説明

クロム(VI)を使用しない、亜鉛含有表面の黒色不動態化

本発明は、亜鉛を含有する合金層上に実質的にクロム(VI)と含有しない黒色化成層を形成するための処理溶液に関する。前記処理溶液は、(i)炭素原子数1〜8の第一のカルボン酸の少なくとも一種、この酸はカルボキシル基以外の極性基を持たないモノカルボン酸である、(ii)炭素原子数1〜8の第二のカルボン酸の少なくとも一種、この酸は、−OH、−SOH、−NH、−NHR、−NR、−NRおよび−COOH(ただし、RはC〜Cのアルキル基である)から選ばれるさらなる極性基を有する、(iii)20〜400mmol/LのCr3+ならびに(iv)50〜2,000mmol/LのNOを含有し、ただし、(a)第一のカルボン酸が有するカルボキシル基の合計濃度は、5〜150mmol/Lの範囲内であり、(b)第二のカルボン酸が有するカルボキシル基の合計濃度は、5〜150mmol/Lの範囲内であり、(c)NOのCr3+に対する濃度比(mol/L単位)は≧1であり、そして(d)以下の条件(式(I))


ここで、c(C1)は第一のカルボン酸が有するカルボキシル基の合計濃度(mol/L単位)であり、c(C2)は第二のカルボン酸が有するカルボキシル基の合計濃度(mol/L単位)であり、c(Cr3+)はCr3+の濃度(mol/L単位)であり、そしてc(NO)はNOの濃度(mol/L単位)である、を満たす。本発明はさらに、処理すべき表面を上記の如き処理溶液中に浸漬する、亜鉛を含有する表面の黒色不動態化方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、亜鉛を含有する合金上に、実質的にクロム(VI)を含有しない黒色化成層を形成するための処理溶液および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カソード防食システムの防食効果を向上する目的で、ならびにラッカーおよび塗料のためのプライマー被覆として化成層を使用することは、古くから知られている。特に亜鉛、カドミウムおよびアルミニウムを含有する基体上には、リン酸塩被覆法と並んで表面をクロム化する方法が確立されている。
ここに、処理される表面は、主成分がクロム(VI)化合物である処理溶液と接触する。従って、形成される化成層もクロム(VI)イオンを含有する。クロム化層は通常、良好な防食性および良好な装飾性を示す。クロム(VI)の毒性は、クロム(VI)を含有する溶液、そしてクロム(VI)を含有する被覆の利用に対してそれぞれ不利益を与える。従って、クロム(VI)を含有する化成層の使用は、例えばEC指令2000/53/EC(使用済自動車に関するEC指令)の如く、強く制限されている。
【0003】
クロム化溶液の代替手段として、クロム(III)被覆の酸性処理用液が提案されている。これは、クロム化とは異なり、一般にそれぞれ「不動態化」、「不動態化溶液」と呼ばれる。かかる処理溶液は、例えばDE 196 15 664 A1に提案されているように、鉱酸中の、主としてクロム(III)のジカルボン酸塩またはヒドロキシカルボン酸塩、およびコバルト塩からなる。このような方法は、厚膜不動態化として知られ、亜鉛表面上に、防食効果に十分な不動態層の厚さを得るために、約40〜60℃の高温において使用される。クロム(III)イオンはクロム(VI)イオンと比較して活性が非常に低いという特徴があるので、この方法においては室温よりも高い温度で使用することが必要となる。温度を上げる代わりに反応時間を十分に長くすることは、経済的な理由により一般には行われない。
亜鉛−鉄または亜鉛−ニッケル、亜鉛−コバルトのような亜鉛合金表面の場合には、それぞれ亜鉛に対する混合金属は容易に生成される黒色色素として好適である。酸性溶液中の処理により、より卑である亜鉛は層から溶出し、微細分散した混合金属が表面に濃縮される。ここに表面は暗色となり、あるいはほとんど黒色となる。かかる方法は、DE 199 05 134 A1に記載されている。この点、酸のエッチ効果を促進するために、亜鉛−ニッケル表面の黒色不動態化用にさらに酸化剤が使用される。しかしながら、得られる黒色表面は十分な耐食効果を与えるものではない。
【0004】
US 5 415 702によると、上記に代えてクロム(III)、さらにリンのオキシ酸を含有する酸性溶液を用いた処理により、亜鉛−ニッケル合金層上へのCr(VI)を含有しない黒色化成層を形成することができる。この方法では、良好な装飾特性を有する均一な黒色化成層が形成される。しかしながら実験室の試験において、我々は本文献に記載された防食性を再現することができなかった。
WO 03/05429には、クロム(III)、さらにリンイオンを含有する酸性処理溶液を使用して同様に形成される類似の化成層が記載されている。この表面は、同様に良好な装飾特性を示すが、しかし上塗り(“Versiegelung”)のようなさらなる後処理工程がない限り、十分な防食特性を与えるものではない。
【0005】
EP 1 484 432 A1には、亜鉛合金表面のための、酒石酸、マレイン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、マロン酸またはアジピン酸の如きカルボン酸のほか、クロム(III)イオンおよび硝酸塩を含有するクロム(III)含有黒色不動態化溶液が記載されている。これによって処理された表面は、防食性を高めるために、次いでこれに引き続いて上塗りされなければならない。この処理溶液は、普通の室温よりも高い温度で使用される。
US 2004/0156999にも、亜鉛合金表面の黒色不動態化方法が記載されている。この処理溶液は、クロム(III)イオンおよびリンを含むアニオンのほかに、硝酸塩および有機カルボン酸を含有する。この有機カルボン酸の例としては、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、グリセリン酸、乳酸、グリコール酸、マロン酸、コハク酸、シュウ酸およびグルタル酸を挙げることができる。記載された処理溶液を使用しても、我々はここに記載された防食性を実現することはできなかった。
【0006】
従って、すべてを満足するような態様の黒色不動態化された亜鉛および亜鉛合金の各表面を、公知の方法によって形成することは不可能なのである。上記に記載された方法に特有の不利益点は、良好な基本的防食性(“Grundkorrosionsschutz”)を示す黒色亜鉛合金表面を首尾よく形成することができないことである。従って基本的には、層の防食特性を向上するための後工程が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来のクロム(VI)を含有する黒色クロム化により得られる結果の如き防食特性上の要求を満たす、クロム(VI)を含有しない、亜鉛合金の黒色不動態化のための処理溶液および方法を提供することにある。さらに、表面に、非常に良好な防食特性を与えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、亜鉛含有合金層上に、実質的にクロム(VI)を含有しない黒色化成層を形成するための処理溶液によって達成される。前記溶液は:
− 炭素原子数1〜8の第一のカルボン酸の少なくとも一種、この酸はカルボキシル基以外の極性基を持たないモノカルボン酸である、
− 炭素原子数1〜8の第二のカルボン酸の少なくとも一種、この酸は、−OH、−SOH、−NH、−NHR、−NR、−NRおよび−COOH(ただし、RはC〜Cのアルキル基である)から選ばれるさらなる極性基を有する、
− 20〜400mmol/LのCr3+ならびに
− 50〜2,000mmol/LのNO
を含有し、ただし、
− 第一のカルボン酸が有するカルボキシル基の合計濃度は、5〜150mmol/L、好ましくは10〜50mmol/Lの範囲内であり、
− 第二のカルボン酸が有するカルボキシル基の合計濃度は、5〜150mmol/L、好ましくは10〜75mmol/Lの範囲内であり、
−NOのCr3+に対する濃度比(mol/L単位)は≧1であり、そして
−以下の条件:
【0009】
【数1】

【0010】
ここで、
c(C1)は第一のカルボン酸が有するカルボキシル基の合計濃度(mol/L単位)であり、
c(C2)は第二のカルボン酸が有するカルボキシル基の合計濃度(mol/L単位)であり、
c(Cr3+)はCr3+の濃度(mol/L単位)であり、そして
c(NO)はNOの濃度(mol/L単位)である、
を満たす。
【0011】
さらに本発明は、前記処理溶液を水で希釈して得られる組成物を提供する。
さらに本発明は、処理すべき表面をかかる処理溶液に浸漬する、亜鉛含有合金表面の黒色不動態化方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、上記で定義された如き第一のカルボン酸の少なくとも一種と上記で定義された如き第二のカルボン酸の少なくとも一種とを、上述の濃度条件下で組み合わせて用いることによって、良好な防食特性と結合された良好な美的特性(外観、規則性および色彩)が得られるとの経験的に得られた知見に基づくものである。
処理溶液は、酸性水溶液である。そのpH値は、1.4〜2.5の範囲内にあることが好ましく、1.5〜2.0の範囲内にあることがより好ましい。
【0013】
第一のカルボン酸は、アルキル、アリール、アルケニルまたはアルキニルカルボン酸であることが好ましい。第一のカルボン酸は、カルボキシル基以外の極性基、例えばプロトン性基、を含有しない。第一のカルボン酸は、特に以下の群に属するいずれの基も含有しない:−OH、−SOH、−NH、−NHR、−NR、−NR(ただし、RはC〜Cのアルキル基である)。しかし第一のカルボン酸は、下記の群を含有することができる:ハロゲン、アルキル、アリール、ビニル、アルコキシおよびニトロ基。
第一のカルボン酸として好適な酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、ヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、アセチルサリチル酸、安息香酸、ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ソルビン酸、トリフロロ酢酸、2−エチルヘキサン酸、アクリル酸、クロロ酢酸、2−クロロ安息香酸、2−クロロ−4−ニトロ安息香酸、シクロプロパンカルボン酸、メタクリル酸、3−ニトロ安息香酸、4−ニトロ安息香酸、フェノキシ酢酸、イソ吉草酸、ピベリン酸(Pivelinsaure)、2−エチル酪酸、フラン−2−カルボン酸、ブロモ酢酸、クロトン酸、2−クロロプロピオン酸、ジクロロ酢酸、グリオキシル酸、4−メトキシ安息香酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、レブリン酸、ペンテン酸、フェニル酢酸、チグリン酸、ビニル酢酸を挙げることができる。
第一のカルボン酸として好ましくは酢酸である。
【0014】
少なくとも一種のさらなる極性基を有する第二のカルボン酸は、好ましくはジ−またはトリカルボン酸である。アミノ酸もまた好適である。
第二のカルボン酸として好適な酸の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸ないしスベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、エチレンジニトリロテトラ酢酸、テトラヒドロフラン−2−カルボン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレンジアミンペンタ酢酸、ニトリロトリ酢酸、乳酸、アジピン酸、4−アミノ馬尿酸、4−アミノ安息香酸、5−アミノイソフタル酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン、L−グルタミン酸、アラニン、β−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アラニン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−グリシン、L−システイン、L−シスチン、グルタチオン、グリシン、グリシルグリシン、L−ヒスチジン、L−ヒドロキシプロリン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシン、L−メチオニン、L−オルニチン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−チロシン、L−トリプトファン、L−トレオニン、L−バリン、N−[トリス(ヒドロキシメチル)−メチル]−グリシン、L−シトルリン、N−アセチル−L−システイン、N−(2−アセタミド)−イミノジ酢酸、1,2−シクロへキシレン−ジニトリロテトラ酢酸、D(+)−ビオチン、L−ノルロイシン、5−アミノレブリン酸、DL−メチオニン、3−アミノ安息香酸、6−アミノヘキサン酸、アセチレンジカルボン酸、ピリジン−2,3−ジカルボン酸、(−)−キナ酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ピリジン−2−カルボン酸、ピラジン−2,3−ジカルボン酸、ピラジン−2−カルボン酸、ピリジン−4−カルボン酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、セバシン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、フラン−2−カルボン酸、メチレンコハク酸、DL−マンデル酸、DL−α−アミノフェニル酢酸、DL−トロパ酸、2,2’−チオジ酢酸、3,3’−チオジプロピオン酸、3−(2−フリル)−アクリル酸、ピペリジン−4−カルボン酸、4−グアニジノ安息香酸、L−ホモセリン、トランス−プロペン−1,2,3−トリカルボン酸、(R)−(−)−シトラマル酸、(3−ヒドロキシフェニル)−酢酸、4−ヒドロキシキノリン−2−カルボン酸、N−アセチル−L−グルタミン酸、N−アセチル−DL−バリン、4−アミノ馬尿酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、4−(ジメチルアミノ)−安息香酸、グルクロン酸、シトラジン酸、インドール−3−カルボン酸、インドールー5−カルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、DL−ロイシン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−プロピオン酸、キノリン−2,4−ジカルボン酸、2−アミノピリジン−3−カルボン酸、5−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸、アントラニル酸、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、3,5−ジアミノ安息香酸、4,8−ジヒドロキシキノリン−2−カルボン酸、3,3−ジメチルグルタル酸、トランス,トランス−2,4−ヘキサジエン酸、3−ヒドロキシ酪酸、o−ヒドロキシ馬尿酸、(4−ヒドロキシフェニル)−酢酸、イミダゾール−4−アクリル酸、インドール−2−カルボン酸、インドール−3−プロピオン酸、メルカプトコハク酸、3−オキソグルタル酸、ピリジン−2,4−ジカルボン酸、ピリジン−3,5−ジカルボン酸、2−メチルアラニン、2−スルホ安息香酸、ピリジン−2,5−ジカルボン酸、グルコン酸、4−アミノ安息香酸、(−)−シキミ酸、キナルジン酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、ピラゾール−3,5−ジカルボン酸、ピリジン−3,4−ジカルボン酸、1,2−ジアミノプロパン−テトラ酢酸、2−ピリジル酢酸、D−ノルバリン、2−メチルグルタル酸、2,3−ジブロモコハク酸、3−メチルグルタル酸、(2−ヒドロキシフェニル)酢酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、ジグリコール酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、2,3−ジメチルアミノプロピオン酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、フェニル琥珀酸、N−フェニルグリシン、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、サルコシン、トロパ酸、ピロムシン酸、ムシン酸を挙げることができる。
これらのカルボン酸は、塩のかたちで処理溶液中に導入してもよい。
【0015】
水溶液中のすべての化合物は、対応する酸の源として添加してもよい。酸無水物のほか、例えば対応する酸のエステル、酸アミド、酸ハロゲン化物、酸ニトリルも、本発明の処理溶液の製造のために好適である。
【0016】
処理溶液は、好ましくはさらにコバルト(II)イオンを、0.1g/L〜3g/Lの範囲内、より好ましくは0.2g/L〜2g/Lの範囲内、最も好ましくは0.5g/L〜1g/Lの範囲内の濃度で含有する。
本発明の処理溶液は、不動態化された亜鉛合金、例えば亜鉛−鉄、亜鉛−ニッケルまたは亜鉛−コバルト合金、を与える。
【0017】
亜鉛−鉄合金は0.4〜1重量%の鉄を含有することが好ましく、亜鉛−ニッケル合金は8〜20重量%のニッケルを含有することが好ましく、亜鉛−コバルト合金は0.5〜5重量%のコバルトを含有することが好ましい。
上記の合金は、基体上に電気化学的に堆積されてもよく、あるいは基体上に、溶融亜鉛めっきの如き他の手段によって塗布されてもよく、あるいはまた処理すべき物品の材料を構成していてもよい。
比{c(C1)/c(C2)}×{c(Cr3+)/c(NO)}は、0.1〜0.2の範囲内が好ましい。
【0018】
本発明による亜鉛を含有する表面の黒色不動態化において、処理すべき表面は上記の如き処理溶液中に浸漬される。ここで、処理溶液の温度は、20℃〜60℃の範囲内が好ましく、20℃〜40℃の範囲内がより好ましく、最も好ましくは20℃〜30℃の範囲内である。処理溶液中における処理時間は、10s〜180sの間が好ましく、30s〜120sの間が好ましく、最も好ましくは45s〜90sの間である。本方法の好ましい態様では、不動態化処理は、不動態化溶液中において基体をカソードと接続すること(”kathodische Schaltung”)によって促進される。ここで、基体上のカソード電流密度は0.05A/dm〜10A/dmの間が好ましく、0.1A/dm〜5A/dmの間がより好ましく、最も好ましくは0.1A/dm〜3Admの間である。
【0019】
従来の、亜鉛を含有する表面のためのクロム(VI)を含有しない不動態化溶液は通常クロム(III)イオン源、フッ化物および/または多価カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸の如き錯化剤の一種またはそれ以上を含有しているのが通常である。クロム(III)は価電子が3dの電子配置をとり、水溶液中ではほとんど排他的に8配位のイオンとして知られている。かかる配置では、イオンは高い配位子場安定化エネルギー(LFSE)を示す。このことは、クロム(III)イオンの顕著に低い反応速度を結果し、例えばクロム(III)錯体を形成するために長い反応時間または高温を要することとなる。通常、かかる見地から、不動態化溶液は、その調製における高温の水の使用により、または反応溶液を加熱することにより、製造される。
【0020】
Cr(III)イオンとは異なり、Cr(II)イオンは3dの電子配置をとり、速度論的な抑制は顕著に低く、従って配位子交換反応は十分に速い。クロム(III)の水配位子の交換は、クロム(II)の場合より数桁の規模で遅い。イオンが高スピン状態にあるとき、ヤーン−テラー効果により反応性はさらに向上する。8配位錯体における電子の高スピン化は、水、酸化物の如き比較的弱い配位子場を形成する配位子において観察されている。低スピンは、非常に強い配位子場を形成する配位子においてのみ観察されている。シアン化物イオンがその例である。このような配位子は、本発明の処理溶液には含有されない。本発明による処理溶液の成分であるカルボキシラートイオンは前者の種類、すなわち弱い配位子場を形成する配位子、従って高スピン錯体、に属する。
【0021】
Cr(III)のCr(II)への還元(Cr2+ → Cr3+ + e、E=標準水素電極に対して−0.41V)は、亜鉛表面上の十分に酸性な溶液中で容易に起こる。クロム(III)を含有する化成層の構造であると一般に考えられている、μ−水素で結合されたCr(III)イオンの多次元ネットワークの形成は、最も可能性が高くは、引き続く速い配位子交換を伴うCr(III)のCr(II)への還元からなる中間ステップを経由して起こる。Cr(II)は、湿気のある空気中から溶解した酸素によって再度容易にCr(III)へ酸化される。Cr(III)のCr(II)への還元は、電気化学的にも起こすことができる。すなわち、層の形成反応は、処理溶液中において不動態化すべき部分をカソードと接続することによって促進することができ、あるいは完全に電気化学的経路によって生じうる。任意的に適用されるこのようなプロセスにより、特に黒色不動態化された亜鉛表面において、防食性が向上される。
【0022】
黒色表面上における欠陥の少ない不動態化層の形成または密度の向上は、それぞれ、特に複雑である。黒色色素として、混合金属(例えばコバルト、ニッケルまたは鉄)が、表面のエッチングおよび亜鉛の溶解によって、しばしば濃縮され、微細分散したかたちで生成する。処理溶液によっては、これらに代えてこれらの元素の酸化物も生成する。
【0023】
純亜鉛表面上では、従来技術に従って、例えば鉄イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、銀イオンまたは銅イオンを含有する溶液中へ亜鉛表面を浸漬することによるセメンテーションを経由して、亜鉛よりも貴な上記金属の少量を堆積することによって黒食の着色をすることが有効である。荷電交換により、処理溶液に依存して、微細分散した黒色金属または金属酸化物の薄層がそれぞれ、さらに非化学量論量の亜鉛酸化物もまた、生成する。
このようにして生成する黒色表面上では不動態層の形成は阻害され、その結果、黒色不動態層の防食性はわずかとなる。
【0024】
かかる問題点は、中間的に生成するCr(II)イオンがモノカルボン酸の助けによって難溶性の形態に変換し、該モノカルボン酸は該カルボキシル基以外の極性基を含有しないから、前記Cr(II)イオンが表面に固定される本発明によって解決される。その結果、従来の方法とは異なり、不動態層(Passivschicht)の形成に有用な、ただゆっくりとしか動かないクロムを高濃度で得ることができる。これとは逆に、もしも主としてシュウ酸、マロン酸、コハク酸の如き多価カルボン酸または乳酸の如きヒドロキシカルボン酸またはクエン酸、酒石酸の如き多価ヒドロキシカルボン酸を使用すると、かかる酸またはそのアニオンがそれぞれ自由に配位したCr(II)は、難溶性の形態に変換せず、従って表面上への濃縮または目的に適う濃縮は、それぞれ起こらない。
【0025】
Cr(II)を難溶性の形態に変換するための酢酸または酢酸イオンの使用は、それぞれ、酢酸クロム(II)の調製に使用される(下記式参照)。酢酸クロム(II)に見られる二核構造は、本発明に記載された作用モードのために必須ではない。一個より多くのクロムイオンを有する多核錯体および単核錯体が、中間的にそれぞれ生成する。
【0026】
【化1】

【0027】
酢酸クロム(II)は、空気中の酸素との接触によりクロム(III)種へと酸化される赤色結晶を形成する。同様に、クロム種はこうして表面に濃縮され、不動態化溶液中における金属−溶液界面で部分的または完全な配位子交換によって三次元ネットワークの成長に寄与することができる。
【0028】
改善された基本的な防食性に加えて、モノカルボン酸を使用するさらなる利点は、これらが化成層中に取り込まれることにある。層のネットワーク中のクロムイオンへの配位により、非極性なアルキル、アリール、アルケニルまたはアルキニル残基のために表面は疎水性となり、典型的なポリマー分散において使用される非極性ポリマーに対して向上された親和性を示す。本発明によれば、クロム(VI)を含有する典型的な化成層および純ジ−、トリ−またはヒドロキシカルボン酸もしくはアミノカルボン酸を含有する溶液から形成される典型的な層に比べて向上された疎水性ポリマーに対する親和性が得られる。この親和性は、本発明に従って形成された化成層上へのポリマー分散の適用による防食性の向上に反映される。
【0029】
中間的に生成するCr(II)錯体の低い溶解性によって促進される層の成長のためにキレート配位子としてモノカルボン酸のみを使用することは、これが反応溶液からの攻撃に対して高度に孤立していることから、通常、層の均一な黒色化を結果しない。モノカルボン酸とともに、少なくとも一種の第二のカルボン酸(たとえば、ポリカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸)の好適な組み合わせおよびこれらの濃度を選択することにより、易溶性Cr(II)中間体および表面上における難溶性のCr(II)反応生成物の濃度を、表面の均一な、および従って、魅力的な着色と同時に発現する、良好な防食性の観点から調整することができる。反応溶液の組成が上記の必要条件を満足するならば、経験的に、白色腐食および表面の均一な暗色化に関する亜鉛含有表面の防食性の観点からの好適な濃度比が得られることとなる。
以下に、実施例の方式により、本発明についてさらに詳細に説明する。
【実施例】
【0030】
比較例1および2
下記の組成を有する水溶性反応溶液を調製した。
反応溶液1:
4.5g/LのCr3+、硝酸クロム(III)9水塩として加えた。
17g/Lの硝酸(65%)
【0031】
反応溶液2:
4.5g/LのCr3+、硫酸カリウムクロム(III)として加えた。
17.1g/LのSO2−、硫酸カリウムクロム(III)として加えた。
0.3g/LのCo2+、硫酸コバルト(II)6水塩として加えた。
90mg/LのNO、硝酸として加えた。
1g/Lのシュウ酸2水塩
1g/Lの酢酸
1g/Lのマレイン酸
溶液のpH値は、硝酸または水酸化ナトリウムをそれぞれ用いて、各場合でpH1.5に調整した。
【0032】
鋼鉄製エレメントを、アルカリ性亜鉛−ニッケル合金電解質(商品名:Reflectalloy ZNA;製造元:Atotech)中で、厚さ5μm、ニッケル含量14%の亜鉛−ニッケル合金層により被覆した。鋼鉄製エレメントは、次いで20℃において硝酸−水混合物(約0.3%HNO)中に10s浸漬し、表面を活性化した。エレメントは、次いで脱イオン水でリンスし、直ちに上記で調製した溶液1または2中にそれぞれ25℃において60秒間浸漬し、その後脱イオン水でリンスして乾燥した。双方の場合とも、エレメントの表面は、光沢のない、暗色から暗褐色に着色した。DIN 50021 SSに準拠した塩水噴霧試験において、表面は平均して<12h後にすでに白色腐食が見られた。
【0033】
実施例1〜6
表1に示した組成を有する水性反応溶液を調製した(比較例2におけるのと同じ形態の単一成分を添加した)。溶液のpH値は、硝酸または水酸化ナトリウムを用いて、各場合について表1に示した値に調整した。
鋼鉄製エレメントは、表1中の「基体」欄に示したZn含有合金を用いて電解的に被覆し、該電解的被覆後、脱イオン水を用いて完全にリンスした後、0.3%硝酸中で20〜30℃において10s活性化し、次いで再度完全にリンスした。次いで、エレメントを、表1に示した条件(温度、暴露時間)下で反応溶液中に浸漬した。その後、シリコン生成分を有する水性ポリマー分散体からなるCorrosil 501による上塗り(“Versiegelung”)を施した。外観評価(色調)およびDIN 50021 SSに準拠した塩水噴霧試験の上塗り前後における結果(白色腐食が生じるまでの時間)を表1に合わせて示した。
【0034】
【表1】

【0035】
比較例3および4
酢酸およびシュウ酸の濃度をそれぞれ表2に記載のとおりに変更したほかは実施例3を繰り返した。色調および防食特性を表2に合わせて示した。
【0036】
【表2】

【0037】
比較例3は、モノカルボン酸のカルボキシル基濃度が高すぎる場合には、色調に劣る処理表面しか得られないことを示している。
比較例4は、ポリカルボン酸のカルボキシル基濃度が高すぎる場合には、防食特性に劣る処理表面しか得られないことを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜鉛を含有する合金層上に実質的にクロム(VI)を含有しない黒色化成層を形成するための処理溶液であって:
− 炭素原子数1〜8の第一のカルボン酸の少なくとも一種、この酸はカルボキシル基以外の極性基を持たないモノカルボン酸である、
− 炭素原子数1〜8の第二のカルボン酸の少なくとも一種、この酸は、−OH、−SOH、−NH、−NHR、−NR、−NRおよび−COOH(ただし、RはC〜Cのアルキル基である)から選ばれるさらなる極性基を有する、
− 20〜400mmol/LのCr3+ならびに
− 50〜2,000mmol/LのNO
を含有し、ただし、
− 第一のカルボン酸が有するカルボキシル基の合計濃度は、5〜150mmol/Lの範囲内であり、
− 第二のカルボン酸が有するカルボキシル基の合計濃度は、5〜150mmol/Lの範囲内であり、
−NOのCr3+に対する濃度比(mol/L単位)は≧1であり、そして
−以下の条件:
【数1】


ここで、
c(C1)は第一のカルボン酸が有するカルボキシル基の合計濃度(mol/L単位)であり、
c(C2)は第二のカルボン酸が有するカルボキシル基の合計濃度(mol/L単位)であり、
c(Cr3+)はCr3+の濃度(mol/L単位)であり、そして
c(NO)はNOの濃度(mol/L単位)である、
を満たす、前記溶液。
【請求項2】
前記溶液のpH値が1.4〜2.5の範囲内にある、請求項1に記載の処理溶液。
【請求項3】
前記溶液のpH値が1.5〜2.0の範囲内にある、請求項1に記載の処理溶液。
【請求項4】
前記第一のカルボン酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、安息香酸、ヘプタン酸、プロパルギル酸、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、シクロヘキセン酸、シクロヘキサン酸、シクロペンタン酸、シクロペンテン酸および2−ブチン酸ならびにその異性体よりなる群から選択される、請求項1に記載の処理溶液。
【請求項5】
前記第二のカルボン酸がジカルボン酸である、請求項1に記載の処理溶液。
【請求項6】
前記第二のカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、エチレンジニトリロテトラ酢酸、テトラヒドロフラン−2−カルボン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレンジアミンペンタ酢酸、ニトリロトリ酢酸、乳酸、アジピン酸、4−アミノ馬尿酸、4−アミノ安息香酸、5−アミノイソフタル酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン、L−グルタミン酸、アラニン、β−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アラニン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−グリシン、L−システイン、L−シスチン、グルタシオン、グリシン、グリシルグリシン、L−ヒスチジン、L−ヒドロキシプロリン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシン、L−メチオニン、L−オルニチン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−チロシン、L−トリプトファン、L−トレオニン、L−バリン、N−[トリス(ヒドロキシメチル)−メチル]−グリシン、L−シトルリン、N−アセチル−L−システイン、N−(2−アセタミド)−イミノジ酢酸、1,2−シクロへキシレン−ジニトリロテトラ酢酸、D(+)−ビオチン、L−ノルロイシン、5−アミノレブリン酸、DL−メチオニン、3−アミノ安息香酸、6−アミノヘキサン酸、アセチレンジカルボン酸、ピリジン−2,3−ジカルボン酸、(−)−キナ酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ピリジン−2−カルボン酸、ピラジン−2,3−ジカルボン酸、ピラジン−2−カルボン酸、ピリジン−4−カルボン酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、セバシン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、フラン−2−カルボン酸、メチレンコハク酸、DL−マンデル酸、DL−α−アミノフェニル酢酸、DL−トロパ酸、2,2’−チオジ酢酸、3,3’−チオジプロピオン酸、3−(2−フリル)−アクリル酸、ピペリジン−4−カルボン酸、4−グアニジノ安息香酸、L−ホモセリン、トランス−プロペン−1,2,3−トリカルボン酸、(R)−(−)−シトラマル酸、(3−ヒドロキシフェニル)−酢酸、4−ヒドロキシキノリン−2−カルボン酸、N−アセチル−L−グルタミン酸、N−アセチル−DL−バリン、4−アミノ馬尿酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、4−(ジメチルアミノ)−安息香酸、グルクロン酸、シトラジン酸、インドール−3−カルボン酸、インドールー5−カルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、DL−ロイシン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−プロピオン酸、キノリン−2,4−ジカルボン酸、2−アミノピリジン−3−カルボン酸、5−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸、アントラニル酸、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、3,5−ジアミノ安息香酸、4,8−ジヒドロキシキノリン−2−カルボン酸、3,3−ジメチルグルタル酸、トランス,トランス−2,4−ヘキサジエン酸、3−ヒドロキシ酪酸、o−ヒドロキシ馬尿酸、(4−ヒドロキシフェニル)−酢酸、イミダゾール−4−アクリル酸、インドール−2−カルボン酸、インドール−3−プロピオン酸、メルカプトコハク酸、3−オキソグルタル酸、ピリジン−2,4−ジカルボン酸、ピリジン−3,5−ジカルボン酸、2−メチルアラニン、2−スルホ安息香酸、ピリジン−2,5−ジカルボン酸、グルコン酸、4−アミノ安息香酸、(−)−シキミ酸、キナルジン酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、ピラゾール−3,5−ジカルボン酸、ピリジン−3,4−ジカルボン酸、1,2−ジアミノプロパンテトラ酢酸、2−ピリジル酢酸、D−ノルバリン、2−メチルグルタル酸、2,3−ジブロモコハク酸、3−メチルグルタル酸、(2−ヒドロキシフェニル)酢酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、ジグリコール酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、2,3−ジメチルアミノプロピオン酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、フェニルコハク酸、N−フェニルグリシン、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、サルコシン、トロパ酸、ピロムシン酸、ムシン酸よりなる群から選択される、請求項1に記載の処理溶液。
【請求項7】
前記溶液がさらに0.1g/L〜3g/Lの範囲内の濃度のコバルト(II)イオンを含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の処理溶液。
【請求項8】
コバルト(II)イオンの濃度が0.2g/L〜2g/Lの範囲内である、請求項7に記載の処理溶液。
【請求項9】
コバルト(II)イオンの濃度が0.5g/L〜1g/Lの範囲内である、請求項7に記載の処理溶液。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の処理溶液を水で希釈することにより得られる組成物。
【請求項11】
前記組成物が、前記水性処理溶液中でカルボン酸を発生するカルボン酸の塩、エステル、酸アミド、酸ハロゲン化物、酸ニトリルおよび/または酸無水物を含有する、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
処理すべき表面を請求項1〜9のいずれか一項に記載の処理溶液中に浸漬する、亜鉛を含有する表面の黒色不動態化方法。
【請求項13】
前記処理溶液の温度が20℃〜60℃の範囲内である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記処理溶液の温度が20℃〜40℃の範囲内である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記処理溶液の温度が20℃〜30℃の範囲内である、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記処理溶液中における処理時間が10秒〜180秒の間である、請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記処理溶液中における処理時間が30秒〜120秒の間である、請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記処理溶液中における処理時間が45秒〜90秒の間である、請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
不動態化処理が、不動態化溶液中において基体をカソードに接続することによって促進される、請求項12〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
基体上のカソード電流密度が0.05A/dm〜10A/dmの間である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
基体上のカソード電流密度が0.1A/dm〜5A/dmの間である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
基体上のカソード電流密度が0.1A/dm〜3A/dmの間である、請求項19に記載の方法。

【公表番号】特表2010−520373(P2010−520373A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552080(P2009−552080)
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【国際出願番号】PCT/EP2008/000259
【国際公開番号】WO2008/107039
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(503037583)アトテック・ドイチュラント・ゲーエムベーハー (55)
【氏名又は名称原語表記】ATOTECH DEUTSCHLAND GMBH
【Fターム(参考)】