説明

クローラ型壁面吸着走行ロボット

【課題】クローラ型壁面吸着走行ロボットの信頼性向上、走行性能の向上、低コスト化
【解決手段】クローラ型壁面吸着走行ロボット1000は、スプロケット200cの回転軸201c周りで検知されるクローラ板に基づいて、フレームに対して下側に位置するクローラ板の吸気孔に取り付けられた吸気装置500を作動させる制御装置600とを備えている。また、吸着パッド403が回転可能なクローラ板401を設け、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000が方向転換可能な構造にすることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクローラ型壁面吸着走行ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な床面はもちろんのこと、垂直な壁面などを自由に走行して各種作業を行うための作業ロボットとして、左右一対のクローラを床面又は壁面に吸着させて走行するクローラ型壁面吸着走行ロボットが提案されている。
【0003】
例えば、特開平5−4594号には、フレームの前後に取り付けた回転軸に、それぞれ回転自在に左右一対のスプロケットを取り付け、斯かるスプロケットに無端チェーンを巻き掛けたクローラ型壁面吸着走行ロボットが記載されている。無端チェーンは、床面又は壁面に対して密着し得る吸着パッドを先端に取り付けたベローズを備えている。そして、走行に伴い床面又は壁面に当接するベローズを真空引きして、当該ベローズの吸着パッドを走行壁面に吸着させる構造を備えている。
【特許文献1】特開平5−4594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開平5−4594号公報に開示されたクローラ型壁面吸着走行ロボットは、フレームにスプロケットの回転軸を横断させて設けている。このクローラ型壁面吸着走行ロボットは、クローラチェーンに配設する吸気配管や電気系統のケーブルなどが斯かる回転軸に絡まないように、吸気配管や電気系統のケーブルなどをフレームの外側に配設していた。
【0005】
このため、クローラチェーンに配設する吸気配管や電気系統のケーブルなどの配管や配線が複雑であるとともに、走行時などにおいて、吸気配管や電気系統のケーブルなどがクローラチェーンに引っ掛かったり、絡まったりするなどの不具合が生じる場合があった。また、床面や壁面側にあたるフレームの下側に位置するクローラ板に吸気装置のスイッチを取り付けていたが、走行する床面や壁面に凹凸がある場合には、クローラ板が上下するため、吸引手段の誤作動が生じ易く、信頼性が低い。また、クローラ型壁面吸着走行ロボットの走行性能の向上を図る必要がある。また、クローラ型壁面吸着走行ロボットは、小型、軽量化、低コスト化を図り、さらに使い易さをよくするためには、よりシンプルな構造で実現することが要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットは、略矩形のフレームと、フレームの左右両側の内側に、前側と後側に、それぞれ対向させて取り付けたスプロケットと、スプロケットを回転駆動させる第1駆動手段と、複数のクローラ板を無端チェーン状に連結し、前後左右のスプロケットに掛け回したクローラチェーンと、クローラ板に形成した吸気孔と、クローラ板の外側面に、吸気孔を囲むように配設した吸着パッドと、吸気孔に取り付けた吸気装置と、スプロケットの回転軸周りで検知されるクローラ板に基づいて、フレームに対して下側に位置するクローラ板の吸気孔に取り付けられた吸気装置を作動させる制御装置とを備えている。
【0007】
制御装置は、クローラ板に取り付けられたスイッチと、スプロケットの回転軸周りに配設した制御部材とを備え、制御部材が、スプロケットの回転軸周りでスイッチがONとOFFに切り替わる周方向領域を設定する装置でもよい。
【0008】
クローラチェーンは、矩形のクローラ板を8枚無端チェーン状に連結しており、スプロケットは、クローラチェーンの1枚のクローラ板が一辺に噛み合う略正方形のスプロケットでもよい。
【0009】
スイッチは、クローラチェーンの各クローラ板に取り付けられており、当該スイッチが取り付けられたクローラ板から、クローラチェーンが掛け回された方向のうちフレームの下側に2つ隣のクローラ板の吸気孔に取り付けた吸気装置を作動させてもよい。
【発明の効果】
【0010】
このクローラ型壁面吸着走行ロボットは、スプロケットの回転軸周りで検知されるクローラ板に基づいて、フレームに対して下側に位置するクローラ板の吸気孔に取り付けられたエジェクタポンプ(吸気装置)を作動させる制御装置を備えている。スプロケットの回転軸周りでは、凹凸のある床面や壁面を走行する場合でもクローラ板の位置が安定しており、クローラ板の検知がより確実に行われる。このため、上述したような機械的なスイッチ構造を設けた場合でも、適切なタイミングで吸気装置を作動させることができ、クローラ型壁面吸着走行ロボットの安定した走行を実現させることができる。
【0011】
また、クローラ板に取り付けられたスイッチと、スプロケットの回転軸周りに配設した制御部材とを備えた制御装置を備え、制御部材が、スプロケットの回転軸周りでスイッチがONとOFFに切り替わる周方向領域を設定しているものでは、スプロケットの回転軸周りでクローラ板を検知できるとともに、吸気装置を作動させるスイッチのONとOFFを切り替えるタイミングを適切に設定することができる。
【0012】
また、クローラチェーンが、矩形のクローラ板を8枚無端チェーン状に連結し、スプロケットが、クローラチェーンの1枚のクローラ板が一辺に噛み合う略正方形のスプロケットで構成されているクローラ型壁面吸着走行ロボットは、クローラ型壁面吸着走行ロボットの小型化および軽量化を図ることができる。また、クローラ板の枚数が少ないので、スプロケットの回転軸周りで検知されるクローラ板に基づいて、フレームに対して下側に位置するクローラ板の吸気孔に取り付けられた吸気装置を作動させる制御を、例えば、機械式のスイッチ構造によって実現することができる。これにより、クローラ型壁面吸着走行ロボットをシンプルな構造にすることができ、低コスト化を図ることができる。
【0013】
スイッチをクローラチェーンの各クローラ板に取り付け、当該スイッチによって、取り付けられたクローラ板から、クローラチェーンが掛け回された方向のうちフレームの下側に、2つ隣のクローラ板の吸気孔に取り付けた吸気装置を作動させるクローラ型吸着走行ロボットは、スプロケットの回転軸周りで検知されるクローラ板に基づいて、フレームに対して下側に位置するクローラ板の吸気孔に取り付けられた吸気装置を作動させる制御において、吸気装置を作動させるタイミングの設定が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットを図面に基づいて説明する。また、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0015】
本発明の一実施形態に係るクローラ型壁面吸着走行ロボット1000は、図1、図2、図3に示すように、フレーム100と、スプロケット200a〜200dと、第1駆動手段300と、クローラチェーン400と、吸気装置500と、吸気装置500を作動させる制御装置600とを備えている。
【0016】
(フレームの構造)
フレーム100は、図4に示すように、略矩形のフレームである。この実施形態では、フレーム100は、左右の辺材101、102と、前後の辺材103、104を矩形に組み付けており、前後の辺材103、104に対して左右の辺材101、102が長い長方形の枠組みである。なお、この実施形態では、フレーム100の左右両側の長辺を構成する辺材101、102には中空の角棒を用いており、フレーム100の前後両側の短辺を構成する辺材103、104には、断面L字形の片材を用いている。また、左右両側の長辺を構成する辺材101、102と、前後両側の短辺を構成する辺材103、104はビスで止めている。
【0017】
図4は、フレーム100からクローラチェーン400を取り外した状態を示す平面図である。図4に示すように、フレーム100の左右の辺材101、102の内側には、前側と後側に、それぞれ対向させてスプロケット200a〜200dを取り付けている。この実施形態では、スプロケット200a〜200dは、図1、図3に示すように、略正方形の部材であり、中央部に回転軸201a〜201dを装着している。スプロケット200a〜200dは、フレーム100の左右両側の内側において、前側と後側に、それぞれ回転軸201a〜201dを回転可能に取り付けている。スプロケット200a〜200dの一辺は、後述するクローラチェーン400を構成するクローラ板401の周方向の一辺の長さに合わせている。
【0018】
このうち、フレーム100の左側(図2中下側)に取り付けられるスプロケット200a、200bは、図1に示すように、前側と後側がともに略正方形である。フレーム100の左後側に取り付けられたスプロケット200bには、フレーム100の外側に向いた面にギヤ202が取り付けられている。フレーム100の右側(図2中上側)に取り付けられるスプロケット200c、200dは、図3に示すように、前側と後側がともに略正方形で、各辺の中央部に切り欠き203が設けられている。
【0019】
第1駆動手段300は、スプロケット200a〜200dを回転駆動させる装置である。この実施形態では、第1駆動手段300は、図1、図2に示すように、フレーム100の左側の辺材101の上側に取り付けられており、モータ301と、ピニオン302で構成されている。モータ301とピニオン302は動力伝達機構としてのギヤ(図示省略)によって連結されている。ピニオン302は、フレームの左後側のスプロケット200bに取り付けられたギヤ202と噛み合っている。この実施形態では、第1駆動手段300は、モータ301を回転させることによって、ピニオン302、ギヤ202の順に動力が伝達されてスプロケット200a〜200dが回転駆動する。また、モータ301の回転を正回転と逆回転とに切り替えることによって、スプロケット200bの回転方向を制御できる。
【0020】
クローラチェーン400は、図1に示すように、複数のクローラ板401が無端チェーン状に連結されており、フレーム100の前後左右のスプロケット200a〜200dに掛け回されている。
【0021】
この実施形態では、クローラチェーン400は、図1、図2に示すように、矩形のクローラ板401を8枚無端チェーン状に連結している。クローラチェーン400の周方向に配設されたクローラ板401の一辺は、スプロケット200a〜200dの一辺に応じた長さを備えている。8枚のクローラ板401は、スプロケット200a〜200dの一辺に応じた辺をクローラチェーン400の周方向に配設して環状に並べ、蝶番410により連結してクローラチェーン400を構成している。クローラチェーン400は、1枚のクローラ板401を上述した略正方形のスプロケット200a〜200dの一辺に噛み合わせて、フレーム100の前後左右のスプロケット200a〜200dに掛け回している。
【0022】
クローラ板401には、図2に示すように、吸気孔402が形成されている。この実施形態では、吸気孔402は、クローラ板401の中央部に形成している。また、クローラチェーン400において外側を向くクローラ板401の外側面には、吸気孔402を囲むように吸着パッド403が配設されている。吸着パッド403は、リング状のシール部材で構成されている。この吸着パッド403は、図1に示すように、走行する床面や壁面2000に多少の凹凸がある場合でも、床面や壁面2000に密着できるように、弾性変形可能な発砲樹脂などで構成している。
【0023】
また、この実施形態では、クローラ板401の外側面には、吸着パッド403で囲まれた領域の内側に、ゴム板404を取り付けている。クローラ型壁面吸着走行ロボット1000が走行する際、吸着パッド403を床面や壁面2000に密着させて真空引きをすると、このゴム板404が床面や壁面に当たるとともに、床面や壁面2000とクローラ板401との間に隙間が形成される。
【0024】
ゴム板404を取り付けることによって、吸着パッド403が過度に圧縮されたり、過度の剪断力が作用したりすることがない。このため、吸着パッド403が破損するのを防止することができる。また、ゴム板404を取り付けることによって、床面や壁面とクローラ板401との間に少し隙間が形成されるので、吸着パッド403で囲まれた内側の領域をより確実に真空引きすることができる。また、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000が、垂直な壁面に吸着して走行する場合などにおいて、ゴム板404は滑り止めとなり、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000のより安定した走行を実現できる。
【0025】
この実施形態では、クローラチェーン400を構成する8枚のクローラ板401のうち1枚のクローラ板は、図5に示すように、吸着パッド403が回転可能に配設されている。
【0026】
詳しくは、この実施形態では、当該吸着パッド403が回転するクローラ板は、図5(a)(b)に示すように、基板411と、スペーサ412と、外側板413と、内側板414で構成されている。
【0027】
基板411は、矩形の板材であり、上述したクローラチェーン400を構成するクローラ板401の平面形状を備え、蝶番が取り付けられている。基板411の中央部には、図5(b)に示すように、スペーサ412を装着する貫通孔411aが形成されている。スペーサ412は基板411と同じ厚さを有するリング状の部材であり、基板411の貫通孔411aに回転自在に装着されている。外側板413は、吸着パッド403およびゴム板404を装着した円板であり、中央部に吸気孔402が形成されている。吸着パッド403は外側板413の周縁部に接着されている。外側板413はスペーサ412を挟んで基板411の外側面421側に取り付けている。内側板414は、スペーサ412を挟んで基板411の内側面422側に取り付けている。内側板414は、円板であり、中央に吸気孔402が形成されている。外側板413と内側板414は、スペーサ412の内側の空間に通したビスによって結合している。(図5(a)(b)中の423は、ビス穴を示している。)これにより、内側板414と外側板413が、基板411に対して回転自在であり、吸着パッド403が、クローラ板401上で回転する。この実施形態では、外側板413の外側面には、吸着パッド403で囲まれた領域にゴム板404を接着している。
【0028】
また、この実施形態では、上述した1枚のクローラ板を除く7枚のクローラ板は、図6(a)(b)に示すように、基板411と、外側板413で構成されている。基板411の中央部と、外側板413の中央部には吸気孔402が形成されている。この7枚のクローラ板は、単純に、基板411の中央部に外側板413を取り付けた構造である。外側板413の周縁部には吸着パッド403が取り付けられている。このため、クローラ板401上において吸着パッド403は回転しない。なお、この実施形態では、外側板413の外側面には、吸着パッド403で囲まれた領域にゴム板404を接着している。
【0029】
吸気装置500は、吸気孔402に取り付けられている。制御装置600は、スプロケット200a〜200dの回転軸201a〜201d周りで検知されるクローラ板401に基づいて、フレーム100に対して下側に位置するクローラ板401の吸気孔402に取り付けられた吸気装置500を作動させる。
【0030】
この実施形態では、図3に示すように、吸気装置500は、エジェクタポンプ501と、外部に設置されたコンプレッサ502で構成されている。エジェクタポンプ501は、コンプレッサ502から圧縮空気の供給を受けて内部で負圧を発生させる装置である。
【0031】
制御装置600は、図3に示すように、制御部材601と、スイッチ602で構成されている。制御部材601はスプロケット200cの回転軸201c周りに配設されている。スイッチ602はクローラ板401に取り付けられている。この制御部材601は、スプロケット200cの回転軸201c周りでスイッチ602がONとOFFに切り替わる周方向領域を設定している。
【0032】
クローラチェーン400の内側には、図7、図8に示すように、分岐管620と、スイッチ602と、エジェクタポンプ501と、これらを接続する複数の通気配管が配設されている。図8は、この実施形態におけるクローラチェーン400を展開し、その内側面に配設された配管構造を図示した概略図である。図8では、配管構造を分かり易くするため、便宜上、配管を実際よりも細く描いている。
【0033】
分岐管620は、図8に示すように、三股の管路を備えた配管であり、各クローラ板401に取り付けられている。分岐管620の一の接続口621は、通気配管631によって、隣接するクローラ板401に取り付けられた分岐管620の接続口622に接続されている。これにより、クローラチェーン400の内側において、環状に連続した管路が形成されている。また、クローラ板401に取り付けられた分岐管620の残りの接続口623は、通気配管632によってスイッチ602に接続されている。
【0034】
また、クローラ板401に取り付けられた分岐管620と、このクローラ板401に隣接するクローラ板401に取り付けられた分岐管620とを接続する通気配管631のうち一つの通気配管631には、T字の管路を備えた給気管641が接続されている。給気管641の中間にある接続口は、図7に示すように、通気配管642によって、フレーム100に取り付けた回転継手643を介して、フレーム100の外側に配設した圧縮空気供給配管644を介して外部のコンプレッサ502に接続している。コンプレッサ502から供給された圧縮空気は、この給気管641を介して、クローラチェーン400の内側に環状に配設された通気配管631に供給され、各クローラ板401に取り付けられた分岐管620を流通する。
【0035】
スイッチ602は、吸気装置のONとOFFを切り替える装置である。この実施形態では、スイッチ602は、図8に示すように、エジェクタポンプ501(吸気装置)に圧縮空気を供給するか、圧縮空気の供給を停止するかを切り替える。
【0036】
スイッチ602は、給気口651と、排気口652と、内蔵された弁(図示省略)と、切替機構653とを備えている。給気口651は、給気口651は通気配管632によってクローラ板401に取り付けられた分岐管620に接続されており、コンプレッサ502から圧縮空気が供給される。排気口652は通気配管633によってエジェクタポンプ501に接続されており、エジェクタポンプ501に圧縮空気を供給する。
【0037】
なお、この実施形態では、図8に示すように、スイッチ602の排気口652は、通気配管633、634によって、当該スイッチ602が取り付けられたクローラ板401から、クローラチェーン400の周方向に向けて2つ隣に位置するクローラ板401に形成された吸気孔402に取り付けられたエジェクタポンプ501に接続されている。
【0038】
図示は省略するが、このスイッチ602の内部には、給気口651と排気口652の間には圧縮空気の流通を遮蔽する弁が設けられている。切替機構653はスイッチ602の弁の開閉を操作して、エジェクタポンプ501への圧縮空気の供給又は停止を切り替える機構である。
【0039】
切替機構653は、弁を操作する操作ピン661と、操作ピン661を操作するアーム662とを備えている。操作ピン661は、スイッチ602の側面から突出している。アーム662はスイッチ602の側面に斜めに配設されており、アーム662の基端部が操作ピン661の先端に当接している。アーム662の先端にはローラ663が取り付けられている。このスイッチ602は、常時は、内蔵されたばねの作用で、操作ピン661がスイッチ602の側面から突出している。この状態ではスイッチ602の内部に設けられた弁は閉じられている。アーム662の先端をスイッチ602の側面に向けて押すと、操作ピン661が押し込まれ、スイッチ602の内部に設けた弁が開かれる。これにより、給気口651から排気口652へ圧縮空気が流通し、エジェクタポンプ501に圧縮空気が供給される。
【0040】
このスイッチ602は、アーム662をクローラ板401の右側縁部に向けて延在させた状態でクローラ板401に取り付けている。また、図3に示すように、右側のスプロケット200c、200dは切欠き203が設けられており、スプロケット200c、200dの回転軸201c、201d周りでは、スプロケット200c、200dの切欠き203からスイッチ602のアーム662が露出している。
【0041】
制御部材601は、この実施形態では、図4に示すように、フレーム100の右前側に取り付けられたスプロケット200cの回転軸201c周りに設置されている。
【0042】
詳しくは、この実施形態では、制御部材601は、図9(a)〜(c)に示すように、基板611と、接地板612で構成されている。基板611は、図9(a)〜(c)に示すように、スプロケット200cの回転軸201cを通す穴613が形成されたフレーム100に固定する板状材である。基板611は、スプロケット200dの回転軸を通す穴613の周りで、周方向に所定の角度領域で延在した扇状部分を備えている。図9(a)(b)に示すように、接地板612は扇形の板材であり、基板611の扇状部分の片面に接着されている。この制御部材601は、基板411に接地板612を取り付けた面をフレーム100の内側(クローラチェーン400側)に向けて取り付けている。この制御部材601は、扇状部分601aの周方向の両側縁に斜面614が形成されている。
【0043】
制御部材601は、フレーム100の内側に接地板612を向けて回転しないように配設されている。この実施形態では、扇状部分601aは、フレーム100の右前側に取り付けられたスプロケット200cの回転軸201cから、フレーム100の前側に向けて配設されている。
【0044】
これにより、クローラ板401に取り付けられたスイッチ602はクローラチェーン400が回動する際、制御部材601の扇状に延在した扇状部分601aを通過する際に、ローラ663が接地板612に乗り上げる。このときスイッチ602のアーム662が倒され、操作ピン661が押され、スイッチ602に内蔵された弁(図示省略)が開き、コンプレッサ502から供給される圧縮空気がエジェクタポンプ501に供給される。なお、この実施形態では、制御部材601の扇状部分601aの周方向の両側縁に斜面614が形成されており、さらに、スイッチ602のアーム662の先端にローラ663が取り付けられているので、ローラ663がスムーズに接地板612に乗り上がる。
【0045】
エジェクタポンプ501は、上述したようにスイッチ602がONになると、コンプレッサ502から圧縮空気の供給を受けて内部で負圧を発生させる。これにより、エジェクタポンプ501から通気配管634で接続された吸気孔402から空気が吸引され、当該吸気孔402を囲むように配設された吸着パッド403の内側を真空引きする。この実施形態では、クローラ板401が走行する床面や壁面2000に当接しているときに、制御部材601とスイッチ602によって、当該クローラ板401に形成された吸気孔402に接続されたエジェクタポンプ501が作動する。これにより、当該クローラ板401の吸着パッド403が走行する床面や壁面2000に吸着する。
【0046】
この実施形態では、上述したように、クローラチェーン400は、矩形のクローラ板401が8枚無端チェーン状に連結されている。また、スプロケット200a〜200dは、クローラチェーン400の1枚のクローラ板401が一辺に噛み合う略正方形のスプロケット200a〜200dである。このようにクローラ板401の枚数を8枚とし、クローラ板401の枚数を減らすことによってクローラ型壁面吸着走行ロボット1000の小型化を図っている。
【0047】
そして、斯かるクローラ型壁面吸着走行ロボット1000で、スプロケット200dの回転軸周りで検知されるクローラ板401に基づいて、フレーム100の下側に位置するクローラ板401の吸気孔402に取り付けたエジェクタポンプ501(吸気装置)を作動させている。
【0048】
この実施形態では、図8に示すように、スイッチ602は、通気配管631によって、当該スイッチ602が取り付けられたクローラ板401から2つ隣に位置するクローラ板401に形成された吸気孔402に取り付けられたエジェクタポンプ501に接続されている。この関係は、クローラチェーン400の周方向において一様である。クローラチェーン400をスプロケット200a〜200dに掛け回す場合には、制御部材601を取り付けた回転軸201c周りを通過するクローラ板401のスイッチ602に基づいて、フレーム100の下側に位置するクローラ板401の吸気孔402に取り付けたエジェクタポンプ501が作動するように、クローラチェーン400をスプロケット200a〜200dに掛け回している。
【0049】
制御部材601は、回転軸201c周りを通過するクローラ板401に取り付けられたスイッチ602をONにする。この実施形態では、制御部材601が、回転軸201c周りにおいて、スイッチ602をONにする範囲は、制御部材601の扇状の接地板612が延在する周方向領域によって設定されている。すなわち、回転軸201c周りを通過するクローラ板401に取り付けられたスイッチ602のローラが、当該制御部材601の扇状の接地板612に乗り上げたときに、スイッチ602がONになる。
【0050】
上述した制御部材601で、扇状の接地板612が延在する周方向領域、(扇状の接地板612の中心角)は、斯かる2つ隣のクローラ板401の吸気孔402に取り付けられたエジェクタポンプ501を作動させる領域を設定している。この実施形態では、フレーム100の下側に位置するクローラ板401に配設した吸着パッド403が走行する床面や壁面に吸着させようとする範囲において、当該クローラ板401の吸気孔402に取り付けたエジェクタポンプ501が作動するように、制御部材601は扇状の接地板612が延在する周方向領域を設定している。
【0051】
このクローラ型壁面吸着走行ロボット1000は、第1駆動手段300によって、スプロケット200bを回転させることによって、クローラチェーン400が回転する。このクローラ型壁面吸着走行ロボット1000は、上述したスイッチ602と制御部材601で構成された制御装置600の作用によって、スプロケット200cの回転軸201c周りで検知されるクローラ板401に基づいて、フレーム100に対して下側に位置するクローラ板401の吸気孔402に取り付けられた吸気装置500が作動する。
【0052】
具体的には、クローラ板401が走行する床面や壁面2000に接地すると、当該クローラ板401の吸気孔402に取り付けたエジェクタポンプ501が作動し、また、クローラ板401が走行する床面や壁面2000から離れる直前に当該クローラ板401の吸気孔402に取り付けたエジェクタポンプ501が停止する。これにより、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000は、吸着パッド403を走行する床面や壁面2000に吸着させながら走行することができる。
【0053】
また、この実施形態では、図1、図3に示すように、フレーム100と、走行する床面や壁面2000に密着しているクローラチェーンとの間に、四節リンク801と、ばね802を配設している。四節リンク801の一のリンク803は、クローラチェーン400の走行する床面や壁面2000に密着している部分を把持している。ばね802は、伸ばした状態で、四節リンク801の一のリンク803とフレーム100との間に取り付けている。これにより、クローラチェーン400の走行する床面や壁面2000に密着している部分を把持しているリンク803を常時フレーム100側に引き付けている。
【0054】
これによりクローラ型壁面吸着走行ロボット1000が壁面2000を走行する場合に、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000は壁面2000に近づいた姿勢で走行する。これによって、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000に作用する重力が、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000を壁面2000から離す作用を小さくしている。
【0055】
この実施形態では、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000は、スプロケット200cの回転軸201c周りで検知されるクローラ板401に基づいて、フレーム100に対して下側に位置するクローラ板401の吸気孔402に取り付けられたエジェクタポンプ501(吸気装置)を作動させる制御装置600を備えている。スプロケット200cの回転軸201c周りでは、凹凸のある床面や壁面を走行する場合でもクローラ板401の位置が安定しており、クローラ板401の検知がより確実に行われる。このため、上述したような機械的なスイッチ構造を設けた場合でも、適切なタイミングで吸気装置を作動させることができ、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000の安定した走行を実現させることができる。
【0056】
また、この実施形態では、上述したように、クローラ板401に取り付けられたスイッチ602と、スプロケット200cの回転軸201c周りに配設した制御部材601とを備えた制御装置600を備えている。この場合、制御部材601は、スプロケット200cの回転軸201c周りでスイッチ602がONとOFFに切り替わる周方向領域を設定している。斯かる制御装置600は、スプロケット200cの回転軸201c周りでクローラ板401を検知できるとともに、吸気装置500を作動させるスイッチ602のONとOFFを切り替えるタイミングを適切に設定することができる。
【0057】
また、この実施形態では、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000は、クローラチェーン400が、矩形のクローラ板401を8枚無端チェーン状に連結している。そして、スプロケット200a〜200dが、クローラチェーン400の1枚のクローラ板401が一辺に噛み合う略正方形のスプロケット200a〜200dで構成されている。これにより、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000の小型化および軽量化を図ることができる。また、クローラ板401の枚数が少なく、スプロケット200cの回転軸201c周りで検知されるクローラ板401に基づいて、フレーム100に対して下側に位置するクローラ板401の吸気孔402に取り付けられたエジェクタポンプ501(吸気装置)を作動させる制御を、上述したような機械式のスイッチ構造によって実現することができる。これにより、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000をシンプルな構造にすることができ、低コスト化を図ることができる。
【0058】
この実施形態では、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000は、クローラチェーン400が、矩形のクローラ板401が8枚無端チェーン状に連結されており、スプロケット200a〜200dが、クローラチェーン400の1枚のクローラ板401が一辺に噛み合う略正方形のスプロケット200a〜200dで構成されている。この場合、スイッチ602はクローラチェーン400の各クローラ板401に取り付けている。そして、当該スイッチ602によって、取り付けられたクローラ板401から、クローラチェーン400が掛け回された方向のうちフレーム100の下側に、2つ隣のクローラ板401の吸気孔402に取り付けたエジェクタポンプ501(吸気装置)を作動させている。斯かる構成によって、スプロケット200cの回転軸201c周りで検知されるクローラ板401に基づいて、フレーム100に対して下側に位置するクローラ板401の吸気孔402に取り付けられたエジェクタポンプ501(吸気装置)を作動させる制御において、エジェクタポンプ501を作動させるタイミングの設定が容易になる。
【0059】
また、この実施形態では、クローラチェーン400を構成する7枚のクローラ板401のうち、1枚のクローラ板401において吸着パッド403が回転可能である。従って、吸着パッド403が回転可能なクローラ板401が走行する床面や壁面2000に密着している状態においては、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000を床面や壁面2000に密着させつつ、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000の進行方向を変えることができる。この場合、例えば、斯かる吸着パッド403とクローラ板401を相対回転させる駆動装置を設けるとよい。
【0060】
この実施形態では、図10に示すように、フレーム100の中央部分に回動可能に回動アーム部材701を取り付け、当該回動アーム部材701をフレーム100に対して回転駆動させる第2駆動手段702を設ける。第2駆動手段702はモータで構成している。クローラ型壁面吸着走行ロボット1000は、垂直な壁面を走行させる際に、回動アーム部材701を、鉛直方向に向け、回動アーム部材701の先端部に命綱703を取り付け、フレーム100を水平方向に向けて走行させる。
【0061】
上述した実施形態では、図1に示すように、クローラチェーン400は、クローラ板401を8枚無端チェーン状に連結したものであり、吸着パッド403が回転可能なクローラ板401を下側の中央の位置に移動させる。そして、当該吸着パッド403が回転可能なクローラ板401を走行する壁面2000に吸着させた状態で、図10に示すように、第2駆動手段702としてのモータ702(第2駆動手段)を操作する。モータ702を操作すると、回動アーム部材701に対するフレーム100の角度が変わり、これに応じて、吸着パット403が壁面2000に吸着した状態で、吸着パッド403とクローラ板401が相対回転する。これにより、壁面2000に対してクローラ型壁面吸着走行ロボット1000を方向転換させることができる。
【0062】
吸着パッド403とクローラ板401を相対回転させる駆動装置としては、これに限定されない。例えば、図示は省略するが、吸着パッド403が回転可能なクローラ板401に駆動装置を設けるとともに、吸着パッド403とクローラ板401との間に、駆動機構を設けて、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000が自立的に方向転換する構造としてもよい。この場合、上述した回動アーム部材や命綱がない状態で、壁面2000に対してクローラ型壁面吸着走行ロボット1000を方向転換させることができる。
【0063】
また、上述した実施形態では、8枚のクローラ板401のうち、1枚のクローラ板が、吸着パッド403が回転可能なクローラ板401とした。この場合、当該吸着パッド403が回転可能なクローラ板401が走行する床面や壁面2000に吸着している状態でないと、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000が走行する方向を変えることができない。複数のクローラ板401のうち、吸着パッド403が回転可能なクローラ板401の数を増やせば増やすほど、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000が走行する方向を変える自由度を高めることができる。また、上述した実施形態のように、クローラ板401を8枚無端チェーン状に連結したクローラチェーン400を備えたものは、小型であり、上述したように、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000を方向転換させるのに好適である。
【0064】
クローラ型壁面吸着走行ロボット1000が垂直な壁面を走行する場合などにおいては、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000が吸着パッド403を壁面2000に吸着させている場合、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000に作用する重力、および、そのモーメントは、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000を壁面2000から離すように作用する。
【0065】
以上、本発明の一実施形態に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットを説明したが、本発明に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットは上述した実施形態に限定されない。
【0066】
例えば、制御装置に用いられるスイッチは、機械式のスイッチを例示したが、例えば、近接スイッチなどの電気式のセンサを備えたスイッチとしてもよい。この場合、スイッチ602に内蔵される弁は、電磁式の開閉機構を備えた電磁弁を用いてもよい。なお、上述した実施形態では、機械式のスイッチを設けることによって、クローラ型壁面吸着走行ロボット1000のクローラチェーン400内に、電気配線を敷設する必要がなくなるので、構造がよりシンプルなものになっている。
【0067】
また、スプロケット200bを回転駆動させる第1駆動手段300や、吸気孔402に取り付ける吸気装置500や、制御装置600の構造は、上述した実施形態に限定されず、他の形態を採用することが可能である。
【0068】
また、上述した実施形態では、制御装置600の制御部材601は、フレーム100の右前側に取り付けたスプロケット200cの回転軸201c周りに取り付けられているが、制御部材601を取り付ける位置は、斯かるフレーム100の右前側のスプロケット200cの回転軸201c周りに限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上のとおり、本発明に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットは、床面や壁面に吸着しながら走行するロボットとして広く利用可能である。例えば、検査装置を搭載することによって、プラントなどの壁面の高い位置にある傷を検査する装置として用いることができる。また、塗装装置を搭載すれば、プラントなどの壁面の高い位置で塗装を補修する装置などに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットを示す左側面図。
【図2】本発明の一実施形態に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットを示す平面図。
【図3】本発明の一実施形態に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットを示す右側面図。
【図4】本発明の一実施形態に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットからクローラチェーンを取外した状態を示す平面図。
【図5】本発明の一実施形態に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットのクローラ板を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットのクローラ板を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図7】図1のC−C断面図である。
【図8】クローラチェーンの内側の概略図である。
【図9】(a)は制御部材を示す平面図であり、(b)は接地板を示す平面図であり、(c)は制御部材のD−D断面図である。
【図10】は本発明の一実施形態に係るクローラ型壁面吸着走行ロボットの使用状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0071】
1000 クローラ型壁面吸着走行ロボット
2000 床面や壁面
100 フレーム
100 常時フレーム
100 フレーム
101 辺材
103 辺材
200a〜200d スプロケット
201a〜201c 回転軸
202 ギヤ
300 駆動手段(第1駆動手段)
301 モータ
302 ピニオン
400 クローラチェーン
401 クローラ板
402 吸気孔
403 吸着パッド
404 ゴム板
410 蝶番
411 基板
411a 貫通孔
412 スペーサ
413 外側板
414 内側板
421 外側面
422 内側面
500 吸気装置
501 エジェクタポンプ
502 コンプレッサ
600 制御装置
601 制御部材
601a 扇状部分
602 スイッチ
611 基板
612 接地板
613 穴
614 斜面
620 分岐管
621〜623 接続口
631〜634、642 通気配管
641 給気管
643 回転継手
644 圧縮空気供給配管
651 給気口
652 排気口
653 切替機構
661 操作ピン
662 アーム
663 ローラ
701 回動アーム部材
702 駆動手段(第2駆動手段)
703 命綱
801 四節リンク
802 ばね
803 リンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形のフレームと、
前記フレームの左右両側の内側に、前側と後側に、それぞれ対向させて取り付けたスプロケットと、
前記スプロケットを回転駆動させる第1駆動手段と、
複数のクローラ板を無端チェーン状に連結し、前記前後左右のスプロケットに掛け回したクローラチェーンと、
前記クローラ板に形成した吸気孔と、
前記クローラ板の外側面に、前記吸気孔を囲むように配設した吸着パッドと、
前記吸気孔に取り付けた吸気装置と、
前記スプロケットの回転軸周りで検知されるクローラ板に基づいて、前記フレームに対して下側に位置するクローラ板の吸気孔に取り付けられた吸気装置を作動させる制御装置とを備えたことを特徴とするクローラ型壁面吸着走行ロボット。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記クローラ板に取り付けられたスイッチと、
前記スプロケットの回転軸周りに配設した制御部材とを備え、
前記制御部材は、スプロケットの回転軸周りでスイッチがONとOFFに切り替わる周方向領域を設定していることを特徴とする請求項1に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。
【請求項3】
前記クローラチェーンは、矩形のクローラ板を8枚無端チェーン状に連結しており、
前記スプロケットは、前記クローラチェーンの1枚のクローラ板が一辺に噛み合う略正方形のスプロケットである請求項1又は2の何れかに記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。
【請求項4】
前記スイッチは、クローラチェーンの各クローラ板に取り付けられており、当該スイッチが取り付けられたクローラ板から、クローラチェーンが掛け回された方向のうちフレームの下側に2つ隣のクローラ板の吸気孔に取り付けた吸気装置を作動させることを特徴とする請求項3に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。
【請求項5】
前記吸着パッドが、クローラ板において回転可能である請求項1に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。
【請求項6】
前記フレームの中央部分に回動可能に取り付けた回動アーム部材と、前記回動アーム部材をフレームに対して回転駆動させる第2駆動手段とを備えた請求項5に記載のクローラ型壁面吸着走行ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−81070(P2008−81070A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266374(P2006−266374)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(503452867)有限会社ピノキオ (10)