説明

グルーラベル

【課題】 一部分を簡単且つ綺麗に引き剥がすことができるグルーラベルを提供することである。
【解決手段】 本発明のグルーラベル11は、水系接着剤を介して被着体に貼付して使用され、裏面に前記水系接着剤が塗布される第1基材1と、前記第1基材1の表面側に積層された第2基材2と、を有し、前記第1基材1と第2基材2の間に、易剥離層41と前記易剥離層41に弱接着又は擬似接着された層51とを有する積層部31が介在されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水系接着剤を用いて被着体に貼付されるグルーラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
グルーラベルは、紙などの吸水性を有する基材の裏面に、水系接着剤を塗布し、ガラス容器などの被着体に貼付されるラベルである。
特許文献1には、始端部と終端部を有する帯状の鉢巻きラベルであってその終端部の裏面と始端部の表面とを重ね合わせて水系接着剤で接着しうる鉢巻きラベルが開示されている。
また、特許文献1には、鉢巻きラベルの表面に、各種情報を印刷し、そのラベルの一部を、応募券(応募ラベル)、くじ、又は、クーポンとして利用することが開示されている。
【0003】
特許文献1のように、鉢巻きラベルの一部を応募券などに利用する場合には、消費者は、水系接着剤にて被着体に貼付された鉢巻きラベルを被着体から剥ぎ取り、その一部を切り取らなければならない。
しかしながら、乾燥した水系接着剤を水に含浸させないでラベルを上手に剥ぎ取ることは難しく、鉢巻きラベルを剥ぎ取る途中で千切れる場合が多い。このようにラベルが千切れると、印刷表示が見えなくなったり或いは応募情報を携帯電話などで機械的に読み取ることができなくなる。また、応募券としてハガキに貼って懸賞提供者に送付するにも不都合が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−197088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、一部分を簡単且つ綺麗に引き剥がすことができるグルーラベルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のグルーラベルは、水系接着剤を介して被着体に貼付して使用され、裏面に前記水系接着剤が塗布される第1基材と、前記第1基材の表面側に積層された第2基材と、を有し、前記第1基材と第2基材の間に、易剥離層と前記易剥離層に弱接着又は擬似接着された層とを有する積層部が介在されている。
【0007】
上記本発明のグルーラベルは、第1基材の裏面に水系接着剤を塗布し、被着体に貼付して使用される。
本発明のグルーラベルは、第2基材が前記積層部を介して第1基材の表面側に積層されているので、第1基材を被着体を引き剥がすことなく、第2基材を簡単に且つ綺麗に第1基材から引き剥がすことができる。
引き剥がされた第2基材は、例えば、応募券などとして利用できる。
【0008】
本発明の好ましいグルーラベルは、前記易剥離層に弱接着又は擬似接着された層が、紫外線硬化型樹脂を含む。
紫外線硬化型樹脂を含む層は、第1基材を通じて浸透する水系接着剤の水分によって易剥離層から自然に剥がれ難く、積層部においてグルーラベルが不用意に剥離することを防止できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のグルーラベルは、第2基材を簡単且つ綺麗に引き剥がすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】1つの実施形態に係るグルーラベルの平面図。
【図2】図1のII−II線で切断した断面図。
【図3】他の実施形態に係るグルーラベルの断面図。
【図4】さらなる他の実施形態に係るグルーラベルの平面図。
【図5】図4のV−V線で切断した断面図。
【図6】グルーラベルが貼付された容器の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の具体的な実施態様について適宜図面を参照しつつ説明する。
各部の用語の接頭語として、第1及び第2を付す場合があるが、この接頭語は、用語を区別するために付加されたものであり、各部の優劣などを意味しない。また、本明細書において、「PPP〜QQQ」という記載は、PPP以上QQQ以下を意味する。
なお、各図の具体的な寸法及び縮尺比は、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
【0012】
図1及び図2において、本発明のグルーラベル11は、第1基材1と、第2基材2と、第1基材1と第2基材2の間に介在された積層部31と、を有する。
グルーラベル11の第1基材1の裏面には、使用に際して、水系接着剤が塗布される。
第2基材2は、第1基材1の表面側に剥離可能に積層されている。第2基材2が剥離可能に積層されているとは、第1基材1及び第2基材2が材料破壊を生じることなく、第2基材2を手で引張って第1基材1から引き剥がすことができるように、第2基材2が第1基材1に積層接着されていることをいう。
【0013】
好ましくは、第2基材2は、第1基材1に擬似接着又は弱接着にて積層されている。
擬似接着は、僅かな力で層間剥離できる程度に弱く付着している状態であって、一度、層間剥離すると再付着させ難いものをいう。弱接着は、擬似接着に比して強く付着しているが、簡単に層間剥離できる程度に弱く付着している状態であって、一度、層間剥離すると再付着させ難いもの又は層間剥離した後に再付着可能なものをいう。
擬似接着における剥離強度(層間接着力)は、0.2〜5N/25mm程度が例示され、弱接着における剥離強度(層間接着力)は、2〜15N/25mm程度が例示される。
ただし、これらの剥離強度は、JIS Z 0237に準じ、積層する2つの試験材料を長さ100mm×幅25mとし、剥離角度を180度、剥離速さを300mm/分、温度を23℃とした条件下の剥離試験において測定される。
【0014】
第1基材1と第2基材2の間には、紫外線硬化型樹脂を有する層が設けられていることが好ましい。
【0015】
グルーラベル11の平面視形状は、通常、図1に示すような、略矩形状である。もっとも、グルーラベル11は、平面視略矩形状以外の形状、例えば、楕円状、円形状、三角形状などに形成してもよい。
【0016】
1つの実施形態に係るグルーラベル11は、図2に示すように、第1基材1と、第2基材2と、を有し、第1基材1と第2基材2の間に擬似接着状態の積層部31が介装されている。
【0017】
具体的には、図2に示す擬似接着されたグルーラベル11は、図示の下から順に、第1基材1と、易剥離層41と、樹脂層51と、第1接着層61と、第2基材2と、を有し、これらがこの順で積層されている。
この例のグルーラベル1は、易剥離層41と樹脂層51との間で層間剥離可能であり、その間で剥離することにより、第2基材2と第1基材1を分離できる。
【0018】
第1基材1は、その裏面に塗布される水系接着剤の乾燥を阻害しないように、吸水性又は透湿性を有する柔軟な基材が用いられる。
第1基材1としては、例えば、上級紙、中級紙、和紙などの紙類;不織布;合成紙などを用いることができる。合成紙は、吸水性を有する合成紙(例えば、ユポ・コーポレーション製、商品名:アクアユポ)などを用いることができる。
第1基材1として紙を用いる場合には、必要に応じて、その表面に公知の目止め層が形成されていてもよい。
第1基材1の厚みは、例えば、30μm〜100μm程度である。
必要に応じて、第1基材1には、その表面から視認できるように、商品名、各種案内などの所望のデザイン表示が印刷されていてもよい。
【0019】
易剥離層41は、樹脂層51に対して弱く付着しうる層である。また、易剥離層41は、第1基材1に強固に接着され且つ実質的にこれと一体化されている。易剥離層41の形成材料は、樹脂層51などの形成材料に応じて適宜選択されるが、一般的には、シリコーン系樹脂、変性シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などを含む剥離剤が用いられる。易剥離層41は、透明又は不透明の何れでもよいが、第1基材1の表面にデザインを印刷する場合には、透明(無職透明又は有色透明)な易剥離層41がその印刷層の表面に形成される。
第1基材1の表面に、剥離剤を塗布することにより、易剥離層41を形成できる。剥離剤の塗布方法としては、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、凸版印刷法、凸版輪転印刷法などの各種印刷法、リバースコータなどの各種コート法が挙げられる。
易剥離層41の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1μm〜10μmであり、好ましくは0.3μm〜8μmであり、より好ましくは0.5μm〜5μmである。
【0020】
樹脂層51は、易剥離層41と協働して擬似接着の積層部31を形成する層である。樹脂層51は、易剥離層41に対して弱く付着し且つ易剥離層41から剥離した後に再付着し難いものであれば特に限定されない。
樹脂層51の形成材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂又は紫外線硬化型樹脂などを含む樹脂組成物などを用いることができる。好ましくは、水系接着剤の水分が浸透することによって易剥離層41から自然に剥離し難くなるので、樹脂層51は、紫外線硬化型樹脂を含むものが好ましい。
【0021】
易剥離層41と樹脂層51の積層部31を擬似接着状態とする方法としては、例えば、第1基材1に設けられた易剥離層41の上に、樹脂層51を構成する樹脂組成物を塗工し、その上に第2基材2を重ね合わせた後、前記樹脂組成物を固化する又は特殊な条件で全体を加圧するなどの方法が挙げられる。前記樹脂組成物の固化方法は、使用する樹脂に応じて適宜設定でき、例えば、紫外線照射、加熱、冷却、自然放置などが挙げられる。
【0022】
紫外線硬化型樹脂は、一般に、モノマー又は/及びオリゴマー(光重合性プレポリマー)及び光重合開始剤を含み、必要に応じて、増感剤、非反応性樹脂及び充填剤などの添加剤を含む。
紫外線硬化型樹脂を含む樹脂組成物としては、紫外線硬化型インキを用いることができ、特に顔料などの着色剤を含まない紫外線硬化型インキが好ましい(一般に、メジウムインキと呼ばれる)。また、紫外線硬化型樹脂の重合形式は、ラジカル重合型が好ましい。
【0023】
易剥離層41の表面に、前記樹脂組成物を塗布し、それを固化する(硬化させる)ことにより、樹脂層51を形成できる。樹脂組成物の塗布方法としては、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、凸版印刷法、凸版輪転印刷法などの各種印刷法、リバースコータなどの各種コート法が挙げられる。
樹脂層51の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1μm〜5μmであり、好ましくは0.3μm〜3μmである。
【0024】
第1接着層61は、前記樹脂層51と第2基材2とを強固に接着するための層である。換言すると、第1接着層61は、前記樹脂層51と第2基材2を実質的に一体化させるために設けられている。もっとも、樹脂層51と第2基材2が、積層部31における層間接着力よりも強く接着し得る場合には、第1接着層61を省略することも可能である。
第1接着層61は、樹脂層51と第2基材2を強固にバインドできるものでれば特に限定されない。
【0025】
第1接着層61の形成材料としては、ホットメルト接着剤などの感熱型接着剤又は感熱型粘着剤、紫外線硬化型接着剤又は紫外線硬化型粘着剤、エマルジョン型接着剤又は粘着剤、溶剤揮発型接着剤、感圧型粘着剤などを用いることができる。
樹脂層51との接着性も良好で、乾燥工程も不要であることから、ホットメルト接着剤などの感熱型接着剤又は感熱型粘着剤、及び紫外線硬化型接着剤又は紫外線硬化型粘着剤が好ましく、ホットメルト接着剤又はホットメルト粘着剤がより好ましい。
第2基材2の裏面に前記ホットメルト接着剤などを塗布することにより、第1接着層61を形成できる。
第1接着層61の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm〜30μmであり、好ましくは15μm〜25μmである。
【0026】
樹脂層51及び第1接着層61は、それぞれ透明又は不透明の何れでもよいが、第2基材2の裏面にデザインを印刷する場合(具体的には、第2基材2の裏面に印刷される印刷層は、第2基材2と第1接着層61の間に存在し、第1接着層61が形成されない場合には、第2基材2と樹脂層51の間に存在することになる)には、樹脂層51及び第1接着層61は何れも透明(無色透明又は有色透明)とされる。
【0027】
第2基材2は、適度な剛性と柔軟性を有する基材が用いられる。
第2基材2としては、例えば、上級紙、中級紙、和紙などの紙類;不織布;合成紙;合成樹脂製シート;発泡樹脂シートなどを用いることができる。
第1基材1の表面又は第2基材2の裏面にデザインを印刷する場合には、第2基材2の表面からそのデザインが透けて見えないようにするため、第2基材2は不透明な基材を用いることが好ましい。なお、この場合、第2基材2として透明な基材を用いることもできるが、前記のようにデザインが透けて見えないようにするため、透明な第2基材2に下地印刷を施しておくことが好ましい。
【0028】
第2基材2の厚みは、例えば、50μm〜150μm程度である。
必要に応じて、第2基材2には、その表面及び裏面又は表面若しくは裏面から視認できるように、商品名、各種案内などの所望のデザイン表示が印刷されていてもよい。
例えば、第2基材2の裏面に、懸賞応募資格表示、くじ表示などを印刷しておくことにより、第2基材2を応募ラベルなどとして利用できる。
【0029】
図3は、本発明の他の実施形態に係るグルーラベルを、図2と同様な方向で切断した断面図である。
このグルーラベル12は、第1基材1と、第2基材2と、を有し、第1基材1と第2基材2の間に弱接着状態の積層部32が介装されている。
図3に示す弱接着されたグルーラベル12は、図示の下から順に、第1基材1と、易剥離層42と、第2接着層72と、第2基材2と、を有し、これらがこの順で積層されている。
この例のグルーラベル12は、易剥離層42と第2接着層72との間で層間剥離可能であり、その間で剥離することにより、第2基材2と第1基材1を分離できる。
【0030】
弱接着されたグルーラベル12の第1基材1、易剥離層42及び第2基材2は、上記図2で示したグルーラベル11のそれらと同様であるので、それらの説明は省略する。
第2接着層72は、易剥離層42と協働して弱接着の積層部32を形成する層である。第2接着層72は、前記易剥離層42に対して弱く付着し、他方、第2接着層72は、第2基材2に強く接着して実質的に第2基材2と一体化されている。
【0031】
第2接着層72は、易剥離層42及び第2基材2に応じて適宜選択できる。第2接着層72の形成材料としては、ホットメルト接着剤などの感熱型接着剤又は感熱型粘着剤、紫外線硬化型接着剤又は紫外線硬化型粘着剤、エマルジョン型接着剤又は粘着剤、溶剤揮発型接着剤などを用いることができる。
易剥離層42と弱接着し且つ第2基材2と強固に接着し、乾燥工程も不要であることから、第2接着層72の形成材料は、ホットメルト接着剤などの感熱型接着剤又は感熱型粘着剤、及び紫外線硬化型接着剤又は紫外線硬化型粘着剤が好ましい。さらに、水系接着剤の水分が浸透することによって易剥離層42から自然に剥離し難くなるので、第2接着層72は、紫外線硬化型樹脂を含むもの(紫外線硬化型樹脂接着剤又は紫外線硬化型粘着剤で形成されていること)がより好ましい。第2基材2の裏面に前記紫外線硬化型樹脂接着剤などを塗布することにより、第2接着層72を形成できる。紫外線硬化型樹脂の重合形式は、ラジカル重合型が好ましい。
第2接着層72の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm〜30μmであり、好ましくは15μm〜25μmである。
【0032】
なお、本発明のグルーラベル11,12は、図2及び図3に示した基材及び層以外に、さらに、必要に応じて、他の基材及び層が積層されていてもよい。
また、図2のグルーラベル11においては、第1基材側に易剥離層41が設けられ且つ第2基材側に樹脂層51及び第1接着層61が設けられているが、逆に、第1基材側に第1接着層61及び樹脂層51を設け且つ第2基材側に易剥離層41を設けてもよい(図示せず)。
同様に、図3のグルーラベル12においては、第1基材側に易剥離層42が設けられ且つ第2基材側に第2接着層72が設けられているが、逆に、第1基材側に第2接着層72を設け且つ第2基材側に易剥離層42を設けてもよい(図示せず)。
【0033】
さらに、図2及び図3のグルーラベル11,12は、第1基材1と第2基材2が同形同大であるが、例えば、図4及び図5に示すように、第2基材2が第1基材1よりも小さく、第2基材2が第1基材1の一部分に積層されているグルーラベル13でもよい。なお、図5は、擬似接着の積層部31を有するグルーラベルを便宜上例示している。また、図5において、易剥離層41は、第1基材1の全体に設けられているが、これに限定されず、易剥離層41は、少なくとも樹脂層51に対応する範囲に設けられていればよい。
【0034】
また、図4においては、横長さが第1基材1と同じで且つ縦長さが第1基材1よりも短い第2基材2が用いられているが、これに限定されず、例えば、横長さが第1基材1よりも短く且つ縦長さが第1基材1と同じ第2基材2を用いてもよいし、横長さ及び縦長さが第1基材1よりも短い第2基材2を用いてもよい(図示せず)。
【0035】
上記擬似接着状態の積層部31を有するグルーラベル11は、例えば、次のようにして製造できる。
グルーラベル11の機械的製造過程では、複数のグルーラベル11が連続的に繋がったラベル連続体として製造され、その製造方法は、通常、ロールツーロール方式で行われる。
【0036】
具体的には、長尺状の第1基材1のロール品と長尺状の第2基材2のロール品を準備する。
第1基材1をMD方向に引き出し、その表面に易剥離剤を塗布し、乾燥して第1基材1上に易剥離層41を形成する。次に、易剥離層41の表面に、紫外線硬化型インキを塗布し、乾燥する。
他方、第2基材2をMD方向に引き出し、その裏面にホットメルト接着剤を塗布して第1接着層61を形成する。第1基材1の紫外線硬化型インキ層の上に第2基材2のホットメルト接着剤層の裏面を重ね合わせる。
そして、所定の紫外線を照射することにより、紫外線硬化型インキを硬化させて樹脂層51を形成する。
このようにして、図2に示すような層構成のラベル連続体を製造できる。得られたラベル連続体は、ロール品とされ、保管・運搬に供される。
【0037】
また、上記弱接着状態の積層部32を有するグルーラベル12は、例えば、次のようにして製造できる。
具体的には、長尺状の第1基材1をMD方向に引き出し、その表面に易剥離剤を塗布し、乾燥して第1基材1上に易剥離層42を形成する。
他方、長尺状の第2基材2をMD方向に引き出し、その裏面に紫外線硬化型接着剤を塗布する。第1基材1の易剥離層42の上に第2基材2の紫外線硬化型接着剤層の裏面を重ね合わせる。
そして、所定の紫外線を照射することにより、紫外線硬化型接着剤を硬化させて第2接着層72を形成する。
このようにして、図3に示すような層構成のラベル連続体を製造できる。得られたラベル連続体は、ロール品とされ、保管・運搬に供される。
【0038】
上記ラベル連続体のロール品はラベラーに装填される。
ラベラーは、ロール品からラベル連続体を引き出し、ダイカットロールなどの切断刃を用いて、それを所定長さに切断して1つのグルーラベル11を得、グルーラベル11(第1基材1)の裏面に水系接着剤を塗布した後、飲料容器などの被着体9に巻き付けて貼付する(図6参照)。
【0039】
水系接着剤は、特に限定されず、例えば、デンプン、膠、カゼイン、セルロース、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、ラテックス、ポリマレイン酸系重合物、ポリビニルアルコールなどを含む水溶液又はエマルジョンが挙げられる。
グルーラベル11の使用時には、前記水系接着剤を、グルーラベル11の裏面全体にベタ状に塗布してもよいし、横方向に延びるストライプ状に塗布してもよいし、主として両側端部に塗布してもよい。
グルーラベル11は、図6に示すように、両側端部11a,11bを重ね合わせて巻き付けてもよいし、或いは、両側端部を離して巻き付けてもよい。
なお、図3に示すグルーラベル12についても、そのラベル連続体をラベラーに装填し、上記と同様にして被着体に貼付されて使用される。
【0040】
本発明のグルーラベル11,12は、積層部31,32において易剥離層41,42に積層された層(樹脂層51又は第2接着層72)が紫外線硬化型樹脂を含んでいるので、水系接着剤が乾燥する過程で、その水分が第1基材1を通じて積層部31,32に浸透しても、易剥離層41,42と樹脂層51又は第2接着層72との界面にて自然に剥離し難い。
このため、グルーラベル11,12を被着体9に貼付後、養生している間に、第2基材2の縁部が第1基材1から不用意に剥がれることを防止できる。
なお、紫外線硬化型樹脂から形成された樹脂層51又は第2接着層72は、ラベル連続体から1つのグルーラベルを切り出すときに、ダイカットロールなどの切断刃に付着し難く、切断刃のメンテナンス容易という利点もある。
【0041】
さらに、本発明のグルーラベル11,12は、第2基材2が第1基材1に対して剥離可能に積層されているので、第1基材1を被着体を引き剥がすことなく、第2基材2を簡単に且つ綺麗に第1基材1から引き剥がすことができる。
例えば、図2のグルーラベル11は、第2基材2を摘んで引き上げることにより、積層部31において易剥離層41と樹脂層51との間が層間剥離し、第2基材2を第1基材1から剥離できる。図3のグルーラベル12は、第2基材2を摘んで引き上げることにより、積層部32において易剥離層42と第2接着層72との間が層間剥離し、第2基材2を第1基材1から剥離できる。
特に、擬似接着された積層部31を有するグルーラベル1は、第2基材2を剥離後、その第2基材は接着能力を有さないので、第2基材2を第1基材1の上に再貼付することは困難である。このため、市場において、不正剥離の有無を一目で判別できる。
【0042】
第2基材2に懸賞応募資格表示などを印刷しておいた場合には、引き剥がした第2基材2をキャンペーン応募券などとして利用できる。
もっとも、本発明のグルーラベルは、第2基材を応募ラベルなどとして再利用することのみに使用されるわけではない。
本発明のグルーラベルは、第2基材を剥離して第1基材に印刷された表示を視認することもできるので、懸賞応募資格表示などを印刷しなくても、デザイン表示領域が拡大したラベルとして使用できる。
【符号の説明】
【0043】
11,12,13…グルーラベル、1…第1基材、2…第2基材、31,32…積層部、41,42…易剥離層、51…樹脂層、61…第1接着部、72…第2接着部、9…被着体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水系接着剤を介して被着体に貼付して使用されるグルーラベルにおいて、
裏面に前記水系接着剤が塗布される第1基材と、前記第1基材の表面側に積層された第2基材と、を有し、
前記第1基材と第2基材の間に、易剥離層と前記易剥離層に弱接着又は擬似接着された層とを有する積層部が介在されている、グルーラベル。
【請求項2】
前記易剥離層に弱接着又は擬似接着された層が、紫外線硬化型樹脂を含む、請求項1に記載のグルーラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−109251(P2013−109251A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255746(P2011−255746)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】