グラフィカルユーザインタフェース装置
【課題】容易に操作マニュアルを確認しつつ操作可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】グラフィカルユーザインタフェース装置は、操作手順情報データベース210と、表示要素情報データベース220と、操作判定部130と、表示要素選択部140と、手順・表示要素統合画面作成部150とを備える。操作手順情報データベース21−には、操作マニュアルを構成する文字情報たる手順情報520と、作業者の操作対象となる表示項目とが登録されている。操作判定部130は、実プラント110からの情報に基づいて現在の操作ステップを判定する。手順・表示要素統合画面作成部150は、現在の操作ステップの手順情報520及び表示項目を入出力機器170の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する。
【解決手段】グラフィカルユーザインタフェース装置は、操作手順情報データベース210と、表示要素情報データベース220と、操作判定部130と、表示要素選択部140と、手順・表示要素統合画面作成部150とを備える。操作手順情報データベース21−には、操作マニュアルを構成する文字情報たる手順情報520と、作業者の操作対象となる表示項目とが登録されている。操作判定部130は、実プラント110からの情報に基づいて現在の操作ステップを判定する。手順・表示要素統合画面作成部150は、現在の操作ステップの手順情報520及び表示項目を入出力機器170の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラントの監視制御を行う監視制御システムにおけるグラフィカルユーザインタフェース装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大規模プラントの監視制御を行う場合、一般に、プラントの各機器に設置されたセンサー情報を、中央監視制御盤にて一括監視されている。
【0003】
近年、中央監視制御盤のソフトウェア化が進んでおり、従来のハードウェア表示計やハードウェアスイッチに代わって、中央監視制御盤におけるプラント計測値の表示と機器の制御にグラフィカルユーザインタフェースが用いられるようになってきている。これにより、監視制御システムを小型化できるとともに、オペレータの操作負荷が軽減できるようになっている。
【0004】
通常、監視制御システムにおける監視制御業務体制では、1名以上の制御操作担当者と、1名以上の作業監督者とで構成されており、各制御操作担当者及び作業監督者には、専用のプラント監視制御入出力装置が用意されている。監視制御業務を行う際には、作業監督者及び制御操作担当者が、各々自分に与えられた入出力装置を利用しつつ、これらの者の間で、口頭にて指示、確認及び報告を行いながら作業を進めている。特に、プラントの定期点検や事故に関連する操作を行う場合には、口頭にて指示、確認及び報告を行うだけでなく、プラント操作マニュアルに記載されている手順を確認しつつ、そのマニュアルに従って操作が行われる。
【0005】
安全性の確保が強く求められる大規模プラントにおいては、作業者が単独で操作を実施するのではなく、上述のように、複数名の作業者が、プラント操作マニュアル及び互いの作業内容を確認し合いながら操作を実施するのが通例となっている。
【0006】
さて、大規模プラントにおいては、監視制御の対象項目が多く、監視制御画面のページ数や1ページにおける情報量が多くなっている。したがって、作業者が、実際にプラントの定期点検等を行う場合には、プラント操作マニュアルに記載された数多くの表示項目の中から、現在の操作に必要な表示項目を探し出しながら、入出力装置等を操作しなければならない。つまり、定期点検等を行う場合には、作業者の認知負荷が高い状態にある。
【0007】
そこで、特許文献1に記載のように、異常時や事故時などの際にプラントを操作するための操作対象とすべき表示項目をデータベースに予め記録しておき、プラントからのデータに基づいて、システムが表示すべき当該表示項目を表示する画像が自動で作成される技術が提案されている。この装置によれば、作業者が現在の操作を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6−27287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の大規模プラントの操作において、作業者が各操作を正しく実施するためには、プラント操作マニュアルに記載されている操作目的と操作手法の双方を正しく理解しておくことが望ましい。しかし、特許文献1の装置では、操作対象となる表示項目が表示されるが、操作目的や、観測されるデータの指標値がどのような情報であるかが表示されない。したがって、作業者は、それらを理解するために、結局、プラント操作マニュアルを別途確認しつつ、操作を行わなければならないという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、容易に操作マニュアルを確認しつつ操作可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るグラフィカルユーザインタフェース装置は、プラントの監視制御を行う監視制御システムにおけるグラフィカルユーザインタフェース装置であって、操作マニュアルを構成する文字情報と、作業者の操作対象となる表示項目とが操作ステップごとに登録されている操作手順情報データベースを備える。そして、前記表示項目を構成する表示要素に関する表示要素情報が登録されている表示要素情報データベースと、前記プラントからの情報に基づいて、現在の前記操作ステップを判定する操作判定部と、前記操作判定部で判定された前記現在の操作ステップの前記表示項目に関し、前記表示要素情報データベースから前記表示要素情報を選択する表示要素選択部とを備える。そして、前記表示要素選択部で選択された前記表示要素情報に基づいて、前記現在の操作ステップの前記文字情報及び前記表示項目をインタフェース装置の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する手順・表示要素統合画面作成部を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、現在の操作ステップに関し、プラント操作マニュアルの文字情報と、操作対象となる表示項目とがインタフェース装置の一画面に表示される。したがって、作業者は、インタフェース装置の画面において容易にプラント操作マニュアルを確認することができるとともに、そのプラント操作マニュアルとの突き合せをしながら、現在の操作ステップの操作を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の構成を示すブロック図である。
【図2】操作手順情報データベースに登録される内容例を示す図である。
【図3】表示要素情報データベースに登録される内容例を示す図である。
【図4】実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置により作成される操作画面レイアウトを示す図である。
【図5】実施の形態2に係るグラフィカルユーザインタフェース装置により作成される操作画面レイアウトを示す図である。
【図6】実施の形態3に係るグラフィカルユーザインタフェース装置により作成される操作画面レイアウトを示す図である。
【図7】実施の形態4に係る手順・表示要素統合画面作成部の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態4に係る表示要素の配置例を示す図である。
【図9】実施の形態4に係る表示要素の配置例を示す図である。
【図10】実施の形態5に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の構成を示すブロック図である。
【図11】実施の形態5に係るグラフィカルユーザインタフェース装置により作成される操作画面レイアウトを示す図である。
【図12】実施の形態5に係るグラフィカルユーザインタフェース装置により作成される操作画面レイアウトを示す図である。
【図13】実施の形態6に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の構成を示すブロック図である。
【図14】協調操作情報データベースに登録される内容例を示す図である。
【図15】実施の形態6に係るグラフィカルユーザインタフェース装置により作成される操作画面レイアウトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の構成を示す図である。当該グラフィカルユーザインタフェース装置は、実プラント110の監視制御を行う監視制御システムにおけるグラフィカルユーザインタフェース装置であって、オンラインデータ収集部120と、操作判定部130と、表示要素選択部140と、手順・表示要素統合画面作成部150と、画面表示制御部160と、画面を有する入出力機器170と、操作手順情報データベース210と、表示要素情報データベース220とを備える。
【0015】
入出力機器170は、それ自身がインタフェース装置であり、作業者による入力操作などの外部操作を受け付ける入力部170aと、自身の画面に画像を表示する出力部170bとを機能的に有している。
【0016】
まず、グラフィカルユーザインタフェース装置の詳細な説明をする前に、この概要について説明する。
【0017】
操作手順情報データベース210には、プラント操作マニュアルを構成する文字情報と、作業者の操作対象となる表示項目とが登録されている。操作判定部130は、実プラント110からの情報に基づいて、作業者が現在操作すべき、または、現在操作されている操作ステップ(以下「現在の操作ステップ」と呼ぶ)を判定する。表示要素選択部140は、表示要素情報データベース220に登録されている、上記表示項目を構成する表示要素の情報のうち、現在の操作ステップに関する情報を選択する。手順・表示要素統合画面作成部150は、表示要素選択部140で選択された情報に基づいて、現在の操作ステップの上記文字情報と表示項目とを入出力機器170の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する。
【0018】
このような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、現在の操作ステップに関し、プラント操作マニュアルの文字情報と、作業者の操作対象となる表示項目とが一画面に表示される。したがって、作業者は、操作マニュアルの冊子等をわざわざ開けなくても、入出力機器170の画面において容易に操作マニュアルを確認することができる。また、作業者は、その画面に表示された操作マニュアルとの突き合せをしながら現在の操作ステップの操作を実施することができる。
【0019】
ここで、操作とは、入力部170aにおける外部操作だけでなく、入出力機器170に表示される実プラント110の計測値を監視することも含んでいるものとする。また、実プラント110の監督者及び制御操作担当者を区別せずに、それぞれを作業者と呼んでいる。次に、このような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の構成要素について詳細に説明する。
【0020】
実プラント110の各計測点には計測センサー(図示せず)がそれぞれ設置されており、各計測センサーは、自身が計測した計測値を示す計測値情報をオンラインデータ収集部120に発信する。オンラインデータ収集部120は、複数の計測センサーから発信された計測値情報を収集し、操作判定部130及び画面表示制御部160に送信する。
【0021】
図2は、操作手順情報データベース210に登録されている操作手順情報500の内容例を示す図である。この図に示すように、操作手順情報500は、各操作ステップに固有に付与される操作手順・ステップID510と、操作信号511と、手順情報520と、分岐情報530と、表示項目情報540とを含んでいる。
【0022】
以下、この操作手順情報500について詳細に説明する。ただし、分岐情報530は後の実施の形態3で使用される情報であることから、ここでは分岐情報530についての説明を省略する。
【0023】
操作手順・ステップID510は、各操作ステップに固有に付与されるIDである。操作手順・ステップID510は、操作されるべき順に序列付けられた複数の操作ステップからなる操作手順も識別可能にしている。例えば、図2に示される「1−1」という操作手順・ステップID510は、「1」という操作手順における「1」という操作ステップを示し、「1−2」という操作手順・ステップID510は、「1」という操作手順における「2」という操作ステップを示している。このように、本実施の形態では、序列付けられた複数の操作ステップを含む操作手順が操作手順情報データベース210に登録されている。
【0024】
なお、以下の説明においては、『「1−2」という操作手順・ステップID510の操作ステップ』等の記載を、『「1−2」という操作ステップ』等のように簡単に記載することもある。
【0025】
操作信号511は、入出力機器170が作業者の入力操作に応じて出力する入力信号や、実プラント110の計測値情報から生成された警報信号などの信号の総称であり、操作信号511のそれぞれに固有のIDが付与されている。この操作信号511は、後述するように、操作判定部130が現在の操作ステップ等を判定する際に用いられる。
【0026】
手順情報520は、プラント操作マニュアルを構成する文字情報であり、操作手順・ステップID510(操作ステップ)ごとに登録されている。表示項目情報540には、作業者の操作対象となる表示項目が、操作手順・ステップID510(操作ステップ)ごとに登録されている。したがって、本実施の形態においては、操作手順情報データベース210には、手順情報520と、作業者の操作対象となる表示項目とが操作ステップごとに登録されている。
【0027】
表示項目情報540においては、操作手順・ステップID510ごとに、表示項目ID541と、表示内容542とが登録されており、必要に応じて配置条件543も登録されている。
【0028】
表示項目ID541は、階層的な構造を持つIDであり、表示要素を階層的にグループ化するものである。なお、表示要素は、上述したように、作業者の操作対象となる表示項目を構成するものである。つまり、1つの表示項目は、1つ以上の表示要素から構成されている。
【0029】
表示内容542は、表示要素の属性を示す表示要素属性610と、各表示要素に固有に付与される表示要素ID620とから構成されている。例えば、図2に示される「1−3」という操作手順・ステップID510の表示項目は、表示項目情報540に示される3つの表示要素から構成されている。より具体的には、1つ目の表示要素として、左側に「1」が付された表示項目ID541と、「Symbol」という表示要素属性610と、「0005」という表示要素ID620とが登録されている。2つ目の表示要素として、左側及び右側に「2」及び「1」がそれぞれ付された表示項目ID541と、「Button」という表示要素属性610と、「0006」という表示要素ID620とが登録されている。3つ目の表示要素として、左側及び右側に「2」及び「2」がそれぞれ付された表示項目ID541と、「Button」という表示要素属性610と、「0007」という表示要素ID620とが登録されている。表示内容542に登録されている表示要素属性610及び表示要素ID620は、後述する表示要素情報600も構成する。
【0030】
なお、以下の説明においては、『「Button」という表示要素属性610の表示要素』等の記載を、『「Button」という表示要素』等のように簡単に記載することもある。
【0031】
配置条件543は、表示要素の配置に関する制約情報である。例えば、図2に示される「1−3」という操作手順・ステップID510において、2つの「Button」という表示要素には、それぞれ「上下方向」という配置条件543が登録されている。このような場合には、これら2つの表示要素は、左右等の方向には配置されずに、上下方向に配置されることになる。
【0032】
図1に戻って、操作判定部130は、オンラインデータ収集部120から送信された計測値情報、つまり、実プラント110からの情報に基づいて、操作手順情報データベース210に登録されている操作手順情報500とマッチングを行い、現在の操作ステップを判定する。例えば、操作判定部130は、実プラント110からの情報と、操作手順情報500の操作信号511の発生履歴とをパターンマッチングする手法などを用いて、現在の操作ステップを判定する。
【0033】
また、操作判定部130は、現在の操作ステップを判定する際に、当該現在の操作ステップと同じ操作手順に含まれる複数の操作ステップ(以下「同手順操作ステップ」と呼ぶこともある)も判定する。例えば、操作判定部130は、「1−3」の操作ステップを、現在の操作ステップとして判定した場合には、「1」という操作手順に含まれる「1−1」、「1−2」、「1−3」、「1−4」、…の操作ステップを、同手順操作ステップとして判定する。
【0034】
図3は、表示要素情報データベース220に登録されている表示要素情報600の内容例を示す図である。この図3に示すように、表示要素情報データベース220には表示要素に関する表示要素情報600が登録されており、表示要素情報600は、表示要素属性610と、表示要素ID620と、信号ID630と、画像ID640と、表示サイズ情報650とから構成されている。次に、表示要素情報600の各構成要素について説明する。
【0035】
上述したように、表示要素属性610は表示要素の属性を示すものであり、表示要素ID620は各表示要素に固有に付与されるIDである。図3に示されるように、表示要素属性610と表示要素ID620との組合せごとに、信号ID630、画像ID640、表示サイズ情報650が登録される。
【0036】
信号ID630は、実プラント110の計測値情報の信号、または、当該計測値情報から生成された信号を識別する識別子である。画像ID640は、システム上に登録された表示要素の画像を示す識別子である。なお、この画像ID640の箇所には、表示要素の画像が直接登録されていてもよい。表示サイズ情報650は、表示項目として画面上に表示される表示要素の大きさに関する情報であり、高さ情報651と幅情報652とから構成されている。
【0037】
図1に戻って、表示要素選択部140は、操作判定部130で判定された現在の操作ステップの表示項目に関し、上述の表示内容542から表示要素属性610及び表示要素ID620を取得する。そして、表示要素選択部140は、取得した表示要素属性610及び表示要素ID620に基づいて、表示要素情報データベース220から、対応する信号ID630、画像ID640及び表示サイズ情報650を選択する。このように、表示要素選択部140は、操作判定部130で判定された現在の操作ステップの表示項目に関し、表示要素情報データベース220から表示要素情報600を選択する。現在の操作ステップ以外の同手順操作ステップについても同様に、表示要素選択部140は、操作判定部130で判定された同手順操作ステップの表示項目に関し、表示要素情報データベース220から表示要素情報600も選択する。
【0038】
手順・表示要素統合画面作成部150は、表示要素選択部140で選択された表示要素情報600に基づいて、現在の操作ステップ等の手順情報520及び表示項目を入出力機器170の一画面に同時に表示するための操作画面レイアウトを作成する。この操作画面レイアウトの作成については後で詳細に説明する。
【0039】
画面表示制御部160は、手順・表示要素統合画面作成部150が作成した操作画面レイアウト上に、オンラインデータ収集部120が収集した計測値情報を組み込んで、オンライン監視制御画面を生成する。
【0040】
画面表示制御部160が生成したオンライン監視制御画面、つまり、計測値情報が組み込まれた操作画面レイアウトは、入出力機器170において表示されることにより、作業者等に閲覧される。なお、本実施の形態では、インタフェース装置として、タッチパネルデバイスなどの入出力機器170、つまり、入力部170aと出力部170bとを併せ持つハードウェアを想定している。しかし、インタフェース装置は、これに限ったものではなく、入力部170aとしてキーボード・マウスを有し、出力部170bとして表示ディスプレイデバイスを有するというように、入力部170aと出力部170bとが別々のハードウェアで構成されるものであってもよい。
【0041】
次に、手順・表示要素統合画面作成部150の作成動作について説明する。
【0042】
図4は、本実施の形態に係る手順・表示要素統合画面作成部150により作成され、入出力機器170の一画面の外枠300内に表示される、操作画面レイアウトの一例を示す図である。以下、図4を用いて、この作成動作を用いて具体的に説明する。なお、この図4において、操作判定部130は、現在の操作ステップとして「1−3」という操作ステップを判定し、その同手順操作ステップとして「1−1」、「1−2」、「1−3」、「1−4」という操作ステップを判定したものとする。
【0043】
図4に示されるように、操作判定部130で判定された「1−1」〜「1−4」という現在の操作ステップを含む同手順操作ステップの操作手順・ステップID510が、シーケンス図形式の表示手法を用いて画面左側に、手順シーケンス表示310として表示される。例えば、「1−1」という操作手順・ステップID510は、手順シーケンス表示310において、「手順1−1」と表示される。なお、手順シーケンス表示310のうち、現在の操作ステップ(ここでは「手順1−3」)は、それ以外の操作ステップと区別可能に強調表示されている。これにより、作業者の注意を現在の操作ステップに向けることが可能となっている。
【0044】
手順シーケンス表示310として表示される各操作手順・ステップID510の右隣には、当該操作手順・ステップID510に対応する手順情報520が、手順情報表示320A〜320Dとして表示される。例えば、図3に示される「1−3」という操作手順・ステップID510には、「弁Eを開ける」という手順情報520が対応している。したがって、図4に示されるように、手順シーケンス表示310における「手順1−3」の右隣には、「弁Eを開ける」という手順情報520が、手順情報表示320Cとして表示される。
【0045】
手順シーケンス表示310として表示される各操作手順・ステップID510の右側(手順情報表示320A〜320Dの右隣)には、当該操作手順・ステップID510に対応する表示項目情報540の表示項目が、画像情報表示330A〜330Dとして表示される。つまり、表示項目を構成する複数の表示要素の画像が、画像情報表示330A〜330Dとして表示される。
【0046】
一つの例として、図3に示される操作手順情報500における、「1−2」という操作手順・ステップID510に対応する表示項目情報540には、3つの「Value」という表示要素が登録されている。ここで、表示要素属性610が「Value」である場合には、オンラインデータ収集部120により収集された計測値情報が、画面表示制御部160によって表示要素に組み込まれる。以下、操作画面レイアウトを示す図において、表示要素に組み込まれた計測値情報を「XXX.X」と記す。こうして、図4に示されるように、手順情報表示320Bの右隣には、3つの表示要素(3つの計測値情報)からなる表示項目が、画像情報表示330Bとして表示される。この画像情報表示330Bは、作業者の監視の対象となる。
【0047】
また、別の例として、図3に示される操作手順情報500における、「1−3」という操作手順・ステップID510に対応する表示項目情報540には、1つの「Symbol」及び2つの「Button」という合計3つの表示要素が登録されている。したがって、図4に示されるように、手順情報表示320Cの右隣には、3つの表示要素(1つの円形記号及び2つのボタンの画像)からなる表示項目が、画像情報表示330Cとして表示される。この画像情報表示330Cは、作業者の操作の対象となる。
【0048】
なお、本実施の形態においては、操作画面レイアウト上に1つの表示要素が表示されるエリア(以下「表示要素エリア」と呼ぶ)の形状は矩形状となっている。
【0049】
この表示要素エリアのサイズは、図3に示される表示サイズ情報650などによって定義されている。例えば、同図3に示される「0001」という表示要素ID620を例にとると、対応する表示要素、より具体的には「G0001」という画像ID640が示す画像には、高さ方向に10以上、幅方向に30以上の大きさの表示要素エリアが定義されている。一方、計測値情報などの文字情報及び数値情報には、文字数や行数に応じた表示要素エリアが定義される。
【0050】
表示要素エリアの配置に関する制約条件は、表示項目ID541と、配置条件543とによって定義される。手順・表示要素統合画面作成部150は、表示要素エリアが互いに重ならないように、かつ、配置に関する制約条件を満たすように、表示要素エリアの配置を決定する。なお、表示要素エリアの配置の際には、画面左側から順番に並べるなどのルールベースで行ったり、数理計画手法を用いたりすることにより決定する。
【0051】
以上のように、手順・表示要素統合画面作成部150は、表示要素選択部140で選択された表示要素情報600に基づいて、現在の操作ステップの手順情報520及び表示項目を入出力機器170の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを自動的に作成する。本実施の形態においては、手順・表示要素統合画面作成部150は、表示要素選択部140で選択された表示要素情報600に基づいて、現在の操作ステップと同じ操作手順に含まれる複数の操作ステップの手順情報520及び表示項目を入出力機器170の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを自動的に作成する。
【0052】
以上のような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、現在の操作ステップに関し、プラント操作マニュアルの文字情報と、操作対象となる表示項目とが入出力機器170の一画面に表示される。したがって、作業者は、入出力機器170の画面において容易にプラント操作マニュアルを確認することができるとともに、そのプラント操作マニュアルとの突き合せをしながら、現在の操作ステップの操作を実施することができる。
【0053】
<実施の形態2>
実施の形態1において、プラント操作マニュアルに記載されている1つの操作手順に含まれる操作ステップの数が多い場合には、同手順操作ステップの全てが、入出力機器170の一画面に入りきらずに表示できない場合がある。そこで、本実施の形態2では、当該同手順操作ステップの一部を抜粋して表示するものとなっている。以下、本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の説明において、実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置と同じ構成要素については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
【0054】
図5は、本実施の形態に係る手順・表示要素統合画面作成部150により作成され、入出力機器170の一画面の外枠300内に表示される、操作画面レイアウトの一例を示す図である。本実施の形態に係る手順・表示要素統合画面作成部150は、現在の操作ステップの前後に同手順操作ステップを追加していくことにより、操作画面レイアウトを作成していく。この作成中に、手順・表示要素統合画面作成部150は、操作画面レイアウトの外郭が、入出力機器170の表示サイズ(画面サイズ)を超えると判断した場合には、図5に示すように、現在の操作ステップを含む前後の同手順操作ステップのみを表示可能な操作画面レイアウトを作成する。
【0055】
つまり、本実施の形態に係る手順・表示要素統合画面作成部150は、現在の操作ステップと同じ操作手順に含まれる全ての操作ステップの手順情報520及び表示項目を、入出力機器170の一画面に同時に表示できない場合には、現在の操作ステップを含む前後の操作ステップのみの手順情報520及び表示項目を入出力機器170の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する。この結果、図5に示されるように、上述の手順シーケンス表示310の一部311が表示されることになる。
【0056】
なお、図5に示される例では、アイコン表示312A,312Bと、矢印アイコン313A,313Bとが付加的に表示されている。ここで、アイコン表示312Aは、画面上に表示されている先頭の操作ステップの前に同手順操作ステップが存在することを意味し、アイコン表示312Bは、画面上に表示されている後尾の操作ステップの後に同手順操作ステップが存在することを意味している。
【0057】
そして、矢印アイコン313Aが作業者により1回操作されるごとに、手順・表示要素統合画面作成部150は、画面に表示される操作ステップが1つ繰り上がっていくように操作画面レイアウトを作成する。同様に、矢印アイコン313Bが作業者により1回操作されるごとに、手順・表示要素統合画面作成部150は、画面に表示される操作ステップが1つ繰り下がっていくように操作画面レイアウトを作成する。このように、作業者は、矢印アイコン313A,313Bを操作することにより、表示される操作ステップを自由に変更することが可能となっている。
【0058】
以上のような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、操作判定部130で判定された現在の操作ステップと同じ操作手順に含まれる全ての操作ステップを、入出力機器170の一画面に同時に表示できない場合には、現在の操作ステップを含む前後の操作ステップに限定して表示を行うことが可能となる。したがって、文字や表示シンボルを縮小することなく必要な情報を表示することができるため、視認性が低下するのを抑制することができる。また、入出力機器170の小型化も期待できる。
【0059】
<実施の形態3>
一般に、プラント操作マニュアルに記載の操作手順は、状況に応じて異なる手順が実行されるように分岐条件を有している。本実施の形態3では、操作手順に分岐がある場合に適切な表示が可能となっている。以下、本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の説明において、実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置と同じ構成要素については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
【0060】
図2に示されるように、操作手順情報500には、分岐に関する情報たる分岐情報530が登録されている。この分岐情報530は、分岐先の操作手順・ステップID510を示す分岐先ID531と、分岐の条件式を示す分岐条件式532とから構成されている。このように、本実施の形態では、操作手順情報データベース210には操作手順における分岐に関する情報が登録されている。なお、図2に示される操作手順情報500の例では、「1−3」という操作ステップの後、計測値Xと基準値yとが比較される。そして、計測値Xが基準値yより小さい場合には「1−4」という操作ステップに進み、計測値Xが基準値y以上である場合には「1−6」という操作ステップに進むことになる。
【0061】
図6は、本実施の形態に係る手順・表示要素統合画面作成部150により作成され、入出力機器170の一画面の外枠300内に表示される、操作画面レイアウトの一例を示す図である。本実施の形態に係る手順・表示要素統合画面作成部150は、現在の操作ステップの前後に同手順操作ステップを追加していくことにより、操作画面レイアウトを作成していく。この作成中に、手順・表示要素統合画面作成部150は、現在の操作ステップを含む操作手順に分岐があると判断した場合には、手順シーケンス表示310の該当する部分を分岐させる。そして、手順・表示要素統合画面作成部150は、分岐先の操作ステップの手順情報520及び表示項目と、対応する分岐条件式532とを互いに対応付けて入出力機器170の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する。この結果、図6に示されるように、上述の手順シーケンス表示310の分岐部分314が表示されるとともに、分岐条件式532が分岐条件表示315A,315Bとして表示されることになる。
【0062】
なお、すでに操作が行われた操作手順の分岐については、実際に操作された操作ステップのみを表示するようにしてもよい。
【0063】
以上のような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、操作手順に分岐がある場合に、分岐先の操作ステップと、対応する分岐条件式532とを互いに対応付けて表示することが可能となる。したがって、条件分岐を視覚的に表示することができることから、操作手順を容易に理解することができ、認知負荷を軽減することができる。
【0064】
<実施の形態4>
以下、本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の説明において、実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置と同じ構成要素については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
【0065】
図7は、本実施の形態4に係る手順・表示要素統合画面作成部150の内部構成を示すブロック図である。手順・表示要素統合画面作成部150は、表示要素結合部151と、表示要素変更部152と、画面配置決定部153とを備える。
【0066】
表示要素結合部151は、図2に示される表示項目ID541に基づいて、表示項目を構成する複数の表示要素を階層的にグループ化する。ここで、1つのグループ単位に属する表示要素の数は、下位の階層に進むごとに、少なくなるものとなっている。
【0067】
例えば、図2に示される「1−3」という操作手順・ステップID510の表示項目情報540には、3つの表示要素が登録されている。この3つの表示要素のうち、1つの表示要素には表示項目ID541の左側IDとして「1」が付与されており、残りの2つの表示要素には、表示項目ID541の左側IDとして「2」が付与されている。つまり、操作手順・ステップID510が「1−3」という上位グループに属する表示要素の数は3つであるが、表示項目ID541の左側IDが「1」という下位グループに属する表示要素の数は1つであり、表示項目ID541の左側IDが「2」という下位グループに属する表示要素の数は2つである。つまり、下位の階層に進むと、1つのグループ単位に属する表示要素の数が少なくなっている。
【0068】
同様に、表示項目ID541の右側IDを用いれば、1つのグループ単位に属する表示要素の数は少なくなる。
【0069】
以上のように、本実施の形態においては、複数の表示要素は、1つのグループ単位に属する表示要素の数が下位の階層に進むにつれて少なくなっていくように階層的にグループ化される。
【0070】
表示要素変更部152は、操作画面レイアウトにおける複数の表示要素の配置を、上述のグループ単位で変更する。また、表示要素変更部152は、複数の表示要素における配置の変更に係るグループ単位を、下位の階層から上位の階層へと変更していく。画面配置決定部153は、表示要素変更部152で変更された複数の表示要素の配置に対して視認性を評価する視認性評価値を算出し、当該視認性評価値に基づいて、表示要素変更部152に複数の表示要素の配置を再帰的に変更させる。
【0071】
次に、表示要素変更部152と画面配置決定部153の動作について詳しく説明する。表示要素変更部152は、まず、最下位のグループ単位を形成している表示要素の配置を変更する。
【0072】
例えば、図2に示される「1−3」という操作手順・ステップID510の表示項目情報540には、1つの「Symbol」及び2つの「Button」という合計3つの表示要素が登録されている。このうち、2つの「Button」という表示要素には、表示項目ID541での左側IDとして「2」が付されており、最下位のグループ単位を形成している。しがたって、この例においては、表示要素変更部152は、まず、最下位のグループ単位を形成している2つの「Button」という表示要素の配置を変更する。
【0073】
その後、画面配置決定部153は、表示要素変更部152により変更された複数の表示要素の配置の視認性を評価する視認性評価値を、表示画面の余白の分布などから算出する。そして、視認性評価値が所定の基準を満たさない場合には、画面配置決定部153は、グループ単位を変更せずに、表示要素変更部152に複数の表示要素の配置を再帰的に変更させる。この変更は、視認性評価値が所定の基準を満たすまで繰り返される。
【0074】
視認性評価値が所定の基準を満たした場合には、表示要素変更部152は、操作画面レイアウトにおける複数の表示要素の配置を、すでに変更した表示要素間の配置を維持しつつ、より上位のグループ単位で変更する。
【0075】
例えば、図2に示される「1−3」という操作手順・ステップID510の表示項目情報540に登録されている3つの表示要素は、上述の最下位のグループ単位よりも上位のグループ単位を形成している。したがって、この例においては、表示要素変更部152は、すでに変更した2つの「Button」という表示要素間の配置を維持しつつ、当該3つの表示要素の配置を変更する。以下、この変更について、図を用いて具体的に説明する。
【0076】
図8及び図9は、表示要素変更部152及び画面配置決定部153が、当該3つの表示要素411A〜411Cの配置を変更する様子を示す図である。これら図8及び図9に示される表示要素411A、及び、表示要素411B,411Cは、図2に示される「1−3」という操作手順・ステップID510における1つの「Symbol」という表示要素、及び、2つの「Button」という表示要素にそれぞれ対応している。
【0077】
この例において、画面配置決定部153は、図8に示される表示要素411A〜411Cの配置の視認性評価値を算出する。ここで、図8に示される表示要素411A〜411Cの配置は高さ方向の余白が少ないものとなっていることから、画面配置決定部153により算出された当該視認性評価値は所定の基準を満たさない。この場合に、画面配置決定部153は、高さ方向の大きさを抑制するように、表示要素変更部152に3つの表示要素411A〜411Cの配置を再帰的に変更させる。そうすると、表示要素変更部152は、すでに変更した表示要素411Bと表示要素411Cとの間の配置は変更しないで、3つの表示要素411A〜411Cの配置を再帰的に変更する。これにより、図9に示されるように、高さ方向、幅方向ともに十分な余白が確保された状態で、表示要素411A〜411Cが配置される。
【0078】
その後、画面配置決定部153は、図9に示される表示要素411A〜411Cの配置の視認性評価値を算出し、算出された当該視認性評価値が所定の基準を満たす場合には、表示要素411A〜411Cの配置決定探索を終了する。これより、最終的には、表示項目を構成する表示要素411A〜411Cの視認性評価値が所定の基準を満たすことになる。
【0079】
以上のような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、視認性評価値に基づいて、複数の表示要素の配置が再帰的に変更される。したがって、表示要素配置に関する選択肢を増やすことができるとともに、画面余白に偏りが生じることなく、視認性の良い表示を行うことができる。
【0080】
<実施の形態5>
大規模プラントにて想定されうる事故事象は多数存在しており、同じ種類の事故であっても、破損の規模などにより、事故対応操作は異なる場合がある。しかし、実際のプラント操作マニュアルにおいては典型的な事例しか書かれていないことから、作業者が、実際の操作を行う際には、プラント操作マニュアルを参考にしつつ、状況に応じてマニュアルに記載の作業内容を変更したり、追加したりすることが多い。それにもかかわらず、例えば、特許文献1に記載の装置においては、各プラント状態に対し、画面に表示すべき表示項目が固定されていることから、画面表示を切り替えて、所望の計測値を探し出さなければならず、手間がかかる。そこで、本実施の形態5では、プラント操作マニュアルを一部編集・変更した操作を実施することが可能となっている。
【0081】
図10は、本実施の形態5に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の構成を示す図である。以下、本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の説明において、実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置と同じ構成要素については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
【0082】
本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置は、実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置に、表示要素編集部230と、操作手順作成部240とが加わったものとなっている。
【0083】
入出力機器170の入力部170aは、入出力機器170の一画面に表示される手順情報520及び表示項目を含む操作画面レイアウトを編集するための外部操作を受け付け、それに応じた入力信号を表示要素編集部230に出力する。
【0084】
表示要素編集部230は、入力部170aからの入力信号に基づいて、入出力機器170の一画面に表示される操作画面レイアウトにおける手順情報520及び表示項目を含む操作画面レイアウトを編集する。ここで、入力信号は、入力部170aが受け付けた操作に対応することから、表示要素編集部230は、入力部170aが受け付けた操作に基づいて、入出力機器170の一画面に表示される操作画面レイアウトにおける手順情報520及び表示項目を含む操作画面レイアウトを編集することになる。また、表示要素編集部230は、編集した内容を示す編集情報を操作手順作成部240に出力する。
【0085】
操作手順作成部240は、表示要素編集部230からの編集情報に基づいて、操作手順情報データベース210に登録されている手順情報520及び表示項目情報540を含む操作手順情報500を変更する。ここで、編集情報は、入力部170aが受け付けた操作に対応することから、操作手順作成部240は、入力部170aが受け付けた操作に基づいて、操作手順情報データベース210に登録されている手順情報520及び表示項目を含む操作手順情報500を変更することになる。
【0086】
図11及び図12は、表示要素編集部230が、入出力機器170の画面に表示されている操作画面レイアウトを編集する前後の様子を示す図である。以下、図11及び図12を用いて、監視対象となっていない計測値情報(表示要素)の追加について説明する。
【0087】
図11は編集前に入出力機器170に表示される画面を示すものである。図11に示すように、入出力機器170の画面には、「値B,C,Dを確認する」という手順情報520が手順情報表示320として表示され、これらにそれぞれ対応する3つの計測値情報(表示要素)が画像情報表示330として表示されている。
【0088】
操作画面レイアウトが表示されている画面には、作業者が入力部170aを介して操作される画面ポインタ352が付加的に表示されている。この画面ポインタ352により、画像情報表示330に追加したい計測値(ここでは計測値I)を示す計測値アイコン351が選択され、当該画像情報表示330上にドラッグアンドドロップされる。この場合に、表示要素編集部230は、手順・表示要素統合画面作成部150に対し、手順情報表示320には「値Iを確認する」という定型文からなる手順情報520を追加する指令とともに、画像情報表示330には計測値Iを示す計測値情報(表示要素)を追加する指令を出力する。手順・表示要素統合画面作成部150は、表示要素編集部230からの指令に基づいて、入出力機器170に表示される操作画面レイアウトを編集し、当該操作画面レイアウトを画面表示制御部160に出力する。
【0089】
図12は編集後に入出力機器170に表示される画面を示すものである。図12に示すように、入出力機器170の画面には、「値B,C,Dを確認する」及び「値Iを確認する」という手順情報520が手順情報表示320として表示され、これらにそれぞれ対応する4つの計測値情報(表示要素)が画像情報表示330として表示される。
【0090】
操作手順作成部240は、表示要素編集部230から手順情報520及び表示項目の追加を示す編集情報を受け取り、操作手順情報500の該当する箇所の情報を上書きする。
【0091】
なお、以上においては、グラフィカルユーザインタフェース装置が、監視の対象となる表示項目に計測値情報(表示要素)を追加する動作について説明した。しかし、本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置においては、計測値情報の追加だけでなく、監視の対象となる表示項目から計測値情報(表示要素)を削除してもよいし、画面表示の配置や操作手順の順序を変更してもよい。
【0092】
以上のような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、入力部170aを操作することにより、操作画面レイアウト及び操作手順情報500を編集・変更することができる。したがって、プラント操作マニュアルを一部編集・変更した操作を実施することができる。
【0093】
<実施の形態6>
大規模プラントにおいては、複数の制御操作担当者が、互いに連携を取りながらプラント操作を行う場合がある。ハードウェアのレイアウトの関係上、一般に、各操作担当者は互いに離れた場所に位置しており、互いの操作内容を目視で確認することはできないことから、連携して操作を実施する際には、口頭によって互いの作業内容を確認している。しかし、プラント事故発生時には、監視制御室内に警報音等が鳴ることから、口頭で確認しながら連携操作を実施するのは困難である。そこで、本実施の形態6では、確実かつ容易に連携操作を実施することが可能となっている。
【0094】
図13は、本実施の形態6に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の構成を示す図である。以下、本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の説明において、実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置と同じ構成要素については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
【0095】
本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置は、実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置に、協調操作情報データベース250と、協調操作解析部260とが加わったものとなっている。また、それぞれが入出力機器170に相当する複数台の入出力機器170A〜170Cが設けられている。
【0096】
図14は、協調操作情報データベース250に登録されている協調操作手順情報700の内容例を示す図である。この図14に示される協調操作手順情報700は、各協調操作手順に固有に付与される協調操作ID710と、協調操作手順720とから構成されている。
【0097】
協調操作情報データベース250は、並行して進行されるべき複数の操作手順に含まれる複数の操作ステップが互いに組み合わされてなる協調操作手順720が登録されている。本実施の形態では、協調操作手順720には、操作手順情報500に登録されている複数の操作手順・ステップID510(操作ステップ)が、操作実施順に組み合わされて登録されている。この協調操作手順720は、「2」という操作手順に含まれる「2−1」〜「2−4」という操作ステップと、「3」という操作手順に含まれる「3−1」〜「3−3」という操作ステップとから構成されている。
【0098】
操作ステップは、図14に示す協調操作手順720の上側から下側に向かう順に行われる。具体的には、「2−1」、「3−1」、「2−2」及び「3−2」という操作ステップが順に実施された後、「3−3」という操作ステップが実施されつつ、「2−3」及び「2−4」という操作ステップが実施されることになる。なお、ここでは、2つの操作手順を組合せてなる協調操作手順720を説明したが、協調操作手順720は、3つ以上の操作手順を組合せて構成されてもよい。
【0099】
図13に戻って、協調操作解析部260は、操作判定部130で判定された現在の操作ステップに基づいて、協調操作手順720に含まれる複数の操作ステップのうち表示すべき操作ステップを決定する。本実施の形態では、協調操作解析部260は、操作判定部130で判定された現在の操作ステップに基づいて、協調操作手順720に含まれる複数の操作ステップのうち、当該現在の操作ステップを含む前後の操作ステップを決定する。
【0100】
手順・表示要素統合画面作成部150は、協調操作解析部260で決定された操作ステップを操作手順ごとに区分してインタフェース装置の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する。
【0101】
図15は、本実施の形態に係る手順・表示要素統合画面作成部150により作成され、入出力機器170の一画面の外枠300内に表示される、操作画面レイアウトの一例を示す図である。この操作画面レイアウトは、図14で示した協調操作手順720のうち、「2−1」、「3−1」、「2−2」及び「3−2」という操作ステップを含んだものとなっている。
【0102】
この操作画面レイアウトにおいては、上側から下側に向かう方向に沿って複数の操作ステップが実施されるべき順番に配置されている。具体的には、「3−1」という操作ステップは、「2−1」及び「2−2」という操作ステップの間に実施されることから、操作画面レイアウトの上下方向において、「3−1」という操作ステップが、「2−1」及び「2−2」という操作ステップの間に配置されている。そして「3−2」という操作ステップは、「2−2」という操作ステップの後に実施されることから、操作画面レイアウトの上下方向において、「3−2」という操作ステップが、「2−2」という操作ステップの下方に配置されている。
【0103】
また、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、現在の操作ステップ(ここでは「手順2−2」及び「手順3−1」)は、それ以外の操作ステップと区別可能に強調表示されている。これにより、作業者の注意を現在の操作ステップに向けることが可能となっている。
【0104】
以上のような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、協調操作手順に含まれる操作ステップが、操作手順ごとに区分されて一画面に表示される。したがって、複数名で協調作業が行われる状況において、操作担当者と監督者との間の口頭によるコミュニケーションが警報音等によって妨げられる場合であっても、操作担当者及び監督者は、視覚を通じて協調作業内容を共有することができる。よって、確実かつ容易に連携操作を実施することができる。
【0105】
<実施の形態7>
実施の形態2では、上述の手順操作ステップの一部を抜粋して表示するものとして、現在の操作ステップを含む前後の同手順操作ステップのみを入出力機器170上に表示する手法について述べた。
【0106】
しかしながら、例えば、実施の形態5で述べた表示要素の追加編集が数多く実施された場合には、選択及び追加された表示要素の表示に必要な面積が拡大し、入出力機器170の表示エリア上に収まりきらなくなる可能性がある。
【0107】
そこで、本実施の形態では、前後の手順操作ステップを変更(追加)した場合に、変更後の表示要素情報に対し、手順・表示要素統合画面作成部150(例えば実施の形態4に係る画面配置決定部153)が、視認性を評価する視認性評価値を算出し、当該視認性評価値が予め定められた範囲の上限値を超えるか否かを判定する。そして、当該視認性評価値が当該上限値を超える場合には、表示要素選択部140は、変更後の表示要素情報よりもデータ量が少ない表示要素情報を再選択する。これにより、表示要素を適度に間引いて入出力機器170の表示エリア上に表示することができる。
【0108】
また逆に、例えば、実施の形態5で述べた表示要素の削除編集が実施された場合には、入出力機器170の表示エリア上に比較的大きな面積の空白が生じ、その空白部分が無駄となる。そこで、本実施の形態では、前後の手順操作ステップを変更(削除)した場合に、上述と同様にして、手順・表示要素統合画面作成部150(例えば実施の形態4に係る画面配置決定部153)が、視認性評価値が予め定められた範囲の下限値より低いか否かを判定する。そして、当該視認性評価値が当該下限値より低い場合には、表示要素選択部14は、変更後の表示要素情報よりもデータ量が多い表示要素情報を再選択する。これにより、表示エリア上の空白を有効利用することができる。
【0109】
以上のような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、視認性を考慮して入出力機器170の表示エリア上に表示すべき手順操作ステップの範囲を適切に選択できることから、情報を過不足なく提示でき、また作業者が画面を編集する場合にも視認性を保つことができる。
【符号の説明】
【0110】
110 実プラント、130 操作判定部、140 表示要素選択部、150 手順・表示要素統合画面作成部、152 表示要素変更部、153 画面配置決定部、170,170A〜170C 入出力機器、170a 入力部、210 操作手順情報データベース、230 表示要素編集部、240 操作手順作成部、250 協調操作情報データベース、260 協調操作解析部、411A〜411C 表示要素、500 操作手順情報、520 手順情報、530 分岐情報、532 分岐条件式、600 表示要素情報、720 協調操作手順。
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラントの監視制御を行う監視制御システムにおけるグラフィカルユーザインタフェース装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大規模プラントの監視制御を行う場合、一般に、プラントの各機器に設置されたセンサー情報を、中央監視制御盤にて一括監視されている。
【0003】
近年、中央監視制御盤のソフトウェア化が進んでおり、従来のハードウェア表示計やハードウェアスイッチに代わって、中央監視制御盤におけるプラント計測値の表示と機器の制御にグラフィカルユーザインタフェースが用いられるようになってきている。これにより、監視制御システムを小型化できるとともに、オペレータの操作負荷が軽減できるようになっている。
【0004】
通常、監視制御システムにおける監視制御業務体制では、1名以上の制御操作担当者と、1名以上の作業監督者とで構成されており、各制御操作担当者及び作業監督者には、専用のプラント監視制御入出力装置が用意されている。監視制御業務を行う際には、作業監督者及び制御操作担当者が、各々自分に与えられた入出力装置を利用しつつ、これらの者の間で、口頭にて指示、確認及び報告を行いながら作業を進めている。特に、プラントの定期点検や事故に関連する操作を行う場合には、口頭にて指示、確認及び報告を行うだけでなく、プラント操作マニュアルに記載されている手順を確認しつつ、そのマニュアルに従って操作が行われる。
【0005】
安全性の確保が強く求められる大規模プラントにおいては、作業者が単独で操作を実施するのではなく、上述のように、複数名の作業者が、プラント操作マニュアル及び互いの作業内容を確認し合いながら操作を実施するのが通例となっている。
【0006】
さて、大規模プラントにおいては、監視制御の対象項目が多く、監視制御画面のページ数や1ページにおける情報量が多くなっている。したがって、作業者が、実際にプラントの定期点検等を行う場合には、プラント操作マニュアルに記載された数多くの表示項目の中から、現在の操作に必要な表示項目を探し出しながら、入出力装置等を操作しなければならない。つまり、定期点検等を行う場合には、作業者の認知負荷が高い状態にある。
【0007】
そこで、特許文献1に記載のように、異常時や事故時などの際にプラントを操作するための操作対象とすべき表示項目をデータベースに予め記録しておき、プラントからのデータに基づいて、システムが表示すべき当該表示項目を表示する画像が自動で作成される技術が提案されている。この装置によれば、作業者が現在の操作を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6−27287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の大規模プラントの操作において、作業者が各操作を正しく実施するためには、プラント操作マニュアルに記載されている操作目的と操作手法の双方を正しく理解しておくことが望ましい。しかし、特許文献1の装置では、操作対象となる表示項目が表示されるが、操作目的や、観測されるデータの指標値がどのような情報であるかが表示されない。したがって、作業者は、それらを理解するために、結局、プラント操作マニュアルを別途確認しつつ、操作を行わなければならないという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、容易に操作マニュアルを確認しつつ操作可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るグラフィカルユーザインタフェース装置は、プラントの監視制御を行う監視制御システムにおけるグラフィカルユーザインタフェース装置であって、操作マニュアルを構成する文字情報と、作業者の操作対象となる表示項目とが操作ステップごとに登録されている操作手順情報データベースを備える。そして、前記表示項目を構成する表示要素に関する表示要素情報が登録されている表示要素情報データベースと、前記プラントからの情報に基づいて、現在の前記操作ステップを判定する操作判定部と、前記操作判定部で判定された前記現在の操作ステップの前記表示項目に関し、前記表示要素情報データベースから前記表示要素情報を選択する表示要素選択部とを備える。そして、前記表示要素選択部で選択された前記表示要素情報に基づいて、前記現在の操作ステップの前記文字情報及び前記表示項目をインタフェース装置の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する手順・表示要素統合画面作成部を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、現在の操作ステップに関し、プラント操作マニュアルの文字情報と、操作対象となる表示項目とがインタフェース装置の一画面に表示される。したがって、作業者は、インタフェース装置の画面において容易にプラント操作マニュアルを確認することができるとともに、そのプラント操作マニュアルとの突き合せをしながら、現在の操作ステップの操作を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の構成を示すブロック図である。
【図2】操作手順情報データベースに登録される内容例を示す図である。
【図3】表示要素情報データベースに登録される内容例を示す図である。
【図4】実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置により作成される操作画面レイアウトを示す図である。
【図5】実施の形態2に係るグラフィカルユーザインタフェース装置により作成される操作画面レイアウトを示す図である。
【図6】実施の形態3に係るグラフィカルユーザインタフェース装置により作成される操作画面レイアウトを示す図である。
【図7】実施の形態4に係る手順・表示要素統合画面作成部の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態4に係る表示要素の配置例を示す図である。
【図9】実施の形態4に係る表示要素の配置例を示す図である。
【図10】実施の形態5に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の構成を示すブロック図である。
【図11】実施の形態5に係るグラフィカルユーザインタフェース装置により作成される操作画面レイアウトを示す図である。
【図12】実施の形態5に係るグラフィカルユーザインタフェース装置により作成される操作画面レイアウトを示す図である。
【図13】実施の形態6に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の構成を示すブロック図である。
【図14】協調操作情報データベースに登録される内容例を示す図である。
【図15】実施の形態6に係るグラフィカルユーザインタフェース装置により作成される操作画面レイアウトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の構成を示す図である。当該グラフィカルユーザインタフェース装置は、実プラント110の監視制御を行う監視制御システムにおけるグラフィカルユーザインタフェース装置であって、オンラインデータ収集部120と、操作判定部130と、表示要素選択部140と、手順・表示要素統合画面作成部150と、画面表示制御部160と、画面を有する入出力機器170と、操作手順情報データベース210と、表示要素情報データベース220とを備える。
【0015】
入出力機器170は、それ自身がインタフェース装置であり、作業者による入力操作などの外部操作を受け付ける入力部170aと、自身の画面に画像を表示する出力部170bとを機能的に有している。
【0016】
まず、グラフィカルユーザインタフェース装置の詳細な説明をする前に、この概要について説明する。
【0017】
操作手順情報データベース210には、プラント操作マニュアルを構成する文字情報と、作業者の操作対象となる表示項目とが登録されている。操作判定部130は、実プラント110からの情報に基づいて、作業者が現在操作すべき、または、現在操作されている操作ステップ(以下「現在の操作ステップ」と呼ぶ)を判定する。表示要素選択部140は、表示要素情報データベース220に登録されている、上記表示項目を構成する表示要素の情報のうち、現在の操作ステップに関する情報を選択する。手順・表示要素統合画面作成部150は、表示要素選択部140で選択された情報に基づいて、現在の操作ステップの上記文字情報と表示項目とを入出力機器170の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する。
【0018】
このような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、現在の操作ステップに関し、プラント操作マニュアルの文字情報と、作業者の操作対象となる表示項目とが一画面に表示される。したがって、作業者は、操作マニュアルの冊子等をわざわざ開けなくても、入出力機器170の画面において容易に操作マニュアルを確認することができる。また、作業者は、その画面に表示された操作マニュアルとの突き合せをしながら現在の操作ステップの操作を実施することができる。
【0019】
ここで、操作とは、入力部170aにおける外部操作だけでなく、入出力機器170に表示される実プラント110の計測値を監視することも含んでいるものとする。また、実プラント110の監督者及び制御操作担当者を区別せずに、それぞれを作業者と呼んでいる。次に、このような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の構成要素について詳細に説明する。
【0020】
実プラント110の各計測点には計測センサー(図示せず)がそれぞれ設置されており、各計測センサーは、自身が計測した計測値を示す計測値情報をオンラインデータ収集部120に発信する。オンラインデータ収集部120は、複数の計測センサーから発信された計測値情報を収集し、操作判定部130及び画面表示制御部160に送信する。
【0021】
図2は、操作手順情報データベース210に登録されている操作手順情報500の内容例を示す図である。この図に示すように、操作手順情報500は、各操作ステップに固有に付与される操作手順・ステップID510と、操作信号511と、手順情報520と、分岐情報530と、表示項目情報540とを含んでいる。
【0022】
以下、この操作手順情報500について詳細に説明する。ただし、分岐情報530は後の実施の形態3で使用される情報であることから、ここでは分岐情報530についての説明を省略する。
【0023】
操作手順・ステップID510は、各操作ステップに固有に付与されるIDである。操作手順・ステップID510は、操作されるべき順に序列付けられた複数の操作ステップからなる操作手順も識別可能にしている。例えば、図2に示される「1−1」という操作手順・ステップID510は、「1」という操作手順における「1」という操作ステップを示し、「1−2」という操作手順・ステップID510は、「1」という操作手順における「2」という操作ステップを示している。このように、本実施の形態では、序列付けられた複数の操作ステップを含む操作手順が操作手順情報データベース210に登録されている。
【0024】
なお、以下の説明においては、『「1−2」という操作手順・ステップID510の操作ステップ』等の記載を、『「1−2」という操作ステップ』等のように簡単に記載することもある。
【0025】
操作信号511は、入出力機器170が作業者の入力操作に応じて出力する入力信号や、実プラント110の計測値情報から生成された警報信号などの信号の総称であり、操作信号511のそれぞれに固有のIDが付与されている。この操作信号511は、後述するように、操作判定部130が現在の操作ステップ等を判定する際に用いられる。
【0026】
手順情報520は、プラント操作マニュアルを構成する文字情報であり、操作手順・ステップID510(操作ステップ)ごとに登録されている。表示項目情報540には、作業者の操作対象となる表示項目が、操作手順・ステップID510(操作ステップ)ごとに登録されている。したがって、本実施の形態においては、操作手順情報データベース210には、手順情報520と、作業者の操作対象となる表示項目とが操作ステップごとに登録されている。
【0027】
表示項目情報540においては、操作手順・ステップID510ごとに、表示項目ID541と、表示内容542とが登録されており、必要に応じて配置条件543も登録されている。
【0028】
表示項目ID541は、階層的な構造を持つIDであり、表示要素を階層的にグループ化するものである。なお、表示要素は、上述したように、作業者の操作対象となる表示項目を構成するものである。つまり、1つの表示項目は、1つ以上の表示要素から構成されている。
【0029】
表示内容542は、表示要素の属性を示す表示要素属性610と、各表示要素に固有に付与される表示要素ID620とから構成されている。例えば、図2に示される「1−3」という操作手順・ステップID510の表示項目は、表示項目情報540に示される3つの表示要素から構成されている。より具体的には、1つ目の表示要素として、左側に「1」が付された表示項目ID541と、「Symbol」という表示要素属性610と、「0005」という表示要素ID620とが登録されている。2つ目の表示要素として、左側及び右側に「2」及び「1」がそれぞれ付された表示項目ID541と、「Button」という表示要素属性610と、「0006」という表示要素ID620とが登録されている。3つ目の表示要素として、左側及び右側に「2」及び「2」がそれぞれ付された表示項目ID541と、「Button」という表示要素属性610と、「0007」という表示要素ID620とが登録されている。表示内容542に登録されている表示要素属性610及び表示要素ID620は、後述する表示要素情報600も構成する。
【0030】
なお、以下の説明においては、『「Button」という表示要素属性610の表示要素』等の記載を、『「Button」という表示要素』等のように簡単に記載することもある。
【0031】
配置条件543は、表示要素の配置に関する制約情報である。例えば、図2に示される「1−3」という操作手順・ステップID510において、2つの「Button」という表示要素には、それぞれ「上下方向」という配置条件543が登録されている。このような場合には、これら2つの表示要素は、左右等の方向には配置されずに、上下方向に配置されることになる。
【0032】
図1に戻って、操作判定部130は、オンラインデータ収集部120から送信された計測値情報、つまり、実プラント110からの情報に基づいて、操作手順情報データベース210に登録されている操作手順情報500とマッチングを行い、現在の操作ステップを判定する。例えば、操作判定部130は、実プラント110からの情報と、操作手順情報500の操作信号511の発生履歴とをパターンマッチングする手法などを用いて、現在の操作ステップを判定する。
【0033】
また、操作判定部130は、現在の操作ステップを判定する際に、当該現在の操作ステップと同じ操作手順に含まれる複数の操作ステップ(以下「同手順操作ステップ」と呼ぶこともある)も判定する。例えば、操作判定部130は、「1−3」の操作ステップを、現在の操作ステップとして判定した場合には、「1」という操作手順に含まれる「1−1」、「1−2」、「1−3」、「1−4」、…の操作ステップを、同手順操作ステップとして判定する。
【0034】
図3は、表示要素情報データベース220に登録されている表示要素情報600の内容例を示す図である。この図3に示すように、表示要素情報データベース220には表示要素に関する表示要素情報600が登録されており、表示要素情報600は、表示要素属性610と、表示要素ID620と、信号ID630と、画像ID640と、表示サイズ情報650とから構成されている。次に、表示要素情報600の各構成要素について説明する。
【0035】
上述したように、表示要素属性610は表示要素の属性を示すものであり、表示要素ID620は各表示要素に固有に付与されるIDである。図3に示されるように、表示要素属性610と表示要素ID620との組合せごとに、信号ID630、画像ID640、表示サイズ情報650が登録される。
【0036】
信号ID630は、実プラント110の計測値情報の信号、または、当該計測値情報から生成された信号を識別する識別子である。画像ID640は、システム上に登録された表示要素の画像を示す識別子である。なお、この画像ID640の箇所には、表示要素の画像が直接登録されていてもよい。表示サイズ情報650は、表示項目として画面上に表示される表示要素の大きさに関する情報であり、高さ情報651と幅情報652とから構成されている。
【0037】
図1に戻って、表示要素選択部140は、操作判定部130で判定された現在の操作ステップの表示項目に関し、上述の表示内容542から表示要素属性610及び表示要素ID620を取得する。そして、表示要素選択部140は、取得した表示要素属性610及び表示要素ID620に基づいて、表示要素情報データベース220から、対応する信号ID630、画像ID640及び表示サイズ情報650を選択する。このように、表示要素選択部140は、操作判定部130で判定された現在の操作ステップの表示項目に関し、表示要素情報データベース220から表示要素情報600を選択する。現在の操作ステップ以外の同手順操作ステップについても同様に、表示要素選択部140は、操作判定部130で判定された同手順操作ステップの表示項目に関し、表示要素情報データベース220から表示要素情報600も選択する。
【0038】
手順・表示要素統合画面作成部150は、表示要素選択部140で選択された表示要素情報600に基づいて、現在の操作ステップ等の手順情報520及び表示項目を入出力機器170の一画面に同時に表示するための操作画面レイアウトを作成する。この操作画面レイアウトの作成については後で詳細に説明する。
【0039】
画面表示制御部160は、手順・表示要素統合画面作成部150が作成した操作画面レイアウト上に、オンラインデータ収集部120が収集した計測値情報を組み込んで、オンライン監視制御画面を生成する。
【0040】
画面表示制御部160が生成したオンライン監視制御画面、つまり、計測値情報が組み込まれた操作画面レイアウトは、入出力機器170において表示されることにより、作業者等に閲覧される。なお、本実施の形態では、インタフェース装置として、タッチパネルデバイスなどの入出力機器170、つまり、入力部170aと出力部170bとを併せ持つハードウェアを想定している。しかし、インタフェース装置は、これに限ったものではなく、入力部170aとしてキーボード・マウスを有し、出力部170bとして表示ディスプレイデバイスを有するというように、入力部170aと出力部170bとが別々のハードウェアで構成されるものであってもよい。
【0041】
次に、手順・表示要素統合画面作成部150の作成動作について説明する。
【0042】
図4は、本実施の形態に係る手順・表示要素統合画面作成部150により作成され、入出力機器170の一画面の外枠300内に表示される、操作画面レイアウトの一例を示す図である。以下、図4を用いて、この作成動作を用いて具体的に説明する。なお、この図4において、操作判定部130は、現在の操作ステップとして「1−3」という操作ステップを判定し、その同手順操作ステップとして「1−1」、「1−2」、「1−3」、「1−4」という操作ステップを判定したものとする。
【0043】
図4に示されるように、操作判定部130で判定された「1−1」〜「1−4」という現在の操作ステップを含む同手順操作ステップの操作手順・ステップID510が、シーケンス図形式の表示手法を用いて画面左側に、手順シーケンス表示310として表示される。例えば、「1−1」という操作手順・ステップID510は、手順シーケンス表示310において、「手順1−1」と表示される。なお、手順シーケンス表示310のうち、現在の操作ステップ(ここでは「手順1−3」)は、それ以外の操作ステップと区別可能に強調表示されている。これにより、作業者の注意を現在の操作ステップに向けることが可能となっている。
【0044】
手順シーケンス表示310として表示される各操作手順・ステップID510の右隣には、当該操作手順・ステップID510に対応する手順情報520が、手順情報表示320A〜320Dとして表示される。例えば、図3に示される「1−3」という操作手順・ステップID510には、「弁Eを開ける」という手順情報520が対応している。したがって、図4に示されるように、手順シーケンス表示310における「手順1−3」の右隣には、「弁Eを開ける」という手順情報520が、手順情報表示320Cとして表示される。
【0045】
手順シーケンス表示310として表示される各操作手順・ステップID510の右側(手順情報表示320A〜320Dの右隣)には、当該操作手順・ステップID510に対応する表示項目情報540の表示項目が、画像情報表示330A〜330Dとして表示される。つまり、表示項目を構成する複数の表示要素の画像が、画像情報表示330A〜330Dとして表示される。
【0046】
一つの例として、図3に示される操作手順情報500における、「1−2」という操作手順・ステップID510に対応する表示項目情報540には、3つの「Value」という表示要素が登録されている。ここで、表示要素属性610が「Value」である場合には、オンラインデータ収集部120により収集された計測値情報が、画面表示制御部160によって表示要素に組み込まれる。以下、操作画面レイアウトを示す図において、表示要素に組み込まれた計測値情報を「XXX.X」と記す。こうして、図4に示されるように、手順情報表示320Bの右隣には、3つの表示要素(3つの計測値情報)からなる表示項目が、画像情報表示330Bとして表示される。この画像情報表示330Bは、作業者の監視の対象となる。
【0047】
また、別の例として、図3に示される操作手順情報500における、「1−3」という操作手順・ステップID510に対応する表示項目情報540には、1つの「Symbol」及び2つの「Button」という合計3つの表示要素が登録されている。したがって、図4に示されるように、手順情報表示320Cの右隣には、3つの表示要素(1つの円形記号及び2つのボタンの画像)からなる表示項目が、画像情報表示330Cとして表示される。この画像情報表示330Cは、作業者の操作の対象となる。
【0048】
なお、本実施の形態においては、操作画面レイアウト上に1つの表示要素が表示されるエリア(以下「表示要素エリア」と呼ぶ)の形状は矩形状となっている。
【0049】
この表示要素エリアのサイズは、図3に示される表示サイズ情報650などによって定義されている。例えば、同図3に示される「0001」という表示要素ID620を例にとると、対応する表示要素、より具体的には「G0001」という画像ID640が示す画像には、高さ方向に10以上、幅方向に30以上の大きさの表示要素エリアが定義されている。一方、計測値情報などの文字情報及び数値情報には、文字数や行数に応じた表示要素エリアが定義される。
【0050】
表示要素エリアの配置に関する制約条件は、表示項目ID541と、配置条件543とによって定義される。手順・表示要素統合画面作成部150は、表示要素エリアが互いに重ならないように、かつ、配置に関する制約条件を満たすように、表示要素エリアの配置を決定する。なお、表示要素エリアの配置の際には、画面左側から順番に並べるなどのルールベースで行ったり、数理計画手法を用いたりすることにより決定する。
【0051】
以上のように、手順・表示要素統合画面作成部150は、表示要素選択部140で選択された表示要素情報600に基づいて、現在の操作ステップの手順情報520及び表示項目を入出力機器170の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを自動的に作成する。本実施の形態においては、手順・表示要素統合画面作成部150は、表示要素選択部140で選択された表示要素情報600に基づいて、現在の操作ステップと同じ操作手順に含まれる複数の操作ステップの手順情報520及び表示項目を入出力機器170の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを自動的に作成する。
【0052】
以上のような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、現在の操作ステップに関し、プラント操作マニュアルの文字情報と、操作対象となる表示項目とが入出力機器170の一画面に表示される。したがって、作業者は、入出力機器170の画面において容易にプラント操作マニュアルを確認することができるとともに、そのプラント操作マニュアルとの突き合せをしながら、現在の操作ステップの操作を実施することができる。
【0053】
<実施の形態2>
実施の形態1において、プラント操作マニュアルに記載されている1つの操作手順に含まれる操作ステップの数が多い場合には、同手順操作ステップの全てが、入出力機器170の一画面に入りきらずに表示できない場合がある。そこで、本実施の形態2では、当該同手順操作ステップの一部を抜粋して表示するものとなっている。以下、本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の説明において、実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置と同じ構成要素については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
【0054】
図5は、本実施の形態に係る手順・表示要素統合画面作成部150により作成され、入出力機器170の一画面の外枠300内に表示される、操作画面レイアウトの一例を示す図である。本実施の形態に係る手順・表示要素統合画面作成部150は、現在の操作ステップの前後に同手順操作ステップを追加していくことにより、操作画面レイアウトを作成していく。この作成中に、手順・表示要素統合画面作成部150は、操作画面レイアウトの外郭が、入出力機器170の表示サイズ(画面サイズ)を超えると判断した場合には、図5に示すように、現在の操作ステップを含む前後の同手順操作ステップのみを表示可能な操作画面レイアウトを作成する。
【0055】
つまり、本実施の形態に係る手順・表示要素統合画面作成部150は、現在の操作ステップと同じ操作手順に含まれる全ての操作ステップの手順情報520及び表示項目を、入出力機器170の一画面に同時に表示できない場合には、現在の操作ステップを含む前後の操作ステップのみの手順情報520及び表示項目を入出力機器170の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する。この結果、図5に示されるように、上述の手順シーケンス表示310の一部311が表示されることになる。
【0056】
なお、図5に示される例では、アイコン表示312A,312Bと、矢印アイコン313A,313Bとが付加的に表示されている。ここで、アイコン表示312Aは、画面上に表示されている先頭の操作ステップの前に同手順操作ステップが存在することを意味し、アイコン表示312Bは、画面上に表示されている後尾の操作ステップの後に同手順操作ステップが存在することを意味している。
【0057】
そして、矢印アイコン313Aが作業者により1回操作されるごとに、手順・表示要素統合画面作成部150は、画面に表示される操作ステップが1つ繰り上がっていくように操作画面レイアウトを作成する。同様に、矢印アイコン313Bが作業者により1回操作されるごとに、手順・表示要素統合画面作成部150は、画面に表示される操作ステップが1つ繰り下がっていくように操作画面レイアウトを作成する。このように、作業者は、矢印アイコン313A,313Bを操作することにより、表示される操作ステップを自由に変更することが可能となっている。
【0058】
以上のような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、操作判定部130で判定された現在の操作ステップと同じ操作手順に含まれる全ての操作ステップを、入出力機器170の一画面に同時に表示できない場合には、現在の操作ステップを含む前後の操作ステップに限定して表示を行うことが可能となる。したがって、文字や表示シンボルを縮小することなく必要な情報を表示することができるため、視認性が低下するのを抑制することができる。また、入出力機器170の小型化も期待できる。
【0059】
<実施の形態3>
一般に、プラント操作マニュアルに記載の操作手順は、状況に応じて異なる手順が実行されるように分岐条件を有している。本実施の形態3では、操作手順に分岐がある場合に適切な表示が可能となっている。以下、本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の説明において、実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置と同じ構成要素については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
【0060】
図2に示されるように、操作手順情報500には、分岐に関する情報たる分岐情報530が登録されている。この分岐情報530は、分岐先の操作手順・ステップID510を示す分岐先ID531と、分岐の条件式を示す分岐条件式532とから構成されている。このように、本実施の形態では、操作手順情報データベース210には操作手順における分岐に関する情報が登録されている。なお、図2に示される操作手順情報500の例では、「1−3」という操作ステップの後、計測値Xと基準値yとが比較される。そして、計測値Xが基準値yより小さい場合には「1−4」という操作ステップに進み、計測値Xが基準値y以上である場合には「1−6」という操作ステップに進むことになる。
【0061】
図6は、本実施の形態に係る手順・表示要素統合画面作成部150により作成され、入出力機器170の一画面の外枠300内に表示される、操作画面レイアウトの一例を示す図である。本実施の形態に係る手順・表示要素統合画面作成部150は、現在の操作ステップの前後に同手順操作ステップを追加していくことにより、操作画面レイアウトを作成していく。この作成中に、手順・表示要素統合画面作成部150は、現在の操作ステップを含む操作手順に分岐があると判断した場合には、手順シーケンス表示310の該当する部分を分岐させる。そして、手順・表示要素統合画面作成部150は、分岐先の操作ステップの手順情報520及び表示項目と、対応する分岐条件式532とを互いに対応付けて入出力機器170の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する。この結果、図6に示されるように、上述の手順シーケンス表示310の分岐部分314が表示されるとともに、分岐条件式532が分岐条件表示315A,315Bとして表示されることになる。
【0062】
なお、すでに操作が行われた操作手順の分岐については、実際に操作された操作ステップのみを表示するようにしてもよい。
【0063】
以上のような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、操作手順に分岐がある場合に、分岐先の操作ステップと、対応する分岐条件式532とを互いに対応付けて表示することが可能となる。したがって、条件分岐を視覚的に表示することができることから、操作手順を容易に理解することができ、認知負荷を軽減することができる。
【0064】
<実施の形態4>
以下、本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の説明において、実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置と同じ構成要素については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
【0065】
図7は、本実施の形態4に係る手順・表示要素統合画面作成部150の内部構成を示すブロック図である。手順・表示要素統合画面作成部150は、表示要素結合部151と、表示要素変更部152と、画面配置決定部153とを備える。
【0066】
表示要素結合部151は、図2に示される表示項目ID541に基づいて、表示項目を構成する複数の表示要素を階層的にグループ化する。ここで、1つのグループ単位に属する表示要素の数は、下位の階層に進むごとに、少なくなるものとなっている。
【0067】
例えば、図2に示される「1−3」という操作手順・ステップID510の表示項目情報540には、3つの表示要素が登録されている。この3つの表示要素のうち、1つの表示要素には表示項目ID541の左側IDとして「1」が付与されており、残りの2つの表示要素には、表示項目ID541の左側IDとして「2」が付与されている。つまり、操作手順・ステップID510が「1−3」という上位グループに属する表示要素の数は3つであるが、表示項目ID541の左側IDが「1」という下位グループに属する表示要素の数は1つであり、表示項目ID541の左側IDが「2」という下位グループに属する表示要素の数は2つである。つまり、下位の階層に進むと、1つのグループ単位に属する表示要素の数が少なくなっている。
【0068】
同様に、表示項目ID541の右側IDを用いれば、1つのグループ単位に属する表示要素の数は少なくなる。
【0069】
以上のように、本実施の形態においては、複数の表示要素は、1つのグループ単位に属する表示要素の数が下位の階層に進むにつれて少なくなっていくように階層的にグループ化される。
【0070】
表示要素変更部152は、操作画面レイアウトにおける複数の表示要素の配置を、上述のグループ単位で変更する。また、表示要素変更部152は、複数の表示要素における配置の変更に係るグループ単位を、下位の階層から上位の階層へと変更していく。画面配置決定部153は、表示要素変更部152で変更された複数の表示要素の配置に対して視認性を評価する視認性評価値を算出し、当該視認性評価値に基づいて、表示要素変更部152に複数の表示要素の配置を再帰的に変更させる。
【0071】
次に、表示要素変更部152と画面配置決定部153の動作について詳しく説明する。表示要素変更部152は、まず、最下位のグループ単位を形成している表示要素の配置を変更する。
【0072】
例えば、図2に示される「1−3」という操作手順・ステップID510の表示項目情報540には、1つの「Symbol」及び2つの「Button」という合計3つの表示要素が登録されている。このうち、2つの「Button」という表示要素には、表示項目ID541での左側IDとして「2」が付されており、最下位のグループ単位を形成している。しがたって、この例においては、表示要素変更部152は、まず、最下位のグループ単位を形成している2つの「Button」という表示要素の配置を変更する。
【0073】
その後、画面配置決定部153は、表示要素変更部152により変更された複数の表示要素の配置の視認性を評価する視認性評価値を、表示画面の余白の分布などから算出する。そして、視認性評価値が所定の基準を満たさない場合には、画面配置決定部153は、グループ単位を変更せずに、表示要素変更部152に複数の表示要素の配置を再帰的に変更させる。この変更は、視認性評価値が所定の基準を満たすまで繰り返される。
【0074】
視認性評価値が所定の基準を満たした場合には、表示要素変更部152は、操作画面レイアウトにおける複数の表示要素の配置を、すでに変更した表示要素間の配置を維持しつつ、より上位のグループ単位で変更する。
【0075】
例えば、図2に示される「1−3」という操作手順・ステップID510の表示項目情報540に登録されている3つの表示要素は、上述の最下位のグループ単位よりも上位のグループ単位を形成している。したがって、この例においては、表示要素変更部152は、すでに変更した2つの「Button」という表示要素間の配置を維持しつつ、当該3つの表示要素の配置を変更する。以下、この変更について、図を用いて具体的に説明する。
【0076】
図8及び図9は、表示要素変更部152及び画面配置決定部153が、当該3つの表示要素411A〜411Cの配置を変更する様子を示す図である。これら図8及び図9に示される表示要素411A、及び、表示要素411B,411Cは、図2に示される「1−3」という操作手順・ステップID510における1つの「Symbol」という表示要素、及び、2つの「Button」という表示要素にそれぞれ対応している。
【0077】
この例において、画面配置決定部153は、図8に示される表示要素411A〜411Cの配置の視認性評価値を算出する。ここで、図8に示される表示要素411A〜411Cの配置は高さ方向の余白が少ないものとなっていることから、画面配置決定部153により算出された当該視認性評価値は所定の基準を満たさない。この場合に、画面配置決定部153は、高さ方向の大きさを抑制するように、表示要素変更部152に3つの表示要素411A〜411Cの配置を再帰的に変更させる。そうすると、表示要素変更部152は、すでに変更した表示要素411Bと表示要素411Cとの間の配置は変更しないで、3つの表示要素411A〜411Cの配置を再帰的に変更する。これにより、図9に示されるように、高さ方向、幅方向ともに十分な余白が確保された状態で、表示要素411A〜411Cが配置される。
【0078】
その後、画面配置決定部153は、図9に示される表示要素411A〜411Cの配置の視認性評価値を算出し、算出された当該視認性評価値が所定の基準を満たす場合には、表示要素411A〜411Cの配置決定探索を終了する。これより、最終的には、表示項目を構成する表示要素411A〜411Cの視認性評価値が所定の基準を満たすことになる。
【0079】
以上のような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、視認性評価値に基づいて、複数の表示要素の配置が再帰的に変更される。したがって、表示要素配置に関する選択肢を増やすことができるとともに、画面余白に偏りが生じることなく、視認性の良い表示を行うことができる。
【0080】
<実施の形態5>
大規模プラントにて想定されうる事故事象は多数存在しており、同じ種類の事故であっても、破損の規模などにより、事故対応操作は異なる場合がある。しかし、実際のプラント操作マニュアルにおいては典型的な事例しか書かれていないことから、作業者が、実際の操作を行う際には、プラント操作マニュアルを参考にしつつ、状況に応じてマニュアルに記載の作業内容を変更したり、追加したりすることが多い。それにもかかわらず、例えば、特許文献1に記載の装置においては、各プラント状態に対し、画面に表示すべき表示項目が固定されていることから、画面表示を切り替えて、所望の計測値を探し出さなければならず、手間がかかる。そこで、本実施の形態5では、プラント操作マニュアルを一部編集・変更した操作を実施することが可能となっている。
【0081】
図10は、本実施の形態5に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の構成を示す図である。以下、本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の説明において、実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置と同じ構成要素については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
【0082】
本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置は、実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置に、表示要素編集部230と、操作手順作成部240とが加わったものとなっている。
【0083】
入出力機器170の入力部170aは、入出力機器170の一画面に表示される手順情報520及び表示項目を含む操作画面レイアウトを編集するための外部操作を受け付け、それに応じた入力信号を表示要素編集部230に出力する。
【0084】
表示要素編集部230は、入力部170aからの入力信号に基づいて、入出力機器170の一画面に表示される操作画面レイアウトにおける手順情報520及び表示項目を含む操作画面レイアウトを編集する。ここで、入力信号は、入力部170aが受け付けた操作に対応することから、表示要素編集部230は、入力部170aが受け付けた操作に基づいて、入出力機器170の一画面に表示される操作画面レイアウトにおける手順情報520及び表示項目を含む操作画面レイアウトを編集することになる。また、表示要素編集部230は、編集した内容を示す編集情報を操作手順作成部240に出力する。
【0085】
操作手順作成部240は、表示要素編集部230からの編集情報に基づいて、操作手順情報データベース210に登録されている手順情報520及び表示項目情報540を含む操作手順情報500を変更する。ここで、編集情報は、入力部170aが受け付けた操作に対応することから、操作手順作成部240は、入力部170aが受け付けた操作に基づいて、操作手順情報データベース210に登録されている手順情報520及び表示項目を含む操作手順情報500を変更することになる。
【0086】
図11及び図12は、表示要素編集部230が、入出力機器170の画面に表示されている操作画面レイアウトを編集する前後の様子を示す図である。以下、図11及び図12を用いて、監視対象となっていない計測値情報(表示要素)の追加について説明する。
【0087】
図11は編集前に入出力機器170に表示される画面を示すものである。図11に示すように、入出力機器170の画面には、「値B,C,Dを確認する」という手順情報520が手順情報表示320として表示され、これらにそれぞれ対応する3つの計測値情報(表示要素)が画像情報表示330として表示されている。
【0088】
操作画面レイアウトが表示されている画面には、作業者が入力部170aを介して操作される画面ポインタ352が付加的に表示されている。この画面ポインタ352により、画像情報表示330に追加したい計測値(ここでは計測値I)を示す計測値アイコン351が選択され、当該画像情報表示330上にドラッグアンドドロップされる。この場合に、表示要素編集部230は、手順・表示要素統合画面作成部150に対し、手順情報表示320には「値Iを確認する」という定型文からなる手順情報520を追加する指令とともに、画像情報表示330には計測値Iを示す計測値情報(表示要素)を追加する指令を出力する。手順・表示要素統合画面作成部150は、表示要素編集部230からの指令に基づいて、入出力機器170に表示される操作画面レイアウトを編集し、当該操作画面レイアウトを画面表示制御部160に出力する。
【0089】
図12は編集後に入出力機器170に表示される画面を示すものである。図12に示すように、入出力機器170の画面には、「値B,C,Dを確認する」及び「値Iを確認する」という手順情報520が手順情報表示320として表示され、これらにそれぞれ対応する4つの計測値情報(表示要素)が画像情報表示330として表示される。
【0090】
操作手順作成部240は、表示要素編集部230から手順情報520及び表示項目の追加を示す編集情報を受け取り、操作手順情報500の該当する箇所の情報を上書きする。
【0091】
なお、以上においては、グラフィカルユーザインタフェース装置が、監視の対象となる表示項目に計測値情報(表示要素)を追加する動作について説明した。しかし、本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置においては、計測値情報の追加だけでなく、監視の対象となる表示項目から計測値情報(表示要素)を削除してもよいし、画面表示の配置や操作手順の順序を変更してもよい。
【0092】
以上のような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、入力部170aを操作することにより、操作画面レイアウト及び操作手順情報500を編集・変更することができる。したがって、プラント操作マニュアルを一部編集・変更した操作を実施することができる。
【0093】
<実施の形態6>
大規模プラントにおいては、複数の制御操作担当者が、互いに連携を取りながらプラント操作を行う場合がある。ハードウェアのレイアウトの関係上、一般に、各操作担当者は互いに離れた場所に位置しており、互いの操作内容を目視で確認することはできないことから、連携して操作を実施する際には、口頭によって互いの作業内容を確認している。しかし、プラント事故発生時には、監視制御室内に警報音等が鳴ることから、口頭で確認しながら連携操作を実施するのは困難である。そこで、本実施の形態6では、確実かつ容易に連携操作を実施することが可能となっている。
【0094】
図13は、本実施の形態6に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の構成を示す図である。以下、本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置の説明において、実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置と同じ構成要素については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
【0095】
本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置は、実施の形態1に係るグラフィカルユーザインタフェース装置に、協調操作情報データベース250と、協調操作解析部260とが加わったものとなっている。また、それぞれが入出力機器170に相当する複数台の入出力機器170A〜170Cが設けられている。
【0096】
図14は、協調操作情報データベース250に登録されている協調操作手順情報700の内容例を示す図である。この図14に示される協調操作手順情報700は、各協調操作手順に固有に付与される協調操作ID710と、協調操作手順720とから構成されている。
【0097】
協調操作情報データベース250は、並行して進行されるべき複数の操作手順に含まれる複数の操作ステップが互いに組み合わされてなる協調操作手順720が登録されている。本実施の形態では、協調操作手順720には、操作手順情報500に登録されている複数の操作手順・ステップID510(操作ステップ)が、操作実施順に組み合わされて登録されている。この協調操作手順720は、「2」という操作手順に含まれる「2−1」〜「2−4」という操作ステップと、「3」という操作手順に含まれる「3−1」〜「3−3」という操作ステップとから構成されている。
【0098】
操作ステップは、図14に示す協調操作手順720の上側から下側に向かう順に行われる。具体的には、「2−1」、「3−1」、「2−2」及び「3−2」という操作ステップが順に実施された後、「3−3」という操作ステップが実施されつつ、「2−3」及び「2−4」という操作ステップが実施されることになる。なお、ここでは、2つの操作手順を組合せてなる協調操作手順720を説明したが、協調操作手順720は、3つ以上の操作手順を組合せて構成されてもよい。
【0099】
図13に戻って、協調操作解析部260は、操作判定部130で判定された現在の操作ステップに基づいて、協調操作手順720に含まれる複数の操作ステップのうち表示すべき操作ステップを決定する。本実施の形態では、協調操作解析部260は、操作判定部130で判定された現在の操作ステップに基づいて、協調操作手順720に含まれる複数の操作ステップのうち、当該現在の操作ステップを含む前後の操作ステップを決定する。
【0100】
手順・表示要素統合画面作成部150は、協調操作解析部260で決定された操作ステップを操作手順ごとに区分してインタフェース装置の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する。
【0101】
図15は、本実施の形態に係る手順・表示要素統合画面作成部150により作成され、入出力機器170の一画面の外枠300内に表示される、操作画面レイアウトの一例を示す図である。この操作画面レイアウトは、図14で示した協調操作手順720のうち、「2−1」、「3−1」、「2−2」及び「3−2」という操作ステップを含んだものとなっている。
【0102】
この操作画面レイアウトにおいては、上側から下側に向かう方向に沿って複数の操作ステップが実施されるべき順番に配置されている。具体的には、「3−1」という操作ステップは、「2−1」及び「2−2」という操作ステップの間に実施されることから、操作画面レイアウトの上下方向において、「3−1」という操作ステップが、「2−1」及び「2−2」という操作ステップの間に配置されている。そして「3−2」という操作ステップは、「2−2」という操作ステップの後に実施されることから、操作画面レイアウトの上下方向において、「3−2」という操作ステップが、「2−2」という操作ステップの下方に配置されている。
【0103】
また、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、現在の操作ステップ(ここでは「手順2−2」及び「手順3−1」)は、それ以外の操作ステップと区別可能に強調表示されている。これにより、作業者の注意を現在の操作ステップに向けることが可能となっている。
【0104】
以上のような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、協調操作手順に含まれる操作ステップが、操作手順ごとに区分されて一画面に表示される。したがって、複数名で協調作業が行われる状況において、操作担当者と監督者との間の口頭によるコミュニケーションが警報音等によって妨げられる場合であっても、操作担当者及び監督者は、視覚を通じて協調作業内容を共有することができる。よって、確実かつ容易に連携操作を実施することができる。
【0105】
<実施の形態7>
実施の形態2では、上述の手順操作ステップの一部を抜粋して表示するものとして、現在の操作ステップを含む前後の同手順操作ステップのみを入出力機器170上に表示する手法について述べた。
【0106】
しかしながら、例えば、実施の形態5で述べた表示要素の追加編集が数多く実施された場合には、選択及び追加された表示要素の表示に必要な面積が拡大し、入出力機器170の表示エリア上に収まりきらなくなる可能性がある。
【0107】
そこで、本実施の形態では、前後の手順操作ステップを変更(追加)した場合に、変更後の表示要素情報に対し、手順・表示要素統合画面作成部150(例えば実施の形態4に係る画面配置決定部153)が、視認性を評価する視認性評価値を算出し、当該視認性評価値が予め定められた範囲の上限値を超えるか否かを判定する。そして、当該視認性評価値が当該上限値を超える場合には、表示要素選択部140は、変更後の表示要素情報よりもデータ量が少ない表示要素情報を再選択する。これにより、表示要素を適度に間引いて入出力機器170の表示エリア上に表示することができる。
【0108】
また逆に、例えば、実施の形態5で述べた表示要素の削除編集が実施された場合には、入出力機器170の表示エリア上に比較的大きな面積の空白が生じ、その空白部分が無駄となる。そこで、本実施の形態では、前後の手順操作ステップを変更(削除)した場合に、上述と同様にして、手順・表示要素統合画面作成部150(例えば実施の形態4に係る画面配置決定部153)が、視認性評価値が予め定められた範囲の下限値より低いか否かを判定する。そして、当該視認性評価値が当該下限値より低い場合には、表示要素選択部14は、変更後の表示要素情報よりもデータ量が多い表示要素情報を再選択する。これにより、表示エリア上の空白を有効利用することができる。
【0109】
以上のような本実施の形態に係るグラフィカルユーザインタフェース装置によれば、視認性を考慮して入出力機器170の表示エリア上に表示すべき手順操作ステップの範囲を適切に選択できることから、情報を過不足なく提示でき、また作業者が画面を編集する場合にも視認性を保つことができる。
【符号の説明】
【0110】
110 実プラント、130 操作判定部、140 表示要素選択部、150 手順・表示要素統合画面作成部、152 表示要素変更部、153 画面配置決定部、170,170A〜170C 入出力機器、170a 入力部、210 操作手順情報データベース、230 表示要素編集部、240 操作手順作成部、250 協調操作情報データベース、260 協調操作解析部、411A〜411C 表示要素、500 操作手順情報、520 手順情報、530 分岐情報、532 分岐条件式、600 表示要素情報、720 協調操作手順。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントの監視制御を行う監視制御システムにおけるグラフィカルユーザインタフェース装置であって、
操作マニュアルを構成する文字情報と、作業者の操作対象となる表示項目とが操作ステップごとに登録されている操作手順情報データベースと、
前記表示項目を構成する表示要素に関する表示要素情報が登録されている表示要素情報データベースと、
前記プラントからの情報に基づいて、現在の前記操作ステップを判定する操作判定部と、
前記操作判定部で判定された前記現在の操作ステップの前記表示項目に関し、前記表示要素情報データベースから前記表示要素情報を選択する表示要素選択部と、
前記表示要素選択部で選択された前記表示要素情報に基づいて、前記現在の操作ステップの前記文字情報及び前記表示項目をインタフェース装置の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する手順・表示要素統合画面作成部と
を備える、グラフィカルユーザインタフェース装置。
【請求項2】
請求項1に記載のグラフィカルユーザインタフェース装置であって、
序列付けられた複数の前記操作ステップ毎に、前記操作マニュアルを構成する文字情報と、各前記表示項目の相対的な配置位置情報とが前記操作手順情報データベースに登録されており、
前記表示要素選択部は、
前記操作判定部で判定された前記現在の操作ステップと同じ操作手順に含まれる前記複数の操作ステップの前記表示項目に関し、前記表示要素情報データベースから前記表示要素情報を選択し、
前記手順・表示要素統合画面作成部は、
前記現在の操作ステップと同じ前記操作手順に含まれる前記複数の操作ステップの前記文字情報及び前記表示項目を、当該表示項目の前記配置位置情報に基づいてインタフェース装置の一画面に同時に表示しつつ、当該表示項目と対応する当該文字情報とが互いに近接するように操作画面レイアウトを作成する、グラフィカルユーザインタフェース装置。
【請求項3】
請求項2に記載のグラフィカルユーザインタフェース装置であって、
前記手順・表示要素統合画面作成部は、
前記現在の操作ステップと同じ前記操作手順に含まれる全ての前記操作ステップの前記文字情報及び前記表示項目に関し、前記表示項目の相対的な前記配置位置情報に基づいて画面配置を行った場合の視認性を評価する視認性評価値を算出し、前記視認性評価値が予め定められた範囲内において、一画面内に表示しうる前記現在の操作ステップを含む前後の前記操作ステップを選択し、当該選択された操作ステップについて、前記表示項目と対応する前記文字情報とが近接するように操作画面レイアウトを作成する、グラフィカルユーザインタフェース装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のグラフィカルユーザインタフェース装置であって、
前記操作手順情報データベースには前記操作手順における分岐に関する情報が登録され、
前記手順・表示要素統合画面作成部は、
前記現在の操作ステップを含む前記操作手順に前記分岐がある場合には、分岐先の前記操作ステップの前記文字情報及び前記表示項目と、対応する分岐の条件式とを互いに対応づけて前記インタフェース装置の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する、グラフィカルユーザインタフェース装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のグラフィカルユーザインタフェース装置であって、
前記表示項目は、1つのグループ単位に属する前記表示要素の数が下位の階層に進むにつれて少なくなっていくように階層的にグループ化された複数の前記表示要素から構成され、
前記手順・表示要素統合画面作成部は、
前記操作画面レイアウトにおける前記複数の表示要素の配置を前記グループ単位で変更する表示要素変更部と、
前記表示要素変更部で変更された前記複数の表示要素の配置に対して視認性を評価する視認性評価値を算出し、当該視認性評価値に基づいて、前記表示要素変更部に前記複数の表示要素の配置を再帰的に変更させる画面配置決定部と
を備え、
前記表示要素変更部は、前記複数の表示要素における配置の変更に係る前記グループ単位を、下位の階層から上位の階層へと変更していく、グラフィカルユーザインタフェース装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のグラフィカルユーザインタフェース装置であって、
前記インタフェース装置の前記一画面に表示される前記文字情報及び前記表示項目を含む前記操作画面レイアウトを編集するための外部操作を受け付ける入力部と、
前記入力部が受け付けた操作に基づいて、前記インタフェース装置の前記一画面に表示される前記文字情報及び前記表示項目を含む前記操作画面レイアウトを編集する表示要素編集部と、
前記入力部が受け付けた操作に基づいて、前記操作手順情報データベースに登録されている前記文字情報及び前記表示項目を含む操作手順情報を変更する操作手順作成部と
をさらに備える、グラフィカルユーザインタフェース装置。
【請求項7】
請求項2に記載のグラフィカルユーザインタフェース装置であって、
並行して進行されるべき複数の前記操作手順に含まれる複数の操作ステップが互いに組み合わされてなる協調操作手順が登録されている協調操作情報データベースと、
前記操作判定部で判定された前記現在の操作ステップに基づいて、前記協調操作手順に含まれる複数の操作ステップのうち表示すべき操作ステップを決定する協調操作解析部と
をさらに備え、
前記手順・表示要素統合画面作成部は、
前記協調操作解析部で決定された操作ステップを前記操作手順ごとに区分してインタフェース装置の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する、グラフィカルユーザインタフェース装置。
【請求項1】
プラントの監視制御を行う監視制御システムにおけるグラフィカルユーザインタフェース装置であって、
操作マニュアルを構成する文字情報と、作業者の操作対象となる表示項目とが操作ステップごとに登録されている操作手順情報データベースと、
前記表示項目を構成する表示要素に関する表示要素情報が登録されている表示要素情報データベースと、
前記プラントからの情報に基づいて、現在の前記操作ステップを判定する操作判定部と、
前記操作判定部で判定された前記現在の操作ステップの前記表示項目に関し、前記表示要素情報データベースから前記表示要素情報を選択する表示要素選択部と、
前記表示要素選択部で選択された前記表示要素情報に基づいて、前記現在の操作ステップの前記文字情報及び前記表示項目をインタフェース装置の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する手順・表示要素統合画面作成部と
を備える、グラフィカルユーザインタフェース装置。
【請求項2】
請求項1に記載のグラフィカルユーザインタフェース装置であって、
序列付けられた複数の前記操作ステップ毎に、前記操作マニュアルを構成する文字情報と、各前記表示項目の相対的な配置位置情報とが前記操作手順情報データベースに登録されており、
前記表示要素選択部は、
前記操作判定部で判定された前記現在の操作ステップと同じ操作手順に含まれる前記複数の操作ステップの前記表示項目に関し、前記表示要素情報データベースから前記表示要素情報を選択し、
前記手順・表示要素統合画面作成部は、
前記現在の操作ステップと同じ前記操作手順に含まれる前記複数の操作ステップの前記文字情報及び前記表示項目を、当該表示項目の前記配置位置情報に基づいてインタフェース装置の一画面に同時に表示しつつ、当該表示項目と対応する当該文字情報とが互いに近接するように操作画面レイアウトを作成する、グラフィカルユーザインタフェース装置。
【請求項3】
請求項2に記載のグラフィカルユーザインタフェース装置であって、
前記手順・表示要素統合画面作成部は、
前記現在の操作ステップと同じ前記操作手順に含まれる全ての前記操作ステップの前記文字情報及び前記表示項目に関し、前記表示項目の相対的な前記配置位置情報に基づいて画面配置を行った場合の視認性を評価する視認性評価値を算出し、前記視認性評価値が予め定められた範囲内において、一画面内に表示しうる前記現在の操作ステップを含む前後の前記操作ステップを選択し、当該選択された操作ステップについて、前記表示項目と対応する前記文字情報とが近接するように操作画面レイアウトを作成する、グラフィカルユーザインタフェース装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のグラフィカルユーザインタフェース装置であって、
前記操作手順情報データベースには前記操作手順における分岐に関する情報が登録され、
前記手順・表示要素統合画面作成部は、
前記現在の操作ステップを含む前記操作手順に前記分岐がある場合には、分岐先の前記操作ステップの前記文字情報及び前記表示項目と、対応する分岐の条件式とを互いに対応づけて前記インタフェース装置の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する、グラフィカルユーザインタフェース装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のグラフィカルユーザインタフェース装置であって、
前記表示項目は、1つのグループ単位に属する前記表示要素の数が下位の階層に進むにつれて少なくなっていくように階層的にグループ化された複数の前記表示要素から構成され、
前記手順・表示要素統合画面作成部は、
前記操作画面レイアウトにおける前記複数の表示要素の配置を前記グループ単位で変更する表示要素変更部と、
前記表示要素変更部で変更された前記複数の表示要素の配置に対して視認性を評価する視認性評価値を算出し、当該視認性評価値に基づいて、前記表示要素変更部に前記複数の表示要素の配置を再帰的に変更させる画面配置決定部と
を備え、
前記表示要素変更部は、前記複数の表示要素における配置の変更に係る前記グループ単位を、下位の階層から上位の階層へと変更していく、グラフィカルユーザインタフェース装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のグラフィカルユーザインタフェース装置であって、
前記インタフェース装置の前記一画面に表示される前記文字情報及び前記表示項目を含む前記操作画面レイアウトを編集するための外部操作を受け付ける入力部と、
前記入力部が受け付けた操作に基づいて、前記インタフェース装置の前記一画面に表示される前記文字情報及び前記表示項目を含む前記操作画面レイアウトを編集する表示要素編集部と、
前記入力部が受け付けた操作に基づいて、前記操作手順情報データベースに登録されている前記文字情報及び前記表示項目を含む操作手順情報を変更する操作手順作成部と
をさらに備える、グラフィカルユーザインタフェース装置。
【請求項7】
請求項2に記載のグラフィカルユーザインタフェース装置であって、
並行して進行されるべき複数の前記操作手順に含まれる複数の操作ステップが互いに組み合わされてなる協調操作手順が登録されている協調操作情報データベースと、
前記操作判定部で判定された前記現在の操作ステップに基づいて、前記協調操作手順に含まれる複数の操作ステップのうち表示すべき操作ステップを決定する協調操作解析部と
をさらに備え、
前記手順・表示要素統合画面作成部は、
前記協調操作解析部で決定された操作ステップを前記操作手順ごとに区分してインタフェース装置の一画面に同時に表示可能な操作画面レイアウトを作成する、グラフィカルユーザインタフェース装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−73993(P2012−73993A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5920(P2011−5920)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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