説明

ケーブルもしくはパイプ用の貫通手段

本発明は、外部フレーム(11)を具備していて、またフレームの内部に配置された少なくとも一つの密閉モジュール(1)を有していて、また少なくとも一つのモジュールはケーブルもしくはパイプ(8)を囲む、ケーブルもしくはパイプ用の貫通手段に関する。 密閉モジュール(1)は、自身の長手方向に分割され、また実際のケーブルもしくはパイプ(8)に対する自身のダクト領域の適合化用の皮むき加工が可能なシート(3)を備えて組立てられ、また貫通手段の密閉モジュール(1)は、少なくとも一つの膨張装置(12)と共にフレーム(11)の空所を埋めるように意図される。密閉モジュール(1)は、二つの部分に分割用の分割切れ目(2’)を有し、その切れ目は密閉モジュール(1)の長手方向もしくは自身のダクト(4)の長手方向軸(5)に対し傾斜して走り、それによって実際のケーブルもしくはパイプ(8)に対する密閉モジュールの適合化において、モジュールの二つの部分のうちの一つ(1’)は 、第一段階中に180°回転され、その結果傾斜した隙間(6)がモジュールの二つの部分(1’、1”)の間に形成されると同時に、円錐状ダクトが密閉モジュールを貫くのを達成する。モジュールの二つの部分(1’、1”)は、隙間(6)の狭い端部(6´)で互いに接触し、また二つの部分のうちの一つ(1´)は、第二段階中に180°戻し回転され,それによって膨張装置(12)の作動後に密閉モジュール(1)及びフレーム(11)を通り抜けるケーブルもしくはパイプ(8)に対する完全な密閉と同時に、正確な寸法を有する均等な隙間(7)が得られるまで、モジュール(1)は実際のケーブルもしくはパイプ(8)に適合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルもしくはパイプ用の貫通手段に関し、またフレーム内に収納されかつケーブルもしくはパイプを囲んでいる、少なくとも一つの密閉モジュールを有する外部フレームより成る。また、少なくとも一つの密閉モジュールは、少なくとも一つの膨張装置と共にフレームの空所を埋めるよう意図されている。膨張装置によって、密閉モジュール及び場合によっては隣接する一つ以上の密閉モジュールは、密閉が達成されるようにフレームに対しまた互いに対し押圧される。
【背景技術】
【0002】
ケーブルが例えばスイッチキャビネット内にもしくは壁を貫いて挿入される状態にあるとき、密閉フレームは実際の空所の全体を覆って取付けられるという従来技術が在る。ケーブルもしくはパイプはそのとき、フレームを貫通する。密閉モジュールは各ケーブルもしくはパイプの周囲に取付けられる。密閉モジュールは、密閉が達成されるように順に密閉モジュールを互いとフレームに対し押圧する前記膨張装置と共に、フレームの空所を埋める。密閉モジュールは通常、実際のケーブルもしくはパイプが挿入されることを可能にするために長手方向に分割される。異なるケーブルもしくはパイプに密閉モジュールを適合させるために、密閉モジュールは皮むき加工が可能なシートから組立てられる。この技法を使用する周知の解決方法は、英国特許第2186443号明細書と国際公開第01/28057号公報に記載される。
【0003】
周知の技法に伴う一つの問題は、密閉を達成するために完全に正確な数のシートが取り除かれる必要があることである。取り除かれるシートが多過ぎると、密閉モジュールは実際のケーブルもしくはパイプの周囲で緩く嵌めあい、また取り除かれるシートが少な過ぎると、広過ぎる隙間がモジュールの二つの部分の端部の間に形成され、密閉を達成できない。最良の結果を得るためにすなわち、膨張装置が加圧を利用するとき、ケーブルもしくはパイプがクランプされ、また同様にモジュールの二つの部分の端部が共に押圧されるために、極めて小さい隙間が二つの部分の間に存在する必要がある。
【発明の開示】
【0004】
本発明の目的は、前述の型のケーブル用の貫通手段によってこの問題を解決することであり、また本発明の顕著な特徴は添付の請求項に記載される。
【0005】
本発明によって、優れた方法で目的を果たし、また同時にあまり高価でなくかつ製造するのが容易である、ケーブル用の貫通手段が得られる。本発明の貫通手段を用いて、ケーブルもしくはパイプに対する完全に緊密な結合が達成され、その中で密閉モジュールの隔壁で二つに部分化する切れ目は、実際のケーブルもしくはパイプを収納する状態にあるダクトの長手軸方向に対し傾斜して設置される。この傾斜角は、皮むき加工が可能なシートの厚みを考慮して選択される。実際のケーブルもしくはパイプに対するモジュールの適合化において、モジュールの二つの部分のうちの一つは回転され、それによって密閉モジュールを貫く円錐状ダクトを与えている。このモジュールがケーブルもしくはパイプ上に設置されるとき、傾斜した隙間がモジュールの二つの部分の間に形成され、またケーブルもしくはパイプに対するモジュールの適合化において、膨張装置によって互いとフレームに対し押圧される前に、モジュールの二つの部分の間に必要とされるきわめて小さい隙間を形成するために、モジュールの二つの部分が隙間の狭い端部で互いに接触し、また最終的にモジュールの二つの部分のうちの一つが再度180°回転され、また正確な寸法を有する均等な隙間が達成されるまで、密閉モジュールの内部シートは皮むき加工される。
【0006】
本発明は、好適な実施形態と添付の図面を参照することによって以下に詳述される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図によって示されるように、その好適な実施形態に記載の本発明は、前記フレーム内に配置されたケーブルもしくはパイプ用の四つの密閉モジュール1を備える外部フレーム11から成っているケーブル用の貫通手段より成る。またそのモジュールの各々は、フレーム11内に設置された膨張装置12によって圧縮可能になっている二つの部分1’と1”から成る。
【0008】
図2と3において、ケーブルもしくはパイプ8の挿入のための、自身を貫く水平方向の切れ目2を有するそのような既知の密閉モジュールが示される。
【0009】
図4−6において、本発明に記載の密閉モジュール1がどのように見えるか、またモジュールの中でモジュール1を二つの部分1’と1”に分割している分割切れ目2’が密閉モジュールの長手方向もしくはダクト4の長手方向軸5に対し傾斜して走ることが概略的に示される。この分割切れ目2は、皮むき加工が可能なシート3の厚みに応じた傾斜角を有する。密閉モジュール1内に実際の断面を備えるケーブル8の設置において、モジュールの二つの部分のうちの一つ1’は第一段階中に180°回転され、その結果傾斜している隙間6がモジュールの二つの部分1’と1”との間に生ずると同時に円錐状ダクトが密閉モジュール1を貫くのを達成する。次にモジュール1は、モジュールの二つの部分1’と1”が、図5に示されるような隙間6の狭い端部6’で互いに接触するまで、皮むき加工が可能なシート3の取り除きにより実際のケーブル8に適合される。その後の第二段階中に、例えばモジュールの二つの部分の上部1’は再び180°回転され、その結果均等な隙間7が形成され、それは正確な寸法を付けて図6に詳細に示される。次に膨張装置12が作動されるとき、全体的に適切な密閉が、実際のケーブルもしくはパイプ8の周囲で最終的に確立される。
【0010】
選択された実際の事例において、図4−6に示されるように、膨張装置12を有している密閉フレーム11は長方形であり、また対になって配置された同一の二つの密閉モジュールのすぐ傍にある。またそのモジュールは、膨張装置12によってフレーム11内で圧縮可能であり、また密閉モジュール1の各々が、貫通手段を通り抜けているケーブル8の実際の領域に適合された後、第一番に圧縮は実行される。
【0011】
示されない実施形態において、膨張装置は、密閉モジュールを囲んでいるガスケットとして形成される。即ち外辺部がフレームに接触しまた内辺部が密閉モジュールに接触すると同時に、膨張装置はこれらの周囲に広がる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明に記載のケーブルもしくはパイプ用の貫通手段の断面図を示す。
【図2】図2は、図1の貫通手段に現在使用されている既知の密閉モジュールの側面図を示す。
【図3】図3は、実際のケーブルもしくはパイプ用の皮むき加工が可能な内部シートを有する、二つの同一の大きさのモジュール部分から形成される、図2の密閉モジュールの拡大図を示す。
【図4】図4は、モジュール長手方向軸に対し傾斜している切れ目を有する、本発明に記載の密閉モジュールの側面図を示す。
【図5】図5は、左端部で狭い隙間を有するために内部シートの必要数を皮むき加工した後、図4に記載の密閉モジュールを実際のケーブルに適合させる方法を概略的に示す。
【図6】図6は、モジュールの二つの部分の端部の間に均等になっている隙間を形成するために、下部部分に対し上部部分が180°回転された以降に密閉モジュールがどのように見えるかを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部フレーム(11)を具備するケーブルもしくはパイプ用の貫通手段であって、
ケーブルもしくはパイプ(8)を囲んでいて、またフレーム(11)の内部に配置される少なくとも一つの密閉モジュール(1)を有していて、
前記密閉モジュール(1)は、長手方向に分割され、また実際のケーブルもしくはパイプにそのダクト領域を適合させるために皮むき加工が可能なシート(3)を備えて組立てられ、
また前記密閉モジュール(1)は少なくとも一つの膨張装置(12)と共に前記フレーム(11)の空所を埋めるよう意図され、それによって前記密閉モジュール(1)及び場合によっては隣接する一つ以上の密閉モジュールが、密閉が達成されるように圧縮可能である、貫通手段において、
前記密閉モジュール(1)は、二つの部分(1’、1”)に分割用の分割切れ目(2’)を有し、前記切れ目は、前記密閉モジュール(1)の長手方向もしくは自身のダクト(4)の長手方向軸(5)に対し傾斜して走り、また前記分割切れ目(2’)は前記皮むき加工が可能なシート(3)の厚みに応じた傾斜角を有し、
それによって前記実際のケーブルもしくはパイプ(8)に対する前記密閉モジュール(1)の適合化において、前記モジュールの二つの部分のうちの一つ(1’)は、第一段階中に180°回転され、その結果傾斜した隙間(6)が前記モジュールの二つの部分(1’、1”)の間に形成されると同時に、円錐状ダクトが前記密閉モジュール(1)を貫くのを達成し、
その後、前記モジュールの二つの部分(1’、1”)が、前記隙間(6)の狭い端部(6’)で互いに接触し、また前記二つの部分のうちの一つ(1´)は第二段階中に180°戻し回転され、
それによって前記膨張装置(12)の作動後に前記密閉モジュール(1)及び前記フレーム(11)を通り抜ける前記ケーブルもしくはパイプ(8)に対する完全な密閉に加えて、正確な寸法を有する均等な隙間(7)が得られるまで、前記モジュール(1)は前記実際のケーブルもしくはパイプ(8)に適合される、ことを特徴とする、
貫通手段。
【請求項2】
前記密閉フレーム(11)は長方形であり、前記フレーム内に対になって配置される二つもしくは四つの密閉モジュール(1)を有し、また前記モジュールは、これらのモジュールと前記フレーム(11)に対し作用する膨張装置(12)を用いて前記フレーム(11)内で圧縮可能であることを特徴とする、請求項1に記載の貫通手段。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2007−514398(P2007−514398A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543773(P2006−543773)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001828
【国際公開番号】WO2005/057749
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(502125016)ロックステク アクティエボラーグ (5)
【Fターム(参考)】