説明

グループIDを割り当てるアクセスポイント及びグループID割当方法、並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】制限されたビット数を用いて端末グループを識別するアクセスポイント及びグループID割当方法、並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【解決手段】本発明のアクセスポイントは、アクセスポイントのカバレッジ内に位置する複数の端末を所定の順序に応じて整列させた1つ以上の端末グループを生成する端末グループ生成部と、複数の端末のそれぞれが端末グループの所定の順序で存在する条件付き確率を算出する条件付き確率算出部と、複数のグループIDを含む複数のグループIDセットに対して、算出された条件付き確率に応じてグループIDに端末を割り当てるグループID割当部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末グループに識別子を割り当てる装置及び方法に関し、より詳細には、カバレッジ内の端末から構成される端末グループに識別子を割り当てるアクセスポイント、及びアクセスポイントが端末グループに識別子を割り当てる方法、並びにこの方法を実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
アクセスポイントは、マルチユーザ・マルチ入力マルチ出力(MU−MIMO:Multi User−Multiple Input Multiple Output)技術を用いて複数の端末にデータを同時に送信することができる。マルチユーザ・マルチ入力マルチ出力の技術を用いてデータの送信効率を向上させるために、マルチユーザ・マルチ入力マルチ出力の技術を用いる例が増加している。
【0003】
アクセスポイントのカバレッジ内に複数の端末が位置する場合、アクセスポイントは、複数の端末のうち、アクセスポイントからデータを受信するデータ受信端末を選択することができる。アクセスポイントは、データ受信端末に関する情報を端末に送信することもできる。データ受信端末に選択された端末はアクセスポイントからデータを受信し、データ受信端末に選択されない端末は電力を遮断して電力消耗を減らすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許出願公開第10−2009−0023879号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、制限されたビット数を用いて端末グループを識別するアクセスポイント及びグループID割当方法、並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0006】
また、本発明の目的は、アクセスポイントのカバレッジに位置する端末のうち、アクセスポイントからデータを受信する端末を識別するアクセスポイント及びグループID割当方法、並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるアクセスポイントは、アクセスポイントのカバレッジ内に位置する複数の端末を所定の順序に応じて整列させた1つ以上の端末グループを生成する端末グループ生成部と、前記複数の端末のそれぞれが前記端末グループの前記所定の順序で存在する条件付き確率を算出する条件付き確率算出部と、複数のグループIDを含む複数のグループIDセットに対して、前記算出された条件付き確率に応じて前記グループIDに前記端末を割り当てるグループID割当部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、前記グループID割当部は、前記グループIDセットのうちの最も多い端末グループに対応するグループIDセットを前記端末に割り当ててもよい。
また、前記アクセスポイントは、前記割り当てられたグループIDセットに含まれるグループIDを前記端末に送信し、前記グループIDに基づいて前記端末にデータを送信する送信部を更に備えてもよい。
【0009】
また、前記アクセスポイントは複数の送信アンテナを備え、前記送信部は、前記送信アンテナを用いて前記グループIDに対応する端末グループに含まれる端末に複数のデータストリームを送信してもよい。
【0010】
また、前記送信部は、前記端末グループに含まれる端末に割り当てられたデータストリームの数に関する情報を前記端末に追加的に送信し、前記割り当てられた数のデータストリームを前記端末に送信してもよい。
【0011】
また、前記端末グループ生成部は、前記複数の端末に新しい端末が追加されるか、又は前記複数の端末に含まれる特定端末が前記複数の端末から離脱すると、前記端末グループを更新してもよい。
【0012】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるグループID割当方法は、アクセスポイントのカバレッジ内に位置する複数の端末を所定の順序に応じて整列させた1つ以上の端末グループを生成するステップと、前記複数の端末のそれぞれが前記端末グループの前記所定の順序で存在する条件付き確率を算出するステップと、複数のグループIDを含む複数のグループIDセットに対して、前記算出された条件付き確率に応じて前記グループIDに前記端末を割り当てるステップと、を有することを特徴とする。
【0013】
ここで、前記端末を割り当てるステップは、前記グループIDセットのうちの最も多い端末グループに対応するグループIDセットを前記端末に割り当ててもよい。
また、グループID割当方法は、前記割り当てられたグループIDセットに含まれるグループIDを前記端末に送信するステップと、前記グループIDに基づいて前記端末にデータを送信するステップとを更に含んでもよい。
【0014】
また、前記データを送信するステップは、複数の送信アンテナを用いて前記グループIDに対応する端末グループに含まれる端末に複数のデータストリームを送信してもよい。
【0015】
また、前記グループIDを送信するステップは、前記端末に割り当てられたデータストリームの数に関する情報を前記端末に追加的に送信し、前記データを送信するステップは、前記割り当てられた数に相応するデータストリームを前記端末に送信してもよい。
【0016】
また、前記複数の端末に新しい端末が追加されるか、又は前記複数の端末に含まれる特定端末が前記複数の端末から離脱すると、前記端末グループを更新してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、制限されたビット数を用いて端末グループを識別することができ、アクセスポイントのカバレッジに位置する端末のうち、アクセスポイントからデータを受信する端末を識別することができる。また、端末グループに含まれる端末は、アクセスポイントから識別子を受信し、受信した識別子に基づいてどの端末がデータを受信した端末であるかを判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態によるアクセスポイントが複数の端末にデータストリームを送信することを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるアクセスポイントが送信するデータストリームの一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるアクセスポイントのカバレッジ内に6個の端末が位置する場合の端末グループを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による1ビットを用いてグループIDを表す場合を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による2ビットを用いてグループIDを表す場合を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態によるアクセスポイントの構造を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるグループID割当方法をステップごとに説明したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態によるアクセスポイントが複数の端末にデータストリームを送信することを示す図である。
【0021】
本実施形態のアクセスポイント110は、アクセスポイント110のカバレッジ内に位置する複数の端末120、130、140、150、160、170、180のうち、アクセスポイント110からデータを受信するデータ受信端末130、150、170を選択し、データ受信端末130、150、170にデータを送信する。
【0022】
一実施形態として、アクセスポイント110は、複数の送信アンテナを用いてデータ受信端末130、150、170に複数のデータストリームを同時に送信してもよい。
【0023】
一実施形態として、アクセスポイント110は、端末120、130、140、150、160、170、180のうち、データ受信端末130、150、170に関する情報を端末120、130、140、150、160、170、180に送信してもよい。データを受信しない端末120、140、160、180は、アクセスポイント110からデータを受信せず、受信部を非活性化することができるために電力消耗を減らすことができる。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態によるアクセスポイントが送信するデータストリームの一例を示す図である。
【0025】
データストリーム200は、L−STFフィールド(Legacy Short Training Field)210、L−LTFフィールド(Legacy Long Training Field)220、L−SIGフィールド(Legacy SIGnal field)230、VHT−SIG−Aフィールド(Very High Throughput SIGnal−A field)240、VHT−STFフィールド(Very High Throughput Short Training field)250、VHT−LTFフィールド(Very High Throughput Long Training Field)260、VHT−SIG−Bフィールド(Very High Throughput SIGnal−B field)270、及びVHT−Dataフィールド(Very High Throughput Data field)280を含む。
【0026】
L−STFフィールド210、L−LTFフィールド220、L−SIGフィールド230は、マルチユーザ・マルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)を支援しないレガシー(legacy)端末に制御信号を送信するための領域である。
【0027】
VHT−SIG−Aフィールド240、VHT−STFフィールド250、VHT−LTFフィールド260、VHT−SIG−Bフィールド270は、マルチユーザ・マルチ入力マルチ出力を支援する端末に制御信号を送信するための領域であり、VHT−Dataフィールド280は、マルチユーザ・マルチ入力マルチ出力を支援する端末にデータを送信するための領域である。
【0028】
一実施形態として、アクセスポイントは、VHT−SIG−Aフィールド240を用いてデータ受信端末に関する情報を送信してもよい。例えば、アクセスポイントは、グループID241を用いてデータ受信端末を識別できる情報を送信してもよく、ストリームインデックス242を用いて各データ受信端末が受信するデータストリームの数を送信してもよい。
【0029】
一実施形態として、アクセスポイントは、最大4個のデータ受信端末にデータストリームを送信することができる。この場合、グループID241は、最大4個のデータ受信端末を識別できる情報を送信する。
【0030】
一実施形態として、アクセスポイントは、複数の端末のうちの4個の端末を含む端末グループを生成してもよい。
【0031】
アクセスポイントは、データ受信端末を含む端末グループの識別子を、端末を識別できる情報として送信してもよい。
【0032】
アクセスポイントのカバレッジ内にN個の端末が位置する場合、N個の端末のうちの4個の端末を選択して生成される端末グループの数は

で算出される。アクセスポイントのカバレッジ内に20個の端末が位置する場合、端末グループの数は4845個となる。この場合、各端末グループを識別するためには4845個の端末グループ識別子が求められ、端末識別子の長さは13ビット以上でなければならない。
【0033】
一実施形態として、端末を識別するための情報の長さは6ビット以下に制限されてもよい。この場合、アクセスポイントは少ないビットで多くの端末に関する情報を送信しなければならないため、グループIDオーバーロード(overloading)方式を用いる(特開2005−278186等参照)。
【0034】
以下、グループIDを割り当てて端末に関する情報を送信するグループID割当方法をステップごとに説明する。
【0035】
≪ステップ1:各端末に所定の順序を付与する。≫
アクセスポイントは、カバレッジ内に位置する各端末を所定の順序に応じて整列させる。例えば、アクセスポイントは各端末にアルファベットA、B、C、D…などを割り当て、アルファベット順に応じて端末を整列させる。
【0036】
≪ステップ2:端末を含む端末グループを生成する。≫
アクセスポイントは端末を含む端末グループを生成する。一実施形態として、端末グループに含まれる端末の数はアクセスポイントがデータを同時に送信できる端末の数である。例えば、アクセスポイントが最大4個の端末にデータを送信する場合、各端末グループは全4個の端末を含む。
【0037】
アクセスポイントのカバレッジにアルファベットA、B、C、D、E、Fがそれぞれ割り当てられた6個の端末が位置する場合、6個の端末のうちの4個の端末を含む端末グループは総15個である。これを図示すると図3の通りである。
【0038】
一実施形態として、端末グループは各端末を付与した所定の順序に応じて整列させてもよい。図3を参照すると、端末Aは常に端末グループで最初の位置に位置し、端末Fは端末グループで常に4番目の位置に位置する。
【0039】
≪ステップ3:各端末が端末グループの各順序に存在する条件付き確率を算出する。≫
図3に示した端末グループを参照すると、15個の端末の組合せのうち、端末Aが含まれる端末の組合せは10個である。また、端末Aは10個の端末の組合せにおいて全てが最初の位置に位置する。この場合、端末Aが最初の位置に位置する確率は「1」であり、他の位置に位置する確率は「0」になる。
【0040】
同様に、15個の端末の組合せのうち、端末Bが含まれる端末の組合せは10個である。この中から端末Bは端末の組合せの最初の位置に4回、2番目の位置に6回位置する。この場合、端末Bが最初の位置に位置する確率は「0.4」であり、2番目の位置に位置する確率は「0.6」になる。
【0041】
端末SがI番目の位置に位置する確率をp(S)とすれば、上記の場合に各端末が端末の組合せの各位置に位置する条件付き確率は次の通りに算出される。
【0042】

【0043】
≪ステップ4:算出された条件付き確率に基づいてグループIDセットを生成する。≫
グループIDセットは複数のグループIDを含む。以下、図4(A)と(B)及び図5(A)と(B)を参照してステップ4について詳細に説明する。
【0044】
ステップ4では、算出された条件付き確率に応じてグループIDに端末を割り当てる。例えば、算出された条件付き確率P(B)=0.5である場合、アクセスポイントは複数のグループIDのうち50%のグループIDを選択し、選択されたグループIDの2番目の位置に端末Bを割り当てる。
【0045】
例えば、グループIDセットに含まれる全体グループIDの数が64個である場合、アクセスポイントはグループIDセットに含まれる全てのグループIDを選択し、選択された64個のグループIDにデータ受信端末Cを割り当てる。もし、データ受信端末Cに対するP(C)が0.5であれば、アクセスポイントは、選択された64個のグループIDのうち、32個(64×0.5=32)のグループIDの2番目の位置に端末Cを割り当てる。
【0046】
他の例として、グループIDセットに含まれる全体グループIDの数が64個である場合、アクセスポイントはデータ受信端末Cを割り当てるために32個のグループIDを選択する。もし、データ受信端末Cに対するP(C)が0.5であれば、アクセスポイントは選択された32個のグループIDのうち、16個(32×0.5=16)のグループIDの2番目の位置に端末Cを割り当てる。
【0047】
図4(A)及び(B)は、本発明の一実施形態による1ビットを用いてグループIDを表す場合を示す図である。1ビットのグループIDのみが用いられる場合、グループIDセットは2つのグループIDを含む。
【0048】
図4(A)は、各端末の立場から、グループIDのうち、どの位置に位置するかを示すものである。ステップ3において、条件付き確率

が算出された。従って、端末AはグループIDのうちの常に最初の位置に位置する。図4(A)を参照すると、端末Aは、第1グループID及び第2グループIDにおいて全てが最初の位置に位置する。また、ステップ3で条件付き確率

が算出された。条件付き確率を参照すると、端末Bは、グループIDのうちの最初又は2番目の位置に位置する。図4(A)及び(B)に示す実施形態において、端末Bは、第1グループIDでは最初の位置に位置し、第2グループIDでは2番目の位置に位置する。同様に、端末Cは、第1グループIDでは2番目の位置に位置し、第2グループIDでは3番目の位置に位置する。端末Dは、第1グループIDでは2番目の位置に位置し、第2グループIDでは3番目の位置に位置する。また、端末Eは、第1グループIDでは3番目の位置に位置し、第2グループIDでは4番目の位置に位置する。最後に、端末Fは、第1グループID及び第2グループIDの両方で4番目の位置に位置する。
【0049】
図4(B)は、各グループIDの立場から、各位置にどの端末が割り当てられるかを示す図である。図4(B)を参照すると、第1グループIDの最初の位置には端末A又は端末Bが割り当てられる。また、第1グループIDの2番目の位置には端末C又は端末Dが割り当てられる。また、第1グループIDの3番目の位置には端末Eが、4番目の位置には端末Fが割り当てられる。
【0050】
第1グループIDは、図3に示す端末グループのうち、[ACEF]、[ADEF]、[BCEF]、[BDEF]の4個の端末グループに対応する。また、第2グループIDは図3に示す端末グループのうち、[ABCE]、[ABCF]、[ABDE]、[ABDF]の4個の端末グループに対応する。即ち、図4(A)及び(B)に示すグループIDセットは15個の端末グループのうちの8個の端末グループに対応する。
【0051】
図5(A)及び(B)は、本発明の一実施形態による2ビットを用いてグループIDを表す場合を示す図である。2ビットを用いてグループIDを表す場合、グループIDセットは4個のグループIDを含む。
【0052】
図5(A)は、各端末の立場から、グループIDのうち、どの位置に位置するかを示す図である。図5(A)を参照すると、端末Aは各グループIDで全てが最初の位置に位置する。また、端末Bは第2グループID及び第3グループIDでは最初の位置に位置し、第1グループID及び第4グループIDでは2番目の位置に位置する。同様に、端末Cは第1グループIDでは3番目の位置に位置し、第2グループID、第3グループID、及び第4グループIDでは2番目の位置に位置する。
【0053】
図5(B)は、各グループIDの立場から、各位置にどの端末が割り当てられるかを示す図である。図5(B)を参照すると、第1グループIDの最初の位置には端末Aが割り当てられ、第1グループIDの2番目の位置には端末Bが、3番目の位置には端末C又は端末Dが、4番目の位置には端末E又は端末Fが割り当てられる。この場合、第1グループIDは、[ABCE]、[ABCF]、[ABDE]、[ABDF]の4個の端末グループに対応し、第2グループIDは[ACDE]、[ACDF]、[BCDE]、[BCDF]の4個の端末グループに対応し、第3グループIDは[ACEF]、[ADEF]、[BCEF]、[BDEF]の4個の端末グループに対応し、第4グループIDは[ABDF]、[ABEF]、[ACDF]、[ACEF]の4個の端末グループに対応する。即ち、図5(A)及び(B)に示すグループIDセットは15個の端末グループのうちの13個の端末グループに対応する。
【0054】
≪ステップ5:グループIDのうち、最も多い端末グループに対応するグループIDを割り当てる。≫
一実施形態として、アクセスポイントは、複数のグループIDセットを生成し、生成されたグループIDセットのうちの端末グループと最も多く対応するグループIDセットを割り当ててもよい。上記で説明したように、図4(A)及び(B)に示すグループIDセットは8個の端末グループに対応する。アクセスポイントは、他の実施形態によって生成されたグループIDセットと図4(A)及び(B)に示すグループIDセットとを比較し、更に多い端末グループに対応するグループIDセットを割り当ててもよい。
【0055】
また、図5(A)及び(B)に示すグループIDセットは13個の端末グループに対応する。アクセスポイントは、異なる実施形態によって生成されたグループIDセットと図5(A)及び(B)に示すグループIDとを比較し、更に多い端末グループに対応するグループIDセットを割り当ててもよい。
【0056】
図6は、本発明の一実施形態によるアクセスポイントの構造を示す図である。アクセスポイント600は、端末グループ生成部610、条件付き確率算出部620、グループID割当部630、及び送信部640を備える。
【0057】
端末グループ生成部610は、アクセスポイント600のカバレッジ内に位置する端末661、662、663、664を含む複数の端末グループを生成する。一実施形態として、各端末グループは、端末661、662、663、664のうちの一部の端末のみを含んでもよい。
【0058】
一実施形態として、端末グループ生成部610は、所定の順序に応じて端末グループに含まれる端末を整列させてもよい。端末が整列された端末グループは、例えば図3に示す通りである。
【0059】
条件付き確率算出部620は、各端末661、662、663、664が各端末グループの各位置に存在する条件付き確率を算出する。例えば、端末グループ生成部610が端末661、662、663、664をA、B、C、Dなどのように区分し、端末グループに含まれる端末がアルファベット順に整列された場合、端末Aは常に端末グループで最初の位置に位置する。この場合、端末Aが最初の位置に位置する確率P(A)は「1」の値を有する。
【0060】
グループID割当部630は、算出された条件付き確率に基づいてグループIDセットに各端末を割り当てる。グループIDセットは複数のグループIDを含むグループIDの集合である。グループIDセットに含まれるグループIDの数は、グループIDを表すビットの数に応じて決定されてもよい。例えば、1ビットでグループIDを表す場合、グループIDセットは2つのグループIDを含み、2ビットでグループIDを表す場合、グループIDセットは4個のグループIDを含む。
【0061】
グループID割当部630は、各端末661、662、663、664をグループIDに割り当てる。一実施形態として、グループID割当部630は、グループIDセットに含まれるグループIDのうち、一部のグループIDにのみ各端末661、662、663、664を割り当ててもよい。例えば、グループIDセットが64個のグループIDを含む場合、グループID割当部630は64個のグループIDのうちの32個のグループIDにのみ端末Aを割り当てる。
【0062】
一実施形態として、グループID割当部630は算出された条件付き確率に応じて各端末をグループIDに割り当ててもよい。例えば、グループIDセットに含まれるグループIDが64個であり、グループID割当部630がこの中で32個のグループIDにのみ端末Bを割り当てる場合、P(B)=0.5であれば、グループID割当部630は、32個のグループIDのうち、16個(32×0.5=16)のグループIDにのみ端末Bを割り当てる。
【0063】
グループID割当部630は、複数のグループIDセットを生成し、複数のグループIDセットのうち、最も多い端末グループに対応するグループIDセットを割り当てる。例えば、図4(A)及び(B)に示すグループIDセットは15個の端末グループのうちの8個の端末グループに対応し、図5(A)及び(B)に示すグループIDセットは15個の端末グループのうちの13個の端末グループに対応する。グループID割当部630は、同一のビットで表現することができる複数のグループIDセットのうち、最も多い端末グループに対応するグループIDセットを割り当ててもよい。
【0064】
送信部640は、割り当てられたグループIDセットに含まれるグループIDを端末661、662、663、664に送信する。グループIDに含まれた端末はアクセスポイント600からデータを受信することのできる端末である。もし、端末がグループIDに含まれていなければ、端末はアクセスポイント600からデータを受信しないため、データ受信部を非活性化することで電力消耗を減少させることができる。
【0065】
送信部640はグループIDに基づいて端末にデータを送信する。一実施形態として、アクセスポイント600は複数の送信アンテナを備え、送信部640はグループIDに対応する端末グループに含まれる端末に複数のデータストリームを送信してもよい。この場合、送信部640は、アクセスポイント600からデータを受信する端末に割り当てられたデータストリームの数に関する情報を各端末に追加的に送信し、各端末に割り当てられた数のデータストリームを各端末に送信してもよい。
【0066】
一実施形態として、端末661、662、663、664は、移動してアクセスポイント600のカバレッジから離脱したり、新しい端末がアクセスポイント600のカバレッジに進入したりすることもある。
【0067】
一実施形態として、グループID割当部630は、アクセスポイント600に接続することのできる最大の端末数を基準にしてグループIDセットを生成する。もし、新しい端末がアクセスポイント600のカバレッジに進入すると、端末グループ生成部610は新しく進入した端末に有効なアルファベットを割り当てる。
【0068】
他の実施形態として、グループID割当部630は、新しい端末がアクセスポイント600のカバレッジに進入してその端末が複数の端末661、662、663、664に新しく追加されたり、複数の端末661、662、663、664に含まれる特定端末が複数の端末661、662、663、664から離脱したりすると、端末グループを更新する。グループID割当部630は更新された端末グループを考慮してグループIDセットを割り当てる。
【0069】
図7は、本発明の一実施形態によるグループID割当方法をステップごとに説明したフローチャートである。
【0070】
ステップS710において、アクセスポイントは、アクセスポイントのカバレッジ内に位置する端末を含む複数の端末グループを生成する。一実施形態として、アクセスポイントは所定の順序に応じて端末グループに含まれる端末を整列させてもよい。
【0071】
ステップS720において、アクセスポイントは、各端末が各端末グループの各位置に存在する条件付き確率を算出する。
【0072】
ステップS730において、アクセスポイントは、算出された条件付き確率に基づいて各端末をグループIDに割り当てる。グループIDセットは、複数のグループIDを含むグループIDの集合である。アクセスポイントは、複数のグループIDセットを生成し、複数のグループIDセットのうち、最も多い端末グループに対応するグループIDセットを端末に割り当てる。アクセスポイントは、同一のビットで表し得る複数のグループIDセットのうち、最も多い端末グループに対応するグループIDセットを割り当ててもよい。
【0073】
ステップS730において、アクセスポイントは、端末の電力レスポンス(power sensitivity)に応じてグループIDを割り当ててもよい。例えば、アクセスポイントにN個の端末を接続する場合、この中から電力レスポンスする端末はn個である。この場合、アクセスポイントは、電力レスポンスする端末のみを含む第1端末グループと、電力レスポンスしない端末のみを含む第2端末グループに端末を区分してもよい。
【0074】
アクセスポイントは、割り当て可能なM個のグループIDのうち、m個は電力レスポンスしない端末のみを含む第2端末グループに割り当て、M−m個は電力レスポンスする端末のみを含む第1端末グループに割り当ててもよい。
【0075】
アクセスポイントは、第1端末グループに割り当てられたM−m個のグループIDに対してグループIDオーバーロード方式を適用せず、第2端末グループに割り当てられたm個のグループIDについてのみグループIDオーバーロード方式を適用してもよい。
【0076】
ステップS740において、アクセスポイントは、割り当てられたグループIDセットに含まれるグループIDを端末に送信する。また、ステップS750において、アクセスポイントは、グループIDに含まれた端末にデータを送信してもよい。グループIDに含まれていない端末はアクセスポイントからデータを受信できない端末であるため、データ受信部を非活性化して電力消耗を減少させることができる。
【0077】
一実施形態として、アクセスポイントは、複数の送信アンテナを備え、グループIDに対応する端末グループに含まれる端末に複数のデータストリームを送信してもよい。この場合、アクセスポイントは、アクセスポイントからデータを受信する端末に割り当てられたデータストリームの数に関する情報を各端末に追加的に送信し、各端末に割り当てられた数のデータストリームを各端末に送信してもよい。
【0078】
ステップS760において、アクセスポイントは、カバレッジに位置する端末が変更されたか否かを判断する。もし、変更されると、アクセスポイントは、ステップS710において変更された端末を考慮して端末グループを更新してもよい。この場合、アクセスポイントは、下記の静的(static)方式又は動的(dynamic)方式のいずれか1つによって更新された端末グループを考慮してグループIDを割り当ててもよい。具現方式に応じて、下記の静的方式又は動的方式を適切に混合したハイブリッド(hybrid)方式を用いてもよい。
【0079】
<静的方式>
静的方式において、アクセスポイントは、アクセスポイントに接続できる端末の最大数を基準にして予めグループIDセットを割り当ててもよい。例えば、アクセスポイントに接続できる端末の最大数が10個である場合、アクセスポイントは、10個の端末のそれぞれに適切なアルファベットを割り当て、割り当てられたアルファベットを用いて端末グループを生成することによってグループIDセットを割り当てる。一般的に、アクセスポイントに接続された端末数は最大数よりも少ないため、アクセスポイントは、生成されたグループIDセットのうちの一部のグループIDのみを用いることができる。新しい端末が更にアクセスポイントに接続された場合、アクセスポイントは、更に接続された端末に適切なアルファベットを割り当ててもよい。アクセスポイントは、追加された端末に割り当てられたアルファベットを考慮して追加された端末を適切なグループIDに割り当てる。アクセスポイントは、追加された端末及び追加された端末が割り当てられるグループIDに含まれた異なる端末に、追加された端末が割り当てられたグループIDに関する情報を送信してもよい。
【0080】
<動的方式>
動的方式において、アクセスポイントは、新しい端末が接続する度に新しくグループIDセットを生成する。即ち、アクセスポイントは、アクセスポイントに新しい端末が接続したか否か、又はアクセスポイントに接続した端末のうち、離脱した端末があるか否かを判断し、判断結果に応じて、アクセスポイントに現在の接続した端末に関する情報を更新する。即ち、現在の接続した端末に関する情報が変更された場合、アクセスポイントはアクセスポイントに接続した端末から構成される端末グループを更新し、更新された端末グループに基づいてグループIDセットを新しく生成する。アクセスポイントは、新しく生成されたグループIDセットを端末に割り当て、新しく割り当てられたグループIDセットを端末に割り当ててもよい。
【0081】
上述した方法は、多様なコンピュータ手段を介して様々な処理を実行することができるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などのうちの1つ又はその組合せを含んでもよい。記録媒体に記録されるプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり、使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、光ディスクのような光磁気媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれてもよい。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コード(machine code)だけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行され得る高級言語コード(higher level code)を含む。上述したハードウェア装置は、本発明の動作を行うために1つ以上のソフトウェアのレイヤで作動するように構成されてもよい。
【0082】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0083】
110、600 アクセスポイント
120、130、140、150、160、170、180、661、662、663、664 端末
200 データストリーム
210 L−STF
220 L−LTF
230 L−SIG
240 VHT−SIG−A
241 グループID
242 ストリームインデックス
250 VHT−STF
260 VHT−LTF
270 VHT−SIG−B
280 VHT−Data
610 端末グループ生成部
620 条件付き確率算出部
630 グループID割当部
640 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントのカバレッジ内に位置する複数の端末を所定の順序に応じて整列させた1つ以上の端末グループを生成する端末グループ生成部と、
前記複数の端末のそれぞれが前記端末グループの前記所定の順序で存在する条件付き確率を算出する条件付き確率算出部と、
複数のグループIDを含む複数のグループIDセットに対して、前記算出された条件付き確率に応じて前記グループIDに前記端末を割り当てるグループID割当部と、を備えることを特徴とするアクセスポイント。
【請求項2】
前記グループID割当部は、前記グループIDセットのうちの最も多い端末グループに対応するグループIDセットを前記端末に割り当てることを特徴とする請求項1に記載のアクセスポイント
【請求項3】
前記割り当てられたグループIDセットに含まれるグループIDを前記端末に送信し、前記グループIDに基づいて前記端末にデータを送信する送信部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のアクセスポイント。
【請求項4】
前記アクセスポイントは複数の送信アンテナを備え、
前記送信部は、前記送信アンテナを用いて前記グループIDに対応する端末グループに含まれる端末に複数のデータストリームを送信することを特徴とする請求項3に記載のアクセスポイント。
【請求項5】
前記送信部は、前記端末グループに含まれる端末に割り当てられたデータストリームの数に関する情報を前記端末に追加的に送信し、前記割り当てられた数のデータストリームを前記端末に送信することを特徴とする請求項4に記載のアクセスポイント。
【請求項6】
前記端末グループ生成部は、前記複数の端末に新しい端末が追加されるか、又は前記複数の端末に含まれる特定端末が前記複数の端末から離脱すると、前記端末グループを更新することを特徴とする請求項1に記載のアクセスポイント。
【請求項7】
アクセスポイントのカバレッジ内に位置する複数の端末を所定の順序に応じて整列させた1つ以上の端末グループを生成するステップと、
前記複数の端末のそれぞれが前記端末グループの前記所定の順序で存在する条件付き確率を算出するステップと、
複数のグループIDを含む複数のグループIDセットに対して、前記算出された条件付き確率に応じて前記グループIDに前記端末を割り当てるステップと、を有することを特徴とするグループID割当方法。
【請求項8】
前記端末を割り当てるステップは、前記グループIDセットのうちの最も多い端末グループに対応するグループIDセットを前記端末に割り当てることを特徴とする請求項7に記載のグループID割当方法。
【請求項9】
前記割り当てられたグループIDセットに含まれるグループIDを前記端末に送信するステップと、
前記グループIDに基づいて前記端末にデータを送信するステップと、を更に含むことを特徴とする請求項7に記載のグループID割当方法。
【請求項10】
前記データを送信するステップは、複数の送信アンテナを用いて前記グループIDに対応する端末グループに含まれる端末に複数のデータストリームを送信することを特徴とする請求項9に記載のグループID割当方法。
【請求項11】
前記グループIDを送信するステップは、前記端末に割り当てられたデータストリームの数に関する情報を前記端末に追加的に送信し、
前記データを送信するステップは、前記割り当てられた数に相応するデータストリームを前記端末に送信することを特徴とする請求項9に記載のグループID割当方法。
【請求項12】
前記複数の端末に新しい端末が追加されるか、又は前記複数の端末に含まれる特定端末が前記複数の端末から離脱すると、前記端末グループを更新することを特徴とする請求項7に記載のグループID割当方法。
【請求項13】
アクセスポイントに接続できる端末の最大数を考慮してグループIDセットを割り当てるステップと、
第1端末がアクセスポイントに接続すると、該第1端末を前記グループIDセットに含まれるグループIDに割り当てるステップと、
前記グループIDに含まれる第1端末及び第2端末に前記グループIDに関する情報を送信するステップと、を有することを特徴とするグループID割当方法。
【請求項14】
アクセスポイントに第1端末が追加的に接続したか否か、又は前記アクセスポイントに接続した端末のうちの第2端末が離脱したか否かを判断するステップと、
前記第1端末が前記アクセスポイントに追加的に接続するか、又は前記第2端末が離脱すると、前記アクセスポイントに接続した端末を含む端末グループを更新するステップと、
前記更新された端末グループに基づいてグループIDセットを割り当てるステップと、を有することを特徴とするグループID割当方法。
【請求項15】
アクセスポイントに接続する端末を、電力レスポンスする端末を含む第1端末グループと電力レスポンスしない端末を含む第2端末グループとに区分するステップと、
前記第2端末グループにグループIDを割り当てるステップと、
前記グループIDにグループIDオーバーロード方式を適用してグループIDを送信するステップと、を有することを特徴とするグループID割当方法。
【請求項16】
請求項7乃至15のいずれか1項に記載のグループID割当方法を実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−120177(P2012−120177A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262702(P2011−262702)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】