ケーブルスプライスエンクロージャ内での使用に適したワイヤセパレータ
スプライスエンクロージャ内のスプライスされた多心ケーブルの接続された電線を分離するためのセパレータは、コアと、そのコアから外側に延びて、コアの周囲に、接続された電線を受容するための複数の位置を規定する複数の分離アームとを含む。分離アームの少なくとも一部のものがコアに個々に取りつけられ、これにより、コアに取りつけられる分離アームの数を変えることによって、ワイヤ受容位置の数を変えることが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプライスされた多心ケーブルの接続された電線を分離するために、ケーブルスプライスエンクロージャ内で使用するためのセパレータに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤセパレータは、多心ケーブルの電線間の分離状態を維持することが望ましいか又は必要である場合に、様々な状況で使用されることで知られる。このような状況の1つとして、2本のケーブルの個々の電線を接続できるようにケーブルシースの端部を除去した後、エンクロージャの内部のスプライスをシールして周辺環境から隔離することで、2本の多心ケーブル間にスプライスを形成する場合がある。場合によっては、個々の電線の絶縁材を除去しなければならない(例えば、適当なコネクタを使用して電線を接続しようとする場合)が、その場合にはスプライスの近く(すなわち、絶縁材を除去した部分)の接続された電線間に、また、接続された電線とスプライスエンクロージャとの間に最小距離を確保することが不可欠である。これは、スプライスエンクロージャが例えば25mm2以下の比較的小さい断面積を有する場合に、特に重要である。
【0003】
ケーブルスプライスエンクロージャにおいて使用するためのワイヤセパレータについては、例えば欧州特許出願公開第1 207 608号(タイコ・エレクトロニクス社(Tyco Electronics Corporation))に述べられている。これらのセパレータはいずれも、シーラント材が入ったリザーバ、及びそのリザーバの側壁から延び、スプライスされた4心ケーブルの電線を受容するための通路を与える通路部材を含んでいる。
【0004】
ワイヤセパレータの他の形態は、ドイツ特許出願公開第35 27 658号(セルパック社(Cellpack AG))及び米国特許第6 099 345号(ヒューベル社(Hubbell Incorporated))に述べられている。ドイツ特許出願公開第35 27 658号は、多心ケーブルの自由端が絶縁されている場合に使用される拡張プラグの様々な形態について述べている。述べられる拡張プラグはいずれも、ケーブル内の電線の数に一致する複数の拡散フィンを有し、フィンの長手方向の断面は、拡張プラグをケーブルの端部に押し込んで電線を分離することができるように楔形をしている。米国特許第6 099 345号は、電気的コネクタにおいて使用するための、詳細には、電気的コネクタに固定されたケーブル内のツイストペア線の分離状態を維持するためのワイヤスペーサの様々な形態について述べている。述べられるワイヤスペーサはいずれも、中央コアと、互いにほぼ90°の角度だけ離れた4個の径方向外側に突出するフランジとを有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ケーブルスプライスエンクロージャ内における使用に適したワイヤセパレータであって、特定の数の電線(例えば4本)を含む多心ケーブルとの使用に限定されることなく、異なる数の電線を含むケーブル(例えば5本の電線を含むもの)との使用に容易に適合することができるワイヤセパレータを提供することに関する。本発明は更に、製造が容易かつコスト効率が高く、現場条件でスプライスエンクロージャ内に容易に設置され、スプライスエンクロージャ内部で過度に大きな空間を占有しないワイヤセパレータを提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、スプライスエンクロージャ内のスプライスされた多心ケーブルの接続された電線を分離するためのセパレータであって、コアと、そのコアから外側に延びて、コアの周囲に、接続された電線を受容するための複数の位置を規定する複数の分離アームと、を含み、分離アームの少なくとも一部のものがコアに個々に取りつけられ、これにより、コアに取りつけられる分離アームの数を変えることによって、ワイヤ受容位置の数を変えることが可能である、セパレータを提供する。
【0007】
本発明に基づくセパレータは、コアに取りつけられる分離アームの数を変えることによって、異なる数のケーブルコアを収容するように構成することができる。コアのサイズ、及び分離アームの厚さを適切に選択することによって、本発明に基づくセパレータは、スプライスされたケーブルの接続された電線間に必要な最小距離を維持することができる。
【0008】
本発明の一実施形態では、コアは、永久的に取りつけられた少なくとも1つの分離アームを有する。この構成は、スプライスされたケーブルの接続された電線間にセパレータを配置することを容易にし、接続された電線に対してコアを確実に中央に配置することができる。
【0009】
個々に取りつけられる分離アームはコアにスナップ嵌めすることができるため、現場条件でセパレータの組み立てが容易に行える。一実施形態では、コアは、個々に取りつけられる分離アームがスナップ嵌めされる取りつけ形成部を含む。別の実施形態では、個々に取りつけられる分離アームはそれぞれ、コアの一端とスナップ嵌めにより嵌合する弾性的に可撓なフックを含む。アームはコアの他端と嵌合可能な第2のフックを含んでもよい。第2のフックは、コア上で分離アームの位置を規定することを助けるような堅いものであってもよく、又はセパレータの組み立てに際して、分離アームの一端を他端から区別する必要をなくすために同じものであってもよい。
【0010】
有利な点として、分離アームは、ワイヤ受容位置のサイズを調整するためにコアに対して動かすことが可能である。アームがコアの取りつけ形成部にスナップ嵌めされる実施形態では、アームは取りつけ形成部上で限定された回転を行うことが可能である。別の実施形態では、コアの周囲のアームの間隔は調節可能である。
【0011】
本発明に基づくセパレータは、接続された電線の、コアから離れる方向の運動を制限するための係止部材を、分離アーム上に更に含んでもよい。係止部材を適切に配置することにより、接続された電線の、コアから離れる方向の運動が制限されるために、接続された電線と周囲のスプライスエンクロージャとの間に最小距離が確実に維持される。
【0012】
本発明は更に、上記で定義したようなセパレータを、スプライスエンクロージャと組み合わせて含むケーブルスプライスキットであって、このスプライスエンクロージャが、ケーブルの個々のスプライスされた電線がワイヤセパレータのワイヤ受容位置のそれぞれに配置された状態で、多心ケーブル間のスプライスを封入するようなキットを提供する。セパレータは容易に組み立てられることから、このキットは、電線の適切な電気的絶縁を確保するためにケーブルの接続された電線間に必要な最小の間隔を保った状態で、現場で2本の多心ケーブルを接合することを容易にするものである。
【0013】
スプライスエンクロージャは、2本の多心ケーブル間のインラインスプライスを封入するような形状とすることができる。スプライスエンクロージャは、エンクロージャ内部のケーブルスプライスを包囲するように、エンクロージャ内にそこから樹脂を注入することが可能な注入口を有してもよい。ケーブルスプライスキットは、多心ケーブルの電線を互いに接続するための電気コネクタを更に含んでもよい。
【0014】
本発明は更に、コアと、そのコア部材から外側に延びて、コアの周囲に必要な数の前記ワイヤ受容位置を規定するようにコアに個々に取りつけ可能である複数の分離アームと、を含む、上記に定義したようなセパレータを組み立てるためのキットを提供する。セパレータは比較的単純なキットから容易に組み立てられ、電線の適切な電気的絶縁を確保するためにケーブルの接続された電線間に必要な最小の間隔を保った状態で、現場で2本の多心ケーブルを接合することを容易にするものである。
【0015】
本発明は更に、多心ケーブル間のスプライスを形成するための方法であって、上記に定義されるようなキットを与える工程と、コアに分離アームを取りつけることにより、スプライス内の接続された電線の数に対応した数のワイヤ受容位置を形成する工程とを含む、方法を更に提供する。ワイヤは電気コネクタによって接続することができる。方法は、接続された電線をセパレータのワイヤ受容位置のそれぞれに配置する工程と、セパレータ及び接続された電線をスプライスエンクロージャ内に封入する工程とを更に含んでもよい。方法は、エンクロージャ内の接続された電線をシール材で包囲する工程を更に含んでもよい。
【0016】
更なる一態様では、本発明は、スプライスされたケーブルの接続された電線が、上記に定義されるようなセパレータのワイヤ受容位置のそれぞれに配置された、多心ケーブル間のスプライスを提供する。接続された電線は、それぞれ電気コネクタによって互いに接続することができる。本発明のこの態様に基づくケーブルスプライスでは、セパレータ及び接続された電線はスプライスエンクロージャ内に収容することができ、このスプライスエンクロージャをシール材で充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照してあくまで一例として説明する。
【図1】スプライスエンクロージャの斜視図。
【図2】開いた状態のスプライスエンクロージャ。
【図3】図1及び図2のスプライスエンクロージャの中央部分内における異なるワイヤセパレータの使用を模式的に示す。
【図4】図1及び図2のスプライスエンクロージャの中央部分内における異なるワイヤセパレータの使用を模式的に示す。
【図5】図3のワイヤセパレータの斜視図。
【図6】図5のワイヤセパレータのコア部材。
【図7】図5のワイヤセパレータの分離アーム。
【図8】図6のコア部材に図7の分離アームを取りつけるプロセスを示したものであり、コア部材は部分切り欠き図にて示されている。
【図9】図1及び図2のスプライスエンクロージャの中央部分内における別のワイヤセパレータの形態の使用を模式的に示す。
【図10】図9のワイヤセパレータのアセンブリ。
【図11】図7の分離アームの改変形態。
【図12】ワイヤセパレータの更なる実施形態の例の斜視図。
【図13】図12のワイヤセパレータのコア要素。
【図14】図12のワイヤセパレータの分離アーム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、端部部分3から反対方向にエンクロージャに入る2本のケーブル(図に示されていない)間のスプライスを包囲及び保護するために使用されるインラインスプライスエンクロージャ1を示している。各端部部分3は、入ってくるそれぞれのケーブルのシースを包囲して、これをシールするシール材のリング4を含んでいる。
【0019】
図2は、開いた状態にあるエンクロージャ1を示したものであり、この状態からエンクロージャ1をケーブルスプライスの周囲に閉じることができる。端部部分3のシール材のリング4は、この図では省略されている。エンクロージャ1は、使用時にその内部にケーブルスプライスが配置されるほぼ円筒状の中央部分5を有し、中央部分5からはテーパ部分7が端部部分3に延びている。エンクロージャの上側部分(図に見られる)は、エンクロージャの上部に沿って合わされる2つの部分5A、5Bに分けられ、部分5A、5Bはエンクロージャの下側部分5Cのそれぞれの縁部6にヒンジ連結されることによって、図2に示される位置へと開くことができる。開いたエンクロージャ内に、同一直線上に並ぶようにスプライスされたケーブルを、スプライスが中央部分5に位置し、ケーブルがそれぞれの端部部分3に位置するようにして配置する。次いでエンクロージャの2つの上側部分5A、5Bを閉じ、点9においてラッチすることで、端部部分3のシール材のリング4が、入ってくるケーブルとシール係合し、この後、例えば適当な樹脂のような適当な液体シール材を本体の上側部分の充填剤開口部11からエンクロージャ1に流し込んで、硬化させる。エンクロージャ1の上側部分の通気口13が、充填手順においてエンクロージャから空気を逃がす。
【0020】
一般的に、2本のケーブル間にインラインスプライスを形成するには、ケーブルシースの端部を除去して2本のケーブルの電線(又は多心ケーブルの場合には、個々の電線)を互いにスプライスできるようにする。場合によっては、例えば、電線が適当なワイヤコネクタを使用して互いに接続される場合には、電線の端部の絶縁材も除去され、更に多心ケーブルが使用される場合には、ワイヤ絶縁材が除去された領域の電線(使用されている場合にはコネクタを含む)間、更に、接続された電線とスプライスエンクロージャの外表面との間に最小距離を維持することが不可欠である。低電圧ケーブル(すなわち、1000V AC以下の交流電圧を流すケーブル)の場合では、個々の電線/コネクタの適切な電気的絶縁を確保するのに必要とされる典型的な最小距離は5mmである。このような最小距離は、スプライスエンクロージャが例えば25mm2以下の比較的小さい断面積を有する場合に特に実現が困難となりうるが、後述するように、エンクロージャ1の中央部分5においてワイヤセパレータを使用することによって確保することができる。
【0021】
図3は、エンクロージャが2本の5心ケーブル間のスプライスを収容する場合に、図1及び2のエンクロージャ1において使用されるワイヤセパレータ15の第1の形態を示す。ケーブルシースの端部及びワイヤ絶縁材は除去されており、ケーブルの個々の電線は従来の電気コネクタを用いて互いにスプライスされている。図3にはエンクロージャ1の中央部分5の一部のみが示されているが、分かりやすくするために残りの部分は省略してある。やはり図5にエンクロージャ1から離れた状態で示されるセパレータ15は、5つの分離アーム19が径方向に延出した円筒状のコア17を有している。図3に示されるように、分離アーム19はコア17の周囲に等間隔で配され、分離アーム19間の空間は、5心ケーブルの電線24を互いに接続する電気コネクタ23がそれぞれ配置される5つのワイヤ受容位置21を規定している。アーム19は、エンクロージャ1の内表面と係合するだけ充分遠く外側に延びており、これらは同じものであることから、コア17はアームに対して、またエンクロージャ内部においてほぼ中央に配置される。必要な場合、横断部材(図に示されていない)を分離アーム19の外側の端部に設けることによって、アームとエンクロージャの内面との間の係合性を高めることができる。
【0022】
図4は、4心ケーブルと使用することを想定した同様のワイヤセパレータ25を示す。セパレータ25は、径方向に延びるアーム27が4本のみであり、したがって、4心ケーブルの電線(図では見えない)を互いに接続する電気コネクタ31がそれぞれ配置される、ワイヤ受容位置29が4つしか与えられない点において、図3のセパレータ15と異なっている。
【0023】
ワイヤセパレータ15、25のそれぞれのコア17のサイズは、電気コネクタ23、31の間、したがって、2本のケーブルのスプライスされた電線間に所定の最小間隔が確実に維持されるように選択される。
【0024】
次に図3及び5のセパレータ15の組み立てについて、図6〜8を参照して述べる。最初に、組み立てプロセスについて、スプライスされたケーブルについては考慮せずに述べる。
【0025】
セパレータは、図6に示されるコア部材33と、それぞれが図7に示されるような4個の同じアーム部材35とを含んでいる。コア部材33は、セパレータのコア17及び分離アーム19の1つを与える。コア17の両端は、図8にその両方が見られる円錐状の入口部分37、39を有している。アーム部材35はそれぞれ、一端に堅いフック形成部41を、他端に弾性的に可撓なフック形成部43を有する、コア17と同様の長さのプレートの形状を有している。フック形成部41、43は、コアの円錐状の入口部分37、39に嵌合し、これによりアーム部材35をコアに取りつけるような形状に形成されている。この取りつけプロセスを図8に示す。堅いフック形成部41を、まずコアの円錐状の入口部分37に完全に嵌めた後、アーム部材35の他端の弾性的に可撓なフック形成部43を、コアの他端の円錐状の入口部分39にスナップ嵌めすることができる。更に追加のアーム部材35(この場合、3個の更なるアーム部材)を同様にコア17に取りつけることによって、コアの周囲に必要な数のワイヤ受容位置21を与えることができる。
【0026】
図4のセパレータ25も同様に組み立てられる。
【0027】
アーム部材35の堅いフック形成部41の先端部は、特に既に取りつけられたアーム部材35の存在によって利用可能な空間が限定されている場合に、コア17の入口部分37に先端部を挿入する作業を容易にするために楔形に形成されている。しかしながら、これに代えて、アーム部材35の両端のフック形成部を弾性的に可撓なものとすることにより、セパレータの組み立てに際して、アーム部材の一端を他端と区別する必要をなくすこともできる。
【0028】
実際には、セパレータ15、25は、最初に、スプライスされたケーブルの電線24を互いに接続する電気コネクタ23の間にコア部材33を配置することによって組み立てられる。コア部材33の一体形成された分離アーム19がコネクタ23のうちの2個の間で外側に延び、コネクタ同士を手で搾り合わせることによって、コア17を中央の位置に押し込むことができる。次に上記に述べたようにして、アーム部材35を、各アーム部材がコネクタ23のそれぞれのペアの間に挿入されるようにしてコア17に取りつける。次に、ケーブルスプライスを、組み立てられたセパレータ15とともに、開いたスプライスエンクロージャ1(図2)の中央に配置してから、上記に述べたようにエンクロージャ1を閉じて、樹脂を充填することができる。
【0029】
アーム部材35の構造により、アーム部材35はコア17の周囲で動くことが可能であり、これにより、コア17の周囲、及びスプライスエンクロージャ1の内部で最適な位置をとることが可能である。有利な点として、アーム部材35は、スプライスエンクロージャ1内の空間にアーム部材35が一致し、スプライスされたケーブルの電線24のサイズに調整することができるようなわずかな可撓性を有する。必要な場合、上記に述べた組み立て手順を逆に行うことによってアーム部材35をコア17から取り外すことにより、ワイヤ受容位置がより少ないワイヤセパレータを与えることができる。
【0030】
必要に応じて、セパレータ15、25を、一体形成された分離アーム19を有さない円筒状のコア部材を使用して構成してもよく、所望の数のアーム部材35をこれに取りつけることができる。また、1個よりも多い一体形成されたワイヤ分離アームを含むコア部材を使用することもできる。
【0031】
図11に示される更なる改変例では、セパレータ15、25の各アーム部材35の両側面に、外側に延びる棒状部材53が設けられている。セパレータのコア部材の一体形成された分離アーム19がある場合には、これに同様の棒状部材が設けられる。棒状部材53は、ケーブルスプライスの電気コネクタ23がセパレータのコア17から離れる方向に外側に動くことを防止する係止部材として機能し、コネクタ23とスプライスエンクロージャ1との間の必要な最小距離を確実に維持する。
【0032】
図9は、図1及び2のスプライスエンクロージャと同様のスプライスエンクロージャ内の5心ケーブルと使用されているワイヤセパレータ45の別の形態を示している。図3と同様、図9にはスプライスエンクロージャの中央部分5の一部のみが示されているが、分かりやすくするために残りの部分は省略してある。セパレータ45(やはり図10に、エンクロージャ1から離れ、部分的に組み立てられた状態で示される)は、5つの分離アーム49が径方向に延出した中実コア47を有している。アーム49はコア47の周囲に等間隔で配され、分離アーム間の空間は、5心ケーブルの5本のスプライスされた電線23がそれぞれ配置される5つのワイヤ受容位置21を規定している。アーム49はエンクロージャ1の内表面と係合するだけ充分遠く外側に延びており、これらは同じものであることから、コア47をエンクロージャ内でほぼ中央に位置決めする。湾曲した外側表面を有する横断部材51をアーム49の外側の端部に設けることによって、スプライスエンクロージャ1の内面との高い協働性が確保される。
【0033】
アーム49のうちの1つ(参照符合49Aにより示される)は、セパレータ45のコア47と一体形成されているが、残りのアームは、コア上に星の腕のように配置された取りつけ形成部50に玉継ぎ手の要領でスナップ嵌めされている。これらのアームは、取りつけ形成部50上でわずかに回転することが可能であるために、スプライスエンクロージャの内部の空間、及びスプライスされたケーブルの電線のサイズにアームが一致するようになっている。より少ない数のワイヤ受容位置21が必要とされる場合には、分離アーム49の1つ以上を省けばよく、残りのアームの位置はこれに応じて調整される。
【0034】
セパレータ45は、図3及び4のセパレータ15、25と同様にして、スプライスされたケーブルの電気コネクタ間で組み立てられる。
【0035】
図9及び10のワイヤセパレータ45は、スプライスエンクロージャ1の中央部分5の全長に沿って延びていないが、必要であればそのように改変することができる。必要な場合には、分離アーム49の外側端部の横断部材51は省くことができる。
【0036】
図12に、ワイヤセパレータ58の更なる実施形態である変形例を示す。セパレータ58は、5つの分離アーム52が径方向に延出する円筒状のコア59を有している。分離アーム52はコア59の周囲に互いから等間隔となるように配置され、分離アーム間の領域は、5線ケーブルの電線24を互いに接続する電気コネクタ23を適宜配置することが可能な5つのワイヤ受容位置21を規定している。アーム52は、スリーブ1の内表面と接触するだけ充分遠く外側に延びており、これらは同じものであることから、コア59はアームに対して、またスリーブ内においてほぼ中央に配置される。ワイヤセパレータ58内のコア59のサイズは、電気コネクタ23、31間の、したがって接続されたケーブルの接続された電線間の所定の最小距離が確実に維持されるように選択される。
【0037】
このセパレータは、図13に表されるコア要素60、及びそれぞれが図14に表される外観を有する4個の同じアーム要素54を与える。コア要素60は、コア59及びセパレータの分離アーム52の1つを与える。コア59の両端は、円錐状の受容位置37、39を有している。各アーム要素54はコア59の長さに一致した長さを有するプレートの形状を有し、一端に堅いフック形成部41、及び他端に弾性的に可撓なフック形成部43を有している。フック形成部41、43は、コアの円錐状の受容位置37、39に嵌合するような形状に形成され、これにより要素54がコア上に固定される。この取りつけプロセスは、図8に表される取りつけプロセスに対応している。アーム要素54の堅いフック形成部41の先端部は、特に既に取りつけられたアーム要素54の存在によって利用可能な空間が限定される場合に、コア59の受容位置37内にフックを導入する作業を容易にするために楔形に設計されている。しかしながら、また、アーム要素54の両端のフック形成部を弾性的に可撓性に設計することにより、組み立ての際に、セパレータ58のアーム要素の一端を他端から区別する必要をなくすこともできる。
【0038】
アーム要素54の構造により、コア59の周囲でアーム要素54が動き、このプロセスにより、アーム要素54はコア59の周囲及び接続スリーブ1内で最適位置をとることが可能である。有利な点として、アーム要素54は、接続スリーブ1内の空間及び接続されたケーブルの電線24のサイズにアーム要素54を適合させることができるようなわずかな可撓性を有する。必要な場合、より少ない数のワイヤ受容領域を有するワイヤセパレータとするため、上記に述べた組み立てのプロセスを逆の順序で行うことによって、コア59からアーム要素54を取り外すことができる。
【0039】
図12〜14に表されるワイヤセパレータ58は、コア59がその端部領域においてのみ円筒状の構造を有する点において、図5〜7に表されるワイヤセパレータ15とは異なっている。コアは、その中央領域においては星形の断面を有している。更に、コア上に配置された分離アーム52は、コア59と平行に延びる2個の長手方向の開口部55を有している。これらの開口部により、樹脂によるスリーブの充填時にスリーブ1内の空気が逃げることができる。更に、樹脂は、充填時にこれらの開口部を通過して、スリーブ1内に均一に拡がることができる。分離アーム52は、長手方向の開口部55以外に、その外縁部57に沿って円形の開口部56を有する。円形の開口部56は互い違いに配置されている。円形の開口部56もまた、樹脂によるスリーブの充填時にスリーブ内の空気を逃がす機能を有する。更に、樹脂は、充填時にこれらの開口部を通過して、スリーブ内に均一に拡がることができる。この実施形態の例では、蛇行した構造を有する外縁部57によって同じ機能が行われる。この形状により、外縁部57がスリーブ壁に対してその全長にわたって当接することが防止される。このため、分離アーム52とスリーブ壁との間の隙間から空気が逃げるか、又はこの隙間を樹脂が通過することができる。ワイヤセパレータが、長手方向の開口部55のみ、又は円形の開口部56のみ、又は蛇行した縁部57のみ、又はこれらの特徴のそれぞれ2つを有することも可能である。
【0040】
上記に述べたワイヤセパレータ15、25、45、58は、セパレータが使用される環境と適合した任意の適当な材料、好ましくは絶縁材で形成することができる。セパレータと、スプライスエンクロージャ内に注入される樹脂との間の高い接着性を確保するために選択される好ましい材料の1つとして、ポリカーボネートがある(この材料から、セパレータの個々の要素を成型プロセスによって形成することができる)。他の材料及び製造プロセスを適宜使用することができる。
【0041】
図面を参照して上記に述べたワイヤセパレータは単純な構造のものであるが、コネクタとスプライスされた多心ケーブルの電線との間の特定の最小距離を維持することが可能である。この最小距離は分離アームの厚さによって規定され、電線を接合するために使用される電気コネクタの直径とは無関係に維持される(電気コネクタの直径は従来の範囲に含まれるものと仮定する)。電気コネクタがセパレータの中心付近に配置されるものとすると、セパレータは更に、コネクタ/電線と周囲のスプライスエンクロージャとの間の最小距離を規定する機能も有する。セパレータの簡単な構造の利点は、製造が容易であり、スプライスエンクロージャ内部の空間で過度に大きな空間を占有しないことである。セパレータは2種類の要素のみから組み立てられるため、現場条件で設置することが容易であり、異なる数のケーブルコアが収容されるように適合可能である。
【0042】
図面を参照して上記に述べたワイヤセパレータは、他のスプライスの構成とともに、また、図1及び2に示されるスプライスエンクロージャ以外の異なる形態のスプライスエンクロージャとともに、必要に応じて、セパレータが収容されるエンクロージャ内部の空間を考慮した適切な改変を行って使用することも可能である点は認識されるであろう。スプライスエンクロージャの他の形態については、例えば欧州特許出願公開第1 122571号(コーニング・ケーブル・システム社(Corning Cable Systems))、ドイツ特許出願公開第296 19 002 U号(ポール・ジョーダン社(Paul Jordan))、ドイツ特許出願公開第199 58 982号(ホーエン社(Hoehne GmbH))、及びドイツ特許出願公開第42 22 959号(セルパック社(Cellpack AG))に述べられている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプライスされた多心ケーブルの接続された電線を分離するために、ケーブルスプライスエンクロージャ内で使用するためのセパレータに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤセパレータは、多心ケーブルの電線間の分離状態を維持することが望ましいか又は必要である場合に、様々な状況で使用されることで知られる。このような状況の1つとして、2本のケーブルの個々の電線を接続できるようにケーブルシースの端部を除去した後、エンクロージャの内部のスプライスをシールして周辺環境から隔離することで、2本の多心ケーブル間にスプライスを形成する場合がある。場合によっては、個々の電線の絶縁材を除去しなければならない(例えば、適当なコネクタを使用して電線を接続しようとする場合)が、その場合にはスプライスの近く(すなわち、絶縁材を除去した部分)の接続された電線間に、また、接続された電線とスプライスエンクロージャとの間に最小距離を確保することが不可欠である。これは、スプライスエンクロージャが例えば25mm2以下の比較的小さい断面積を有する場合に、特に重要である。
【0003】
ケーブルスプライスエンクロージャにおいて使用するためのワイヤセパレータについては、例えば欧州特許出願公開第1 207 608号(タイコ・エレクトロニクス社(Tyco Electronics Corporation))に述べられている。これらのセパレータはいずれも、シーラント材が入ったリザーバ、及びそのリザーバの側壁から延び、スプライスされた4心ケーブルの電線を受容するための通路を与える通路部材を含んでいる。
【0004】
ワイヤセパレータの他の形態は、ドイツ特許出願公開第35 27 658号(セルパック社(Cellpack AG))及び米国特許第6 099 345号(ヒューベル社(Hubbell Incorporated))に述べられている。ドイツ特許出願公開第35 27 658号は、多心ケーブルの自由端が絶縁されている場合に使用される拡張プラグの様々な形態について述べている。述べられる拡張プラグはいずれも、ケーブル内の電線の数に一致する複数の拡散フィンを有し、フィンの長手方向の断面は、拡張プラグをケーブルの端部に押し込んで電線を分離することができるように楔形をしている。米国特許第6 099 345号は、電気的コネクタにおいて使用するための、詳細には、電気的コネクタに固定されたケーブル内のツイストペア線の分離状態を維持するためのワイヤスペーサの様々な形態について述べている。述べられるワイヤスペーサはいずれも、中央コアと、互いにほぼ90°の角度だけ離れた4個の径方向外側に突出するフランジとを有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ケーブルスプライスエンクロージャ内における使用に適したワイヤセパレータであって、特定の数の電線(例えば4本)を含む多心ケーブルとの使用に限定されることなく、異なる数の電線を含むケーブル(例えば5本の電線を含むもの)との使用に容易に適合することができるワイヤセパレータを提供することに関する。本発明は更に、製造が容易かつコスト効率が高く、現場条件でスプライスエンクロージャ内に容易に設置され、スプライスエンクロージャ内部で過度に大きな空間を占有しないワイヤセパレータを提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、スプライスエンクロージャ内のスプライスされた多心ケーブルの接続された電線を分離するためのセパレータであって、コアと、そのコアから外側に延びて、コアの周囲に、接続された電線を受容するための複数の位置を規定する複数の分離アームと、を含み、分離アームの少なくとも一部のものがコアに個々に取りつけられ、これにより、コアに取りつけられる分離アームの数を変えることによって、ワイヤ受容位置の数を変えることが可能である、セパレータを提供する。
【0007】
本発明に基づくセパレータは、コアに取りつけられる分離アームの数を変えることによって、異なる数のケーブルコアを収容するように構成することができる。コアのサイズ、及び分離アームの厚さを適切に選択することによって、本発明に基づくセパレータは、スプライスされたケーブルの接続された電線間に必要な最小距離を維持することができる。
【0008】
本発明の一実施形態では、コアは、永久的に取りつけられた少なくとも1つの分離アームを有する。この構成は、スプライスされたケーブルの接続された電線間にセパレータを配置することを容易にし、接続された電線に対してコアを確実に中央に配置することができる。
【0009】
個々に取りつけられる分離アームはコアにスナップ嵌めすることができるため、現場条件でセパレータの組み立てが容易に行える。一実施形態では、コアは、個々に取りつけられる分離アームがスナップ嵌めされる取りつけ形成部を含む。別の実施形態では、個々に取りつけられる分離アームはそれぞれ、コアの一端とスナップ嵌めにより嵌合する弾性的に可撓なフックを含む。アームはコアの他端と嵌合可能な第2のフックを含んでもよい。第2のフックは、コア上で分離アームの位置を規定することを助けるような堅いものであってもよく、又はセパレータの組み立てに際して、分離アームの一端を他端から区別する必要をなくすために同じものであってもよい。
【0010】
有利な点として、分離アームは、ワイヤ受容位置のサイズを調整するためにコアに対して動かすことが可能である。アームがコアの取りつけ形成部にスナップ嵌めされる実施形態では、アームは取りつけ形成部上で限定された回転を行うことが可能である。別の実施形態では、コアの周囲のアームの間隔は調節可能である。
【0011】
本発明に基づくセパレータは、接続された電線の、コアから離れる方向の運動を制限するための係止部材を、分離アーム上に更に含んでもよい。係止部材を適切に配置することにより、接続された電線の、コアから離れる方向の運動が制限されるために、接続された電線と周囲のスプライスエンクロージャとの間に最小距離が確実に維持される。
【0012】
本発明は更に、上記で定義したようなセパレータを、スプライスエンクロージャと組み合わせて含むケーブルスプライスキットであって、このスプライスエンクロージャが、ケーブルの個々のスプライスされた電線がワイヤセパレータのワイヤ受容位置のそれぞれに配置された状態で、多心ケーブル間のスプライスを封入するようなキットを提供する。セパレータは容易に組み立てられることから、このキットは、電線の適切な電気的絶縁を確保するためにケーブルの接続された電線間に必要な最小の間隔を保った状態で、現場で2本の多心ケーブルを接合することを容易にするものである。
【0013】
スプライスエンクロージャは、2本の多心ケーブル間のインラインスプライスを封入するような形状とすることができる。スプライスエンクロージャは、エンクロージャ内部のケーブルスプライスを包囲するように、エンクロージャ内にそこから樹脂を注入することが可能な注入口を有してもよい。ケーブルスプライスキットは、多心ケーブルの電線を互いに接続するための電気コネクタを更に含んでもよい。
【0014】
本発明は更に、コアと、そのコア部材から外側に延びて、コアの周囲に必要な数の前記ワイヤ受容位置を規定するようにコアに個々に取りつけ可能である複数の分離アームと、を含む、上記に定義したようなセパレータを組み立てるためのキットを提供する。セパレータは比較的単純なキットから容易に組み立てられ、電線の適切な電気的絶縁を確保するためにケーブルの接続された電線間に必要な最小の間隔を保った状態で、現場で2本の多心ケーブルを接合することを容易にするものである。
【0015】
本発明は更に、多心ケーブル間のスプライスを形成するための方法であって、上記に定義されるようなキットを与える工程と、コアに分離アームを取りつけることにより、スプライス内の接続された電線の数に対応した数のワイヤ受容位置を形成する工程とを含む、方法を更に提供する。ワイヤは電気コネクタによって接続することができる。方法は、接続された電線をセパレータのワイヤ受容位置のそれぞれに配置する工程と、セパレータ及び接続された電線をスプライスエンクロージャ内に封入する工程とを更に含んでもよい。方法は、エンクロージャ内の接続された電線をシール材で包囲する工程を更に含んでもよい。
【0016】
更なる一態様では、本発明は、スプライスされたケーブルの接続された電線が、上記に定義されるようなセパレータのワイヤ受容位置のそれぞれに配置された、多心ケーブル間のスプライスを提供する。接続された電線は、それぞれ電気コネクタによって互いに接続することができる。本発明のこの態様に基づくケーブルスプライスでは、セパレータ及び接続された電線はスプライスエンクロージャ内に収容することができ、このスプライスエンクロージャをシール材で充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照してあくまで一例として説明する。
【図1】スプライスエンクロージャの斜視図。
【図2】開いた状態のスプライスエンクロージャ。
【図3】図1及び図2のスプライスエンクロージャの中央部分内における異なるワイヤセパレータの使用を模式的に示す。
【図4】図1及び図2のスプライスエンクロージャの中央部分内における異なるワイヤセパレータの使用を模式的に示す。
【図5】図3のワイヤセパレータの斜視図。
【図6】図5のワイヤセパレータのコア部材。
【図7】図5のワイヤセパレータの分離アーム。
【図8】図6のコア部材に図7の分離アームを取りつけるプロセスを示したものであり、コア部材は部分切り欠き図にて示されている。
【図9】図1及び図2のスプライスエンクロージャの中央部分内における別のワイヤセパレータの形態の使用を模式的に示す。
【図10】図9のワイヤセパレータのアセンブリ。
【図11】図7の分離アームの改変形態。
【図12】ワイヤセパレータの更なる実施形態の例の斜視図。
【図13】図12のワイヤセパレータのコア要素。
【図14】図12のワイヤセパレータの分離アーム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、端部部分3から反対方向にエンクロージャに入る2本のケーブル(図に示されていない)間のスプライスを包囲及び保護するために使用されるインラインスプライスエンクロージャ1を示している。各端部部分3は、入ってくるそれぞれのケーブルのシースを包囲して、これをシールするシール材のリング4を含んでいる。
【0019】
図2は、開いた状態にあるエンクロージャ1を示したものであり、この状態からエンクロージャ1をケーブルスプライスの周囲に閉じることができる。端部部分3のシール材のリング4は、この図では省略されている。エンクロージャ1は、使用時にその内部にケーブルスプライスが配置されるほぼ円筒状の中央部分5を有し、中央部分5からはテーパ部分7が端部部分3に延びている。エンクロージャの上側部分(図に見られる)は、エンクロージャの上部に沿って合わされる2つの部分5A、5Bに分けられ、部分5A、5Bはエンクロージャの下側部分5Cのそれぞれの縁部6にヒンジ連結されることによって、図2に示される位置へと開くことができる。開いたエンクロージャ内に、同一直線上に並ぶようにスプライスされたケーブルを、スプライスが中央部分5に位置し、ケーブルがそれぞれの端部部分3に位置するようにして配置する。次いでエンクロージャの2つの上側部分5A、5Bを閉じ、点9においてラッチすることで、端部部分3のシール材のリング4が、入ってくるケーブルとシール係合し、この後、例えば適当な樹脂のような適当な液体シール材を本体の上側部分の充填剤開口部11からエンクロージャ1に流し込んで、硬化させる。エンクロージャ1の上側部分の通気口13が、充填手順においてエンクロージャから空気を逃がす。
【0020】
一般的に、2本のケーブル間にインラインスプライスを形成するには、ケーブルシースの端部を除去して2本のケーブルの電線(又は多心ケーブルの場合には、個々の電線)を互いにスプライスできるようにする。場合によっては、例えば、電線が適当なワイヤコネクタを使用して互いに接続される場合には、電線の端部の絶縁材も除去され、更に多心ケーブルが使用される場合には、ワイヤ絶縁材が除去された領域の電線(使用されている場合にはコネクタを含む)間、更に、接続された電線とスプライスエンクロージャの外表面との間に最小距離を維持することが不可欠である。低電圧ケーブル(すなわち、1000V AC以下の交流電圧を流すケーブル)の場合では、個々の電線/コネクタの適切な電気的絶縁を確保するのに必要とされる典型的な最小距離は5mmである。このような最小距離は、スプライスエンクロージャが例えば25mm2以下の比較的小さい断面積を有する場合に特に実現が困難となりうるが、後述するように、エンクロージャ1の中央部分5においてワイヤセパレータを使用することによって確保することができる。
【0021】
図3は、エンクロージャが2本の5心ケーブル間のスプライスを収容する場合に、図1及び2のエンクロージャ1において使用されるワイヤセパレータ15の第1の形態を示す。ケーブルシースの端部及びワイヤ絶縁材は除去されており、ケーブルの個々の電線は従来の電気コネクタを用いて互いにスプライスされている。図3にはエンクロージャ1の中央部分5の一部のみが示されているが、分かりやすくするために残りの部分は省略してある。やはり図5にエンクロージャ1から離れた状態で示されるセパレータ15は、5つの分離アーム19が径方向に延出した円筒状のコア17を有している。図3に示されるように、分離アーム19はコア17の周囲に等間隔で配され、分離アーム19間の空間は、5心ケーブルの電線24を互いに接続する電気コネクタ23がそれぞれ配置される5つのワイヤ受容位置21を規定している。アーム19は、エンクロージャ1の内表面と係合するだけ充分遠く外側に延びており、これらは同じものであることから、コア17はアームに対して、またエンクロージャ内部においてほぼ中央に配置される。必要な場合、横断部材(図に示されていない)を分離アーム19の外側の端部に設けることによって、アームとエンクロージャの内面との間の係合性を高めることができる。
【0022】
図4は、4心ケーブルと使用することを想定した同様のワイヤセパレータ25を示す。セパレータ25は、径方向に延びるアーム27が4本のみであり、したがって、4心ケーブルの電線(図では見えない)を互いに接続する電気コネクタ31がそれぞれ配置される、ワイヤ受容位置29が4つしか与えられない点において、図3のセパレータ15と異なっている。
【0023】
ワイヤセパレータ15、25のそれぞれのコア17のサイズは、電気コネクタ23、31の間、したがって、2本のケーブルのスプライスされた電線間に所定の最小間隔が確実に維持されるように選択される。
【0024】
次に図3及び5のセパレータ15の組み立てについて、図6〜8を参照して述べる。最初に、組み立てプロセスについて、スプライスされたケーブルについては考慮せずに述べる。
【0025】
セパレータは、図6に示されるコア部材33と、それぞれが図7に示されるような4個の同じアーム部材35とを含んでいる。コア部材33は、セパレータのコア17及び分離アーム19の1つを与える。コア17の両端は、図8にその両方が見られる円錐状の入口部分37、39を有している。アーム部材35はそれぞれ、一端に堅いフック形成部41を、他端に弾性的に可撓なフック形成部43を有する、コア17と同様の長さのプレートの形状を有している。フック形成部41、43は、コアの円錐状の入口部分37、39に嵌合し、これによりアーム部材35をコアに取りつけるような形状に形成されている。この取りつけプロセスを図8に示す。堅いフック形成部41を、まずコアの円錐状の入口部分37に完全に嵌めた後、アーム部材35の他端の弾性的に可撓なフック形成部43を、コアの他端の円錐状の入口部分39にスナップ嵌めすることができる。更に追加のアーム部材35(この場合、3個の更なるアーム部材)を同様にコア17に取りつけることによって、コアの周囲に必要な数のワイヤ受容位置21を与えることができる。
【0026】
図4のセパレータ25も同様に組み立てられる。
【0027】
アーム部材35の堅いフック形成部41の先端部は、特に既に取りつけられたアーム部材35の存在によって利用可能な空間が限定されている場合に、コア17の入口部分37に先端部を挿入する作業を容易にするために楔形に形成されている。しかしながら、これに代えて、アーム部材35の両端のフック形成部を弾性的に可撓なものとすることにより、セパレータの組み立てに際して、アーム部材の一端を他端と区別する必要をなくすこともできる。
【0028】
実際には、セパレータ15、25は、最初に、スプライスされたケーブルの電線24を互いに接続する電気コネクタ23の間にコア部材33を配置することによって組み立てられる。コア部材33の一体形成された分離アーム19がコネクタ23のうちの2個の間で外側に延び、コネクタ同士を手で搾り合わせることによって、コア17を中央の位置に押し込むことができる。次に上記に述べたようにして、アーム部材35を、各アーム部材がコネクタ23のそれぞれのペアの間に挿入されるようにしてコア17に取りつける。次に、ケーブルスプライスを、組み立てられたセパレータ15とともに、開いたスプライスエンクロージャ1(図2)の中央に配置してから、上記に述べたようにエンクロージャ1を閉じて、樹脂を充填することができる。
【0029】
アーム部材35の構造により、アーム部材35はコア17の周囲で動くことが可能であり、これにより、コア17の周囲、及びスプライスエンクロージャ1の内部で最適な位置をとることが可能である。有利な点として、アーム部材35は、スプライスエンクロージャ1内の空間にアーム部材35が一致し、スプライスされたケーブルの電線24のサイズに調整することができるようなわずかな可撓性を有する。必要な場合、上記に述べた組み立て手順を逆に行うことによってアーム部材35をコア17から取り外すことにより、ワイヤ受容位置がより少ないワイヤセパレータを与えることができる。
【0030】
必要に応じて、セパレータ15、25を、一体形成された分離アーム19を有さない円筒状のコア部材を使用して構成してもよく、所望の数のアーム部材35をこれに取りつけることができる。また、1個よりも多い一体形成されたワイヤ分離アームを含むコア部材を使用することもできる。
【0031】
図11に示される更なる改変例では、セパレータ15、25の各アーム部材35の両側面に、外側に延びる棒状部材53が設けられている。セパレータのコア部材の一体形成された分離アーム19がある場合には、これに同様の棒状部材が設けられる。棒状部材53は、ケーブルスプライスの電気コネクタ23がセパレータのコア17から離れる方向に外側に動くことを防止する係止部材として機能し、コネクタ23とスプライスエンクロージャ1との間の必要な最小距離を確実に維持する。
【0032】
図9は、図1及び2のスプライスエンクロージャと同様のスプライスエンクロージャ内の5心ケーブルと使用されているワイヤセパレータ45の別の形態を示している。図3と同様、図9にはスプライスエンクロージャの中央部分5の一部のみが示されているが、分かりやすくするために残りの部分は省略してある。セパレータ45(やはり図10に、エンクロージャ1から離れ、部分的に組み立てられた状態で示される)は、5つの分離アーム49が径方向に延出した中実コア47を有している。アーム49はコア47の周囲に等間隔で配され、分離アーム間の空間は、5心ケーブルの5本のスプライスされた電線23がそれぞれ配置される5つのワイヤ受容位置21を規定している。アーム49はエンクロージャ1の内表面と係合するだけ充分遠く外側に延びており、これらは同じものであることから、コア47をエンクロージャ内でほぼ中央に位置決めする。湾曲した外側表面を有する横断部材51をアーム49の外側の端部に設けることによって、スプライスエンクロージャ1の内面との高い協働性が確保される。
【0033】
アーム49のうちの1つ(参照符合49Aにより示される)は、セパレータ45のコア47と一体形成されているが、残りのアームは、コア上に星の腕のように配置された取りつけ形成部50に玉継ぎ手の要領でスナップ嵌めされている。これらのアームは、取りつけ形成部50上でわずかに回転することが可能であるために、スプライスエンクロージャの内部の空間、及びスプライスされたケーブルの電線のサイズにアームが一致するようになっている。より少ない数のワイヤ受容位置21が必要とされる場合には、分離アーム49の1つ以上を省けばよく、残りのアームの位置はこれに応じて調整される。
【0034】
セパレータ45は、図3及び4のセパレータ15、25と同様にして、スプライスされたケーブルの電気コネクタ間で組み立てられる。
【0035】
図9及び10のワイヤセパレータ45は、スプライスエンクロージャ1の中央部分5の全長に沿って延びていないが、必要であればそのように改変することができる。必要な場合には、分離アーム49の外側端部の横断部材51は省くことができる。
【0036】
図12に、ワイヤセパレータ58の更なる実施形態である変形例を示す。セパレータ58は、5つの分離アーム52が径方向に延出する円筒状のコア59を有している。分離アーム52はコア59の周囲に互いから等間隔となるように配置され、分離アーム間の領域は、5線ケーブルの電線24を互いに接続する電気コネクタ23を適宜配置することが可能な5つのワイヤ受容位置21を規定している。アーム52は、スリーブ1の内表面と接触するだけ充分遠く外側に延びており、これらは同じものであることから、コア59はアームに対して、またスリーブ内においてほぼ中央に配置される。ワイヤセパレータ58内のコア59のサイズは、電気コネクタ23、31間の、したがって接続されたケーブルの接続された電線間の所定の最小距離が確実に維持されるように選択される。
【0037】
このセパレータは、図13に表されるコア要素60、及びそれぞれが図14に表される外観を有する4個の同じアーム要素54を与える。コア要素60は、コア59及びセパレータの分離アーム52の1つを与える。コア59の両端は、円錐状の受容位置37、39を有している。各アーム要素54はコア59の長さに一致した長さを有するプレートの形状を有し、一端に堅いフック形成部41、及び他端に弾性的に可撓なフック形成部43を有している。フック形成部41、43は、コアの円錐状の受容位置37、39に嵌合するような形状に形成され、これにより要素54がコア上に固定される。この取りつけプロセスは、図8に表される取りつけプロセスに対応している。アーム要素54の堅いフック形成部41の先端部は、特に既に取りつけられたアーム要素54の存在によって利用可能な空間が限定される場合に、コア59の受容位置37内にフックを導入する作業を容易にするために楔形に設計されている。しかしながら、また、アーム要素54の両端のフック形成部を弾性的に可撓性に設計することにより、組み立ての際に、セパレータ58のアーム要素の一端を他端から区別する必要をなくすこともできる。
【0038】
アーム要素54の構造により、コア59の周囲でアーム要素54が動き、このプロセスにより、アーム要素54はコア59の周囲及び接続スリーブ1内で最適位置をとることが可能である。有利な点として、アーム要素54は、接続スリーブ1内の空間及び接続されたケーブルの電線24のサイズにアーム要素54を適合させることができるようなわずかな可撓性を有する。必要な場合、より少ない数のワイヤ受容領域を有するワイヤセパレータとするため、上記に述べた組み立てのプロセスを逆の順序で行うことによって、コア59からアーム要素54を取り外すことができる。
【0039】
図12〜14に表されるワイヤセパレータ58は、コア59がその端部領域においてのみ円筒状の構造を有する点において、図5〜7に表されるワイヤセパレータ15とは異なっている。コアは、その中央領域においては星形の断面を有している。更に、コア上に配置された分離アーム52は、コア59と平行に延びる2個の長手方向の開口部55を有している。これらの開口部により、樹脂によるスリーブの充填時にスリーブ1内の空気が逃げることができる。更に、樹脂は、充填時にこれらの開口部を通過して、スリーブ1内に均一に拡がることができる。分離アーム52は、長手方向の開口部55以外に、その外縁部57に沿って円形の開口部56を有する。円形の開口部56は互い違いに配置されている。円形の開口部56もまた、樹脂によるスリーブの充填時にスリーブ内の空気を逃がす機能を有する。更に、樹脂は、充填時にこれらの開口部を通過して、スリーブ内に均一に拡がることができる。この実施形態の例では、蛇行した構造を有する外縁部57によって同じ機能が行われる。この形状により、外縁部57がスリーブ壁に対してその全長にわたって当接することが防止される。このため、分離アーム52とスリーブ壁との間の隙間から空気が逃げるか、又はこの隙間を樹脂が通過することができる。ワイヤセパレータが、長手方向の開口部55のみ、又は円形の開口部56のみ、又は蛇行した縁部57のみ、又はこれらの特徴のそれぞれ2つを有することも可能である。
【0040】
上記に述べたワイヤセパレータ15、25、45、58は、セパレータが使用される環境と適合した任意の適当な材料、好ましくは絶縁材で形成することができる。セパレータと、スプライスエンクロージャ内に注入される樹脂との間の高い接着性を確保するために選択される好ましい材料の1つとして、ポリカーボネートがある(この材料から、セパレータの個々の要素を成型プロセスによって形成することができる)。他の材料及び製造プロセスを適宜使用することができる。
【0041】
図面を参照して上記に述べたワイヤセパレータは単純な構造のものであるが、コネクタとスプライスされた多心ケーブルの電線との間の特定の最小距離を維持することが可能である。この最小距離は分離アームの厚さによって規定され、電線を接合するために使用される電気コネクタの直径とは無関係に維持される(電気コネクタの直径は従来の範囲に含まれるものと仮定する)。電気コネクタがセパレータの中心付近に配置されるものとすると、セパレータは更に、コネクタ/電線と周囲のスプライスエンクロージャとの間の最小距離を規定する機能も有する。セパレータの簡単な構造の利点は、製造が容易であり、スプライスエンクロージャ内部の空間で過度に大きな空間を占有しないことである。セパレータは2種類の要素のみから組み立てられるため、現場条件で設置することが容易であり、異なる数のケーブルコアが収容されるように適合可能である。
【0042】
図面を参照して上記に述べたワイヤセパレータは、他のスプライスの構成とともに、また、図1及び2に示されるスプライスエンクロージャ以外の異なる形態のスプライスエンクロージャとともに、必要に応じて、セパレータが収容されるエンクロージャ内部の空間を考慮した適切な改変を行って使用することも可能である点は認識されるであろう。スプライスエンクロージャの他の形態については、例えば欧州特許出願公開第1 122571号(コーニング・ケーブル・システム社(Corning Cable Systems))、ドイツ特許出願公開第296 19 002 U号(ポール・ジョーダン社(Paul Jordan))、ドイツ特許出願公開第199 58 982号(ホーエン社(Hoehne GmbH))、及びドイツ特許出願公開第42 22 959号(セルパック社(Cellpack AG))に述べられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプライスエンクロージャ内のスプライスされた多心ケーブルの接続された電線を分離するためのセパレータであって、コアと、前記コアから外側に延びて、前記コアの周囲に、接続された電線を受容するための複数の位置を規定する複数の分離アームと、を含み、前記分離アームの少なくとも一部のものが前記コアに個々に取りつけられ、これにより、前記コアに取りつけられる分離アームの数を変えることによって、前記ワイヤ受容位置の数を変えることが可能である、セパレータ。
【請求項2】
前記コアが、更なる分離アームを取りつけることができる形状に形成されている、請求項1に記載のセパレータ。
【請求項3】
前記コアが、永久的に取りつけられた少なくとも1つの分離アームを有する、請求項1又は2に記載のセパレータ。
【請求項4】
前記コアが細長い形状であり、前記分離アームが前記コアの長さに沿って延びる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセパレータ。
【請求項5】
前記コアが、前記分離アームに対して中央に配置される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセパレータ。
【請求項6】
前記コアがほぼ円形の断面を有し、前記分離アームが前記コアからほぼ径方向に延びる、請求項5に記載のセパレータ。
【請求項7】
前記個々に取りつけられた分離アームが、前記コアにスナップ嵌めされる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセパレータ。
【請求項8】
前記分離アームが前記コアに対して動かせることにより、前記ワイヤ受容位置のサイズが調整される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のセパレータ。
【請求項9】
接続された電線の、前記コアから離れる方向の運動を制限するための係止部材を、前記分離アーム上に更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のセパレータ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のセパレータを、スプライスエンクロージャと組み合わせて含むケーブルスプライスキットであって、前記スプライスエンクロージャは、前記ケーブルの個々のスプライスされた電線が前記ワイヤセパレータの前記ワイヤ受容位置のそれぞれに配置された状態で、多心ケーブル間のスプライスを封入する、キット。
【請求項11】
前記ワイヤセパレータの前記分離アームの外側端部が、周囲のスプライスエンクロージャを支持するような形状に形成されている、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のセパレータを組み立てるためのセパレータキットであって、コアと、前記コア部材から外側に延びて、前記コアの周囲に、必要な数の前記ワイヤ受容位置を規定するように前記コアに個々に取りつけ可能である複数の分離アームと、を含む、キット。
【請求項13】
多心ケーブル間のスプライスを形成するための方法であって、請求項12に記載のキットを与える工程と、前記コアに分離アームを取りつけることにより、前記スプライス内の接続された電線の数に対応した数のワイヤ受容位置を形成する工程と、を含む、方法。
【請求項14】
前記スプライスされたケーブルの接続された電線が、請求項1〜9のいずれか一項に記載のセパレータのそれぞれのワイヤ受容位置内に配置される、多心ケーブル間のスプライス。
【請求項15】
前記セパレータ及び接続された電線が、スプライスエンクロージャ内に収容される、請求項14に記載のケーブルスプライス。
【請求項1】
スプライスエンクロージャ内のスプライスされた多心ケーブルの接続された電線を分離するためのセパレータであって、コアと、前記コアから外側に延びて、前記コアの周囲に、接続された電線を受容するための複数の位置を規定する複数の分離アームと、を含み、前記分離アームの少なくとも一部のものが前記コアに個々に取りつけられ、これにより、前記コアに取りつけられる分離アームの数を変えることによって、前記ワイヤ受容位置の数を変えることが可能である、セパレータ。
【請求項2】
前記コアが、更なる分離アームを取りつけることができる形状に形成されている、請求項1に記載のセパレータ。
【請求項3】
前記コアが、永久的に取りつけられた少なくとも1つの分離アームを有する、請求項1又は2に記載のセパレータ。
【請求項4】
前記コアが細長い形状であり、前記分離アームが前記コアの長さに沿って延びる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセパレータ。
【請求項5】
前記コアが、前記分離アームに対して中央に配置される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセパレータ。
【請求項6】
前記コアがほぼ円形の断面を有し、前記分離アームが前記コアからほぼ径方向に延びる、請求項5に記載のセパレータ。
【請求項7】
前記個々に取りつけられた分離アームが、前記コアにスナップ嵌めされる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセパレータ。
【請求項8】
前記分離アームが前記コアに対して動かせることにより、前記ワイヤ受容位置のサイズが調整される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のセパレータ。
【請求項9】
接続された電線の、前記コアから離れる方向の運動を制限するための係止部材を、前記分離アーム上に更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のセパレータ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のセパレータを、スプライスエンクロージャと組み合わせて含むケーブルスプライスキットであって、前記スプライスエンクロージャは、前記ケーブルの個々のスプライスされた電線が前記ワイヤセパレータの前記ワイヤ受容位置のそれぞれに配置された状態で、多心ケーブル間のスプライスを封入する、キット。
【請求項11】
前記ワイヤセパレータの前記分離アームの外側端部が、周囲のスプライスエンクロージャを支持するような形状に形成されている、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のセパレータを組み立てるためのセパレータキットであって、コアと、前記コア部材から外側に延びて、前記コアの周囲に、必要な数の前記ワイヤ受容位置を規定するように前記コアに個々に取りつけ可能である複数の分離アームと、を含む、キット。
【請求項13】
多心ケーブル間のスプライスを形成するための方法であって、請求項12に記載のキットを与える工程と、前記コアに分離アームを取りつけることにより、前記スプライス内の接続された電線の数に対応した数のワイヤ受容位置を形成する工程と、を含む、方法。
【請求項14】
前記スプライスされたケーブルの接続された電線が、請求項1〜9のいずれか一項に記載のセパレータのそれぞれのワイヤ受容位置内に配置される、多心ケーブル間のスプライス。
【請求項15】
前記セパレータ及び接続された電線が、スプライスエンクロージャ内に収容される、請求項14に記載のケーブルスプライス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2013−513352(P2013−513352A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542129(P2012−542129)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/058325
【国際公開番号】WO2011/068788
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/058325
【国際公開番号】WO2011/068788
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
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