説明

ゲルまたはポリマー芳香剤支持体を含む使い捨て式のエアフレッシュナー

本発明の複数の実施形態は、電気抵抗器と、プラグなどの電源と、ポリマー製または熱可塑性の担体内の芳香剤とを備える芳香分散装置を提供する。ポリマー製または熱可塑性の担体は、例えば、金属介在物を含むこともでき、これらの金属介在物を粉末状の金属にすることもできる。これらの金属介在物は、担体全体への熱分散を高めることによって、芳香の放出をより均一かつ確実にすると考えられる。本発明のさらに別の実施形態は、ポリマー製または熱可塑性担体に保持される芳香剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、共通の発明者を有する、2007年5月23日に出願された米国仮特許出願60/931,358号への優先権を主張する。この出願は、そのすべての図面を含めて、その全体が本明細書に書き直されるがごとく、参考として援用される。
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、匂いおよび香りの管理の分野に関する。これは、例えば、室内などの場所において望ましい揮発性有機化合物(例えば、芳香剤)の量を増加させることを含みうるが、これだけに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
(2.先行技術)
ある場所に芳香を一定期間供給するための装置は多数知られている。一般に、これらの装置は、その装置に含まれている芳香剤をその装置から大気に拡散させることによって機能する。芳香の拡散は、例えば、その芳香剤を加熱することによって、またはその芳香剤を揮発性担体に含めることによって、またはこれらを組み合わせることによって、高めることもできる。芳香の拡散および芳香の全般的強さは、芳香剤の平衡蒸気圧によって左右される。平衡蒸気圧が高い芳香剤は、揮発性が高く、素早く気化する。
【0003】
芳香装置の有効寿命は、その装置から分散可能な芳香の量によって限定される。装置の芳香供給が尽きたら、装置全体を交換するか、または芳香剤を交換するかのどちらかである。後者は、例えば、芳香装置内の取り外し可能なカートリッジの交換によって行うこともできる。
【0004】
芳香分散用の公知の装置は、これまでに解決されていない課題をいくつか提起しうる。例えば、芳香を選択された速度で均一に分散させる担体の選択は難しい。一部の担体および芳香剤は気化速度が速すぎる。この結果、芳香分散製品の寿命が短すぎ、また香りが望ましくないほど強くなりうる。
【0005】
他の担体および芳香剤は、拡散速度が遅すぎるか、大きな部屋に所望の芳香を生じさせるには不十分な程度にしか拡散しないものもある。この結果、芳香の濃度が低すぎて意図された用途には有効でないことになりうる。
【0006】
芳香剤からの担体の分散を助けるために熱を用いることは過去において試みられている。残念なことに、多くの熱アシスト式芳香分散装置は、非加熱式芳香分散装置と同じ問題を有する。例えば、担体を加熱すると、芳香の拡散が急速になりすぎることもある。熱が芳香拡散装置全体に均一に加わらないことが多いため(芳香剤および担体を保持する容器の一面または底にのみ熱が加わるとき)、芳香が担体から均一に放出されないこともある。
【0007】
これは、担体が固体担体である用途において、および担体を発熱体に接触させる機会がない用途において、特に厄介である。この結果、芳香剤収容能力が低下するか(少量の担体しか用意されないため)、または相当量の芳香剤および担体が浪費されうる(熱源への接触または熱源への作動的近接が可能である以上の担体が用意されるため。
【0008】
したがって、芳香分散装置が熱を担体全体の周囲に均一に、またはほぼ均一に、分散可能であることが望ましいであろう。芳香分散装置が芳香をより均一に、および/またはより制御可能に分散可能であることがさらに望ましいであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の簡単な要旨)
本発明の複数の実施形態は、電気抵抗器と、プラグなどの電源と、ポリマー製または熱可塑性担体内の芳香剤とを備える芳香分散装置を提供する。ポリマー製または熱可塑性担体は、例えば、金属介在物を含むこともでき、この金属介在物を粉末状の金属にすることもできる。これらの金属介在物は、担体全体への熱分散を向上させることによって、芳香のより均一かつ確実な放出を可能にすると考えられる。
【0010】
本発明のさらに別の実施形態は、ポリマー製または熱可塑性担体に保持される芳香剤を提供する。金属が担体全体に分散され、担体が熱にさらされたときに熱の分散を向上させると考えられる。
【0011】
上記の構造を1つ以上用いることによって芳香を供給する複数の方法も本願明細書に含まれている。
【0012】
本発明の他の側面、目的、および利点は、添付図面と併せて考えると以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0013】
本願明細書に組み込まれてその一部を形成する添付図面は、本発明のいくつかの側面を図示し、説明と共に本発明の原理の解釈を助ける。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態による固体貯蔵体(本願明細書においては芳香剤支持体とも呼称)の複数の図を示す。
【図2】本発明の芳香分散装置の内部に収容された本発明の固体貯蔵体を示す。カバーは、例えばスナップ嵌めまたは他の接着剤によって、所定位置に保持されうる。
【図3】本発明の一実施形態の芳香分散装置の正面図を示す。
【図4】プラグ付き抵抗器を示す。抵抗器はプラスチックによって覆われている。熱伝達を可能にするためにプラスチックに複数の穴を設けてもよい。
【図5】本発明の別の実施形態を示す。これは、場合によってはキャップ上に網を設けた設計を含む。
【図6】本発明のさらに別の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を特定の好適な複数の実施形態に関連して説明するが、本発明をこれらの実施形態に限定するものではない。逆に、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の精神および範囲内に含まれるすべての変更、修正、および等価物に及ぶものとする。
【0016】
本発明の複数の実施形態は、芳香剤と1つ以上の他の添加物とを含むゲルまたはポリマー芳香剤担体を提供する。本発明の特に好適な複数の実施形態において、別の添加物は金属介在物であり、好ましくは粉体アルミニウムである。
【0017】
図1には、本発明の一実施形態において有用な芳香剤貯蔵体の複数の図が示されている。このような芳香剤貯蔵体を芳香分配装置内に封入することもでき、および/または抵抗器に直接成形することもできる。図2の実施形態は、カバー1とプラグ/抵抗器3とを示す。これは、場合によってはプラスチックで被覆される。図3は、本発明のさらに別の実施形態を示す。この実施形態においては、任意使用の通気孔7がさらに含まれる。図4は、電気用の従来型プラグを有する抵抗器を示す。抵抗器にぴったり被さるように芳香剤貯蔵体を設計することもできる。このような設計は図1に示されている。
【0018】
図5は、任意使用の「子供に安全な」特徴を含む本発明の別の実施形態を示す。本発明のこの実施形態においては、安全タブ17が掛かった後のエアフレッシュナーを標準の壁コンセントから取り外すには、上部の解除ボタン11と側面の解除ボタン13および15とを押す必要がある。図5は、図1に示されている芳香剤付きポリマー1と、ヒートシンク/プラグの組み合わせ3と、カバー5とをさらに示す。ボタン13および15はこの実施形態においては解除機構として機能するが、別の実施形態においては不動とし、エアフレッシュナーを壁コンセントから取り外し易くするためのグリップとして機能させることもできる。
【0019】
図6は、抵抗器/プラグトレー21に配置される交換可能な使い捨て式の芳香剤付きポリマー19を含む本発明の一実施形態を示す。このトレーは、次に筐体23に挿入される。筐体23は、場合によっては、安全解除機構11、13、および15を含むこともできる。図14に示す実施形態は、芳香の放出を可能にする網27付きの切り欠き25をさらに含む。
【0020】
ポリマー担体
本発明の複数の実施形態は、ポリマー担体内の芳香剤をさらに含む。本願明細書においては、ポリマー担体を貯蔵体と称することもある。1つの好適なポリマー担体は、ポリエチレン酢酸ビニル(EVA)である。EVAは、エチレンと酢酸ビニルの共重合体である。EVAは本質的に無臭であるが、芳香剤を吸着させるか、または他の方法で染み込ませることができる。EVAは、柔軟性および可撓性においてエラストマー材料に似ていながら、熱可塑性プラスチックのように加工することができる。EVAはさらに、加熱効果をポリマー担体全体にほぼ均一にもたらすために必要な熱分散に程よく有効である。
【0021】
本発明に使用されるEVAは、例えば、10,000ダルトンから100,000ダルトンの範囲内の分子量を有してもよく、22,000から87,000ダルトンの範囲内の分子量を有するとより好ましい。ポリマーに染み込ませる芳香剤の量は、10から90重量%、20から80重量%、30から70重量%、30から60重量%、および30から50重量%にすることもできる。さらに他の複数の実施形態においては、ポリマーに染み込ませる芳香剤の量は、約1重量%、約10重量%、約20重量%、約30重量%、約40重量%、約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、約90重量%、または約95重量%である。
【0022】
加熱時に芳香を放出するものであれば、他のエラストマーまたは熱可塑性担体、あるいはこれらの組み合わせを担体として用いることもできる。他の適したポリマー材料もEVAと同じ有益な特性を有し、本発明の複数の実施形態においては代わりに使用しうる。これらは、例えば、エチルビニルアルコール、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリスチレン、アクリルポリマー類、ポリカーボネート類、ポリウレタン類、ナイロン類、およびこれらの混合物および共重合体を含むが、これだけに限定されるものではない。
【0023】
ゲル化剤も芳香剤支持体として使用しうる。例えば、IFOゲル(例えば、ポリアミドゲル)は、本発明の複数の実施形態においてポリマー成分の全体または一部の代わりに使用可能な、適切なゲル化剤の一例である。
【0024】
貯蔵体の好適な一形状が各図に示されている。これは、リブ付き円板の半分と概ね描写しうる。この形状は、気流をもたらしながら、最大の熱分散および芳香の最適な放出を可能にする。
【0025】
芳香剤
本発明の複数の実施形態においては、1つ以上の芳香剤または悪臭中和剤を用いることもできる。芳香剤の追加が所望される場合は、参照により本願明細書に組み込んだものとする、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration)により米連邦規制基準(Code of Federal Regulations)のタイトル21、セクション172.510および172.515にまとめられている芳香剤から適した芳香剤を選択することもできる。本発明においては、ベンズアルデヒド類、フェノール類、ケイ皮アルデヒド類およびエステル類、オクタジエン類、ジエン類、シクロヘキサジエン類、およびテルペン類から選択された芳香成分を用いることもできる。芳香油も単独での使用に、または他の芳香化学物質との組み合わせに、適している。適した芳香油は、例えば、スパイスオイル、花精油、および果実油である。
【0026】
他の適した芳香剤として、ベンジルアルコール、エチルマルトール、フラネオール、1−ヘキサノール、シス−3−ヘキセン−1−オール、メントール、ベンズアルデヒド、ヘキサナール、ケイ皮アルデヒド、シトラール、シス−3−ヘキセナール、フルフラール、ネラール、バニリン、酢酸エチル、酪酸エチル、デカン酸エチル、ヘキサン酸エチル、オクタン酸エチル、酢酸ヘキシル、酢酸イソアミル、酪酸メチル、サリチル酸メチル、酪酸ペンチル、吉草酸ペンチル、ソトロン、イチゴアルデヒド、フルクトン、アネトール、アニソール、オイゲノール、ジヒドロジャスモン、2−アセチル−1−ピロリン、6−アセチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン、γ−デカラクトン、γ−ノナラクトン、δ−オクタラクトン、ジャスミンラクトン、マッソイアラクトン、ショウノウ、シトロネロール、リナロール、ネロール、ネロリドール、α−テルピネオール、ツジョン、およびチモールが挙げられるが、これだけに限定されるものではない。
【0027】
本発明のさらに他の複数の実施形態においては、芳香剤および/または悪臭中和剤に1つ以上のヒンダードアミンを混ぜる。本発明に有用なヒンダードアミンは、当該技術分野において周知であり、米国特許第6,221,115号明細書に詳細に説明されている。この明細書の該当箇所を参照により本願明細書に組み込んだものとする。ヒンダードアミンの例として、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、セバシン酸ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)、セバシン酸ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)、1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−オクタデシルアミノピペリジン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ−s−トリアジン、アジピン酸ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、セバシン酸ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)、アジピン酸ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)、コハク酸ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)、グルタル酸ビス(1−(2−ヒドロキシ−2メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)、および2,4−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン)1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−オクチルオキシ−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−シクロヘキシルオキシ−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−メトキシ−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−オクチルオキシ−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、および1−シクロヘキシルオキシ−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0028】
本発明のさらに他の複数の実施形態においては、芳香剤および/または悪臭中和剤は、1つ以上の酸化防止剤を含む。本発明の複数の実施形態において使用される酸化防止剤として、例えば、ターシャリブチルヒドロキノン、n−オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート、ブチル化ヒドロキシアニソール、フェノールビスホスファイト、ブチル化ヒドロキシトルエン、およびホスファイト化合物が挙げられる。本組成物における酸化防止剤の有効量は、EVAまたは他のポリマーの0.015重量%から2.5重量%であり、0.1から0.75重量%が好ましく、0.2から0.5重量%が最も好ましい。本発明の好適な複数の実施形態においては、高濃度の酸化防止剤を芳香剤に混合した後、この芳香剤/酸化防止剤の混合物にこの混合物の他の成分があればそれも追加する。
【0029】
本発明のさらに他の複数の実施形態においては、ポリマー担体に組み込む前の芳香剤および/または悪臭中和剤に希釈剤を加えることを考えている。希釈剤は有機希釈剤であり、例えば、クエン酸トリエチル、アジピン酸ジ−イソプロプロピル、アジピン酸ジ−オクチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、およびフタル酸ジエチルが挙げられる。希釈剤の好適な量は、芳香剤または酸化防止剤の融解に必要な量である。
【0030】
好適な一実施形態においては、選択された芳香剤および/または悪臭中和剤(上記のその他の添加物と共に、または無しで)ポリマーに埋め込み、および/または吸着させる。芳香剤/酸化防止剤/希釈剤の混合物の作成についてのさらなる情報は、その全体を本願明細書に再度記述したかのように、参照により本願明細書に組み込んだものとする米国特許第7,220,288号明細書に記載されている。
【0031】
ディスペンサ
【0032】
好適な一実施形態において、本発明は、囲まれた環境において揮発性材料の放出を制御するための経済的な電気ディスペンサを含む。本ディスペンサは、例えば、添付の各図に示すように、2部構成の使い捨てユニットまたは3部構成の補充可能ユニットにしうる。
【0033】
ポリマー芳香剤貯蔵体は、発熱体上に成形するか、またはスナップオン部品として成形する。このような構成は、子供の安全を向上させる。エアフレッシュナーの動作中、電流が抵抗器を通って流れることによって、ポリマーの温度を上昇させて芳香をポリマーから放出させるための熱を発生させる。
【0034】
さまざまな抵抗器が本発明での使用に適している。本発明のいくつかの実施形態においては、例えば、5キロオーム、8キロオーム、および10キロオームの抵抗器が有用であろうと予測される。抵抗器をポリマー支持体に直接接触させるか、または直接連通させられるように、例えば、抵抗器とディスペンサとの間のディスペンサの表面に穴を追加することによって、または抵抗器を含むディスペンサ部分の各側面に穴を追加することによって、本ディスペンサを改造することもできる。
【0035】
金属介在物
金属介在物を粉末として、または金属被覆付きのガラスまたはセラミックビーズとして、追加することもできる。これらの介在物は、芳香剤支持体の断熱特性を軽減すると考えられる。金属は、芳香剤支持体内への熱の閉じ込めを防ぐと考えられる。
【0036】
金属介在物の量は変えられる。例えば、金属介在物の量は、芳香剤と他の添加物とを含む芳香剤支持体の組成全体の0.5重量%から2.0重量%の間、0.5重量%から1.0重量%の間、0.1重量%から0.5重量%の間、および0.2重量%から0.3重量%の間にすることもできる。
【0037】
金属介在物のサイズを変えることもできる。例えば、金属介在物を粉末にすることもできる。粉末の好適なサイズの1つは、325メッシュである。粉末のサイズを、例えば、200メッシュから400メッシュの間にすることもできる。金属介在物を薄片またはストランドにすることもできる。金属ストランドの長さを最大0.06インチ、幅を最大0.0125インチにすることもできる。薄片の直径を最大0.04インチにすることもできる。
【0038】
他の添加物
さまざまな実施形態においては、特定の芳香ディスペンサの所望の特性に応じて、着色添加物などのさまざまな他の添加物を追加することもできる。
【0039】
本発明の複数の実施形態において使用されるポリマー材料に可塑剤をさらに追加することもできる。これらの可塑剤として、例えば、グリセリン三酢酸エステルおよびフタル酸ジエチルが挙げられる。
【実施例】
【0040】
以下の実施例は、当業者による本発明の理解を助けるために記載されている。以下の実施例は、特許請求の範囲を制限するものと解釈されないものとする。
【0041】
(実施例1)
実施例1は、金属介在物と芳香剤とを含有するポリマー支持体の構成を説明する。予想される最終的な処方量の33.4重量%の量の芳香剤を軽量して容器に入れる。この芳香剤に、予想される最終的な処方量のそれぞれ0.7重量%および0.7重量%の酸化防止剤およびヒンダードアミンを加える。0.2%の量の着色溶液を追加する。これを溶解するまで混合する。
【0042】
芳香剤溶液を5ガロンのドラム缶に移す。予想される最終的な処方量の65重量%のEVAを固体ビーズとして加える。アルミニウム粉末の追加が望ましければ、予想される最終的な処方量の0.3重量%のアルミニウム粉末を追加する。ドラム缶を密閉し、芳香剤混合物がEVAに完全に吸収され、アルミニウム(存在する場合)がビーズを被膜するまで回転させる。
【0043】
ビーズを射出成形機に入れる。射出成形前のビーズは325メッシュ以下であることが好ましい。射出成形工程によって芳香剤支持体を所望の形状に作製する。射出成形工程の実施によって、アルミニウムが構造体内に分散される。完成した芳香剤支持体を補充商品として販売用に包装することもできるが、あるいはパッケージング業界の当業者には公知の手段によって構成された、抵抗器を含む筐体(プラスチック製または他の材料製)内に配置することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に接続され、そして前記筐体に伝達される熱を発生させることができる抵抗器と、
前記筐体の内部に収容された芳香剤支持体であって、芳香剤支持体材料と、少なくとも1つの芳香剤と、前記芳香剤支持体材料の全体に分散された複数の金属介在物とを含む芳香剤支持体と、
を備える芳香分散装置。
【請求項2】
前記芳香剤支持体材料は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチルビニルアルコール、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリスチレン、アクリルポリマー、ポリカーボネート類、ポリウレタン類、ナイロン類、およびこれらの混合物および共重合体から成る群より選択される、請求項1に記載の芳香分散装置。
【請求項3】
前記芳香剤支持体材料がEVAである、請求項2に記載の芳香分散装置。
【請求項4】
前記金属介在物はアルミニウム、ニッケル、金、銀、銅、白金、およびこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の芳香分散装置。
【請求項5】
前記金属介在物がアルミニウムである、請求項4に記載の芳香分散装置。
【請求項6】
前記金属介在物は、前記芳香剤支持体の0.5重量%から2.0重量%の間の量で存在する、請求項1に記載の芳香分散装置。
【請求項7】
前記金属介在物は、前記芳香剤支持体の0.1から0.5重量%の量で存在する、請求項6に記載の芳香剤散装置。
【請求項8】
前記金属介在物は200メッシュから400メッシュの間のサイズを有する粉末である、請求項1に記載の芳香分散装置。
【請求項9】
前記金属介在物は約325メッシュのサイズを有する粉末である、請求項8に記載の芳香分散装置。
【請求項10】
前記芳香剤は、ベンジルアルコール、エチルマルトール、フラネオール、1−ヘキサノール、シス−3−ヘキセン−1−オール、メントール、ベンズアルデヒド、ヘキサナール、ケイ皮アルデヒド、シトラール、シス−3−ヘキセナール、フルフラール、ネラール、バニリン、酢酸エチル、酪酸エチル、デカン酸エチル、スパイスオイル、花精油、果実油、ヘキサン酸エチル、オクタン酸エチル、酢酸ヘキシル、酢酸イソアミル、酪酸メチル、サリチル酸メチル、酪酸ペンチル、吉草酸ペンチル、ソトロン、イチゴアルデヒド、フルクトン、アネトール、アニソール、オイゲノール、ジヒドロジャスモン、2−アセチル−1−ピロリン、6−アセチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン、γ−デカラクトン、γ−ノナラクトン、δ−オクタラクトン、ジャスミンラクトン、マッソイアラクトン、ショウノウ、シトロネロール、リナロール、ネロール、ネロリドール、α−テルピネオール、ツジョン、およびチモールから成る群より選択される請求項1に記載の芳香分散装置。
【請求項11】
前記金属介在物は200メッシュと400メッシュの間のサイズを有するアルミニウム粉末であり、前記芳香剤支持体の材料がEVAである、請求項1に記載の芳香分散装置。
【請求項12】
芳香剤支持体材料と、少なくとも1つの芳香剤と、前記芳香剤支持体材料の全体に分散された複数の金属介在物とを備える芳香剤支持体。
【請求項13】
ポリマー芳香剤支持体を融解状態まで加熱するステップと、
前記融解したポリマー芳香剤支持体に金属介在物を混合するステップと、
前記加熱したポリマー芳香剤支持体を冷却させるステップと、
を含む、ポリマー芳香剤支持体への熱の分散を向上させる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−527711(P2010−527711A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509570(P2010−509570)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/064714
【国際公開番号】WO2008/148003
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(509321620)ベルメイ, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】