間に中心を置くことができるため、この1個の通孔から挿入された1本のニードルを使用してガイドブロック108が第1の条件(クロスピンが大腿骨の外側表面182を貫通しない)で配置されているか、又は第2の条件(クロスピンが大腿骨の外側表面182を貫通する)で配置されているかを評価することができる。
【0064】
別の実施形態では、ニードル154、156を使用して大腿骨骨孔170を形成する前に上記に述べたような距離を示すことができる。この実施形態では、フレーム102のベース部分114に取り付けられた大腿骨ガイドロッドを、例えば大腿骨172のような骨には入らないが、代わりに骨に近接した例えば皮膚などの組織の外表面に当接するように「断頭」することができる。また、フレーム102のベース部分114に取り付けられたガイドロッドを、最終的に形成される大腿骨骨孔170の部分的な長さを形成するように先端を切り詰めることもできる。ニードル154、156を使用して骨に大きくドリル穿孔がなされる(ドリル穿孔される場合)前にその距離を確認することは、形成される骨孔及び穴を大幅な再調整(再調整がなされる場合)を行わずに、所望の位置に確実に形成する助けとなりうるものである。
【0065】
例えば、図26に示されるように、ニードル154、156を使用してガイドブロックの選択された位置を確認した後、ガイドブロック108が第1のアーク106に沿った選択された位置にある状態で、第1及び第2のドリル134、136並びに第1及び第2のドリルスリーブ138、140をそれぞれのガイドブロック通孔130、132を通じて大腿骨172の内側178内に進めて大腿骨172に第1及び第2の内側−外側パイロット孔184、186を形成することができる。上記に述べたように、パイロット孔184、186は、例えばガイドロッド104の遠位開口部118において大腿骨骨孔170とほぼ垂直となり、かつ大腿骨骨孔170と交差するように形成することができる。パイロット孔184、186は同時に形成するか、又は任意の順序で連続して形成することができる。図26では、第1及び第2のドリル134、136並びに第1及び第2のドリルスリーブ138、140をそれぞれのガイドブロック通孔130、132を通じて進めることができる場合にニードル154、156が第2の端部の通孔150、152から挿入されている様子が示されているが、ニードル154、156は、ドリル134、136並びに/又はドリルスリーブ138、140を使用する前に第2の端部の通孔150、152から抜脱してもよい。パイロット孔184、186が形成された後、少なくともドリル134、136をパイロット孔184、186から抜去してクロスピンの挿入に準備することができる。
【0066】
移植靱帯(図に示されていない)を大腿骨骨孔170に挿入、配置することができる。移植片は、様々な態様で大腿骨骨孔170に挿入することができる。移植用の移植片を調製するための方法、及び移植片を骨孔内に配置するための方法は当該技術分野では周知のものである。非限定的な例として、移植片は、大腿骨骨孔170を準備する際に形成されるガイド孔(図に示されていない)を通じて配置された通しピン(図に示されていない)を使用して、移植片を、移植片と通しピンとの間に取り付けられた縫合糸によって大腿骨骨孔170内に引き込むことによって大腿骨骨孔170内に配置することができる。
【0067】
移植片が大腿骨骨孔170内に配置されたなら、例えばクロスピン146のようなクロスピンを、例えば挿入ツール148を使用してパイロット孔184、186から内側に挿入することによって、大腿骨骨孔170内に移植片を嵌合させ、ピン固定することができる。各クロスピンは同時に挿入するか、又は任意の順序で連続して挿入することができる。例えば骨−腱−骨(BTB)移植片を移植するための、移植片が骨ブロックで終端するような実施形態では、移植片が大腿骨骨孔170内に配置された後で更なるドリル穿孔ことを行うことができる。この更なるドリル穿孔ことは、非限定的な例として、段差のある直径を有するトロカールを、クロスピンを受容するために骨内に配置された対応するトロカールスリーブ及び移植片に、クロスピンを挿入する前に通すことによって行うことができる。
【0068】
クロスピンの挿入に際しては、挿入ツール148の近位端をマレットで叩くことなどにより、軸方向かつ外側に向けられた力を加えてクロスピンを移植片に貫通させて移植片をしっかりとピン固定することができる。深部挿入要素を、この軸方向の力によってクロスピンが過度に外側に、例えば大腿骨の外側表面182を貫通して進められることを防止するように構成することができる。図27は、深部挿入要素188の一実施形態を示す。説明を分かりやすくするため、図27には大腿骨172及び移植片は示していない。深部挿入要素188には、第1及び第2の通孔190、192のような少なくとも1個の通孔が貫通して形成されうる。図の通孔190、192は円筒状であるが、通孔190、192は任意の形状を有することができる。深部挿入要素188は、通孔190、192がそれぞれ第1の直径を有するクランプ締めされていない位置と、通孔190、192が第2のより小さい直径を有するクランプ締めされた位置との間で動くことができるように構成することができる。これにより、通孔190、192に挿通された器具は、深部挿入要素188がクランプ締めされた形態にある場合に動くことを防止し、例えばロックされ、これにより器具を固定位置に保持又は把持することができる。深部挿入要素188は、深部挿入要素188に接続された、例えば押し込みボタン、レバーなどのアクチュエーターを作動させることなど、様々な態様で前記クランプ締めされた形態と前記クランプ締めされていない形態との間で動くように構成することができる。図の実施形態におけるアクチュエーターは可動式レバー194であり、レバー194は、図27ではクランプ締めされた形態にある深部挿入要素188に対応した位置で示されている。深部挿入要素188は、任意の態様で、かつ所定の形状に成形された生体適合性金属などの任意の1以上の材料で形成することができる。
【0069】
図27に示されるように、深部挿入要素188は患者の体外でガイドブロック108と大腿骨172の内側178との間に配置することができる。深部挿入要素188は、大腿骨172の内側178(例えば、大腿骨172に近接した組織の内側表面(図に示されていない))に当接するように配置することができる。例示的な一実施形態では、深部挿入要素188を挿入ツール148の周囲にクランプ締めする前に、クロスピン146をその遠位端に有する挿入ツール148を任意の深さで患者に挿入することによって、クロスピン146をガイドロッド104の開口部118内に配置された移植片に近接して配置することができる。図27においては、上記に述べたように、開口部118の中に配置された移植片は示されていない。次に、深部挿入要素188を挿入ツール188の周囲にクランプ締めすることによって、クロスピン146が移植片に挿通される際に挿入ツールの軸方向の運動を防止することができる。深部挿入要素188は、患者から挿入ツール148を抜脱する前に挿入ツール148からクランプ締めを緩めることができるが、深部挿入要素188とガイドブロック108との間の距離が適切な大きさである場合には、挿入ツール148は内側方向に患者の体外へと、深部挿入要素188がその周囲にクランプ締めされた状態で動かすことができる。
【0070】
上記に加えるか、又は代えて、深部挿入要素188はパイロット孔184、186をドリル穿孔する際にも使用することができる。
【0071】
大腿骨骨孔170内に移植片がピン固定されたなら、ガイドロッド104及び通孔130、132、150、152のいずれかに挿通され、患者の体内に残っている任意の器具、例えば挿入ツール148、ニードル154、156などを患者から抜去することが可能であり、これによりクロスピン及び移植片が患者の体内に留置される。上記に述べたように、例示的な一実施形態では、クロスピンは、患者から外科的に取り出す必要がないように生体吸収性のものとすることができる。
【0072】
必要に応じて、大腿骨骨孔170がドリル穿孔される前に、配置ガイドを使用して大腿骨骨孔170及び内側−外側パイロット孔184、186の内の1以上を形成するのに先立って、骨孔170及び内側−外側パイロット孔184、186の配置を決定する助けとすることができる。一般的に、配置ガイドは、フレーム102に取り付けられ、大腿骨骨孔170が大腿骨172の特定の位置にドリル穿孔される場合に、大腿骨骨孔170及び内側−外側パイロット孔184、186を大腿骨172に形成することができるだけの充分な骨ストック量を大腿骨172が確実に有する助けとなるように構成することができる。これにより、大腿骨骨孔170を形成するために大腿骨172内にいずれかの器具をドリル挿入する前、及び/又は、大腿骨172の周囲の皮膚にいずれかの器具を貫通させる前に、充分な骨ストック量があることを確認することができる。このような確認を行うことによって、充分な骨ストック量が存在する別の位置に大腿骨骨孔を再びドリル穿孔する必要が生じる可能性を低減させることが可能であり、これにより安全性が向上し、時間が短縮され、かつ/又は患者の傷害の可能性が低減される。
【0073】
図28は、配置ガイド196の例示的な一実施形態を示す。図の実施形態におけるように、配置ガイド196は、その近位端198pと遠位端198dとの間で長手方向の長さに沿って延びる内腔197を有するほぼ円筒状のカニューレ化されたシャフトを含みうる。配置ガイド196がカニューレ化されていることにより、更に後述するように、例えばガイドワイア、ドリルピンなどの器具を配置ガイド196に挿通することができる。図の実施形態では、配置ガイド196の遠位端198dは切頭円錐形状にテーパしているが、遠位端198dは、例えば円錐状、平坦又は平面状、斜角などの様々な形状を有しうる。テーパした遠位端198dは、内腔197を通じて遠位方向に進められた器具が内腔197から出る位置を可視化する助けとなりうる。
【0074】
配置ガイド196は、図29に示されるように、配置ガイドの遠位端198dが、配置ガイド196の長手方向の長さに沿ってベース部分114から所定の距離だけ離間し、配置ガイド196がフレーム102のアーム部分116からある距離だけ離間し、第1のアーク106が配置ガイド196の方向とほぼ平行な方向に延びるようにフレーム102のベース部分114に取り付けられるように構成することができる。例示的な一実施形態では、配置ガイド196はガイドロッド104と同じ位置においてベース部分114に取り付けられるように構成されているため、配置ガイド196とガイドロッド104とを選択的かつ互換可能にベース部分114に取り付けることができる。配置ガイド196は、例えば配置ガイド196の近位端198pをベース部分114に形成された孔122に挿入することによって配置ガイド196の近位端198pをベース部分114の端部に取り付けることにより、フレーム102のベース部分114に着脱可能に取り付けられるように構成することができる。配置ガイド196は、例えば図の実施形態におけるような突起部199によるスナップ嵌め、嵌合可能なネジ、図の実施形態におけるような第2のつまみネジ120などによって、ベース部分114に対する取り付け位置にロックされるように構成することができる。着脱可能な配置ガイドが与えられることによって、配置ガイド196及びフレーム102の清掃が容易となるばかりでなく、フレーム102を、大腿骨骨孔170の配置を計画するうえで、更に大腿骨骨孔170を形成するうえで使用することが可能となる。フレーム102は、それぞれがフレーム102に着脱可能に取り付けられるように構成された複数の配置ガイドの内の1つとして、着脱可能な配置ガイド196を含むキットの一部として与えることができる。このようなキットは、上記に述べたように1以上のガイドロッドを更に含みうる。複数の配置ガイドは、異なる移植片のサイズ及び患者の解剖学的構造に適合した様々な長手方向の長さ及び直径を有しうる。
【0075】
配置ガイド196は、大腿骨骨孔及び脛骨骨孔の形成に関連して使用されるように構成することができる。脛骨骨孔の形成に関連して使用する場合、配置ガイド196は、図3及び4のガイドロッド204に関して上記に述べたものと同様のアダプターを介してフレームのベース部分に取り付けられるように構成することができる。同じアダプターを、ガイドロッド及び配置ガイドをフレームのベース部分に取り付けるように構成することができる。
【0076】
配置ガイド196の長手方向の長さをガイドロッド104の長手方向の長さよりも短くすることで、ガイドロッド104がベース部分114に取り付けられる場合に、配置ガイド196がベース部分114に取り付けられる場合よりもガイドロッド104がベース部分114からより遠くにまで延びるようにすることができる。換言すれば、ガイドロッド104がベース部分114に取り付けられる場合には、第1及び第2の長手方向軸130A、132Aが図2に示されるようにガイドロッド104の開口部118を通ることができる。これに対し、図29に示されるように配置ガイド196がベース部分114に取り付けられる場合には、第1及び第2の長手方向軸130A、132Aは、配置ガイドの遠位端198dに対して遠位に位置するため、第1及び第2の長手方向軸130A、132Aは、配置ガイド196と交差しない。配置ガイド196は、ガイドロッド104よりも任意の量、例えば30mmだけ短くすることができる。ガイドロッド104よりも短い長手方向の長さを有することにより、配置ガイド196は、図30に示されるように大腿骨172に対して配置される際に大腿骨172内及び/又は大腿骨172の周囲の皮膚内に貫通しないように構成することができる。
【0077】
配置ガイド196が外科手術において使用される場合、上記に述べたように、大腿骨骨孔170を形成する前に使用することができる。換言すれば、配置ガイド196は、ガイドロッド104をベース部分114に取り付けるのに先立ってベース部分114に取り付けることができ、配置ガイド196を使用してドリル穿孔しようとする大腿骨骨孔170の適正な位置を決定した後、続いてガイドロッド104をベース部分104に取り付けることができる。図30の実施形態に示されるように、配置ガイド196がベース部分114に取り付けられたなら、配置ガイド196を、配置ガイドの遠位端198dが大腿骨172に隣接するようにして大腿骨172に対して配置することができる。図の実施形態において、配置ガイドの遠位端は、組織を貫通して大腿骨172の外表面、及び残存するACL組織に当接して、大腿骨172に対する配置ガイド196の位置を維持する助けとなるように構成されている。配置ガイドの遠位端は、例えば粗いテクスチャーの表面、1以上の歯などの貫通要素を設けることなどによって、組織及び/又は骨を貫通するように構成することができる。実施形態によっては、配置ガイドの遠位端198dは、組織内に貫通することなく(例えば、遠位端198dを鈍端とする)例えば大腿骨172の周囲の皮膚などの組織に当接するように構成することができる。
【0078】
配置ガイド196が大腿骨172に対して配置された状態で、図30に示されるように、第1のアーク106が内側178に配置されるようにして、配置ガイド196に取り付けられたフレーム102を大腿骨172の内側178に配置することができる。図30では、フレーム102は、第2のアーク110が取り付けられていない状態で示されているが、第2のアーク110は外科手術の間の任意の時点でガイドブロック108に取り付けることができる。例示的な一実施形態では、配置ガイド196を使用する際、ガイドブロック108が取り付けられた第1のアーク106が内側178に配置された後で第2のアーク110をガイドブロック108に取り付けることができる。ガイドブロック108に取り付けられた時点で、上記に述べたように、第2のアーク110をガイドブロック108に対する固定位置にロックし、大腿骨172に対してガイドブロック108の通孔130、132の軌跡の角度を調節するために使用することができる。これにより、第2のアーク110へのニードルの挿入深さに基づいた通孔130、132の軌跡を、大腿骨骨孔170が形成される前に調節することができる。しかしながら、大腿骨172に大腿骨骨孔170が形成される前に配置ガイド196を用いて大腿骨骨孔170の配置を決定した場合であっても、大腿骨骨孔170の形成後に第2のアーク110を二次的な確認手段として再び使用することができる。
【0079】
実施形態によっては、大腿骨骨孔170よりも小さい直径を有するパイロット孔を、大腿骨骨孔170の選択された位置において大腿骨172にドリル穿孔することができる。配置ガイド196を使用して、パイロット孔の位置により大きな直径の大腿骨骨孔170をドリル穿孔する前に充分な骨ストック量が存在することを確認することができる。非限定的な例として、例えばドリルピンなどのピンをパイロット孔内に配置して大腿骨172から延出させることができる。配置ガイド196を、ドリルピンが内腔197を通って延びるようにドリルピンに被せて挿入し、上記に述べたものと同様の第2のアーク110を使用して孔の配置を確認することができる。
【0080】
本明細書において開示される異なる方法及び装置は様々な外科手術に使用することができるが、本方法及び装置は、ヒトの膝の前十字靱帯(ACL)の修復において特に有用である。ACLの修復においては、断裂したACLを、例えば大腿骨又は脛骨などの膝骨に固定される少なくとも1つの移植靱帯で置換することができる。本明細書において言うところの「移植靱帯」なる用語には、採取した靱帯及び腱を含む自家移植片、同種移植片、及び異種移植片などの天然材料、並びに剛性材料が含まれるものとする。移植靱帯には更に、移植片を膝骨に固定するためのアンカー要素が付着させられている。例えば、移植靱帯はその両方の末端に骨移植片、プラグ、又は他の部材が付着させられていてもよい。本明細書において言うところの「骨移植片」なる用語には、自家移植片、同種移植片、及び異種移植片などの天然材料、並びに剛性材料が含まれるものとする。当業者であれば、本明細書において開示される異なる方法及び装置は、様々な外科手術において使用することができること、移植靱帯の特定の形態は、目的とする用途に応じて異なりうること、並びに、当該技術分野において知られる事実上あらゆる移植靱帯を本明細書において開示される装置及び方法と使用することができることは認識されるところであろう。
【0081】
当業者であれば、本発明には従来の内視鏡装置及び開放手術装置における用途、並びにロボット支援手術における用途があることは認識されるところであろう。
【0082】
本明細書において開示される装置はまた、1回の使用の後に廃棄されるように設計するか、あるいは複数回使用されるように設計することもできる。しかしながら、いずれの場合も、装置は少なくとも1回の使用の後、再調整して再使用することができる。再調整は、装置の分解こと、これに続く洗浄こと又は特定部品の交換こと、及びその後の再組立ことの任意の組み合わせを含むことができる。詳細には、本装置は分解可能であり、装置の任意の数の部品又は要素は、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外すことができる。特定の要素の洗浄及び/又は交換に際して、装置は、再調整施設において、又は外科手術直前に手術チームにより、その後の使用のために再組立することができる。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることは理解されるであろう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置はすべて本出願の範囲に含まれる。
【0083】
当業者であれば、上記に述べた実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点が理解されるであろう。したがって、本発明は、付属の特許請求の範囲によって示されるものを除いて、具体的に図示、説明した内容によって限定されるものではない。本明細書において引用したすべての刊行物及び参照文献はその全容にわたって本明細書に明確に援用するものである。
【0084】
〔実施の態様〕
(1) ガイドロッド、及び前記ガイドロッドからある距離だけ離間した近位−遠位アークを有するフレームと、
前記近位−遠位アークに摺動可能に取り付けられ、第1の手術器具を受容するように構成された少なくとも1つの通孔が貫通して形成されたガイドブロックと、
内側−外側アークであって、前記内側−外側アークを前記ガイドブロックに着脱可能に取り付けるように構成された嵌合機構を備えた第1の端部、及び第2の手術器具を受容するように構成された少なくとも1つの通孔が貫通して形成された第2の端部を有する内側−外側アークと、を備えた外科装置。
(2) 前記内側−外側アークが前記ガイドブロックに取り付けられた状態で、前記ガイドブロックを貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔が、前記内側−外側アークの前記第2の端部を貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔と同一の軸線を有する、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記近位−遠位アークが、前記ガイドロッドの方向に対してほぼ平行な方向に延びる、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記嵌合機構が、前記ガイドブロックに対する第1の向き、及び前記第1の向きと異なる前記ガイドブロックに対する第2の向きで前記ガイドブロックに取り付け可能である、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記内側−外側アークが前記ガイドブロックに取り付けられた状態で、前記内側−外側アークは、前記第1の向きでは前記ガイドブロックに形成された第1の孔内に配置され、前記第2の向きでは前記ガイドブロックに形成された第2の孔内に配置される、実施態様4に記載の装置。
(6) 前記ガイドブロックを貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔が第1及び第2の通孔を含み、前記内側−外側アークの前記第2の端部を貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔が第3及び第4の通孔を含み、前記内側−外側アークが前記ガイドブロックに取り付けられた状態で前記第1の通孔が前記第3の通孔と同一の軸線を有し、前記第2の通孔が前記第4の通孔と同一の軸線を有する、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記ガイドブロックを貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔が第1及び第2の通孔を含み、前記内側−外側アークの前記第2の端部を貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔が単一の通孔であり、前記内側−外側アークが前記ガイドブロックに取り付けられた状態で前記単一の通孔の長手方向軸が前記第1及び第2の通孔の各長手方向軸と平行でありかつそれらの間に位置する、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記内側−外側アークが前記ガイドブロックに取り付けられた状態で、前記内側−外側アークが、前記近位−遠位アークを含む平面に対してほぼ垂直な平面内に位置する、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記ガイドブロックが前記近位−遠位アークに沿った任意の摺動可能な位置にある状態で、前記ガイドブロックを貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔の長手方向軸が、前記ガイドロッドの遠位部分に形成された開口部を通って延びる、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記内側−外側アークが前記ガイドブロックに取り付けられた状態で、前記内側−外側アークの前記第2の端部を貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔の長手方向軸が、前記ガイドロッドの前記遠位部分に形成された前記開口部を通って延びる、実施態様9に記載の装置。
【0085】
(11) 外科的方法であって、
クロスピン固定案内装置のガイドブロックを、膝骨の内側に配置し、前記クロスピン固定案内装置のニードルガイドを前記膝骨の外側に配置することと、
前記ニードルガイドの通孔を通って前記膝骨の前記外側の組織内に挿入されたニードルの挿入深さに基づいて、前記ガイドブロックを貫通して延びる通孔の軌跡を調節することと、
を含む方法。
(12) 前記ガイドブロックを貫通して延びる通孔の軌跡を調節することが、前記膝骨に形成された骨孔の長手方向軸を中心として前記膝骨に対して前記クロスピン固定案内装置を回転させることを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記ガイドブロックに連結されたガイドロッドを、前記膝骨に形成された骨孔に挿入することと、前記骨孔に前記ガイドロッドが挿入された状態で、前記クロスピン固定案内装置を前記骨孔の長手方向軸を中心として回転させることと、を更に含む、実施態様11に記載の方法。
(14) 前記ガイドブロックが前記クロスピン固定案内装置の近位−遠位フレームに取り付けられ、前記ガイドブロックを貫通して延びる前記通孔の軌跡を調節することが、前記ガイドブロックを前記近位−遠位フレームに沿って摺動させること、を含む、実施態様11に記載の方法。
(15) 前記ニードルガイドの前記通孔に対する前記ニードル上のマークの位置に基づいて前記ニードルの前記挿入深さを決定することを更に含む、実施態様11に記載の方法。
(16) 前記軌跡が、前記ニードルガイドの前記通孔の外側に位置する前記ニードル上のマークと前記ニードルガイドの外側面との間の第1の距離に基づいて調節され、前記第1の距離は、前記膝骨の前記外側の骨表面と前記膝骨に形成された内側−外側骨孔の外側終端との間の第2の距離に等しいか又はこれよりも小さい、実施態様11に記載の方法。
(17) 前記ガイドブロックを貫通して延びる前記通孔の軌跡を調節する前に、前記ニードルの遠位先端部が前記膝骨の外表面に当接するまで前記ニードルガイドの前記通孔を通して前記膝骨の前記外側の組織内に前記ニードルを挿入すること、を更に含む、実施態様11に記載の方法。
(18) 前記ガイドブロックを貫通して延びる前記通孔の軌跡を調節した後に、クロスピンが、前記膝骨に形成された近位−遠位骨孔と交差するように、前記ガイドブロックを貫通して延びる前記通孔を通して、前記膝骨の前記内側内に延びる内側−外側骨孔内に前記クロスピンを進めること、を更に含む、実施態様11に記載の方法。
(19) 前記ガイドブロックを配置する前、かつ、前記ガイドブロックを貫通して延びる前記通孔の軌跡を調節する前に、前記クロスピン固定案内装置の内側−外側アークの第1の端部を前記ガイドブロックに取り付けることを、更に含み、前記内側−外側アークの第2の端部は前記ニードルガイドを有する、実施態様11に記載の方法。
(20) 前記膝骨が大腿骨である、実施態様11に記載の方法。
【0086】
(21) 前記膝骨が脛骨である、実施態様11に記載の方法。
(22) 外科的方法であって、
前内側アプローチを用いて、大腿骨と脛骨との間の関節腔を通って前記大腿骨内部に大腿骨骨孔を準備することと、
ガイドシステムの大腿骨ガイドロッドを前記大腿骨骨孔に挿入することと、
前記大腿骨ガイドロッドから延びるフレームを前記大腿骨の内側に配置することと、
前記フレームに連結されたゲージアセンブリ上のニードルガイドを前記大腿骨の外側に配置することと、
前記大腿骨の外側表面と接触するように、前記ニードルガイドを通し、組織を通してニードルを挿入することであって、前記ニードルが、前記大腿骨の前記外側表面と前記大腿骨内に移植しようとするクロスピンの遠位端の標的位置との間の距離を示す深さインジケーターを有する、ことと、
前記フレームのアーク上に取り付けられたガイドブロックを貫通して延びる少なくとも1つの通孔の軌跡を調節することと、
前記ガイドブロックの前記少なくとも1つの通孔を通し、前記大腿骨の前記内側へとドリルを進めることによって前記大腿骨の前記内側に、前記大腿骨骨孔と交差するパイロット孔を形成することと、
前記大腿骨骨孔内に移植靱帯を配置することと、
前記パイロット孔を通してクロスピンを進めることによって前記クロスピンを前記移植靱帯と係合させ、これにより前記大腿骨骨孔内部で前記移植靱帯を固定することと、を含む方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドロッド、及び前記ガイドロッドからある距離だけ離間した近位−遠位アークを有するフレームと、
前記近位−遠位アークに摺動可能に取り付けられ、第1の手術器具を受容するように構成された少なくとも1つの通孔が貫通して形成されたガイドブロックと、
内側−外側アークであって、前記内側−外側アークを前記ガイドブロックに着脱可能に取り付けるように構成された嵌合機構を備えた第1の端部、及び第2の手術器具を受容するように構成された少なくとも1つの通孔が貫通して形成された第2の端部を有する内側−外側アークと、を備えた外科装置。
【請求項2】
前記内側−外側アークが前記ガイドブロックに取り付けられた状態で、前記ガイドブロックを貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔が、前記内側−外側アークの前記第2の端部を貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔と同一の軸線を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記近位−遠位アークが、前記ガイドロッドの方向に対してほぼ平行な方向に延びる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記嵌合機構が、前記ガイドブロックに対する第1の向き、及び前記第1の向きと異なる前記ガイドブロックに対する第2の向きで前記ガイドブロックに取り付け可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記内側−外側アークが前記ガイドブロックに取り付けられた状態で、前記内側−外側アークは、前記第1の向きでは前記ガイドブロックに形成された第1の孔内に配置され、前記第2の向きでは前記ガイドブロックに形成された第2の孔内に配置される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ガイドブロックを貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔が第1及び第2の通孔を含み、前記内側−外側アークの前記第2の端部を貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔が第3及び第4の通孔を含み、前記内側−外側アークが前記ガイドブロックに取り付けられた状態で前記第1の通孔が前記第3の通孔と同一の軸線を有し、前記第2の通孔が前記第4の通孔と同一の軸線を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ガイドブロックを貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔が第1及び第2の通孔を含み、前記内側−外側アークの前記第2の端部を貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔が単一の通孔であり、前記内側−外側アークが前記ガイドブロックに取り付けられた状態で前記単一の通孔の長手方向軸が前記第1及び第2の通孔の各長手方向軸と平行でありかつそれらの間に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記内側−外側アークが前記ガイドブロックに取り付けられた状態で、前記内側−外側アークが、前記近位−遠位アークを含む平面に対してほぼ垂直な平面内に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ガイドブロックが前記近位−遠位アークに沿った任意の摺動可能な位置にある状態で、前記ガイドブロックを貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔の長手方向軸が、前記ガイドロッドの遠位部分に形成された開口部を通って延びる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記内側−外側アークが前記ガイドブロックに取り付けられた状態で、前記内側−外側アークの前記第2の端部を貫通して形成された前記少なくとも1つの通孔の長手方向軸が、前記ガイドロッドの前記遠位部分に形成された前記開口部を通って延びる、請求項9に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−43093(P2013−43093A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−184000(P2012−184000)
【出願日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【出願人】(507083478)デピュイ・ミテック・エルエルシー (47)
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive,Raynham,Massachusetts 02767 United States of America
【Fターム(参考)】