説明

クロマトグラフィカラムのための充填システムおよび方法

本発明は、クロマトグラフィ媒体でクロマトグラフィカラムを充填するためのシステムおよびこれらのカラムで使用するための充填方法に関する。詳細には、本発明は、粒子状媒体のベッドを目標のベッド高さまで圧縮するための外部駆動手段を利用する、クロマトグラフィカラムを充填するための方法およびシステムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロマトグラフィ媒体でクロマトグラフィカラムを充填するためのシステムおよびそのようなカラムで使用するための充填方法に関する。より具体的には、本発明は、クロマトグラフィカラム内へのクロマトグラフィ媒体の充填を改良するための充填システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフィで使用されるカラムは、通常、キャリア液が流通している多孔質のクロマトグラフィ媒体を囲んでいる管状体を有しており、キャリア液と多孔質媒体の固相との間での物質捕集によって分離が行われる。あらゆる分離処理の前に、ベッドは、カラムに導入される必要があるスラリーの粒子状物質が最初に用意される必要がある。ベッド形成の過程は「充填処置(packing procedure)」といわれ、適正に充填されたベッドは、充填ベッドを収容するカラムの性能を左右する重要な要因となる。充填処置の目標は、最適圧縮量(最適圧縮率)で圧縮されたベッドを得ることである。
【0003】
詳細には、多孔質媒体は、通常は一方の端部からコラム内へとポンプ輸送、注入または吸引される、「スラリー」として知られている離散粒子の懸濁液を圧密することによって形成される。充填ベッドへのスラリーの圧密は、通常、スラリーを粒子保持フィルターでろ過し、さらに形成されたろ過ケークを圧縮することによって実現され、その結果、スラリーが重力のみの作用下で沈殿して沈殿ベッドを形成する場合に占める体積より小さい体積で充填される。圧縮の程度はクロマトグラフィ媒体のタイプに依存するが、通常は2%から20%の間である。その後のクロマトグラフィ分離の効率は、充填ベッドの液体入口および出口のところにある液体分配・収集システムによって決まるが、主に、形成された充填ベッドの均質性および安定性によって決まる。充填ベッドが均質でなく安定していない場合、ベッドで行われるクロマトグラフィ分離に有害作用を及ぼす。充填ベッドの均質性および安定性は、各々のカラムサイズ(幅または直径)、ベッド高さおよびベッド媒体に対して経験的に決定されなければならない最適な圧縮の度合いに依存する。カラムを充填するためのいくつかの方法が知られている(例えば米国特許出願公開第2003/0146159号明細書を参照されたい)。「フローパッキング(flow packing)」は、分析カラム(すなわち、カラム直径が約1〜10mmのカラム)、半調製カラム(すなわち、カラム直径が10〜100mmのカラム)のまたはさらに大きいカラムの分離に通常利用される方法である。フローパッキングでは、カラムの一方の端部がフリットまたはフィルターで閉じられている。他方の端部では、充填物のスラリーまたは懸濁液がカラムチューブ内へポンプ輸送または注入される。ろ過ベッドがフリットのところに構築され、これはろ過ケークが形成されるまで成長する。その後、ベッドは、動作中に使用される流量を超える流量で複数(約3〜10)のカラム体積の充填用溶媒を濾すことにより、その「目標のベッド高さ」までさらに圧縮される。圧密およびその後の圧縮は、ベッドを通って濾される液体流れの流量を維持するのに必要な圧力勾配に対するベッドの反動である浸透力の影響下で行われる。流れによってベッドが圧縮されると、流れは停止され、カラムの底部にある出口が閉じられ、アダプタまたは上側端部セルが圧縮ベッドの目標高さに調節される。この調節は、圧縮ベッドの弛緩が目標ベッド高さを超えるのを回避するために迅速に行われる。
【0004】
このフローパッキング方法には、このように圧縮される充填物のベッドが流れ圧縮(flow compression)ステップの間において軸方向で不均質になり、カラムの出口の近傍で圧縮が最も大きくなり、充填ベッドの頂部のところではゼロ圧縮となってしまう、という欠点がある。それにより、充填用の流れが停止されて上側端部セルが所定の位置に移動させられた後でベッドが大きく弛緩してしまい、粒子状物質を再配置しなければならない場合がある。この方法に伴うベッド圧縮の変動により、媒体のタイプおよび充填ベッドの幾何構造によってはベッドの安定性およびカラムの効率が不十分になる場合がある。
【0005】
フローパッキングの標準的な方法は、分取クロマトグラフィで使用される大孔径カラムに適していない場合がある。とりわけ、ある充填流量を加えること、したがってそれ以降の作業で必要となる圧力よりも実質的に大きな充填圧力を加えることを必要とする装置を設計することは、しばしば望ましくない。この問題に対処するために、機械的に軸方向に圧縮することに依拠した充填方法が使用される。軸方向に圧縮する方法では、アダプタ(端部セル)の軸方向の運動によってベッドの圧縮が実現される。これにより、充填中におけるカラム空間での高い液圧の必要性が取り除かれる。軸方向に圧縮する方法の別の利点は、ベッドが軸方向に均等に圧縮されことにより、フローパッキング方法で発生する弛緩および粒子の再配置の問題が回避されることである。
【0006】
ベッド圧縮およびベッド空隙率の径方向における変動は記載した両方の方法で発生するが、これは壁面摩擦作用に起因する。径方向の不均質性による影響は、ベッドの幾何形状すなわち直径と高さの比によって決まる。上述したように、軸方向における圧縮およびベッド空隙率の変動は、フローパッキング方法と軸方向に圧縮する方法とでは実質的に異なる。
【0007】
軸方向に圧縮することの欠点は、この方法を使用して充填されるカラムが、端部セルを移動させるための手段とこの移動を制御するための手段とを必要とすることである。移動のための典型的な方法は電動機駆動装置または液圧システムである。これらはカラムに装着されるまたはカラムに取り付けられるように構築されることから、軸方向に圧縮するカラムのコストおよび機械的複雑さはフローパッキングカラムより実質的に増大される。
【0008】
あらゆる圧密および圧縮に先んじて、媒体はカラムに導入される必要がある。大型のカラムは、好適には、スラリーを中央スラリーノズルまたは中央スラリーバルブを通してカラムに注入することによって用意される。これにより、衛生上の理由で好適である閉じられたシステムによるアプローチが可能となる。スラリーバルブ設計をベースとしたカラムは、移動式アダプタを使用する軸方向圧縮パッキング用または固定式端部セルを使用するフローパッキング用に設計され得る。
定義
「分析物(Analyte)」は、天然起源または合成起源の物質、化合物または化学物質として、あるいは、それらの反応生成物または誘導体または代謝物質として定義される。不正確さを回避するために、この用語は、タンパク質、ペプチド類、アミノ酸類および核酸などの生物学的分子、ならびに、薬物および/またはプロドラッグなどの合成分子を含む。
【0009】
「媒体(medium)」は、その中でクロマトグラフィ分離が起こっている任意の物質として定義される。媒体の例には、イオン交換クロマトグラフィ分離、サイズ排除クロマトグラフィ分離、アフィニティクロマトグラフィ分離(affinity binding chromatographic separation)、および、逆相クロマトグラフィ分離を引き起こす物質が含まれるが、これらに限定されない。
【0010】
「使い捨て」カラムは、非使い捨てカラムの場合に必要となる設置作業および修正/確認作業を軽減するためのクロマトグラフィ媒体の前処理を特徴とする。少なくとも、前処理には多孔質媒体のベッドの形成が含まれる。追加の前処理は、汚染微生物数の低減、消毒、発熱物質除去(depyrogenation)などであってよい。
【0011】
使い捨てカラムはシングルユースカラムとして使用されてよく、これは、反復使用の前に充填ベッドの修正(例えば、試験、確認など)を必要とするクリーニング・レジメ(cleaning regime)を使用者が実施しないことを意味する。
【0012】
使い捨てカラムの一実施形態は、クロマトグラフィ媒体で予め充填された状態で搬送される完成されたカラムである。
【0013】
使い捨てカラムの別の実施形態は、運用中に充填ベッドの1つまたは複数の横方向表面に作用する圧力および荷重に抵抗して充填ベッドに寸法安定性をもたらすように設計されたフレームまたは容器に相当する第1の装置と、多孔質媒体またはベッドを収容するコンテナ、シェル、カートリッジまたはバッグなどに相当する、運用中においては第1の装置に取り付けられる第2の装置とから構成される。後者の実施形態では、多孔質媒体は二次コンテナ内に収容されて取り替えることができるが、フレームは再使用可能である。この場合、運用に必要となる多孔質媒体の圧縮の度合いは、収容されている媒体をフレーム内に挿入した後で調節され得る(例えば、米国特許出願公開第2002/0166816号明細書および国際公開第2005/009585号を参照されたい)。
【0014】
「カラムに一体化されておらずかつその外部にある駆動手段」とは、カラムを充填するときのみ使用され、カラムの動作中ではカラムから取り除かれるまたは取り外される、分離式の実在物である駆動手段を意味する。したがって、エンドユーザがカラムを運用するとき、この駆動手段はなく、カラムにも取り付けられていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、従来技術の方法の欠点を克服する充填方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の主な利点は、軸方向に圧縮する方法によって充填ベッドが用意されることにより、軸方向圧縮カラムに対して従来の解決策で必要とされるようなカラム構造の高い機械的複雑さを必要とすることなく、ベッドの向上した安定性および高いカラム効率が得られることである。これにより大幅なコスト削減が可能となる。
【0017】
本発明の方法の別の利点は、圧縮が、流れ圧縮(flow compression)で必要とされるような高圧力ではなく、圧縮フレームなどの外付け駆動手段によって主として実現されることから、本発明の方法が低圧流体処理装置(例えば、蠕動ポンプ)と適合性を有していることである。
【0018】
本発明の方法の別の利点は、カラムの充填/詰込(filling)が閉じられたシステムとして実行され得ることであり、これは、カラムが、予め滅菌処理されたカラムおよび予め滅菌処理されたクロマトグラフィ媒体から始まる無菌状態下で詰込/充填することさえできるということも意味する。したがって、この方法は、「すぐに処理することができる(ready−to−process)」カラムまたは「使い捨て」カラムに使用され得る。
【0019】
さらに別の利点は、クロマトグラフィカラムが拡大縮小可能であることである(すなわち、カラムサイズを増大または縮小させることにより予測可能な性能が得られる)。これは、スラリーノズルを介したカラムの詰込が高いアダプタ位置のところでの軸方向の圧縮ステップの前に行われることに起因する。これにより、固定式端部セルを使用するように設計されたカラムをベースとした、ノズルを用いたフローパッキングと比較して、カラムの断面積全体にわたってスラリーを均質に分散させることが可能となる(例えば、米国特許第6,524,484号明細書を参照されたい)。フローパッキングの場合、充填は、目標のベッド高さである一定のベッド高さのところで行われる必要があり、それにより、充填ベッドの密度および圧縮がそれぞれ径方向において変動してしまう可能性がある。
【0020】
本発明の方法の別の利点は、ベッド形成の開始の前にすべてのスラリーが導入される必要があるわけではないことから、カラムが従来技術の軸方向圧縮カラムと同じくらいの長さである必要がないことである。
【0021】
本発明の別の利点は、既知の方法を使用したシステムと比較して必要となるアダプタ(端部ユニット)の行程が最小になり、それにより小型の構造が可能となることである。
【0022】
本発明に第1の態様によると、目標のベッド高さの粒子状媒体のベッドを備える軸方向流れクロマトグラフィカラム(axial flow chromatography)を充填する方法が提供される。
【0023】
このカラムは、
長尺管状側壁を有するハウジングと、
前記側壁によって分離されており、対向するように軸方向に隔置される第1および第2の端部ユニットであって、駆動手段により少なくとも一方の該ユニットが他方の該ユニットに対して軸方向に移動可能である、第1および第2の端部ユニットと、
前記側壁と共に、粒子状媒体のベッドを収容するための閉じられたベッド空間を画定する、前記第1のユニットに隣接する第1のフィルターおよび前記第2のユニットに隣接する第2のフィルターであって、該第1および/または第2のフィルターの相対的移動によってベッド高さが変化する、第1および第2のフィルターと、
を有し、
前記第1の端部ユニットが、前記粒子状媒体で前記ベッド空間を満たすための第1のバルブ手段と、前記ベッド空間に液体を加えるまたはそこから液体を除去するための第1のポートとを有し、
前記第2の端部ユニットが、前記ベッド空間に液体を加えるまたはそこから液体を除去するための第2のポートを有し、
前記方法が、
i.前記第1のフィルターと前記第2のフィルターとの間の軸方向の間隔を、目標のベッド高さの距離を超える距離に調節するステップと、
ii.中に粒子状媒体のベッドを形成するために、前記第1のバルブ手段を介して前記粒子状媒体の懸濁液を前記ベッド空間へ導入するステップと、
iii.前記目標のベッド高さを得るために、前記第1および/または第2の端部フィルターの軸方向の移動により前記粒子状媒体のベッドを圧縮するステップと
を含み、
ステップiii)が、前記カラムに一体化されておらずかつその外部にある前記駆動手段によって実現される、ことを特徴とする。
【0024】
本発明の第2の態様によると、目標のベッド高さの粒子状媒体のベッドを備える軸方向流れクロマトグラフィカラムを充填するシステムが提供される。このシステムは、
i.長尺管状側壁を含むハウジングと、
前記側壁によって分離されており、対向するように軸方向に隔置される第1および第2の端部ユニットであって、駆動手段により少なくとも一方の該ユニットが他方の該ユニットに対して軸方向に移動可能である、第1および第2の端部ユニットと、
前記側壁と共に、粒子状媒体のベッドを収容するための閉じられたヘッド空間を画定する、前記第1の端部ユニットに隣接する第1のフィルターおよび前記第2の端部ユニットに隣接する第2のフィルターであって、該第1および/または第2のフィルターの相対的移動によって前記ベッド高さが変化する、第1および第2のフィルターと
を有するカラムにおいて、
前記第1の端部ユニットが、前記ベッド空間を前記粒子状媒体で満たすための第1のバルブ手段と、前記ベッド空間に液体を加えるまたはそこから液体を除去するための第1のポートとを有し、
前記第2の端部ユニットが、前記ベッド空間に液体を加えるまたはそこから液体を除去するための第2のポートを有する、
カラム、ならびに、
ii.前記カラムに一体化されておらずかつその外部にあることを特徴とする駆動手段、
を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】基本的な特徴を示した、従来技術のクロマトグラフィカラムの概略横断面図である。
【図2】三次元で概略的に示した、本発明による方法を使用して充填され得るクロマトグラフィカラムの横断面図である。
【図3】三次元で概略的に示した、本発明による方法を使用して充填され得るクロマトグラフィカラムの別の実施形態の横断面図である。
【図4】本発明による方法を使用して充填されるクロマトグラフィカラムの三次元概略図である。
【図5】本発明による方法を使用して軸方向流れクロマトグラフィカラムを充填するシステムの概略図である。
【図6】上昇流モード(点線)および下降流モード(実線)の両方における、本発明に従って充填されたクロマトグラフィカラムでのアセトンのクロマトグラフィ分離を示したクロマトグラムである。
【図7】減少したプレート高さおよび非対称因子を溶出ピークから計算する方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、従来技術で知られているクロマトグラフィカラム1の一般的な構成要素を概略的に示している(例えば、米国特許第6,524,484号明細書を参照されたい)。このカラムは、例えば、ステンレス鋼の、または、半透明であってよい高強度/強化ポリマー材料の流体不透過性円筒形側壁11を有する。側壁11の開いた頂端部および底端部は、頂端部組立体またはユニット12および底端部組立体またはユニット13によって閉じられる。各端部ユニットは、ステンレス鋼、または、例えばポリプロピレンといった高強度エンジニアリングプラスチック材料で好適には作られる、円筒壁11の開口部を塞ぐように封止的に嵌合される流体不透過性端部プレート3を有する。端部プレートは、端部プレートの外側表面を受け止めておりかつ側壁を越えて径方向に延在してフランジ22を保持している状態に金属プレート2を維持することによって支持される。フランジ22には調節可能テンションロッド14が貫通して固定されている。これらは頂部組立体12と底部組立体13とを連結し、この構造体が高い流体圧力に耐えるのを助ける。
【0027】
各端部プレート3は、カラムの外側と側壁11および端部組立体12、13によって画定される充填ベッド空間9と連通させるための中央貫通開口部31を有する。開口部31を介しての侵入路は、接続マニホルド8を介して外部に接続される分離した導管に細分化される。
【0028】
通常はフィルター付きまたは織られたプラスチックまたは鋼であるフィルター層4が、端部プレート3の内側表面のところでベッド空間9の領域全体に延在している。端部プレート3の内側表面35は、フィルター層4と内側表面35との間に分散チャネル34を画定するために、フィルター層4の裏側で例えば図に示したように円錐形に窪んでおり、好適には支持リブ(図示せず)を使用してフィルター層4を裏側から支持している。移動相用導管33である連絡導管の1つは、この分散チャネル34に入るように内部へ開いており、同時に、マニホルド8の移動相用接続部81に向かって外部に開いている。
【0029】
マニホルド8から、アクセスバルブ装置5が端部プレート開口部31を通って内側に突出しており、さらにフィルター層4の中央オリフィス41を封止的に通っている。アクセスバルブ5は、マニホルド8からの1つまたは複数の導管のベッド空間9への直接、すなわちフィルター層4を迂回する連絡を制御する。ここに示したのは、マニホルド8のコネクタ82を介して外部に接続されている、バルブ5によって制御される第1のバルブ付き導管51および第2のバルブ付き導管61である。
【0030】
粒子状固定相材料の充填ベッドが、頂部フィルター層4と底部フィルター層4との間のベッド空間9を満たしている。固定相が好適にはカラムの上側端部片のところにあるアクセスバルブ5を介してスラリーの形態でベッド空間内に導入されるときに、充填ベッドが上述した「フローパッキング」方法によって形成され得る。余分な液体は、ベッド、フィルター層4、分散チャネル34、導管33を通過し、コネクタ81を介して除去される(矢印B)。固定相はフィルター層4によって保持されることから、ベッドはこの処理全体を通して成長する。圧密およびその後の圧縮は、浸透力(すなわち、ベッドを通って濾される液体流れの流量を維持するのに必要な圧力勾配に対するベッドの反動)の影響下で行われる。成長するベッドは、非常に高い流量でスラリーを導入することによって大幅に圧縮される。充填流量を最適化することにより、充填ベッドのための所望の圧縮係数が得られる。流れによってベッドが圧縮され、所望の量の固定相がカラムに加えられると、スラリー流れは停止され、アクセスバルブ5が閉じられる。この方法は、この処理全体を通して端部プレート3が固定されたベッド高さ(目標のベッド高さ)のところにくるように上側端部プレート3を調節することを一切必要としない。
【0031】
固定相のベッドを圧縮するための代替の方法は、アダプタまたは端部プレート3の軸方向の移動による機械的な軸方向の圧縮を加えることである。これは、カラムに取り付けられるまたはカラム内に組み込まれる電動機駆動装置または液圧システム(図1では図示しない)によって実現される。
【0032】
カラムが充填されてバルブ装置5が閉じられた後、移動相が移動相用コネクタ81を介して供給され(矢印A)、導管33を通過して分散チャネル34に入りさらにフィルター層4を通過し、充填ベッド通って下方向に溶出し、それによりその成分または分析物の分離が実現される。しかるべき収集時には、溶出液(liquid eluate)は、底端部組立体13のフィルター層4を通過し、底端部組立体13の移動相用コネクタ81を通って外に出る(矢印B)。これは、クロマトグラフィ分離がカラムを通る移動相の下方向への移動によって実施されることから、「下降流」クロマトグラフィの一例であるが、別法として、単にポンプを使用して移動相がカラムを上方向に通過するようにして流れの方向を逆転させることにより、「上昇流」クロマトグラフィによっても分離が実現され得ることを当業者は理解するであろう。この形態の場合、移動相はコネクタ81のところでカラムに入り(矢印B)、固定相または粒子状媒体を通って上方向に移動し、カラムの頂部のところにあるコネクタ81(矢印A)から収集される。
【0033】
図1および上述の説明は、構成要素の一般的関係および典型的な形態の運用を例証したものである。当業者は、別の特定の構造および運用形態も異なる種類の処理に適する場合があることを理解するであろうが、このことは以下の記載より明らかとなる。
【0034】
図2は本発明によるカラムの横断面図を示している。カラム101は、管状ハウジング111と、共にoリング107/108によって液密シールを形成するように固定された第1の端部ユニット112(部分的に示した)および第2の端部ユニット113と、ヘッド116を有するテンションロッド114とを有する。第1のフィルター104および第2のフィルター106がそれぞれ第1の端部ユニット112および第2の端部ユニット113に隣接している。これらのフィルター104、106は、側壁111と共に、粒子状媒体のベッドを収容するためのベッド空間109を画定している。
【0035】
ハウジング111および端部ユニット112、113は、通常、ステンレス鋼またはポリプロピレンなどの高強度プラスチック材料から構成される。好適な実施形態では、カラムが生物活性物質の分離に使用される場合、米国薬方局(United States Pharmacopia(USP))<88>class VIに従って、人の免疫応答を誘発することがないように、材料は生物学的に不活性のものとなる。ヘッド116を備えるテンションロッド114は端部ユニット112、113をハウジング111に固定し、高い操作圧力に耐えることができる液密ベッド空間109が形成される。
【0036】
フィルター104、106は、各々、端部ユニット112、113の内部面上に位置されており、ベッド空間を画定して(側壁111と共に)ベッド空間109からの粒子状媒体の漏れを防止する働きをする。端部ユニット112および113は(その結果、それらに隣接している第1のフィルター104および第2のフィルター106も)、互いに対して軸方向に移動可能である。図2では、端部ユニット112はハウジング11内で第2の端部ユニット113に対して軸方向に移動可能であるが、これらの端部ユニットの一方または両方が(その結果、フィルター104、106も)互いに対して軸方向に移動可能であるような別の実施形態も可能であることを理解されたい。
【0037】
ベッド空間109には、最初に、第1のフィルター104と第2のフィルター106との間の距離が目標のベッド高さを超えるように第1の端部ユニット112の高さ調節することにより粒子状媒体のベッドが充填される。この状態では、固定ロッド114およびヘッド116はカラムに取り付けられていない。端部ユニット間の距離は外部駆動装置または圧縮フレーム(図示せず)によって固定される。次いで、粒子状媒体のスラリーまたは懸濁液が、中央孔121およびノズル124を有するバルブ手段120を介してカラム内に導入される。懸濁液がベッド空間109に加えられるのと同時に、ポート140を介してベッド空間109から余分な液体を除去して、粒子状媒体の安定したベッドを作り出すことができる。所望の量の固定相が導入された後、バルブ手段120およびノズル124を閉じられる。その後、安定したベッドは、外部駆動装置または圧縮フレーム(図示せず)によって実行される端部ユニット112およびフィルター104の軸方向の移動によって圧縮され、目標のベッド高さが得られる。一体化部品ではなくカラム構造体でもない外部駆動装置は、所望される目標ベッド高さを得るために手動でまたはソフトウェア手段によって制御されてよい。その後、端部ユニットはそれぞれ固定ロッド(114)およびヘッド(116)の助けによって互いに対して固定され、次いでカラムが外部駆動装置または圧縮フレームから取り外される。
【0038】
図2では、ノズル124が、ベッド空間109に露出される充填位置にある状態で示されているが、ノズル124はカラムの詰込後に頂端部プレート112内の閉位置まで引き戻され得ることを理解されたい。ノズル124およびバルブ手段120は、拘束装置(図示せず)によって開位置または閉位置のどちらか一方に拘束される。ベッド空間内へのスラリーの分散さらには充填を促進するような多様なノズルが使用され得る。充填バルブおよび充填ノズルでの開閉機能を実現するための1つの代替形態は、ベッド空間内に固定されている(したがって、引き戻し可能ではない)ノズルを備えることであり、このノズルは、その位置に応じてノズルを開くおよび/または閉じるノズルの内側または外側にある移動可能要素またはスリーブに隣接して位置される。
【0039】
カラム上で分離するための1つまたは複数の分析物または物質を含有する移動相または液体が第1のポート133を介して加えられる。次いで、液体は第1のフィルター104を通過し、上述したように粒子状媒体で充填されたベッド空間109に入る。このように粒子状媒体上へと導入された分析物(複数可)のクロマトグラフィ分離は、移動相の導入および移動相の溶出によって実施される。最後に、移動相は、第2のフィルター106を通過し、第2のポート140を介してカラムから出る。その後、異なる分析物を含有する移動相の得られるフラクションを収集できる。
【0040】
このカラムは、上述した「下降流」モード、または、移動相がカラムを上方へと移動するように移動相の流れ方向が逆転された「上昇流」モードのいずれか一方で運用されてよいことを当業者は理解するであろう。上昇流モードでは、移動相は第2のポート140を介してカラムに入り、ベッド空間109内の粒子状媒体のベッドを通って上方へ移動し、収集されるために第1のポート133のところでカラムから出る。
【0041】
図3は本発明によるカラムの横断面図である。このカラムは図2のカラムに類似しており、多くの特徴が図2において説明した特徴と同一である。したがって、このカラムは、粒子状媒体の懸濁液をベッド空間209内に加えるためのバルブ手段220と、移動相の付加または収集のための第1のポート233とを有している。しかし、このカラムは、第2の端部ユニット213を通ってベッド空間209まで(中空部材260を介して)流体連通して延在している通路242を含む第2のポート240を有しており、そこから流体が付加または収集されるという点で、上述した実施形態とは異なる。図から明らかなように、第2のポート240は第1のポート233と基本的に同じレベルすなわち高さにあることから、カラムに移動相を加えたりカラムから移動相を収集したりするのを容易にしている。この構成は、カラムの設置を補助し、吸引(siphoning)の危険性を軽減し、カラム内に空気が入る可能性を低下させるという別の利点を有する。
【0042】
この構成部品の構成は図2で説明した構成とは異なる。カラム201は、管状ハウジング211、共にoリング207/208によって液密シールを形成するように固定された第1の端部ユニット212(部分的に示した)および第2の端部ユニット213と、ヘッド216を有するテンションロッド214とを有する。第1のフィルター204および第2のフィルター206はそれぞれ第1の端部ユニット212および第2の端部ユニット213に隣接している。これらのフィルター204、206は、側壁211と共に、粒子状媒体のベッドを収容するためのベッド空間209を画定している。第1の端部ユニット212および第2の端部ユニット213は、手動でまたはソフトウェアの制御下で自動で作動され得る、アクチュエータ、プレスまたはフレームなどの外部駆動装置(図示せず)によって互いに対して軸方向に移動可能である。フィルター204、206は第1の端部ユニット212および第2の端部ユニット213に隣接しており、これらの端部ユニットと共に互いに対して軸方向に移動可能である。示した実施形態では、端部ユニット212および第1のフィルター204のみが第2の端部ユニット213およびフィルター206に対して軸方向に移動可能であるが、これらの端部ユニットおよびフィルターの一方の側または両方の側が他方側に対して軸方向に移動可能であるような別の実施形態も可能であることを理解されたい。
【0043】
カラムは、図2に示した目標のベッド高さまで粒子状媒体のベッドで充填される。第1の端部ユニット212の高さは、第1のフィルター204と第2のフィルター206との間の距離が目標のベッド高さを超えるように外部駆動装置(図示せず)によって調節される。次いで、粒子状媒体のスラリーまたは懸濁液が、中央孔221およびノズル224を有するバルブ手段220を介してカラム内に導入される。余分な液体は通路242およびポート240を介してベッド空間209から除去されてよく、それにより粒子状媒体の安定したベッドが作られる。その後、安定したベッドは、外部駆動装置(図示せず)によって実行される端部ユニット212およびフィルター204の軸方向の移動によって圧縮され、目標のベッド高さが得られる。外部駆動装置は、所望される目標ベッド高さを得るために手動でまたはソフトウェア手段によって制御されてよい。その後、端部ユニットはそれぞれ固定ロッド(214)およびヘッド(216)の助けによって互いに対して固定される。
【0044】
カラム上で分離するための1つまたは複数の分析物または物質を含有する移動相または液体が第1のポート233を介して加えられる。次いで、液体はフィルター204を通過し、上述したように粒子状媒体で充填されたベッド空間209に入る。このように粒子状媒体上へと導入された分析物(複数可)のクロマトグラフィ分離は、移動相の導入および移動相の溶出によって実施される。最後に、移動相は、第2のフィルター206を通過し、通路242を介して第2のポート240まで到達してカラムから出る。その後、異なる分析物を含有する移動相の得られるフラクションを収集できる。
【0045】
このカラムは、上述した「下降流」モード、または、移動相がカラムを上方へと移動するように移動相の流れ方向が逆転された「上昇流」モードのいずれか一方で運用されてよいことを当業者は理解するであろう。上昇流モードでは、移動相は第2のポート240を介してカラムに入り、通路242に沿ってベッド空間209内の粒子状媒体のベッドを通って上方へ移動して、収集されるために第1のポート233のところでカラムから出る。
【0046】
示した実施形態では、中空部材260は、カラムの一体化された部分である。しかし、適切な材料(例えば、ポリプロピレン、ポリウレタンなど)から作られたコネクタおよび適当な管材料を使用することで、中空部材260はカラムに一体化される必要がなくなることを理解されたい。
【0047】
移動相の適用と収集とが単一の端部ユニット上の同じ高さのところで行われることにより使用形態が単純化され、オペレータのアクセスおよび取り扱いの点でみると、空気がシステムに侵入する危険性が軽減され、カラムを調節するのに必要となる空間が減少する。
【0048】
図4は、カラムの外部特徴が明らかとされている、カラム径の大きい図3のカラムの三次元概略図である。このカラムは、圧縮ステップ時に移動可能である第1の端部ユニット317と、第2の端部ユニット318と、ハウジング311とを有しており、これらは、テンションロッド314およびヘッド316によって固定されて共に液密シールを形成している。スラリー形態の粒子状媒体がバルブ手段320を介してベッド空間(図示せず)に導入されてよい。第1のポート333は、粒子状媒体上で分離される分析物(複数可)を含有する移動相または液体用の導管として働く。カラムの基部にある出口(図示せず)を介してベッド空間と流体連通している中空部材360が第2のポート340内まで続いており、カラムから溶出される移動相の適当なフラクションがそこから収集され得る。示されるように、第2のポート340は第1のポート333と基本的に同じレベルすなわち高さにあり、移動相はそこを通って導入(収集)され得る。この構成により、使用者の操作および試料の取り扱いが容易になる。図4に示した実施形態では、カラムの容量は約10リットルである。典型的には0.1リットルから2000リットルの範囲である、広範囲のカラム容量が可能であることを理解されたい。このカラムを使い捨てカラムとして使用する場合、好ましい容量は0.5リットルから50リットルの範囲である。
【0049】
図5は、本発明による方法を使用して軸方向流れクロマトグラフィカラムを充填するシステムの概略図である。このシステムは上記の図2で説明したカラム401を有する。このカラムは、第2の端部ユニット(図示せず)および第2のフィルター406に対する、カラムのベッド空間409内にある軸方向に移動可能な第1の端部ユニット(図示せず)および第1のフィルター(404)の高さをプラットホーム472および474を用いて調節することができる(圧縮フレームなどの)外部駆動手段470に接続されている。
【0050】
初めに、カラムからのまたは少なくとも底部分散システムおよびフィルター層からの空気の除去を促進するために、このシステムには、出口バルブ450と流体連通しているポンプ485を介してコンテナ480から液体が注入される。余分な液体または空気は、カラム401の上側入口/出口ポートを介してカラムから除去されて、廃棄物460として外に出されることが可能である。圧力センサ490が、注入段階および/またはその後の充填段階におけるカラム内の圧力を監視する。
【0051】
第1の端部ユニットおよびフィルター404は、初めは、第1のフィルター404と第2のフィルターO406との間の距離がベッド空間409内の目標のベッド高さの距離を超えるように位置H(図では474として示されている)のところに合わされている。その後、スラリーまたは懸濁液の形態のコンテナ430内の粒子状媒体が、ポンプ435による圧力下で入口バルブ420を通してカラムベッド空間409内に導入される。バルブ433を介した貯蔵部431からの充填用液体でコンテナ430をすすぐことにより、コンテナ430内に残っているいかなる残留スラリーもベッド空間409内へ洗い流すことができる。スラリーがベッド空間409内へと導入されると同時に、ベッド空間内に媒体の安定したベッドを作り出すために余分な液体が出口440を介して除去されてよい。この余分な液体は出口バルブ450を通過し、その後廃棄物460として放出される。圧密ステップの間、カラムベッド空間409内の圧力は、センサ490によって監視されており、多様な度合いの充填ベッドの予圧を得るためにポンプ435の流量を調節することによって調節され得る。
【0052】
最後に、プラットホーム474を位置H(図では474として示される)まで下げて、第1のフィルター404を第2のフィルター406に対して軸方向に移動させることにより、ベッドを目標のベッド高さまで圧縮することが実現される。充填処理では、クロマトグラフィ媒体のタイプに応じて、フローパッキングによる予圧および軸方向の圧縮による最終的な圧縮を様々な度合いに制御することができる。上側端部ユニットを最終位置Hまで下げた後、カラム端部ユニットは固定ロッドによって固定されてよく、カラムは圧縮フレームから取り外されてよい。
【0053】
図5および上記の説明はカラムを充填する方法を例証したものである。ポンプ、容器およびセンサの別の構成も可能であることを当業者は理解するであろう。汚染微生物数の制御レベルに関する要求基準を満たしている使い捨てカラムまたは無菌状態で作られるカラムを充填する場合、バッグおよび管材料などの使い捨ての液体処理装置を使用することが好ましい。
【0054】
図6は、下降流モード(実線)および上昇流モード(点線)の両方で運用された本発明による10リットルカラムで行われたトレーサーパルス実験例によるクロマトグラフィ分離効率を示している。このカラムは、本発明の方法を使用して、85μmのアガロース粒子径のCapto(商標)Qアニオン交換樹脂(GE Healthcare社、スウェーデン、ウプサラ)のベッドで充填された。カラムは10.8Lの容積、263mmの直径、および、200mmのベッド高さを有する。トレーサー物質としてアセトン(充填ベッド容積の1%)を使用し、移動相として水を用いてアセトンをカラムから溶出させ、吸収度を280nmで監視した。下の表1から分かるように、下降流モード(実線)および上昇流モード(点線)のいずれにおいても、85μmのアガロース媒体を用いて優れたカラム効率が観測された。
【0055】
【表1】

【0056】
表1のデータは、以下に記載した方法で図6のクロマトグラムから得られたものである。
【0057】
カラム効率の測定値として、低減されたプレート高さが、図7に示すように、溶出ピークの高さの半分のところのピーク幅Wを使用して決定される。この手順は、ガウス形状のピークに対して有効である近似である。実際に、溶出ピークは理想的なガウス形状から得られることが多く、ピークのひずみ度(peak skewness)はいわゆる非対称因子Aによって定性的に説明される。ここで、RTDの「リーディング」は1未満のAによって示され、「テイリング」は1を超えるAによって示される。非対称因子に対して一般に適用される合格基準は0.8<A<1.5〜1.8であり、これは用途タイプによって決まる。
【0058】
【数1】

【0059】
=b/a (図7参照)
非対称因子
粒子径
h 低減されたプレート高さ
HETP 理論段に相当する高さ
L ベッド高さ、充填ベッド
充填ベッドの空塔速度
保持容量
最大ピーク高さの50%のところのピーク幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標のベッド高さの粒子状媒体のベッドで軸方向流れクロマトグラフィカラムを充填する方法であって、
前記カラムが、
長尺管状側壁を有するハウジングと、
前記側壁によって分離されており、対向するように軸方向に隔置される第1および第2の端部ユニットであって、駆動手段により少なくとも一方の該ユニットが他方の該ユニットに対して軸方向に移動可能である、第1および第2の端部ユニットと、
前記側壁と共に、粒子状媒体のベッドを収容するための閉じられたベッド空間を画定する、前記第1のユニットに隣接する第1のフィルターおよび前記第2のユニットに隣接する第2のフィルターであって、該第1および/または第2のフィルターの相対的移動によって前記ベッド高さが変化する、第1および第2のフィルターと
を有し、
前記第1の端部ユニットが、前記粒子状媒体で前記ベッド空間を満たすための第1のバルブ手段と、前記ベッド空間に液体を加えるまたはそこから液体を除去するための第1のポートとを有し、
前記第2の端部ユニットが、前記ベッド空間に液体を加えるまたはそこから液体を除去するための第2のポートを有し、
前記方法が、
i.前記第1のフィルターと前記第2のフィルターとの間の軸方向の間隔を、前記目標のベッド高さの距離を超える距離に調節するステップと、
ii.中に粒子状媒体のベッドを形成するために、前記第1のバルブ手段を介して前記粒子状媒体の懸濁液を前記ベッド空間へ導入するステップと、
iii.前記目標のベッド高さを得るために、前記第1および/または第2の端部フィルターの軸方向の移動により前記粒子状媒体のベッドを圧縮するステップと
を含み、
前記ステップiii)が、前記カラムに一体化されておらずかつその外部にある前記駆動手段によって実現される、ことを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記駆動手段が、アクチュエータ、プレスおよびフレームからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記粒子状媒体が、イオン交換媒体、逆相媒体、サイズ排除媒体およびアフィニティ媒体からなる群から選択されるクロマトグラフィ媒体である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のバルブが一方向バルブである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記カラムが使い捨てカラムである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップii)が、前記粒子状媒体の前記懸濁液を前記第1のバルブ手段を介して前記ベッド空間に導入しながら前記ベッド空間から余分な水を除去して、それによりその中に粒子状媒体の安定したベッドを作るステップをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
目標のベッド高さの粒子状媒体のベッドで軸方向流れクロマトグラフィカラムを充填するシステムであって、
(i)長尺管状側壁を含むハウジングと、
前記側壁によって分離されており、対向するように軸方向に隔置される第1および第2の端部ユニットであって、駆動手段により少なくとも一方の該ユニットが他方の該ユニットに対して軸方向に移動可能である、第1および第2の端部ユニットと、
前記側壁と共に、粒子状媒体のベッドを収容するための閉じられたベッド空間を画定する、前記第1の端部ユニットに隣接する第1のフィルターおよび前記第2の端部ユニットに隣接する第2のフィルターであって、該第1および/または第2のフィルターの相対的移動によって前記ベッド高さが変化する、第1および第2のフィルターと、
を有するカラムであって、
前記第1の端部ユニットが、前記ベッド空間を前記粒子状媒体で満たすための第1のバルブ手段と、前記ベッド空間に液体を加えるまたはそこから液体を除去するための第1のポートとを有し、
前記第2の端部ユニットが、前記ベッド空間に液体を加えるまたはそこから液体を除去するための第2のポートを有する、
カラム、ならびに、
(ii)前記カラムに一体化されておらずかつその外部にあることを特徴とする駆動手段、
を有する、システム。
【請求項8】
前記駆動手段が、フレーム、プレスおよびアクチュエータからなる群から選択される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のバルブ手段が一方向バルブである、請求項7または8に記載のシステム。
【請求項10】
前記カラムが使い捨てカラムである、請求項7から9のいずれか一項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−520992(P2010−520992A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552118(P2009−552118)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【国際出願番号】PCT/EP2008/001748
【国際公開番号】WO2008/110291
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(509088240)ジーイー・ヘルスケア・バイオ−サイエンシズ・アーベー (22)