説明

グルタミン酸およびGABA依存性クロライドアゴニスト殺虫剤および少なくとも1種のビタミンE、ナイアシンまたはそれらの誘導体との相乗組成物

グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した少なくとも1種の殺虫剤およびビタミンEおよびナイアシンから選択した少なくとも1種の相乗剤を含む殺虫組成物類が提示されている。これらの化合物類の組み合わせは、相乗効果を示し、前記有害害虫を制御したままより少量の殺虫剤を含む組成物の調製を可能としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に殺虫組成物類に関する。特に、本発明は、殺虫剤および相乗剤を含む殺虫組成物を得る方法、殺虫効果は保持したまま殺虫組成物における殺虫剤の量を低下させる方法、植物類において有害害虫を制御する方法、ヒトを含む動物中でまたは動物上で有害害虫を制御する方法、殺虫効果は保持したまま殺虫剤の適用比率低下を得る方法、および殺虫効果を保持したまま殺虫剤の用量比率低下を得る方法に関する。前記殺虫組成物中で用いた殺虫剤は、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択される。
【背景技術】
【0002】
昆虫および他の節足動物類および線虫類を標的とする殺虫活性化合物類は、通常、このような害虫に対して神経学的効果を有している。それらの殺虫標的部位は、殺虫化合物類が相互作用し有毒効果を生じさせる生物内特定生化学的または生理学的部位として定義される。神経学的標的部位には、アセチルコリンエステラーゼ酵素、電位依存性ナトリウムチャネル類、グルタミン酸およびGABA依存性クロライドチャネル類およびニコチンアセチルコリンレセプター類がある。これらの部位における殺虫剤の作用は多様で、しかも酵素阻害からレセプターアゴニズム(刺激)、レセプターアンタゴニズム(阻止)、およびイオンチャネル調節の範囲にわたる。グルタミン酸およびガンマ−アミノ酪酸(GABA)は、クロライドチャネルを介して塩素イオンの中枢神経への流入を惹起する阻害性神経伝達因子である。
【0003】
米国特許第4,560,677号(特許文献1)において、アベルメクチン類またはミルベマイシン類および農業用散布オイル類から選択した相乗剤を含む相乗的組成物類が開示されている。
【0004】
食事サプリメントとしておよび抗酸化剤としてのビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類の使用は、周知である。しかし、他の機能もまた、記載されている。害虫および病原体に対する植物の耐性を高める物質として使用されるビタミンEは、米国特許第5,004,493号(特許文献2)から公知である。ドイツ国特許出願第DE4437945 A1号(特許文献3)において、ビタミンEを他の害虫による傷害から植物を保護するために(すなわち、より安全性の高い化合物として)使用することが示唆されている。PCT公報第WO2004/95926 A2号(特許文献4)は、植物処理における抗酸化剤類の使用および植物健康と収率向上のために植物促進物質を使用することを記載している。アベルメクチン類を含む獣医製剤において安定剤としてビタミンE(アセテート)を使用することは、米国特許第6,340,672号、PCT公報第WO2005/37294 A1号およびブラジル特許公報第BR PI−0102125号から公知である(特許文献5〜7)。後者は、農場動物における寄生体類処置のためのイベルメクチン(Ivermectin)およびビタミンEを含む栄養組成物の用途を開示しており、その組成物は、さらに、例えば無機塩類、アミノ酸類およびビタミン類を含む。PCT公報第WO2000/50009 A1号(特許文献8)において、薬理学的活性化合物をリポソームにカプセル化した組成物類が開示され、前記活性化合物は、例えば、アベルメクチン類、ミルベマイシン類およびピペラジン(Piperazine)から選択され、前記組成物はさらに、例えばビタミンEであるビタミン類のような栄養物類を含むことができる。
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,560,677号明細書
【特許文献2】米国特許第5,004,493号明細書
【特許文献3】ドイツ国特許出願第DE4437945 A1号明細書
【特許文献4】国際公開第WO2004/95926 A2号パンフレット
【特許文献5】米国特許第6,340,672号明細書
【特許文献6】国際公開第WO2005/37294 A1号パンフレット
【特許文献7】ブラジル特許公報第BR PI−0102125号明細書
【特許文献8】国際公開第WO2000/50009 A1号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
殺虫剤組成物は、市場で現実となっているある範囲の要件類を満足しなければならない。殺虫剤組成物のこのような要件のひとつは、生物作用が選択的であることと、ヒト、作物、実用動物、水性生物類および鳥類に対して低毒性でかつ高い安全性マージンを有するという能力である。もうひとつの要件は、前記組成物が環境に対して明らかに影響が少なければならないという点で、環境にやさしくなければならないという要求である。さらに、このような化合物類または組み合わせに対して昆虫耐性が全くないかあるいはほとんどあってはならないということである。また、特定の害虫に対して有効であるばかりでなく用途が広くかつ広範囲の害虫と戦うために使用できる改良組成物が求められている。
【0007】
有用作物ならびにヒトを含む動物またはそれらの環境に悪影響を及ぼす害虫に対抗して使用でき低適用比率の殺虫剤で有効な殺虫剤組成物類に対して需要と必要性が高まっている。本発明は、殺虫剤を低適用比率または低用量比率で適用できるような殺虫剤組成物に関する。従って、ある殺虫効果を得るために野外に適用される殺虫剤総量が少ないので、環境には好適である。前記殺虫剤はこれまでのところ殺虫剤組成物における最も高価な成分であるので、従って、殺虫剤成分を製造するためのコストも低くなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類(A)をビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した少なくとも1種の相乗剤(B)と組み合わせることによって、有害害虫制御のために用いるとクロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類の殺虫活性増強が観察されること、すなわち前記クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類と化合物(類)Bの相乗的相互作用が観察されることを見出した。
【0009】
本発明の第1の局面によれば、殺虫剤と相乗剤を含む殺虫組成物を得る方法が開示され、前記組成物は、前記殺虫剤と相乗剤のそれぞれを単独で投与した際の殺虫効果の総計よりも実際に高い殺虫効果を有し、前記方法は、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤の量の一部をビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の相乗的量で置き換える段階を含む。この面により得られた殺虫組成物は、殺虫効果を得るためにより少ない殺虫剤しか使用していないので、同一殺虫剤を含む伝統的組成物よりもより環境にやさしい。
【0010】
第2の局面によれば、同様の殺虫効果を保持したまま殺虫組成物中における殺虫剤量を低下させる方法が開示されている。前記方法は、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤の量の一部をビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の相乗的量で置き換える段階を含む。殺虫剤は一般的に殺虫剤組成物の最も高価な部分であるので、この局面の方法は、より廉価な殺虫組成物を提供することから恩恵を受けている。
【0011】
第3の局面において、本発明は、植物上の有害害虫を制御する方法を提供する。前記方法は、処理すべき植物に対して殺虫剤および相乗剤を含む組成物を適用することを含み、前記組成物は、前記殺虫剤と相乗剤のそれぞれを単独で投与した際の殺虫効果の総計よりも高い実際の殺虫効果を有し、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤の量の一部をビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の相乗的量で置き換えることを特徴とする。本発明のこの面において、より廉価な殺虫組成物を植物に適用し、満足できる殺虫効果を得る。
【0012】
本発明の第4の局面において、ヒトを含む動物中でまたは動物上で有害害虫を制御する方法が提供される。本方法は、それを必要とする動物またはヒトに薬理学的または獣医学的に有効な量の殺虫剤および相乗剤を含む組成物を投与することを含み、前記組成物は、前記殺虫剤と相乗剤のそれぞれを単独で投与した際の殺虫効果の総計よりも高い実際の殺虫効果を有し、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤の量の一部をビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の相乗的量で置き換えることを特徴とする。一般的に、殺虫剤類はヒトまたは動物の体にとっては異物であるので、それらは、少量で用いていかなる副作用も避けるべきである。この面によれば、最小限の殺虫剤を用いて、害虫から広まる疾患に罹患している動物またはヒトの有効治療のための方法が提供される。
【0013】
本発明の第5の局面によれば、殺虫剤の適用比率低下を得る方法が提供される。前記方法は、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤とビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の相乗的量を含む殺虫組成物を提供すること、および前記殺虫組成物を有害害虫制御に十分な量で植物に適用することを含むことを特徴とする。前記適用比率は、一般的に、ヘクタールまたはエーカーのようなある範囲に適用した活性成分すなわち殺虫剤の量として、測定される。本発明のこの局面によれば、有害害虫を制御したままでわずかの量の殺虫剤を適用することから環境が恩恵を受ける。さらに、前記適用比率を低下させることによって、有用作物での使用に推奨されている収穫前期間(PHI)すなわち処理作物の最後の殺虫剤適用と収穫の間の期間を短くし、従って、適用した殺虫剤が原因の望ましくない残留効果および/または起こりうるその分解産物を増やすことなく、可能な限り収穫時間に近接させて、有害害虫からの作物保護を向上させる。
【0014】
本発明の第6の局面によれば、殺虫剤の用量比率低下を得る方法を提供する。さらに詳細には、前記方法は、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤とビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の相乗的量を含む殺虫組成物を提供すること、前記殺虫組成物をその必要がある動物またはヒトに対して有害害虫制御に十分な薬理学的または獣医学的量で投与することを含むことを特徴とする。前記用量比率は、一般的に、治療の必要がある動物またはヒトの体重当たり投与される殺虫剤の量として測定される。この面は、より少ない量の殺虫剤を用いて有害害虫を制御することができる方法を提供する。さらに、前記用量比率を低下させることによって、適用した殺虫剤が原因の望ましくない残留効果および/または起こりうるその分解産物を低下させる。
【0015】
一般的に、前記組成物類は、害虫の発生の全ての段階またはそれぞれの段階に対して活性で、かつ、通常感受性の種および耐性の種すなわち前記殺虫剤類(A)に対して耐性を有する種に対して活性である。前記組成物類はまた、前記殺虫剤類(A)により全く影響を受けないかまたは適切に制御するためには許容できない高用量を必要とすることが証明されている害虫の制御に有用である。
【0016】
本発明のこの局面において、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した少なくとも1種の化合物AとビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した少なくとも1種の化合物Bを含む殺虫組成物に関し、ここで前記化合物類AおよびBは、相乗的量で存在する。
【0017】
本発明はまた、(i)グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した少なくとも1種の殺虫剤を含む第1組成物と(ii)ビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗的量の相乗剤を含む第2の組成物を含むキットに関する。この関連で、用語“キット”は、共同使用すなわち混合物としての用途または特定の一貫した用途を目的とした少なくとも2種の物質の集合を意味している。前記キットの成分類はひとつの包装で提供できるか、または、別々の包装で提供することもできる。さらに、前記キットは通常、意図した用途のための書面による指示書を含む。
【0018】
本発明はさらに、さまざまな用途に関する。この局面において、前記発明は、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤を含む殺虫組成物の効果を増強するための、ビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の用途に関する。別の局面において、本発明は、同様の殺虫効果を保持したままより少量の殺虫剤を含む殺虫組成物の調製のためのビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の用途に関し、ここで、前記殺虫剤は、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択される。さらに別の局面において、本発明は、同様の殺虫効果を保持したまま害虫の制御における殺虫組成物の適用または用量比率を低下させるためのビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の用途に関し、ここで、前記殺虫剤は、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択される。さらに別の局面において、本発明は、ヒトまたは動物または環境中のまたはそれらの上の害虫制御用医薬製造のための、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤およびビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の用途に関し、前記医薬は、同様の殺虫効果を保持したまま、前記殺虫剤の量の一部を相乗的量の前記相乗剤で置き換えることによって、低下した量の殺虫剤を含むことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
発明の詳細な説明
グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤化合物類は、周知でかつ有用性の高い化合物群であり、それらは、農薬としておよびヒトおよび獣医学医療における薬物として用いられる。前記化合物類は、他の農薬類および薬物に比較してごく少量で適用しても殺虫、殺ダニおよび駆虫効果の両者を有していることが公知である。それらは、植物害虫および動物およびヒトの体外および体内寄生虫の制御に同等に適している。それらの作用様式は、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドイオンチャネルを介した塩素イオン類経路への介入に基づいており、その結果、害虫の生理活性が無制御となりその後死滅することとなる。前記効果は阻害性で、すなわち、前記化合物は、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネル類の機能にアゴニストのように干渉し、細胞への塩素流入増加を導く。前記塩素流入増加の結果、ナトリウム流入によって運搬された陽電荷興奮インパルスを打ち消すことによって細胞内超極性化と(神経)阻害が起こり、最終的に、害虫死滅につながる。用語“アゴニスト”とは、それが特異的レセプターに結合すると興奮または阻害作用電位のような応答を産生する化学物質を意味し、レセプターに結合するとレセプターをブロックし応答を妨げる化学物質である“アンタゴニスト”と反対である。
【0020】
グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類には、マクロサイクリックラクトン化合物類があり、それらは複雑な環構造を有しており、アベルメクチン類、ミルベマイシン類およびスピノシン類という周知の群を含む。化合物ピペラジンとその塩類もまた、公知のグルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類である。これらの殺虫剤類は、急激なノックダウン効果を有していないということが公知で、例えば、ピレスロイド類群の殺虫化合物類で観察されるよりも有意に低い。
【0021】
アベルメクチン類は、ストレプトマイセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)およびその変異体類の発酵で産生されるマクロサイクリックラクトン化合物類のグループである。天然由来または合成手段によって調製した(例、イベルメクチン)それぞれのアベルメクチン類は、通常、さまざまな比率のA1a、A1b、A2a、A2b、B1a、B1b、B2a、B2bと称される最大8種の主要成分類の混合物である。例えば、アバメクチンは、通常、比80:20のB1aとB1bという構造的に極めて近接した関連成分類の混合物であり、一方、アベルメクチンCとして公知の活性化合物は、アバメクチン中のそれらの他に付加的成分類を含む。アベルメクチン化合物類は、例えば、米国特許第3,950,360号、米国特許第4,310,519号、米国特許第4,378,353号、米国特許第5,288,710号、米国特許第4,427,663号、米国特許第4,199,569号、米国特許第5,015,630号、米国特許第5,089,480号、米国特許第5,981,500号およびPCT公報第WO02/068442 A1号から公知である。
【0022】
アベルメクチン類の構造は一般式(1)によって例示されるが、それは、例示目的に過ぎない。
【0023】
【化1】

【0024】
Xが二重結合を表す時、C−22およびC−23位における置換基RおよびRは、存在していない。上記式(1)における例示的置換基は、YがHまたは任意に置換された糖またはアミノ糖単位を示し、RはHを示し、RはHまたは水酸基を示し、Rは、アルキルまたはシクロアルキルを示し、およびRは、Hまたはアルキルを示す。一般式(1)の範囲のアベルメクチン類の例は、下記である。
【0025】
【化2】

【0026】
【化3】

【0027】
別のアベルメクチンは、米国特許第5,981,500号から公知のセラメクチンである。アベルメクチン類のさらに別のグループは、米国特許第6,933,260号で開示されているものであり、それらは、上記に述べたように4’’位で置換されたアミノスルホニルオキシ置換基を有するアベルメクチン類Bの誘導体類である。上記式(1)における5位の置換基が、置換オキシミノ基またはケト基であるアベルメクチン化合物類もまた、公知である。適切な場合には、前記アベルメクチン類にはまた、さまざまなその塩形態を含み、例えば、安息香酸塩としてのエマメクチンである。
【0028】
ミルベマイシン類は、主に、C−13炭素における糖残基がないことで構造的にアベルメクチン類と異なっている。ミルベマイシン類は、ストレプトマイセス(Streptomyces)種の発酵によって産生され、それは、さらに、合成手法によって改変できる(例、レピメクチン(Lepmectin))。ミルベマイシン類には、ミルベメクチンおよびミルベマインオキシムが含まれ、後者は、放線菌類ストレプトマイセス・ハイグロスコピコス・オーレオラクリモサス(Streptomyces hygroscopicos aureolacrimosus)の発酵によって産生され、およびモキシデクチンは、ストレプトマイセス・シアノグリセウス・ノンシアノゲヌス(Streptomyces cyanogriseus noncyanogenus)の発酵産物であるミルベマイシンネマデクチン(Nemadectin)の化学修飾によって産生される。それぞれのミルベマイシン類は、天然由来であろうと合成手段によって調製されたものであろうと、通常、数種の主要成分類の混合物である。例えば、ミルベメクチンは、AおよびAと命名した2種の主要成分類の混合物である。ミルベマイシン類は、例えば、米国特許第3,950,360号、第4,547,520号、米国特許第4,900,753号、米国特許第5,346,918号、米国特許第5,428,034号、米国特許第4,587,247号、米国特許第5,405,867号、米国特許5,276,033号、米国特許第4,945,105号、米国特許第4,963,582号、米国特許第4,869,901号および米国特許第5,614,470号から公知である。適切な場合には、前記ミルベマイシン類には、また、そのさまざまな塩形態も含む。
【0029】
前記スピノシン類は、また、サッカロポリスポラ・スピノサ(Saccharopolyspora spinosa)により産生される発酵産物であり、さまざまな塩形態を含めて合成で誘導したものも含む。天然スピノシン類はまた、しばしば、スピノシンA、スピノシンB、スピノシンC、スピノシンD、スピノシンE等と称される。
【0030】
前記スピノシン類の構造は、一般式(2A)および(2B)で例示できる。
【0031】
【化4】

【0032】
式中、XおよびXは、単結合または二重結合またはエポキシド単位を示し、QおよびQは、任意に置換された糖またはアミノ糖単位またはHを示し、R,R,RおよびRは、H,アルキル,アルケニル,シクロアルキル,アルキルカルボニル,アルキルアミノまたはアルキルヒドロキシアミノのような置換基類を示し、これらの基類は、適宜、例えば、ハロゲン原子類、水酸基およびアルコキシ基で置換され、Rは、H,OH,アルコキシまたはカルボニルのような基類を示す。
【0033】
スピノシン化合物類は、例えば、米国特許第5,496,931号、米国特許第5,539,089号、米国特許第5,670,364号および米国特許第6,001,981号、およびPCT出願第WO97/00265 A1号、第WO2002/077004 A1号、第WO2002/077005 A1号および第WO2001/019840 A1号から公知である。前記スピノシン類は、通常、数種の主要成分類の混合物である。市販のスピノシンは、スピノシンAとスピノシンDの混合物である化合物スピノサッド(Spinosad)である。さらに最近のスピノシンは、天然スピノシン類から合成で調製されたスピネトラム(Spinetoram)であり、これもまた、2種の主要成分類の混合物である。適切な場合には、前記スピノシン類には、そのさまざまな塩形態が含まれる。
【0034】
化合物ピペラジンおよびその塩類は、例えば、イヌ、ネコ、牛、ウマおよび家禽のような動物における回虫類(大型の丸型蠕虫)および鉤虫を制御することが公知である。さまざまな塩形態には一塩および二塩を含み、アジピン酸ピペラジン、塩酸ピペラジン、硫酸ピペラジン、クエン酸ピペラジンおよびリン酸ピペラジンを含む。
【0035】
本発明の好適なグルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類には、殺虫活性アベルメクチン類、ミルベマイシン類およびスピノシン類がある。好適なアベルメクチン類には、アバメクチン(Abamectin)、アベルセクチンC(A versectin C)、ドラメクチン(Doramectin)、エマメクチン(Emamectin)、エプリノメクチン(Eprinomectin)、イベルメクチン、セラメクチン(Selamectin)およびそれらの塩類があり、特に、アバメクチン、アベルセクチンC、イベルメクチンおよびエマメクチン−ベンゾアートから選択され、アバメクチンは、最も好適な選択である。好適なミルベマイシン類には、ミルベメクチン(Milbemectin)、ミルベマイシンオキシム、モキシデクチン(Moxidectin)、レピメクチン、ネマデクチンおよびそれらの塩類がある。好適なスピノシン類は、スピノサッドおよびスピネトラムである。作物防御における用途のため、好適なグルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤を、アバメクチン、アベルセクチンC、エマメクチン、ミルベメクチン、スピノサッドおよびスピネトラムおよびそれらの塩類から選択し、一方、ヒトまたは動物中またはそれらの上における害虫制御用途のためには、好適な殺虫剤は、アバメクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、セラメクチン、ミルベマイシンオキシム、モキシデクチン、レピメクチン、ネマデクチン、スピノサッドおよびピペラジン、およびそれらの塩類から選択される。
【0036】
本発明により有用な前記殺虫剤類は、必ずしも、その主要作用様式としてグルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト効果を有している必要はない。例としてのスピノサッドは、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルならびにニコチンアセチルコリンレセプター標的化の両方に対して効果を有していると考えられている(例えば、PCT出願番号WO01/70028 A1号、特に8頁、1.27を参照)。従って、本発明による適切な殺虫化合物のための一次要件は、それが、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルの機能に対してアゴニストとして干渉することである。
【0037】
本発明によるグルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類を、薬理学的または農学上許容できる塩に、アナログまたはその組み合わせの形態で適用することができる。前記殺虫剤類の塩類は、合成有機化学技術の当業者に公知の標準的操作によって調製できる。例えば、酸添加塩類は、適切な酸との反応を伴う従来の手段を用いて遊離塩基(典型的には、前記殺虫剤の中性形状が中性アミノ基を有する)から調製する。一般的に、前記薬物の塩基形態を、アルコール類、エーテル類、アセトニトリル等の有機溶媒に溶解させ、酸をそれに添加する。結果として生成した塩は沈殿するか、または、溶液から極性のより低い溶媒を添加することで取り出すこともできる。酸添加塩類を調製するための適切な酸類には、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸等の有機酸類、および例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸類の両者を含む。酸添加塩は、適切な塩基で処理することによって、遊離塩基に再転換することもできる。存在できる酸部分(例、カルボン酸基類)の塩基性塩類の調製は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、トリメチルアミン等のような薬理学的にまたは農学上許容できる塩基を用いて、同様に調製される。
【0038】
本文では、用語“ビタミンE化合物”は、全てのトコフェロールおよびトコトリエノール誘導体類および異性体類、その塩類およびエステル類およびそのアナログ類を含むことを意味しており、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール、ならびにそのアセテート類およびそれらの他の(アルキル)エステル類(例、トコフェリルアセテートとして公知のトコフェロールアセテート)、ホスフェート類(例、トコフェロールホスフェート二ナトリウム)、サクシネート類(例、トコフェロールサクシネート)、および任意に置換したその化合物類、ならびに例えば、アルファ−トコフェリルニコチネートおよびトロロックス(Trolox)(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸)のようなそのアナログ類を含む。前記用語はまた、それぞれの化合物類(天然起源または合成で調製した)ならびにその混合物類を含む。天然のビタミンEは、上記に述べたように8種の異なる形態すなわち異性体、4種のトコフェロール類と4種のトコトリエノール類で存在する。合成のビタミンEは、通常、d,l−トコフェロールまたはd,lトコフェリルセテートと表示され、50%d−アルファ−トコフェロール部分と50%l−アルファ−トコフェロール部分を有している(しばしば、トコフェリルアセテート、all−racアルファとも称される)。好適なビタミンE化合物類は、トコフェロールおよびトコトリエノール、およびアルキルエステ類、サクシネート類およびホスフェート類のようなそのエステル類および塩類;アルファ−トコフェリルニコチネートおよびトロロックスである。
【0039】
用語“ナイアシン化合物”とは、ニコチン酸ならびにアミド類、エステル類、およびヒドロキシニコチン酸およびヒドロキシイソニコチン酸類およびその塩類のようなその誘導体類を意味し、例えば、ナイアシンアミド(ニコチンアミド)、イソニコチン酸、ニコチン酸アルキルエステル類(例、メチル−またはエチル−ニコチン酸エステル)、6−ヒドロキシニコチン酸、アシピモックス、ニコチン酸アルミニウム、ニセリトロール、ニコクロネート、ニコモル、イノシトールヘキサナイアシネートおよびオキシナイアシン酸を含む。前記用語はまた、それぞれの化合物類(天然起源または合成で調製した)ならびにその混合物類を含む。好適なナイアシン化合物類は、適宜、水酸基置換ニコチン酸およびイソニコチン酸ならびにその塩類およびC1−12アルキルエステル類、適宜、水酸基置換したニコチンアミドおよびイソニコチンアミドおよびその塩類である。
【0040】
少なくとも1種のビタミンE化合物と少なくとも1種のナイアシン化合物の混合物の使用を適用することもできるが、好適には、単一成分として使用され、少なくとも1種のビタミンE化合物単独で化合物Bとして使用するのが最も好適である。
【0041】
本発明によって処置される動物には、例えば、飼いならされた動物(家畜およびペット)を含む。前記動物のための環境には、農場構造物、酪農小屋、馬小屋、家禽の小屋、ブタ小屋、イヌやネコを飼うイヌ小屋およびネコ小屋や家屋を含む。例えば、病原性体内寄生動物および体外寄生動物のような害虫の制御に前記組成物類を適用できる動物には、マウス、ラット、モルモット、ゴールデンハムスター、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラクダ、水牛、ロバ、ウサギ、ダマジカおよびトナカイ、ミンク、チンチラおよびラクーンのような毛皮を有する動物類、メンドリ、ガチョウ、ダチョウおよびアヒルのような鳥類ならびに淡水魚および海水魚のような営利的動物類、繁殖用動物類、動物園の動物、ペットおよび実験室および実験用動物類を含む。前記魚類には、食用魚類、養殖魚類、水族館の魚類および観賞用魚類が含まれ、淡水、海水および池の水にすむ全ての年齢の魚類である。前記食用魚類および養殖用魚類には、例えば、鯉、うなぎ、マス、サケ科魚、サケ、ブリーム、ローチ、ラッド、チャブ、ヒラメ、ソール、ツノガレイ、セイス、ベラ、タルボット、オヒョウ、日本キビレ(セリオラ・クインクエラジアタ(Seriola quinqueradiata))、日本うなぎ(アングイラ・ジャポニカ(Anguilla japonica))、紅海ブリーム(パグルス・マジョル(Pagurus major))、シーバス(ジセントラルチュス・ラブラクス(Dicentrarchus labrax))、灰色ボラ(ムギルス・セファルス(Mugilus cephalus))、北極チャー(サルベリヌス・アルピヌス(Salvelinus alpinus))、ポンパノ、ギルトブレッドシーブリーム(スパルス・アウラツス(Sparus auratus))、ティラピア(Tilapia)種、例えばプラギオスシオン(plagioscion)およびブチナマズのようなチチリッド種を含む。本発明の用途は、特に、サケ科の全てのもの、特にサルモニニ(Salmonini)亜科のもの、好適には下記の種:大西洋サケ(サルモン・サラル(Salmon salar))、ブラウンすなわちウミマス(サルモン・トルッタ(Salmon trutta))、ニジマス(サルモン・ガイルドネリ(S almon gairdneri));ならびに、太平洋サケ(オンコルヒンチュス(Oncorhynchus):オンコルヒンチュス・ゴルブスチャ(Oncorhynchus gorbuscha)、オンコルヒンチュス・ケタ(Oncorhynchus keta)、オンコルヒンチュス・ネクラ(Oncorhynchus nekra)、オンコルヒンチュス・キスッチ(Oncorhynchus kisutch)、オンコルヒンチュス・ツシャウイツシャ(Oncorhynchus tshawytscha)およびオンコルヒンチュス・マソン(Oncorhynchus mason))のサケの養殖に適している;しかし、例えばサルモ・クラルキア(Salmo clarkia)のような養殖によって改良した種もまた、含まれる。
【0042】
病原性体内寄生動物類および体外寄生動物類を制御する意図は、疾患、死亡率および収量低下を減少させることにあり、本発明による組成物類の使用が、より経済的でかつ簡便な動物飼育を可能にする。
【0043】
本発明によれば、農業害虫に対して植物の部分を含む全ての植物類を処理し防御することができる。植物とは、所望のおよび非所望の野生植物類または作物植物類(天然の作物植物を含む)のような全ての植物類および植物群を意味すると理解されたい。植物の部分とは、葉、針状葉、茎、幹、花、果実体、果実および種子、および根、塊茎および根茎のような茎、葉、花および根のような植物の地上部分および地下部分を意味すると理解すべきである。植物部分にはまた、収穫した植物および生長機能に関連しかつ繁殖力のある植物繁殖物質を含み、例えば、実生苗、塊茎、根茎、挿し穂および種子(保存種子を含む)である。
【0044】
本発明の殺虫組成物を用いて農業害虫に対して有益作物を防御でき、それらの作物には、小麦、大麦、ライ麦、オーツ麦、コメ、とうもろこしおよびサトウモロコシのような穀物類;シュガービートおよび飼い葉用ビートのようなビート;リンゴ、ナシ、プラム、桃、アーモンド、チェリーおよびイチゴ、ラスベリーおよびブラックベリーのようなベリー類のようなナシ状果、石果および小型果物等の果物;マメ、レンズマメ、えんどう豆および大豆のようなマメ科植物類;セイヨウアブラナ、マスタード、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、ヒマシ油、ココアおよびアメリカホドイモのようなオイル植物類;マロー、キュウリおよびメロンのようなウリ科植物;綿、アマ、麻およびジュートのような繊維植物類;オレンジ、レモン、グレープフルーツおよびみかんのようなかんきつ類;ほうれん草、レタス、アスパラガス、キャベツ、にんじん、たまねぎ、トマト、馬鈴薯およびパプリカのような野菜類;アボガド、シナモンおよびショウノウのようなクスノキ科;およびタバコ、ナッツ、コーヒー、ナス、シュガーケーン、茶、ペッパー、ぶどう、ホップ、バナナ、天然ゴム植物および観賞用木;ならびにこれらの作物の種子も含まれる。本発明の範囲において、これらの作物類および種子類は、さらに、形質転換手段によってまたは古典的手段で選択した殺虫活性成分類に耐性のもの、および/または、例えばバシラス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)(Bt)のようなある種の害虫に耐性の害虫耐性作物を含む。
【0045】
用語“害虫”とは、本文で、昆虫、ネマトーダ類、トレマトーダ類、甲殻類およびダニ類のような無脊椎動物を意味するものとして使用している。
【0046】
本発明の組成物類は、良好な植物寛容性と温血動物に対しての好適な毒性を有しており、ヒトおよび動物の害虫、特に昆虫、ダニ類およびネマトーダ類に対して戦うために適しており、特に好適には、害虫やそれらの発生段階と戦うのに好適であり、それらは、農業や林業で、植物種子および保健衛生部門の物質類を含む貯蔵製品の保護中に発生し、さらに、体内および体外寄生虫類に対してヒトおよび動物を防御するのに適しており、農業および動物保健における使用が最適である。それらは、通常感受性のタイプおよび耐性タイプに対して活性で、かつ発生段階全てまたはそれぞれの段階で活性である。上記の害虫には、下記を含む。
【0047】
イソポダ(Isopoda)目からは、例えば、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、アルマジリジウム・バルガレ(Armadillidium vulgare)およびポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber)である。ジポロポダ(Diplopoda)目からは、例えば、ブラニウルス・グッツラツス(Blaniulus guttulatus)である。チロポダ(Chilopoda)目からは、例えば、ゲオフィルス・カルポファグス(Geophilus carpophagus)およびスクチゲラ(Scutigera)種である。シンフィラ(Symphyla)目からは、例えば、スクチゲレラ・イマキュラタ(Scutigerella immaculata)である。サイサヌラ(Thysanura)目からは、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)である。コレメムボラ(Collembola)目からは、例えば、オニチウルス・アルマツス(Onychiurus armatus)である。オルソプテラ(Orthoptera)目からは、例えば、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ロイコファエラ・マデラエ(Leucophaera maderae)、ブラテラ・ゲルマニカ(Blatella germanica)、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)、グリロタルパ(Gryllotalpa)種、ロクスタ・ミグラトリア・ミグラトリオイデス(Locusta migratoria migratorioides)、メラノプラス・ジフェレンチアリス(Melanoplus differentialis)およびシストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria)である。アスチグマタ(Astigmata)目からは、例えば、オトデクツス・シノチス(Otodectus cynotis)およびノトエドレス・カチ(Notoedres cati)である。デルマプトクラ(Dermaptcra)目からは、例えば、ホルフィクラ・オーリクラリア(Forficula auricularia)である。イソプテラ(Isoptera)目からは、例えば、レチクリテルメス(Reticulitermes)種である。アノプルラ(Anoplura)目からは、例えば、フィロエラ・ヴァスタトリクス(Phylloera vastatrix)、ペンフィグス(Pemphigus)種、ペジクルス・フマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、ソレノポテス(Solenopotes)種、プフィルス(Pthirus)種、ハエマトピヌス(Haematopinus)種、およびリノグラツス(Linograthus)種である。マロファガ(Mallophaga)目からは、例えば、トリメノポン(Trimenopon)種、メノポン(Menopon)種、エコメナカンツス(Ecomenacanthus)種、メナカンツス(Menacanthus)種、トリコデクテス(Trichodectes)種、フェリコラ(Felicola)種、ダマリネア(Damalinea)種、およびボビコラ(Bovicola)種である。サイサノプテラ(Thysanoptera)目からは、例えば、ヘルシノスリップス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)およびスリップス・タバシ(Thrips tabaci)である。ヘテロプテラ(Heteroptera)目からは、例えば、ユリガスター(Eurygaster)種、ジスデルクス・インテルメジウス(Dysdercus intermedius)、ピエスマ・クアドラツム(Piesma quadratum)、シメックス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、ロドニウス・プロリクス(Rhodnius prolixus)およびトリアトマ(Triatoma)種である。ヘミプテラ(Hemiptera)目からは、例えば、アレウロデス・ブラシカエ(Al eurodes brassicae)、ベミシア・タバシ(Bemisia tabaci)、トリアレウロデス・ヴァポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、アフィス・ゴシピイイ(Aphis gossypii)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、クリプトマイズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ドラリス・ファバエ(Doralis fabae)、ドラリス・ポミ(Doralis pomi)、ジスデルクス・シングラツス(Dysdercus cingulatus)、エリオソマ・ラニゲルム(Eriosoma Lanigerum)、ヒアロプテルス・アルンジニス(Hyalopterus arundinis)、マクロシフム・アベナエ(Macrosiphum avenae)、マイズス(Myzus)種、ホロドン・フムリ(Phorodon humuli)、ロパロシフム・パジ(Rhopalosiphum padi)、エムポアスカ(Empoasca)種、ユスセルス・ビロバツス(Euscelus bilobatus)、ネホテチクス・シンクチセプス(Nephotettix cincticeps)、レカニウム・コリニ(Lecanium corni)、サイセチア・オレアエ(Saissetia oleae)、ラオデルファクス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、アオニジエラ・アウランチイ(Aonidiella aurantii)、アスピジオツス・ヘデラエ(Aspidiotus hederae)、シュードコッカス(Pseudococcus)種、およびプシラ(Psylla)種である。レピドプテラ(Lepidoptera)目からは、例えば、ペクチノホラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、ケイマトビア・ブルマータ(Cheimatobia brumata)、リソコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、ハイポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、プルテラ・マクリペニス(Plutella maculipennis)、マラコソマ・ネウストリア(Mal acosoma neustria)、ユープロクチス・クリソルホエア(Euproctis chrysorrhoea)、リマントリア(Lymantria)種、ブクラトリックス・ツルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ファイロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、アグロチス(Agrotis)種、ユーキソア(Euxoa)種、フェルチア(Feltia)種、イアリアス・インスラナ(Earias insulana)、ヘリオチス(Heliothis)種、ラフィグマ・エクシグア(Laphygma exigua)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、パノリス・フラメア(Panolis flammea)、プロデニア・リツラ(Prodenia litura)、スポドプテラ(Spodoptera)種、トリチョプルシア・ニ(Trichoplusia ni)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ピエリス(Pieris)種、チロ(Chilo)種、ピラウスタ・ヌビリアリス(Pyrausta nubilialis)、エフェスチア・クエニエラ(Ephestia kuehniella)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レチノクラナ(Capua retinoculana)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)およびトルトリクス・ビリダナ(Tortrix viridana)である。コレプテラ(Coleptera)目からは、例えば、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、リゾペルサ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、ブルチジス・オブテクツス(Bruchidius obtectus)、アカンソスセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、ジアブロチカ(Diabrotica)種、プシロイオデス・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)、エピラクナ・ヴァリベスチス(Epilachna varivestis)、アトマリア(Atomaria)種、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、アンソノムス(Anthonomus)種、シトフィルス(Sitophilus)種、オチルヒンチュス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、コスモポリテス・ソリジズス(Cosmopolites sordidus)、セウソリチュス・アシミリス(Ceuthorrhynchus assimilis)、ハイペラ・ポスチカ(Hypera postica)、デメステス(Demestes)種、トロゴデルマ(Trogoderma)種、アンスレヌス(Anthrenus)種、アタゲヌス(Attagenus)種、リクツス(Lyctus)種、メリゲセス・アエネウス(Meligethes aeneus)、プチヌス(Ptinus)種、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、ギビウム・プシロイデス(Gibbium psylloides)、トリボリウム(Tribolium)種、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、アグリオテス(Agriotes)種、コノデルス(Conoderus)種、メロロンサ・メロロンサ(Melolontha melolontha)、アンフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)およびコステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica)である。ハイメノプテラ(Hymenoptera)目からは、例えば、カンポノツス(Camponotus)種、ジプリオン(Diprion)種、ホルミシダエ(Formicidae)種、ホポロカンパ(Hoplocampa)種、ラシウス(Lasius)種、ミルメシア(Myrmecia)種、ソレノプシス(Solenopsis)種、およびベスパ(Vespa)種である。ジプテラ(Diptera)目からは、例えば、アエデス(Aedes)種、アノフェレス(Anopheles)種、オークメロミア(Auchmeromyia)種、コルジロビア(Cordylobia)種、コクリオミア(Cochliomya)種、クリソプス(Chrysops)種、クレックス(Culex)種、グロシナ(Glossina)種、ドロソフィラ・メラノガスター(Drosophila melanogaster)、ムスカ(Musca)種、ファニア(Fannia)種、カリホラ・エリスロセファラ(Calliphora erythrocephala)、ルシリア(Lucilia)種、クリソミア(Chrysomyia)種、クテレブラ(Cuterebra)種、ガステロフィルス(Gasterophilus)種、ハイポボスカ(Hypobosca)種、ストモキシス(Stomoxys)種、オエストルス(Oestrus)種、オエステロミア(Oesteromyia)種、オエデマゲナ(Oedemagena)種、ハイドロタエア(Hydrotaea)種、ムスシナ(Muscina)種、ハエマトボスカ(Haematobosca)種、ハエマトビア(Haematobia)種、ハイポデルマ(Hypoderma)種、リノエスツルス(Rhinoestrus)種、メロファグス(Melophagus)種、ヒポボスカ(Hippobosca)種、サルコファガ(Sarcophaga)種、ヴォルファルチア(Wohlfartia)種、タバヌス(Tabanus)種、タニア(Tannia)種、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、オスシネラ・フリト(Oscinella frit)、フォルビア(Phorbia)種、ペゴミア・ヒオスシアミ(Pegomyia hyoscyami)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)およびチプラ・パルドサ(Tipula paludosa)である。シホナプテラ(Siphonaptera)目からは、例えば、ゼノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)、シテノセファリデス(Ctenocephalides)種、エキドノファガ(Echidnophaga)種およびセラトフィルス(Ceratophyllus)種である。アラキニダ(Arachnida)綱からは、例えば、アラネアエ(Araneae)種、アンブリオマ(Amblyomma)種、ブーフィルス(Boophilus)種、デモデックス(D emodex)種、ヒアロマ(Hyalomma)種、イクソデス(Ixodes)種、サルコプチダエ(Sarcoptidae)種、プソロプチダエ(Psoroptidae)種、リピセファルス(Rhipicephalus)種、およびデルマセントル(Dermacentor)種である。フシラプテラ(Phthiraptera)目からは、例えば、ブーピダエ(Boopidae)、ハエモトピニダエ(Haemotopinidae)、ホプロプレウリダエ(Hoplopleuridae)、リノグラナチダエ(Linognathidae)、メノポニダエ(Menoponidae)、ペジクリダエ(Pediculidae)、フィロプテリダエ(Philopteridae)およびトリコデクチダエ(Trichodectidae)科である。
【0048】
病原性体内寄生動物類には、特に、ネマトーダ類およびアカントセファラ(Acantocephala)を含む。メノゲネア(Menogenea)のサブクラスからは、例えば、ガイロダクチルス(Gyrodactylus)種、ダクチロガイルス(Dactylogyrus)種、ポリストーマ(Polystoma)種である。エノプリダ(Enoplida)目からは、例えば、トリチュリス(Trichuris)種、カピラリア(Capillaria)種、トリコモソイデス(Trichomosoides)種、トリチネラ(Trichinella)種である。ラビジチア(Rhabditia)目からは、例えば、ミクロネマ(Micronema)種、ストロンガイロイデス(Strongyloides)種である。ストロンガイリダ(Strongylida)目からは、例えば、ストニルス(Stonylus)種、トリオドントホルス(Triodontophorus)種、オエソファゴドンツス(Oesophagodontus)種、トリコネマ(Trichonema)種、ガイロセファルス(Gyalocephalus)種、シリンドロファリンクス(Cylindropharynx)種、ポテリオストマム(Poteriostomum)種、シクロコセルクス(Cyclococercus)種、シリコステファヌス(Cylicostephanus)種、オエソファゴストマム(Oesophagostomum)種、チャベルチア(Chabertia)種、ステファヌルス(Stephanurus)種、アンシクロストマ(Ancylostoma)種、ウンシナリア(Uncinaria)種、ブノストマム(Bunostomum)種、グロボセファルス(Globocephalus)種、シンガムス(Syngamus)種、シアソストマ(Cyathostoma)種、メタストロンガイルス(Metastrongylus)種、ジクチオカウルス(Dictyocaulus)種、ムエレリウス(Muellerius)種、ガイゲリア(Geigeria)種、プロトストロンガイルス(Protostrongylus)種、ネオストロンガイルス(Neostrongylus)種、シストカウルス(Cystocaulus)種、ニューモストロンガイルス(Pneumostrongylus)種、スピコカウルス(Spicocaulus)種、エラホストロンガイルス(Elaphostrongylus)種、パレラホストロンガイルス(Parelaphostrongylus)種、クレノソマ(Crenosoma)種、パラクレノソマ(Paracrenosoma)種、アンギオストロンガイルス(Angiostrongylus)種、アエルロストロンガイルス(Aelurostrongylus)種、フィラロイデス(Filaroides)種、パラフィラロイデス(Parafilaroides)種、トリチョストロンガイルス(Trichostrongylus)種、ハエモチュス(Haemonchus)種、オステテルタジア(Ostertagia)種、マーシャラギア(Marshallagia)種、クーペリア(Cooperia)種、ネマトジルス(Nematodirus)種、ヒオストロンガイルス(Hyostrongylus)種、オベリスコイデス(Obeliscoides)種、アミドストマム(Amidostomum)種、オルラヌス(Ollulanus)種である。オキシウリダ(Oxyurida)目からは、例えば、オキシウリス(Oxyuris)種、エンテロビウス(Enterobius)種、パサルルス(Passalurus)種、シファシア(Syphacia)種、アスピクルリス(Aspiculuris)種、ヘテラキス(Heterakis)種である。アスカリジア(Ascaridia)目からは、例えば、アスカリス(Ascaris)種、トキサイスカリス(Toxascaris)種、トキソカラ(Toxocara)種、パラスカリス(Parascaris)種、アニサキス(Anisakis)種、アスカリジア(Ascaridia)種である。スピルリダ(Spirurida)目からは、例えば、ジロフィラリア(Dirofilaria)種、オンチョセルカ(Onchocerca)種、ウケレリア(Wuchereria)種、グナソストマ(Gnathostoma)種、ファイサロプテラ(Physaloptera)種、テラジア(Thelazia)種、ゴンガイロネマ(G ongylonema)種、ハブロネマ(Habronema)種、パラブロネマ(Parabronema)種、ドラスキア(Draschia)種、ドラクンクルス(Dracunculus)種、パラフィラリア(Parafilaria)種、ブルギア(Brugia)種である。フィラリイダ(Filariida)目からは、例えば、ステファノフィラリア(Stephanofilaria)種、リトモソイデス(Litomosoides)種である。ギガントルヒンチダ(Gigantorhynchida)目からは、例えば、フィリコリス(Fi licolis)種、モニリホルミス(Moniliformis)種、マクラカンソルヒンチュス(Macracanthorhynchus)種、プロステノルチス(Prosthenorchis)種である。
【0049】
少なくとも1種の化合物Aを少なくとも1種の化合物Bと組み合わせることは、属アクルス(Aculus)、アラバマ(Alabama)、アンチカルシア(Anticarsia)、ヘミシア(Hemisia)、チョリストネウラ(Choristoneura)、エピラクナ(Epilachna)、フランクリニエラ(Frankliniella)、ラスペイレシア(Laspeyresia)、レプチノタルサ(Leptinotarsa)、リリオマイザ(Liriomyza)、リマントリア(Lymantria)、ケイフェリア(Keiferia)、パノチュス(Panonchus)、フトリマエア(Phtorimaea)、フィロクニスチス(Phyllocnistis)、フィロコプツルタ(Phyllocoptruta)、ピエリス(Pieris)、プルテラ(Plutella)、ポリファゴタルソネムス(Polyphagotarsonemus)、シュードプルシア(Pseudoplusia)、プシラ(Psylla)、シリホスルップス(Sciryhothrips)、スポドプテラ(Spodoptera)、テトラナイチュス(Tetranychus)、トリアレウロデス(Trialeurodes)、トリチョプルシア(Trichoplusia)の害虫に対して、例えば、綿、大豆、野菜、果実、かんきつ類、ワインおよびトウモロコシ作物中で使用するのに、特に適している。
【0050】
また、フルーツツリースパイダーマイト(パノナイチュス・ウルミ(Panonychus ulmi))、シトラススパイダーマイト(パノナイチュス・シトリ(Panonychus citri))、および一般的なスパイダーマイト(テトラナイチュス・ウルチカエ(Tetranychus urticae))のようなスパイダーマイト類、およびブルビパルプス(Brevipalpus)マイト類(例、ブレビパルプス・チレンシス(Brevipalpus chilensis))のような偽スパイダーマイト類のさまざまなタイプを制御することができる。
【0051】
少なくとも1種の化合物Aを少なくとも1種の化合物Bと組み合わせることは、特に、属:アンシロストマ(Ancylostoma)(例、アンシロストマ・ブラジリエンス(A.braziliens)、アンシロストマ・カニナム(A.caninum)、アンシロストマ・デュオデナレ(A.duodenale)、アンシロストマ・マルチネジ(A.martinezi)、アンシロストマ・ツバエホルメ(A.tubaeforme))、アンギオストロンガイルス(Angiostrongylus)(例、アンギオストロンガイルス・カントネンシス(A.cantonensis)、アンギオストロンガイルス・チャバウジ(A.chabaudi)、アンギオストロンガイルス・ダスカロオビ(A.daskalovi)、アンギオストロンガイルス・ジュジャルジニ(A.dujardini)、アンギオストロンガイルス・スシウリ(A.sciuri)、アンギオストロンガイルス・ヴァソルム(A.vasorum))、アノプロフェファラ(Anoplocephala)(例、アノプロフェファラ・マグナ(A.magna)、アノプロフェファラ・ペルホリアタ(A.perfoliata))、アルケオストロンジャイラス(Archeostrongylus)(アルケオストロンジャイラス・イタリクス(A.italicus))、アスカリジア(Ascaridia)(例、アスカリジア・アレクトリス(A.alectoris)、アスカリジア・コルンバエ(A.columbae)、アスカリジア・コンパル(A.compar)、アスカリジア・シリンドリカ(A.cylindrica)、アスカリジア・ジシミリス(A.dissimilis)、アスカリジア・ガリ(A.galli)、アスカリジア・リネアタ(A.lineata)、アスカリジア・マグニパピラ(A.magnipapilla)、アスカリジア・ヌミダエ(A.numidae)、アスカリジア・ペルスピシルム(A.perspicillum))、アスカリス(Ascaris)(例、アスカリス・カストリス(A.castoris)、アスカリス・ルンブリコイデス(A. lumbricoides)、アスカリス・モスゴヴォイ(A.mosgovoyi)、アスカリス・オビス(A.ovis)、アスカリス・スパラシス(A.spalacis)、アスカリス・スウム(A.suum))、ブーフィルス(Boophilus)(例、ブーフィルス・アヌラツス(B.annulatus)、ブーフィルス・ミクロプラス(B.microplus))、ボビコラ(Bovicola)(例、ボビコラ・アルピナス(B.alpinus)、ボビコラ・ボビス(B.bovis)、ボビコラ・カプラエ(B.caprae)、ボビコラ・リンバツス(B.limbatus)、ボビコラ・ロンギコルニス(B.longicornis)、ボビコラ・オビス(B.ovis)、ボビコラ・タランジ(B.tarandi)、ボビコラ・チビアリス(B.tibialis))、ブルギア(Brugia)(例、ブルギア・マライ(B.malayi))、ブノストマム(Bunostomum)(例、ブノストマム・フレボトマム(B.phlebotomum)、ブノストマム・トリゴノセファラム(B.trigonocephalum))、カリグス(Caligus)(例、カリグス・ラクストリス(C.lacustris))、カピラリア(Capillaria)(例、カピラリア・アエロフィラ(C.aerophila)、カピラリア・ヘパチカ(C.hepatica)、カピラリア・フィリピネンシス(C.philippinensis))、チャベルチア(Chabertia)(例、チャベルチア・オビナ(C.ovina))、コリオプテス(Chorioptes)(例、コリオプテス・ボビス(C.bovis))、クーペリア(Cooperia)(例、クーペリア・アサマチ(C.asamati)、クーペリア・ビソニス(C. bisonis)、クーペリア・クルチセイ(C.curticei)、クーペリア・メマステリ(C.memasteri)、クーペリア・オンコホラ(C.oncophora)、クーペリア・ペクチナータ(C.pectinata)、クーペリア・プンクタタ(C.punctata)、クーペリア・スルナバダ(C.surnabada)、クーペリア・ズルナバダ(C.zurnabada))、コロノシクルス(Coronocyclus)(例、コロノシクルス・コロナツス(C.coronatus)、コロノシクルス・ラビアツス(C.labiatus)、コロノシクルス・ラブラツス(C.labratus)、コロノシクルス・サギッタツス(C.sagittatus))、クラテロストマム(Craterostomum)(例、クラテロストマム・アクチカウダツム(C.acuticaudatum))、クテノフェファリデス(Ctenocephalides)(例、クテノフェファリデス・カニス(C.canis)、クテノフェファリデス・フェリス(C.felis))、シアソストマム(Cyathostomum)(例、シアソストマム・アルベアツム(C.alveatum)、シアソストマム・カチナツム(C.catinatum)、シアソストマム・パテラツム(C.pateratum)、シアソストマム・テトラカンツム(C.tetracanthum))、シリコシクルス(Cylicocyclus)(例、シリコシクルス・アデルシ(C.adersi)、シリコシクルス・オーリクラツス(C.auriculatus)、シリコシクルス・アシュボルチ(C.ashworthi)、シリコシクルス・ブレビカプスラツス(C.brevicapsulatus)、シリコシクルス・エロンガツス(C.elongatus)、シリコシクルス・インシグネ(C.insigne)、シリコシクルス・レプトストマム(C.leptostomum)、シリコシクルス・ナサツス(C.nassatus)、シリコシクルス・ラジアツス(C.radiatus)、シリコシクルス・トリラモスス(C.triramosus)、シリコシクルス・ウルトラジェクチナス(C.ultrajectinus))、シリコドントホラス(Cylicodontophorus)(例、シリコドントホラス・ビコロナツス(C.bicoronatus))、シロコステファヌス(Cylocostephanus)(例、シロコステファヌス・アシメトリウクス(C.asymetricus)、シロコステファヌス・ビデンタツス(C.bidentatus)、シロコステファヌス・カリカツス(C.calicatus)、シロコステファヌス・ゴルジ(C.goldi)、シロコステファヌス・ハイブリズス(C.hybridus)、シロコステファヌス・ロンギブルサツス(C.longibursatus)、シロコステファヌス・ミヌツス(C.minutus)、シロコステファヌス・ポクラツス(C.poculatus))、ダマリニア(Da malinia)(例、ダマリニア・ボビス(D.bovis))、デモデックス(Demodex)(例、デモデックス・ブレビス(D.brevis)、デモデックス・カニス(D.canis)、デモデックス・ホリクロラム(D.folliculorum)、デモデックス・ガトイ(D.gatoi))、ジクチオカウルス(Dictyocaulus)(例、ジクチオカウルス・アルンフィエルジ(D.arnfieldi)、ジクチオカウルス・カプレオルス(D.capreolus)、ジクチオカウルス・カプレオルス(D.capreolus)、ジクチオカウルス・エケルチ(D.eckerti)、ジクチオカウルス・フィアリアル(D.filarial)、ジクチオカウルス・ムルマネンシス(D.murmanensis)、ジクチオカウルス・ノエルネリ(D.noerneri)、ジクチオカウルス・ビビパルス(D.viviparus))、ジピリジウム(Dipylidium)(例、ジピリジウム・カニナム(D.caninum)、ジピリジウム・オエルレイ(D.oerleyi)、ジピリジウム・ポリマミラヌム(D.porimamillanum)、ジピリジウム・セックスコロナツム(D.sexcoronatum))、ジロフィラリア(Dirofilaria)(例、ジロフィラリア・イミチス(D.immitis)、ジロフィラリア・レペンス(D.repens)、ジロフィラリア・ウルシ(D.ursi))、エヒノコッカス(Echinococcus)(例、エヒノコッカス・グラヌロスス(E.granulosus)、エヒノコッカス・ムルチロクラリス(E.multilocularis))、ファシオラ(Fasiola)(例、ファシオラ・ギナンチカ(F.gigantica)、ファシオラ・ヘパチカ(F.h epatica))、フェリコラ(Felicola)(例、フェリコラ・イナエクアリス(F.inaequalis)、フェリコラ・スブロストラツス(F.subrostratus))、ガイゲリア(Gaigeria)(例、ガイゲリア・パチセリス(G.pachiyscelis))、ガストロフィルス(Gastrophilus)(例、ガストロフィルス・ハエモホイダリス(G.haemorrhoidalis)、ガストロフィルス・イネルミス(G.inermis)、ガストロフィルス・インテスチナリス(G.intestinalis)、ガストロフィルス・ナサリス(G.nasalis)、ガストロフィルス・ニグリコルニス(G.nigricornis)、ガストロフィルス・ペコルム(G.pecorum))、ギアロセファルス(Gyalocephalus)(例、ギアロセファルス・カピタツス(G.capitatus))、ハブロネマ(Habronema)(例、ハブロネマ・マジュス(H.majus)、ハブロネマ・ミクロストマ(H.microstoma)、ハブロネマ・ムスカエ(H.muscae))、ハエマトビア(Haematobia)(例、ハエマトビア・イリタンス(H.irritans)、ハエマトビア・チチランス(H.titillans))、ハエマトピヌス(Haematopinus)(例、ハエマトピヌス・アプリ(H.apri)、ハエマトピヌス・アシニ(H.asini)、ハエマトピヌス・オウリステルヌス(H.eurysternus)、ハエマトピヌス・スイス(H.suis)、ハエマトピヌス・ツベルクラツス(H.tuberculatus))、ハエモチュス(Haemonchus)(例、ハエモチュス・コントルツス(H.contortus)、ハエモチュス・プラセイ(H. placei))、ヘテラキス(Heterakis)(例、ヘテラキス・アルタイカ(H.altaica)、ヘテラキス・クレキ(H.crexi)、ヘテラキス・ジスパ(H.dispar)、ヘテラキス・ガリナルム(H.gallinarum)、ヘテラキス・イソロンチェ(H.isolonche)、ヘテラキス・マクロウラ(H.macroura)、ヘテラキス・モンチセリアナ(H.monticelliana)、ヘテラキス・スプモサ(H.spumosa)、ヘテラキス・テヌイカウダ(H.tenuicauda)、ヘテラキス・ヴェシクラリス(H.vesicularis))、ヒオストロンジャイルス(Hyostrongylus)(例、ヒオストロンジャイルス・ルビズス(H.rubidus))、ハイポデルマ(Hypoderma)(例、ハイポデルマ・アクタエオン(H.actaeon)、ハイポデルマ・ボビス(H.bovis)、ハイポデルマ・ジアナ(H.diana)、ハイポデルマ・リネアツム(H.lineatum)、ハイポデルマ・タランジ(H.tarandi))、クネミドコプテス(Knemidokoptes)(例、クネミドコプテス・ラエビス(K.laevis)、クネミドコプテス・ムタンス(K.mutans))、リノグナスス(Linognathus)(例、リノグナスス・アフリカヌス(L.africanus)、リノグナスス・オビルス(L.ovillus)、リノグナスス・ペダリス(L.pedalis)、リノグナスス・セトスス(L.setosus)、リノグナスス・ステノプシス(L.stenopsis)、リノグナスス・ビツリ(L.vituli))、ルシリア(Lucilia)(例、ルシリア・アンプラセア(L.ampullacea)、ルシリア・ブホニボラ(L.bufonivora)、ルシリア・カエサル(L.caesar)、ルシリア・クプリナ(L.cuprina)、ルシリア・イルストリス(L.illustris)、ルシリア・マグニコルニス(L.magnicornis)、ルシリア・ピロシベントリス(L.pilosiventris)、ルシリア・レガリス(L.regalis)、ルシリア・リカルドシ(L.richardsi)、ルシリア・セリカタ(L.sericata)、ルシリア・シルバルム(L.silvarum))、メソセストイデス(Mesocestoides)(例、メソセストイデス・アラウダエ(M.alaudae)、メソセストイデス・アンビグス(M.ambiguus)、メソセストイデス・アングスタツス(M.angustatus)、メソセストイデス・カニスラゴポジス(M.canislagopodis)、メソセストイデス・イムブチホルミス(M.imbutiformis)、メソセストイデス・レプトサイラクス(M.leptothylacus)、メソセストイデス・リネアツス(M.lineatus)、メソセストイデス・リテラツス(M.litteratus)、メソセストイデス・メレシ(M.m elesi)、メソセストイデス・ペルラツス(M.perlatus)、メソセストイデス・ペトロリ(M.petroli)、メソセストイデス・ザカロバ(M.Zacharovae))、メタストロンガイルス(Metastrongylus)(例、メタストロンガイルス・アプリ(M.apri)、メタストロンガイルス・アシメトリクス(M.asymmetricus)、メタストロンガイルス・コンフスス(M.confusus)、メタストロンガイルス・エロンガツス(M.elongatus)、メタストロンガイルス・プデンドテクツス(M .pudendotectus)、メタストロンガイルス・プルモナリス(M.pulmonalis)、メタストロンガイルス・サルミ(M.salmi))、ネマトジルス(Nematodirus)(例、ネマトジルス・アブノマリス(N.abnormalis)、ネマトジルス・アスピノスス(N.aspinosus)、ネマトジルス・バツス(N.battus)、ネマトジルス・チャバウジ(N.chabaudi)、ネマトジルス・ダビチアニ(N.davtiani)、ネマトジルス・イウロパエウス(N.europaeus)、ネマトジルス・フィリコリス(N.filicollis)、ネマトジルス・フェルベチアヌス(N.helvetianus)、ネマトジルス・フゴネタエ(N.hugonnetae)、ネマトジルス・イビシス(N.ibicis)、ネマトジルス・ランセオラツス(N.lanceolatus)、ネマ

トジルス・オイラチアヌス(N.oiratianus)、ネマトジルス・ロスシズス(N.roscidus)、ネマトジルス・ルピカプラエ(N.rupicaprae)、ネマトジルス・スキルジャビニ(N.skrjabini)、ネマトジルス・スパチエゲル(N .spathieger))、ノトエドレス(Notoedres)(例、ノトエドレス・カチ(N.cati))、オエソファゴストマム(Oesophagostomum)(例、オエソファゴストマム・ビフルクム(O.bifurcum)、オエソファゴストマム・セルビ(O.cervi)、オエソファゴストマム・コルンビアヌム(O.columbianum)、オエソファゴストマム・デンタツム(O.dentatum)、オエソファゴストマム・ロンギカウズム(O.longicaudum)、オエソファゴストマム・クアドリスピヌラツム(O .quadrispinulatum)、オエソファゴストマム・ラジアツム(O.radiatum)、オエソファゴストマム・シカエ(O.sikae)、オエソファゴストマム・ベヌロスム(O.venulosum))、オエストルス(O estrus)(例、オエストルス・カウカシクス(O.caucasicus)、オエストルス・オビス(O.ovis))、オンチョセルカ(Onchocerca)(例、オンチョセルカ・セルビカリス(O.cervicalis)、オンチョセルカ・フレクソサ(O.flexuosa)、オンチョセルカ・ガルムシ(O.garmsi)、オンチョセルカ・グツロサ(O.gutturosa)、オンチョセルカ・ジャクテンシス(O.jakutensis)、オンチョセルカ・リエナリス(O.lienalis)、オンチョセルカ・ルピ(O.lupi)、オンチョセルカ・レチクラテ(O.reticulate)、オンチョセルカ・スキルジャビニ(O.skrjabini)、オンチョセルカ・ボルブルス(O.volvulus))、オステルタギア(Ostertagia)(例、オステルタギア・アンチピニ(O.antipini)、オステルタギア・アルクチカ(O.arctica)、オステルタギア・ブリアチカ(O.buriatica)、オステルタギア・シルクムシンタ(O.circumcinta)、オステルタギア・ダフリカ(O.dahurica)、オステルタギア・ドロズジ(O.drozdzi)、オステルタギア・グルエネリ(O.gruehneri)、オステルタギア・コルチダ(O.kolchida)、オステルタギア・ラセンシス(O.lasensis)、オステルタギア・レプトスピクラリス(O.leptospicularis)、オステルタギア・リラタ(O.lyrata)、オステルタギア・モシ(O.mossi)、オステルタギア・ムルマニ(O.murmani)、オステルタギア・ネモルハエジ(O.nemorhaedi)、オステルタギア・オルロフィ(O.orloffi)、オステルタギア・オステルタギ(O.ostertagi)、オステルタギア・スキルジャビニ(O.skrjabini)、オステルタギア・トリフルカタ(O.trifurcata)、オステルタギア・ボルガエンシス(O.volgaensis))、オトデクテス(Otodectes)(例、オクデクテス・シノチス(O.cynotis))、オキシウリス(Oxyuris)(例、オキシウリス・アクチシマ(O.acutissima)、オキシウリス・エクイ(O.equi)、オキシウリス・フラゲラム(O.flagellum)、オキシウリス・パラドキサ(O.paradoxa))、パラノプロセファラ(Paranoplocephala)(例、パラノプロセファラ・マミラナ(P.mamillana))、パラポテリオストマム(Parapoteriostomum)(例、パラポテリオストマム・イウプロクツス(P.euproctus)、パラポテリオストマム・メタニ(P.mettami))、パラスカリス(Parascaris)(例、パラスカリス・エクオロム(P.equorom))、ペトロビネマ(Petrovinema)(例、ペトロビネマ・スキルジャビニ(P.skrjabini)、ペトロビネマ・ポクラツム(P.poculatum))、ポテリオストマム(Poteriostomum)(例、ポテリオストマム・インパリデンタツム(P.imparidentatum)、ポテリオストマム・ラジイ(P.ratzii))、プロトストンギルス(Protostongylus)(例、プロトストンギルス・ブレビスピクラツム(P.brevispiculatum)、プロトストンギルス・コミュタツス(P.commutatus)、プロトストンギルス・クニクロラム(P.cuniculorum)、プロトストンギルス・ホブマイエリ(P.hobmaieri)、プロトストンギルス・カメンスキイ(P.kamenskyi)、プロトストンギルス・ムラシュキンゼイ(P.muraschkinzewi)、プロトストンギルス・プルモナリス(P.pulmonalis)、プロトストンギルス・ライリエチ(P.raillieti)、プロトストンギルス・ルフェセンス(P.rufescens)、プロトストンギルス・ルピカプラエ(P.rupicaprae)、プロトストンギルス・タウリクス(P.tauricus)、プロトストンギルス・テルミナリス(P.terminalis))、プソロプテス(Psoroptes)(例、プソロプテス・ボビス(P.bovis)、プソロプテス・オビス(P.ovis))、サルコプテス(Sarcoptes)(例、サルコプテス・スカビエイ(S.scabiei))、ソレノポテス(Solenopotes)(例、ソレノポテス・ブルメステリ(S.burmeisteri)、ソレノポテス・カピラツス(S.capillatus)、ソレノポテス・カプリオリ(S.caprioli)、ソレノポテス・タランジ(S.tarandi))、ステファヌルス(Stephanurus)(例、ステファヌルス・デンタツス(S.dentatus))、ストロンギイロイデス(Strongyloides)(例、ストロンギロイデス・アビウム((S.avium)、ストロンギロイデス・ブホニス(S.bufonis)、ストロンギロイデス・カニス(S.canis)、ストロンギロイデス・ダレブスキ(S.darevskyi)、ストロンギロイデス・マルチス(S.martis)、ストロンギロイデス・マスコマイ(S.mascomai)、ストロンギロイデス・ミルザイ(S.mirzai)、ストロンギロイデス・ムステロルム(S.mustelorum)、ストロンギロイデス・ミオポタミ(S.myopotami)、ストロンギロイデス・ナトリシス(S.natricis)、ストロンギロイデス・オフィウセンシス(S.ophiusensis)、ストロンギロイデス・パピロスス(S.papillosus)、ストロンギロイデス・プトリイ(S.putorii)、ストロンギロイデス・ラソミ(S.rasomi)、ストロンギロイデス・ラチ(S.ratti)、ストロンギロイデス・ロストムベコウイ(S.rostombekowi)、ストロンギロイデス・スピラリス(S.spiralis)、ストロンギロイデス・ステルコラリス(S.stercoralis)、ストロンギロイデス・スイス(S.suis)、ストロンギロイデス・ツルクメニカ(S.turkmenica)、ストロンギロイデス・ブルピス(S.vulpis)、ストロンギロイデス・ウェステリ(S.westeri))、ストンギルス(Stongylus)(例、ストンギルス・エデンタツス(S.edentatus)、ストンギルス・エクイヌス(S.equinus)、ストンギルス・バルガリス(S.vulgaris))、タエニア(Taenia)(例、タエニア・ブラウニ(T.brauni)、タエニア・セルビ(T.cervi)、タエニア・クラシセプス(T.crassiceps)、タエニア・エンドソラシカ(T.endothoracica)、タエニア・ハイダチゲナ(T.hydatigena)、タエニア・クラベイ(T.krabbei)、タエニア・クレプコゴルスキ(T.krepkogorski)、タエニア・ラチコリス(T.laticollis)、タエニア・マルチス(T.martis)、タエニア・ムルチセプス(T.multiceps)、タエニア・ムステラエ(T.mustelae)、タエニア・オビス(T.ovis)、タエニア・パレンカイマトサ(T.parenchymatosa)、タエニア・パルバ(T.parva)、タエニア・パルビウンシナタ(T.parviuncinata)、タエニア・ピシホルミス(T.pisiformis)、タエニア・ポリアカンサ(T.polyacantha)、タエニア・リレビ(T.rilevi)、タエニア・サギナタ(T.saginata)、タエニア・セクンダ(T.secunda)、タエニア・セリアリス(T.serialis)、タエニア・スミシ(T.smythi)、タエニア・ソリウム(T.solium)、タエニア・タエニアエホルミス(T.taeniaeformis))、セラジア(Thelazia)(例、セラジア・カルパエダ(T.callipaeda)、セラジア・チョロドコウスキイ(T.cholodkowskii)、セラジア・グロサ(T.gulosa)、セラジア・ラクリマリス(T.lacrymalis)、セラジア・パピロサ(T.papillosa)、セラジア・ロデシ(T.rhodesi)、セラジア・スキルジャビニ(T.skrjabini))、トキサスカリス(Toxascaris)(例、トキサスカリス・レオニナ(T.leonina))、トキソカラ(Toxocara)(例、トキソカラ・カニス(T.canis)、トキソカラ・カチ(T.cati)、トキソカラ・ミスタックス(T.mystax))、トリチョデクテス(Tr ichodectes)(例、トリチョデクテス・カニス(T.canis)、トリチョデクテス・メリス(T.melis)、トリチョデクテス・ピングイ(T.pingui))、トリチョストロンギルス(Trichostrongylus)(例、トリチョストロンギルス・アンドレビ(T.andreevi)、トリチョストロンギルス・アスキバリ(T.askivali)、トリチョストロンギルス・アキセイ(T.axei)、トリチョストロンギルス・ブレビス(T.brevis)、トリチョストロンギルス・カルカラツス(T.calcaratus)、トリチョストロンギルス・カプリコラ(T.capricola)、トリチョストロンギルス・コルブリホルミス(T.colubriformis)、トリチョストロンギルス・レロウキシ(T.lerouxi)、トリチョストロンギルス・ロンギスピクラリス(T.longispicularis)、トリチョストロンギルス・メジウス(T.medius)、トリチョストロンギルス・オステルタギアエホルミス(T.ostertagiaeformis)、トリチョストロンギルス・ピエテルセイ(T.pietersei)、トリチョストロンギルス・プロボルルス(T.probolurus)、トリチョストロンギルス・レトルタエホルミス(T.retortaeformis)、トリチョストロンギルス・スキルジャビニ(T.skrjabini)、トリチョストロンギルス・スイス(T.suis)、トリチョストロンギルス・テヌイス(T.tenuis)、トリチョストロンギルス・ベントリオスス(T.ventriosus)、トリチョストロンギルス・ビトリヌス(T.vitrinus))、トリチュリス(Trichuris)(例、トリチュリス・アルビコラエ(T.arvicolae)、トリチュリス・カプレオリ(T.capreoli)、トリチュリス・セルビカプラエ(T.cervicaprae)、トリチュリス・ジスコロル(T.discolor)、トリチュリス・グロブロサ(T.globulosa)、トリチュリス・グエバライ(T.guevarai)、トリチュリス・インフンジブルス(T.infundibulus)、トリチュリス・ラニ(T.lani)、トリチュリス・レポリス(T.leporis)、トリチュリス・ムリス(T.muris)、トリチュリス・ミオカストリス(T.myocastoris)、トリチュリス・オパカ(T.opaca)、トリチュリス・オビス(T.ovis)、トリチュリス・スキルジャビニ(T.skrjabini)、トリチュリス・スパラシス(T.spalacis)、トリチュリス・スイス(T.suis)、トリチュリス・シルビラギ(T.sylvilagi)、トリチュリス・タランジ(T.tarandi)、トリチュリス・トリチウラ(T.trichiura)、トリチュリス・ブルピス(T.vulpis))、トリオドントホルス(Triodontophorus)(例、トリオドントホルス・ブレビカウダ(T.brevicauda)、トリオドントホルス・ブロチョトリロブラツス(T.brochotrilobulatus)、トリオドントホルス・マイノル(T.minor)、トリオドントホルス・ニポニクス(T.nipponicus)、トリオドントホルス・セラツス(T.serratus)、トリオドントホルス・テヌイコリス(T.tenuicollis))、ウンシナリア(Uncinaria)(例、ウンシナリア・クリニホルミス(U.criniformis)、ウンシナリア・ステノセファラ(U.stenocephala))およびウチェレリア(Wuchereria)(例、ウチェレリア・バンクロフチ(W.bancrofti))のヒトおよび動物害虫に対して使用するのに適している。
【0052】
動物界の一部には魚類もあり、少なくとも1種の化合物Aを少なくとも1種の化合物Bと組み合わせることは、魚寄生虫類と戦うために、特に魚寄生性の甲殻類と戦う用途に適している。これらには、属エラガスルス(Eragasilus)、ブロモロチュス(Bromolochus)、チョンドラカウシュス(Chondracaushus)、カリグス(Caligus)(例、カリグス・クルツス(C.curtus)、カリグス・エロンガツス(C.elongatus)、カリグス・オリエンタリス(C.orientalis)、カリグス・テレス(C.teres)、カリグス・ラバラシス(C.labaracis))、レペオフセイルス(Lepeophtheirus)(例、レペオフセイルス・サルモニス(L.salmonis)、レペオフセイルス・クネイフェル(L.cuneifer)、レペオフセイルス・ペクトラリス(L.pectoralis)、レペオフセイルス・ヒポグルスス(L.hippoglssus))、エリスロホラ(Elythrophora)、ジチェレスチナム(Dichelestinum)、ラムプログレンツ(Lamproglenz)、ハシェキア(Hatschekia)、レゴスフィルス(Legosphilus)、シンホヅス(Symphodus)、セウドロラスス(Ceudrolasus)、シュードシクムス(Pseudocycmus)、レルナエア(Lernaea)、レルナエオセラ(Lernaeocera)、ペネラ(Pennella)、アクサレス(Achthares)、バサニステス(Basanistes)、サルミンコラ(Salmincola)、ブラチエラ(Brachiella)、エピブラチエラ(Epibrachiella)、シュードトラチェリアステス(Pseudotracheliastes)、および科エルガシリダラエ(Ergasilidae)、ブロモロチダエ(Bromolochidae)、チョンドラカンチダエ(Chondracanthidae)、カリジダエ(Calijidae)、ジチェレスチダエ(Dichelestiidae)、ガイロダクチリダエ(Gyrodactylidae)(例、ガイロダクチリダエ・コチ(Gyrodactylus cotti)、ガイロダクチリダエ・サラリエス(Gyrodactylus salaries)、ガイロダクチリダエ・トルタエ(Gyrodactylus truttae)のようなガイロダクチリダエ(Gyrodactylus)種)、フィリチサイダエ(Phylichthyidae)、シュードサイクニダエ(Pseudocycnidae)、レルナエイダエ(Lernaeidae)、レルナエポジアエ(Lernaepodidae)、スフィリイダエ(Sphyriidae)、セクロピダエ(Cecropidae)のコレポダエ(Colepodae)(カイアシ目)(シクロップ類;魚ジラミ)、および科アルグリダエ(Argulidae)および属アルグルス(Argulus)のブランチウリアエ(Branchiuriae)(鯉ジラミ)、ならびにシルリペジアエ(Cirripediae)およびセラトソア・ガウジチャウジイイ(Ceratothoa gaudichaudii)がある。
【0053】
グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類を少なくとも1種の化合物Bと併用したときの顕著な効果は、本発明の組み合わせ製品に暴露させた時害虫に対するノックダウン効果の上昇効果(すなわち、害虫が急速に麻痺される)であり、それは、害虫制御で極めて有益である。非常に接触時間が短くて致死量を受けることがなかった害虫さえも、それでもなお十分に動かなくなり、鳥類のような捕食者の餌食になるか、または乾燥して死んでしまう。
【0054】
化合物(類)Aと化合物(類)Bを含有する組成物類は、例えば、2個パックの形状のような従来の形状でまたは乳化可能な濃縮物、水中油型乳剤、可溶性濃縮物、懸濁液濃縮物、ミクロエマルジョン、湿潤可能な粉末、即噴霧可能な溶液、可溶性顆粒、水分散性顆粒、クリーム、石鹸、ワックス、錠剤またはポアオン製剤として用いることができる。このような組成物類は、化合物類AおよびBのそれぞれを製剤とするための当該技術で公知のアジュバンド類および製剤技術を用いて、製剤とすることができる。例えば、化合物類AおよびBを、適宜、他の製剤成分類とともに任意に混合することもできる。
【0055】
前記組成物類は希釈剤を含むことができ、それは、製剤プロセス中、製剤プロセス後(例、使用者によって−農家または既製のアプリケータによって)またはその両者において添加できる。用語希釈剤とは、液体および固体の農学または薬理学的に(獣医医療を含めて)許容できる材料を含む担体類全てを含み、それは、化合物AまたはBに添加して、それらを適切な適用または市販形態にすることができる。
【0056】
適切な固体希釈剤類または担体類の例は、珪酸アルミニウム、タルク、か焼マグネシア、珪藻土、リン酸三カルシウム、粉末化コルク、吸収剤カーボンブラック、チョークシリカ、およびカオリンやベントナイトのような粘土類である。単独または併用して使用される適切な液体希釈剤類の例には、水、有機溶媒類(例、アセトフェノン、シクロヘキサノン、イソホロン、トルエン、キシレン、石油精製物類、ピロリドン類、アルコール類、グリコール類、アミン類、酸類およびエステル類)、および鉱物、動物および植物油類ならびに脂肪アルコール類、脂肪酸類およびそのエステル類のようなその誘導体類を含む。前記組成物類はまた、界面活性剤類、保護性コロイド類、粘稠剤類、浸透剤類、安定剤類、隔離剤類、抗ケーキング剤類、着色剤類、腐食阻害剤類、およびリグノサルファイト廃棄液体類やメチルセルロースのような分散剤類を含むことができる。用語界面活性剤は、本文で、懸濁性、安定性、展開性、湿潤性、分散性または他の表面修飾性質を付与する農学または薬理学的に許容できる物質を意味するものとして使用する。適切な界面活性剤類の例は、リグニンスルホネート類、脂肪酸スルホネート類(例、ラウリルスルホネート)、ナフタレンスルホネート,アルキルアリールスルホネート類,エトキシ化アルキルフェノール類およびエトキシ化脂肪アルコール類とホルムアルデヒドの縮合産物のような非イオン性、陰イオン性、陽イオン性および両性タイプが含まれる。殺虫剤、殺ダニ剤、殺ネマトーダ剤または薬品類(獣医医薬を含む)とともに使用されてきた他の公知の界面活性剤類もまた、許容できる。
【0057】
付加成分類と混合すると、前記組成物は、典型的には、約0.001乃至約90重量%の化合物(類)Aと約0.001乃至約90重量%の化合物(類)B、約0乃至約30%の農学/薬理学的に許容できる界面活性剤類、および約10乃至99.99%の固体または液体希釈剤類を含む。前記組成物類はさらに、顔料、粘稠剤類等のような当該技術で公知の他の添加物類を含むこともできる。
【0058】
前記組成物類は、さまざまな組み合わせの化合物(類)Aおよび化合物(類)Bに適用できる。例えば、それらは、単一の“レディミックス”形状でまたは化合物AとBの別々の製剤で構成した組み合わせスプレイ混合物、例えば“タンクミックス”形態で適用できる。従って、併用のために、化合物(類)AおよびBを物理的に組み合わせた形状で適用するかまたは同時に適用することは必ずしも必要ではなく、すなわち、前記化合物類を別々におよび/または順次適用して適用することもでき、ただし、第2化合物の適用は、第1化合物の適用から妥当な時間内に行うことが条件である。前記化合物類AおよびBがいつ適用したかには関係なく、同時に存在する限り、併用効果が得られる。従って、例えば、前記化合物類の物理的組み合わせを適用することもできるし、または、他よりも早くひとつを適用することもできるが、ただし、第2成分を適用する時に先に適用した成分が植物上または制御すべき害虫に感染したか感染をうける植物を取り囲む土壌中の害虫に存在して制御される限りにおいて、および利用可能な成分AおよびBの重量比が、本文で開示しかつ請求した比に入る限りにおいて、適用できる。それぞれの化合物類AおよびBを適用する順序は、必須というわけではない。
【0059】
組成物適用の割合は、標的害虫、感染度、天候条件、土壌条件、処理植物種、処理動物、適用様式、および適用時期により異なる。化合物AおよびBを含む組成物類は、上記に述べたように、それらが製剤化されたままで適用できる。例えば、それらは、水分散性濃縮物類、湿潤可能な粉剤、水分散性顆粒のようなスプレイとしてまたはクリーム、石鹸、ワックス、錠剤、溶液およびポアオン製剤として適用することもできる。前記組成物はまた、胃挿管によってまたは注射によって、特にヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、イヌ、ネコおよび家禽のような飼いならした動物に対して体内および/または体外有害害虫の制御のため、局所、経口で適用できる。皮膚での使用のための溶液は、ぽとぽと落とすか、展ばすか、擦り込むか、振り掛けるかまたは噴霧する。ポアオン製剤は、皮膚の限定領域に注ぐかまたはスプレイし、皮膚に浸透させ、全身的に作用させる。ゲルは、皮膚に適用するかまたは皮膚に展ばし、または、体内腔に導入する。経口溶液類は、直接投与するかまたは先に使用濃度まで希釈した後に投与する。
【0060】
本発明による植物または植物部分の処理は、直接または通例の処理法により環境(例、土壌適用)、生物環境または貯蔵領域での作用によって、例えば、浸漬、噴霧、蒸発、アトマイザー処理、ブロードキャスティング、ブラッシュオンによって、および繁殖材料の場合、特に種子の場合、さらに一層または多層塗布によって、実施できる。
【0061】
魚類の処理は、例えば飼料によって経口的に、または温泉療法によって、例えば1箇所の飼育プールから他に移動するのと関連させて魚を入れてある期間(数分から数時間)維持する“メディカルバス”によって実施される。特に、前記処理はまた、非経口でも実施でき、例えば、注射によって行うことができる。過渡的または永久的処理は、また、魚類を保持するネットケージ、池設備全体、水族館、タンクまたはプール中のような魚類の飼育場所において行うこともできる。
【0062】
前記殺虫組成物は、相乗作用が得られる限りにおいて、すなわち組成物の殺虫作用が単独で使用した時の各殺虫剤および相乗剤の殺虫効果の総計よりも大きい限りにおいて、前記相乗剤でいかなる量の殺虫剤も置き換えることによって、得ることができる。本発明の好適な面において、殺虫剤の5重量%および97重量%の間を、相乗剤の相乗的量で置き換える。ほとんどの殺虫剤について、最大相乗作用は、殺虫剤の20重量%および90重量%の間を相乗剤の相乗的量で置き換えることによって、得られる。
【0063】
化合物(類)Bに対する化合物(類)Aの重量比は、相乗殺虫作用を示すように選択され、すなわち、化合物(類)Bが、化合物(類)Aに関して活性増強量で存在する。一般的に、A:Bの重量比は、約20:1から約1:30までの範囲にわたり、好適には10:1から1:20であり、さらに好適には、約1:1から約1:15であり、はるかに好適には、約1:1から約1:10である。特に、化合物(B)が化合物(類)Aに対して過剰である場合の比が好適であり、例えば、約1:1.1から約1:30であり、さらに好適には約1:1.1から約1:15であり、はるかに好適には約1:1.1から約1:10の範囲である。ある面において、A:Bの重量比は、約1:5から1:24まで、さらに好適には1:6から1:20の範囲である。
【0064】
A:Bの重量比は、AおよびBの化学的性質、適用様式、戦う有害害虫、保護すべき有用植物、有害害虫に感染した動物、適用時間等のさまざまな要因により変動する。
【0065】
化合物(類)Aと化合物(類)Bの有効量は、有害害虫に戦える能力を有するいかなる量であってよく、例えば、暴露害虫群の測定可能な低下を起こすために十分な量である。作物保護に、例えば直接または土壌適用によって使用する時、化合物類AとBの有効な総合組み合わせ量は、約0.01乃至約2000g/ha、好適には0.1乃至1500g/ha、より好適には1〜1000g/ha、さらに好適には2〜800g/haであり、最も好適には2−200g/haの範囲である。種子処理において、化合物類AとBの有効な総組み合わせ量は、種子1キログラムグラム当たり0.001と20gの間であり、好適には種子1キログラム当たり0.01と10gの間である。
【0066】
動物またはヒトの害虫に対する処理に使用する時、化合物類AおよびBの有効な総合組み合わせ量は、動物またはヒトの体重1kg当たり約0.01乃至1000mgの範囲であり、好適には、動物またはヒト体重1kg当たり0.1乃至100mgである。
【0067】
適切な殺虫剤と相乗剤の組み合わせは、下記を含む。
−アバメクチンとビタミンE化合物。前記ビタミンE化合物は、例えば、トコフェリルアセテート、アルファ−トコフェリルアセテート、(+)アルファ−トコフェリルニコチネート、トロロックス、(+)デルタ−トコフェロール、(+)アルファ−トコフェリルサクシネート、(+)アルファ−トコフェリルアセテート、(+)アルファ−トコフェロールまたはトコフェロールから選択できる。前記殺虫剤と相乗剤は、好適には、重量比率2:1乃至1:10、より好適には1:1乃至1:1.5で使用する。この組み合わせは、スポドプテラ・エクイグア(Spodoptera exigua)幼虫、テトラナイチュス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)幼虫、テトラナイチュス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)ダニまたはダイスデルクス・シングラツス(Dysdercus cingulatus)の幼虫のような植物上での害虫に戦うために適している。さらに、戦うことができる害虫には、プシラ・ピリ(Psylla pyri)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、テトラナイチュス・ウルチカエ、パノナイチュス・シトリ(Panonychus citri)、ブレビパルプス・チレンシス(Brevipalpus chilensis)が含まれる。
【0068】
−アバメクチンとナイアシン化合物。前記ナイアシン化合物は、例えば、ニコチンアミド、ニコチン酸、イソニコチン酸、(+)アルファ−トコフェリルニコチネート、メチルニコチネート、エチルニコチネートから選択できる。前記殺虫剤と相乗剤は、好適には、重量比率20:1乃至1:30、より好適には5:1乃至1:5で使用する。この組み合わせは、スポドプテラ・エクイグア(Spodoptera exiqua)幼虫、家バエ、およびダイスデルクス・シングラツス(Dysdercus cingulatus)の幼虫のような植物上での害虫に戦うために適している。
【0069】
−イベルメクチンとビタミンE化合物(例、トコフェロールおよびトコフェリルアセテート)。前記殺虫剤と相乗剤は、好適には、重量比率2:1乃至1:20、より好適には1:1.1乃至1:15で使用する。この組み合わせは、ダイスデルクス・シングラツス(Dysdercus cingulatus)およびオンチョセルカ・リエナリス(Onchocerca lienalis)の幼虫のような植物上での害虫に戦うために適している。
【0070】
−エマメクチン(例、その安息香酸塩)とビタミンE化合物(例 トコフェリルアセテートまたはトコフェロール)。前記殺虫剤と相乗剤は、好適には、重量比率2:1乃至1:30、より好適には1:1.1乃至1:15で使用する。この組み合わせは、スポドプテラ・エクイグア(Spodoptera exiqua)幼虫、およびプルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、およびレペオフセイルス・サルモニス(Lepeophtheirus salmonis)のような動物害虫に戦うために適している。
【0071】
−アベルセクチンCとビタミンE化合物(例、トコフェリルアセテートまたはトコフェロール)。前記殺虫剤と相乗剤は、好適には、重量比率20:1乃至1:30、より好適には5:1乃至1:5で使用する。この組み合わせは、ダニテトラナイチュス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)のような植物害虫に戦うために適している。
【0072】
−スピノサッドとビタミンE化合物(例、トコフェリルアセテートまたはトコフェロール)。前記殺虫剤と相乗剤は、好適には、重量比率20:1乃至1:30、より好適には5:1乃至1:20で使用する。この組み合わせは、テトラナイチュス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)ダニまたはルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina)(ヒツジクロバエ)の幼虫のような植物害虫に戦うために適している。
【0073】
−ミルベメクチンとビタミンE化合物(例、トコフェリルアセテートまたはトコフェロール)。前記殺虫剤と相乗剤は、好適には、重量比率2:1乃至1:30、より好適には1:2乃至1:15で使用する。
【0074】
−ドラメクチンとビタミンE化合物(例、トコフェリルアセテート、(+)−アルファ−トコフェロール、またはトコフェロール)。前記殺虫剤と相乗剤は、好適には、重量比率2:1乃至1:30、より好適には1:2乃至1:15で使用する。この組み合わせは、T.コルブリホルミス(T.colubriformis)、T.シルクムシンクタ(T.circumcincta)またはH.コントルツス(H.contortus)幼虫のような動物害虫に戦うために適している。
【0075】
−セラメクチンとビタミンE化合物(例、トコフェリルアセテート、(+)アルファ−トコフェロール、またはトコフェロール)。前記殺虫剤と相乗剤は、好適には、重量比率2:1乃至1:30、より好適には1:2乃至1:15で使用する。この組み合わせは、幼虫および大人の段階のネコノミ(シテノセファリデス・フェリス・フェリス(Ctenocephalides felis felis))と戦うために適している。
【0076】
追加の殺虫剤類、殺ダニ類および殺ネマトーダ剤類は、また、追加殺虫剤/殺ダニ剤/殺ネマトーダ剤類が化合物類AおよびBとの相乗関係を打ち消すように作用しない限りにおいて、前記殺虫組成物に添加できる。化合物(類)Bの存在はまた、上記追加活性成分(類)の活性を増強できる。追加の殺虫剤、殺ダニ剤または殺ネマトーダ剤は、もし制御スペクトルの拡大または耐性蓄積の防止を望むならば、利用することができる。適切な上記追加活性化合物類の例は、アセフェート、アセタミプリド、アクリナスリン、アラニカルブ、アルベンダゾール、アルジカルブ、アルファメスリン、アミトラズ、アザジラクチン、アジンホス、アゾシクロチン、バシラス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベフェニウム、ベタシフルスリン、ビフェナザート、ビフェンスリン、ビストリフルロン、BPMC、ブロフェンプロクス、ブロモホス、ブロチアニド、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタミソール、ブトカルボキシン、ブチルピリダベン、カズサホス、カンベンダゾール、カルバリル、カルボフラン、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、クロエトカルブ、クロロエトキシホス、クロロフェナピル、クロロフェンビンホス、クロロフルアズロン、クロロメホス、クロルピリホス、クロマフェノジド、シス−レスメスリン、クロシスリン、クロフェンタジン、クロルスロン、クロサンテル、クロチアニジン、シアノホス、シクロプロスリン、シフルスリン、シハロスリン、シヘキサチン、シペルメスリン、シロマジン、デルタメスリン、デメトン、ジアムフェネチド、ジブロモサラン、ジクロロフェン、ジゲンチウロン、ジアジノン、ジクロロフェンチオン、ジクロロボス、ジクリホス、ジクロトホス、ジエチオン、ジエチルカルバマジン、ジフルベンズロン、ジメソアート、ジメチルビンホス、ジノテフラン、ジオキサチオン、ジスルホトン、エジフェンホス、エプシプランテル、エスフェンバレラート、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エソフェンプロクス、エソプロホス、エトキサゾール、エトリムホス、フェバンテル、フェナミホス、フェンベンダゾール、フェンザキン、フェンブタチンオキサイド、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパスリン、フェンピラド、フェンピロキシメート、フェンチオン、フェンバレラート、フプロニル、フロニカミド、フルアジナム、フルアズロン、フルベンダゾール、フルシクロクロン、フルシスリネート、フルフェノクロン、フルフェンプロクス、フルバリネート、ホノホス、ホルモチオン、ホスチアザート、フブフェンプロクス、フラチオカルブ、ガンマ−シハロスリン、ハロキソン、ヘプテノホス、ヘキサフルムロン、ヘキサクロロフェン、ヘキシチアゾックス、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、イソプロカルブ、イソキサチオン、ラムダ−シハロスリン、レバミゾール、ルフェヌロン、マラチオン、メベンダゾール、メカルバム、メビンホス、メスルフェンホス、メタルデヒド、メサクリホス、メサミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトキシフェノジド、メチリジン、メトルカルブ、ミルベメクチン、モノクロトホス、モランテル、ナレド、ネトビミン、ニクロホラン、ニクロサミド、ニテンピラム、ニトロキシニル、オメソアート、オサキミル、オキシフェンダゾール、オキシベンダゾール、オキシクロザニド、オキシデメソンM、オキシデプロホス、パラチオンA、パラチオンM、パルベンダゾール、ペルメスリン、フェノチアジン、フェンソアート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミカルブ、ピリミホス、プラジクアンテル、プロフェノホス、プロメカルブ、プロパホス、プロポクル、プロチオホス、プロソアート、ピメトロジン、ピラクロホス、ピランテル、ピリダフェンチオン、ピレスメスリン、ピレスラム、ピリダベン、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、キナルホス、ラホキサニド、リナキシピル、サリチオン、セブホス、シラフルオフェン、スピロジクロフェン、スピロテトラマット、スルホテップ、スルプロホス、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリミホス、テフルベンズロン、テフルスリン、テメホス、テルバム、テルブホス、テトラクロロビンホス、テトラミソール、テニウム、チアベンダゾール、チアクロプリド、チアフェノクス、チアメソキサムチオジカルブ、チオファノックス、チオメソン、チオナジン、チオファネート、スリンギエンシン、トラロメスリン、トリアランセン、トリアゾホス、トリアズロン、トリクロロホン、トリクラベンダゾール、トリフルムロン、トリメサカルブ、バミドチオン、XMC、キシリルカルブ、ゼタメスリンである。
【0077】
さらに、除草剤、抗真菌剤、肥料または生長調整剤のような他の公知の活性化合物類を含むことも可能である。
【0078】
化合物類Aおよび化合物類Bに加えて前記組成物のために使用した付加的成分類は、皮膚掻痒等のような処理動物に対する不注意の反応を避けるために、選択すべきである。当業者は、このような組成物類のために適した成分をどのように選択するか、わかるであろう。前記組成物は、典型的には、溶媒または担体を含む。前記組成物は、ジエチレングルコールモノブチルエーテル、ベンジルベンゾアート、イソプロピルアルコールおよびキシレン類から構成された群から選択された溶媒と組み合わせてピロリドン溶媒を含まないのが好適である。前記組成物類はさらに、前記組成物類を適用する当業者がどこに適用したからすぐに分かるので、動物への組成物類の適用を進める着色剤を含むこともできる。
【0079】
化合物Aおよび化合物Bのほかに獣医学または薬剤組成物類のために使用した成分類は、当領域の当業者にはわかるように、薬学的に許容できるかまたは獣医学基準で許容できなければならない。このような組成物類は、典型的には、溶媒または担体を含む。前記組成物が、ジエチレングルコールモノブチルエーテル、ベンジルベンゾアート、イソプロピルアルコールおよびキシレン類から構成された群から選択された溶媒と組み合わせてピロリドン溶媒を含まないのが好適である。本発明の1面において、殺虫剤がイベルメクチンで相乗剤がビタミンEである時、前記組成物は、栄養組成物の一部ではない。
【0080】
一般的に述べると、相乗効果は、2種の化学物質類の組み合わせの作用が前記化学物質単独の作用の総計よりも大きい時、存在する。従って、相乗組み合わせは、各化学物質
単独の作用の総計よりも高い作用を有する化学成分類の組み合わせであり、相乗有効量とは、相乗組み合わせの有効量である。相乗作用とは、2種の殺虫剤類またはそれ自体は害虫に有毒でない物質をプラスした1種の殺虫剤を必要とし、このような物質を相乗剤と称し、すなわち、害虫に対する殺虫剤の毒性を高める化学物質である。
【0081】
相乗作用が存在するかどうかを決定する周知の方法には、Colby法、Tammes法およびWadley法が含まれ、それらの全てを下記で説明する。これらの方法のいずれかひとつを用いて、相乗作用が化合物AとBの間に存在するかを決定できる。Limpels法とも称されているColby法では、ある活性成分組み合わせについての予測作用EがいわゆるColby式に従う。Colbyによれば、活性成分p+qを用いた成分A+Bの予測作用は、下記のようになる。
E = X + Y−XY/100
式中、ppm=スプレイ混合物1リットルあたりの活性成分(a.i.)のミリグラム数、X=活性成分をp ppm用いたときの成分Aによる作用%、Y=活性成分をq ppm用いたときの成分Bによる作用%である。もし予測作用(E)で割った実際に測定された作用(O)として比Rを定義し、それが、>1であるならば、前記組み合わせの作用は、超相加的となり、すなわち、相乗効果がある。Colby法のより詳細な説明については、Colby,S.R.、“除草剤組み合わせの相乗および拮抗応答の計算(Calculating synergistic and antagonistic response of herbicide combination)”、Weeds、15巻、20−22ページ;1967を参照;また、Limpelら、Proc. NEWCC 16:48−53(1962)を参照。
【0082】
Tammes法は、グラフ表示を用いて、相乗効果が存在するかを決定する。“イソボレス、殺虫剤における相乗作用のグラフ表示(Isoboles,a graphic representation of synergism in pesticides)”、Netherlands Journal of Plant Pathology、70(1964)p.73−80を参照。
【0083】
Wadley法は、用量応答曲線を用いて得た実験データからの測定ED50値(すなわち、害虫制御50%を示すある化合物または化合物類組み合わせの用量)と下記式から理論的に計算した予測ED50を比較することに基づいている。
【0084】
【数1】

【0085】
式中、aとbは、混合物中の化合物AとBの重量比であり、ED50obsは、それぞれの化合物類の用量応答曲線を用いて得られた実験的に決定したED50値である。比ED50(A+B)予測値(expected)/ED50(A+B)測定値(observed)は、相互作用係数(F)(相乗係数)を示す。相乗作用の場合、Fは>1である。同一の式が、致死量であるLD50値および有効濃度であるEC50値ならびに致死濃度であるLC50値を用いる時にも適用できる。Wadley法のさらに詳細な説明については、Leviら、EPPO−Bulletin 16、1986、651−657を参照。
【0086】
D.L.Richerによって(Pesticide Science、1987、19、309−315、特に313ページ)記載されている相乗作用を決定する代替手法は、先に記載の方法で使用されている観察値および理論計算値よりもむしろ、純粋に観察された値に基づいている。この代替手法では、一定比率のAとBの混合物の効果を、それぞれ単独で使用したAとBの同一割合の効果と比較している。もし相乗作用が存在すると、前記混合物の観察された効果は、いずれかの成分を単独で使用して観察された効果よりも高いであろう。
【0087】
obs(xA+yB)>Eobs(x+y)A、および>Eobs(x+y)B
式中、xおよびyは、前記混合物中のAとBの量である。
【実施例】
【0088】
本明細書に具体的に引用した文献は、参照することにより本明細書に組み込まれている。本発明は、下記の実施例によって例示されるが、それらは、例示目的のために示されており、本発明を限定するものではない。
【0089】
(実施例1)
アバメクチンの懸濁可能濃縮物製剤(EC)18g/lの有効性を、トラデスカニ・クラシホリア(Tradescani crassifolia)葉上のスポドプテラ・エクシグア(Spodoptera exiqua)幼虫で試験した。スポドプテラ・エクシグアでの試験は浸漬試験として実施し、トラデスカニ・クラシホリアの葉をさまざまな試験溶液中に浸漬し乾燥させた。その後、各葉に5匹のスポドプテラ・エクシグア幼虫を感染させた。効果を、72時間後に評価し、用量応答曲線を作成し、各処理のLC50を得た。
【0090】
前記市販のアバメクチン18g/lEC製剤を試験する他に、トコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版、20g/lまたは60g/lを含む製剤用アバメクチン18g/lEC、アバメクチンを含まないブランクEC製剤、トコフェリルアセテートall−racアルファ、Ph.Eur.第5版、60g/lを含むブランクEC製剤を、同様に、試験管中に入れた。
【0091】
【表1】

【0092】
アバメクチン18g/l ECおよびトコフェリルアセテート60g/lについてのLC50値から、予測LC50値をWadley式に従って計算した。上記表中対応するF値は、両方の混合物について、トラデスカニ・クラシホリア葉上のスポドプテラ・エクシグア幼虫に対するアバメクチンとトコフェリルアセテートの相乗的殺虫効果を示している。
【0093】
(実施例2)
トラデスカニ・クラシホリア葉上のスポドプテラ・エクシグア幼虫で、実験的アバメクチン18g/l水中油型製剤(EW)の有効性を試験した。メチル化脂肪酸およびオクタノールの混合物を、前記EW製剤中アバメクチンのための溶媒として適用した。スポドプテラ・エクシグアでの試験は、実施例1に記載したとおりであった。効果は72時間後評価し、用量応答曲線を作製し、各処置についてのLC50を得た。
【0094】
前記アバメクチン18g/lEW製剤を試験する他に、トコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版、20g/lまたは60g/lを含むアバメクチン18g/lEW製剤類、およびアバメクチンを含まない18g/lトコフェリルアセテートEWを、同様に、試験管中で試験した。
【0095】
【表2】

【0096】
アバメクチン18g/lEWおよびトコフェリルアセテート18g/lEWについての測定LC50値から、前記混合物類についての予測LC50値をWadley式に従って計算した。上記表中対応するF値は、両方の混合物について、スポドプテラ・エクシグア幼虫に対するアバメクチンおよびトコフェリルアセテートの相乗的殺虫効果を示している。
【0097】
(実施例3)
活性成分のための溶媒としてジエチルフタレートによる実験的アバメクチンEW製剤の希釈物を、マメ科植物(ビシア・ファバ(Vicia faba))に対して噴霧室中で噴霧し、ダニ類(テトラナイチュス・ウルチカエ)を、葉表面が乾燥した後、植物に移した。葉損傷の程度を、ダニを植物に置いた7日後に評価し、表3において、試験したアバメクチンEW製剤についてED50値(アバメクチンおよびトコフェリルアセテートg/ha)を、計算した。ED50値は、葉損傷%に基づいている。
【0098】
【表3】

【0099】
アバメクチン18g/lEWおよびトコフェリルアセテート18g/lEWについての測定ED50値から、前記混合物類についての予測ED50値をWadley式に従って計算した。上記表中対応するF値は、両方の混合物について、スポドプテラ・エクシグア幼虫に対するアバメクチンおよびトコフェリルアセテートの相乗的殺虫効果を示している。
【0100】
(実施例4)
アセトン中ある範囲のアバメクチン溶液を調製した。同様に、アセトン中ある範囲のトコフェロール、all−racアルファ溶液を調製した。アバメクチン溶液(2μl)、トコフェロール溶液(2μl)または両者を、ダイスデルクス・シングラツス(Dysdercus cingulatus)の幼虫に局所的に適用した。アバメクチンは、背部に適用し、トコフェロールは、腹部に適用した。アセトンが死亡率に寄与していないことを確認するため、アセトン単独(4μl)を、対照幼虫に適用した。溶液適用24時間後に幼虫死亡率を記録した。Colby法による測定および予測結果を、下記に表で示した。
【0101】
【表4】

【0102】
表4によれば、ダイスデルクス・シングラツスの幼虫に局所適用したアバメクチンとトコフェロールの混合物類について測定された死亡率は、予測死亡率よりも高かった。この超相加的効果は、アバメクチンを背部にトコフェロールを腹部に適用したにもかかわらず、達成された。
【0103】
(実施例5)
アセトン中ある範囲のアバメクチン溶液を調製した。同様に、アセトン中ある範囲のトコフェロールアセテート、all−racアルファ溶液を調製した。アセトン中アバメクチンとトコフェロールの混合溶液を、同様に調製した。ダイスデルクス・シングラツスの幼虫に、アバメクチンアセトン溶液(2μl)またはトコフェロールアセトン溶液(2μl)または混合溶液(2μl)を局所に適用した。ダイスデルクス・シングラツスの死亡率は、前記調製物を適用48時間後に記録した。アセトン単独(2μl)の適用が幼虫死亡率に影響を確実に及ぼさないようにした。
【0104】
用量−死亡率対数曲線は、アバメクチンおよびトコフェロール処理について作製した。アバメクチンとトコフェロール含量(幼虫1匹当たりの活性成分(類)ng)の総計に基づいたLD50値を、計算した。結果を表5に示した。
【0105】
【表5】

【0106】
アバメクチンおよびトコフェロールについての測定LD50値から、前記混合物類についての予測LD50値を、Wadley式に従って計算した。上記表における対応するF値は、前記混合物についてダイスデルクス・シングラツス幼虫に対するアバメクチンおよびトコフェロールの相乗的殺虫効果を示している。
【0107】
(実施例6)
アセトン中ある範囲のイベルメクチン溶液を調製した。同様に、アセトン中ある範囲のトコフェロール溶液を調製した。イベルメクチンとトコフェロールのアセトン中混合溶液を同様に調製した。ダイスデルクス・シングラツスの幼虫を、イベルメクチンアセトン溶液(2μl)、トコフェロールアセトン溶液(2μl)、または混合溶液(2μl)で局所的に処理した。対照幼虫は、アセトン2μlで処理し、アセトンが死亡率に確実に影響を及ぼさないようにした。
【0108】
死亡率は、24時間後および48時間後に記録した。結果を下記に表で示す。結果を、Colby法で評価した。
【0109】
【表6】

【0110】
表6によれば、測定された死亡率は、予測死亡率よりも高かった(Colby法)。対応するR値は、イベルメクチンとトコフェロールがダイスデルクス・シングラツス幼虫に対して相乗的効果を発揮したことを示している。
【0111】
(実施例7)
アセトン中ある範囲のアバメクチン溶液を調製した。同様に、アセトン中ある範囲のニコチンアミド溶液を調製した。アバメクチンとニコチンアミドのアセトン中混合溶液を同様に調製した。ダイスデルクス・シングラツスの幼虫を、アバメクチンアセトン溶液(2μl)、ニコチンアミドアセトン溶液(2μl)、または混合溶液(2μl)で局所的に処理した。アセトン単独(2μl)の適用が幼虫死亡率に影響を確実に及ぼさないようにした。
【0112】
ダイスデルクス・シングラツス死亡率は、前記調製物適用48時間後に記録した。用量−死亡率対数曲線は、アバメクチン、ニコチンアミドおよび前記混合物溶液類について作製した。LD50値は、LD50において存在するアバメクチンとニコチンアミド(活性成分類)の総計を反映していた。
【0113】
【表7】

【0114】
アバメクチンとニコチンアミドについての測定LD50値から、前記混合物類についての予測LD50値を、Wadley式に従って計算した。表7に示した測定LD50値によれば、ニコチンアミドは、前記幼虫に対して低毒性を有していた。しかし、ニコチンアミドをアバメクチントとともに適用すると、前記2種の化合物類は、上記F値によって示されるように、ダイスデルクス・シングラツス幼虫に対して相乗活性を発揮した。
【0115】
(実施例8)
アバメクチンの懸濁可能濃縮物製剤(EC)18g/lの有効性を、トラデスカニ・クラシホリア葉上のスポドプテラ・エクシグア幼虫で試験した。スポドプテラ・エクシグアでの試験は浸漬試験として実施し、トラデスカニ・クラシホリアの葉をさまざまな試験溶液中に浸漬し乾燥させた。その後、各葉にスポドプテラ・エクシグア幼虫5匹を感染させた。
【0116】
前記アバメクチン18g/l EC製剤を試験する他に、4.5g/lおよび72g/lニコチンアミドとともにアバメクチン18g/l EC製剤を試験した。ニコチンアミドを含むEC製剤も、同様に前記試験に含めた。測定された死亡率を、表8に示す。
【0117】
【表8】

【0118】
表8における混合物の最大毒物は、アバメクチンである。アバメクチンとニコチンアミドの効果を、前記混合物中活性アバメクチン+ニコチンアミドの総含量と同一量のアバメクチンの効果と比較し、前記混合物の効果が、アバメクチンの単独成分処理よりも高いことがわかる。先に述べたような代替手法を適用し、表8の結果は、アバメクチンとニコチンアミドがスポドプテラ・エクシグア幼虫に対して相乗作用を示すことを明らかにしている。
【0119】
(実施例9)
アセトン中各化合物の濃度を変動させ、ある範囲のエマメクチン−ベンゾアートおよびトコフェロール、all−racアルファ溶液を調製した。エマメクチン−ベンゾアートおよびトコフェロール、all−racアルファ混合溶液を同様に、調製した。スポドプテラ・エクシグア幼虫を、エマメクチン−ベンゾアートアセトン溶液(1μl)、トコフェロ−ルアセトン溶液(1μl)または前記2種の化合物を両者ともに比1:1乃至1:3で含む溶液(1μl)で局所的に処理した。前記エマメクチン−ベンゾアート溶液、トコフェロール溶液および混合物類について、用量−死亡率対数曲線を作製した。前記調製物を適用48時間後に死亡率を記録し、LD50値を計算した。実際に測定されたLD50値と予測値について、先に述べたWadley法に基づき比較した。スポドプテラ・エクシグア試験の結果を、下記の表に示した。
【0120】
【表9】

【0121】
表9に示した測定されたLD50値によれば、トコフェロールは、前記幼虫に対して低い活性を有していた。しかし、トコフェロールをエマメクチンベンゾアートとともに適用すると、前記2種の化合物類は、上記F値でもわかるように、スポドプテラ・エクシグアに対して相乗活性を示した。
【0122】
(実施例10)
実験的アベルセクチンC18g/l水中油型製剤(EW)の有効性を、マメ科植物葉(ビシア・ファバ)上でのテトラナイチュス・ウルチカエで試験した。メチル化脂肪酸とオクタノール混合物を、前記EW製剤中アベルセクチンCのための溶媒として適用した。トコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版を含む類似製剤を、調製した。アベルセクチンC EW、トコフェリルアセテートEWおよび前記2種の製剤の比1:3、1:1および3:1の混合物類の希釈物を、マメ科植物に対して噴霧室中で噴霧し、ダニ類(テトラナイチュス・ウルチカエ)を、葉表面が乾燥した後、この植物に移した。葉損傷の程度を、ダニを植物に置いた7日後に評価し、試験した前記製剤類および混合物類についてED50(g/ha)値を、計算し、下記の表に示した。ED50値は、葉損傷%に基づいている。
【0123】
【表10】

【0124】
アベルセクチンC18g/l EWおよびトコフェリルアセテート18g/l EWについての測定ED50値から、前記混合物類についての予測ED50値をWadley式に従って計算した。上記表中対応するF値は、試験した全混合物について、テトラナイチュス・ウルチカエに対するアベルセクチンCおよびトコフェリルアセテートの相乗的殺虫効果を示している。
【0125】
(実施例11)
アセトン中アバメクチン、イベルメクチンおよびトコフェロール溶液を調製した。アバメクチンまたはイベルメクチンとトコフェロールの混合溶液を同様に、調製した。ジスデルクス・シングラツス幼虫を、アバメクチンアセトン溶液(20,000ng/幼虫)、イベルメクチンアセトン溶液(20,000ng/幼虫)、トコフェロールアセトン溶液(20,000ng/幼虫)または比1:3でアバメクチンおよびトコフェロールまたはイベルメクチンおよびトコフェロールを含む溶液(総量20,000ng/幼虫)で局所的に処理した。前記溶液を幼虫の背部に適用した。
【0126】
ジスデルクス・シングラツス死亡率は、経時的に追跡し、記録した。時間−死亡率対数曲線は、アバメクチンおよびイベルメクチン溶液類についておよびトコフェロールとの混合物類について作製した。LT50値を、各適用について計算した。ジスデルクス・シングラツス試験の結果は、下記の表に示した。
【0127】
【表11】

【0128】
トコフェロール20,000ngで処理した幼虫は、24時間の試験期間中に死亡しなかった。LT50値が、組み合わせ処理すなわちアバメクチン+トコフェロールならびにイベルメクチン+トコフェロールでアバメクチンまたはイベルメクチン単独により処理よりも小さく、したがって、特に検討するとノックダウン効果の向上が観察され、さらに、前記組み合わせで処理した各幼虫は、アバメクチンまたはイベルメクチンそれぞれ5,000ngしか投与されておらず、一方、アベルメクチンまたはイベルメクチン単独で処理した幼虫は、活性成分20,000ngを投与されていた。
【0129】
(実施例12)
実験的アバメクチン18g/l水中油型製剤(EW)の有効性を、マメ科植物葉(ビシア・ファバ)上でのテトラナイチュス・ウルチカエで試験した。メチル化脂肪酸とオクタノール混合物を、前記EW製剤中アバメクチンのための溶媒として適用した。前記アバメクチン18g/l EW製剤類を試験する他に、ある範囲濃度のトコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版を含むアバメクチン18g/l EW製剤類も同様に試験した。前記製剤の希釈物を、マメ科植物に対して噴霧室中で噴霧し、ダニ類(テトラナイチュス・ウルチカエ)を、葉表面が乾燥した後、植物に移した。葉損傷の程度を、ダニを植物に置いた7日後に評価し、試験した前記製剤類および混合物類についてED50値(g/ha)を、計算し、下記の表に示した。ED50値は、葉損傷%に基づいている。
【0130】
【表12】

【0131】
アバメクチン18g/l EWおよびトコフェリルアセテート18g/l EWについての測定ED50値から、前記混合物類についての予測ED50値をWadley式に従って計算した。上記表中対応するF値は、試験した前記2種の混合物類について、テトラナイチュス・ウルチカエに対するアバメクチンおよびトコフェリルアセテートの相乗的殺虫効果を示している。
【0132】
(実施例13)
スピノサッド懸濁液濃縮物、トコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版を含有する18g/l EW製剤、および前記2種の製剤の混合物の希釈物を、噴霧室中でマメ科植物葉(ビシア・ファバ)に噴霧し、ダニ類(テトラナイチュス・ウルチカエ)を葉表面が乾燥した後、前記植物に移した。この実験で、100g ai/haおよび300g ai/haによる処理を用いた。葉損傷の程度を、ダニを植物に置いた7日後に評価し、前記処理により保護された葉の百分率を、表13に示した。
【0133】
【表13】

【0134】
相乗作用を決定するための代替方法を用いて、スピノサッドとトコフェリルアセテートの各混合物の効果を、前記活性成分を単独で同一割合で使用したときの効果と比較する。スピノサッドおよびトコフェリルアセテートの両者が効果を有しているので、R値を、両活性物の効果を用いて、範囲として計算する。テトラナイチュス・ウルチカエでの各混合物の観察された効果が、いずれかの成分を単独で使用したときの観察された効果よりも大きいので、相乗作用が存在することが、上記表でわかる。
【0135】
(実施例14)
アバメクチン18g/l水中油型製剤(EW)の有効性を、野外試験で試験した。メチル化脂肪酸とオクタノール混合物を、前記EW製剤中アバメクチンのための溶媒として適用した。上記のEW製剤を試験する他に、80g/lトコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版を含むアバメクチン18g/l EW製剤を、同様に試験した。メチル化脂肪酸とオクタノールの混合物を、同様に、この製剤中におけるアバメクチンのための溶媒として適用した。
【0136】
この試験の結果を、表に示した。表中、前記2種の製剤の相対的能力を、行った試験について示した。
【0137】
【表14】

【0138】
表14に示した試験結果によれば、80g/lトコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版を含むアバメクチンEW製剤は、トコフェリルアセテートを含まないアバメクチンEW製剤よりも害虫に対してより活性であった。
【0139】
(実施例15)
実施例14に記載の、80g/lトコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版を含むアバメクチ18g/l EW製剤を、従来のアバメクチン18g/l EC製剤と野外試験で比較した。
【0140】
試験結果を、表15に示す。試験した前記2種の製剤の相対的能力を、表で示した。
【0141】
【表15】

【0142】
表15に示した試験結果によれば、80g/lトコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版を含むアバメクチン18g/l EW製剤は、トコフェリルアセテートを含まないアバメクチンEC製剤よりも害虫に対してより強力すなわち活性であった。
【0143】
(実施例16)
野外試験において、エマメクチンベンゾアート17g/l EC製剤の活性を、68g/lまたは136g/lトコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版を含むエマメクチンベンゾアート17g/l EC製剤類の活性と比較した。この試験の結果を、表16に示す。試験した前記製剤類の相対的能力を、表で示した。
【0144】
【表16】

【0145】
表16の試験結果によれば、トコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版を含むエマメクチンベンゾアート17g/l EC製剤類は、トコフェリルベンゾアセテートを含まないエマメクチンベンゾアートEC製剤よりも前記害虫に対してより強力ですなわち活性が高かった。前記製剤中により多くのトコフェリルベンゾアセテートが存在すれば、前記製剤はより強力になるようである。
【0146】
(実施例17)
10g/lミルベメクチンEC製剤の希釈物ならびに10g/lミルベメクチンECおよびトコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版の混合物(ミルベメクチン:トコフェリルアセテートの混合比は、重量に基づき1:3である)の希釈物を、噴霧室でマメ科植物(ビシア・ファビア)にスプレイし、ダニ類(テトラナイチュス・ウルチカエ)を葉表面が乾燥した後で前記植物に移した。ダニを移してから7日後に、葉損傷程度を記録し、ED50値(ミルベメクチンおよびトコフェリルアセテートg/ha)を、表17の試験したミルベメクチン製剤類について計算した。ED50値は、葉損傷%に基づいている。
【0147】
【表17】

【0148】
測定および予測ED50値により、対応するF値を、表17に示したように計算した。計算したF値は、ミルベメクチンとトコフェリルアセテートの相乗活性が存在することを示唆している。
【0149】
(実施例18)
ビタミンE誘導体類、アバメクチンおよびビタミンE誘導体類とアバメクチンの組み合わせのさまざまな溶液類を、イエバエの背部に適用した。各イエバエについて、試験溶液2μlを適用した。処理物の死亡率を記録した。死亡率結果は、Colbyに従い分析した。アバメクチンとさまざまなビタミンE誘導類のイエバエに及ぼす相乗活性を、表18に例示す。
【0150】
【表18】

【0151】
表18によれば、アバメクチンと試験したビタミンE誘導体類の相乗活性が存在していた。
【0152】
(実施例19)
ビタミンE誘導体類、アバメクチンおよびビタミンE誘導体類とアバメクチンの組み合わせのさまざまな溶液類を、ジスデルクス・シングラツス幼虫の背部に適用した。各ジスデルクス・シングラツスについて、試験溶液2μlを適用した。処理物の死亡率を記録した。死亡率結果は、Colbyに従い分析した。アバメクチンとさまざまなビタミンE誘導類のジスデルクス・シングラツスに及ぼす相乗活性を、表19に例示した。
【0153】
【表19】

【0154】
表19によれば、アバメクチンと試験したビタミンE誘導体類の相乗活性がジスデルクス・シングラツスの幼虫に存在していた。
【0155】
(実施例20)
ニコチンアミド、アバメクチンおよびニコチンアミドとアバメクチンの組み合わせの溶液類を、イエバエの背部に適用した。各イエバエについて、試験溶液2μlを適用した。処理物の死亡率を記録した。死亡率結果は、Colbyに従い分析した。アバメクチンとニコチンアミドのイエバエに及ぼす相乗活性を、表20に示す。
【0156】
【表20】

【0157】
Colby法ならびに表20によれば、ニコチンアミドとアバメクチンの相乗作用がイエバエで存在していた。
【0158】
(実施例21)
ニコチン酸誘導体類、アバメクチンおよびニコチン酸誘導体類とアバメクチンの組み合わせのさまざまな溶液類を、イエバエの背部に適用した。各イエバエについて、試験溶液2μlを適用した。処理物の死亡率を記録した。死亡率結果は、Colbyに従い分析した。アバメクチンとニコチン酸誘導類のイエバエに及ぼす相乗活性を、表21に示す。
【0159】
【表21】

【0160】
表21によれば、アバメクチンと試験したニコチン酸誘導体類の相乗活性が存在していた。
【0161】
(実施例22)
10g/lミルベメクチンEC製剤の希釈物ならびに10g/lミルベメクチンECおよびトコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版の混合物(ミルベメクチン:トコフェリルアセテートの混合比は、重量に基づき、1:3、1:6および1:10である)の希釈物を、噴霧室でマメ科植物(ビシア・ファビア)にスプレイし、ダニ類(テトラナイチュス・ウルチカエ)を葉表面が乾燥した後で前記植物に移した。ダニを移してから6日後に、葉損傷程度を記録し、ED50値(ミルベメクチンおよびトコフェリルアセテートg/ha)を、表22の試験したミルベメクチン調製物類について計算した。ED50値は、葉損傷%に基づいている。
【0162】
【表22】

【0163】
表22に示したWadley法に従って計算したF(expobs)は、ミルベメクチンとトコフェリルアセテートの間の相乗作用が存在することを明らかにしている。
【0164】
(実施例23)
イベルメクチン、ドラメクチン、およびトコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.、第5版を、単独で、幼虫飼育室中のトリコストロンギラス・コルブリフォルミス(Trichostrongylus colubriformis)、テラドルサギア(オステルタギア)・シルクムシンクタ(Teladorsagia (Osterttagia) circumcincta)、およびハエモンチュス・コントルツス(Haemonchus contortus)上で試験した。1用量当たり100匹を超える幼虫を使用した。イベルメクチンおよびトコフェリルアセテート(重量に基づいて1:10)およびドラメクチンおよびトコフェリルアセテート(重量に基づいて1:10)の混合物類を、同様に試験した。応答パラメータは、摂餌阻害であった。試験結果すなわち幼虫摂餌阻害(LFI)値を表23に示す。結果のWadley様分析もまた、表に示す。トコフェリルアセテートは、試験した用量範囲でいかなる摂餌阻害活性も有していなかった。
【0165】
【表23】

【0166】
Wadleyに従って行った表23に示した計算は、イベルメクチンおよびトコフェリルアセテートおよびドラメクチンおよびトコフェリルアセテートの相乗作用が、前記幼虫摂餌阻害研究で存在していたことを示唆している。イベルメクチンとトコフェリルアセテートのハエモンチュス・コントルツス(H. contortus)実験における相乗作用は、使用したハエモンチュス・コントルツス(H. contortus)分離体がイベルメクチン耐性であったので、特に関心が寄せられる。
【0167】
(実施例24)
エマメクチンベンゾアートとトコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版のインビトロ相乗活性を、魚の寄生体である成熟ウミノミ(レペオフセイラス・サルモニス(Lepeophtheirus salmonis))でペトリ皿中の海水中において試験した。エマメクチンベンゾアートおよびトコフェリルアセテートは、さまざまな濃度で試験した。さらに、重量比1:10のエマメクチンベンゾアートとトコフェリルアセテートの混合物類についても、同様に試験した。
【0168】
トコフェリルアセテートは、それ自体では全く活性を有していなかった。エマメクチンベンゾアートとトコフェリルアセテートの混合物(1:10)とエマメクチンベンゾアート単独の相対的能力は、エマメクチンベンゾアート50〜100ppbの用量範囲で1:1.8であった。すなわち、トコフェリルアセテートは、本研究でエマメクチンベンゾアート賦活剤として作用した。
【0169】
(実施例25)
セラメクチン(ストロングホールド(Stronghold)12%セラメクチン)およびトコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版の評価を、ネコノミ(シテノフェガリデス・フェリス・フェリス(Ctenocephalides felis felis))で行った。インビトロ接触試験は、幼虫と成熟ノミの両者で行った。前記成分類の全身活性に基づくインビトロ幼虫試験も、同様に行った。この試験では、前記成分類は、単独で試験した。さらに、セラメクチンおよびトコフェリルアセテート重量比1:10の混合物を試験した。応答パラメータは、前記ノミ類の不活性化であった。トコフェリルアセテートは、それ自体では、いかなる活性も有していなかった。
【0170】
ED50値を表25に示し、結果のWadley分析も含めた。
【0171】
【表25】

【0172】
表25中の3種の試験のWadley分析は、セラメクチンとトコフェリルアセテートの相乗作用が存在していたことを示唆している。
【0173】
(実施例26)
オンチョセルカ・リエナリス(Onchocerca lienalis)ミクロフィラリアでの試験は、さまざまな濃度のイベルメクチン単独、トコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版単独、またはイベルメクチンとトコフェリルアセテートの混合物(重量に基づいて1:10)に暴露させたミクロフィラリアのモービリティを評価したことに基づいている。トコフェリルアセテート単独は、試験した濃度範囲でミクロフィラリアのモービリティに全く影響しなかった。イベルメクチン単独のEC50値は、5.8×10−6Mであり、トコフェリルアセテートとともに適用したイベルメクチンのEC50値は、4.2×10−7Mであった。従って、トコフェリルアセテートは、オンチョセルカ・リエナリスでのイベルメクチンの活性を賦活した。
【0174】
(実施例27)
スピノサッドとトコフェリルアセテート、all−racアルファ、Ph.Eur.第5版の混合物(重量に基づいて1:10)は、スピノサッド単独よりもルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina)(ヒツジクロバエ)幼虫において優れた活性を有していた。トコフェリルアセテート単独は、それ自体では、全く活性を有していなかった。数回の同様の研究に基づき、Colby法による平均R値(測定死亡率/予測死亡率)は1.3であり、スピノサッドとトコフェリルアセテートの超相加的効果の存在を示唆していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺虫剤と相乗剤を含む殺虫組成物を得る方法であって、前記組成物は、前記殺虫剤と相乗剤のそれぞれを単独で投与した際の殺虫効果の総計よりも実際に高い殺虫効果を有し、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤の量の一部をビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の相乗的量で置き換える段階を含む方法。
【請求項2】
同様の殺虫効果を保持したまま殺虫組成物中における殺虫剤量を低下させる方法であって、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤の量の一部をビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の相乗的量で置き換える段階を含む方法。
【請求項3】
植物上の有害害虫を制御する方法であって、処理すべき植物に対して殺虫剤および相乗剤を含む組成物を適用することを含み、前記組成物は、前記殺虫剤と相乗剤のそれぞれを単独で投与した際の殺虫効果の総計よりも高い実際の殺虫効果を有し、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤の量の一部をビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の相乗的量で置き換えることを特徴とする方法。
【請求項4】
ヒトを含む動物中でまたは動物上で有害害虫を制御する方法であって、それを必要とする動物またはヒトに薬理学的または獣医学的に有効な量の殺虫剤および相乗剤を含む組成物を投与することを含み、前記組成物は、前記殺虫剤と相乗剤のそれぞれを単独で投与した際の殺虫効果の総計よりも高い実際の殺虫効果を有し、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤の量の一部をビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の相乗的量で置き換えることを特徴とする方法。
【請求項5】
殺虫剤の適用比率低下を得る方法であって、
グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤とビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の相乗的量を含む殺虫組成物を提供すること、
前記殺虫組成物を有害害虫制御に十分な量で植物に適用すること
を含む方法。
【請求項6】
殺虫剤の用量比率低下を得る方法であって、
グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤とビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の相乗的量を含む殺虫組成物を提供すること、
前記殺虫組成物をその必要がある動物またはヒトに対して有害害虫制御に十分な薬理学的または獣医学的量で投与すること
を含む方法。
【請求項7】
5重量%乃至97重量%の殺虫剤を、前記相乗剤の相乗的量で置き換える請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
20重量%乃至90重量%の殺虫剤を、前記相乗剤の相乗的量で置き換える請求項7記載の方法。
【請求項9】
相乗剤に対する殺虫剤の重量比が、20:1から1:30の範囲にある請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
相乗剤に対する殺虫剤の重量比が、1:1.1から1:30の範囲にある請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記殺虫剤がアベルメクチン類、ミルベマイシン類、スピノシン類およびピペラジン(Piperazine)から選択される請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記相乗剤が少なくとも1種のビタミンE化合物である請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記ビタミンE化合物が、トコフェロールおよびトコトリエノールおよびそのエステル類および塩類、アルファ−トコフェリルニコチネートおよびトロロックス(Trolox)から選択される請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記ナイアシン化合物が、適宜ハイドロキシ置換ニコチン酸ならびにイソニコチン酸およびその塩類およびC1−12アルキルエステル類、適宜ハイドロキシ置換ニコチンアミドならびにイソニコチンアミドおよびその塩類である請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記殺虫剤が、アバメクチン(Abamectin)、アベルセクチン(Aversectin)C、ドラメクチン(Doramectin)、エマメクチン(Emamectin)、エプリノメクチン(Eprinomectin)、イベルメクチン(Ivermectin)、セラメクチン(Selamectin)、ミルベメクチン(Milbemectin)、ミルベマイシン(Milbemycin)オキシム、モキシデクチン(Moxidectin)、レピメクチン(Lepimectin)、ネマデクチン(Nemadectin)、スピノサッド(Spinosad)、スピネトラム(Spinetoram)、ピペラジンおよびそれらの塩類から選択される先行請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記殺虫剤が、アバメクチン、アベルセクチンC、エマメクチン、イベルメクチン、ミルベマイシン、セラメクチン、スピノサッドおよびそれらの塩類から選択される請求項15記載の方法。
【請求項17】
請求項1または請求項7から16のいずれかに記載の方法によって得ることができる組成物。
【請求項18】
前記組成物が、懸濁可能な濃縮物または水中油型製剤である請求項17記載の組成物。
【請求項19】
有用作物における有害害虫の制御方法に使用するために改良した請求項18記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が、ヒトを含む動物中または動物上の有害害虫制御方法に使用するために製剤化されている請求項17または18記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物が、少なくとも1種の殺虫剤、少なくとも1種の相乗剤および担体または溶媒を含み、ただし、前記殺虫剤がアベルメクチンまたはミルベマイシンで前記相乗剤がビタミンEであるならば、前記組成物は、ジエチレングルコールモノブチルエーテル、ベンジルベンゾアート、イソプロピルアルコールおよびキシレン類から選択した溶媒と組み合わせてピロリドン溶媒を含まず、さらに、前記殺虫剤がイベルメクチンで前記相乗剤がビタミンEであるならば、前記組成物が栄養組成物の一部でないことを条件とする請求項19または20記載の組成物。
【請求項22】
(i)グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した少なくとも1種の殺虫剤を含む第1組成物と(ii)ビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗的量の相乗剤を含む第2の組成物を含むキット。
【請求項23】
グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤を含む殺虫組成物の効果を増強するための、ビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の用途。
【請求項24】
同様の殺虫効果を保持したままより少量の殺虫剤を含む殺虫組成物の調製のための、ビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の用途であって、前記殺虫剤は、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択されることを特徴とする用途。
【請求項25】
同様の殺虫効果を保持したまま害虫の制御における殺虫薬理学的または獣医学的組成物の用量比率を低下させるための、ビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の用途であって、前記殺虫剤は、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択されることを特徴とする用途。
【請求項26】
同様の殺虫効果を保持したまま害虫の制御における殺虫農薬組成物の適用比率を低下させるための、ビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の用途であって、前記殺虫剤は、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択されることを特徴とする用途。
【請求項27】
有害害虫を制御可能な殺虫組成物の調製のためのグルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤およびビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の用途であって、前記組成物は、前記殺虫剤および前記相乗剤を単独で摂取した時のそれぞれの殺虫効果の総計よりも高い実際の殺虫効果を有することを特徴とする用途。
【請求項28】
ヒトまたは動物または環境中またはそれらの上の害虫制御用医薬製造のための、グルタミン酸またはGABA依存性クロライドチャネルアゴニスト殺虫剤類から選択した殺虫剤およびビタミンE化合物類およびナイアシン化合物類から選択した相乗剤の用途であって、前記医薬は、同様の殺虫効果を保持したまま、前記殺虫剤の量の一部を相乗的量の前記相乗剤で置き換えることによって、低下した量の殺虫剤を含むことを特徴とする用途。
【請求項29】
前記医薬が、ヒトまたは動物の病原性体内寄生体類または体外寄生体類の制御に使用する請求項28記載の用途。
【請求項30】
5重量%乃至97重量%の殺虫剤を、前記相乗剤の相乗的量で置き換える請求項23から29のいずれかに記載の用途。
【請求項31】
20重量%乃至90重量%の殺虫剤を、前記相乗剤の相乗的量で置き換える請求項30記載の用途。
【請求項32】
相乗剤に対する殺虫剤の重量比が、20:1から1:30の範囲にある請求項23から31のいずれかに記載の用途。
【請求項33】
相乗剤に対する殺虫剤の重量比が、1:1.1から1:30の範囲にある請求項32記載の用途。

【公表番号】特表2009−529504(P2009−529504A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557595(P2008−557595)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際出願番号】PCT/DK2007/050030
【国際公開番号】WO2007/101447
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(508145311)
【Fターム(参考)】