説明

グランドピアノ鍵盤蓋

【目的】 グランドピアノの鍵盤蓋を開閉の際、鍵盤蓋の奥側に透き間を生じ、こゝから物が落ち込んでピアノ内部に入り種々のトラブルを発生させるため、鍵盤蓋の上面上部に落下防止の器具を取りつけて物の落下を防ぎ種々のトラブルを未然に防止する装置を提供する。
【構成】 グランドピアノの鍵盤蓋(1)の上面上部に鍵盤蓋(1)の幅をもち、鍵盤蓋上部の傾斜角度と同等の角度を上面にもった器物落下防止壁(2)を装着することを特徴とする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
〔産業上の利用分野〕
この考案は、グランドピアノ鍵盤蓋開閉時に鍵盤蓋(1)と前かまち(3)下部の透き間から器物がピアノ内部に落ち込むことを防止するグランドピアノ鍵盤蓋に関するものである。
【0002】
〔従来の技術〕
従来のグランドピアノは、鍵盤蓋開閉時にピアノ内部に器物が落ち込むことを防止する装置はない。
【0003】
〔考案が解決しようとする課題〕
グランドピアノの鍵盤蓋(1)は、軸受金具に受けとめられて、鍵盤蓋回転軸(4)を中心に90°回転して開閉されるが、蓋開閉のとき、前かまち(3)の下部に透き間が生じる構造となっており、この透き間から種々の器物が落ち込んでピアノ内部に入り、音の不調や、鍵盤圧迫による不調、蓋が完全に閉じられない等トラブルが発生する。
本考案は、これを防止するためになされたものである。
【0004】
〔課題を解決するための手段〕
鍵盤蓋幅の長さで上面が鍵盤蓋と同等の傾斜をつけた器物落下防止壁(2)を、鍵盤蓋開閉時に落下防止壁の先端が前かまち(3)の下部に接触しない高さの位置に取り付けることによって鍵盤蓋開閉時に前かまち(3)と鍵盤蓋(1)の透き間から器物が落ち込んでも器物落下防止壁(2)で受け止められるため、一般人には難しい鍵盤蓋を取りはずすことなく容易に取り除くことができる。
本考案は、以上のような構成よりなるグランドピアノ鍵盤蓋である。
【0005】
〔作用〕
鍵盤蓋(1)を開いたときに、前かまち(3)と鍵盤蓋の間に物が落ちても器物落下防止壁(2)によって受け止められる。
又、鍵盤蓋を閉じているときに蓋の上面に物を置いても器物落下防止壁(2)の上面が手前に下方傾斜しているので物は手前に滑り落ち、器物落下防止壁(2)
より上に物が置かれることはないので蓋を開いてもピアノ内部に物が落ち込むことはない。
【0006】
〔実施例〕
以下、本案の実施例を説明する。
(イ)グランドピアノ鍵盤蓋の上部に、鍵盤蓋幅の長さの器物落下防止壁(2)
をピアノ鍵盤蓋と同等の傾斜角度を持った器物落下防止壁(2)の上面を上にして設置。
(ロ)鍵盤蓋を閉じているときに物を置いても器物落下防止壁(2)から上の部分には傾斜角度があるため手前に滑り落ちるため器物落下防止壁(2)から上の鍵盤蓋上には物は置けない。
(ハ)鍵盤蓋手前側の水平面部分上に物を置いたまゝで蓋を開いても器物落下防止壁(2)で受けとめられピアノ内部に物が入ることはなく、落下物は容易に取り除くことができる。
(ニ)鍵盤蓋が開かれているときに、前かまち(3)と鍵盤蓋(1)の間から物が落ちこんでも器物落下防止壁(2)で受けとめられて落下物がピアノ内部まで落ち込むことはなく、落下物は容易に取り除くことができる。
(ホ)アップライトピアノの一部にはグランドピアノと同じ構造の鍵盤蓋のピアノがあるが、器物落下防止壁(2)を設置することによりグランドピアノの場合と全く同様の効果である。
【0007】
〔考案の効果〕
グランドピアノ鍵盤蓋の開閉時に発生するピアノ内部への物の落下による種々のトラブルは解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案を示すグランドピアノ正面図。
【図2】本考案の一部を切り欠いたグランドピアノ鍵盤蓋部分の斜視図。
【図3】本考案の一部を切り欠いたグランドピアノ鍵盤蓋部分の左側面図。
【図4】本考案の一部を切り欠いたグランドピアノ鍵盤蓋開蓋時の左側面図。
【符号の説明】
1 鍵盤蓋
2 器物落下防止壁
3 前かまち
4 鍵盤蓋回転軸

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 グランドピアノ鍵盤蓋上面の上部に、鍵盤蓋幅の器物落下防止壁(2)を設けたグランドピアノ鍵盤蓋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】第3038004号
【登録日】平成9年(1997)3月19日
【発行日】平成9年(1997)6月6日
【考案の名称】グランドピアノ鍵盤蓋
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平8−13452
【出願日】平成8年(1996)11月18日
【出願人】(596030003)