説明

クロスレイウエブの製造方法

【課題】幅方向に目付量が実質的に均一なクロスレイウエブの製造方法を提供する。
【解決手段】カード機からウエブを送出するウエブ送出速度を周期的に変化させることにより、カード機から送出されるウエブの目付量を周期的に増減させ、ウエブ搬送手段のウエブ送出部を、キャリッジ手段により、実質的に一定速度の往復運動を行わせると共に、目付量の少ないウエブ部分をクロスレイウエブの両端部に積層させるように、カード機からのウエブ送出速度の周期的な変化を、キャリッジ手段の前記往復動作に同期する正弦曲線に従うように相関させる。前記正弦曲線は、送出速度が平均速度よりも速い部分に相当する、周期の短い正弦曲線Aと、送出速度が平均速度よりも遅い部分に相当する、周期が長く且つ振幅が小さい正弦曲線Bとが交互に配置されて合成された曲線である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロスレイウエブの製造方法に関する。本発明方法により、幅方向に目付量が実質的に均一なクロスレイウエブを製造することができる。
【背景技術】
【0002】
従来より、幅方向に厚さが実質的に均一なクロスレイウエブを製造することができる技術が知られている。例えば、特許文献1(特開平8−284055号公報)には、
「カード機から送出されるウエブをウエブ搬送手段に供給し、そのウエブ搬送手段のウエブ送出部から、ウエブ積層搬送手段のクロスレイウエブ搬送部へ供給することからなる、クロスレイウエブの製造方法において、前記カード機からウエブを送出するウエブ送出速度を周期的に変化させることにより、前記カード機から送出されるウエブの目付量を周期的に増減させ、前記カード機のウエブ送出部と前記ウエブ搬送手段のウエブ受入部との間、又は前記ウエブ搬送手段の途中にアキューム手段を配置し、前記カード機からのウエブ送出速度の周期的な変化に相関させて、前記カード機からのウエブ送出速度が周期的に速くなるのに従ってアキューム手段内のウエブ搬送距離を長くし、前記カード機からのウエブ送出速度が周期的に遅くなるのに従ってアキューム手段内のウエブ搬送距離を短く変化させることにより、アキューム手段から送出するウエブ送出速度を実質的に一定にし、前記ウエブ搬送手段のウエブ送出部を、キャリッジ手段により、実質的に一定速度の往復運動を行わせると共に、目付量の少ないウエブ部分をクロスレイウエブの両端部に積層させるように、前記カード機からのウエブ送出速度の周期的な変化と前記キャリッジ手段による前記の往復運動とを相関させ、前記ウエブ搬送手段のウエブ送出部から、前記ウエブ積層搬送手段のクロスレイウエブ搬送部へ、ウエブを、実質的に一定の速度で供給し、そして、前記ウエブ積層搬送手段のクロスレイウエブ搬送部の搬送速度を実質的に一定の速度にする、ことを特徴とする、前記のクロスレイウエブの製造方法。」(請求項1)
が、開示されている。しかし、カード機からウエブを送出するウエブ送出速度を変化させることにより、カード機から送出されるウエブの目付量を周期的に増減させることの開示はあるものの、周期的増減の具体的パターンは開示されておらず、クロスレイウエブの幅方向の均一性の度合いについても開示されていない。
【0003】
カード機から送出されるウエブの目付量を周期的に増減させることについては、例えば、特許文献2(特開平6−116853号公報)に、「ウェブ材の目付量の周期的変化は、上記クロスラッパーのキャリッジの往復動作に同期する正弦曲線に従うのが好ましい。さらには、該正弦曲線に高次の高調波を重畳させて行ってもよい。」(段落[0007])
が、記載されている。
【0004】
そこで、本発明者は、特許文献1において、カード機から送出されるウエブ(以下、カードウエブと称することがある)の目付量を前記キャリッジ手段の往復動作に同期する正弦曲線に従うように試みた。その結果を図1に示す。A曲線は、カードウエブの目付量に対して、周期的変化を施さなかった場合のクロスレイウエブの幅方向の目付量の分布を示しており、両端部の目付量が大きくなっているのが分かる。また、B曲線は、カードウエブの目付量に対して、正弦曲線に従う周期的変化を与えた場合を示しており、クロスレイウエブの中央部の目付量が上昇してA曲線よりも目付量が均一化されたものの中央部に極大点ができているのが分かる。また、C曲線はカードウエブの目付量に対して、振幅の大きい正弦曲線に従う周期的変化を与えた場合を示しており、クロスレイウエブの中央部に両端部よりも目付量の大きい極大点ができているのが分かる。
このように、カードウエブの目付量に正弦曲線に従う周期的変化を与えた場合、クロスレイウエブの幅方向にW型の目付量の分布が生じてしまうことが判明し、クロスレイウエブの幅方向の目付量の均一性に関して更なる改良が求められていた。
【0005】
【特許文献1】特開平8−284055号公報
【特許文献2】特開平6−116853号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の課題は、従来技術の問題を解決して、幅方向に目付量が実質的に均一なクロスレイウエブの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、本発明による、カード機から送出されるウエブをウエブ搬送手段に供給し、そのウエブ搬送手段のウエブ送出部から、ウエブ積層搬送手段のクロスレイウエブ搬送部へ供給することからなる、クロスレイウエブの製造方法において、
前記カード機からウエブを送出するウエブ送出速度を周期的に変化させることにより、前記カード機から送出されるウエブの目付量を周期的に増減させ、前記ウエブ搬送手段のウエブ送出部を、キャリッジ手段により、実質的に一定速度の往復運動を行わせると共に、目付量の少ないウエブ部分をクロスレイウエブの両端部に積層させるように、前記カード機からのウエブ送出速度の周期的な変化を、前記キャリッジ手段の前記往復動作に同期する正弦曲線に従うように相関させ、
前記正弦曲線は、送出速度が平均速度よりも速い部分に相当する、周期の短い正弦曲線Aと、送出速度が平均速度よりも遅い部分に相当する、周期が長く且つ振幅が小さい正弦曲線Bとが交互に配置されて合成された曲線であり、
前記ウエブ搬送手段のウエブ送出部から、前記ウエブ積層搬送手段のクロスレイウエブ搬送部へ、ウエブを、実質的に一定の速度で供給し、そして、前記ウエブ積層搬送手段のクロスレイウエブ搬送部の搬送速度を実質的に一定の速度にする、
ことを特徴とする、前記のクロスレイウエブの製造方法により解決することができる。
【0008】
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、式1で表される正弦曲線Aと式2で表される正弦曲線Bとの間に、次式の関係が成り立つ:
=sin bx ・・・(式1)
=a sin (b/(2b−1))x ・・・(式2)
a=c/(2b−1) ・・・(式3)
0<a<1 ・・・(式4a)
1<b ・・・(式5a)
0.8≦c≦1.2 ・・・(式6a)
【0009】
本発明の製造方法の更に好ましい態様によれば、式1で表される正弦曲線Aと式2で表される正弦曲線Bとの間に、次式の関係が成り立つ:
=sin bx ・・・(式1)
=a sin (b/(2b−1))x ・・・(式2)
a=c/(2b−1) ・・・(式3)
0.33<a<1 ・・・(式4b)
1<b<2 ・・・(式5b)
0.9≦c≦1.1 ・・・(式6b)
【0010】
本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、前記カード機のウエブ送出部と前記ウエブ搬送手段のウエブ受入部と間、又は前記ウエブ搬送手段の途中にアキューム手段を配置し、前記カード機からのウエブ送出速度の周期的な変化に相関させて、前記カード機からのウエブ送出速度が周期的に速くなるのに従ってアキューム手段内のウエブ搬送距離を長くし、前記カード機からのウエブ送出速度が周期的に遅くなるのに従ってアキューム手段内のウエブ搬送距離を短く変化させることにより、アキューム手段から送出するウエブ送出速度を実質的に一定にする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、従来技術の問題を解決して、幅方向に目付量が実質的に均一なクロスレイウエブを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面に沿って本発明を説明する。
本発明で用いるカード機は、原料繊維を開繊してウエブを生成する装置であり、例えば、従来、用いられていた図6に示すカード機1をそのまま利用することができる。カード機1では、最初に、メインシリンダ(図示せず)上の複数のワーカー(図示せず)及びストリッパ(図示せず)により、原料繊維をカーディングし、繊維方向が揃えられたウエブを形成する。このウエブは、ドッファ14に送られ、ストリッピングロール15によりドッファから剥離され、フリューテッドロール16aとスムースロール16bとの間を通って、ウエブ送出部6から送出され、次のウエブ搬送手段、あるいは、必要に応じてアキューム手段に供給される。
【0013】
本発明においては、カード機に対する原料繊維の単位時間当たりの供給量を一定にしておき、カード機から送出されるウエブの送出速度を、以下に詳述する正弦曲線に従って、周期的に増減させることによって、ウエブの目付量を周期的に増減させる。すなわち、カード機のウエブ送出速度を遅くすると、送出されるウエブの目付量が多くなり、カード機のウエブ送出速度を速くすると、送出されるウエブの目付量が少なくなる。本発明においては、カード機のウエブ送出速度と、カード機から送出されるウエブの目付量の周期的な増減とが相関する。カード機から送出されるウエブの送出速度、及び従って目付量の増減は、公知の方法、例えば、図6に示すドッファ14若しくはストリッピングロール15、図7に示すコンパクトロール17、又は図8及び図9に示すドラフタ18の回転速度を変化させることにより制御することができる。
【0014】
本発明で用いるウエブ搬送手段2は、従来法と同様に、例えば、図6に示すように、両端の支持ロールが固定されているクライミングエプロン23と、一端の固定支持ロールを支点とし、他端の支持ロールで往復運動することができるフォールエプロン24とからなることができる。このウエブ搬送手段2は、前記カード機1から送出されたウエブを、実質的に一定速度で移動させ、クロスレイウエブ搬送部4へ供給する。クライミングエプロン23及びフォールエプロン24には、従来公知の手段、例えば、ベルトコンベア等を用いることができる。クライミングエプロン23は、図6に示すように、ウエブをやや上方へ搬送する態様に限定されず、ウエブをほぼ水平方向や、やや下方へ搬送する態様でもよい。また、フォールエプロン24も、図6に示すように、クロスレイウエブの中心線を往復運動の中点とする態様が好ましいが、その態様に限定されず、例えば、往復運動の中点がクロスレイウエブの中心線からずれた位置にあってもよい。なお、ここではウエブ搬送手段2として、バーチカルタイプの装置について説明したが、従来公知のホリゾンタルタイプの装置も使用することができる。
【0015】
フォールエプロン24のウエブ送出部22の下方には、クロスレイウエブ搬送部であるフロアコンベア4が、実質的に一定の搬送速度で、図6の紙面に垂直な方向に走行している。フォールエプロン24の先端部であるウエブ送出部22が、キャリッジ手段3により、矢印Aの方向に実質的に一定の速度で往復運動を行なうことにより、フォールエプロン24のウエブ送出部22からクロスレイウエブ搬送部4へウエブ9を供給することができる。この際、ウエブ9は、フォールエプロン24のウエブ送出部22を実質的に一定の速度で通過する。供給されたウエブ9は、フロアコンベア4上に交互に斜めに折りたたみ積層され、クロスレイウエブが生成する。
【0016】
図1に示したように、カード機から送出させるウエブの目付量をキャリッジ手段の往復動作に同期する正弦曲線に従う周期的変化を与えた場合、クロスレイウエブの幅方向にW型の目付量の分布が生じてしまうことが判明したが、その解決策として、クロスレイウエブ両端部に該当するカードウエブの送出速度が平均速度よりも速い部分に相当する部分の時間を短くし、クロスレイウエブ中央部に該当するカードウエブの送出速度が平均速度よりも遅い部分に相当する部分の時間を長くすると共に速度を平均速度にやや近づけることを検討して、クロスレイウエブの幅方向の目付量の均一性を達成することができることを見出した。
【0017】
図2、図3を用いて、具体的に説明すると、図2は、カード機からのウエブ送出速度F(m/分)を平均速度として、平均速度からの変動比率を縦軸に、キャリッジ手段が右から左へ移動する場合の時間軸を横軸に定めた場合のウエブ送出速度の変化(ウエブの目付量の変化)を示している。この図によれば、クロスレイウエブ両端部に該当するカードウエブの送出速度が平均速度よりも早い部分に相当する部分は正弦曲線Aで表されており、クロスレイウエブ中央部に該当するカードウエブの送出速度が平均速度よりも遅い部分に相当する部分は正弦曲線Bで表されている。
【0018】
正弦曲線Aは正弦曲線Oよりも周期が短くなっており、このことは平均速度F(m/分)の横軸と交わる点がπ/2よりも左側に移動してπ/2bになることを意味している。すると、図3から分かるように、正弦曲線Bが平均速度F(m/分)の横軸と交わる点がπ/2よりも右側に移動して((2b−1)/b)πになる。これらのことから、正弦曲線A及び正弦曲線Bはそれぞれ下記の式で表されることが分かる。
=sin bx ・・・(式1)
=a sin (b/(2b−1))x ・・・(式2)
ここで、
0<a<1 ・・・(式4a)
1<b ・・・(式5a)
であり、好ましくは、
0.33<a<1 ・・・(式4b)
1<b<2 ・・・(式5b)
である。
【0019】
本発明では、正弦曲線Aと平均速度の横軸とで囲まれる面積(SA=SA+SA)と正弦曲線Bと平均速度の横軸とで囲まれる面積(SB)とが実質的に同じになることが好ましい。ここで、SAはカード機とキャリッジ手段との間に生じるウエブのたるみの量に相当し、SBはカード機とキャリッジ手段との間に生じるウエブの不足量(引張りの量)に相当する。このたるみと引張りを調整して、キャリッジ手段に常に一定の速度で、ウエブを送るためには、カード機とキャリッジ手段との間に、特許文献1に記載されるアキューム手段を用いることが好ましい。
【0020】
前述のSAとSBの値を同じにすることにより、a=1/(2b−1)の式が成立する。この式は、正弦曲線Aの式1及び正弦曲線Bの式2を定積分することによって求めることができる。
実際の生産に際しては、前述のSAとSBの値が同一でなく、多少の変動があってもウエブ自体の伸縮でカバーされることがあり、次の式3が成立する。
a=c/(2b−1) ・・・(式3)
ここで、
0.8≦c≦1.2 ・・・(式6a)
であり、好ましくは、
0.9≦c≦1.1 ・・・(式6b)
である。
【0021】
一例として、式3が成立した場合(但し、c=1とする)のウエブの幅方向の目付量の分布をD曲線として図4に示す。図4から明らかなように、本発明により、ウエブの幅方向に目付量が実質的に均一なクロスレイウエブを製造することができることが分かる。
【0022】
本発明の好適態様で使用することのできるアキューム手段によれば、カード機1のウエブ送出部6と前記ウエブ搬送手段2のウエブ送出部22との間の任意の位置にアキューム手段を配置し、前記カード機1からのウエブ送出速度の周期的な増減に相関させて、前記カード機1からのウエブ送出速度が周期的に速くなるのに従ってアキューム手段内のウエブ搬送距離を長くし、前記カード機1からのウエブ送出速度が周期的に遅くなるのに従ってアキューム手段内のウエブ搬送距離を短く変化させることにより、アキューム手段から送出されるウエブ送出速度を実質的に一定にすることができる。アキューム手段は、例えば、前記カード機1のウエブ送出部6と前記ウエブ搬送手段2のウエブ受入部21との間、又は前記ウエブ搬送手段2の途中に配置することができ、好ましくは、前記カード機1のウエブ送出部6に近い、前記ウエブ搬送手段2の途中、より好ましくは前記カード機1のウエブ送出部6と前記ウエブ搬送手段2のウエブ受入部21との間に配置する。
【0023】
本発明の好適態様によれば、カード機のウエブ送出速度が周期的に増減するにもかかわらず、アキューム手段を設けることにより、ウエブをクロスレイウエブ搬送部2のウエブ送出部22に最終的に実質的に一定速度で供給することができる。更に、アキューム手段を設けることにより、ウエブに作用させる張力を一定に保つことができ、ウエブのしわを防止することができる。
【0024】
以下、本発明に用いることのできるアキューム手段の具体的な実施態様を図10〜図13に基づいて説明する。
図10は、カード機1のウエブ送出部6とウエブ搬送手段2のウエブ受入部21との間に、ベルトコンベア51が、一対の可動ロール52a,52b及び4個の固定ロール53a,53b,53c,53dによって規定される軌跡を回転する構造を有するアキューム手段5を配置した態様を示す。
【0025】
4個の固定ロール53a,53b,53c,53d及び2個で一対の可動ロール52a,52bは、軸方向が相互に平行になるように配置し、4個の固定ロール53a,53b,53c,53dは、軸方向から見て、長方形(正方形を含む)の各頂点に配置する。固定ロール53aは、カード機1のウエブ送出部6に近接して、また、固定ロール53bは、ウエブ搬送手段2のウエブ受入部21に近接して設ける。一対の可動ロール52a,52bは、2個のロール間距離を一定に維持したままで、固定ロール53a,53b間の辺のほぼ中点と固定ロール53c,53d間の辺のほぼ中点とを結ぶ直線上を矢印Dの方向へ移動することができる。一対の可動ロール52a,52bは、適当な保持手段(図示せず)によって、所定の範囲内を移動自在に保持される。
【0026】
ベルトコンベア51は、4個の固定ロール53a,53b,53c,53dの外側を通過すると共に、2個の可動ロール52a,52bの内側をそれぞれ通過する。こうして形成されるベルトコンベア51の軌跡の内、ベルトコンベア51が固定ロール53aに接触する面から、可動ロール52aに接する面を経て、固定ロール53bに接する面までの範囲は、ウエブ搬送部54となり、カード機1のウエブ送出部6から送出されたウエブ9を受領し、ウエブ搬送手段2のウエブ受入部21へ送出する。
【0027】
一対の可動ロール52a,52bは、可動ロールのそれぞれの軸を結ぶ方向Dに移動するので、その可動ロール52a,52bの移動に伴ってベルトコンベア51の軌跡が変化する。一対の可動ロール52a,52bの移動範囲は、4個の固定ロール53a,53b,53c,53dを通過するベルトコンベアが形成する長方形の辺の範囲内を、可動ロール52a,52bの内側が越えない範囲内であることが好ましい。
【0028】
図10において実線で示すように、可動ロール52aがベルトコンベア51と接触する面が、固定ロール53c,53d間の辺とほぼ一致する位置まで可動ロール52a,52bが下降すると、ベルトコンベア51は実線で示した軌跡となり、アキューム手段内のウエブ搬送部54の距離は最大になる。一方、可動ロール52a,52bが破線で示した位置に上昇すると、ベルトコンベア51は破線で示す軌跡をとり、アキューム手段内のウエブ搬送部54の距離は最小になる。一対の可動ロール52a,52bが連続的に移動することにより、アキューム手段内のウエブ搬送部54の距離を前記の最大距離と最小距離との間で連続的に変化させることができる。図10には、アキューム手段内のウエブ搬送部54の距離がほぼ最大になる場合のウエブ9の搬送経路のみを示し、その他の場合(例えば、アキューム手段内のウエブ搬送距離が最小になる場合)のウエブ9の搬送経路は省略している。
【0029】
カード機1のウエブ送出部6から送出されるウエブ9の送出速度が周期的に増減すると、それに相関させて、一対の可動ロール52a,52bの位置を適当な制御手段(図示せず)によって変化させ、アキューム手段内のウエブ搬送部54の距離を変化させる。これによって、アキューム手段のウエブ送出速度、すなわちウエブ搬送手段2への供給速度を実質的に一定にすることができる。
【0030】
図11は、アキューム手段5の別の態様として、カード機1のウエブ送出部6とウエブ搬送手段2のウエブ受入部21との間に、可動案内ロール55及び固定ロール56を配置したアキューム手段5を示すものである。固定ロール56は、ウエブ搬送手段2のウエブ受入部21に固定して設置し、カード機1のウエブ送出部6と、ほぼ同一の水平面上に設けることが好ましい。一方、カード機1のウエブ送出部6と、固定ロール56とのほぼ中間点を矢印Eの方向に平行移動することができる可動案内ロール55は、カード機1のウエブ送出部6と、固定ロール56との間に配置する。可動案内ロール55は、適当な保持手段(図示せず)によって、所定の範囲内を移動自在に保持される。
【0031】
カード機1のウエブ送出部6から送出されるウエブ9は、可動案内ロール55の下側を通過し、固定ロール56とウエブ搬送手段2のウエブ受入部21との間を通って、ウエブ搬送手段2に送られる。図11に実線で示すように、可動案内ロール55が下降すると、搬送されるウエブ9は実線で示した軌跡を通り、アキューム手段内のウエブ搬送距離(この態様においては、カード機1のウエブ送出部6から固定ロール56までの距離)は最大になる。
【0032】
一方、可動案内ロール55が破線で示した位置に上昇すると、搬送されるウエブ9は破線で示した軌跡を通り、アキューム手段内のウエブ搬送距離は最小になる。可動案内ロール55を連続的に移動することにより、アキューム手段内のウエブ搬送距離を前記の最大距離と最小距離との間で連続的に変化させることができる。
【0033】
カード機1のウエブ送出部6から送出されるウエブ9の送出速度が周期的に増減すると、適当な制御手段(図示せず)により、それに相関させて可動案内ロール55の位置を変化させ、アキューム手段内のウエブ搬送距離を変化させる。これによって、アキューム手段のウエブ送出速度、すなわちウエブ搬送手段2への供給速度を実質的に一定にすることができる。図11に示す態様は、単純な構造であるにもかかわらず、ウエブ搬送距離の最大距離と最小距離との差が約25cm以下の場合には簡易に利用することができる。また、ウエブの繊維の絡みが強い場合に利用するのが好ましい。図11には、アキューム手段内のウエブ搬送距離が最大になる場合のウエブ9の搬送経路を実線で示し、アキューム手段内のウエブ搬送距離が最小になる場合を破線で示すが、その他の場合の搬送経路は省略している。
【0034】
図12は、アキューム手段の更に別の態様として、カード機1のウエブ送出部6とウエブ搬送手段2のウエブ受入部21との間に、固定端と自由端とを有する回動可能な一対の搬送手段(例えばベルトコンベア)、すなわち、ウエブ受入側搬送手段(例えば、受入側ベルトコンベア63)及びウエブ送出側搬送手段(例えば、送出側ベルトコンベア66)を有するアキューム手段5を示す。
受入側ベルトコンベア63は、カード機1のウエブ送出部6に近接して固定設置される支点ローラ61、及び自由端ローラ62により、一定の距離に保持され、また、送出側ベルトコンベア66は、ウエブ搬送手段2のウエブ受入部21に近接して固定設置される支点ローラ64、及び自由端ローラ65により一定距離に保持される。受入側ベルトコンベア63は、支点ローラ61を中心として、図12に実線で示す下限から破線で示す上限の範囲で、Gで示す方向に回動することができる。一方、送出側ベルトコンベア66も、支点ローラ64を中心として、実線で示す下限から破線で示す上限の範囲で、Hで示す方向に回動することができる。
【0035】
受入側ベルトコンベア63及び送出側ベルトコンベア66が実線で示す下限の位置にある場合、カード機1のウエブ送出部6から送出されたウエブ9は、受入側ベルトコンベア63上を搬送され、次に送出側ベルトコンベア66上を搬送され、ウエブ搬送手段2のウエブ受入部21に供給される。この場合、アキューム手段内のウエブ搬送距離は、実質的に、受入側ベルトコンベア63の全長と送出側ベルトコンベア66の全長との和に相当し、最大になる。
【0036】
一方、受入側ベルトコンベア63及び送出側ベルトコンベア66が破線で示す上限の位置にある場合、カード機1のウエブ送出部6から送出されたウエブ9は、受入側ベルトコンベア63上を搬送され、次に送出側ベルトコンベア66上を搬送され、ウエブ搬送手段2のウエブ受入部21に供給されるが、この場合、受入側ベルトコンベア63の一部と送出側ベルトコンベア66の一部が重なっているため、アキューム手段内のウエブ搬送距離は、実質的に、支点ローラ61と送出側支点ローラ64との距離に相当し、最小になる。
【0037】
受入側ベルトコンベア63及び送出側ベルトコンベア66を連続的に移動させることにより、アキューム手段内のウエブ搬送距離を前記の最大距離と最小距離との間で連続的に変化させることができる。図12には、図11と同様に、アキューム手段内のウエブ搬送距離が最大になる場合のウエブ9の搬送経路を実線で示し、アキューム手段内のウエブ搬送距離が最小になる場合を破線で示すが、その他の場合の搬送経路は省略している。
カード機1のウエブ送出部6から送出されるウエブ9の送出速度が周期的に増減すると、それに相関させて、適当な制御手段(図示せず)により、受入側ベルトコンベア63及び送出側ベルトコンベア66の位置を変化させ、アキューム手段内のウエブ搬送距離を変化させる。これによって、アキューム手段のウエブ送出速度、すなわちウエブ搬送手段2への供給速度を実質的に一定にすることができる。
【0038】
図13はアキューム手段5の更に別の態様として、カード機1のウエブ送出部6とウエブ搬送手段2のウエブ受入部21との間に、固定されたウエブ受入側搬送手段(例えば、受入側ベルトコンベア73)、及び、固定端と自由端とを有する回動可能なウエブ送出側搬送手段(例えば、送出側ベルトコンベア76)を有するアキューム手段5を示す。
受入側ベルトコンベア73は、カード機1のウエブ送出部6に近接して固定設置される固定ローラa71、及び固定ローラb72により、一定の距離に保持され、また、送出側ベルトコンベア76は、ウエブ搬送手段2のウエブ受入部21に近接して固定設置される支点ローラ74、及び自由端ローラ75により一定距離に保持され、支点ローラ74を中心として、図13に実線で示す下限から破線で示す上限の範囲で、Jで示す方向に回動することができる。
【0039】
送出側ベルトコンベア76が実線で示す下限の位置にある場合、カード機1のウエブ送出部6から送出されたウエブ9は、受入側ベルトコンベア73上を搬送され、次に送出側ベルトコンベア76上を搬送され、ウエブ搬送手段2のウエブ受入部21に供給される。この場合、アキューム手段内のウエブ搬送距離は、実質的に、受入側ベルトコンベア73の全長と送出側ベルトコンベア76の全長との和に相当し、最大になる。
一方、送出側ベルトコンベア76が破線で示す上限の位置にある場合、カード機1のウエブ送出部6から送出されたウエブ9は、受入側ベルトコンベア73上を経由することなく、直接、送出側ベルトコンベア76に送られ、送出側ベルトコンベア76上を搬送され、ウエブ搬送手段2のウエブ受入部21に供給される。この場合、アキューム手段内のウエブ搬送距離は、実質的に、受入側固定ローラa71と送出側支点ローラ74との距離に相当し、最小になる。
【0040】
送出側ベルトコンベア76を連続的に移動することにより、アキューム手段内のウエブ搬送距離を前記の最大距離と最小距離との間で連続的に変化させることができる。図13には、図11と同様に、アキューム手段内のウエブ搬送距離が最大になる場合のウエブ9の搬送経路を実線で示し、アキューム手段内のウエブ搬送距離が最小になる場合を破線で示すが、その他の場合の搬送経路は省略している。
【0041】
カード機1のウエブ送出部6から送出されるウエブ9の送出速度が周期的に増減すると、それに相関させて、適当な制御手段(図示せず)により、送出側ベルトコンベア76の位置を変化させ、アキューム手段内のウエブ搬送距離を変化させる。これによって、アキューム手段のウエブ送出速度、すなわちウエブ搬送手段2への供給速度を実質的に一定にすることができる。
【0042】
図13に示す実施態様においては、ウエブ受入側のベルトコンベアを固定型とし、ウエブ送出側のベルトコンベアを回動可能型とする構成としているが、送出側のベルトコンベアを固定し、受入側のベルトコンベアを回動可能にすることもできる。
【0043】
なお、アキューム手段の特殊な態様として、ウエブそれ自体が十分な強度を有する場合には、カード機のウエブ送出部とウエブ搬送手段のウエブ受入部との間に、十分な距離の間隔を設けて、ウエブのたるみにより搬送距離を調節してもよい。すなわち、カード機のウエブ送出部とウエブ搬送手段のウエブ受入部との間を通過中のウエブが、それ自体の重量によって重力方向に降下可能な間隔を、カード機のウエブ送出部とウエブ搬送手段のウエブ受入部との間に設けてもよい。この場合、カード機からのウエブ送出速度が周期的に速くなると前記の間隔におけるウエブのたるみが大きくなり、カード機からのウエブ送出速度が周期的に遅くなると前記の間隔におけるウエブのたるみが小さくなる。前記の間隔を、カード機のウエブ送出部とウエブ搬送手段のウエブ受入部との間に設ける場合、カード機のウエブ送出部とウエブ搬送手段のウエブ受入部との間で、重力方向に降下して形成されているウエブのたるみ部分を、ウエブ搬送手段のウエブ受入部に引き上げる手段(例えば、ウエブ搬送手段のベルトコンベアと組合わせて設ける押圧ロール)を設けることが好ましい。
【実施例】
【0044】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0045】
《実施例1》
ポリエステル繊維(繊度:2デシテックス、繊維長:64mm)を予備開繊した後、カード機に投入して、ドッファーから送出されるウエブの平均速度を38m/分とした。また、最大速度を平均速度の14%増しの43.3m/分として、式1〜式6において、a=0.54、b=1.43、c=1として、図2に示すように正弦曲線Aと正弦曲線Bとが合成された複合曲線に従って、ウエブの送出速度を設定した。
【0046】
その後、カード機から送出されるウエブをウエブ搬送手段に供給し、そのウエブ搬送手段のウエブ送出部から、ウエブ積層搬送手段のクロスレイウエブ搬送部へ供給することによって、クロスレイウエブを形成した。
なお、上記のように、前記カード機からウエブを送出するウエブ送出速度を周期的に変化させることにより、前記カード機から送出されるウエブの目付量を周期的に増減させ、前記カード機のウエブ送出部と前記ウエブ搬送手段のウエブ受入部との間にアキューム手段を配置し、前記カード機からのウエブ送出速度の周期的な変化に相関させて、前記カード機からのウエブ送出速度が周期的に速くなるのに従ってアキューム手段内のウエブ搬送距離を長くし、前記カード機からのウエブ送出速度が周期的に遅くなるのに従ってアキューム手段内のウエブ搬送距離を短く変化させることにより、アキューム手段から送出するウエブ送出速度を実質的に一定にし、前記ウエブ搬送手段のウエブ送出部を、キャリッジ手段により、実質的に一定速度の往復運動を行わせると共に、目付量の少ないウエブ部分をクロスレイウエブの両端部に積層させるように、前記カード機からのウエブ送出速度の周期的な変化と前記キャリッジ手段による前記の往復運動とを相関させ、前記ウエブ搬送手段のウエブ送出部から、前記ウエブ積層搬送手段のクロスレイウエブ搬送部へ、ウエブを、実質的に一定の速度で供給し、そして、前記ウエブ積層搬送手段のクロスレイウエブ搬送部の搬送速度を実質的に一定の速度にした。
【0047】
得られたクロスレイウエブの幅方向の目付量の分布を図5のD曲線に示す。目付量の平均値は40g/mであり、この平均値からの分布を縦軸に示しており、平均値を0%としている。図5から明らかなように、幅方向に目付量が実質的に均一なクロスレイウエブを得ることができた。
【0048】
《比較例1》
ドッファーから送出されるウエブの速度を、一定の値38m/分としたこと以外は実施例1と同様にして、クロスレイウエブを形成した。
得られたクロスレイウエブの幅方向の目付量の分布を図5のA曲線として示す。目付量の平均値は40g/mである。図5から明らかなように、クロスレイウエブの目付量は幅方向に不均一であった。
【0049】
《比較例2》
ドッファーから送出されるウエブの速度を38m/分とした。また、最大速度を平均速度の12%増しの42.6m/分として、図2に示すように正弦曲線Oに従って、ウエブの送出速度を設定した。
得られたクロスレイウエブの幅方向の目付量の分布を図5のB曲線に示す。目付量の平均値は40g/mである。図5から明らかなように、クロスレイウエブの目付量は幅方向に不均一であった。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、クロスレイウエブの製造の用途に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】従来技術(特許文献1及び特許文献2の組合せ)に基づいて、カード機から送出されるウエブの目付量をキャリッジ手段の往復動作に同期する正弦曲線に従うように周期的変化させた場合の、ウエブの幅方向の目付量の分布を示すグラフである。
【図2】本発明で使用することのできる正弦曲線(正弦曲線A及び正弦曲線B)を、従来技術で使用する正弦曲線(正弦曲線O)と比較して示すグラフである。
【図3】図2に示す正弦曲線A、正弦曲線B、正弦曲線Oの形状の一部を示すグラフである。
【図4】本発明の製造方法により得られるクロスレイウエブ(D曲線)の幅方向の目付量の分布を示すグラフである。
【図5】実施例で製造した、本発明の製造方法により得られるクロスレイウエブ(D曲線)と、比較例として製造したクロスレイウエブ(A曲線及びB曲線)について、幅方向の目付量の分布を示すグラフである。
【図6】従来法によるクロスレイウエブの製造装置を模式的に示す説明図である。
【図7】本発明に用いることのできるカード機のウエブ送出部の別の一実施態様を模式的に示す説明図である。
【図8】本発明に用いることのできるカード機のウエブ送出部の更に別の一実施態様を模式的に示す説明図である。
【図9】本発明に用いることのできるカード機のウエブ送出部の更に別の一実施態様を模式的に示す説明図である。
【図10】本発明に用いることのできるアキューム手段の一実施態様を模式的に示す説明図である。
【図11】本発明に用いることのできるアキューム手段の別の一実施態様を模式的に示す説明図である。
【図12】本発明に用いることのできるアキューム手段の更に別の一実施態様を模式的に示す説明図である。
【図13】本発明に用いることのできるアキューム手段の更に別の一実施態様を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1…カード機;2…ウエブ搬送手段;3…キャリッジ手段;
4…フロアコンベア;5…アキューム手段;6…カード機ウエブ送出部;
7…クロスレイヤ装置;8…ウエブ積層搬送手段;9…ウエブ(カードウエブ);
10…クロスレイウエブ;14…ドッファ;15…ストリッピングロール;
16a…フリューテッドロール;16b…スムースロール;
17…コンパクトロール;18…ドラフタ;
21…ウエブ搬送手段ウエブ受入部;22…ウエブ搬送手段ウエブ送出部;
23…クライミングエプロン;24…フォールエプロン;
25…クライミングエプロンウエブ送出部;
26…フォールエプロンウエブ受入部;
51…ベルトコンベア;52a…可動ロールa;52b…可動ロールb;
53a〜d…固定ロール;54…ウエブ搬送部;
55…可動案内ロール;56…保持ロール;
61…支点ローラ;62…自由端ローラ;
63…受入側ベルトコンベア;64…支点ローラ;
65…自由端ローラ;66…送出側ベルトコンベア;
71…固定ローラa;72…固定ローラb;
73…受入側ベルトコンベア;74…支点ローラ;
75…自由端ローラ;76…送出側ベルトコンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード機から送出されるウエブをウエブ搬送手段に供給し、そのウエブ搬送手段のウエブ送出部から、ウエブ積層搬送手段のクロスレイウエブ搬送部へ供給することからなる、クロスレイウエブの製造方法において、
前記カード機からウエブを送出するウエブ送出速度を周期的に変化させることにより、前記カード機から送出されるウエブの目付量を周期的に増減させ、前記ウエブ搬送手段のウエブ送出部を、キャリッジ手段により、実質的に一定速度の往復運動を行わせると共に、目付量の少ないウエブ部分をクロスレイウエブの両端部に積層させるように、前記カード機からのウエブ送出速度の周期的な変化を、前記キャリッジ手段の前記往復動作に同期する正弦曲線に従うように相関させ、
前記正弦曲線は、送出速度が平均速度よりも速い部分に相当する、周期の短い正弦曲線Aと、送出速度が平均速度よりも遅い部分に相当する、周期が長く且つ振幅が小さい正弦曲線Bとが交互に配置されて合成された曲線であり、
前記ウエブ搬送手段のウエブ送出部から、前記ウエブ積層搬送手段のクロスレイウエブ搬送部へ、ウエブを、実質的に一定の速度で供給し、そして、前記ウエブ積層搬送手段のクロスレイウエブ搬送部の搬送速度を実質的に一定の速度にする、
ことを特徴とする、前記のクロスレイウエブの製造方法。
【請求項2】
式1で表される正弦曲線Aと式2で表される正弦曲線Bとの間に、次式の関係が成り立つことを特徴とする、請求項1に記載のクロスレイウエブの製造方法。
=sin bx ・・・(式1)
=a sin (b/(2b−1))x ・・・(式2)
a=c/(2b−1) ・・・(式3)
0<a<1 ・・・(式4a)
1<b ・・・(式5a)
0.8≦c≦1.2 ・・・(式6a)
【請求項3】
正弦曲線Aと正弦曲線Bとの間に、次式の関係が成り立つことを特徴とする、請求項1又は2に記載のクロスレイウエブの製造方法。
=sin bx ・・・(式1)
=a sin (b/(2b−1))x ・・・(式2)
a=c/(2b−1) ・・・(式3)
0.33<a<1 ・・・(式4b)
1<b<2 ・・・(式5b)
0.9≦c≦1.1 ・・・(式6b)
【請求項4】
前記カード機のウエブ送出部と前記ウエブ搬送手段のウエブ受入部と間、又は前記ウエブ搬送手段の途中にアキューム手段を配置し、前記カード機からのウエブ送出速度の周期的な変化に相関させて、前記カード機からのウエブ送出速度が周期的に速くなるのに従ってアキューム手段内のウエブ搬送距離を長くし、前記カード機からのウエブ送出速度が周期的に遅くなるのに従ってアキューム手段内のウエブ搬送距離を短く変化させることにより、アキューム手段から送出するウエブ送出速度を実質的に一定にする、
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のクロスレイウエブの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−47855(P2010−47855A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210996(P2008−210996)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000229542)日本バイリーン株式会社 (378)
【Fターム(参考)】