説明

グリース封入外輪回転用転がり軸受

【課題】外輪回転で使用される転がり軸受における潤滑グリース寿命の長期化と、冷時異音の抑制と、グリース漏洩防止性についての全てを優良評価できるグリース封入外輪回転用転がり軸受とすることである。
【解決手段】 プーリ軸受など外輪回転で使用される転がり軸受Aの内部に、40℃の動粘度が13〜73cSt以下の基油をウレア系増ちょう剤で増ちょうした潤滑グリースGを、軸受内部の全空間体積の20%以上、かつ静止空間体積の80%以下の体積比率だけ封入したグリース封入外輪回転用転がり軸受とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車エンジンのベルトシステムなどにおいてプーリ用転がり軸受などに用いられるグリース封入外輪回転用転がり軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、外輪を回転させて用いられる転がり軸受では、その内部に封入された潤滑グリースが、遠心力を受けてその流動が抑制されるため、内輪回転の転がり軸受に比べて要所に油膜が形成されにくくなることが知られている。
【0003】
図1を参照して説明すると、転がり軸受は、同心に配置した内輪2と外輪1との間に複数個の転動体3を介在させ、この複数個の転動体3を保持器4で保持し、シール部材5が軸方向の両端開口部を密封するように設けられており、その内部にグリースGは封入されている。
【0004】
内輪2の内側に付着しているグリースGは、固定された状態にある内輪2と一体になって殆ど流動しない状態を保っており、軸受の潤滑に寄与する作用が少ない。また、外輪1の内側に付着しているグリースGは、転がり軸受の回転により遠心力の影響で外輪1に張り付いた状態になり、保持器4で弾き飛ばされる場合の他に僅かずつしか軸受内部に供給されない状態である。
【0005】
このような状態で使用されるグリース封入外輪回転用転がり軸受は、グリースが僅かでも漏れ出てしまうと、転がり軸受の摩擦面に潤滑油が殆ど供給されなくなり、潤滑不足から騒音が発生し、回転トルクも不安定になる。
【0006】
このような問題を有するグリース封入外輪回転用転がり軸受を改良し、転がり軸受の内部に40℃の動粘度30〜70cStの潤滑グリースを充填し、その充填量が、軸受内部の全空間体積に対して5〜20%に調整されている転がり軸受が知られている(特許文献1)。
【0007】
しかし、特許文献1に記載されているような転がり軸受は、ハードディスクドライブ用または空調機器の送風モータ軸を支持するものであり、屋外での低温状態に対応できるものではなく、冷時異音や高温での使用寿命の延長について改良されたものではなかった。
【0008】
一方、自動車エンジンのベルトシステムには、カムシャフトを駆動するタイミングベルトと、電装・補機を駆動する補機ベルトが挙げられ、これらにはプーリユニットが使用されている。
このようなプーリユニットには、ベルトに適正な張力を付与するテンションプーリと、ベルトを適格に案内するアイドラプーリがあり、プーリの形状としては、ベルトの溝側を案内する正面溝付きプーリと、ベルトの平坦部を案内する背面フラットプーリがある。プーリユニットは、グリース封入の外輪回転用転がり軸受でもってプーリが回転自在に支持されており、封入される潤滑グリースの基油としては、エステル油やエーテル油が使用されている(特許文献2)。
【0009】
【特許文献1】特開2001−123190号公報
【特許文献2】特開2005−060482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記した従来のグリース封入転がり軸受では、グリース寿命と、冷時異音およびグリース漏洩の全ての問題について、一挙に解決できるものではなく、潤滑グリースの性能を組み合わせて前記のような特性を得ることは容易ではないという問題点がある。
【0011】
また、小荷重で使用されるハードディスクドライブ用転がり軸受または回転数が7000rpm程度と比較的低い空調機器の送風モータ軸などを支持する転がり軸受に関し、そのグリース封入量について、基油の動粘度等の技術情報を、そのまま自動車エンジンのベルトシステムなどに用いられる外輪回転用転がり軸受に転用できるものではなかった。
【0012】
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、外輪回転で使用される転がり軸受における潤滑グリース寿命の長期化と、冷時異音の抑制と、グリース漏洩防止性についての全てを優良評価できるグリース封入外輪回転用転がり軸受とし、特に自動車エンジンのベルトシステムに用いられるプーリ用転がり軸受として適用できるグリース封入外輪回転用転がり軸受とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、この発明では、外輪を回転させて用いられる転がり軸受の内部に、40℃における動粘度が13〜73cStの基油とウレア系増ちょう剤とを含有する潤滑グリースを封入し、この潤滑グリースの封入量は、転がり軸受内部の全空間体積の20%以上であり、かつ静止空間体積の80%以下の体積比率であるグリース封入外輪回転用転がり軸受としたのである。
【0014】
ここで、上記した「全空間体積」は、内輪と外輪の間の空間体積から、転動体および保持器の体積を除いた体積をいう。
また、上記した「静止空間体積」は、内輪と外輪と密封部材の空間体積における軸受回転時に転動体および保持器が通過しない空間の体積をいう。
【0015】
上記したように構成されるこの発明に係る外輪回転用転がり軸受は、潤滑グリースの基油として、40℃における動粘度が13〜73cStの基油を用いたことにより、潤滑に必要な所用粘度を満たしながら軸受内に滲み出した基油の攪拌抵抗による温度上昇が起り難く、自動車エンジンのベルトシステム等に実装された外輪回転用転がり軸受の使用時の軸受温度をほぼ160℃以下に抑制できる。
【0016】
40℃における動粘度が13cSt未満の柔らかい潤滑グリースでは、玉軸受(例えば深溝玉軸受)に所要の潤滑をする潤滑グリースにならないので好ましくない。また、73cStを超える硬いグリースでは、後述する実験結果からも明らかなように、潤滑グリースの攪拌抵抗による発熱量が大きくなり、外輪回転用転がり軸受が10000〜20000回転の高速回転で使用される時の軸受温度が140℃を超えるようになり、潤滑グリースが劣化しやすくなって好ましくない。
【0017】
前記潤滑グリースの封入量は、転がり軸受内部の全空間体積の20%以上であり、かつ静止空間体積の80%以下の体積比率に限定された量である。
潤滑グリースの封入量は、転がり軸受内部の全空間体積における20%以上の体積比率としていることにより、20%未満の封入量のものに比べて、高速回転(例えば20000回転/分)での使用耐久時間(寿命)を顕著に長く(350時間以上)することができる。また、全空間体積における20%未満の体積比率の潤滑グリースの封入量では、使用耐久時間(寿命)が、100時間程度となり、かなり短い寿命になるからである。
また、潤滑グリースの封入量は、転がり軸受内部における静止空間体積の80%以下の体積比率としたことにより、潤滑作用は充分に発揮され、使用耐久時間(寿命)を延長できる。また、静止空間体積の80%を超えて潤滑グリースを充填すると、転がり軸受から潤滑グリースが漏れ出ることが生じて好ましくなく、またそのような過剰量を封入すると、軸受温度が上昇する傾向が高まり、特に静止空間体積の85%を超えて潤滑グリースを充填すると軸受温度の上昇が顕著になる。
【0018】
また、この発明においては、転がり軸受を冬季に屋外で、例えば氷点下の気温となった際に使用するときにも冷時異音が発生しないようにするため、基油が、エステル油を15重量%以上含有する基油である潤滑グリースを封入した外輪回転用転がり軸受とすることが好ましい。
【0019】
上記作用を奏する潤滑グリースの実施態様としては、基油が、エステル油とポリαオレフィン油の混合油であるものがあり、さらに基油が、エステル油15〜95重量%とポリαオレフィン油5〜85重量%の混合油であることが、冷時異音の発生防止および所要の潤滑性を発揮して所期した潤滑グリース寿命を得るために好ましい。
【0020】
また、外輪回転用の転がり軸受に封入される潤滑グリースとして、適当な流動性があり、それによって油膜形成を充分に行なわせるためには、ウレア系増ちょう剤として、脂肪族ウレアもしくは脂環族ウレアまたは両者併用したウレア系増ちょう剤であることが好ましい。
【0021】
また、ウレア系増ちょう剤として、芳香族ジウレアを採用する場合には、前記したような適当な流動性を確保するために、基油がエーテル油15〜95重量%とポリαオレフィン油5〜85重量%の混合油を採用し、40℃における動粘度が54cSt以下としたグリース封入外輪回転用転がり軸受とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
この発明は、グリース封入外輪回転用転がり軸受において、所定動粘度の基油をウレア系増ちょう剤で増ちょうした潤滑グリースを用い、ある程度流動性の良い潤滑グリースを転がり軸受内部に所定量封入したので、潤滑グリースが漏洩せず、さらに冷時異音が生じ難くなり、しかも回転時の温度上昇を抑制して潤滑グリースの劣化を防止することで潤滑グリースの寿命を延長することができるという利点を兼ね備えたものになる。
【0023】
また、上記の転がり軸受において、基油が、エステル油とポリαオレフィン油の混合油である潤滑グリースを採用したグリース封入外輪回転用転がり軸受は、冷時異音の発生防止性および充分な潤滑性を発揮する利点が特に優れたものになる利点がある。
【0024】
上記の外輪回転用転がり軸受において、潤滑グリースのウレア系増ちょう剤として、脂肪族ウレアもしくは脂環族ウレアまたは両者併用したものを採用したものでは、外輪回転用の転がり軸受に封入される潤滑グリースとして、適当な流動性があり、それによって油膜形成を充分に行なえるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
この発明に用いる外輪回転用転がり軸受の構造を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、実施形態の深溝玉軸受型の外輪回転用転がり軸受は、同心に配置した外輪1と内輪2との間に複数個のボール型の転動体3を介在させ、この複数個の転動体3を保持する保持器4および外輪1に固定されたシール部材5が、軸方向の両端開口部を密封するように設けられたものであり、転がり軸受Aの内部に、40℃の動粘度が13〜73cSt以下の基油をウレア系増ちょう剤で増ちょうした潤滑グリースGを、軸受内部の全空間体積の20%以上、かつ静止空間体積の80%以下の体積比率だけ封入した転がり軸受である。
【0026】
この発明に用いる40℃における動粘度が13〜73cSt以下の基油は、所要の潤滑性を有しながら転がり軸受の温度上昇を抑制できる基油粘度を有する。
外輪回転用転がり軸受は、自己発熱による軸受温度の上昇が140℃である場合において、できれば1000時間の寿命があるように、または仕様によっては400〜900時間の使用耐久性が要求されるが、73cStを超える高粘度の基油を採用すると、潤滑する際に発熱作用によって140℃を超えるために寿命が短くなって好ましくないからである。また、40℃における動粘度が13cSt未満の基油では、外輪回転用転がり軸受に多用される深溝玉軸受について、油膜を所要の厚さに形成困難になる。
【0027】
基油の種類としては、周知の合成潤滑油または鉱油を採用することができ、そのうち好ましくは、パラフィン系鉱油やナフテン系鉱油等の鉱油類、ポリ−α−オレフィン油(PAO)などの合成炭化水素油類、ポリフェニルエーテルもしくはジアルキルエーテルまたはアルキルフェニルエーテルであるジアルキルジフェニルエーテル油、アルキルトリフェニルエーテル油、アルキルテトラフェニルエーテル油等のエーテル油類、またはジエステル油、ポリオールエステル油またはこれらのコンプレックスエステル油、芳香族エステル油、炭酸エステル油等のエステル油類等を単独で、あるいは相互に混合して使用できる。
【0028】
これらの中で高温の耐焼付き寿命、すなわち、これに相関する耐熱性および耐酸化性の優劣を考慮すると、エーテル油、中粘度PAO、低粘度PAOの順に好ましい。
このような基油を増ちょうするために配合する増ちょう剤は、ウレア系増ちょう剤を採用する。脂肪族ジウレア、脂環式ジウレア、芳香族ジウレアを比較すると、結晶構造の安定性、耐熱性、せん断安定性、付着性、耐漏洩性について、比較的脂環式ジウレアは優れている。トルク、圧送性、流動性については脂肪族ジウレアおよび脂環式ジウレアが、この順に優れている。
【実施例】
【0029】
[実施例1〜9、比較例1、2]
表1に示す粘度(40℃、動粘度)の基油、増ちょう剤を含有する潤滑グリースを同表に示すちょう度に調製し、以下に示す(a)高温寿命測定試験および(b)冷時異音発生試験に供し、これらの結果を表1中に併記した。
【0030】
(a)高温寿命測定試験: 潤滑グリースを深溝玉軸受(NTN社製:6204LLB、両側非接触ゴムシール、高炭素クロム軸受鋼、内径×外径×幅:φ20mm×φ47mm×14mm)に1.8g封入した。この潤滑グリースの封入量は、転がり軸受内部の全空間体積の40%である。得られた転がり軸受をアキシャル荷重800N、140℃の雰囲気中で16000rpmの回転速度で外輪回転させ、潤滑不良になるまでの寿命時間を測定した。
【0031】
(b)冷時異音発生試験: 潤滑グリースを深溝玉軸受(NTN社製:6204LLB、両側非接触ゴムシール、高炭素クロム軸受鋼、内径×外径×幅:φ20mm×φ47mm×14mm)に1.8g封入した。この潤滑グリースの封入量は、転がり軸受内部の全空間体積の40%である。得られた転がり軸受をアキシャル荷重125N、−20℃の雰囲気中で2700rpmの回転速度で試験軸受3個について、各10回の始動を行ない、冷時異音の発生する確率を%で求めた。
【0032】
【表1】

【0033】
表1の結果からも明らかなように、ウレア系増ちょう剤ではなく、リチウム石けんを用いて増ちょうさせた潤滑グリースを封入した転がり軸受では、140℃の高温雰囲気中で外輪回転で寿命が約100時間と短いものであった。
【0034】
一方、ウレア系増ちょう剤で増ちょうした潤滑グリースを封入した転がり軸受では、外輪回転で寿命時間が464時間以上、好ましくは1000時間以上もあり、特にエステル系基油を用いた場合に有利な効果が得られた。これらはいずれも冷時異音発生試験についても良好な効果が得られるものであった。
【0035】
[実施例10]
基油として、エーテル油20重量%と中粘度ポリαオレフィン油80重量%の混合油を調整し、40℃における動粘度が72.3cStの基油を調製した。この基油の半分量に1モルの4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を溶かし、残りの半分量の基油に2モルのパラトルイジンからなるモノアミンを溶かし、これらを混合攪拌し、100〜120℃で30分反応させて基油中に芳香族ジウレア化合物を析出させ、芳香族ウレア系増ちょう剤で増ちょうした潤滑グリースを調製した。
【0036】
調製されたグリースを深溝玉軸受(NTN社製:6206LLB、両側非接触ゴムシール、高炭素クロム軸受鋼、外径62mm、幅16mm、内径30mm)に全空間体積の24%となるように封入した。
得られた転がり軸受を、ラジアル荷重490N、20000rpmの条件で耐久時間を調べ、440時間との結果を得て、これを図2の図表中にプロットした。
【0037】
[実施例11]
実施例10において、グリースを深溝玉軸受に全空間体積の50%となるように封入したこと以外は、全く同様にして転がり軸受を調製した。
得られた転がり軸受を、上記同様にラジアル荷重490N、20000rpmの条件で耐久時間を調べ、400時間との結果を得て、これ図2の図表中にプロットした。
【0038】
[比較例2]
実施例10において、グリースを深溝玉軸受に全空間体積の12%となるように封入したこと以外は、全く同様にして転がり軸受を調製した。
得られた転がり軸受を、上記同様にラジアル荷重490N、20000rpmの条件で耐久時間を調べ、100時間との結果を得て、これ図2の図表中にプロットした。
【0039】
[比較例3]
実施例10において、グリースを深溝玉軸受に全空間体積の8%となるように封入したこと以外は、全く同様にして転がり軸受を調製した。
得られた転がり軸受を、上記同様にラジアル荷重490N、20000rpmの条件で耐久時間を調べ、80時間との結果を得て、これ図2の図表中にプロットした。
【0040】
図2の結果からも明らかなように、転がり軸受内部の全空間体積の20%以上の潤滑グリースを充填した転がり軸受の寿命は、400時間を超え、比較例2、3との差は350時間程度と顕著であることがわかる。
【0041】
[実施例12]
実施例10において、グリースを深溝玉軸受(NTN社製:6204LLB、両側非接触ゴムシール、高炭素クロム軸受鋼、内径×外径×幅:φ20mm×φ47mm×14mm)に静止空間体積の75%となるように封入したこと以外は、全く同様にして転がり軸受を調製した。
得られた転がり軸受を、上記同様にラジアル荷重67N、10000rpmの条件で回転させ、グリース漏れの有無を、初期封入量と試験後の封入量に差があるかどうかによって評価し、結果を図3の図表中にプロットした。
【0042】
[比較例4〜7]
実施例10において、グリースを深溝玉軸受(NTN社製:6204LLB、両側非接触ゴムシール、高炭素クロム軸受鋼、内径×外径×幅:φ20mm×φ47mm×14mm)に静止空間体積の110、120、140、150%となるようにそれぞれ封入したこと以外は、全く同様にして比較例4〜7の転がり軸受を調製した。
【0043】
得られた転がり軸受を、上記同様にラジアル荷重67N、10000rpmの条件で回転させ、グリース漏れの有無を、初期封入量と試験後の封入量に差があるかどうかによって評価し、結果を図3の図表中にプロットした。
図3の結果からも明らかなように、静止空間体積の80%以下の体積比率で潤滑グリースを充填した転がり軸受については、グリース漏れがないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】グリース封入外輪回転用転がり軸受の断面図
【図2】転がり軸受内の潤滑グリース量の封入量と軸受寿命の関係を示す図表
【図3】転がり軸受内の潤滑グリース量の初期封入量と試験後の軸受内残量との関係を示す図表
【符号の説明】
【0045】
1 外輪
2 内輪
3 転動体
4 保持器
5 シール部材
A 転がり軸受
G 潤滑グリース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外輪を回転させて用いられる転がり軸受の内部に、40℃における動粘度が13〜73cStの基油とウレア系増ちょう剤とを含有する潤滑グリースを封入し、この潤滑グリースの封入量は、転がり軸受内部の全空間体積の20%以上であり、かつ静止空間体積の80%以下の体積比率であるグリース封入外輪回転用転がり軸受。
【請求項2】
基油が、エステル油を15重量%以上含有する基油である請求項1に記載のグリース封入外輪回転用転がり軸受。
【請求項3】
基油が、エステル油とポリαオレフィン油の混合油である請求項1または2に記載のグリース封入外輪回転用転がり軸受。
【請求項4】
基油が、エステル油15〜95重量%とポリαオレフィン油5〜85重量%の混合油である請求項3に記載のグリース封入外輪回転用転がり軸受。
【請求項5】
ウレア系増ちょう剤が、脂肪族ウレアもしくは脂環族ウレアまたは両者併用したウレア系増ちょう剤である請求項1に記載のグリース封入外輪回転用転がり軸受。
【請求項6】
ウレア系増ちょう剤が、芳香族ジウレアであり、基油がエーテル油15〜95重量%とポリαオレフィン油5〜85重量%の混合油である請求項1に記載のグリース封入外輪回転用転がり軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−250377(P2009−250377A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−100455(P2008−100455)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】