グラフェン・エアロゲルおよびグラフェン酸化物エアロゲル
炭素原子がシート状のナノ構造中に配列される炭素系エアロゲルが開示されている。エアロゲルはグラフェン酸化物エアロゲル又はグラフェン・エアロゲルの一方であってよく、更にポリマーで強化されていてもよい。又、エアロゲルを製造する方法が開示されており、グラファイト酸化物を供すること、液体中にグラファイト酸化物の分散体を形成すること、および分散体を乾燥させてグラフェン酸化物エアロゲルを形成することを含んで成る。ある態様では、グラフェン酸化物エアロゲルを熱処理して、グラフェン酸化物をグラフェンに転化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゲルに関し、より具体的には、本発明はカーボン・エアロゲルに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゲルは大表面積並びに超微孔及びセルサイズを有するオープン・セル・フォーム構造を有する組成物である。ある周知のエアロゲルはシリカ・エアロゲルであって、長鎖に結合し、次いで結合したシリコンおよび酸素原子との間にあるエアーポケットと共にランダムに結合したビーズ内へ結合したシリコンと酸素原子から成る。シリカ・エアロゲルは既知の最も低い密度の固体の間にあり、多くの潜在的な有用な特性を有する。しかしながら、シリカ・エアロゲルを作成するために関連する高い生成コストによって広範囲の商業的な適用が制限され、現在高付加価値の軍備や航空宇宙事業への商業的適用を制限している。
【0003】
別のエアロゲルのタイプは炭素系エアロゲルであり、クラスタ化カーボンナノ粒子の薄弱なネットワークから成る。カーボン・エアロゲルはシリカ・エアロゲルといくつかの同様の特性を有しているが、優れた機械的保全性を有する傾向がある。又、カーボン・エアロゲルは密度に依存する伝導性を有する電気的伝導性があり、又250nmと14.3μmとの間の放射線の0.3%のみ反射する赤外線スペクトルに極めて吸収性がある。更に、固体は原子の狭い鎖を介してのみ熱を伝導するので、カーボン・エアロゲルの熱伝導度は空気の熱伝導度と同じであるか、又は空気の熱伝導度よりも低くすることができる。
【0004】
これらカーボン・エアロゲルの特性は脱塩、断熱および/又は防音、太陽エネルギー回収、触媒支持などを含んで成る多くの産業利用に役立つ。
【0005】
グラフェンはハニカム状の結晶格子に密にパックされるsp2結合炭素原子の1原子の厚い平面状シートである。グラフェンは全ての他の次元の炭素材料のための2次元のビルディング材料である。グラフェンは0次元のバッキーボールに包まれるか、1次元のナノチューブに入っていくか、又は3次元のグラファイトに積み重ねられる。グラフェンはカーボン・ナノチューブと同様の優れた面内の機械的、構造的、熱的、及び電気的な特性を有する。
【0006】
したがって、グラフェンであるが公知ではない炭素系エアロゲルを供することが望まれるであろう。
【発明の概要】
【0007】
発明者は、今日初めてエアロゲル内の炭素原子をシート状のナノ構造の中に配置するカーボン・エアロゲルを作り出した。
【0008】
ある態様では、エアロゲルはグラフェン・エアロゲルである。別の態様では、エアロゲルはグラフェン酸化物エアロゲルである。更に別の態様ではシート状のナノ構造を有する炭素系エアロゲルはポリマーにて強化される。
【0009】
発明の別の態様によれば、炭素原子をシート状のナノ構造の中に配置する炭素系エアロゲルを製造する方法が開示されている。該方法はグラファイト酸化物を供すること、液体中にグラファイト酸化物の分散体を作り上げること、および該分散体を乾燥させてグラフェン酸化物エアロゲルを形成することを含んで成る。ある態様では、更に該方法はエアロゲル中のグラフェン酸化物をグラフェンに還元させることを含んで成る。
【0010】
ある態様の利点としては、シート状のナノカーボン構造を有する炭素系エアロゲルは他のカーボン材料よりも体積に対する表面積の比が優れたものを供するということである。
【0011】
別の利点としては、グラフェン・エアロゲルが強固で電気的に伝導し、又ポリマー強化によって更によりグラフェン・エアロゲルを強化することができる一方で高度な伝導性は維持したままであるということである。
【0012】
本発明の他の特徴および利点は、例えば発明の原理を示す添付図と併せて典型的な態様のより詳細な下記の説明から自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】図1Aは、各々本発明の典型的な態様によるグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図1B】図1Bは、各々本発明の典型的な態様によるグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図2A】図2Aは、各々本発明の典型的な態様によるポリマー強化されたグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図2B】図2Bは、各々本発明の典型的な態様によるポリマー強化されたグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図3A】図3Aは、各々本発明の典型的な態様による熱処理されたグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図3B】図3Bは、各々本発明の典型的な態様による熱処理されたグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図4A】図4Aは、各々本発明の典型的な態様による熱処理され、ポリマー強化されたグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図4B】図4Bは、各々本発明の典型的な態様による熱処理され、ポリマー強化されたグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図5】図5は、本発明の典型的な態様による組成物から得られた様々な結果を示すグラフである。
【図6】図6は、本発明の典型的な態様による組成物から得られた様々な結果を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明の典型的な態様による組成物から得られた様々な結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の典型的な態様によれば、発明者はグラフェン酸化物エアロゲルおよびグラフェン・エアロゲルを含んで成る、シート状のナノ構造を有する炭素系エアロゲルを開発した。ポリマーにて該エアロゲルを強化することができる。シート状のナノ構造を有するそのような炭素系エアロゲルが強固で電気的に伝導し、それによってセンサー、熱電装置、熱シールド、EMI/RFI遮蔽のための伝導性複合材料やほんの一例としてバッテリー、燃料電池およびスーパーキャパシタ用の多孔性電極のような、電気化学的なアプリケーションも含んで成る様々なアプリケーションのためのカーボン・エアロゲル技術の潜在的な改善を提供することを発明者は決定した。
【0015】
グラファイト酸化物のウェット・ゲルの前駆体形成とそれに続く乾燥を介して、これら組成物の準備を行うことができる。発明のある態様によれば、グラファイト片の酸化によるグラファイト酸化物はハマー(Hummer)のアプローチに基づき準備される。次いで、グラファイト酸化物は液体に添加され、好ましくは水に添加されて分散体を形成する。グラファイト酸化物の分散体内にある固形分は約1mg/mL〜約20mg/mLであってよい。他の適当な液体は水およびアルコールの混合物を含んで成る。又、THFのような有機液体を使用してもよいが、1つ又はそれよりも多い界面活性剤を使用して、有機液体中にグラファイト酸化物の十分な分散体を得ることを必要とされる。
【0016】
ある態様では、グラファイト酸化物は、例えば超音波処理によって液体中にて成長する。分散したグラファイト酸化物は液体中で膨らみ、典型的にはゲルの形成をもたらす。例えば分散体中のグラファイト酸化物の固形分を増やすことによって、又は分散体中の液体を追い出すことによって、又はある態様では分散体を形成するために使用される液体中に溶解する1つ又はそれよりも多いポリマーの添加を介して、ゲル化は強化されてよい。
【0017】
次いで、グラファイト酸化物の分散体を乾燥して、グラフェン酸化物エアロゲルを生成する。適当な乾燥技術は凍結乾燥法および臨界点乾燥法を含んで成る。
【0018】
次いで、真空加熱又はアルゴン若しくは窒素のような不活性雰囲気下での加熱、例えばガス形成のような雰囲気を低減する際の加熱のような熱処理工程を介してエアロゲル中のグラフェン酸化物をグラフェンに還元することができる。いずれにしても、一般的に温度は200℃よりも高い温度で、又典型的には少なくとも3時間保持されることで、グラフェン酸化物エアロゲルをグラフェン・エアロゲルに転化させる。これら条件での熱処理に続く燃焼分析では少なくとも約80%のグラフェン酸化物がグラフェンへ転化したことを示した。熱処理の時間および温度をコントロールすることで、アプリケーションに依存する、所定のレベルへのグラフェン酸化物のグラフェンへの転化を達成してもよい。例えば、ある態様では、800℃で熱処理を行う際に約96%の高い転化を達成した。
【0019】
ある態様では、グラフェン酸化物およびグラフェン・エアロゲルはポリマーで強化される。ポリマーはグラファイト酸化物の分散体に使用される液体に溶けるポリマーであってよい。現在の好ましい態様では、ポリビニルアルコールのような水溶性ポリマーをグラファイト酸化物および水分散体に追加してゲル化が行われる。
【0020】
ポリマーのグラファイト酸化物に対する重量比は典型的には約1:1〜約5:1の範囲である。他の比率はアプリケーションに依存する適当なものであってよい。続くエアロゲル形成の間、ポリマーはエアロゲルの間隙に浸透して、エアロゲルの強さを強化する。グラフェンへの還元のためにグラフェン酸化物に浸透したポリマーの熱処理はポリマー化合物を分解させない状況下で、典型的には約200℃〜350℃で行われるべきである。
【実施例】
【0021】
さらに本発明は制限されないが実例として示される、以下の例によって説明される。
【実施例1】
【0022】
グラファイト片の酸化によるハマーのアプローチを使用して、粉末グラファイト片20g(SP−1グラファイト、ベイカーボン、MI)、硝酸ナトリウム10gおよび硫酸0.5リットルを氷浴で冷却される3リットルガラスビンで混合して懸濁液を形成した。活発な攪拌の間、過マンガン酸カリウム60gが追加され、最終的にペーストを形成した。過マンガン酸カリウムの追加率を制御して、温度が20℃を超えないように抑えた。
【0023】
氷浴を取り外し、ペースト状の懸濁液の温度を35±3℃にして、30分間維持した。次いで1リットルの水をゆっくりと懸濁液の中へかき混ぜながら入れることで激しい沸騰が起こり、温度が98℃まで増えた。直ちに希釈懸濁液を15分間この温度に維持した。
【0024】
次いで、さらに懸濁液を温水で約3リットルまで希釈し、3%(体積で)の過酸化水素で処理して残存した過マンガン酸塩および二酸化マンガンを還元し、続いてろ過した。ろ過ケーキは全部で3リットルの温水で3回洗浄された。グラファイト酸化物の残留物を含むろ過ケーキは、6リットルの水で約0.5%(重量で)の固体まで分散させた。次いで、乾燥グラファイト酸化物が遠心分離後の真空中での脱水によって得られた。
【0025】
次いで、乾燥グラファイト酸化物を脱イオン水に追加して2.5mg/mL分散体を形成した。成長は穏やかな超音波処理によって得られた。次いでこの分散体を200mLの薄片に注ぎ、液体窒素で急速冷凍した。次いで冷凍分散体を一夜真空乾燥して、図1Aおよび図1Bに示されるSEM画像に写される元の状態のグラフェン酸化物エアロゲルを得た。
【0026】
グラフェン酸化物エアロゲルの結果は淡黄色の泡状構造を有する良好な機械的保全性を示した。図1BのSEM画像は砕かれたグラフェン酸化物シートの高度に多孔質のネットワークを示す。これらシートは電子に半透明であり、これらシートの大きさは数マイクロメーターから数十マイクロメーターまでの範囲である。グラフェン酸化物エアロゲルは、SEM画像処理の間に観察される適度な電子帯電を有する電気的な半導体であった。グラフェン酸化物エアロゲルは数十マイクロメーターの範囲で、相対的に大きな細孔径を有した。
【実施例2】
【0027】
ポリビニルアルコール(PVA)水溶液を分散体に追加することを除いては、ポリマー強化グラフェン酸化物エアロゲルは同様に準備され、又、2.5mg/mlの固形分を有し、PVAのグラファイト酸化物に対する固体重量比が1:1であった。
【0028】
生成したポリマー強化グラフェン酸化物エアロゲルは図2Bに示されるSEM画像と併せて図2Aに示されている。
【実施例3】
【0029】
実施例3aおよび3b
実施例1および2にて形成されるグラフェン酸化物エアロゲルを熱処理して、グラフェン酸化物エアロゲルを還元し、グラフェン・エアロゲルに還元されるグラフェン酸化物エアロゲルの能力を調べた。元のポリマー強化グラフェン酸化物エアロゲルはアルゴンガスの不活性雰囲気下で熱処理され、該熱処理温度を室温から300℃まで徐々に増やして、10時間その温度に維持された。
【0030】
生成した熱処理グラフェン酸化物およびポリマー強化グラフェン酸化物エアロゲル(およびそれらの対応するSEM画像)は、各々図3A〜3Bおよび図4A〜4Bに写されている。
【0031】
図3Aおよび3Bに示される熱処理された元のグラフェン酸化物エアロゲルは熱処理の後黒くなるが、多孔質のカーボン・ネットワークを保持するため、該グラフェン酸化物は共役グラフェン構造に戻りつつ、グラフェン酸化物を還元することができるということを示した。これによってグラフェン酸化物よりもほぼ6桁も増加した高度な電気伝導度を導き、グラフェン酸化物エアロゲルのグラフェン・エアロゲルへの転化を確認した。
【0032】
グラフェン・エアロゲルのSEM画像はオープンで多孔質のネットワーク(強化された態様でポリマーに浸透した)を維持したことを実証し、又後の研究が優れた電気伝導度を示した。
【0033】
又、ポリマー強化グラフェン酸化物エアロゲルは、向上した強度を示し、自らの重みの少なくとも5000倍もの重さを支えることが観察された。
【0034】
ポリビニルアルコール強化グラフェン酸化物エアロゲルの機械的特性の定量的な研究が図5に示される。前述のガラス管内のエアロゲルの形成プロセスを行うことによってこの材料のいくつかの円筒状ピラーのサンプルを形成した。ピラーはテクスチャ・アナライザを使用する圧縮試験が行われた。圧縮強度は歪みに対して記録された。これらの結果に基づき、2%の歪みで0.8〜3MPaの間の範囲で圧縮率を算出した。
【0035】
電気化学的な研究が元の熱処理エアロゲルおよびポリマー強化グラフェン・エアロゲルに関して行われた。次いで、各エアロゲルは電極を形成するべくカーボンのペーストを使用する金箔を接着させた2mmの厚さを有する1cm2片にカットされた。電解液として1MH2SO4又は1MKOH、対電極として白金線および参照電極として銀/塩化銀電極を使用するシステムを電気化学的にテストする3つのセルの中に電極を浸した。ACインピーダンス、サイクリックボルタンメトリー、帯電および放電測定が電気化学的ポテンシオスタットおよびインピーダンス/ゲインー位相分析計(ソラートロンアナリィティカル、イギリス)を使用して行われた。以下に示される測定は、室温(23℃)で行われた。又、グラフェン・エアロゲルを多孔性電気化学電極へ取り付けることによって、金に加えて、ニッケル、アルミニウム又は他の材料が多孔性電気化学電極を形成する際に使用するための箔として提供されてよい。
【0036】
図6は酸性電解水溶液中にあるグラフェン・エアロゲル電極の代表的なサイクリックボルタモグラムを示しており、電解液として1MH2SO4を使用する20mV/Sのスキャン率に基づき作成された。サイクリックボルタモグラムの曲線は著しい電流ピークを示さないが、ゼロ電流線に対してほぼ対称的である。これは一定の帯電および放電速度でグラフェン電極がキャパシタの特性を有することを示す。特定の電気容量は70〜90F/gの間で算出された。
【0037】
図7は−0.2Vと0.8Vとの間のグラフェン電極対銀/塩化銀電極の代表的な帯電および放電曲線を示し、電解液として再び1MH2SO4を使用して1mAの電流で行われた。曲線は直線状であって、直列抵抗によってほとんど示さない又はロスがない。特定の電荷は約150C/gになるように算出された。
【0038】
これらの電気化学的研究の結果は高多孔質で、様々なエネルギー蓄積およびエネルギー変換アプリケーションに使用されてよい電気的伝導性電極材料としてのグラフェン・エアロゲルの適合性を示し、あくまでも一例にすぎないが、燃料電池内の電気化学二重層キャパシタおよび双極性プレートがある。エアロゲルのポリマーとの浸透によって、熱シールド、EMI/RFI遮蔽および他の高強度、軽量アプリケーションに使用するためのポリマー/グラフェンナノ複合材料が供されてよい。
【0039】
上述の明細書は典型的な態様を図示し、記載するが、様々な変更があってもよいし、同等のものが発明の範囲から離れることなく発明の要素と置換されてもよいことは当業者には理解されよう。更に、発明の不可欠な範囲から離れることなく発明の教示に従い、多くの変更が特定の状況又は材料に行われてもよい。したがって、本発明は該発明を実施するために計画されたベストモードとして開示される特定の態様に限定されるものではなく、本発明は添付のクレームの範囲内に収まる全ての態様を含むものである。
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゲルに関し、より具体的には、本発明はカーボン・エアロゲルに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゲルは大表面積並びに超微孔及びセルサイズを有するオープン・セル・フォーム構造を有する組成物である。ある周知のエアロゲルはシリカ・エアロゲルであって、長鎖に結合し、次いで結合したシリコンおよび酸素原子との間にあるエアーポケットと共にランダムに結合したビーズ内へ結合したシリコンと酸素原子から成る。シリカ・エアロゲルは既知の最も低い密度の固体の間にあり、多くの潜在的な有用な特性を有する。しかしながら、シリカ・エアロゲルを作成するために関連する高い生成コストによって広範囲の商業的な適用が制限され、現在高付加価値の軍備や航空宇宙事業への商業的適用を制限している。
【0003】
別のエアロゲルのタイプは炭素系エアロゲルであり、クラスタ化カーボンナノ粒子の薄弱なネットワークから成る。カーボン・エアロゲルはシリカ・エアロゲルといくつかの同様の特性を有しているが、優れた機械的保全性を有する傾向がある。又、カーボン・エアロゲルは密度に依存する伝導性を有する電気的伝導性があり、又250nmと14.3μmとの間の放射線の0.3%のみ反射する赤外線スペクトルに極めて吸収性がある。更に、固体は原子の狭い鎖を介してのみ熱を伝導するので、カーボン・エアロゲルの熱伝導度は空気の熱伝導度と同じであるか、又は空気の熱伝導度よりも低くすることができる。
【0004】
これらカーボン・エアロゲルの特性は脱塩、断熱および/又は防音、太陽エネルギー回収、触媒支持などを含んで成る多くの産業利用に役立つ。
【0005】
グラフェンはハニカム状の結晶格子に密にパックされるsp2結合炭素原子の1原子の厚い平面状シートである。グラフェンは全ての他の次元の炭素材料のための2次元のビルディング材料である。グラフェンは0次元のバッキーボールに包まれるか、1次元のナノチューブに入っていくか、又は3次元のグラファイトに積み重ねられる。グラフェンはカーボン・ナノチューブと同様の優れた面内の機械的、構造的、熱的、及び電気的な特性を有する。
【0006】
したがって、グラフェンであるが公知ではない炭素系エアロゲルを供することが望まれるであろう。
【発明の概要】
【0007】
発明者は、今日初めてエアロゲル内の炭素原子をシート状のナノ構造の中に配置するカーボン・エアロゲルを作り出した。
【0008】
ある態様では、エアロゲルはグラフェン・エアロゲルである。別の態様では、エアロゲルはグラフェン酸化物エアロゲルである。更に別の態様ではシート状のナノ構造を有する炭素系エアロゲルはポリマーにて強化される。
【0009】
発明の別の態様によれば、炭素原子をシート状のナノ構造の中に配置する炭素系エアロゲルを製造する方法が開示されている。該方法はグラファイト酸化物を供すること、液体中にグラファイト酸化物の分散体を作り上げること、および該分散体を乾燥させてグラフェン酸化物エアロゲルを形成することを含んで成る。ある態様では、更に該方法はエアロゲル中のグラフェン酸化物をグラフェンに還元させることを含んで成る。
【0010】
ある態様の利点としては、シート状のナノカーボン構造を有する炭素系エアロゲルは他のカーボン材料よりも体積に対する表面積の比が優れたものを供するということである。
【0011】
別の利点としては、グラフェン・エアロゲルが強固で電気的に伝導し、又ポリマー強化によって更によりグラフェン・エアロゲルを強化することができる一方で高度な伝導性は維持したままであるということである。
【0012】
本発明の他の特徴および利点は、例えば発明の原理を示す添付図と併せて典型的な態様のより詳細な下記の説明から自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】図1Aは、各々本発明の典型的な態様によるグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図1B】図1Bは、各々本発明の典型的な態様によるグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図2A】図2Aは、各々本発明の典型的な態様によるポリマー強化されたグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図2B】図2Bは、各々本発明の典型的な態様によるポリマー強化されたグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図3A】図3Aは、各々本発明の典型的な態様による熱処理されたグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図3B】図3Bは、各々本発明の典型的な態様による熱処理されたグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図4A】図4Aは、各々本発明の典型的な態様による熱処理され、ポリマー強化されたグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図4B】図4Bは、各々本発明の典型的な態様による熱処理され、ポリマー強化されたグラフェン酸化物エアロゲルの写真およびSEM画像である。
【図5】図5は、本発明の典型的な態様による組成物から得られた様々な結果を示すグラフである。
【図6】図6は、本発明の典型的な態様による組成物から得られた様々な結果を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明の典型的な態様による組成物から得られた様々な結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の典型的な態様によれば、発明者はグラフェン酸化物エアロゲルおよびグラフェン・エアロゲルを含んで成る、シート状のナノ構造を有する炭素系エアロゲルを開発した。ポリマーにて該エアロゲルを強化することができる。シート状のナノ構造を有するそのような炭素系エアロゲルが強固で電気的に伝導し、それによってセンサー、熱電装置、熱シールド、EMI/RFI遮蔽のための伝導性複合材料やほんの一例としてバッテリー、燃料電池およびスーパーキャパシタ用の多孔性電極のような、電気化学的なアプリケーションも含んで成る様々なアプリケーションのためのカーボン・エアロゲル技術の潜在的な改善を提供することを発明者は決定した。
【0015】
グラファイト酸化物のウェット・ゲルの前駆体形成とそれに続く乾燥を介して、これら組成物の準備を行うことができる。発明のある態様によれば、グラファイト片の酸化によるグラファイト酸化物はハマー(Hummer)のアプローチに基づき準備される。次いで、グラファイト酸化物は液体に添加され、好ましくは水に添加されて分散体を形成する。グラファイト酸化物の分散体内にある固形分は約1mg/mL〜約20mg/mLであってよい。他の適当な液体は水およびアルコールの混合物を含んで成る。又、THFのような有機液体を使用してもよいが、1つ又はそれよりも多い界面活性剤を使用して、有機液体中にグラファイト酸化物の十分な分散体を得ることを必要とされる。
【0016】
ある態様では、グラファイト酸化物は、例えば超音波処理によって液体中にて成長する。分散したグラファイト酸化物は液体中で膨らみ、典型的にはゲルの形成をもたらす。例えば分散体中のグラファイト酸化物の固形分を増やすことによって、又は分散体中の液体を追い出すことによって、又はある態様では分散体を形成するために使用される液体中に溶解する1つ又はそれよりも多いポリマーの添加を介して、ゲル化は強化されてよい。
【0017】
次いで、グラファイト酸化物の分散体を乾燥して、グラフェン酸化物エアロゲルを生成する。適当な乾燥技術は凍結乾燥法および臨界点乾燥法を含んで成る。
【0018】
次いで、真空加熱又はアルゴン若しくは窒素のような不活性雰囲気下での加熱、例えばガス形成のような雰囲気を低減する際の加熱のような熱処理工程を介してエアロゲル中のグラフェン酸化物をグラフェンに還元することができる。いずれにしても、一般的に温度は200℃よりも高い温度で、又典型的には少なくとも3時間保持されることで、グラフェン酸化物エアロゲルをグラフェン・エアロゲルに転化させる。これら条件での熱処理に続く燃焼分析では少なくとも約80%のグラフェン酸化物がグラフェンへ転化したことを示した。熱処理の時間および温度をコントロールすることで、アプリケーションに依存する、所定のレベルへのグラフェン酸化物のグラフェンへの転化を達成してもよい。例えば、ある態様では、800℃で熱処理を行う際に約96%の高い転化を達成した。
【0019】
ある態様では、グラフェン酸化物およびグラフェン・エアロゲルはポリマーで強化される。ポリマーはグラファイト酸化物の分散体に使用される液体に溶けるポリマーであってよい。現在の好ましい態様では、ポリビニルアルコールのような水溶性ポリマーをグラファイト酸化物および水分散体に追加してゲル化が行われる。
【0020】
ポリマーのグラファイト酸化物に対する重量比は典型的には約1:1〜約5:1の範囲である。他の比率はアプリケーションに依存する適当なものであってよい。続くエアロゲル形成の間、ポリマーはエアロゲルの間隙に浸透して、エアロゲルの強さを強化する。グラフェンへの還元のためにグラフェン酸化物に浸透したポリマーの熱処理はポリマー化合物を分解させない状況下で、典型的には約200℃〜350℃で行われるべきである。
【実施例】
【0021】
さらに本発明は制限されないが実例として示される、以下の例によって説明される。
【実施例1】
【0022】
グラファイト片の酸化によるハマーのアプローチを使用して、粉末グラファイト片20g(SP−1グラファイト、ベイカーボン、MI)、硝酸ナトリウム10gおよび硫酸0.5リットルを氷浴で冷却される3リットルガラスビンで混合して懸濁液を形成した。活発な攪拌の間、過マンガン酸カリウム60gが追加され、最終的にペーストを形成した。過マンガン酸カリウムの追加率を制御して、温度が20℃を超えないように抑えた。
【0023】
氷浴を取り外し、ペースト状の懸濁液の温度を35±3℃にして、30分間維持した。次いで1リットルの水をゆっくりと懸濁液の中へかき混ぜながら入れることで激しい沸騰が起こり、温度が98℃まで増えた。直ちに希釈懸濁液を15分間この温度に維持した。
【0024】
次いで、さらに懸濁液を温水で約3リットルまで希釈し、3%(体積で)の過酸化水素で処理して残存した過マンガン酸塩および二酸化マンガンを還元し、続いてろ過した。ろ過ケーキは全部で3リットルの温水で3回洗浄された。グラファイト酸化物の残留物を含むろ過ケーキは、6リットルの水で約0.5%(重量で)の固体まで分散させた。次いで、乾燥グラファイト酸化物が遠心分離後の真空中での脱水によって得られた。
【0025】
次いで、乾燥グラファイト酸化物を脱イオン水に追加して2.5mg/mL分散体を形成した。成長は穏やかな超音波処理によって得られた。次いでこの分散体を200mLの薄片に注ぎ、液体窒素で急速冷凍した。次いで冷凍分散体を一夜真空乾燥して、図1Aおよび図1Bに示されるSEM画像に写される元の状態のグラフェン酸化物エアロゲルを得た。
【0026】
グラフェン酸化物エアロゲルの結果は淡黄色の泡状構造を有する良好な機械的保全性を示した。図1BのSEM画像は砕かれたグラフェン酸化物シートの高度に多孔質のネットワークを示す。これらシートは電子に半透明であり、これらシートの大きさは数マイクロメーターから数十マイクロメーターまでの範囲である。グラフェン酸化物エアロゲルは、SEM画像処理の間に観察される適度な電子帯電を有する電気的な半導体であった。グラフェン酸化物エアロゲルは数十マイクロメーターの範囲で、相対的に大きな細孔径を有した。
【実施例2】
【0027】
ポリビニルアルコール(PVA)水溶液を分散体に追加することを除いては、ポリマー強化グラフェン酸化物エアロゲルは同様に準備され、又、2.5mg/mlの固形分を有し、PVAのグラファイト酸化物に対する固体重量比が1:1であった。
【0028】
生成したポリマー強化グラフェン酸化物エアロゲルは図2Bに示されるSEM画像と併せて図2Aに示されている。
【実施例3】
【0029】
実施例3aおよび3b
実施例1および2にて形成されるグラフェン酸化物エアロゲルを熱処理して、グラフェン酸化物エアロゲルを還元し、グラフェン・エアロゲルに還元されるグラフェン酸化物エアロゲルの能力を調べた。元のポリマー強化グラフェン酸化物エアロゲルはアルゴンガスの不活性雰囲気下で熱処理され、該熱処理温度を室温から300℃まで徐々に増やして、10時間その温度に維持された。
【0030】
生成した熱処理グラフェン酸化物およびポリマー強化グラフェン酸化物エアロゲル(およびそれらの対応するSEM画像)は、各々図3A〜3Bおよび図4A〜4Bに写されている。
【0031】
図3Aおよび3Bに示される熱処理された元のグラフェン酸化物エアロゲルは熱処理の後黒くなるが、多孔質のカーボン・ネットワークを保持するため、該グラフェン酸化物は共役グラフェン構造に戻りつつ、グラフェン酸化物を還元することができるということを示した。これによってグラフェン酸化物よりもほぼ6桁も増加した高度な電気伝導度を導き、グラフェン酸化物エアロゲルのグラフェン・エアロゲルへの転化を確認した。
【0032】
グラフェン・エアロゲルのSEM画像はオープンで多孔質のネットワーク(強化された態様でポリマーに浸透した)を維持したことを実証し、又後の研究が優れた電気伝導度を示した。
【0033】
又、ポリマー強化グラフェン酸化物エアロゲルは、向上した強度を示し、自らの重みの少なくとも5000倍もの重さを支えることが観察された。
【0034】
ポリビニルアルコール強化グラフェン酸化物エアロゲルの機械的特性の定量的な研究が図5に示される。前述のガラス管内のエアロゲルの形成プロセスを行うことによってこの材料のいくつかの円筒状ピラーのサンプルを形成した。ピラーはテクスチャ・アナライザを使用する圧縮試験が行われた。圧縮強度は歪みに対して記録された。これらの結果に基づき、2%の歪みで0.8〜3MPaの間の範囲で圧縮率を算出した。
【0035】
電気化学的な研究が元の熱処理エアロゲルおよびポリマー強化グラフェン・エアロゲルに関して行われた。次いで、各エアロゲルは電極を形成するべくカーボンのペーストを使用する金箔を接着させた2mmの厚さを有する1cm2片にカットされた。電解液として1MH2SO4又は1MKOH、対電極として白金線および参照電極として銀/塩化銀電極を使用するシステムを電気化学的にテストする3つのセルの中に電極を浸した。ACインピーダンス、サイクリックボルタンメトリー、帯電および放電測定が電気化学的ポテンシオスタットおよびインピーダンス/ゲインー位相分析計(ソラートロンアナリィティカル、イギリス)を使用して行われた。以下に示される測定は、室温(23℃)で行われた。又、グラフェン・エアロゲルを多孔性電気化学電極へ取り付けることによって、金に加えて、ニッケル、アルミニウム又は他の材料が多孔性電気化学電極を形成する際に使用するための箔として提供されてよい。
【0036】
図6は酸性電解水溶液中にあるグラフェン・エアロゲル電極の代表的なサイクリックボルタモグラムを示しており、電解液として1MH2SO4を使用する20mV/Sのスキャン率に基づき作成された。サイクリックボルタモグラムの曲線は著しい電流ピークを示さないが、ゼロ電流線に対してほぼ対称的である。これは一定の帯電および放電速度でグラフェン電極がキャパシタの特性を有することを示す。特定の電気容量は70〜90F/gの間で算出された。
【0037】
図7は−0.2Vと0.8Vとの間のグラフェン電極対銀/塩化銀電極の代表的な帯電および放電曲線を示し、電解液として再び1MH2SO4を使用して1mAの電流で行われた。曲線は直線状であって、直列抵抗によってほとんど示さない又はロスがない。特定の電荷は約150C/gになるように算出された。
【0038】
これらの電気化学的研究の結果は高多孔質で、様々なエネルギー蓄積およびエネルギー変換アプリケーションに使用されてよい電気的伝導性電極材料としてのグラフェン・エアロゲルの適合性を示し、あくまでも一例にすぎないが、燃料電池内の電気化学二重層キャパシタおよび双極性プレートがある。エアロゲルのポリマーとの浸透によって、熱シールド、EMI/RFI遮蔽および他の高強度、軽量アプリケーションに使用するためのポリマー/グラフェンナノ複合材料が供されてよい。
【0039】
上述の明細書は典型的な態様を図示し、記載するが、様々な変更があってもよいし、同等のものが発明の範囲から離れることなく発明の要素と置換されてもよいことは当業者には理解されよう。更に、発明の不可欠な範囲から離れることなく発明の教示に従い、多くの変更が特定の状況又は材料に行われてもよい。したがって、本発明は該発明を実施するために計画されたベストモードとして開示される特定の態様に限定されるものではなく、本発明は添付のクレームの範囲内に収まる全ての態様を含むものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素系エアロゲルを含んで成る組成物であって、
該炭素系エアロゲルにおいて炭素原子がシート状ナノ構造に配列されている組成物。
【請求項2】
前記炭素系エアロゲルがグラフェン酸化物エアロゲル又はグラフェン・エアロゲルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記グラフェン酸化物エアロゲル又はグラフェン・エアロゲルがポリマーで強化されている、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリマーが水溶性であって、好ましくは該ポリマーがポリビニルアルコールである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
炭素原子がシート状のナノ構造中に配列されている炭素系エアロゲルを製造方法であって、
グラファイト酸化物を供すること、
液体中にてグラファイト酸化物の分散体を形成すること、および
分散体を乾燥させてグラフェン酸化物エアロゲルを形成すること
を含んで成る、炭素系エアロゲルの製造方法。
【請求項6】
グラフェン酸化物をグラフェンに還元することを更に含んで成る、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
水溶性ポリマーをグラファイト酸化物分散体に加えることを更に含んで成り、好ましくはグラファイト酸化物に対して約1重量部〜約5重量部の量のポリマーを加えることを含んで成る、請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
グラフェン酸化物からグラフェンへと還元させることを更に含んで成り、該還元においては好ましくは少なくとも200℃の温度で少なくとも3時間グラフェン酸化物エアロゲルを加熱する、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記分散体の形成工程には、(a)液体1ml当たり約1mg〜約20mgの量のグラファイト酸化物を加えること、(b)ウェット・ゲルの分散体を形成すること、および(c)超音波処理によって液体中のグラファイト酸化物を成長させることの1つが含まれる、請求項5に記載の製造方法。
【請求項10】
前記乾燥工程には、前記分散体の臨界点乾燥又は前記分散体の凍結乾燥が含まれる、請求項5に記載の製造方法。
【請求項1】
炭素系エアロゲルを含んで成る組成物であって、
該炭素系エアロゲルにおいて炭素原子がシート状ナノ構造に配列されている組成物。
【請求項2】
前記炭素系エアロゲルがグラフェン酸化物エアロゲル又はグラフェン・エアロゲルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記グラフェン酸化物エアロゲル又はグラフェン・エアロゲルがポリマーで強化されている、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリマーが水溶性であって、好ましくは該ポリマーがポリビニルアルコールである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
炭素原子がシート状のナノ構造中に配列されている炭素系エアロゲルを製造方法であって、
グラファイト酸化物を供すること、
液体中にてグラファイト酸化物の分散体を形成すること、および
分散体を乾燥させてグラフェン酸化物エアロゲルを形成すること
を含んで成る、炭素系エアロゲルの製造方法。
【請求項6】
グラフェン酸化物をグラフェンに還元することを更に含んで成る、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
水溶性ポリマーをグラファイト酸化物分散体に加えることを更に含んで成り、好ましくはグラファイト酸化物に対して約1重量部〜約5重量部の量のポリマーを加えることを含んで成る、請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
グラフェン酸化物からグラフェンへと還元させることを更に含んで成り、該還元においては好ましくは少なくとも200℃の温度で少なくとも3時間グラフェン酸化物エアロゲルを加熱する、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記分散体の形成工程には、(a)液体1ml当たり約1mg〜約20mgの量のグラファイト酸化物を加えること、(b)ウェット・ゲルの分散体を形成すること、および(c)超音波処理によって液体中のグラファイト酸化物を成長させることの1つが含まれる、請求項5に記載の製造方法。
【請求項10】
前記乾燥工程には、前記分散体の臨界点乾燥又は前記分散体の凍結乾燥が含まれる、請求項5に記載の製造方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2012−510950(P2012−510950A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539507(P2011−539507)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/006359
【国際公開番号】WO2010/065121
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(399132320)タイコ・エレクトロニクス・コーポレイション (234)
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Corporation
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/006359
【国際公開番号】WO2010/065121
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(399132320)タイコ・エレクトロニクス・コーポレイション (234)
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Corporation
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]