説明

グリシン−N,N−ジアセチックアシッド誘導体Iから、吸湿性が十分に低い結晶性固体を製造するための方法

本発明は、
吸湿性が十分に低い、グリシン−N,N−ジアセチックアシッド誘導体(例えばMGDA)から、結晶性の固体を製造するための方法に関し、該方法は、式Iの少なくとも1種の結晶性化合物を種として導入し、そして式Iの少なくとも1種の化合物を使用してスプレー造粒が行われ、好ましくは次に熱処理が行われることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
例えば洗剤(洗−及び洗浄剤)中に使用される類の、アルカリ土類金属イオン及び重金属イオンのための錯化剤(complexing agent)は、典型的には水溶液中で合成される。所定の適用のために、これらは固体状態である必要がある。
【0002】
溶液から固体を製造する典型的な方法は特に、結晶化法、及びスプレー乾燥法である。例えば蒸発、又は冷却結晶化法で製造される類の結晶性固体は、結晶化の水を含んでも良く、及び環境条件下では通常、アモルファス固体(amorphous solid)よりも吸湿性が低く、及び保管安定性が良好であることが公知である。対照的に、スプレー乾燥法によって(例えば、スプレータワー内で、又は流動化スプレー床内で)、固体がアモルファス状態(非結晶質固体状態)で得られる。この状態では、固体はしばしば高度に吸湿性であり、及び開放された環境条件下では、自由流(free flow)のための容量を短時間で失う。従って、スプレーした粉のための保管安定性を増すための手段、例えば、コンパクト化、又は洗濯洗剤のための材料の安息香酸を使用した後処理が特許文献1(US3932316)に記載されている。
【0003】
アルカリ土類金属イオン、及び重金属イオンのための錯化剤としてのグリシン−N,N−ジアセチックアシッド誘導体は、特許文献2(WO94/29421)から、種々の工業適用分野で公知である。これらのグリシン−N,N−ジアセチックアシッド誘導体、例えば三ナトリウム塩の状態のα−アラニン−N,N−ジアセチックアシッド(MGDA)は、その結晶化が強く阻止されており、従って典型的な結晶化は不可能であるか、又は経済的でない。これらの化合物のアモルファススプレーした粉を、特許文献1(US3932316)に従い、添加剤、例えば安息香酸を使用して後処理することは、所定の適用では望ましくなく、そして限られた範囲でしか保管安定性を改良しない。結晶性固体の安定性は達成されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】US3932316
【特許文献2】WO94/29421
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明の目的は、実質的に非吸湿性の、安定した、グリシン−N,N−ジアセチックアシッド誘導体を実質的に含む、広範囲にわたって添加剤を有しない、好ましくは結晶性の固体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば処理と使用のために、好ましくは吸湿性が十分に低く、及び式I
【0007】
【化1】

のグリシン−N,N−ジアセチックアシッド誘導体を実質的に含む、好ましくは結晶性の固体を製造するための方法であって、
上記式中、Rが、
置換基として追加的に5個以下のヒドロキシル基、ホルミル基、C1〜C4アルコキシ基、フェノキシ基、又はC1〜C4アルコキシカルボニル基を有していても良く、及び5個以下の非隣接の酸素原子で中断されても良いC1〜C30アルキル、又はC2〜C30アルケニル、

−(CH2k−O−(A1O)m−(A2O)n−Y
(但し、上記式中、A1及びA2が、相互に独立して、2〜4個の炭素原子を有する1,2−アルキレン基、Yが水素、C1〜C12アルキル、フェニル、又はC1〜C4アルコキシカルボニルを意味し、及びkが、1、2又は3の数であり、及びm及びnが互いに独立して、それぞれ0〜50の数で、m+nの合計が、少なくとも4である)
のアルコキシレート部分(moiety)、
アルキル中に1〜20個の炭素原子を有するフェニルアルキル基、
窒素、酸素、及び硫黄から成る群から選ばれる3個以下のヘテロ原子を有する、5員、又は6員の、不飽和の、又は飽和した、追加的にベンゾ融合されていても良い複素環であり、
ここで、Rの定義中の全てのフェニル基及び複素環が、追加的に置換基として、3つ以下のC1〜C4アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、又はC1〜C4アルコキシカルボニル基を有することができ、又はRが、

【0008】
【化2】

【0009】
(但し、
Aが、C1〜C12アルキレンブリッジ、又は化学結合であり、
各Mが、互いに独立して、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は置換されたアンモニウム(例えば、有機アミン塩)を対応する化学量論的量で表す)
の基であり、及び
式Iの少なくとも1種の結晶性固体が種として供給され、及び式Iの少なくとも1種の化合物で(好ましくは造粒機内で)スプレー造粒が行われることを特徴とする方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
式Iの特に好ましい化合物は、DE19649681に記載されているものである。
【0011】
本質的に典型的な方法では、スプレー造粒では、ノズルを通してスプレーされた液体の50μmの範囲の小〜極小の滴が、直接熱交換によって、暖かい、又は加熱された空気流中で反応チャンバー内で乾燥され、粒子を形成する。例えば、水溶液、乳濁液、又は分散物から、反応チャンバー内で、これらのスプレーされた小滴の乾燥を経て、極小の粒子(種)が最初に製造される(この替わりに、これらの種は、スタート時に導入されても良い)。これらの種は、流動床内で、サスペンション(流動化)の状態で保持され、そして層状の吸着と、更なるスプレー小滴の乾燥のための表面を形成する。このようにして製造された粒子は、分類排出(classifying discharge)を使用して、乾燥手順を中断することなく、柔軟な態様で、例えば粒子径を自由に調整可能な状態で、乾燥チャンバーから連続的に除去することができる。スプレー造粒の方法については、H.Uhlemann,L.Morl,“Wirbelschicht−Spruhgranulation”Springer−Verlag 2000(ISBN3−540−66985−X)も参照される。
【0012】
本発明の方法は、式Iの少なくとも1種の、好ましくは結晶性の化合物が、種の状態(形式)で導入され、そして通常の方法で、好ましくは溶液中(より好ましくは水溶液中、例えば約40%濃度)の、式Iの少なくとも1種の化合物を使用して、スプレー造粒が行われる。
【0013】
スプレー造粒は、好ましくは以下のパラメーターで行われる:
好ましい空気供給温度:90〜160℃、好ましい空気離脱温度:40〜110℃、好ましい生成物温度:40〜110℃、好ましいスプレー空気温度:70〜110℃、好ましいスプレー空気圧:1〜6バール、好ましいスプレー溶液温度:50〜95℃。
【0014】
本発明の方法では、例えば液体原料(例えば、式Iの化合物の40%濃度水溶液)が、熱風流中の流体の動きの中で、(式Iの化合物の)結晶種上にスプレーされ、そして乾燥して、及び種が成長する。この手順は、好ましくは生成物の一部を造粒機から連続的に除去すると共に、好ましくは連続的に行なわれ、次に追加的な焼き戻し工程(熱処理工程)で、その処理がなされる。これは、好ましくは生成物の結晶性部分を上昇させることによって、生成物の吸湿性を低減させる。このようにして処理された生成物は、最終的な製品であり、そして部分的に粉化(粉砕)され、そして新しい種として造粒機内に戻される。
【0015】
生成物は、好ましくは以下の温度プロフィールで熱−後処理される(tempered):50〜90℃の床温度で開始、床温度が約1時間の過程で90〜130℃に上昇され、そして次にこの温度で約60分間、保持される。
【0016】
造粒機は、好ましくは、(例えばサイクロン、及び/又はフィルターを備えた)流動床スプレー造粒機である。
【0017】
本発明の方法では、好ましくは、開始時においてのみ結晶性生成物を導入する必要があり、この後、スプレー造粒(該スプレー造粒で、例えば、結晶性生成物が導入されることなく、更なるアモルファス顆粒のみが製造される)、及び次の焼戻し(熱処理)が行われ、これにより比較的高い結晶性部分を有する、持続的な(永続する)生成物(従って、実質的に吸湿性が低い生成物)が得られる。
【0018】
「結晶性」という記載は、好ましくは少なくとも60質量%の結晶性部分を示す。
【0019】
開放した、及び標準の環境条件、例えば25℃、及び相対湿度が76%での保管において、固体が(好ましくは自由流動の)粉、又は顆粒として、少なくとも1日間、好ましくは1週間の期間にわたり、その一貫性を保持するならば、ここではその固体は、非吸湿性、又は十分に低吸湿性であるとされる。
【0020】
本発明に従い製造される、好ましくは結晶性の固体は、式Iの化合物を含み、及び少量の出発生成物(starting product)、及び/又はグリシン−N,N−ジアセチックアシッド誘導体Iの製造からの副生成物が追加的に存在しても良い。化合物Iの典型的な純度は、使用する合成法に依存して、(それぞれ固体含有量に対して)70質量%〜99.9質量%、より特定的には80質量%〜99.5質量%である。
【0021】
結晶性の出発物質は、例えばDE19649681に記載された方法によって製造されても良い。
【0022】
本発明の方法は、好ましくは化合物I(但しRが、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、又は式
【0023】
【化3】

の基である)のために適切である。
【0024】
化合物Iとして、α−アラニン−N,N−ジセチックアシッド(R=CH3、MGDA)及びその塩を使用することが特に好ましい。例えば、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び置換されたアンモニウム塩を使用することが好ましい。
【0025】
適切なこのような塩は、特に、ナトリウム、カリウム、及びアンモニウム塩、より特定的には、3ナトリウム、3カリウム、及び3アンモニウム塩、及び3級窒素原子を有する有機トリアミン塩である。
【0026】
有機アミン塩に対する親(parent)として適切な塩基は、特に、第3アミン、例えばアルキル中に1〜4個のC原子を有するトリアルキルアミン、例えばトリメチルアミン、及びトリエチルアミン、及びアルカノール残基中に2〜3個のC原子を有するトリアルカノールアミン、好ましくはトリアルカノールアミン、トリ−n−プロパノールアミン、又はトリイソプロパノールアミンである。
【0027】
特にカルシウム塩及びマグネシウム塩が、アルカリ土類金属塩として使用される。
【0028】
メチルの他に、基Rについて記載された直鎖又は枝分かれしたアルキル(アルケニル)基は、特に、C2〜C17アルキル又はアルケニルを含み、より特定的には、飽和した、又は不飽和の脂肪酸から誘導される直鎖基を含む。
【0029】
個々の基Rの例は次のようなものである:エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、3−ヘプチル(2−エチルヘキサン酸から誘導)、n−オクチル、イソオクチル(イソノナン酸から誘導)、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、イソドデシル(イソトリデカン酸から誘導)、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル、及びn−ヘプタデシル(オレイン酸から誘導)。Rについて、混合物を形成することができ、より特定的には、天然由来の脂肪酸、及び合成して製造された、例えばオキソ法合成の結果としての工業酸の混合物を形成することができる。
【0030】
1〜C12アルキレンブリッジとしてAは、特に、式(CH2k(但し、kは2〜12の数、より特定的には2〜8の数である)のポリメチレン部分、すなわち、1,2−エチレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、及びドデカメチレンである。これについては、ヘキサメチレン、オクタメチレン、1,2−エチレン、及び1,4−ブチレンが特に好ましい。しかしながら更に、枝分かれしたC1〜C12アルキレン基も存在して良く、例えば−CH2CH(CH3)CH2−、−CH2C(CH32CH2−、−CH2CH(C25)−又は−CH2CH(CH3)−も存在して良い。
【0031】
1〜C30アルキル及びC2〜C30アルケニル基は、5個以下、特に3個以下の、上述したタイプの追加的な置換基を有していても良く、及び5個以下、より特定的には3個以下の非隣接の酸素原子によって中断されていても良い。このような置換されたアルケニル(アルケニル)基(alk(en)yl group)の例は、−CH2OH、−CH2CH2OH、−CH2CH2−O−CH3、−CH2CH2−O−CH2CH2−O−CH3、−CH2−O−CH2CH3、−CH2−O−CH2CH2−OH、−CH2−CHO、−CH2−OPh、−CH2−COOCH3、又は−CH2CH2−COOCH3である。
【0032】
ここで対象となるアルコキシレート部分は、特に、m及びnが、それぞれ互いに独立して、0〜30、特に0〜15のものである。A1及びA2は、好ましくは、ブチレンオキシドから誘導される基を表し、及び特に、プロピレンオキシド及びエチレンオキシドから誘導される基を表す。特に関与するものは、純粋なエトキシレート及び純粋なプロポキシレートであるが、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック構造が発生しても良い。
【0033】
5員又は6員の、不飽和の、又は飽和した複素環(該複素環は、窒素、酸素、及び硫黄から成る群からのヘテロ原子を3つ以下含み、及び上記複素環は追加的に、ベンゾ縮合されても良く、及び指定された基で置換されても良い)として、以下のものが意図される:テトラヒドロフラン、フラン、テトラヒロドチオフェン、チオフェン、2,5−ジメチルチオフェン、ピロリジン、ピロリン、ピロール、イソキサゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イミダゾーリン、イミダゾール、1,2,3−トリアゾリジン、1,2,3−及び1,2,4−トリアゾール、1,2,3−、1,2,4−及び1,2,5−オキサジアゾール、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、2H−及び4H−ピラン、ピペリジン、1,3−及び1,4−ジオキサン、モルホリン、ピラザン、ピリジン、α−、β−及びγ−ピコリン、α−及びγ−ピペリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、1,2,5−オキサチアジン、1,3,5−、1,2,3−及び1,2,4−トリアジン、ベンゾフラン、チオナフテン、インドリン、インドール、イソインドリン、ベンズオキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、クロマン、イソクロマン、2H−及び4H−クロマン、キノリン、イソキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、及びベンゾ1,2,3−トリアジン。
【0034】
上述した複素環中のN−H部分は、(例えば、N−アルキル部分として)可能な限り、誘導体化された状態であるべきである。
【0035】
フェニル環、又は複素環上での置換の場合、好ましくは2個(同一であるか、又は異なる)、又はより特定的には、1個の置換基が存在する。
【0036】
Rについて、任意に置換されたフェニルアルキル基、及び複素環を有するアルキル基の例は、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、o−、m−、又はp−ヒドロキシベンジル、o−、m−、又はp−カルボキシベンジル、o−、m−、又はp−スルホベンジル、o−、m−、又はp−メトキシ、又は−エトキシカルオベンジル、2−フリルメチル、N−メチルピペリジン−4−イルメチル、又は2−、3−又は4−ピリジニルメチルである。
【0037】
フェニル環、及び又複素環上での置換の場合、問題となる基は、好ましくは、水への溶解性を付与する基、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、又はスルホ基である。
【0038】
Rについて上述した基は、対応して、上述したC1〜C4、C1〜C12、及びC1〜C20アルキル基の例であると理解されるべきである。
【0039】
本発明に従い製造された結晶性固体は、特に固体洗剤処方物のための成分として適切である。更に、従って、このような処方物の他の通常の成分に加え、本発明に従い製造される、(アルカリ土類金属イオン及び重金属イオンのための錯化剤として、グリシン−N,N−ジアセチックアシッド誘導体Iを含む)吸湿性が十分に低い結晶性固体を、この目的のために通常の量で含む固体洗剤も本発明によって提供される。この種の固体洗剤処方物の組成及び通常の成分は、当業者にとって公知であり、及び従って、ここで更に詳細に説明する必要はない。
【0040】
以下に実施例を使用して本発明を詳細に説明する。使用したグリシン−N,N−ジアセチックアシッド誘導体Iは、α−アラニン−N,N−ジアセチックアシッド(メチルグリシン−N,N−ジアセチックアシッド、“MGDA”),三ナトリウム塩であった。
【実施例】
【0041】
以下に示す手順は、サイクロン、フィルター、及びガス洗浄器を備えた流動床スプレー造粒機内で行われた。
【0042】
出発材料(Trilon(登録商標)M、液体、BASF AGより)を連続的に、及び強く混ぜながら90℃に加熱し、そして造粒のために、この温度で使用した。以下の条件下に、安定した造粒運転が達成された:
【0043】
【表1】

【0044】
結晶性を高めるために、製造した生成物を、(70℃の床温度で開始し、次にこの温度を約1時間の過程にわたり、約110〜120℃に上げ、そして次にこの温度を約60分間保持した)温度プロフィールを使用して後処理した。
【0045】
1000ミクロンでのふるい分け、及び粉化した粗い材料を、造粒工程のための結晶化種として再使用し、安定した運転で、1時間当たり約20kgの収率を所望の品質で得た。細かく砕いた材料の導入は、床の高さを維持するために、及び生成物を結晶性の状態で得ることを目的として、この工程のために有利であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

のグリシン−N,N−ジアセチックアシッド誘導体を実質的に含む結晶性固体を製造するための方法であって、
上記式中、Rが、
置換基として追加的に5個以下のヒドロキシル基、ホルミル基、C1〜C4アルコキシ基、フェノキシ基、又はC1〜C4アルコキシカルボニル基を有していても良く、及び5個以下の非隣接の酸素原子で中断されても良いC1〜C30アルキル、又はC2〜C30アルケニル、

−(CH2k−O−(A1O)m−(A2O)n−Y
(但し、上記式中、A1及びA2が、相互に独立して、2〜4個の炭素原子を有する1,2−アルキレン基、Yが水素、C1〜C12アルキル、フェニル、又はC1〜C4アルコキシカルボニルを意味し、及びkが、1、2又は3の数であり、及びm及びnが、それぞれ0〜50の数で、m+nの合計が、少なくとも4である)
のアルコキシレート部分(moiety)、
アルキル中に1〜20個の炭素原子を有するフェニルアルキル基、
窒素、酸素、及び硫黄から成る群から選ばれる3個以下のヘテロ原子を有する、5員、又は6員の、不飽和の、又は飽和した、追加的にベンゾ融合されていても良い複素環であり、
ここで、Rの定義中の全てのフェニル基及び複素環が、追加的に置換基として、3つ以下のC1〜C4アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、又はC1〜C4アルコキシカルボニル基を有することができ、又はRが、

【化2】

(但し、
Aが、C1〜C12アルキレンブリッジ、又は化学結合であり、
各Mが、互いに独立して、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は置換されたアンモニウムを対応する化学量論的量で表す)
の基であり、及び
式Iの少なくとも1種の結晶性固体が供給され、及び式Iの少なくとも1種の化合物でスプレー造粒が行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
生成物の一部が造粒機から除去され、粉化され、及び新しい種として製造機に導入されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式Iの化合物の水溶液がスプレー造粒のために使用されることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の方法。
【請求項4】
Rが、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、又は式
【化3】

の基であるグリシン−N,N−ジアセチックアシッド誘導体Iから、吸湿性が十分に低い結晶性固体を製造するための、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
α−アラニン−N,N−ジアセチック酸(MGDA)又はそのアルカリ金属−、アンモニム−、又は置換されたアミン塩から、吸湿性が十分に低い結晶性固体を製造するための、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
生成物が熱−後処理されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項の方法に従い製造される結晶性固体を含む、アルカリ土類金属イオン及び重金属イオンのための錯化剤としての、グリシン−N,N−ジアセチックアシッド誘導体Iからの固体洗剤処方物。

【公表番号】特表2013−503119(P2013−503119A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525929(P2012−525929)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005219
【国際公開番号】WO2011/023382
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】