説明

クーポン選択支援装置、クーポン選択支援システム、クーポン選択支援方法、及びプログラム

【課題】ユーザが所望のクーポンを容易に得られるようにすること。
【解決手段】クーポンの対象商品に関する商品情報を取得する商品情報取得部と、前記商品情報取得部により取得された商品情報に基づいてクーポンの対象商品を分析し、関連する商品情報を持つ対象商品のクーポンを関連付ける商品分析部と、個々のユーザによるクーポンの利用履歴を取得する利用履歴取得部と、前記利用履歴取得部により取得された利用履歴に基づいて個々のユーザが過去に購入した商品の購入時期を分析する履歴分析部と、個々のユーザについて、前記履歴分析部による分析結果から前記商品の次回購入時期を予測し、当該次回購入時期に、当該商品を対象商品とするクーポン、及び前記商品分析部により当該クーポンに関連付けられたクーポンを優先的に提示する選択支援部と、を備える、クーポン選択支援装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーポン選択支援装置、クーポン選択支援システム、クーポン選択支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品購入時に商品価格の割引を受けたり、商品購入時に追加的なサービスの提供を受けたりすることを可能にするクーポン券を利用した販売促進ビジネスの形態が普及してきている。都心部や繁華街ではクーポン券を街中で配布している光景をよく目にする。また、大規模な飲食店グループや小売店グループなどの一部は、インターネットなどの通信網を利用したクーポン券の配布を行っている。さらに、商品の製造者やサービスの提供者など(以下、製造販売者)とは別に、製造販売者から委託されてクーポン券を発券する専門のクーポン発券業者も現れてきている。このように、最近ではクーポン券をめぐる様々なビジネス(以下、クーポンビジネス)が展開されており、膨大な種類及び数量のクーポン券が市場に流通してきている。
【0003】
こうしたクーポンビジネスに関し、例えば、下記の特許文献1には、インターネットなどの通信網を利用してクーポンを提供するクーポン発行システムに関する技術が開示されている。同文献には、ユーザの希望やユーザの購買履歴を分析し、その分析結果に適合するクーポン券の情報をユーザに提供する方法が記載されている。また、同文献には、ユーザに提供されたクーポン券の情報をIC(Integrated Circuit)カードに記録し、そのICカードに記録されたクーポン券の情報を利用してサービスの提供を受けることを可能にするシステムの構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−252160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記文献に記載のシステムは、ユーザの購買履歴から、ユーザが頻繁に購入している商品及びその関連商品のクーポン券をユーザに提供する手段を提供するものである。つまり、上記文献に記載のシステムは、ユーザが嗜好する商品のクーポン券を発行する手段を提供するものであると言える。しかしながら、上記文献に記載のシステムは、ユーザの購買習慣までは考慮していない。例えば、2週間に1度程度、ティッシュペーパーを購入する購買習慣を持つユーザAがいるとしよう。ユーザAがティッシュペーパーを購入する時期に、上記文献に記載のシステムは、ユーザAに対してティッシュペーパーを対象とするクーポン券を提供できるかもしれない。
【0006】
しかし、その際、ユーザAには、ティッシュペーパーと同等に購入頻度の高い他の商品を対象とする多数のクーポン券が提供されるであろう。また、上記文献に記載のシステムは、ティッシュペーパーを対象とするクーポン券を見つけやすいように提示してはくれない。そのため、ユーザAは、ティッシュペーパーを対象とするクーポン券を一から探し出さねばならない。例えば、ユーザAは、ティッシュペーパーを検索キーワードに指定して所望のクーポン券を検索する必要があるかもしれない。このように、上記文献に記載のシステムは、普段使いの日用品を購入するユーザにとっては利用しやすいものではない。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザの購買習慣を考慮して、ある時期にユーザが所望する商品を対象としたクーポン券を容易に探し出すことを可能にする、新規かつ改良されたクーポン選択支援装置、クーポン選択支援システム、クーポン選択支援方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、クーポンの対象商品に関する商品情報を取得する商品情報取得部と、前記商品情報取得部により取得された商品情報に基づいてクーポンの対象商品を分析し、関連する商品情報を持つ対象商品のクーポンを関連付ける商品分析部と、個々のユーザによるクーポンの利用履歴を取得する利用履歴取得部と、前記利用履歴取得部により取得された利用履歴に基づいて個々のユーザが過去に購入した商品の購入時期を分析する履歴分析部と、個々のユーザについて、前記履歴分析部による分析結果から前記商品の次回購入時期を予測し、当該次回購入時期に、当該商品を対象商品とするクーポン、及び前記商品分析部により当該クーポンに関連付けられたクーポンを優先的に提示する選択支援部と、を備える、クーポン選択支援装置が提供される。
【0009】
また、前記商品分析部は、前記商品情報に同じ表現を含む商品群を検出し、当該商品群に対応する複数のクーポンを関連付けるように構成されていてもよい。
【0010】
また、前記商品分析部は、前記商品情報に同じ表現を含む第1の商品群を検出し、当該第1の商品群の中から同じ価格帯に属する第2の商品群を検出し、当該第2の商品群に対応する複数のクーポンを関連付けるように構成されていてもよい。
【0011】
また、前記履歴分析部は、個々のユーザが過去に購入した商品の購入時期を分析し、同じ前記商品群に属する商品の購入周期を検出して、当該商品群に属する商品の次回購入時期を予測するように構成されていてもよい。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、クーポンの対象商品に関する商品情報を取得する商品情報取得部と、前記商品情報取得部により取得された商品情報に基づいてクーポンの対象商品を分析し、関連する商品情報を持つ対象商品のクーポンを関連付ける商品分析部と、前記商品分析部により関連付けられたクーポンの情報、及びクーポンの対象商品に関する商品情報をクライアント装置に送信する送信部と、を有する、サーバ装置と、前記サーバ装置から、前記商品分析部により関連付けられたクーポンの情報、及びクーポンの対象商品に関する商品情報を受信する受信部と、ユーザによるクーポンの利用履歴を取得する利用履歴取得部と、前記利用履歴取得部により取得された利用履歴に基づいて前記ユーザが過去に購入した商品の購入時期を分析する履歴分析部と、
前記ユーザについて、前記履歴分析部による分析結果から前記商品の次回購入時期を予測し、当該次回購入時期に、当該商品を対象商品とするクーポン、及び前記商品分析部により当該クーポンに関連付けられたクーポンを優先的に提示する選択支援部と、を有する、前記クライアント装置と、を含む、クーポン選択支援システムが提供される。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、クーポンの対象商品に関する商品情報を取得する商品情報取得ステップと、前記商品情報取得ステップにて取得された商品情報に基づいてクーポンの対象商品を分析し、関連する商品情報を持つ対象商品のクーポンを関連付ける商品分析ステップと、個々のユーザによるクーポンの利用履歴を取得する利用履歴取得ステップと、前記利用履歴取得ステップにて取得された利用履歴に基づいて個々のユーザが過去に購入した商品の購入時期を分析する履歴分析ステップと、個々のユーザについて、前記履歴分析ステップにおける分析結果から前記商品の次回購入時期を予測し、当該次回購入時期に、当該商品を対象商品とするクーポン、及び前記商品分析ステップにて当該クーポンに関連付けられたクーポンを優先的に提示する選択支援ステップと、を含む、クーポン選択支援方法が提供される。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、クーポンの対象商品に関する商品情報を取得する商品情報取得機能と、前記商品情報取得機能により取得された商品情報に基づいてクーポンの対象商品を分析し、関連する商品情報を持つ対象商品のクーポンを関連付ける商品分析機能と、個々のユーザによるクーポンの利用履歴を取得する利用履歴取得機能と、前記利用履歴取得機能により取得された利用履歴に基づいて個々のユーザが過去に購入した商品の購入時期を分析する履歴分析機能と、個々のユーザについて、前記履歴分析機能による分析結果から前記商品の次回購入時期を予測し、当該次回購入時期に、当該商品を対象商品とするクーポン、及び前記商品分析機能により当該クーポンに関連付けられたクーポンを優先的に提示する選択支援機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記のプログラムが記録された、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、ある時期にユーザが所望する商品を対象としたクーポン券を容易に探し出すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係るクーポン管理システムのシステム構成を説明するための説明図である。
【図2】同実施形態に係るクーポン管理サーバの機能構成について説明するための説明図である。
【図3】同実施形態に係るクーポンデータベースのデータ構造について説明するための説明図である。
【図4】同実施形態に係るシリーズクーポンデータベースのデータ構造について説明するための説明図である。
【図5】同実施形態に係るシリーズクーポンデータベースのデータ構造(階層構造)について説明するための説明図である。
【図6】同実施形態に係るクーポン利用履歴データベースのデータ構造について説明するための説明図である。
【図7】同実施形態に係るクーポン利用履歴データベースのデータ構造について説明するための説明図である。
【図8】同実施形態に係るクーポンスコアデータベースのデータ構造について説明するための説明図である。
【図9】同実施形態に係るクーポン利用シナリオの流れを説明するための説明図である。
【図10】同実施形態に係るクーポン分析モジュールの処理フローを説明するための説明図である。
【図11】同実施形態に係るクーポン分析モジュールの処理フローのうち、クーポンメタ情報の表記ゆれを補正する処理について説明するための説明図である。
【図12】同実施形態に係るユーザ分析モジュールの処理フローを説明するための説明図である。
【図13】同実施形態に係る選択予測モジュールの処理フローを説明するための説明図である。
【図14】同実施形態に係る選択予測モジュールの処理フローを詳細に説明するための説明図である。
【図15】同実施形態に係るリスト生成モジュールの処理フローを説明するための説明図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係るクーポン管理サーバの機能構成について説明するための説明図である。
【図17】同実施形態に係るユーザ端末の機能構成について説明するための説明図である。
【図18】本発明の各実施形態に係るクーポン管理サーバ、及びユーザ端末の機能を実現することが可能な情報処理装置のハードウェア構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する本発明の実施形態に関する説明の流れについて簡単に述べる。まず、図1を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るクーポン管理システムのシステム構成について説明する。また、図9を参照しながら、ユーザによるクーポンの利用シナリオについて簡単に説明する。次いで、図2を参照しながら、同実施形態に係るクーポン管理サーバ100の機能構成について説明する。
【0020】
まず、クーポン分析モジュール104によるクーポンの分析方法について説明する。この中で、図3、図4、図5を参照しながら、クーポンデータベース103のデータ構造及びシリーズクーポンデータベース105のデータ構造について併せて説明する。次いで、ユーザ分析モジュール107によるクーポン利用履歴の分析方法について説明する。この中で、図6、図7を参照しながら、クーポン利用履歴データベース106のデータ構造について併せて説明する。次いで、選択予測モジュール108によるクーポンスコアの算出方法について説明する。この中で、図8を参照しながら、クーポンスコアデータベース109のデータ構造について併せて説明する。
【0021】
次いで、図10、図11を参照しながら、クーポン分析モジュール104による分析処理の流れについて説明する。次いで、図12を参照しながら、ユーザ分析モジュール107による分析処理の流れについて説明する。次いで、図13、図14を参照しながら、選択予測モジュール108によるクーポンスコアの算出処理の流れについて説明する。次いで、図15を参照しながら、リスト生成モジュール110による表示リストの生成処理の流れについて説明する。次いで、図16、図17を参照しながら、本発明の第2実施形態に係るクーポン管理サーバ100、及びユーザ端末40の機能構成について説明する。次いで、図18を参照しながら、クーポン管理サーバ100、ユーザ端末40の機能を実現することが可能な情報処理装置のハードウェア構成例について説明する。
【0022】
最後に、本実施形態の技術的思想について纏め、当該技術的思想から得られる作用効果について簡単に説明する。
【0023】
(説明項目)
1:はじめに
2:第1実施形態
2−1:システム構成
2−2:クーポン管理サーバ100の構成
2−3:クーポン管理サーバ100の動作
3:第2実施形態
3−1:クーポン管理サーバ100の構成
3−2:ユーザ端末40の構成
4:ハードウェア構成例
5:まとめ
【0024】
<1:はじめに>
近年、クーポンを発行して購買を促す販売促進方法が様々な形態で普及してきている。これまでは紙媒体のクーポン券を街頭で配布する配布形態が主流であったが、最近ではインターネットなどのネットワークを通じてクーポンを配布する配布形態が主流になりつつある。また、大手飲食チェーンや小売販売店の大規模チェーンなどは、ネットワークを通じて提供される広告媒体(以下、ネット広告)にクーポンを付して配布したりしている。さらに、ネットワークを利用して様々な製造者や販売者が発行するクーポンを提供するクーポン提供者が出現してきており、クーポンビジネスの様相が大きく変化してきている。
【0025】
このようにネットワークを利用して提供されるクーポン(以下、ネットクーポン)のビジネスが急拡大する中、発行されるネットクーポンが膨大な数になってきている。そのため、ユーザが所望のネットクーポンを見つけだすことが非常に難しくなってきており、ネットクーポンの利用頻度が低下してしまったり、特定のネットクーポンしか利用されないといった状況が発生してしまったりしている。そこで、ユーザがクーポンを利用しようとした際に、これから購入を予定している商品のクーポンが速やかに提供されるようにする仕組みが求められている。本実施形態は、こうした要望に応えるべく考案されたものであり、ユーザがクーポンを選択する際の利便性を向上させる仕組みに関する。
【0026】
<2:第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
【0027】
[2−1:システム構成]
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係るクーポン管理システムのシステム構成について説明する。また、図9を参照しながら、ユーザによるクーポンの利用シナリオについて簡単に説明する。図1は、本実施形態に係るクーポン管理システムのシステム構成について説明するための説明図である。また、図9は、クーポンを利用する際に想定されるユーザの行動及びクーポンの利用方法について説明するための説明図である。
【0028】
(システム構成)
図1に示すように、クーポン管理システムは、例えば、製造者・生産者10と、販売者20と、ネットワーク30と、ユーザ端末40(ユーザ端末群)と、店舗端末50(店舗端末群)と、クーポン管理サーバ100とにより構成される。なお、図1に示したシステム構成は一例であり、クーポンの発行者、クーポンを利用する際に用いる端末群の構成は適宜変更することが可能である。また、図1には、ユーザ端末40として、携帯電話、テレビジョン受像機(以下、テレビ)、パーソナルコンピュータ(以下、PC)を例示したが、ユーザ端末40はこれらの形態に限定されない。さらに、図1には、店舗端末50として、ディスプレイ、及びリーダ/ライタ付きの店頭端末を例示したが、店舗端末50はこれらの形態に限定されない。
【0029】
さて、クーポンの発行は、製造者・生産者10や販売者20により行われる。例えば、商品を製造するA社は、自社が製造する製品A1、…、Anの販売価格を割り引きする割引クーポンを発行する。但し、製造者・生産者10が発行するクーポンの対象は、発行者が製造する商品である。また、製造者・生産者10が発行するクーポンは、対象商品の販促が目的であるため、任意の店舗で利用できることが多い。一方、販売者20により発行されるクーポンは、販売者20の店舗において購入してもらうことが目的であるため、利用可能な店舗が特定の店舗(又は同グループの店舗群)に限られることが多い。このように、発行者によって種類や利用条件が異なるものの、発行されたクーポンは、クーポン管理サーバ100に集約され、クーポン管理サーバ100にて管理される。
【0030】
クーポン管理サーバ100は、ネットワーク30を通じてユーザ端末40、店舗端末50にクーポンを提供する。また、クーポン管理サーバ100は、ネットワーク30を通じて店舗端末50からクーポンの利用履歴を取得する。なお、クーポン管理サーバ100は、ユーザ端末40からクーポンの利用履歴を取得するように構成されていてもよい。これまではユーザ端末40にクーポンが提供される際、製造者・生産者10、販売者20、クーポン管理サーバ100の管理者の都合で、提供されるクーポンが決められていた。しかし、本実施形態に係るクーポン管理サーバ100は、ユーザ個人の購入習慣に応じてカスタマイズされた提供方法に基づいて個々のユーザにクーポンを提供する。本実施形態に係るクーポン管理サーバ100の詳細な構成については後述する。
【0031】
(利用シナリオ)
ここで、図9を参照しながら、本実施形態において想定するクーポンの利用シナリオについて説明する。図9に示すように、まず、ユーザ端末40にクーポン管理サーバ100からクーポンの概要(例えば、商品情報、割引情報、クーポンへのリンク先など)がメール(以下、概要メール)で届けられる(S10)。ユーザが概要メールに記載されたリンク先にアクセスすると、そのユーザ専用のクーポンリストがユーザ端末40に表示される(S11)。ユーザ端末40に表示されたクーポンリストの中に気になるクーポンがある場合、ユーザは、そのクーポンをチェックする(S12)。
【0032】
クーポンをチェックした後、ユーザは、そのクーポンを利用することが可能な店舗へと向かう。そして、ユーザは、店舗への入店時にユーザ端末40を利用して店舗端末50と認証する。なお、チェックしたクーポンの情報をICカードに格納した場合には、そのICカードを店舗端末50に翳すことで認証が行われる。認証が成立すると、店舗端末50には、ユーザが予めチェックしておいたクーポンが表示される(S13)。
【0033】
なお、予めチェックしておいたクーポンがユーザ端末40の表示手段に表示されるように、ユーザ端末40及び店舗端末50が構成されていてもよい。このように、チェックしたクーポンを入店時に確認できるようにすることで、ユーザは、クーポンを利用して購入しようと考えていた商品を再確認することが可能になり、クーポンの利用漏れや商品の取り違えを防ぐことができる。
【0034】
ユーザは、店舗端末50(又はユーザ端末40の表示手段)に表示されたクーポンを参照しながら、クーポンの対象商品を選ぶ(S14)。そして、ユーザは、商品を精算する際にユーザ端末40(又はICカード)を利用して店舗端末50と認証する。認証が成立すると、ユーザは、チェックしたクーポンの対象商品に対して割り引きを受けることができる(S15)。このようにして、ユーザは、実際に店舗で購入する際にクーポンを利用した商品価格の割り引きを受けることができる。
【0035】
上記の通り、利用の手順は非常に簡単である。しかしながら、クーポンを探し出す手間が大きくかかる場合、ユーザは、面倒を避けるためにクーポンの利用を控えてしまう。そこで、本実施形態では、後述するクーポン管理サーバ100の機能を利用して、ユーザが購入したい商品のクーポンを容易に探し出せるようにする仕組みを提供する。
【0036】
[2−2:クーポン管理サーバ100の構成]
ここで、図2を参照しながら、本実施形態に係るクーポン管理サーバ100の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係るクーポン管理サーバ100の機能構成を説明するための説明図である。
【0037】
図2に示すように、クーポン管理サーバ100は、通信モジュール101と、クーポン登録モジュール102と、クーポンデータベース103と、クーポン分析モジュール104と、シリーズクーポンデータベース105とを有する。さらに、クーポン管理サーバ100は、クーポン利用履歴データベース106と、ユーザ分析モジュール107と、選択予測モジュール108と、クーポンスコアデータベース109と、リスト生成モジュール110とを有する。
【0038】
なお、クーポンデータベース103、シリーズクーポンデータベース105、クーポン利用履歴データベース106、クーポンスコアデータベース109は、クーポン管理サーバ100に設けられた記憶手段(非図示)に格納されている。この記憶手段としては、例えば、図18に示したハードウェア構成例のうち、RAM906、記憶部920、リムーバブル記録媒体928などが利用可能である。また、通信モジュール101の機能は、通信部926などにより実現される。さらに、クーポン登録モジュール102、クーポン分析モジュール104、ユーザ分析モジュール107、選択予測モジュール108、リスト生成モジュール110の機能は、CPU902などにより実現される。
【0039】
(クーポン分析方法について)
先に説明した通り、クーポン管理サーバ100には製造者・生産者10、販売者20からクーポンが提供され、クーポンデータベース103に登録される。例えば、製造者・生産者10は、クーポン登録端末11を利用してクーポンをクーポンデータベース103に登録する操作を行う。また、販売者20は、クーポン登録端末21を利用してクーポンをクーポンデータベース103に登録する操作を行う。クーポン登録端末11、21により登録の操作が行われると、クーポンは、通信モジュール101を介してクーポン登録モジュール102に入力される。クーポンが入力されると、クーポン登録モジュール102は、クーポンデータベース103にクーポンを登録する。
【0040】
クーポンデータベース103は、例えば、図3に示すようなデータ構造を有する。図3に示すように、クーポンは、例えば、そのクーポンを識別するためのクーポンID、そのクーポンの発行者を示す製造者ID、そのクーポンが対象とする商品の標準価格や商品名などの情報を含んでいる。さらに、クーポンは、その標準価格に対する割引額(又は割引率)、そのクーポンの有効期限(又は有効期間)、そのクーポンを利用可能な場所などの情報を含んでいる。もちろん、図3に示したクーポンは一例であり、これら以外の情報を含んでいてもよいし、一部の情報が欠損していてもよい。
【0041】
図3に示すように、クーポンデータベース103には、これらクーポンに含まれる情報(以下、クーポン情報)がクーポン毎に対応付けて格納されている。また、図2に示すように、これらクーポンデータベース103に格納されたクーポン情報は、クーポン分析モジュール104、ユーザ分析モジュール107により利用される。クーポン分析モジュール104は、クーポンデータベース103に格納されたクーポン情報を利用してクーポン間の関連性を分析し、関連するクーポンを分類(シリーズ化)してシリーズクーポンデータベース105に格納する。
【0042】
ここで、図3を参照しながら、クーポン間の関連性について説明を補足する。例えば、図3に例示したクーポンデータベース103には、シャンプーを対象商品とする4種類のクーポン(クーポンID=0001,0002,0003,0004)が含まれている。まず、商品名に含まれる文字列を分析すると、クーポンID=0001,0002,0003,0004の商品は、共通する文字列から「シャンプー」というシリーズに分類できることが分かる。この分析結果から、クーポン分析モジュール104は、クーポンID=0001,0002,0003,0004を「シャンプー」というシリーズに分類する。
【0043】
次に、標準価格に注目して分析すると、クーポンID=0001,0004の商品は、クーポンID=0002,0003の商品に比べて高価であることが分かる。この分析結果から、クーポン分析モジュール104は、クーポンID=0001,0004のクーポンを「高級シャンプー」というシリーズに分類し、クーポンID=0002,0003のクーポンを「廉価シャンプー」というシリーズに分類する。同様にして、クーポン分析モジュール104は、クーポンID=0006,0007,0008の商品名に注目し、これらのクーポンを「歯ブラシ」というシリーズに分類する。さらに、クーポン分析モジュール104は、クーポンID=0006,0007,0008のクーポンを「BWブランド」というシリーズに分類する。
【0044】
このようにしてクーポン分析モジュール104によりシリーズ毎に分類されたクーポン情報は、シリーズクーポンデータベース105に格納される。図4に示すように、シリーズクーポンデータベース105には、シリーズを識別するためのシリーズIDに対応付けて、シリーズ名及びそのシリーズに分類されたクーポンのクーポンIDが格納される。なお、シリーズ名は、所定の第1キーワードと、商品名から抽出された第2キーワードとを組み合わせて生成されてもよいし、商品名から抽出された第2キーワードだけから生成されてもよい。
【0045】
例えば、クーポン分析モジュール104は、高価格の商品には「高級」という第1キーワードを設定し、低価格の商品には「廉価」という第1キーワードを設定する。また、クーポン分析モジュール104は、同じシリーズに分類されたクーポンの対象商品名に共通する文字列(例えば、「シャンプー」「歯ブラシ」「BWブランド」「歯ブラシ(BWブランド)」を抽出し、抽出した文字列を第2キーワードに設定する。図4には、第1及び第2キーワードを用いたシリーズ名「高級シャンプー」「廉価シャンプー」が例示されている。さらに、第2キーワードだけを用いたシリーズ名「シャンプー」「BWブランド」が例示されている。
【0046】
また、クーポン情報の中に、商品名とは別にシリーズ名やブランド名などが含まれている場合、クーポン分析モジュール104は、これらのシリーズ名やブランド名などを分類に用いてもよい。このように、キーワードを組み合わせてシリーズを構築することにより、様々なレベルのシリーズを生成することが可能になる。例えば、上記「シャンプー」に関するシリーズは、図5に示すように、上位/中位/下位の概念を含む階層化された構造を有する。図5の例では、最上位階層として「シャンプー」があり、第2階層として「高級シャンプー」「廉価シャンプー」があり、第3階層として「Aシャンプー」…「Dシャンプー」があり、第4階層として「ボトル」「詰め替え用」がある。
【0047】
図5に示す階層は、ユーザのこだわりや嗜好の細かさに対応する。例えば、低価格にだけこだわるユーザは、第2階層の「廉価シャンプー」シリーズであれば、BシャンプーでもCシャンプーでもよい。一方、価格にはこだわらずAシャンプーの品質にこだわるユーザは、第3階層の「Aシャンプー」シリーズを選択するであろう。さらに、環境への配慮に関心の高いユーザであれば、そのユーザは、「Aシャンプー」シリーズのうち、第4階層の「詰め替え用」シリーズにまでこだわりを持つであろう。このように、ユーザのこだわりや嗜好に応じて、同じ「シャンプー」の中でも、ユーザが求めるシリーズが異なる。仮に、最上位階層のシリーズしか考慮しないでユーザにクーポンを提供した場合、ユーザにとっては不要な商品のクーポンが多数提供されることになり、利便性の低下や不快感の想起を促してしまう。
【0048】
しかし、本実施形態に係るクーポン分析モジュール104は、ユーザが持つ様々なこだわりや嗜好の細かさに対応したシリーズを考慮して、図5に示すようなシリーズクーポンデータベース105を構築する。なお、図5の例では、シリーズクーポンデータベース105でシリーズIDとクーポンIDを対応付けたが、シリーズとクーポンとの対応関係が得られるデータ構造であれば、これに限定されない。
【0049】
再び図2を参照する。さて、先に述べたように、クーポン管理サーバ100には、店舗端末50(又はユーザ端末40)からクーポンの利用履歴(又は対象商品の購入履歴)が入力される。つまり、ユーザがクーポンを利用して対象商品を購入すると、そのクーポンの利用履歴がクーポン管理サーバ100へと送信されてくる。このようにして送信されてきたクーポンの利用履歴は、通信モジュール101を介してクーポン利用履歴データベース106に格納される。このとき、クーポン利用履歴データベース106には、図6、図7に示すように、ユーザ毎に利用日時や利用場所を含むクーポンの利用履歴が格納される。クーポン利用履歴データベース106に格納されたクーポンの利用履歴を示す情報(以下、履歴情報)は、ユーザ分析モジュール107により利用される。
【0050】
まず、ユーザ分析モジュール107は、クーポン利用履歴データベース106を参照し、同じ商品の購入時期を予測する。例えば、ユーザ分析モジュール107は、図6に例示したユーザID=0001のユーザ(以下、ユーザ1)の利用履歴を分析し、ユーザ1が1ヶ月おきにクーポンID=0002の対象商品を購入していることを検出する。そこで、ユーザ分析モジュール107は、クーポンデータベース103を参照し、クーポンID=0002の対象商品(図3の例では「Bシャンプー」)を確認する。さらに、ユーザ分析モジュール107は、シリーズクーポンデータベース105を参照し、クーポンID=0002が分類されるシリーズ(図4の例では「廉価シャンプー」)を確認する。
【0051】
これらの分析結果から、ユーザ分析モジュール107は、ユーザ1が「廉価シャンプー」を嗜好し、「廉価シャンプー」を約1ヶ月周期で購入していると判定する。また、ユーザ分析モジュール107は、クーポン利用履歴データベース106を参照し、最後にユーザ1が「廉価シャンプー」を購入した日時(図6の例では「2010/8/20 11:10」)、及び購入場所(クーポンID=0002の利用場所;図6の例では「店舗F」)を確認する。そして、ユーザ分析モジュール107は、ユーザ1について、シリーズ=「廉価シャンプー」、購入周期=「約1ヶ月」、最終購入日=「2010/8/20」、購入場所=「店舗F」を対応付けて選択予測モジュール108に通知する。
【0052】
同様に、ユーザ分析モジュール107は、図6に例示したユーザID=0002のユーザ(以下、ユーザ2)の利用履歴を分析し、ユーザ2がクーポンID=0001,0004の対象商品を購入していることを検出する。そこで、ユーザ分析モジュール107は、クーポンデータベース103を参照し、クーポンID=0001,0004の対象商品(図3の例では「Aシャンプー」「Dシャンプー」)を確認する。さらに、ユーザ分析モジュール107は、シリーズクーポンデータベース105を参照し、クーポンID=0001,0004が分類されるシリーズ(図4の例では「高級シャンプー」)を確認する。
【0053】
これらの分析結果から、ユーザ分析モジュール107は、ユーザ2が「高級シャンプー」を嗜好していると判定する。また、ユーザ分析モジュール107は、この判定結果を受けて「高級シャンプー」に対応するクーポンID=0001,0004の利用日時(クーポン利用履歴データベース106)を確認し、「高級シャンプー」を約2ヶ月周期で購入していると判定する。また、ユーザ分析モジュール107は、クーポン利用履歴データベース106を参照し、最後にユーザ2が「高級シャンプー」を購入した日時(図7の例では「2010/8/21 17:50」)、及び購入場所(クーポンID=0004の利用場所;図7の例では「店舗F」)を確認する。そして、ユーザ分析モジュール107は、ユーザ2について、シリーズ=「高級シャンプー」、購入周期=「約2ヶ月」、最終購入日=「2010/8/21」、購入場所=「店舗F」を対応付けて選択予測モジュール108に通知する。
【0054】
なお、ユーザ分析モジュール107は、クーポン利用履歴データベース106に格納されたクーポンの利用場所から、各ユーザが商品を購入する地域を検出してもよい。例えば、日用品を対象商品とするクーポンの利用場所を検出し、その検出結果を含む所定の地域を特定することにより、各ユーザの生活圏を特定することが可能になる。各ユーザの生活圏が特定されると、その生活圏から外れた地域にある店舗でしか利用できないクーポンをユーザに提示しないように制御することが可能になる。つまり、ユーザが利用しない店舗のクーポンが提示されなくなり、クーポンの検索性が向上すると共に、ユーザに不快感を与える機会が少なくなる。従って、ユーザ分析モジュール107により各ユーザの生活圏が検出された場合には、その検出結果も選択予測モジュール108に入力される。
【0055】
選択予測モジュール108は、あるユーザが、あるクーポンを利用する確率を示すスコア(以下、クーポンスコア)を算出する手段である。なお、選択予測モジュール108は、シリーズクーポンデータベース105に格納されたシリーズ毎に各ユーザのクーポンスコアを算出してもよい。但し、ここでは、選択予測モジュール108がクーポン毎に各ユーザのクーポンスコアを算出するものとして説明を進める。上記の通り、選択予測モジュール108には、ユーザ分析モジュール107からシリーズ、購入周期、最終購入日、購入場所、生活圏などの情報(以下、ユーザ分析結果)が入力されている。そこで、選択予測モジュール108は、各ユーザのユーザ分析結果に基づいてクーポンスコアを算出し、その算出結果をクーポンスコアデータベース109に格納する。
【0056】
クーポンスコアは、利用時期毎に与えられる。そのため、ある対象商品の購入時期に近いほど、その対象商品に対応するクーポンのクーポンスコアは高く設定される。また、クーポンスコアは、ユーザが利用する確率を表すスコアであるから、ユーザが購入する可能性の低い商品を対象とするクーポンのスコアは低く設定される。例えば、「廉価シャンプー」である「Bシャンプー」のクーポンに対し、「高級シャンプー」を好むユーザ2のクーポンスコアは低く設定される。また、ユーザの生活圏から外れた店舗でしか利用できないクーポンに対し、そのユーザのクーポンスコアは低く設定される。同様に、ユーザがあまり利用しない店舗でしか利用できないクーポンに対し、そのユーザのクーポンスコアは低く設定される。
【0057】
クーポンスコアデータベース109に格納されるクーポンスコアの算出結果は、例えば、図8(2010/9/19時点の例)のようになる。ユーザID=0001のユーザ(ユーザ1)は、「廉価シャンプー」を好むユーザである。また、「廉価シャンプー」の購入周期は約1ヶ月である。さらに、ユーザ1が「廉価シャンプー」を最後に購入した日は「2010/8/20」である。そして、ユーザ1は「廉価シャンプー」のうちで、「Bシャンプー」を購入する頻度が高い。また、ユーザ1は、「廉価シャンプー」を「店舗F」で購入する頻度が高い。
【0058】
この場合、選択予測モジュール108は、「高級シャンプー」である「Aシャンプー」「Dシャンプー」を対象商品とするクーポン(クーポンID=0001,0004)のクーポンスコアを低く設定する。一方、選択予測モジュール108は、「廉価シャンプー」である「Bシャンプー」「Cシャンプー」を対象商品とするクーポン(クーポンID=0002,0003)のクーポンスコアを高く設定する。特に、選択予測モジュール108は、購入頻度が高く、利用場所が「店舗F」の「Bシャンプー」を対象商品とするクーポン(クーポンID=0002)のクーポンスコアを高く設定する。また、最終購入日と購入周期から予測される購入時期「2010/9/20」に近いため、選択予測モジュール108は、「シャンプー」のクーポンスコアを高めに設定する。
【0059】
一方、ユーザID=0002のユーザ(ユーザ2)は、「高級シャンプー」を好むユーザである。また、「高級シャンプー」の購入周期は約2ヶ月である。さらに、ユーザ2が「高級シャンプー」を最後に購入した日は「2010/8/21」である。そして、ユーザ2は「高級シャンプー」のうちで、「Dシャンプー」を購入する頻度が比較的高い。また、ユーザ2は、「高級シャンプー」を「店舗F」「店舗E」で購入している。
【0060】
この場合、選択予測モジュール108は、「廉価シャンプー」である「Bシャンプー」「Cシャンプー」を対象商品とするクーポン(クーポンID=0002,0003)のクーポンスコアを低く設定する。一方、選択予測モジュール108は、「高級シャンプー」である「Aシャンプー」「Dシャンプー」を対象商品とするクーポン(クーポンID=0001,0004)のクーポンスコアを高く設定する。特に、選択予測モジュール108は、購入頻度が高く、利用場所が「店舗E」の「Dシャンプー」を対象商品とするクーポン(クーポンID=0004)のクーポンスコアを高く設定する。また、最終購入日と購入周期から予測される購入時期「2010/10/21」には1ヶ月も時間があるため、選択予測モジュール108は、「シャンプー」のクーポンスコアを低めに設定する。
【0061】
このようにして選択予測モジュール108は、クーポン毎に各ユーザのクーポンスコアを算出し、クーポンスコアデータベース109に格納する。クーポンスコアデータベース109に格納されたクーポンスコアは、リスト生成モジュール110により利用される。リスト生成モジュール110は、クーポンスコアデータベース109を参照し、クーポンスコアの高いクーポンをユーザに提示するための表示リストを生成する。この表示リストには、主にクーポンスコアの高いクーポンがリスト形式で含まれる。但し、クーポンスコアが高いクーポンと同じシリーズに分類されたクーポンや、クーポンの発行者又はクーポン管理サーバ100の管理者などが特に含めたいクーポンが表示リストに含まれていてもよい。なお、表示リストには、クーポンスコアが低いクーポンが含まれていてもよい。
【0062】
リスト生成モジュール110により生成された表示リストは、通信モジュール101を介してユーザ端末40に送信される。そして、ユーザは、ユーザ端末40の表示手段に表示された表示リストの中から所望のクーポンをチェック(選択)して利用する。このように、本実施形態に係るクーポン管理サーバ100により生成される表示リストは、各ユーザの嗜好やこだわりを反映し、かつ、購入時期をも考慮して選別されたクーポンが含まれるものである。そのため、購入したい商品が、その都度、表示リストに優先的に表示されるため、欲しいと思うクーポンを効率的に見つけることが可能になる。その結果、クーポンを利用する際の手間が少なくなり、ユーザの利便性が大きく向上する。
【0063】
(購入時期の予測について)
本稿においては、説明を簡単にするため、ユーザが購入した商品の内容量や個数(以下、数量)に配慮せず、単純に利用日時の周期から購入時期を予測する方法について述べている。しかし、この方法の場合、毎回同じ数量の商品を購入するユーザの購入周期は正しく検出できるが、その都度数量の異なる商品を購入するユーザが、その商品を次回購入する時期を予測することは難しい。そこで、ユーザが購入した商品の数量に応じた、より実際的で効果の高い購入時期の予測方法について説明を追加する。
【0064】
クーポン情報には、対象商品の情報として数量が含まれている。例えば、「Bシャンプー」のクーポン情報には内容量の情報が含まれる。また、「Kティッシュペーパー」のクーポンには個数(又は1箱当たりの枚数)の情報が含まれる。そのため、あるクーポンがユーザにより利用されると、そのクーポン情報から、1クーポン当たりにユーザが購入した商品の数量を把握することができる。さらに、クーポンの利用数を記録しておけば、ある時点でユーザが購入した商品の全数量を把握することができる。こうした情報は、クーポン利用履歴データベース106に格納される。
【0065】
そして、ユーザ分析モジュール107は、クーポン利用履歴データベース106に格納された利用日時、クーポンIDなどと共に、商品の数量を示す情報(以下、数量情報)を分析して、各商品の購入周期を検出する。つまり、ユーザ分析モジュール107は、単位数量当たりの消費期間を算出し、前回ユーザが購入した数量が消費されるまでの期間を割り出す。そして、ユーザ分析モジュール107は、前回クーポンが利用された利用日時から、上記割り出した期間だけ経過した日時を算出し、その日時前後を次回の購入時期とする。
【0066】
このような計算を行うことで、利用日時の周期からだけではなく、前回購入した商品の数量から、その商品を次回購入する時期を正しく予測することが可能になる。また、このようにして予測された購入時期に基づいてクーポンスコアが算出される。ここで説明した方法を適用すると、まだユーザの手元に在庫のある商品のクーポンが表示リストに優先的に表示されることがなくなり、ユーザが必要とするクーポンを探しやすくなる。
【0067】
以上、本実施形態に係るクーポン管理サーバ100の機能構成について説明した。
【0068】
[2−3:クーポン管理サーバ100の動作]
次に、図10〜図15を参照しながら、本実施形態に係るクーポン管理サーバ100の動作、及び本実施形態に係るクーポン管理方法について説明する。特に、ここではクーポン分析モジュール104、ユーザ分析モジュール107、選択予測モジュール108、リスト生成モジュール110の動作について説明する。
【0069】
(クーポン分析モジュール104の動作について)
まず、図10、図11を参照しながら、クーポン分析モジュール104の動作について説明する。図10は、クーポン分析モジュール104の動作について説明するための説明図である。また、図11は、表記ゆれを補正する処理を説明するための説明図である。なお、表記ゆれとは、同じ意味であるにも関わらず、単位の違い、文字種の違い、言語の違いなどにより、コンピュータからは異なる情報に見えてしまう状態のことを言う。
【0070】
まず、図10を参照する。図10に示すように、クーポン分析モジュール104は、クーポンデータベース105に格納された情報など、クーポンメタ情報の表記ゆれを補正する(S101)。ここで言うクーポンメタ情報とは、各クーポンに付与される様々な情報のことを意味する。例えば、クーポンデータベース105に格納された標準価格、商品名、割引額(割引率)、有効期限、利用場所などの情報は、クーポンメタ情報に含まれる。さらに、図11に示すように、クーポンの対象商品に関する様々な情報が、クーポンメタ情報に含まれる。
【0071】
例えば、クーポンメタ情報としては、図11に示すように、商品名、一般名称、内容量、商品分類、賞味期限、標準価格、製造者名、製造国名などの情報がある。なお、一般名称とは、その商品と同類の商品一般に用いられる通称のことを言う。そして、一般名称は、製造者・生産者10などにより付される。そのため、同じ種類の商品でも、一般名称の一部表現が異なる場合がある。
【0072】
また、内容量を表すには、その分量を表現するための単位(cc、ml、dl、gなど)が用いられることがある。同様に、賞味期限を表すには、その期間又は期日を表現するための単位(年、月、週、日など)が用いられることがある。さらに、商品名、一般名称、商品分類、製造者名、製造国名など、文字列が含まれる項目は、同じ内容であっても、異なる言語(日本語、英語など)や異なるフォント(全角、半角など)で表現されていることがある。
【0073】
そこで、クーポン分析モジュール104は、図11に示すように、クーポンメタ情報に含まれる表記ゆれを補正する。図11に示すように、同じ商品に対応するクーポンメタ情報が複数種類(クーポンメタ情報1、クーポンメタ情報2)存在する場合について考えてみよう。クーポンメタ情報1の商品名は、ひらがなと漢字で表記されている。一方、クーポンメタ情報2の商品名は、カタカナと漢字で表記されている。人間の目から見れば、同じ商品名であることが明らかであるが、コンピュータからは異なる商品名と認識されてしまう。そこで、クーポン分析モジュール104は、例えば、商品名の表記をひらがなと漢字による表記に統一する。つまり、クーポン分析モジュール104は、クーポンメタ情報2が与えられた場合、その商品名に含まれるカタカナ表記をひらがな表記に修正する。
【0074】
同様に、クーポン分析モジュール104は、図11の例において、内容量の単位を「cc」から「ml」に修正し、商品分類を「和風調味料」よりも一般的な「調味料」に修正する(修飾表現をカットする)。また、クーポン分析モジュール104は、図11の例において、賞味期限を「月」単位から「年」単位に修正し、標準価格の単位を英語表記「yen」から日本語表記「円」に修正する。さらに、クーポン分析モジュール104は、図11の例において、半角表示された製造者名を全角表示に修正し、英語表記されていた製造国名を日本語表記に修正する。その結果、クーポン分析モジュール104は、クーポンメタ情報2の表記ゆれを修正してクーポンメタ情報3を得る。
【0075】
もちろん、表記ゆれの修正方法はこれに限定されず、任意に設定することが可能である。但し、どのように表記ゆれを修正するかは予め設定しておくことが必要である。また、商品分類など、修正の自由度が高い項目に関する表記ゆれの修正方法については、(1)ユーザが事前に修正用の辞書を作成しておき、その辞書を利用して表記ゆれを修正するか、(2)機械学習により事前に作成した修正用のアルゴリズムを利用して表記ゆれを修正する。もちろん、上記(1)(2)の方法を組み合わせてもよい。なお、クーポンメタ情報を各クーポンに付与する際に、表記ゆれが生じないように徹底するのが望ましい。
【0076】
再び図10を参照する。上記のようにして表記ゆれを補正した後、クーポン分析モジュール104は、補正後のクーポンメタ情報を用いてクーポンをシリーズ化する(S102)。先に説明した通り、クーポン分析モジュール104は、クーポンデータベース105を参照し、商品名や価格帯などに基づいて各クーポンをシリーズ化する。特に、クーポン分析モジュール104は、各ユーザが持つ好みの細かさに配慮して各クーポンをシリーズ化する。つまり、クーポン分析モジュール104は、各ユーザがクーポン選択の際に、実質的に同じ商品だと認識する可能性のある商品群を1つのシリーズにまとめる。
【0077】
例えば、低価格志向のユーザにとっては、図3に例示した「Bシャンプー」と「Cシャンプー」は実質的に同じ商品だと認識される可能性が高い。一方、「BWブランド」を好むユーザにとっては、図3に例示した「S歯ブラシ」「M歯ブラシ」と「L歯ブラシ」は実質的に同じ商品だと認識される可能性が高い。また、価格にこだわりがなく、製造者ID=0007の製造者にこだわりのあるユーザにとっては、図3に例示した「Cシャンプー」と「Dシャンプー」は実質的に同じ商品だと認識される可能性が高い。さらに、割引率の高さにこだわりのあるユーザにとっては、図3に例示した「Cシャンプー」と「Dシャンプー」は実質的に同じ商品だと認識される可能性が高い。
【0078】
クーポン分析モジュール104は、上記のような実質的に同じ商品だと認識される可能性が高い商品を対象とするクーポン群をシリーズ化する。なお、実質的に同じ商品だと認識される可能性の高い商品を分類するには、例えば、商品名から共通する文字列を抽出し、共通する文字列を商品名に含む商品群を1つの分類項目に割り当てたり、同種の商品群の中から標準価格に基づいて高価格帯の商品と低価格帯の商品とをそれぞれ別の分類項目に分類したりすればよい。さらに、同種の商品群の中から同じ製造者IDの商品群を1つの分類項目に分類したり、割引率の高い商品と低い商品とをそれぞれ別の分類項目に分類したりしてもよい。そして、このようにして分類された商品群に対応するクーポン群を分類項目毎にシリーズ化することで、ユーザが実質的に同じ商品だと認識する可能性の高い商品群をシリーズにまとめることができる。
【0079】
(ユーザ分析モジュール107の動作について)
次に、図12を参照しながら、ユーザ分析モジュール107の動作について説明する。図12は、ユーザ分析モジュール107の動作について説明するための説明図である。
【0080】
図12に示すように、まず、ユーザがクーポンを利用すると、クーポン利用履歴データベース106にクーポンの利用履歴がユーザ毎に保存される(S111)。ユーザ分析モジュール107は、クーポン利用履歴データベース106に保存されたユーザ毎の利用履歴を利用して、ユーザの好み、こだわり、購入習慣などを分析する(S112)。
【0081】
例えば、ユーザが「廉価シャンプー」ばかりを購入している場合、クーポン利用履歴データベース106には、「廉価シャンプー」に対応するクーポンの利用履歴が多数残されている。そこで、ユーザ分析モジュール107は、そのユーザが「廉価シャンプー」シリーズに対する高い関心度を示していると判断する。また、そのユーザが「廉価シャンプー」を1ヶ月毎に購入している場合、クーポン利用履歴データベース106には、「廉価シャンプー」に対応するクーポンの利用履歴が約1ヶ月毎に記録されている。そこで、ユーザ分析モジュール107は、そのユーザによる「廉価シャンプー」の購入周期が約1ヶ月であると判断する。
【0082】
ユーザ分析モジュール107は、上記のようにして各ユーザに対し、シリーズクーポンデータベース105に格納されたシリーズ毎(又はクーポン毎)に関心度及び購入周期を検出する。そして、ユーザ分析モジュール107は、ユーザの関心度に関する分析結果、及び商品の購入周期に関する分析結果などに基づいてユーザの購入商品と購入時期を予測する(S113)。例えば、「高級シャンプー」を2ヶ月毎に購入しているユーザが2009/8/20に「高級シャンプー」のクーポンを利用していた場合、ユーザ分析モジュール107は、そのユーザが2009/10/20に「高級シャンプー」を購入すると予測する。このようにしてユーザ分析モジュール107により予測された購入商品(具体的な商品名又はシリーズ)及び購入周期などの情報は、選択予測モジュール108に通知される。
【0083】
(選択予測モジュール108の動作について)
次に、図13、図14を参照しながら、選択予測モジュール108の動作について説明する。図13は、選択予測モジュール108の動作について説明するための説明図である。図14は、選択予測モジュール108の動作について、より詳細に説明するための説明図である。
【0084】
図13に示すように、選択予測モジュール108は、ユーザが利用可能なクーポンそれぞれに対し、ユーザの利用確率を示すスコア(クーポンスコア)を算出する(S121)。図14に示すように、選択予測モジュール108は、まず、クーポンデータベース105を参照して、有効期限が切れていないクーポンを、ユーザが利用可能なクーポンとして選択する(S1211)。次いで、選択予測モジュール108は、ユーザの居住地域から近い店舗で利用可能なクーポンを、ユーザが利用可能なクーポンとして選択する(S1212)。但し、ステップS1212の処理は、ユーザ分析モジュール107によりユーザの生活圏などが予測されている場合に実行される。
【0085】
次いで、選択予測モジュール108は、選択したクーポンについて、購入周期への適合度、各クーポンの利用頻度、シリーズ単位でのクーポンの利用頻度、店舗の利用頻度、現在の時間帯、ユーザの現在位置などに応じてクーポンスコアを算出する(S1213)。例えば、選択予測モジュール108は、あるクーポンの対象商品が、最終購入日と購入周期から予測される購入時期にきている商品である場合、そのクーポンのクーポンスコアを高い値に設定する。また、選択予測モジュール108は、あるクーポンの利用頻度が高い場合、そのクーポンのクーポンスコアを比較的高い値に設定する。
【0086】
また、あるシリーズに含まれるクーポンの利用頻度が高い場合、選択予測モジュール108は、そのシリーズに含まれるクーポンのクーポンスコア(又はそのシリーズのスコア)を比較的高い値に設定する。さらに、選択予測モジュール108は、ある店舗の利用頻度が高い場合、その店舗で利用可能なクーポンのクーポンスコアを比較的高い値に設定する。そして、選択予測モジュール108は、あるシリーズに含まれるクーポンの利用時間帯が決まっている場合、その時間帯に、そのシリーズに含まれるクーポンのクーポンスコア(又はそのシリーズのスコア)を比較的高い値に設定する。また、GPS(Global Positioning System)などを利用してユーザの現在地が分かる場合、選択予測モジュール108は、ユーザの現在位置に近い店舗で利用可能なクーポンのクーポンスコアを比較的高い値に設定する。
【0087】
このようにして選択予測モジュール108により設定されたクーポンスコアは、クーポンスコアデータベース109に格納される。そして、クーポンスコアデータベース109に格納された各クーポンのクーポンスコア(又はシリーズのスコア)は、リスト生成モジュール110により利用される。なお、上記説明において「シリーズのスコア」という表現を用いたが、このスコアは、シリーズ単位でユーザ毎に設定されるスコアである。多くの場合、あるクーポンをユーザに提供する際、そのクーポンと同じシリーズのクーポンが同時に提供される。そのため、シリーズを単位としてスコアを設定しておき、シリーズ単位のスコアを基準に、ユーザに提示するクーポンを決定してもよい。但し、本実施形態において、シリーズのスコアは、利用してもよいし、利用しなくてもよい。
【0088】
(リスト生成モジュール110の動作について)
次に、図15を参照しながら、リスト生成モジュール110の動作について説明する。図15は、リスト生成モジュール110の動作について説明するための説明図である。
【0089】
図15に示すように、リスト生成モジュール110は、クーポンスコアデータベース109に格納されたクーポンスコアに基づいてクーポンの表示リストを生成する(S131)。このとき、リスト生成モジュール110は、クーポンスコアの高い順に所定数のクーポンを選択し、選択したクーポンのクーポン情報を表示リストに追加する。また、リスト生成モジュール110は、ユーザ毎に表示リストを生成する。
【0090】
次いで、リスト生成モジュール110は、クーポンスコアデータベース109に格納されたクーポンスコアとは無関係に、ユーザに表示したいクーポンを表示リストに追加する(S132)。次いで、リスト生成モジュール110は、クーポンスコアデータベース109に格納されたクーポンスコアとは無関係に、ユーザに表示したくないクーポンを表示リストから削除する(S133)。例えば、製造者・生産者10や販売者20などが特定の期間に販促したい新商品のクーポンを発行した場合など、リスト生成モジュール110は、クーポンスコアが未だ設定されていない新商品のクーポンを表示リストに追加する。
【0091】
このようにしてリスト生成モジュール110により生成された表示リストは、通信モジュール101を介してユーザ端末40に送信される。なお、この表示リストは、通信モジュール101を介して店舗端末50に送信されてもよい。
【0092】
以上、クーポン管理サーバ100の動作、及び本実施形態に係るクーポン管理方法について説明した。
【0093】
以上説明したように、本発明の第1実施形態に係るクーポン管理方法を適用すれば、ある時点でユーザが購入を予定している商品のクーポンを当該ユーザが容易に得ることができるようになる。その結果、クーポンの利用が促進され、ユーザは低価格で商品を購入できる機会が増え、製造者・生産者10や販売者20などは高い販促効果が得られるようになる。
【0094】
<3:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。上記の第1実施形態においては、クーポンの分析、ユーザの分析をクーポン管理サーバ100が一手に引き受けていた。しかし、ユーザ数が増加すると、クーポン管理サーバ100における分析処理の負荷が大きくなる。特に、ユーザの分析に要する演算負荷は、ユーザ数の増大と共に増加する。そこで、本実施形態は、ユーザの分析に係る処理をユーザ端末40において行うようにするシステム構成を提案する。このシステム構成の場合、各ユーザ端末40は自身の利用履歴を分析するだけであるため、ユーザ数が増加しても各ユーザ端末40における演算負荷が増加することはない。従って、本実施形態に係るシステム構成の方が高い拡張性を有する。
【0095】
[3−1:クーポン管理サーバ100の構成]
まず、図16を参照しながら、本実施形態に係るクーポン管理サーバ100の構成について説明する。但し、上記の第1実施形態に係るクーポン管理サーバ100と実質的に同じ機能を有する構成要素については同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。図16は、本実施形態に係るクーポン管理サーバ100の構成について説明するための説明図である。
【0096】
図16に示すように、クーポン管理サーバ100は、通信モジュール101と、クーポン登録モジュール102と、クーポンデータベース103と、クーポン分析モジュール104と、シリーズクーポンデータベース105とにより構成される。図2に示した第1実施形態のクーポン管理サーバ100と比較すると、クーポン利用履歴データベース106、ユーザ分析モジュール107、選択予測モジュール108、クーポンスコアデータベース109、リスト生成モジュール110が省略されている。つまり、本実施形態に係るクーポン管理サーバ100は、主に、クーポンのシリーズ化し、そのシリーズに関する情報を提供する装置である。
【0097】
なお、クーポン分析モジュール104による分析方法、クーポンのシリーズ化方法は、上記の第1実施形態と実質的に同じである。上記の第1実施形態と異なる点は、シリーズクーポンデータベース105に格納された各シリーズに関する情報が、通信モジュール101を介してユーザ端末40に送信される構成にある。従って、通信モジュール101の機能が、上記の第1実施形態に係るクーポン管理サーバ100とは異なる。クーポン分析モジュール104によりクーポン情報が分析され、シリーズ化されたクーポン情報がシリーズクーポンデータベース105に格納されると、通信モジュール101は、各シリーズに関する情報をユーザ端末40に送信する。なお、通信モジュール101は、各シリーズに関する情報を店舗端末50に送信してもよい。
【0098】
以上、クーポン管理サーバ100の構成について説明した。
【0099】
[3−2:ユーザ端末40の構成]
次に、図17を参照しながら、本実施形態に係るユーザ端末40の構成について説明する。図17は、本実施形態に係るユーザ端末40の構成について説明するための説明図である。
【0100】
図17に示すように、ユーザ端末40は、通信モジュール101と、クーポンデータベース402と、シリーズクーポンデータベース403と、クーポン利用履歴データベース404と、ユーザ分析モジュール405と、選択予測モジュール406と、クーポンスコアデータベース407と、リスト生成モジュール408と、出力モジュール409とにより構成される。
【0101】
なお、ユーザ分析モジュール405の機能は、上記の第1実施形態に係るユーザ分析モジュール107の機能と実質的に同じである。また、選択予測モジュール406の機能は、上記の第1実施形態に係る選択予測モジュール108の機能と実質的に同じである。さらに、リスト生成モジュール408の機能は、上記の第1実施形態に係るリスト生成モジュール110の機能と実質的に同じである。従って、ユーザ分析モジュール405、選択予測モジュール406、リスト生成モジュール408については詳細な説明を省略する。
【0102】
まず、通信モジュール101は、クーポン管理サーバ100から、クーポン情報(上記のクーポンデータベース105に格納されたクーポンの情報)を取得する。そして、通信モジュール101により取得されたクーポン情報は、クーポンデータベース402に格納される。さらに、通信モジュール101は、クーポン管理サーバ100から、シリーズに関する情報(上記のシリーズクーポンデータベース105に格納されたシリーズ及び各シリーズに対応するクーポン)を取得する。そして、通信モジュール101により取得されたシリーズに関する情報は、シリーズクーポンデータベース403に格納される。
【0103】
また、ユーザがクーポンを利用すると、通信モジュール401を介してクーポン利用履歴データベース404にクーポンの利用履歴が格納される。但し、上記の第1実施形態に係るクーポン利用履歴データベース106には全てのユーザに関する利用履歴が格納されたが、クーポン利用履歴データベース404には該当ユーザ(ユーザ端末40の利用ユーザ)に関するクーポンの利用履歴しか格納されない。クーポンデータベース403、シリーズクーポンデータベース403、クーポン利用履歴データベース404に情報が格納されると、ユーザ分析モジュール405によりユーザの好み、こだわり、購入習慣などが分析される。
【0104】
さらに、ユーザ分析モジュール405による分析結果を受けて、選択予測モジュール406が各クーポンのクーポンスコアを算出し、クーポンスコアデータベース407に各クーポンのクーポンスコアを格納する。クーポンスコアデータベース407にクーポンスコアが格納されると、リスト生成モジュール408は、クーポンスコアデータベース407に格納されたクーポンスコアに基づいてクーポンの表示リストを生成する。そして、リスト生成モジュール408により生成された表示リストは、出力モジュール409により出力される。出力モジュール409は、例えば、ディスプレイなどの表示手段である。なお、リスト生成モジュール408により生成された表示リストは、通信モジュール101、クーポン管理サーバ100を介して店舗端末50に送信されてもよい。
【0105】
以上、ユーザ端末40の構成について説明した。
【0106】
以上説明したように、本発明の第2実施形態に係るシステム構成を適用すれば、クーポンの利用履歴を分析する際に要する演算負荷を各ユーザ端末40に分散することが可能になる。また、個々のユーザの好みやこだわりなど、個人情報がユーザ端末40の外部に漏れにくくなるため、セキュリティが向上する。その結果、クーポン管理サーバ100の管理負担が低減される。
【0107】
<4:ハードウェア構成例>
上記のクーポン管理サーバ100、ユーザ端末40が有する各構成要素の機能は、例えば、図18に示す情報処理装置のハードウェア構成を用いて実現することが可能である。つまり、当該各構成要素の機能は、コンピュータプログラムを用いて図18に示すハードウェアを制御することにより実現される。なお、このハードウェアの形態は任意であり、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PHS、PDA等の携帯情報端末、ゲーム機、又は種々の情報家電がこれに含まれる。但し、上記のPHSは、Personal Handy−phone Systemの略である。また、上記のPDAは、Personal Digital Assistantの略である。
【0108】
図18に示すように、このハードウェアは、主に、CPU902と、ROM904と、RAM906と、ホストバス908と、ブリッジ910と、を有する。さらに、このハードウェアは、外部バス912と、インターフェース914と、入力部916と、出力部918と、記憶部920と、ドライブ922と、接続ポート924と、通信部926と、を有する。但し、上記のCPUは、Central Processing Unitの略である。また、上記のROMは、Read Only Memoryの略である。そして、上記のRAMは、Random Access Memoryの略である。
【0109】
CPU902は、例えば、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM904、RAM906、記憶部920、又はリムーバブル記録媒体928に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。ROM904は、CPU902に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM906には、例えば、CPU902に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的又は永続的に格納される。
【0110】
これらの構成要素は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス908を介して相互に接続される。一方、ホストバス908は、例えば、ブリッジ910を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス912に接続される。また、入力部916としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、及びレバー等が用いられる。さらに、入力部916としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコン)が用いられることもある。
【0111】
出力部918としては、例えば、CRT、LCD、PDP、又はELD等のディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホン等のオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、又はファクシミリ等、取得した情報を利用者に対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置である。但し、上記のCRTは、Cathode Ray Tubeの略である。また、上記のLCDは、Liquid Crystal Displayの略である。そして、上記のPDPは、Plasma DisplayPanelの略である。さらに、上記のELDは、Electro−Luminescence Displayの略である。
【0112】
記憶部920は、各種のデータを格納するための装置である。記憶部920としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等が用いられる。但し、上記のHDDは、Hard Disk Driveの略である。
【0113】
ドライブ922は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体928に記録された情報を読み出し、又はリムーバブル記録媒体928に情報を書き込む装置である。リムーバブル記録媒体928は、例えば、DVDメディア、Blu−rayメディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディア等である。もちろん、リムーバブル記録媒体928は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、又は電子機器等であってもよい。但し、上記のICは、Integrated Circuitの略である。
【0114】
接続ポート924は、例えば、USBポート、IEEE1394ポート、SCSI、RS−232Cポート、又は光オーディオ端子等のような外部接続機器930を接続するためのポートである。外部接続機器930は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、又はICレコーダ等である。但し、上記のUSBは、Universal Serial Busの略である。また、上記のSCSIは、Small Computer System Interfaceの略である。
【0115】
通信部926は、ネットワーク932に接続するための通信デバイスであり、例えば、有線又は無線LAN、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL用のルータ、又は各種通信用のモデム等である。また、通信部926に接続されるネットワーク932は、有線又は無線により接続されたネットワークにより構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、可視光通信、放送、又は衛星通信等である。但し、上記のLANは、Local Area Networkの略である。また、上記のWUSBは、Wireless USBの略である。そして、上記のADSLは、Asymmetric Digital Subscriber Lineの略である。
【0116】
<5:まとめ>
最後に、本発明の実施形態に係る技術内容について簡単に纏める。ここで述べる技術内容は、例えば、PC、携帯電話、携帯ゲーム機、携帯情報端末、情報家電、カーナビゲーションシステム等、種々の情報処理装置に対して適用することができる。
【0117】
上記の情報処理装置の機能構成は次のように表現することができる。当該情報処理装置は、次のような商品情報取得部と、商品分析部と、利用履歴取得部と、履歴分析部と、選択支援部とを有する。上記の商品情報取得部は、クーポンの対象商品に関する商品情報を取得するものである。また、上記の商品分析部は、前記商品情報取得部により取得された商品情報に基づいてクーポンの対象商品を分析し、関連する商品情報を持つ対象商品のクーポンを関連付けるものである。このように、クーポンの対象商品を分析し、商品情報に基づく関連性を利用してクーポンを関連付けておくことにより、ユーザが所望するクーポンを提示する際に、そのクーポンと関連するクーポンを併せて提示できるようになる。
【0118】
また、上記の利用履歴取得部は、個々のユーザによるクーポンの利用履歴を取得するものである。さらに、上記の履歴分析部は、前記利用履歴取得部により取得された利用履歴に基づいて個々のユーザが過去に購入した商品の購入時期を分析するものである。そして、上記の選択支援部は、個々のユーザについて、前記履歴分析部による分析結果から前記商品の次回購入時期を予測し、当該次回購入時期に、当該商品を対象商品とするクーポン、及び前記商品分析部により当該クーポンに関連付けられたクーポンを優先的に提示するものである。このような構成にすることで、ユーザが所定のタイミングで購入する商品のクーポンを、そのタイミングに合わせて提示することが可能になる。さらに、ユーザが所望するクーポンの対象商品に関連する商品のクーポンをユーザに提示できるため、ユーザの希望に配慮しつつ、選択肢の幅を広げさせることが可能になる。
【0119】
(備考)
上記のクーポン管理サーバ100は、クーポン選択支援装置の一例である。上記のクーポン分析モジュール104は、商品分析部の一例である。上記の通信モジュール101は、利用履歴取得部の一例である。上記のユーザ分析モジュール107、選択予測モジュール108は、履歴分析部の一例である。上記のリスト生成モジュール110は、選択支援部の一例である。上記のクーポン管理サーバ100は、サーバ装置の一例である。上記のユーザ端末40は、クライアント装置の一例である。上記の通信モジュール101は、送信部の一例である。上記の通信モジュール401は、受信部、利用履歴取得部の一例である。上記のユーザ分析モジュール405、選択予測モジュール406は、履歴分析部の一例である。上記のリスト生成モジュール408、出力モジュール409は、選択支援部の一例である。
【0120】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0121】
10 製造者・生産者
11 クーポン登録端末
20 販売者
21 クーポン登録端末
30 ネットワーク
40 ユーザ端末
50 店舗端末
100 クーポン管理サーバ
101 通信モジュール
102 クーポン登録モジュール
103 クーポンデータベース
104 クーポン分析モジュール
105 シリーズクーポン
106 クーポン利用履歴データベース
107 ユーザ分析モジュール
108 選択予測モジュール
109 クーポンスコアデータベース
110 リスト生成モジュール
401 通信モジュール
402 クーポンデータベース
403 シリーズクーポンデータベース
404 クーポン利用履歴データベース
405 ユーザ分析モジュール
406 選択予測モジュール
407 クーポンスコアデータベース
408 リスト生成モジュール
409 出力モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クーポンの対象商品に関する商品情報を取得する商品情報取得部と、
前記商品情報取得部により取得された商品情報に基づいてクーポンの対象商品を分析し、関連する商品情報を持つ対象商品のクーポンを関連付ける商品分析部と、
個々のユーザによるクーポンの利用履歴を取得する利用履歴取得部と、
前記利用履歴取得部により取得された利用履歴に基づいて個々のユーザが過去に購入した商品の購入時期を分析する履歴分析部と、
個々のユーザについて、前記履歴分析部による分析結果から前記商品の次回購入時期を予測し、当該次回購入時期に、当該商品を対象商品とするクーポン、及び前記商品分析部により当該クーポンに関連付けられたクーポンを優先的に提示する選択支援部と、
を備える、
クーポン選択支援装置。
【請求項2】
前記商品分析部は、前記商品情報に同じ表現を含む商品群を検出し、当該商品群に対応する複数のクーポンを関連付ける、
請求項1に記載のクーポン選択支援装置。
【請求項3】
前記商品分析部は、前記商品情報に同じ表現を含む第1の商品群を検出し、当該第1の商品群の中から同じ価格帯に属する第2の商品群を検出し、当該第2の商品群に対応する複数のクーポンを関連付ける、
請求項1に記載のクーポン選択支援装置。
【請求項4】
前記履歴分析部は、個々のユーザが過去に購入した商品の購入時期を分析し、同じ前記商品群に属する商品の購入周期を検出して、当該商品群に属する商品の次回購入時期を予測する、
請求項2又は3に記載のクーポン選択支援装置。
【請求項5】
クーポンの対象商品に関する商品情報を取得する商品情報取得部と、
前記商品情報取得部により取得された商品情報に基づいてクーポンの対象商品を分析し、関連する商品情報を持つ対象商品のクーポンを関連付ける商品分析部と、
前記商品分析部により関連付けられたクーポンの情報、及びクーポンの対象商品に関する商品情報をクライアント装置に送信する送信部と、
を有する、サーバ装置と、
前記サーバ装置から、前記商品分析部により関連付けられたクーポンの情報、及びクーポンの対象商品に関する商品情報を受信する受信部と、
ユーザによるクーポンの利用履歴を取得する利用履歴取得部と、
前記利用履歴取得部により取得された利用履歴に基づいて前記ユーザが過去に購入した商品の購入時期を分析する履歴分析部と、
前記ユーザについて、前記履歴分析部による分析結果から前記商品の次回購入時期を予測し、当該次回購入時期に、当該商品を対象商品とするクーポン、及び前記商品分析部により当該クーポンに関連付けられたクーポンを優先的に提示する選択支援部と、
を有する、前記クライアント装置と、
を含む、
クーポン選択支援システム。
【請求項6】
クーポンの対象商品に関する商品情報を取得する商品情報取得ステップと、
前記商品情報取得ステップにて取得された商品情報に基づいてクーポンの対象商品を分析し、関連する商品情報を持つ対象商品のクーポンを関連付ける商品分析ステップと、
個々のユーザによるクーポンの利用履歴を取得する利用履歴取得ステップと、
前記利用履歴取得ステップにて取得された利用履歴に基づいて個々のユーザが過去に購入した商品の購入時期を分析する履歴分析ステップと、
個々のユーザについて、前記履歴分析ステップにおける分析結果から前記商品の次回購入時期を予測し、当該次回購入時期に、当該商品を対象商品とするクーポン、及び前記商品分析ステップにて当該クーポンに関連付けられたクーポンを優先的に提示する選択支援ステップと、
を含む、
クーポン選択支援方法。
【請求項7】
クーポンの対象商品に関する商品情報を取得する商品情報取得機能と、
前記商品情報取得機能により取得された商品情報に基づいてクーポンの対象商品を分析し、関連する商品情報を持つ対象商品のクーポンを関連付ける商品分析機能と、
個々のユーザによるクーポンの利用履歴を取得する利用履歴取得機能と、
前記利用履歴取得機能により取得された利用履歴に基づいて個々のユーザが過去に購入した商品の購入時期を分析する履歴分析機能と、
個々のユーザについて、前記履歴分析機能による分析結果から前記商品の次回購入時期を予測し、当該次回購入時期に、当該商品を対象商品とするクーポン、及び前記商品分析機能により当該クーポンに関連付けられたクーポンを優先的に提示する選択支援機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−243041(P2011−243041A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115347(P2010−115347)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】