説明

ケース

【課題】本体および蓋体において1本ずつの折目しか形成されていないものと比べて角張りにくく、しかも、一定の形状に組み立てやすいケースを提供する。
【解決手段】ケース10は、本体20および蓋体50において、主面部材26と4つの壁部材26a〜26dとの間に2本ずつ壁部材用折目28、28が形成され、2つの壁部材26b、26dと4つのフラップ32との間に2本ずつフラップ用折目34、34が形成される。2本の壁部材用折目28、28は、中間部分28aが互いに平行に形成され、両方の端部分28b、28bがそれぞれ互いに交差するように形成される。2本のフラップ用折目34、34は、中間部分34aが互いに平行に形成され、両方の端部分34b、34bがそれぞれ互いに交差するように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ケースに関し、特に、収納部を有する箱形の本体と、平面的に見てその本体より一回り大きく形成され、その本体に被せられる蓋体とを含み、たとえば机上に置かれて書類などを収納するために用いられるケースに関する。
【背景技術】
【0002】
この発明の背景となる従来のケースの一例が、特開2002−193242公報に開示されている(特許文献1参照)。このような従来のケースは、収納部を有する箱形の本体と、平面的に見てその本体より一回り大きく形成され、その本体に被せられる蓋体とを含む。この本体および蓋体は、それぞれ、合成樹脂製シートで形成される。
【0003】
本体は、底板となる矩形状の主面部材を含み、主面部材には、その各辺から延びて壁部材がそれぞれ形成される。また、主面部材と各壁部材との間には、それぞれ、直線状の2本の折目が平行に形成される。さらに、対向する2つの壁部材には、それぞれ、その両辺から他の2つの壁部材に延びてフラップがそれぞれ形成される。また、対向する2つの壁部材と各フラップとの間にも、それぞれ、直線状の2本の折目が平行に形成される。そして、主面部材、各壁部材および各フラップは、それぞれの2本の折目を介して互いに折り曲げられ、対抗する2つの壁部材に形成された各フラップは、他の2つの壁部材にそれぞれ溶着される。それによって、箱形の本体が組み立てられる。
【0004】
本体と同様に、蓋体は、主面部材、各壁部材および各フラップを含み、主面部材および壁部材間と壁部材およびフラップ間とには、それぞれ、直線状の2本の折目が平行に形成される。そして、主面部材、各壁部材および各フラップをそれぞれの2本の折目を介して互いに折り曲げ、対抗する2つの壁部材に形成された各フラップを他の2つの壁部材に溶着することによって、平面的に見て本体より一回り大きい蓋体が組み立てられる。
【0005】
このような従来のケースでは、本体および蓋体において、主面部材、各壁部材および各フラップがそれぞれの2本の折目を介して互いに折り曲げられるので、主面部材および壁部材間と壁部材およびフラップ間すなわち壁部材間とに直線状の1本ずつの折目しか形成されていない従来の他のケースと比べて、主面部材および壁部材間の部分と壁部材およびフラップ間の部分すなわち壁部材間の部分とをそれぞれ角張りにくくすることができる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−193242公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上述の従来のケースでは、主面部材、各壁部材および各フラップをそれぞれの2本の折目を介して互いに折り曲げることによって本体および蓋体を組み立てる際に、2本の折目の部分うちの一方の折目の部分と他方の折目の部分とにおいて、安定した角度で折り曲げることが難しく、安定した角度で折り曲げられない場合がある。この場合、主面部材に対して各壁部材や各フラップの位置が特定されず、そのため、本体や蓋体を一定の形状に組み立てにくい。なお、本体や蓋体が一定の形状に組み立てられないと、本体に蓋体をうまく被せられないことが起こり得る。
【0008】
それゆえに、この発明の主たる目的は、本体および蓋体において1本ずつの折目しか形成されていないものと比べて角張りにくく、しかも、一定の形状に組み立てやすいケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明にかかるケースは、収納部を有する箱形の本体と、平面的に見て本体より一回り大きく形成され、本体に被せられる蓋体とを含み、本体および蓋体は、それぞれ、多角形状の主面部材と、主面部材の各辺から延びて形成される複数の壁部材と、複数の壁部材において隣接する2つの壁部材のうちの一方の壁部材から他方の壁部材に向かって延びて形成され、かつ、他方の壁部材に固着される複数のフラップとを含み、主面部材と複数の壁部材との間に2本の壁部材用折目がそれぞれ形成され、複数の壁部材において隣接する2つの壁部材のうちの一方の壁部材と複数のフラップとの間に2本のフラップ用折目がそれぞれ形成されるケースにおいて、2本の壁部材用折目は、それらの中間部分が互いに平行に形成され、それらの両端部分がそれぞれ互いに交差するように形成され、さらに2本のフラップ用折目は、それらの中間部分が互いに平行に形成され、それらの両端部分がそれぞれ互いに交差するように形成されていることを特徴とする、ケースである。なお、この発明において、2本の壁部材用折目の中間部分が互いに平行に形成されるものには、2本の壁部材用折目の中間部分の一部分が交差するように形成されているものも含まれる。また、この発明において、2本のフラップ用折目の中間部分が互いに平行に形成されるものには、2本のフラップ用折目の中間部分の一部分が交差するように形成されているものも含まれる。
この発明にかかるケースでは、本体および蓋体において、主面部材および複数の壁部材がそれぞれの2本の壁部材用折目を介して互いに折り曲げられ、さらに、複数の壁部材および複数のフラップがそれぞれの2本のフラップ用折目を介して互いに折り曲げられるので、主面部材および壁部材間と壁部材およびフラップ間とに直線状の1本ずつの折目しか形成されていないケースと比べて、主面部材および壁部材間の部分と壁部材およびフラップ間の部分すなわち壁部材間の部分とにおいてそれぞれ角張る部分を少なくすることができ、主面部材および壁部材間の部分と壁部材およびフラップ間の部分すなわち壁部材間の部分とをそれぞれ角張りにくくすることができる。
さらに、この発明にかかるケースでは、本体および蓋体において、2本の壁部材用折目の両端部分がそれぞれ互いに交差し、さらに、2本のフラップ用折目の両端部分もそれぞれ互いに交差するので、主面部材、複数の壁部材および複数のフラップをそれぞれの2本の壁部材用折目およびそれぞれの2本のフラップ用折目を介して互いに折り曲げることによって本体および蓋体を組み立てる際に、それぞれの2本の壁部材用折目の部分およびそれぞれの2本のフラップ用折目の部分において、安定した角度で折り曲げられる。この場合、本体および蓋体において主面部材に対して複数の壁部材および複数のフラップの位置が特定され、そのため、本体および蓋体を一定の形状に組み立てやすい。
この発明にかかるケースでは、たとえば、2本の壁部材用折目の両端部分は、それぞれ、2本の壁部材用折目の中間部分の間の中央を通る壁部材用折目中央直線上で交差するように形成され、さらに2本のフラップ用折目の両端部分は、それぞれ、2本のフラップ用折目の中間部分の間の中央を通るフラップ用折目中央直線上で交差するように形成されることが好ましい。このようにすれば、それぞれの2本の壁部材用折目の部分のうちの一方の壁部材用折目の部分と他方の壁部材用折目の部分とにおいて同等の角度で折り曲げられ、さらに、それぞれの2本のフラップ用折目の部分のうちの一方のフラップ用折目の部分と他方のフラップ用折目の部分とにおいても同等の角度で折り曲げられるので、主面部材および壁部材間の部分と壁部材およびフラップ間の部分すなわち壁部材間の部分とをそれぞれ同等に角張りにくくすることができる。
また、この発明にかかるケースでは、たとえば、複数の壁部材において隣接する2つの壁部材のうちの他方の壁部材と複数のフラップとの重なる部分に鋲用孔がそれぞれ形成され、他方の壁部材に形成された鋲用孔とフラップに形成された鋲用孔とに鋲を通し、鋲をかしめることによって、他方の壁部材とフラップとが固着されることが好ましい。このように他方の壁部材に形成された鋲用孔とフラップに形成された鋲用孔とに鋲を通す場合、本体および蓋体において主面部材に対して複数の壁部材および複数のフラップの位置が特定されるので、それらの鋲用孔に鋲を通しやすい。また、そのように鋲をかしめることによって、壁部材およびフラップを強固に固着することができる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、本体および蓋体において1本ずつの折目しか形成されていないものと比べて角張りにくく、しかも、一定の形状に組み立てやすいケースが得られる。
【0011】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、この発明にかかるケースの一例を示す斜視図である。図1に示すケース10は、収納部を有する箱形の本体20を含む。本体20は、たとえば図2に示す本体部22から組み立てられる。
【0013】
図2に示す本体部22は、たとえばポリプロピレン製シートなどの合成樹脂製シートで形成される。本体部22は、たとえば長方形状の主面部材24を含む。さらに、長方形状の4つ壁部材26a、26b、26c、26dが、主面部材24の4辺から延びてそれぞれ形成される。
【0014】
主面部材24と4つの壁部材26a、26b、26c、26dとの間には、それぞれ、2本の壁部材用折目28、28が形成される。それぞれの2本の壁部材用折目28、28は、それらの中間部分28aが互いに平行に形成される。この場合、各中間部分28aは、その近傍に位置する主面部材24の一辺と平行に形成される。また、それぞれの2本の壁部材用折目28、28は、それらの端部分28b、28bが、それぞれ互いに交差するように形成される。この場合、2本の壁部材用折目28、28の端部分28b、28bは、それぞれ、たとえば図3に示すように、2本の壁部材用折目28、28の中間部分28aの間の中央を通る壁部材用折目中央直線28c上で交差するように形成される。
【0015】
そのため、2本の壁部材用折目28、28の中間部分28aおよび端部分28b、28bで囲まれた部分には、壁部材用折目中央直線28cに関して線対称形状である細長い6角形状の中間斜面部30aが形成される。また、2本の壁部材用折目28、28の端部分28b、28bのそれぞれの間の部分であって、中間斜面部30aを除いた部分には、壁部材用折目中央直線28cに関して線対称形状である2等辺3角形状の端斜面部30b、30bがそれぞれ形成される。
【0016】
また、主面部材24の隅には、それぞれの2本の壁部材用折目28、28の端部分28b、28bによって、2等辺3角形状の山形部分25がそれぞれ形成される。同様に、4つの壁部材26a、26b、26c、26dの隅にも、それぞれの2本の壁部材用折目28、28の端部分28b、28bによって、2等辺3角形状の山形部分27がそれぞれ形成される。
【0017】
さらに、略台形状の4つのフラップ32が、4つの壁部材26a、26b、26c、26dにおいて隣接する2つの壁部材のうちの一方の壁部材から他方の壁部材に向かって延びて、たとえば、対向する2つの壁部材26aおよび26cの長手方向における両辺から他の対向する2つの壁部材26bおよび26dに向かって延びて、それぞれ形成される。これらのフラップ32は、壁部材26bおよび26dに固着されるものである。
【0018】
壁部材26aおよび26cと4つのフラップ32との間には、それぞれ、2本のフラップ用折目34、34が形成される。それぞれの2本のフラップ用折目34、34も、それらの中間部分34aが互いに平行に形成される。この場合、各中間部分34aは、その近傍に位置する壁部材26aまたは26cの辺と平行に形成される。また、それぞれの2本のフラップ用折目34、34は、それらの端部分34b、34bが、それぞれ互いに交差するように形成される。この場合、2本のフラップ用折目34、34の端部分34b、34bは、それぞれ、たとえば図3に示すように、2本のフラップ用折目34、34の中間部分34aの間の中央を通るフラップ用折目中央直線34c上で交差するように形成される。
【0019】
そのため、2本のフラップ用折目34、34の中間部分34aおよび端部分34b、34bで囲まれた部分には、フラップ用折目中央直線34cに関して線対称形状である細長い6角形状の中間斜面部36aが形成される。また、2本のフラップ用折目34、34の端部分34b、34bのそれぞれの間の部分であって、中間斜面部36aを除いた部分には、フラップ用折目中央直線34cに関して線対称形状である2等辺3角形状の端斜面部36b、36bがそれぞれ形成される。
【0020】
また、2つの壁部材26aおよび26cの隅には、それぞれの2本のフラップ用折目34、34の端部分34b、34bによって、2等辺3角形状の山形部分27がそれぞれ形成される。同様に、4つのフラップ32の隅にも、それぞれの2本のフラップ用折目34、34の端部分34b、34bによって、2等辺3角形状の山形部分33がそれぞれ形成される。
【0021】
4つのフラップ32には、たとえば円形の鋲用孔38がそれぞれ形成される。さらに、4つのフラップ32が重なる2つの壁部材26bおよび26dには、4つの鋲用孔40がそれぞれ形成される。この場合、鋲用孔38と鋲用孔40とは、主面部材24に対して4つの壁部材26a〜26dおよび4つのフラップ32をそれぞれの2本の壁部材用折目28、28およびそれぞれの2本のフラップ用折目34、34を介して所定の角度にたとえば90度に折り曲げた場合に、4つのフラップ32と2つの壁部材26bおよび26dとの重なる位置にそれぞれ形成される。
【0022】
図2に示す本体部22は、たとえばトムソン加工によって合成樹脂シートから形成される。この場合、2本の壁部材用折目28、28やその他の折目は、それらの折目となる部分において合成樹脂シートの厚みを薄く成形することによって形成される。
【0023】
図2に示す本体部22を用いて図1に示すケース10の本体20を組み立てるためには、まず、主面部材24に対して4つの壁部材26a〜26dおよび4つのフラップ32が、たとえば、その要部を図3、図4および図5に示すように、それぞれの2本の壁部材用折目28、28およびそれぞれの2本のフラップ用折目34、34を介して、互いに所定の角度にたとえば90度になるように折り曲げられる。このようにして、本体部22が箱形に折り曲げられるとともに、4つの鋲用孔38と4つの鋲用孔40とが互いに重ねられる。この場合、4つのフラップ32は、壁部材26bおよび26dの内側に配置される。
【0024】
そして、図6に示すように、外側から壁部材26bおよび26dの4つの鋲用孔40とフラップ32の4つの鋲用孔38とにたとえばポリカーボネートなど合成樹脂からなる鋲42をそれぞれ通し、図7に示しように、内側からそれらの鋲42をかしめることによって、4つのフラップ32が壁部材26bおよび26dにそれぞれ固着される。このようにして、図1に示すケース10の箱形の本体20が組み立てられる。
【0025】
さらに、図1に示すケース10は、本体20に被せられる蓋体50を含む。蓋体50は、本体20に被せられるために、平面的に見て本体20より一回り大きく形成される。さらに、蓋体50は、本体20に被せられた場合に下端が地に接して天板が本体20から浮き上がることを防止するために、高さ的に見て本体20より少し低く形成される。この蓋体50は、たとえば図8に示す蓋体部52から組み立てられる。なお、蓋体部52も、本体部22と同様に、たとえばトムソン加工によって合成樹脂シートから形成される。
【0026】
図8に示す蓋体部52は、図2に示す本体部22と比べて、全体が同様な形状に形成されているが、天板となる主面部材24が一回り大きく形成され、天板となる主面部材24の大きさに合わせて4つの壁部材26a〜26dがそれぞれ少し長く形成され、さらに、4つの壁部材26a〜26dおよび4つのフラップ32は蓋体50の高さに相当する部分がそれぞれ少し短く形成されている。
【0027】
図8に示す蓋体部52を用いて図1に示すケース10の蓋体50を組み立てるためには、図2に示す本体部22を用いて図1に示すケース10の本体20を組み立てる場合と同様に、主面部材24に対して4つの壁部材26a〜26dおよび4つのフラップ32が、それぞれの2本の壁部材用折目28、28およびそれぞれの2本のフラップ用折目34、34を介して、互いに所定の角度にたとえば90度になるように折り曲げられる。
【0028】
そして、図9に示すように、外側から壁部材26bおよび26dの4つの鋲用孔40とフラップ32の4つの鋲用孔38とにたとえばポリカーボネートなどの合成樹脂からなる鋲42をそれぞれ通し、内側からそれらの鋲42をかしめることによって、4つのフラップ32が壁部材26bおよび26dにそれぞれ固着される。このようにして、図1に示すケース10の蓋体50が組み立てられる。
【0029】
図1に示すケース10では、本体20および蓋体50において、主面部材24および4つの壁部材26a〜26dがそれぞれの2本の壁部材用折目28、28を介して互いに折り曲げられ、さらに、2つの壁部材26b、26dおよび4つのフラップ32がそれぞれの2本のフラップ用折目34、34を介して互いに折り曲げられるので、主面部材および壁部材間と壁部材およびフラップ間すなわち壁部材間とに直線状の1本ずつの折目しか形成されていないケースと比べて、主面部材24および壁部材26a〜26d間の部分と壁部材26b、26dおよびフラップ32間の部分すなわち壁部材26a〜26d間の部分とにおいて、それぞれ角張る部分を少なくすることができ、すなわちそれぞれ角張りにくくすることができる。
【0030】
さらに、図1に示すケース10では、本体20および蓋体50において、2本の壁部材用折目28、28の両方の端部分28b、28bがそれぞれ互いに交差し、さらに、2本のフラップ用折目34、34の両方の端部分34b、34bもそれぞれ互いに交差する。そのため、主面部材24、4つの壁部材26a〜26dおよび4つのフラップ32をそれぞれの2本の壁部材用折目28、28およびそれぞれの2本のフラップ用折目34、34を介して互いに折り曲げることによって本体20および蓋体50を組み立てる際に、それぞれの2本の壁部材用折目28、28の部分およびそれぞれの2本のフラップ用折目34、34の部分において、たとえば45度と補角をなす135度などの安定した角度で折り曲げられる。この場合、本体20および蓋体50において主面部材24に対して4つの壁部材26a〜26dおよび4つのフラップ32の位置が特定され、そのため、本体20および蓋体50をそれぞれ箱形という一定の形状に組み立てることができる。
【0031】
また、図1に示すケース10では、2本の壁部材用折目28、28の両方の端部分28b、28bが、それぞれ、2本の壁部材用折目28、28の中間部分28aの間の中央を通る壁部材用折目中央直線28c上で交差するように形成され、さらに2本のフラップ用折目34、34の両方の端部分34b、34bが、それぞれ、2本のフラップ用折目34、34の中間部分34aの間の中央を通るフラップ用折目中央直線34c上で交差するように形成されている。そのため、それぞれの2本の壁部材用折目28、28の部分のうちの一方の壁部材用折目28の部分と他方の壁部材用折目28の部分とにおいて、たとえば45度と補角をなす135度などの同等の角度で折り曲げられ、さらに、それぞれの2本のフラップ用折目34、34の部分のうちの一方のフラップ用折目34の部分と他方のフラップ用折目34の部分とにおいても、たとえば135度などの同等の角度で折り曲げられる。この場合、特に、2本の壁部材用折目28、28の中間部分28aおよび2本のフラップ用折目34、34の中間部分34aにおいては、それぞれ、たとえば45度と補角をなす135度で折り曲げられる。また、2本の壁部材用折目28、28の端部分28bにおいてはそれぞれたとえば90度から135度までの他の同等な角度で折り曲げられる。さらに、2本のフラップ用折目34、34の端部分34bにおいてもそれぞれたとえば90度から135度までの他の同等な角度で折り曲げられる。そのため、主面部材24および壁部材26a〜26d間の部分と壁部材26b、26dおよびフラップ32間の部分すなわち壁部材26a〜26d間の部分とをそれぞれ同等に角張りにくくすることができる。
【0032】
また、図1に示すケース10では、2つの壁部材26b、26dおよび4つのフラップ32に鋲用孔40および38がそれぞれ形成され、それらの鋲用孔40および38に鋲42をそれぞれ通し、それらの鋲42をかしめることによって、4つのフラップ32と2つの壁部材26b、26dとが固着されている。このように壁部材26b、26dに形成された鋲用孔40とフラップ32に形成された鋲用孔38とに鋲42を通す場合、本体20および蓋体50において主面部材24に対して4つの壁部材26a〜26dおよび4つのフラップ32の位置が特定されるので、それらの鋲用孔40、38が重なり、それらの鋲用孔40、38に鋲42を通しやすい。また、そのように鋲42をかしめることによって、壁部材26b、26dおよびフラップ32を強固に固着することができる。
【0033】
さらに、図1に示すケース10では、特に図9に詳細に示すように、中間斜面部30a、30a、36aに対して角部における2等辺3角形状の3つの端斜面部30b、30b、36bが角部の中央に内側に向かって傾斜しているので、すなわち、3つの端斜面部30b、30b、36bが1つの平面に近づくように傾斜しているので、角部が外側にあまり尖らず、しかも、角部に装飾的に見て斬新な形状を有する。
【0034】
図10は、この発明にかかるケースの他の例を示す斜視図である。図11は、図10に示すケース10の本体20に用いられる本体部22を示す展開図であり、図12は、図10に示すケース10の蓋体50に用いられる蓋体部52を示す展開図であり、図13は、図10に示すケース10の本体20の角部を示す要部斜視図であり、図14は、図10に示すケース10の蓋体50の角部を示す要部斜視図である。
【0035】
図10に示すケース10では、図1に示すケース10と比べて、本体20および蓋体50において、主面部材24および壁部材26a、26c間のそれぞれ2本の壁部材用折目28、28の各端部分28bが3回ずつ交差するように3角波状に形成され、さらに、主面部材24および壁部材26b、26d間のそれぞれ2本の壁部材用折目28、28の各端部分28bが2回ずつ交差するように3角波状に形成されている。
【0036】
図10に示すケース10でも、図1に示すケース10と同様に、図11に示す本体部52を折り曲げ、鋲42を通してかしめることによって、本体20が組み立てられ、さらに、図12に示す蓋体部52を折り曲げ、鋲42を通してかしめることによって、蓋体50が組み立てられる。
【0037】
図10に示すケース10では、図1に示すケース10と比べて、特に図13および図14に示すように、主面部材24および壁部材26a、26c間において、中間斜面部30aと端斜面部30bとの間に2つずつひし形の斜面部30c、30cが形成され、主面部材24および壁部材26b、26d間において、中間斜面部30aと端斜面部30bとの間に1つずつひし形の斜面部30cが形成されている。
【0038】
図10に示すケース10でも、図1に示すケース10に関して奏する効果と同様の効果を奏する。
【0039】
さらに、図10に示すケース10では、図1に示すケース10と比べて、2本の壁部材用折目28、28の各端部分28bが3回ずつ交差しまたは2回ずつ交差している。このように交差した部分は、主面部材24または壁部材26a〜26dに直接的に接続され、主面部材24または壁部材26a〜26dとともに折り曲げられるので、安定した角度で確実に折り曲げられることになる。そのため、図10に示すケース10では、図1に示すケース10と比べて、安定した角度で確実に折り曲げられる部分が増えることになり、安定した角度でさらに折り曲げやすくなる。なお、このように主面部材24または壁部材26a〜26dに直接的に接続され、主面部材24または壁部材26a〜26dとともに折り曲げられる部分は、図1に示すケース10においては、特に図9に示すように、2等辺3角形状の端斜面部30bの周辺の部分であって、主面部材24に直接的に接続されている山形部分25と壁部材26a〜26dに直接的に接続されている山形部分27とであり、図10に示すケース10においては、特に図14に示すように、ひし形の斜面部30cの周辺の部分であって、主面部材24に直接的に接続されている山形部分25と壁部材26a〜26dに直接的に接続されている山形部分27とである。
また、図1および図10に示す各ケース10では、2本のフラップ用折目34、34の各端部分34bも交差している。このように交差した部分は、壁部材26a、26cまたはフラップ32に直接的に接続され、壁部材26a、26cまたはフラップ32とともに折り曲げられるので、安定した角度で確実に折り曲げられることになる。このように壁部材26a、26cまたはフラップ32に直接的に接続され、壁部材26a、26cまたはフラップ32にとともに折り曲げられる部分は、2等辺3角形状の端斜面部36bの周辺の部分であって、壁部材26a、26cに直接的に接続されている山形部分27とフラップ32に直接的に接続されている山形部分33とである。
【0040】
また、図10に示すケース10では、特に図14に示すように、2本の壁部材用折目28、28間の中間斜面部30aと端斜面部30bとの間に1つまたは2つのひし形の斜面部30cが形成されているので、角部およびその周辺部分に装飾的に見て斬新な形状を有する。
【0041】
なお、図1および図10に示す各ケース10では、本体20および蓋体50の各主面部材24が長方形状に形成され、4つの壁部材26a〜26dおよび4つのフラップ32を有するが、主面部材24は正方形状など他の矩形状に形成されてもよく、6角形状、8角形状など他の多角形状に形成されてもよい。また、壁部材やフラップも、それぞれ、主面部材の辺の数に合わせて、6つ、8つなど4つ以外の数を有してもよい。
【0042】
また、図1および図10に示す各ケース10では、対向する2つの壁部材26a、26cの両辺から他の壁部材に向かって延びて4つのフラップ32が形成されているが、4つの壁部材26a〜26dの一方の辺から他の壁部材に向かって延びて4つのフラップ32が形成されてもよい。
【0043】
さらに、図1および図10に示す各ケース10では、2本の壁部材用折目28、28の中間部分28aの全体が互いに平行に形成され、2本のフラップ用折目34、34の中間部分34aの全体も互いに平行に形成されているが、この発明では、2本の壁部材用折目28、28の中間部分28aの一部分が交差するように形成されていてもよく、同様に、2本のフラップ用折目34、34の中間部分34aの一部分が交差するように形成されていてもよい。
【0044】
さらに、図1および図10に示す各ケース10では、4つのフラップ32が壁部材26b、26dに鋲用孔38、40および合成樹脂製の鋲42を用いて固着されているが、溶着によって固着されてもよく、金属製の鋲などを用いて固着されてもよく、接着剤を用いて固着されてもよく、他の固着手段を用いて固着されてもよい。
【0045】
また、図1および図10に示す各ケース10には、たとえば1つの壁部材の表面に、ケース10に収納する物を記載した紙片など入れることができるネームプレートなどが固着されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
この発明にかかるケースは、たとえば机上に置かれて書類などを収納するために利用される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明にかかるケースの一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示すケースの本体に用いられる本体部を示す展開図である。
【図3】図2に示す本体部の要部斜視図である。
【図4】図1に示すケースの本体を組み立てる工程を示す要部斜視図である。
【図5】図1に示すケースの本体を組み立てる工程を示す要部斜視図である。
【図6】図1に示すケースの本体を組み立てる工程を示す要部斜視図である。
【図7】図1に示すケースの本体の角部を示す要部斜視図である。
【図8】図1に示すケースの蓋体に用いられる蓋体部を示す展開図である。
【図9】図1に示すケースの蓋体の角部を示す要部斜視図である。
【図10】この発明にかかるケースの他の例を示す斜視図である。
【図11】図10に示すケースの本体に用いられる本体部を示す展開図である。
【図12】図10に示すケースの蓋体に用いられる蓋体部を示す展開図である。
【図13】図10に示すケースの本体の角部を示す要部斜視図である。
【図14】図10に示すケースの蓋体の角部を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
10 ケース
20 本体
22 本体部
24 主面部材
26a〜26d 壁部材
28 壁部材用折目
28a 中間部分
28b 端部分
28c 壁部材用折目中央直線
30a 中間斜面部
30b 端斜面部
30c 斜面部
32 フラップ
34 フラップ用折目
34a 中間部分
34b 端部分
34c フラップ用折目中央直線
36a 中間斜面部
36b 端斜面部
38、40 鋲用孔
42 鋲
50 蓋体
52 蓋体部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納部を有する箱形の本体、および
平面的に見て前記本体より一回り大きく形成され、前記本体に被せられる蓋体を含み、
前記本体および前記蓋体は、それぞれ、
多角形状の主面部材、
前記主面部材の各辺から延びて形成される複数の壁部材、および
前記複数の壁部材において隣接する2つの壁部材のうちの一方の壁部材から他方の壁部材に向かって延びて形成され、かつ、前記他方の壁部材に固着される複数のフラップを含み、
前記主面部材と前記複数の壁部材との間に2本の壁部材用折目がそれぞれ形成され、
前記複数の壁部材において隣接する2つの壁部材のうちの一方の壁部材と前記複数のフラップとの間に2本のフラップ用折目がそれぞれ形成されるケースにおいて、
前記2本の壁部材用折目は、それらの中間部分が互いに平行に形成され、それらの両端部分がそれぞれ互いに交差するように形成され、さらに
前記2本のフラップ用折目は、それらの中間部分が互いに平行に形成され、それらの両端部分がそれぞれ互いに交差するように形成されていることを特徴とする、ケース。
【請求項2】
前記2本の壁部材用折目の両端部分は、それぞれ、前記2本の壁部材用折目の中間部分の間の中央を通る壁部材用折目中央直線上で交差するように形成され、さらに
前記2本のフラップ用折目の両端部分は、それぞれ、前記2本のフラップ用折目の中間部分の間の中央を通るフラップ用折目中央直線上で交差するように形成される、請求項1に記載のケース。
【請求項3】
前記複数の壁部材において隣接する2つの壁部材のうちの他方の壁部材と前記複数のフラップとの重なる部分に鋲用孔がそれぞれ形成され、
前記他方の壁部材に形成された鋲用孔と前記フラップに形成された鋲用孔とに鋲を通し、前記鋲をかしめることによって、前記他方の壁部材と前記フラップとが固着される、請求項1または請求項2に記載のケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−298468(P2009−298468A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158248(P2008−158248)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000115821)株式会社リヒトラブ (93)
【Fターム(参考)】