説明

グラブバケット式揚土装置

【課題】 グラブバケットに掴み取った浚渫物が、土砂などの粘性の低いものであっても、その浚渫物をグラブバケット内に噴入する加圧水により安定的に効率よく揚土することができる。
【解決手段】 グラブバケット式揚土装置において、一対のシェル10L,10Rの一方に水中ポンプPUを設け、他方に揚土パイプPを接続し、水中ポンプPUにより水中の水を吸引し、加圧水をグラブバケットG内の密閉状収容室C内に噴入し、シェル10L,10R内の浚渫物を揚土パイプPに圧送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海底、川底などの水底を浚渫し、その浚渫物、特に、土砂などの粘性の低い浚渫物を能率よく水面上に揚土するようにした、グラブバケット式揚土装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グラブバケット式揚土装置において、グラブバケットを水底から吊り上げることなく、グラブバケットにより掴持した泥土、土砂などの浚渫物を揚土パイプを通して水上まで揚土できるようにして周辺水域の汚染を低減し、しかも省エネを図りながら所期の浚渫作業を行うことができるようにしたグラブバケット式揚土装置は公知である(後記特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開平7−26580号公報
【特許文献2】特開2008−45378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記従来のグラブバケット式揚土装置では、グラブバケットを構成する開閉可能な一対のシェル内に、押込板(フラップ)を揺動可能に設け、この押込板の揺動駆動により、閉成したシェル内の浚渫物を揚土パイプに圧送するようにしている。
【0004】
ところが、浚渫物が粘性の低い土砂の場合には、押込板が土砂を圧送しきれずに通過してしまい、その結果、シェル内に土砂のブリッジ現象を生じて土砂の圧送が困難になったり、圧送能率が大幅に低下してしまうなどの問題があった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、浚渫物が、粘性の低い土砂であっても連続的、安定的に能率よく揚土できるようにした、新規なグラブバケット式揚土装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、水上の作業機により、水中の没するように吊下支持される支持フレームに、グラブバケットを構成する一対のシェルを開閉可能に軸支し、前記一対のシェルを、シェル駆動手段により強制開閉駆動して、その相互間に浚渫物を掴み取るようにした、グラブバケット式揚土装置において、
前記一対のシェルの何れか一方に水中ポンプを設けると共にその他方に揚土パイプを接続し、前記水中ポンプにより吸引、加圧した水中の水を、その吐出口から閉成したグラブバケット内の密閉状収容室に噴入し、その噴入加圧水により前記一対のシェル内の浚渫物を攪拌し巻き込んで、その噴入加圧水と共に前記揚土パイプに圧送するようにしたことを特徴としている。
【0007】
上記目的達成のため、請求項2の発明は、前記請求項1のものにおいて、前記揚土パイプの、一対のシェル内へ連通する上流側には、揚土パイプからグラブバケット内への浚渫物の逆流を阻止する逆止弁を設けたことを特徴としている。
【0008】
上記目的達成のため、請求項3の発明は、前記請求項1または2のものにおいて、前記水中ポンプは、一方のシェルの、浚渫物をつかみ取るための出入口と対面する背面の外側に設けられ、その吸込口から浚渫物などの異物を吸い込まないようにされていることを特徴としている。
【0009】
上記目的達成のため、請求項4の発明は、前記請求項1,2または3のものにおいて、前記一対のシェルが閉成された状態において、前記水ポンプの吐出口は、一方のシェルの背面の上下方向の中間部に開口され、前記揚土パイプの入口は、他方のシェルの背面の上部に開口されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項各項の発明によれば、グラブバケットに掴み取った浚渫物が土砂などの粘性の低いものであってもその浚渫物をグラブバケット内に噴入する加圧水により、攪拌し巻き込んで、安定的に効率よく揚土することができる。
【0011】
また、請求項3の発明によれば、水中ポンプから浚渫物などの異物を吸い込むことが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0013】
添付図面において、図1は、本発明グラブバケット式揚土装置の使用状態を示す図、図2は、図1の2矢視の仮想線囲い部分の拡大図で、グラブバケットの開放状態を示す側面図、図3は、グラブバケットの閉成状態を示す側面図、図4は、グラブバケットの縦断面図、図5〜図7は、浚渫土砂の揚土作業の行程図である。
【0014】
この実施例は、本発明にかかるグラブバケット式揚土装置により海底に堆積する土砂の浚渫を行う場合であって、図1において、作業台船BBの船体1上には、作業機T、すなわちバックホウなどの自走式作業車両が搭載されている。この作業車両Tは、鉛直軸まわりに旋回可能な旋回台2を備え、この旋回台2の前部には、屈折ブーム5が俯仰可能に支持されている。屈折ブーム5の先端には、連結体3および支持フレームFを介して本発明にかかるグラブバケット式揚土装置の主体部分を構成するグラブバケットGが開閉かつ揺動可能に吊下支持されている。屈折ブーム5は、基部ブーム5Aと先部ブーム5Bとを備えており、基部ブーム5Aは旋回台2に上下に回動自在に軸支され、基部ブーム5Aと旋回台2間には、基部シリンダ7が連結され、また基部ブーム5Aの先端には先部ブーム5Bが上下に回動自在に連結され、基部ブーム5Aと先部ブーム5Bとの間には、先部シリンダ8が連結されており、基部および先部シリンダ7,8の伸縮制御により、屈折ブーム5は図1実線に示す俯伏位置と、同図鎖線に示す仰起位置との間を俯仰作動される。そして、屈折ブーム5に支持されたグラブバケットGを用いて海底の堆積土砂を直接浚渫するようにされている。後に述べるように、グラブバケットGには、可撓性の揚土パイプPが接続されており、グラブバケットGにより掴み取った浚渫土砂は、揚土パイプP内を通って水上へと揚土される。揚土パイプPは、作業機Tの屈折ブーム5に抱持されて水上へと延びて作業台船BB上に支持され、さらに作業台船BBに横付けされる土運船BAへと延長されて、その下流端、すなわち放出端は土運船BA内の土砂貯留室Hに向けて開口される。連結体3には、グラブバケットGを強制回動させる先端シリンダ4がリンク6を介して連結されている。
【0015】
つぎに、図2〜4を参照して、本発明にかかるグラブバケット式揚土装置の構造について説明する。
【0016】
前記屈折ブーム5に連結体3を介して吊下支持される支持フレームFには、グラブバケットGが開閉可能に支持されている。このグラブバケットGは、対をなすバケット状の左右シェル10L,10Rより構成されており、これらのシェル10L,10Rは、後に詳述するように、フレームFの左右両端部に支持軸11L,11Rをもって開閉可能に軸支されており、それらの相互間に、浚渫土砂を掴み取ることができる。左右シェル10L,10Rの相互間には、それらのシェル10L,10Rの閉成時に、掴み取った浚渫土砂を収容可能な密閉状の収容室Cが画成される。左右シェル10L,10Rの互いに対面する前面12L,12Rには、それらの略全域にわたり出入口13L,13Rが開口され、それらの出入口13L,13Rの周縁には、それらが閉じられたときにそれらの接触面を封緘するシールSが設けられ、前記収容室Cを密閉室とすることができ、後に述べるように、その収容室C内に噴入される、水中ポンプPUからの圧送用加圧水の漏洩が防止される。左右シェル10L,10Rの左右前面12L,12Rの下縁部には、従来公知のグラブバケットと同様に、左右シェル10L,10Rによる土砂の掴み取り効率を高めるための複数の左右係止爪9L…、9R…が、相互に噛み合うように互い違いに突設される。
【0017】
左右シェル10L,10Rは、いずれもバケット状に形成されており、左シェル10Lは、出入口13Lを開口した前面12Lと、背面15Lと、その背面15Lの上縁より略直角に起立接続される上面14Lと、その背面15Lの前後両側縁より略直角に起立接続される平坦な前後一対の側面16L,16Lと、その両側面16L,16Lの下端縁を接続すると共に背面15Lの下端縁にも接続される円弧状の底面17Lとを備えており、前記背面15Lは前記出入口13Lに対面して、図4に示すように、その縦断面が四角形状に形成されている。一方、右シェル10Rは、出入口13Rを開口した前面12Rと、平坦な背面15Rと、その背面15Rの端壁前後両側縁より略直角に起立接続される平坦な前後一対の側面16R,16Rと、その両側面16R,16Rの下端縁を接続すると共に背面15Rの下端縁にも接続される円弧状の底面17Rとを備えており、前記背面15Rは前記出入口13Rに対面して、図4に示すように、その縦断面が三角形状に形成されている。そして、グラブバケットGは、その左シェル10Lの容積が、右シェルの10Rの容積よりも若干大きくされている。
【0018】
左右シェル10L,10Rの背面15L,15Rには、前記出入口13L,13Rから離れる方向に延びる左右支持腕18L,18Rがそれぞれ一体に設けられている。これらの支持腕18L,18Rの中間部に、前記支持フレームFの左右両端が支持軸11L,11Rをもって回動自在に軸支されており、左右シェル10L,10Rは、支持軸11L,11Rを支点として左右方向に開閉可能である。左右シェル10L,10Rと支持フレームFとの間には、左右シェル10L,10Rを開閉駆動するシェル駆動装置DSが設けられる。このシェル駆動手段DSは、左右一対のシェル10L,10Rの相互間を連動、連結して、その両シェル10L,10Rを互いに同調開閉させる同調リンク機構Lと、その同調リンク機構Lを介して左右シェル10L,10Rを互いに同調して開閉駆動する共通の開閉用アクチュエータASとより構成される。前記同調リンク機構Lは、一端が右シェル10Rの支持軸11Rよりも上方で右支持腕18Rに上部支持軸19を介して回動自在に軸支されると共に他端が左シェル10Lの支持軸11Lよりも下方で左支持腕18Rに下部支持軸20をもって回動自在に軸支された長い第1リンク21と、一端が前記下部支持軸20に回動自在に軸支されると共に他端が左シェル10Lの支持軸11Lよりも上方で左支持腕18Lに他方の上部支持軸23を介して回動自在に軸支された短い第2リンク22とより構成されている。そして、その第2リンク22の中間部は左シェル10Lの軸支部である支持軸11Lに回動自在に軸支されている。
【0019】
また、前記同調リンク機構Lを介して左右一対のシェル10L,10Rを互いに同調して開閉駆動し得る共通の開閉用アクチュエータASは、復動式の油圧シリンダにより構成され、その油圧シリンダASの両端は、左右シェル10L,10Rの左右支持腕18L,18Rの上端に前記左右上部支持軸23,19を介してそれぞれ回動自在に軸支されている。したがって、このアクチュエータ、すなわち油圧シリンダASを伸長作動すれば、図3に示すように一対の左右シェル10L,10Rは閉成作動され、また、それを収縮作動すれば、図2に示すように左右一対のシェル10L,10Rは開放作動される。そして、左右シェル10L,10Rの開閉作動によれば、後に述べるように、グラブバケットG内に、浚渫土砂を掴み取ることができる。その際に、浚渫土砂がグラブバケットGの外に散乱するのを極力抑えることができる。
【0020】
左シェル10Lの背面15Lの外側の略中央部には、水中ポンプPUが一体に設けられている。この水中ポンプPUは、ポンプ羽根を備えたポンプ部30と、モータを備えた駆動部31とを備え、ポンプ部30の吐出口32は、左シェル10Lの背面15Lを貫通してグラブバケットG内に開口しており、また、そのポンプ部30の吸込口33は、グラブバケットGの出入口13L,13Rから離れた位置、すなわち左シェル10Lの背面15Lの外側に設けられており、水中ポンプPUの駆動時に、その吸込口33から、浚渫土砂などの異物を吸い込まないようにされている。また、駆動部31のモータに接続されるワイヤハーネス34は、揚土パイプPに案内されて、水上へと延びており、作業台船BBに設けた図示しない電源装置に接続されている。また、左シェル10Lの背面15Lには、水中ポンプPUの吸込口33を覆うようにストレーナ35が設けられ、このストレーナ35により、粗大異物が水中ポンプPU内へ吸い込まれないようにされる。
【0021】
しかして、浚渫作業を行うときは、水中ポンプPUはグラブバケットGと共に水中に没しているので、水中の水を直接吸い込むことができ、そのとき、浚渫土砂などの異物を吸い込むことがない。
【0022】
一方、右シェル10Rの背面15Rの上部(グラブバケットGが閉じたときの上部)には、排出パイプ37が一体に接続されている。この排出パイプ37の入口は右シェル10Rの背面15Rを貫通してグラブバケットG内に開口しており、またその出口は、前記揚土パイプPの入口、すなわちその上流端に接続されている。前記排出パイプ37内には、グラブバケットGから揚土パイプPへのみ浚渫土砂の流れを許容する逆止弁38が開閉可能に設けられ、この逆止弁38は、戻しバネ39により常に閉じ方向に付勢されており、グラブバケットG内の圧力が戻しバネ39のバネ力に打ち勝つと、前記逆止弁38が開弁されて、グラブバケットG内の浚渫土砂が揚土パイプPへと圧送される。
【0023】
つぎに、この実施例の作用を図5〜7を参照して説明する。
【0024】
(1) 図5(A),(B)に示すように、油圧シリンダASの収縮作動により、一対の左右シェル10L,10Rを全開状態に保持したままグラブバケットGを海底に降ろす。このとき、グラブバケットG全体の自重により、一対の左右シェル10L,10Rは、それらの下部が海底の、浚渫すべき堆積土砂に食い込む。
【0025】
(2) つぎに、図5(C)、図6(D)に示すように、油圧シリンダASの収縮作動により、左右一対のシェル10L,10Rを閉じ方向に回動して全閉とする。このとき、一対の左右シェル10L,10Rは、その内部に海底の堆積土砂を掴み取って、その浚渫土砂を左右一対のシェル10L,10R内の密閉状収容室C内に収容する。
【0026】
(3) つぎに、図6(D),(E)に示すように、グラブバケットGを海底から離すべく若干上昇させた後、あるいは上昇させながら水中ポンプPUを駆動する。このとき、水中ポンプPUは、海中に没しているので、その吸込口33から海水を効率よく直接吸い込むことができる。水中ポンプPUの吐出口32から吐出される加圧水は、グラブバケットGの密閉状収容室C内に直接噴入される。収容室C内に噴入した加圧水は、図6(D),(E)に矢印で示すように、収容室C内の浚渫土砂を攪拌し、巻き込みながら左シェル10L側から右シェル10R側へと押し込み、該収容室Cの空隙部に充填され、その水圧により加圧された浚渫土砂は、密閉状収容室Cより逆止弁38を開弁して揚土パイプPへと残留することなく圧送され、収容室C内では土砂のブリッジ現象を生起することがない。また、左右一対のシェル10L,19R内には、従来の押込板が存在しないので、浚渫土砂は、水圧を受けて、抵抗少なくスムーズに左右シェル10L,10R内を揚土パイプPへ向けて移動する。
【0027】
(4) 図6(F)に示すように、水中ポンプPUの運転継続により、収容室C内の水圧により、同図矢印に示すように浚渫土砂は漸次左シェル10L側から右シェル10R側へと押圧されて揚土パイプPへと連続的に圧送されて、図7(G)に示すように、収容室C内の浚渫土砂は残留することなく揚土パイプPに圧送され、該室C内が加圧水により充填され、さらに、その加圧水の一部が揚土パイプP内にも流入したところで、水中ポンプPUの運転を停止する。前述の浚渫土砂の圧送行程において、揚土パイプPに流入した浚渫土砂は逆止弁38により収容室Cへ逆流することがない。また、水中ポンプPUの吸込口33は、左シェル10Lの背面15Lの外側に開口されるので、水中ポンプPが浚渫土砂などの異物を吸い込むことがない。
【0028】
(5) 図7(H)に示すように、収容室C内の浚渫土砂の排出が終了すれば、油圧シリンダASの収縮作動により左右一対のシェル10L,10Rを略全開位置まで開放しグラブバケットGを、つぎの浚渫位置まで移動してふたたび海底に落として前記(1) の行程が行なわれる。
【0029】
以上(1) 〜(5) の行程を繰り返すことにより、浚渫土砂などの浚渫物は揚土パイプP内を逐次押し上げられて土運船BAまで揚土され、土砂貯留室Hに投下される。
【0030】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0031】
たとえば、前記実施例では、グラブバケット式揚土装置により海底を浚渫する場合について説明したが、これにより川底、湖底などを浚渫できることは勿論である。また、前記実施例では左右一対のシェルを一つのアクチュエータにより駆動するようにしているが、それらを複数のアクチュエータにより駆動するようにしてもよく、さらにアクチュエータとして油圧シリンダ以外のものの使用が可能である。さらに、前記実施例では、電動式水中ポンプを用いているが、これに代えて、油圧式、エア式その他の水中ポンプを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】グラブバケット式揚土装置の使用状態を示す図
【図2】図1の2矢視の仮想線囲い部分の拡大図で、グラブバケットの開放状態を示す側面図
【図3】グラブバケットの閉成状態を示す側面図
【図4】グラブバケットの断面図
【図5】浚渫土砂の揚土作業の行程図
【図6】浚渫土砂の揚土作業の行程図
【図7】浚渫土砂の揚土作業の行程図
【符号の説明】
【0033】
10L・・・・・シェル(左シェル)
10R・・・・・シェル(右シェル)
13L・・・・・出入口
15L・・・・・背面
15R・・・・・背面
32・・・・・・吐出口
33・・・・・・吸込口
38・・・・・・逆止弁
DS・・・・・・シェル駆動手段
F・・・・・・・支持フレーム
G・・・・・・・グラブバケット
P・・・・・・・揚土パイプ
PU・・・・・・水中ポンプ
T・・・・・・・作業機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水上の作業機(T)により、水中の没するように吊下支持される支持フレーム(F)に、グラブバケット(G)を構成する一対のシェル(10L,10R)を開閉可能に軸支し、前記一対のシェル(10L,10R)を、シェル駆動手段(DS)により強制開閉駆動して、その相互間に浚渫物を掴み取るようにした、グラブバケット式揚土装置において、
前記一対のシェル(10L,10R)の何れか一方に水中ポンプ(PU)を設けると共にその他方に揚土パイプ(P)を接続し、前記水中ポンプ(PU)により吸引、加圧した水中の水を、その吐出口(32)から閉成したグラブバケット(G)内の密閉状収容室(C)内に噴入し、その噴入加圧水により前記一対のシェル(10L,10R)内の浚渫物を攪拌し巻き込んで、その噴入加圧水と共に前記揚土パイプ(P)に圧送するようにしたことを特徴とする、グラブバケット式揚土装置。
【請求項2】
前記揚土パイプ(P)の、一対のシェル(10L,10R)内へ連通する上流側には、揚土パイプ(P)からグラブバケット(G)内への浚渫物の逆流を阻止する逆止弁(38)を設けたことを特徴とする、前記請求項1記載のグラブバケット式揚土装置。
【請求項3】
前記水中ポンプ(PU)は、一方のシェル(10L)の、浚渫物を掴み取るための出入口(13L)と対面する背面(15L)の外側に設けられ、その吸込口(33)から浚渫物などの異物を吸い込まないようにされていることを特徴とする、前記請求項1または2記載のグラブバケット式揚土装置。
【請求項4】
前記一対のシェル(10L,10R)が閉成された状態において、前記水ポンプ(PU)の吐出口(32)は、一方のシェル(10L)の背面(15L)の上下方向の中間部に開口され、前記揚土パイプ(P)の入口は、他方のシェル(10R)の背面(15R)の上部に開口されていることを特徴とする、前記請求項1,2または3記載のグラブバケット式揚土装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−24655(P2010−24655A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184842(P2008−184842)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(505077334)株式会社 ダムドレ (7)
【Fターム(参考)】