ゲームキャラクタ表示制御システム
【課題】ディスプレイ等の表示画面に登場したゲームキャラクタ等を攻撃等して楽しむ際にゲーム進行において能動状態となっているキャラクタを特定できるゲームキャラクタ表示制御システムを提供する。
【解決手段】遊技者の頭部に装着して赤外線信号を遊技者の視線方向に向かって照射する入力装置と、ゲームプログラムを実行すると共に前記入力装置から送信される赤外線信号を受信して当該ゲームにおいて登場するキャラクタを特定する画像を画面に表示させるゲーム装置とを備えて、前記キャラクタを特定する画像がゲーム進行において能動状態に設定されているキャラクタに重ねて表示する。
【解決手段】遊技者の頭部に装着して赤外線信号を遊技者の視線方向に向かって照射する入力装置と、ゲームプログラムを実行すると共に前記入力装置から送信される赤外線信号を受信して当該ゲームにおいて登場するキャラクタを特定する画像を画面に表示させるゲーム装置とを備えて、前記キャラクタを特定する画像がゲーム進行において能動状態に設定されているキャラクタに重ねて表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム進行において能動状態となっているキャラクタを特定できるようにしたゲームキャラクタ表示制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、表示画面に表示されているキャラクタを赤外線等を照射する銃型入力装置によって特定して攻撃等するゲーム装置は多数種存在し汎用されている。
【0003】
また、ヘッドフォンに赤外線送信部を設けたヘッドフォン付きリモートコントロール装置を操作者の頭部に装着し、操作者の操作に基づく操作信号を生成する入力装置から供給される操作信号をケーブルを介して当該ヘッドフォンに供給して当該操作信号を赤外線信号に変換し、ヘッドフォンに設けられた赤外線送信部からゲーム機本体側受信部に向かって送信することにより、操作信号をゲーム機本体が取りこぼすことがないようにしたリモートコントロール装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−76617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ディスプレイ等の表示画面に登場したゲームキャラクタ等を攻撃等して楽しむ際にゲーム進行において能動状態となっているキャラクタを特定できるゲームキャラクタ表示制御システムを提供することを技術的課題とするものである。
【0006】
また、本発明は、遊技者がディスプレイ等の表示画面を通してあたかもヘッドフォン付きリモートコントロール装置に取り付けらた透明または半透明のアイシールド部に映像が表示されているが如く体感でき、ヘッドマウントディスプレイを装着している錯覚を遊技者に与えることを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって解決できる。
【0008】
即ち、本発明に係るゲームキャラクタ表示制御システムは、遊技者の頭部に装着して赤外線信号を遊技者の視線方向に向かって照射する入力装置と、ゲームプログラムを実行すると共に前記入力装置から送信される赤外線信号を受信して当該ゲームにおいて登場するキャラクタを特定する画像を画面に表示させるゲーム装置とを備えてなり、前記キャラクタを特定する画像がゲーム進行において能動状態に設定されているキャラクタに重ねて表示されるようになっているものである。
【0009】
また、本発明は、前記ゲームキャラクタ表示制御システムにおいて、入力装置を、遊技者の操作によって赤外線信号を送信する赤外線点滅生成回路を有する赤外照射部と、赤外照射部を遊技者の側頭部に位置付けて頭部を跨って固定する、当該赤外照射部に設けられたヘッド固定部と、赤外照射部を位置付けた側の側頭部寄りの目を覆うように赤外照射部から延設された透明アイシールドとから構成したヘッドマウントディスプレイ様入力装置としたものである。
【0010】
また、本発明は、前記いずれかのゲームキャラクタ表示制御システムにおいて、キャラクタを特定する画像が、能動状態に設定されている不可視状態となっているキャラクタに重ねて表示されるものである。
【0011】
また、本発明は、前記いずれかのゲームキャラクタ表示制御システムにおいて、キャラクタを特定する画像が、能動状態に設定されているキャラクタが姿を現す位置に表示されるものである。
【0012】
また、本発明に係るゲームキャラクタ表示制御システムは、遊技者の頭部に装着して赤外線信号を遊技者の視線方向に向かって照射する入力装置と、ゲームプログラムを実行すると共に前記入力装置から送信される赤外線信号を受信するゲーム装置とを備えてなり、前記ゲーム装置は前記入力装置から送信される赤外線信号を受信することにより複数の画面表示モードの切り替えを行うものである。
【0013】
また、本発明は、前記ゲームキャラクタ表示制御システムにおいて、入力装置が赤外線信号を照射する赤外線発光ダイオードを備え、赤外線信号を所定周波数によって発生する赤外線発光ダイオードの点滅信号としたものである。
【0014】
また、本発明は、前記ゲームキャラクタ表示制御システムにおいて、入力装置が抵抗とコンデンサとからなる時定数設定回路を含んでおり、所定周波数が当該時定数設定回路によって設定されるものである。
【0015】
また、本発明は、前記ゲームキャラクタ表示制御システムにおいて、時定数設定回路が無安定マルチバイブレータICを含んでおり、抵抗とコンデンサが当該無安定マルチバイブレータICの端子に接続されているものである。
【0016】
また、本発明は、前記いずれかのゲームキャラクタ表示制御システムにおいて、ゲーム装置が、ゲームプログラムを実行するマルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップと、所定周波数の赤外線信号を受信して出力信号を変化させる赤外線レシーバとを含んでおり、当該出力信号は前記マルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップに入力され、マルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップが当該出力信号の変化を検出することにより複数の画面表示モードの切り替えを行うものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、赤外線信号を遊技者の視線方向に向かって照射する入力装置を遊技者の頭部に装着し、当該赤外線信号をゲームプログラムを実行しているゲーム装置が受信すると、能動状態となっているキャラクタを特定する画像を該キャラクタに重ねて表示させるようにしたので、ゲーム進行においてアクティブに設定されているキャラクタを容易に視認することができる。
【0018】
また、入力装置をヘッドマウントディスプレイ様に構成して当該入力装置を遊技者が操作することによって能動状態となっているキャラクタを特定する画像を該キャラクタに重ねて表示するようにしたので、ゲーム進行に影響を及ぼすキャラクタをあたかも遊技者が特定しているかのように錯覚することができるから、新たな刺激を体感できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0020】
実施の形態1.
【0021】
図1は本実施の形態に係るゲームキャラクタ表示制御システムを説明する斜視図、図2は図1に図示するヘッドマウントディスプレイ様入力装置の斜視図、図3は図1に図示するゲーム装置の斜視図、図4は図2に図示する赤外照射部に内蔵されている赤外線点滅生成回路の配線図、図5は図3に図示するゲーム装置の回路ブロック図、図6は図5に図示するマルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップのデバイスブロック図、図7はゲーム装置の電源回路図、図8及び図9は能動状態となっているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面であり、これらの図において、ゲームキャラクタ表示制御システム(以下、「表示システム」ともいう。)1は、赤外線信号を遊技者2の視線方向に向かって照射する赤外照射部3を遊技者2の側頭部4に位置付けて装着するヘッドマウントディスプレイ様入力装置(以下、「擬似HMD」ともいう。)5と、ゲームプログラムを実行すると共に、擬似HMD5から送信される赤外線信号を受信して当該ゲームにおいて登場する能動状態(アクティブ)となっているキャラクタを特定する画像(以下、「キャラクタ位置表示マーカ」ともいう。)を赤外線信号を受信している間、家庭用テレビ受像機6の表示画面に表示させるゲーム装置7とを備えている。
【0022】
前記擬似HMD5は、図2に示すように、赤外線LED(赤外線発光ダイオード)8が覗く赤外線照射面9を前方に対してフラットに形成して矩形状に突出した指示部10と該指示部10の基を球面に一体的に同化して形成されているドーム型基台11とからなり、該ドーム型基台11の球面から延長している指示部10の外周面が丸みを帯びて形成されている前記赤外照射部3と、赤外照射部3のドーム型基台11から前記指示部10に対して略直角に延設するように設けられて遊技者2の側頭部4に赤外照射部3を位置付けて赤外線照射面9が遊技者2の顔面と同じ向きになるように遊技者2の頭部12を跨って固定する伸縮自在な円形に湾曲したバンド型ヘッド固定部(以下、「ヘッドバンド」という。)13と、赤外線照射面9から平板状に突出した後に赤外照射部3を位置付けた側の側頭部4寄りの目を覆うようにL状に曲げられて延設された着色透明アイシールド14とから構成されており、赤外照射部3は装着した際の遊技者2の頭部12側に当たる内側面が側頭部4になじむ扁平な面に形成されている。なお、赤外照射部3は電話機の受話器を片側に送話部と受話部とを残して二分割した形状となっており、切断面が赤外線照射面9に相当し、受話器の手持部が指示部10に相当し、送話部(受話部)がドーム型基台11に相当する形状であるともいえる。
【0023】
そして、前記赤外照射部3の赤外線照射面9側には赤外線LED8が設けられて指示部10の上面に取り付けられたプッシュスイッチ15を遊技者2が押圧することによってスイッチ回路が閉じ、赤外線の点滅信号が遊技者2の視線方向に向かって照射されるようになっている。
【0024】
前記赤外照射部3には、赤外線の点滅信号を生成する赤外線点滅生成回路が内蔵されており(図4参照)、赤外線点滅生成回路は、抵抗とコンデンサによる時定数によって発振周波数を定める無安定マルチバイブレータIC(例えば、IC555:U1)(以下、「タイマIC」という。)と、該タイマICのVCC端子(8番ピン)と放電端子(DISCHRG:7番ピン)との間に接続した第1抵抗(R1)と、同じく放電端子(DISCHRG:7番ピン)とスレッショルド端子(THRESH:6番ピン)との間に接続した第2抵抗(R2)と、当該スレッショルド端子とトリガ端子(TRIGGER:2番ピン)とに接続した第1コンデンサ(C1)とによって形成されている発振回路(時定数設定回路)、エミッタ接地の第1トランジスタ(例えば、2SC2412K:Q1)と、タイマICの出力端子(OUT:3番ピン)と当該第1トランジスタ(Q1)の間に接続した第3抵抗のベース抵抗(R3)と、当該第1トランジスタ(Q1)に接続した第4抵抗のコレクタ抵抗(R4)と、当該第4コレクタ抵抗(R4)をベース抵抗として接続したエミッタ接地の第2トランジスタ(例えば、2SC2412K:Q2)と、当該第2トランジスタ(Q2)に接続した第5抵抗のコレクタ抵抗(R5)とによって形成されている増幅回路、及び、第2トランジスタ(Q2)と当該第5抵抗(R5)との間に接続した赤外線LED(例えば、PI-4A341F:LED1)8からなる赤外発生回路とによって構成されている。
【0025】
また、図4において、第2コンデンサ(C2)、第3コンデンサ(C3)及び第4コンデンサ(C4)は電源ラインからのノイズによる誤動作を防止するために設けられており、BT1及びBT2は赤外線点滅生成回路に印加される電源であり、SW1は赤外線点滅生成回路を開閉する前記プッシュスイッチ15である。
【0026】
また、タイマIC(IC555:U1)において、1番ピン(GND)は電源のマイナスを示すグランド端子、2番ピン(TRIGGER)は電源電圧の1/3より低い電圧になることによって起動するタイマー起動を示すトリガ端子、3番ピン(OUT)は停止時はロー(L)、タイマー起動中はハイ(H)になる出力を示す出力端子、4番ピン(RESET)は起動中のタイマーを停止してロー(L)出力になるタイマーリセットを示すリセット端子、5番ピン(CTRL)はタイマー時間を電圧で調整する時定数調整を示すコントロール電圧端子、6番ピン(THRESH)は電圧が電源電圧の2/3を越えることによりタイマー時間が終了する充電完了確認を示すスレッショルド端子、7番ピン(DISCHRG)は時定数用コンデンサに溜まった電荷の放電を示す放電端子、8番ピン(VCC)は電源のプラスを示す電圧端子である。
【0027】
そして、タイマIC555を使用した場合、前記出力端子(OUT)から出力される出力信号のハイレベル期間長TH(秒)、ローレベル期間長TL(秒)、発振周波数f(Hz)は
TH=0.693・(R1+R2)・C1
TL=0.693・R2・C1
f=1.44/(R1+2・R2)・C1
によって求めることができ、前記第1抵抗R1に18×103、前記第2抵抗R2に8.2×103、前記第1コンデンサC1に1×10−9を代入すれば、ハイレベル期間長THが約18.2μ秒、ローレベル期間長TLが約5.68μ秒、発振周波数fが約41.9KHzとなる。
【0028】
これにより、プッシュスイッチ15が押されている間、前記赤外線点滅生成回路では、発振回路で生成された発振信号がタイマIC(U1)の出力端子(OUT)から出力され、増幅回路で増幅され、赤外発生回路の赤外線LED(LED1)8が所定の周波数で点灯・消灯を繰り返して点滅する。
【0029】
前記ゲーム装置7は、家庭用テレビ受像機6の上面に設置され、遊技者2と対面するゲーム装置7の前面には、図3に示すように、前記擬似HMD5から送信される赤外線の点滅信号を受信する赤外線レシーバ16と、遊技者2に向かって赤外線を照射する離れて設けられた一対の赤外線LED17,18と、遊技者2の両手指に取り付けた赤外線反射マーカ19,20(図1参照)から反射される前記一対の赤外線LED17,18から照射された赤外線を撮像する、赤外線LED17と赤外線LED18との間に配置されたCMOSイメージセンサモジュール(以下、「CMOSセンサ」ともいう。)21とが設けられている。
【0030】
そして、前記赤外線レシーバ16と赤外線LED17,18とは、図5に示すように、マルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップ(以下、「マルチメディアプロセッサSoC」という。)22の汎用I/O端子(GPIO#1)に接続され、前記CMOSセンサ21はマルチメディアプロセッサSoC22の汎用I/O端子(GPIO#1)とUARTとに接続され、さらに、マルチメディアプロセッサSoC22の汎用I/O端子(GPIO#2)にはEEPROM23が、コンポジットビデオ信号出力端子には映像音声出力端子24が、デジタル音声信号出力端子にはアンプ付きオーディオD/Aコンバータ(以下、「オーディオDAC」という。)25が接続され、当該オーディオDAC25は前記映像音声出力端子24に接続されている。また、マルチメディアプロセッサSoC22から延びるメモリバスにはROM26とSDRAM27とが接続されている。なお、28はマルチメディアプロセッサSoC22の反転増幅回路に接続されて該マルチメディアプロセッサSoC22を駆動するためのクロック信号を生成する水晶振動子である。
【0031】
前記赤外線レシーバ16は家電製品等のリモコン受光器に汎用される赤外線レシーバであり、所定の周波数で点滅する赤外線信号を受信することにより出力信号のレベルを変化させて当該出力信号を擬似HMD5のプッシュスイッチ15の状態として汎用I/O端子(GPIO#1)からマルチメディアプロセッサSoC22に伝達する。前記CMOSセンサ21はCMOSイメージセンサ、レンズユニット及び水晶振動子等から構成されるモジュールユニットであり、レンズユニットで集光された光がCMOSイメージセンサの撮像部に入力されて二次元画素データ配列としてマルチメディアプロセッサSoC22に出力される。前記汎用I/O端子(GPIO#1)はCMOSセンサ21の各種制御のためにも使用され、前記UARTは二次元画素データ配列の入力のために使用されるシリアル入出力端子である。
【0032】
前記マルチメディアプロセッサSoC22は、CPU、DSP、グラフィックプロセッサ、サウンドプロセッサ、メモリ、各種I/O等をシングルチップ上に集積したプロセッサであり、当該CPUはROM26及びSDRAM27に格納されたゲームプログラムを実行し、CMOSセンサ21並びに赤外線レシーバ16から得られる入力情報に応じて家庭用テレビ受像機6に出力する画像や音声を生成する。そして、生成された当該音声はI2Sフォーマットのデジタル音声信号として前記オーディオDAC25に出力される。前記ROM26はゲーム進行において能動状態(アクティブ)に設定されているキャラクタのプログラムコードを含むゲームプログラムのプログラムコード、能動状態(アクティブ)に設定されているキャラクタを特定する画像を含む画像データ、音声データ、定数データ等を格納し、ゲーム装置7の電源が投入された場合やシステムリセットが発生した場合にマルチメディアプロセッサSoC22内のCPUが実行するプログラムコードを格納するメモリである。前記SDRAM27はマルチメディアプロセッサSoC22の主記憶部であり、ROM26からロードされたプログラムコード並びに各種データを格納する領域や生成された画像を格納するフレームバッファ領域や3DCGにマッピングされるテクスチャデータを格納する領域等を備えている。
【0033】
また、前記EEPROM23は各遊技者2毎のゲーム進行状況やカスタマイズ情報等を格納する不揮発性メモリである。前記映像音声出力端子24はマルチメディアプロセッサSoC22より出力されるコンポジットビデオ信号、オーディオDAC25より出力されるアナログ音声信号を家庭用テレビ受像機6に出力する端子であり、AVケーブル29(図1参照)の片端(4極ミニプラグ)が接続される。前記オーディオDAC25はマルチメディアプロセッサSoC22から出力されるデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、さらに、変換されたアナログ音声信号の振幅を増幅して出力する。
【0034】
前記マルチメディアプロセッサSoC22は、図6に示すように、内部バスシステムのバスブリッジと二セットの前記UARTと汎用I/Oと外部メモリとのインターフェース(SDRAMコントローラを含む)とを含んでなる多機能バスブリッジ(ConsumerCustom Solutions Platform:以下「CCCP」という。)30と、CPU31とDSP(Digital Signal Processor)32とDMAC(DirectMemory Access Controller)33とグラフィックプロセッサ34とディスプレイコントローラ35とサウンドプロセッサ36とをバスマスタとして接続してメモリバスや低速内部バスにアクセスを行う、CCCP30から走る高速内部バス(AHB)37と、前記DSP32と前記DMAC33と前記グラフィックプロセッサ34と前記ディスプレイコントローラ35と前記サウンドプロセッサ36と演算アクセレーション・ユニット(CAU)38とパワーマネジメントユニット39とタイマ40とメールボックス41と汎用I/Oとをバススレーブとして接続して主に制御やI/Oアクセスに用いられる、CCCP30から走る低速内部バス(APB)42と、ブートROM26並びにメインメモリであるSDRAM27に格納されているプログラムコードを実行すると共に、マルチメディアプロセッサSoC22の全体制御等を行う32ビットRISC型前記CPU31と、DSPローカルメモリ43を作業メモリ領域として用い、APB42に接続されたメールボックス41を介してCPU31と通信してDMAC33を介してSDRAM27とDSPローカルメモリ43との間でDMA転送を行う、演算を高速に処理するプロセッサである前記DSP32と、DSP32に接続されてDSP32によって実行されるプログラムコードを格納してDSP32の作業メモリ領域として用いられる前記DSPローカルメモリ43と、ROM26内の領域間、ROM26とDSPローカルメモリ43との間及びグラフィックプロセッサ34に接続されたGPUローカルメモリ44とROM26との間でDMA転送を行う前記DMAC33と、3DCG生成のための行列演算、アフィン変換及び投影変換等の幾何演算や3DCGを構成するポリゴンのセットアップやポリゴン並びに2D画像オブジェクトのフレームバッファへの描画を行う前記グラフィックプロセッサ34と、グラフィックプロセッサ34に接続されて3DCG描画の際のZバッファの格納として用いられる前記GPUローカルメモリ44と、ビデオスクリーンとフレームバッファと縦8ピクセル×横8ピクセルからなるキャラクタを格子状に配列した二次元配列のキャラクタ画像である四面の2Dキャラクタスクリーンとを合成して表示画面イメージを生成し、ビデオスクリーン並びにフレームバッファの画像イメージをROM26に格納し、各キャラクタの画像イメージ並びに各キャラクタの配列情報をROM26に格納し、生成された前記表示画面イメージをビデオコンポジット信号波形を表すデジタルデータストリームに変換してビデオD/Aコンバータ(以下、「ビデオDAC」という。)45に出力する前記ディスプレイコントローラ35と、ROM26にPCMデータやADPCMデータとして格納されている楽器音並びに効果音のピッチ変換やボリューム変換を行い、最大64音の楽器音並びに効果音の合成を行って音楽並びに効果音を再生し、CPU31やDSP32によってデコードされてROM26に格納されている圧縮PCMデータを再生し、再生された音声を12Sフォーマットのデジタル音声信号としてオーディオDAC25に出力する前記サウンドプロセッサ36と、浮動小数点数と整数又は固定小数点数との間の変換を高速に実行し、3DCGで描画される画像オブジェクトの座標等のパラメータ演算を行う前記CAU38と、CPU31やDSP32の動作周波数を段階的に制御し、使用していない機能ブロックへのクロック信号の供給を停止してマルチメディアプロセッサSoC22の電力消費を低減させる前記パワーマネジメントユニット39と、供給されるクロック信号に基づいて内蔵するカウンタの値を更新し、カウント値が所定の値になればCPU31やDSP32に対する割り込み要求信号をアサートすることができる前記タイマ40と、CPU31とDSP32との間でのメッセージ通信用に使用される前記メールボックス41と、ディスプレイコントローラ35から入力されるデジタルデータストリームをアナログ信号に変換し、コンポジットビデオ信号として出力する前記ビデオDAC45とから構成されている。
【0035】
前記ゲーム装置7に供給される電源は、図7に示すように、ACアダプタを接続するDCジャック46と、ACアダプタを使用しない場合の乾電池47と、ACアダプタが接続されていない場合に乾電池47へと供給源を切り換える電源切替スイッチ48と、ゲーム装置7へ電力を供給する、電源切替スイッチ48に直列に接続された電源スイッチ49と、直流電源の電圧をマルチメディアプロセッサSoC22を中心とする半導体デバイスが必要とする+3.3Vの直流電源に変換する3Vシリーズレギュレータ50と、同じく直流電源の電圧をマルチメディアプロセッサSoC22のコアロジックが必要とする+1.2Vの直流電源に変換する2Vシリーズレギュレータ51とから構成されている。
【0036】
次に、動作について説明する。
【0037】
遊技者2がゲーム装置7のAVケーブル29を家庭用テレビ受像機6のビデオ端子に接続し、赤外線LED8の赤外線点滅信号が遊技者2の視線方向に向かって照射できるように擬似HMD5の赤外照射部3を遊技者2の側頭部4に位置付けて当該擬似HMD5を頭部12に装着すると共に、着色透明アイシールド14を側頭部4寄りの目を覆うように位置付けてゲーム装置7の電源スイッチ49をONにする。
【0038】
これにより、ゲーム装置7のROM26に格納されているゲームプログラムがCPU31の制御によりSDRAM27を利用して実行され、ゲームアプリケーションソフトウェアのプログラムコード、画像データ及び音声データ等を読み出し、前記DSP32やDMAC33等の機能を利用して画像データにおいてはグラフィックプロセッサ34にて処理され、ディスプレイコントローラ35を介してビデオDAC45からコンポジットビデオ信号として出力され、音声データにおいてはサウンドプロセッサ36にて処理されてデジタル音声信号として出力されてオーディオDAC25を介して家庭用テレビ受像機6に入力され、表示画面にゲーム進行画面が表示される。
【0039】
アクティブ(能動状態)なキャラクタは、CPU31の制御によりROM26からアクティブに設定されているキャラクタのプログラムコードを読み出して当該アクティブコードを持つキャラクタを表示させることによりアクティブなキャラクタとして特定されており、当該キャラクタに対して攻撃を仕掛けることができるようにプログラムされている。
【0040】
遊技者2が擬似HMD5のプッシュスイッチ15を押している間、図4に示す赤外線点滅生成回路の発振回路によって点滅信号が生成されて増幅回路を介して赤外線LED8の点滅によって赤外線点滅信号が出力される。当該赤外線点滅信号はゲーム装置7の赤外線レシーバ16によって受信されてマルチメディアプロセッサSoC22に入力される。
【0041】
マルチメディアプロセッサSoC22では、受信された赤外線点滅信号によってプッシュスイッチ15がON状態であることを認識することにより、表示画面に表示されているアクティブに設定されているキャラクタに重ねてアクティブに設定されているキャラクタを特定する画像であるキャラクタ位置表示マーカを表示するために、CPU32の制御によってROM26に格納されている当該キャラクタを特定する画像データを読み出して前記画像処理がなされてキャラクタ位置表示マーカをアクティブなキャラクタとして特定されているキャラクタに重ねて表示させる。遊技者2がプッシュスイッチ15を再度押してSW1が再びON状態になったことが認識されるとCPU32の制御によって表示画面からキャラクタ位置表示マーカが消えるようになっている。
【0042】
次に、能動状態に設定されているキャラクタを図8及び図9を参照して説明する。
【0043】
図8及び図9は家庭用テレビ受像機6に表示される画面例であり、マルチメディアプロセッサSoC22において実行されるゲームアプリケーションソフトウェアを一人称視点による戦闘ゲームとした場合の実施例であり、当該実施例においては、ユーザ(遊技者)2は反射マーカ19,20を装着した両手を動かし、テレビ受像機6の表示画面に表示される敵キャラクタと戦闘を行う。
【0044】
ゲームがスタートすることにより、画面には一人称視点の三次元コンピュータグラフィックスで描画された背景画像52と敵キャラクタ53とが表示される(通常映像:図8参照)。ユーザ2が両手を動かせば、両手に装着した反射マーカ19,20によって赤外線LED17,18から照射された赤外線が反射されて当該反射光をCMOSセンサ21で撮像し、撮像された画像に対して所定の画像処理を施すことによりユーザ2の手の動きを検出して例えばユーザ2の両手を表示させ、表示画面に表示されている敵キャラクタに53に対して攻撃を仕掛けアームビームを照射等する。
【0045】
ユーザ2が擬似HMD5のプッシュスイッチ15を押下すれば、背景画像52と敵キャラクタ53とが表示された通常映像の画面上に敵キャラクタの強さや敵キャラクタの弱点等の情報としての敵キャラクタ属性情報54と敵キャラクタ位置表示マーカ(能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像)55が常時重ねて表示される(HMD合成映像:図9参照)。ユーザ2が擬似HMD5のプッシュスイッチ15を再度押下すれば、位置表示マーカ55は画面上から消去される。
【0046】
前記敵キャラクタ属性情報54と敵キャラクタ位置表示マーカ55とは、擬似HMD5のアイシールド14に表示される画像として想定してテレビ受像機6の表示画面に表示される。すなわち、前記通常映像に敵キャラクタ属性情報54と敵キャラクタ位置表示マーカ55とからなるアイシールド14の表示される画像として想定して表示される映像を重ね合わせたHMD合成映像がプッシュスイッチ15の押下により表示される。
【0047】
そして、前記HMD合成映像が表示画面に表示されている状態においてユーザ2がプッシュスイッチ15を再度押下すれば、表示画面は前記通常映像に切り替えられる。
【0048】
このように、プッシュスイッチ15の押下により前記通常映像モードと前記HMD合成映像モードとの切り替えを行っているので、ユーザ2は家庭用テレビ受像機6を通してあたかも擬似HMD5のアイシールド14に映像が表示されているが如く体感でき、ヘッドマウントディスプレイを装着している錯覚を得ることができる。
【0049】
なお、本実施の形態においては、ROM26にゲームアプリケーションプログラムが格納されているものであるが、ダウンロードやインストール等により外部からSDRAM27に記録するようにしてもよい。
【0050】
実施の形態2.
【0051】
本実施の形態は前記実施の形態1における能動状態に設定されているキャラクタの変形例である。図10及び図11はアクティブとなっているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面であり、図8及び図9と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0052】
本実施の形態においては、ゲーム進行中、敵キャラクタ53は不可視状態となり、画面表示においては、透明又は半透明の画像として表示される(図10参照)。
【0053】
ユーザ2が擬似HMD5のプッシュスイッチ15を押下すれば、敵キャラクタ53が存在する位置に敵キャラクタ属性情報54と敵キャラクタ位置表示マーカ55が表示されると共に、不可視状態の敵キャラクタ53が可視状態となり、敵キャラクタ位置表示マーカ55が重ねて表示された状態で表示画面上に現れる(図11参照)。
【0054】
本実施の形態においては、ユーザ2は敵キャラクタ位置表示マーカ55により不可視状態の敵キャラクタ53の位置を知ることができるので、ゲームを有利に進めることができる。
【0055】
実施の形態3.
【0056】
本実施の形態は前記実施の形態1における能動状態に設定されているキャラクタの変形例である。図12及び図13はアクティブとなっているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面であり、図8及び図9と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0057】
本実施の形態においては、ゲーム進行中、敵キャラクタ53が瞬間移動を行うようにプログラムされており、一旦画面から消失し、消失後に画面中の別の位置に突然出現するようになっている。
【0058】
敵キャラクタ53は消失直前に消失直前状態画像56として表示画面に表示され(図12参照)、ユーザ2が擬似HMD5のプッシュスイッチ15を押下すれば、アクティブに設定されている敵キャラクタ53が現れる通常映像の画面上に敵キャラクタ属性情報54と敵キャラクタ位置表示マーカ55とが表示されると共に(図13参照)、この位置に敵キャラクタ53が姿を現し、敵キャラクタ位置表示マーカ55は出現した敵キャラクタ53に重ねて表示された状態になる。
【0059】
本実施の形態においては、ユーザ2は敵キャラクタ位置表示マーカ55により、敵キャラクタ53の出現位置を前もって知ることができるので、ゲームを有利に進めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明によれば、ゲーム進行において能動状態に設定されているキャラクタを容易に視認することができるから、従来にない楽しさが得られるゲームが実現できる。
【0061】
また、ヘッドマウントディスプレイ様の入力装置を採用してゲーム進行に影響を及ぼすキャラクタをあたかも遊技者が特定しているかのように錯覚することができるようにしたので、新たな刺激を体感できるから、従来にない楽しさが得られるゲームが実現できる。
【0062】
従って、本発明の産業上利用性は非常に高いといえる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施の形態に係るゲームキャラクタ表示制御システムを説明する斜視図である。
【図2】図1に図示するヘッドマウントディスプレイ様入力装置の斜視図である。
【図3】図1に図示するゲーム装置の斜視図である。
【図4】図2に図示する赤外照射部に内蔵されている赤外線点滅生成回路の配線図である。
【図5】図3に図示するゲーム装置の回路ブロック図である。
【図6】図5に図示するマルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップのデバイスブロック図である。
【図7】ゲーム装置の電源回路図である。
【図8】能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面である。
【図9】能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面である。
【図10】能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面である。
【図11】能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面である。
【図12】能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面である。
【図13】能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面である。
【符号の説明】
【0064】
1 ゲームキャラクタ表示制御システム
2 遊技者
3 赤外照射部
5 入力装置(擬似HMD)
7 ゲーム装置
8 赤外線LED
14 アイシールド
15 プッシュスイッチ
16 赤外線レシーバ
19,20 赤外線反射マーカ
21 CMOSイメージセンサモジュール(CMOSセンサ)
22 マルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップ(マルチメディアプロセッサSoC)
26 ROM
27 SDRAM
53 敵キャラクタ
55 敵キャラクタ位置表示マーカ(能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像)
56 消失直前状態画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム進行において能動状態となっているキャラクタを特定できるようにしたゲームキャラクタ表示制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、表示画面に表示されているキャラクタを赤外線等を照射する銃型入力装置によって特定して攻撃等するゲーム装置は多数種存在し汎用されている。
【0003】
また、ヘッドフォンに赤外線送信部を設けたヘッドフォン付きリモートコントロール装置を操作者の頭部に装着し、操作者の操作に基づく操作信号を生成する入力装置から供給される操作信号をケーブルを介して当該ヘッドフォンに供給して当該操作信号を赤外線信号に変換し、ヘッドフォンに設けられた赤外線送信部からゲーム機本体側受信部に向かって送信することにより、操作信号をゲーム機本体が取りこぼすことがないようにしたリモートコントロール装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−76617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ディスプレイ等の表示画面に登場したゲームキャラクタ等を攻撃等して楽しむ際にゲーム進行において能動状態となっているキャラクタを特定できるゲームキャラクタ表示制御システムを提供することを技術的課題とするものである。
【0006】
また、本発明は、遊技者がディスプレイ等の表示画面を通してあたかもヘッドフォン付きリモートコントロール装置に取り付けらた透明または半透明のアイシールド部に映像が表示されているが如く体感でき、ヘッドマウントディスプレイを装着している錯覚を遊技者に与えることを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって解決できる。
【0008】
即ち、本発明に係るゲームキャラクタ表示制御システムは、遊技者の頭部に装着して赤外線信号を遊技者の視線方向に向かって照射する入力装置と、ゲームプログラムを実行すると共に前記入力装置から送信される赤外線信号を受信して当該ゲームにおいて登場するキャラクタを特定する画像を画面に表示させるゲーム装置とを備えてなり、前記キャラクタを特定する画像がゲーム進行において能動状態に設定されているキャラクタに重ねて表示されるようになっているものである。
【0009】
また、本発明は、前記ゲームキャラクタ表示制御システムにおいて、入力装置を、遊技者の操作によって赤外線信号を送信する赤外線点滅生成回路を有する赤外照射部と、赤外照射部を遊技者の側頭部に位置付けて頭部を跨って固定する、当該赤外照射部に設けられたヘッド固定部と、赤外照射部を位置付けた側の側頭部寄りの目を覆うように赤外照射部から延設された透明アイシールドとから構成したヘッドマウントディスプレイ様入力装置としたものである。
【0010】
また、本発明は、前記いずれかのゲームキャラクタ表示制御システムにおいて、キャラクタを特定する画像が、能動状態に設定されている不可視状態となっているキャラクタに重ねて表示されるものである。
【0011】
また、本発明は、前記いずれかのゲームキャラクタ表示制御システムにおいて、キャラクタを特定する画像が、能動状態に設定されているキャラクタが姿を現す位置に表示されるものである。
【0012】
また、本発明に係るゲームキャラクタ表示制御システムは、遊技者の頭部に装着して赤外線信号を遊技者の視線方向に向かって照射する入力装置と、ゲームプログラムを実行すると共に前記入力装置から送信される赤外線信号を受信するゲーム装置とを備えてなり、前記ゲーム装置は前記入力装置から送信される赤外線信号を受信することにより複数の画面表示モードの切り替えを行うものである。
【0013】
また、本発明は、前記ゲームキャラクタ表示制御システムにおいて、入力装置が赤外線信号を照射する赤外線発光ダイオードを備え、赤外線信号を所定周波数によって発生する赤外線発光ダイオードの点滅信号としたものである。
【0014】
また、本発明は、前記ゲームキャラクタ表示制御システムにおいて、入力装置が抵抗とコンデンサとからなる時定数設定回路を含んでおり、所定周波数が当該時定数設定回路によって設定されるものである。
【0015】
また、本発明は、前記ゲームキャラクタ表示制御システムにおいて、時定数設定回路が無安定マルチバイブレータICを含んでおり、抵抗とコンデンサが当該無安定マルチバイブレータICの端子に接続されているものである。
【0016】
また、本発明は、前記いずれかのゲームキャラクタ表示制御システムにおいて、ゲーム装置が、ゲームプログラムを実行するマルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップと、所定周波数の赤外線信号を受信して出力信号を変化させる赤外線レシーバとを含んでおり、当該出力信号は前記マルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップに入力され、マルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップが当該出力信号の変化を検出することにより複数の画面表示モードの切り替えを行うものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、赤外線信号を遊技者の視線方向に向かって照射する入力装置を遊技者の頭部に装着し、当該赤外線信号をゲームプログラムを実行しているゲーム装置が受信すると、能動状態となっているキャラクタを特定する画像を該キャラクタに重ねて表示させるようにしたので、ゲーム進行においてアクティブに設定されているキャラクタを容易に視認することができる。
【0018】
また、入力装置をヘッドマウントディスプレイ様に構成して当該入力装置を遊技者が操作することによって能動状態となっているキャラクタを特定する画像を該キャラクタに重ねて表示するようにしたので、ゲーム進行に影響を及ぼすキャラクタをあたかも遊技者が特定しているかのように錯覚することができるから、新たな刺激を体感できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0020】
実施の形態1.
【0021】
図1は本実施の形態に係るゲームキャラクタ表示制御システムを説明する斜視図、図2は図1に図示するヘッドマウントディスプレイ様入力装置の斜視図、図3は図1に図示するゲーム装置の斜視図、図4は図2に図示する赤外照射部に内蔵されている赤外線点滅生成回路の配線図、図5は図3に図示するゲーム装置の回路ブロック図、図6は図5に図示するマルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップのデバイスブロック図、図7はゲーム装置の電源回路図、図8及び図9は能動状態となっているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面であり、これらの図において、ゲームキャラクタ表示制御システム(以下、「表示システム」ともいう。)1は、赤外線信号を遊技者2の視線方向に向かって照射する赤外照射部3を遊技者2の側頭部4に位置付けて装着するヘッドマウントディスプレイ様入力装置(以下、「擬似HMD」ともいう。)5と、ゲームプログラムを実行すると共に、擬似HMD5から送信される赤外線信号を受信して当該ゲームにおいて登場する能動状態(アクティブ)となっているキャラクタを特定する画像(以下、「キャラクタ位置表示マーカ」ともいう。)を赤外線信号を受信している間、家庭用テレビ受像機6の表示画面に表示させるゲーム装置7とを備えている。
【0022】
前記擬似HMD5は、図2に示すように、赤外線LED(赤外線発光ダイオード)8が覗く赤外線照射面9を前方に対してフラットに形成して矩形状に突出した指示部10と該指示部10の基を球面に一体的に同化して形成されているドーム型基台11とからなり、該ドーム型基台11の球面から延長している指示部10の外周面が丸みを帯びて形成されている前記赤外照射部3と、赤外照射部3のドーム型基台11から前記指示部10に対して略直角に延設するように設けられて遊技者2の側頭部4に赤外照射部3を位置付けて赤外線照射面9が遊技者2の顔面と同じ向きになるように遊技者2の頭部12を跨って固定する伸縮自在な円形に湾曲したバンド型ヘッド固定部(以下、「ヘッドバンド」という。)13と、赤外線照射面9から平板状に突出した後に赤外照射部3を位置付けた側の側頭部4寄りの目を覆うようにL状に曲げられて延設された着色透明アイシールド14とから構成されており、赤外照射部3は装着した際の遊技者2の頭部12側に当たる内側面が側頭部4になじむ扁平な面に形成されている。なお、赤外照射部3は電話機の受話器を片側に送話部と受話部とを残して二分割した形状となっており、切断面が赤外線照射面9に相当し、受話器の手持部が指示部10に相当し、送話部(受話部)がドーム型基台11に相当する形状であるともいえる。
【0023】
そして、前記赤外照射部3の赤外線照射面9側には赤外線LED8が設けられて指示部10の上面に取り付けられたプッシュスイッチ15を遊技者2が押圧することによってスイッチ回路が閉じ、赤外線の点滅信号が遊技者2の視線方向に向かって照射されるようになっている。
【0024】
前記赤外照射部3には、赤外線の点滅信号を生成する赤外線点滅生成回路が内蔵されており(図4参照)、赤外線点滅生成回路は、抵抗とコンデンサによる時定数によって発振周波数を定める無安定マルチバイブレータIC(例えば、IC555:U1)(以下、「タイマIC」という。)と、該タイマICのVCC端子(8番ピン)と放電端子(DISCHRG:7番ピン)との間に接続した第1抵抗(R1)と、同じく放電端子(DISCHRG:7番ピン)とスレッショルド端子(THRESH:6番ピン)との間に接続した第2抵抗(R2)と、当該スレッショルド端子とトリガ端子(TRIGGER:2番ピン)とに接続した第1コンデンサ(C1)とによって形成されている発振回路(時定数設定回路)、エミッタ接地の第1トランジスタ(例えば、2SC2412K:Q1)と、タイマICの出力端子(OUT:3番ピン)と当該第1トランジスタ(Q1)の間に接続した第3抵抗のベース抵抗(R3)と、当該第1トランジスタ(Q1)に接続した第4抵抗のコレクタ抵抗(R4)と、当該第4コレクタ抵抗(R4)をベース抵抗として接続したエミッタ接地の第2トランジスタ(例えば、2SC2412K:Q2)と、当該第2トランジスタ(Q2)に接続した第5抵抗のコレクタ抵抗(R5)とによって形成されている増幅回路、及び、第2トランジスタ(Q2)と当該第5抵抗(R5)との間に接続した赤外線LED(例えば、PI-4A341F:LED1)8からなる赤外発生回路とによって構成されている。
【0025】
また、図4において、第2コンデンサ(C2)、第3コンデンサ(C3)及び第4コンデンサ(C4)は電源ラインからのノイズによる誤動作を防止するために設けられており、BT1及びBT2は赤外線点滅生成回路に印加される電源であり、SW1は赤外線点滅生成回路を開閉する前記プッシュスイッチ15である。
【0026】
また、タイマIC(IC555:U1)において、1番ピン(GND)は電源のマイナスを示すグランド端子、2番ピン(TRIGGER)は電源電圧の1/3より低い電圧になることによって起動するタイマー起動を示すトリガ端子、3番ピン(OUT)は停止時はロー(L)、タイマー起動中はハイ(H)になる出力を示す出力端子、4番ピン(RESET)は起動中のタイマーを停止してロー(L)出力になるタイマーリセットを示すリセット端子、5番ピン(CTRL)はタイマー時間を電圧で調整する時定数調整を示すコントロール電圧端子、6番ピン(THRESH)は電圧が電源電圧の2/3を越えることによりタイマー時間が終了する充電完了確認を示すスレッショルド端子、7番ピン(DISCHRG)は時定数用コンデンサに溜まった電荷の放電を示す放電端子、8番ピン(VCC)は電源のプラスを示す電圧端子である。
【0027】
そして、タイマIC555を使用した場合、前記出力端子(OUT)から出力される出力信号のハイレベル期間長TH(秒)、ローレベル期間長TL(秒)、発振周波数f(Hz)は
TH=0.693・(R1+R2)・C1
TL=0.693・R2・C1
f=1.44/(R1+2・R2)・C1
によって求めることができ、前記第1抵抗R1に18×103、前記第2抵抗R2に8.2×103、前記第1コンデンサC1に1×10−9を代入すれば、ハイレベル期間長THが約18.2μ秒、ローレベル期間長TLが約5.68μ秒、発振周波数fが約41.9KHzとなる。
【0028】
これにより、プッシュスイッチ15が押されている間、前記赤外線点滅生成回路では、発振回路で生成された発振信号がタイマIC(U1)の出力端子(OUT)から出力され、増幅回路で増幅され、赤外発生回路の赤外線LED(LED1)8が所定の周波数で点灯・消灯を繰り返して点滅する。
【0029】
前記ゲーム装置7は、家庭用テレビ受像機6の上面に設置され、遊技者2と対面するゲーム装置7の前面には、図3に示すように、前記擬似HMD5から送信される赤外線の点滅信号を受信する赤外線レシーバ16と、遊技者2に向かって赤外線を照射する離れて設けられた一対の赤外線LED17,18と、遊技者2の両手指に取り付けた赤外線反射マーカ19,20(図1参照)から反射される前記一対の赤外線LED17,18から照射された赤外線を撮像する、赤外線LED17と赤外線LED18との間に配置されたCMOSイメージセンサモジュール(以下、「CMOSセンサ」ともいう。)21とが設けられている。
【0030】
そして、前記赤外線レシーバ16と赤外線LED17,18とは、図5に示すように、マルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップ(以下、「マルチメディアプロセッサSoC」という。)22の汎用I/O端子(GPIO#1)に接続され、前記CMOSセンサ21はマルチメディアプロセッサSoC22の汎用I/O端子(GPIO#1)とUARTとに接続され、さらに、マルチメディアプロセッサSoC22の汎用I/O端子(GPIO#2)にはEEPROM23が、コンポジットビデオ信号出力端子には映像音声出力端子24が、デジタル音声信号出力端子にはアンプ付きオーディオD/Aコンバータ(以下、「オーディオDAC」という。)25が接続され、当該オーディオDAC25は前記映像音声出力端子24に接続されている。また、マルチメディアプロセッサSoC22から延びるメモリバスにはROM26とSDRAM27とが接続されている。なお、28はマルチメディアプロセッサSoC22の反転増幅回路に接続されて該マルチメディアプロセッサSoC22を駆動するためのクロック信号を生成する水晶振動子である。
【0031】
前記赤外線レシーバ16は家電製品等のリモコン受光器に汎用される赤外線レシーバであり、所定の周波数で点滅する赤外線信号を受信することにより出力信号のレベルを変化させて当該出力信号を擬似HMD5のプッシュスイッチ15の状態として汎用I/O端子(GPIO#1)からマルチメディアプロセッサSoC22に伝達する。前記CMOSセンサ21はCMOSイメージセンサ、レンズユニット及び水晶振動子等から構成されるモジュールユニットであり、レンズユニットで集光された光がCMOSイメージセンサの撮像部に入力されて二次元画素データ配列としてマルチメディアプロセッサSoC22に出力される。前記汎用I/O端子(GPIO#1)はCMOSセンサ21の各種制御のためにも使用され、前記UARTは二次元画素データ配列の入力のために使用されるシリアル入出力端子である。
【0032】
前記マルチメディアプロセッサSoC22は、CPU、DSP、グラフィックプロセッサ、サウンドプロセッサ、メモリ、各種I/O等をシングルチップ上に集積したプロセッサであり、当該CPUはROM26及びSDRAM27に格納されたゲームプログラムを実行し、CMOSセンサ21並びに赤外線レシーバ16から得られる入力情報に応じて家庭用テレビ受像機6に出力する画像や音声を生成する。そして、生成された当該音声はI2Sフォーマットのデジタル音声信号として前記オーディオDAC25に出力される。前記ROM26はゲーム進行において能動状態(アクティブ)に設定されているキャラクタのプログラムコードを含むゲームプログラムのプログラムコード、能動状態(アクティブ)に設定されているキャラクタを特定する画像を含む画像データ、音声データ、定数データ等を格納し、ゲーム装置7の電源が投入された場合やシステムリセットが発生した場合にマルチメディアプロセッサSoC22内のCPUが実行するプログラムコードを格納するメモリである。前記SDRAM27はマルチメディアプロセッサSoC22の主記憶部であり、ROM26からロードされたプログラムコード並びに各種データを格納する領域や生成された画像を格納するフレームバッファ領域や3DCGにマッピングされるテクスチャデータを格納する領域等を備えている。
【0033】
また、前記EEPROM23は各遊技者2毎のゲーム進行状況やカスタマイズ情報等を格納する不揮発性メモリである。前記映像音声出力端子24はマルチメディアプロセッサSoC22より出力されるコンポジットビデオ信号、オーディオDAC25より出力されるアナログ音声信号を家庭用テレビ受像機6に出力する端子であり、AVケーブル29(図1参照)の片端(4極ミニプラグ)が接続される。前記オーディオDAC25はマルチメディアプロセッサSoC22から出力されるデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、さらに、変換されたアナログ音声信号の振幅を増幅して出力する。
【0034】
前記マルチメディアプロセッサSoC22は、図6に示すように、内部バスシステムのバスブリッジと二セットの前記UARTと汎用I/Oと外部メモリとのインターフェース(SDRAMコントローラを含む)とを含んでなる多機能バスブリッジ(ConsumerCustom Solutions Platform:以下「CCCP」という。)30と、CPU31とDSP(Digital Signal Processor)32とDMAC(DirectMemory Access Controller)33とグラフィックプロセッサ34とディスプレイコントローラ35とサウンドプロセッサ36とをバスマスタとして接続してメモリバスや低速内部バスにアクセスを行う、CCCP30から走る高速内部バス(AHB)37と、前記DSP32と前記DMAC33と前記グラフィックプロセッサ34と前記ディスプレイコントローラ35と前記サウンドプロセッサ36と演算アクセレーション・ユニット(CAU)38とパワーマネジメントユニット39とタイマ40とメールボックス41と汎用I/Oとをバススレーブとして接続して主に制御やI/Oアクセスに用いられる、CCCP30から走る低速内部バス(APB)42と、ブートROM26並びにメインメモリであるSDRAM27に格納されているプログラムコードを実行すると共に、マルチメディアプロセッサSoC22の全体制御等を行う32ビットRISC型前記CPU31と、DSPローカルメモリ43を作業メモリ領域として用い、APB42に接続されたメールボックス41を介してCPU31と通信してDMAC33を介してSDRAM27とDSPローカルメモリ43との間でDMA転送を行う、演算を高速に処理するプロセッサである前記DSP32と、DSP32に接続されてDSP32によって実行されるプログラムコードを格納してDSP32の作業メモリ領域として用いられる前記DSPローカルメモリ43と、ROM26内の領域間、ROM26とDSPローカルメモリ43との間及びグラフィックプロセッサ34に接続されたGPUローカルメモリ44とROM26との間でDMA転送を行う前記DMAC33と、3DCG生成のための行列演算、アフィン変換及び投影変換等の幾何演算や3DCGを構成するポリゴンのセットアップやポリゴン並びに2D画像オブジェクトのフレームバッファへの描画を行う前記グラフィックプロセッサ34と、グラフィックプロセッサ34に接続されて3DCG描画の際のZバッファの格納として用いられる前記GPUローカルメモリ44と、ビデオスクリーンとフレームバッファと縦8ピクセル×横8ピクセルからなるキャラクタを格子状に配列した二次元配列のキャラクタ画像である四面の2Dキャラクタスクリーンとを合成して表示画面イメージを生成し、ビデオスクリーン並びにフレームバッファの画像イメージをROM26に格納し、各キャラクタの画像イメージ並びに各キャラクタの配列情報をROM26に格納し、生成された前記表示画面イメージをビデオコンポジット信号波形を表すデジタルデータストリームに変換してビデオD/Aコンバータ(以下、「ビデオDAC」という。)45に出力する前記ディスプレイコントローラ35と、ROM26にPCMデータやADPCMデータとして格納されている楽器音並びに効果音のピッチ変換やボリューム変換を行い、最大64音の楽器音並びに効果音の合成を行って音楽並びに効果音を再生し、CPU31やDSP32によってデコードされてROM26に格納されている圧縮PCMデータを再生し、再生された音声を12Sフォーマットのデジタル音声信号としてオーディオDAC25に出力する前記サウンドプロセッサ36と、浮動小数点数と整数又は固定小数点数との間の変換を高速に実行し、3DCGで描画される画像オブジェクトの座標等のパラメータ演算を行う前記CAU38と、CPU31やDSP32の動作周波数を段階的に制御し、使用していない機能ブロックへのクロック信号の供給を停止してマルチメディアプロセッサSoC22の電力消費を低減させる前記パワーマネジメントユニット39と、供給されるクロック信号に基づいて内蔵するカウンタの値を更新し、カウント値が所定の値になればCPU31やDSP32に対する割り込み要求信号をアサートすることができる前記タイマ40と、CPU31とDSP32との間でのメッセージ通信用に使用される前記メールボックス41と、ディスプレイコントローラ35から入力されるデジタルデータストリームをアナログ信号に変換し、コンポジットビデオ信号として出力する前記ビデオDAC45とから構成されている。
【0035】
前記ゲーム装置7に供給される電源は、図7に示すように、ACアダプタを接続するDCジャック46と、ACアダプタを使用しない場合の乾電池47と、ACアダプタが接続されていない場合に乾電池47へと供給源を切り換える電源切替スイッチ48と、ゲーム装置7へ電力を供給する、電源切替スイッチ48に直列に接続された電源スイッチ49と、直流電源の電圧をマルチメディアプロセッサSoC22を中心とする半導体デバイスが必要とする+3.3Vの直流電源に変換する3Vシリーズレギュレータ50と、同じく直流電源の電圧をマルチメディアプロセッサSoC22のコアロジックが必要とする+1.2Vの直流電源に変換する2Vシリーズレギュレータ51とから構成されている。
【0036】
次に、動作について説明する。
【0037】
遊技者2がゲーム装置7のAVケーブル29を家庭用テレビ受像機6のビデオ端子に接続し、赤外線LED8の赤外線点滅信号が遊技者2の視線方向に向かって照射できるように擬似HMD5の赤外照射部3を遊技者2の側頭部4に位置付けて当該擬似HMD5を頭部12に装着すると共に、着色透明アイシールド14を側頭部4寄りの目を覆うように位置付けてゲーム装置7の電源スイッチ49をONにする。
【0038】
これにより、ゲーム装置7のROM26に格納されているゲームプログラムがCPU31の制御によりSDRAM27を利用して実行され、ゲームアプリケーションソフトウェアのプログラムコード、画像データ及び音声データ等を読み出し、前記DSP32やDMAC33等の機能を利用して画像データにおいてはグラフィックプロセッサ34にて処理され、ディスプレイコントローラ35を介してビデオDAC45からコンポジットビデオ信号として出力され、音声データにおいてはサウンドプロセッサ36にて処理されてデジタル音声信号として出力されてオーディオDAC25を介して家庭用テレビ受像機6に入力され、表示画面にゲーム進行画面が表示される。
【0039】
アクティブ(能動状態)なキャラクタは、CPU31の制御によりROM26からアクティブに設定されているキャラクタのプログラムコードを読み出して当該アクティブコードを持つキャラクタを表示させることによりアクティブなキャラクタとして特定されており、当該キャラクタに対して攻撃を仕掛けることができるようにプログラムされている。
【0040】
遊技者2が擬似HMD5のプッシュスイッチ15を押している間、図4に示す赤外線点滅生成回路の発振回路によって点滅信号が生成されて増幅回路を介して赤外線LED8の点滅によって赤外線点滅信号が出力される。当該赤外線点滅信号はゲーム装置7の赤外線レシーバ16によって受信されてマルチメディアプロセッサSoC22に入力される。
【0041】
マルチメディアプロセッサSoC22では、受信された赤外線点滅信号によってプッシュスイッチ15がON状態であることを認識することにより、表示画面に表示されているアクティブに設定されているキャラクタに重ねてアクティブに設定されているキャラクタを特定する画像であるキャラクタ位置表示マーカを表示するために、CPU32の制御によってROM26に格納されている当該キャラクタを特定する画像データを読み出して前記画像処理がなされてキャラクタ位置表示マーカをアクティブなキャラクタとして特定されているキャラクタに重ねて表示させる。遊技者2がプッシュスイッチ15を再度押してSW1が再びON状態になったことが認識されるとCPU32の制御によって表示画面からキャラクタ位置表示マーカが消えるようになっている。
【0042】
次に、能動状態に設定されているキャラクタを図8及び図9を参照して説明する。
【0043】
図8及び図9は家庭用テレビ受像機6に表示される画面例であり、マルチメディアプロセッサSoC22において実行されるゲームアプリケーションソフトウェアを一人称視点による戦闘ゲームとした場合の実施例であり、当該実施例においては、ユーザ(遊技者)2は反射マーカ19,20を装着した両手を動かし、テレビ受像機6の表示画面に表示される敵キャラクタと戦闘を行う。
【0044】
ゲームがスタートすることにより、画面には一人称視点の三次元コンピュータグラフィックスで描画された背景画像52と敵キャラクタ53とが表示される(通常映像:図8参照)。ユーザ2が両手を動かせば、両手に装着した反射マーカ19,20によって赤外線LED17,18から照射された赤外線が反射されて当該反射光をCMOSセンサ21で撮像し、撮像された画像に対して所定の画像処理を施すことによりユーザ2の手の動きを検出して例えばユーザ2の両手を表示させ、表示画面に表示されている敵キャラクタに53に対して攻撃を仕掛けアームビームを照射等する。
【0045】
ユーザ2が擬似HMD5のプッシュスイッチ15を押下すれば、背景画像52と敵キャラクタ53とが表示された通常映像の画面上に敵キャラクタの強さや敵キャラクタの弱点等の情報としての敵キャラクタ属性情報54と敵キャラクタ位置表示マーカ(能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像)55が常時重ねて表示される(HMD合成映像:図9参照)。ユーザ2が擬似HMD5のプッシュスイッチ15を再度押下すれば、位置表示マーカ55は画面上から消去される。
【0046】
前記敵キャラクタ属性情報54と敵キャラクタ位置表示マーカ55とは、擬似HMD5のアイシールド14に表示される画像として想定してテレビ受像機6の表示画面に表示される。すなわち、前記通常映像に敵キャラクタ属性情報54と敵キャラクタ位置表示マーカ55とからなるアイシールド14の表示される画像として想定して表示される映像を重ね合わせたHMD合成映像がプッシュスイッチ15の押下により表示される。
【0047】
そして、前記HMD合成映像が表示画面に表示されている状態においてユーザ2がプッシュスイッチ15を再度押下すれば、表示画面は前記通常映像に切り替えられる。
【0048】
このように、プッシュスイッチ15の押下により前記通常映像モードと前記HMD合成映像モードとの切り替えを行っているので、ユーザ2は家庭用テレビ受像機6を通してあたかも擬似HMD5のアイシールド14に映像が表示されているが如く体感でき、ヘッドマウントディスプレイを装着している錯覚を得ることができる。
【0049】
なお、本実施の形態においては、ROM26にゲームアプリケーションプログラムが格納されているものであるが、ダウンロードやインストール等により外部からSDRAM27に記録するようにしてもよい。
【0050】
実施の形態2.
【0051】
本実施の形態は前記実施の形態1における能動状態に設定されているキャラクタの変形例である。図10及び図11はアクティブとなっているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面であり、図8及び図9と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0052】
本実施の形態においては、ゲーム進行中、敵キャラクタ53は不可視状態となり、画面表示においては、透明又は半透明の画像として表示される(図10参照)。
【0053】
ユーザ2が擬似HMD5のプッシュスイッチ15を押下すれば、敵キャラクタ53が存在する位置に敵キャラクタ属性情報54と敵キャラクタ位置表示マーカ55が表示されると共に、不可視状態の敵キャラクタ53が可視状態となり、敵キャラクタ位置表示マーカ55が重ねて表示された状態で表示画面上に現れる(図11参照)。
【0054】
本実施の形態においては、ユーザ2は敵キャラクタ位置表示マーカ55により不可視状態の敵キャラクタ53の位置を知ることができるので、ゲームを有利に進めることができる。
【0055】
実施の形態3.
【0056】
本実施の形態は前記実施の形態1における能動状態に設定されているキャラクタの変形例である。図12及び図13はアクティブとなっているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面であり、図8及び図9と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0057】
本実施の形態においては、ゲーム進行中、敵キャラクタ53が瞬間移動を行うようにプログラムされており、一旦画面から消失し、消失後に画面中の別の位置に突然出現するようになっている。
【0058】
敵キャラクタ53は消失直前に消失直前状態画像56として表示画面に表示され(図12参照)、ユーザ2が擬似HMD5のプッシュスイッチ15を押下すれば、アクティブに設定されている敵キャラクタ53が現れる通常映像の画面上に敵キャラクタ属性情報54と敵キャラクタ位置表示マーカ55とが表示されると共に(図13参照)、この位置に敵キャラクタ53が姿を現し、敵キャラクタ位置表示マーカ55は出現した敵キャラクタ53に重ねて表示された状態になる。
【0059】
本実施の形態においては、ユーザ2は敵キャラクタ位置表示マーカ55により、敵キャラクタ53の出現位置を前もって知ることができるので、ゲームを有利に進めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明によれば、ゲーム進行において能動状態に設定されているキャラクタを容易に視認することができるから、従来にない楽しさが得られるゲームが実現できる。
【0061】
また、ヘッドマウントディスプレイ様の入力装置を採用してゲーム進行に影響を及ぼすキャラクタをあたかも遊技者が特定しているかのように錯覚することができるようにしたので、新たな刺激を体感できるから、従来にない楽しさが得られるゲームが実現できる。
【0062】
従って、本発明の産業上利用性は非常に高いといえる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施の形態に係るゲームキャラクタ表示制御システムを説明する斜視図である。
【図2】図1に図示するヘッドマウントディスプレイ様入力装置の斜視図である。
【図3】図1に図示するゲーム装置の斜視図である。
【図4】図2に図示する赤外照射部に内蔵されている赤外線点滅生成回路の配線図である。
【図5】図3に図示するゲーム装置の回路ブロック図である。
【図6】図5に図示するマルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップのデバイスブロック図である。
【図7】ゲーム装置の電源回路図である。
【図8】能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面である。
【図9】能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面である。
【図10】能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面である。
【図11】能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面である。
【図12】能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面である。
【図13】能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像を説明する表示画面である。
【符号の説明】
【0064】
1 ゲームキャラクタ表示制御システム
2 遊技者
3 赤外照射部
5 入力装置(擬似HMD)
7 ゲーム装置
8 赤外線LED
14 アイシールド
15 プッシュスイッチ
16 赤外線レシーバ
19,20 赤外線反射マーカ
21 CMOSイメージセンサモジュール(CMOSセンサ)
22 マルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップ(マルチメディアプロセッサSoC)
26 ROM
27 SDRAM
53 敵キャラクタ
55 敵キャラクタ位置表示マーカ(能動状態に設定されているキャラクタを特定する画像)
56 消失直前状態画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者の頭部に装着して赤外線信号を遊技者の視線方向に向かって照射する入力装置と、ゲームプログラムを実行すると共に前記入力装置から送信される赤外線信号を受信して当該ゲームにおいて登場するキャラクタを特定する画像を画面に表示させるゲーム装置とを備えてなり、前記キャラクタを特定する画像がゲーム進行において能動状態に設定されているキャラクタに重ねて表示されることを特徴とするゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項2】
入力装置が、遊技者の操作によって赤外線信号を送信する赤外線点滅生成回路を有する赤外照射部と、赤外照射部を遊技者の側頭部に位置付けて頭部を跨って固定する当該赤外照射部に設けられたヘッド固定部と、赤外照射部を位置付けた側の側頭部寄りの目を覆うように赤外照射部から延設された透明アイシールドとからなるヘッドマウントディスプレイ様入力装置である請求項1記載のゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項3】
キャラクタを特定する画像が、能動状態に設定されている不可視状態となっているキャラクタに重ねて表示される請求項1又は請求項2記載のゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項4】
キャラクタを特定する画像が、能動状態に設定されているキャラクタが姿を現す位置に表示される請求項1又は請求項2記載のゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項5】
遊技者の頭部に装着して赤外線信号を遊技者の視線方向に向かって照射する入力装置と、ゲームプログラムを実行すると共に前記入力装置から送信される赤外線信号を受信するゲーム装置とを備えてなり、前記ゲーム装置は前記入力装置から送信される赤外線信号を受信することにより複数の画面表示モードの切り替えを行うことを特徴とするゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項6】
入力装置が赤外線信号を照射する赤外線発光ダイオードを備え、赤外線信号が所定周波数によって発生する赤外線発光ダイオードの点滅信号である請求項5記載のゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項7】
入力装置が抵抗とコンデンサとからなる時定数設定回路を含んでおり、所定周波数が当該時定数設定回路によって設定される請求項6記載のゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項8】
時定数設定回路が無安定マルチバイブレータICを含んでおり、抵抗とコンデンサが当該無安定マルチバイブレータICの端子に接続されている請求項7記載のゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項9】
ゲーム装置が、ゲームプログラムを実行するマルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップと、所定周波数の赤外線信号を受信して出力信号を変化させる赤外線レシーバとを含んでおり、当該出力信号は前記マルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップに入力され、マルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップが当該出力信号の変化を検出することにより複数の画面表示モードの切り替えを行う請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載のゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項1】
遊技者の頭部に装着して赤外線信号を遊技者の視線方向に向かって照射する入力装置と、ゲームプログラムを実行すると共に前記入力装置から送信される赤外線信号を受信して当該ゲームにおいて登場するキャラクタを特定する画像を画面に表示させるゲーム装置とを備えてなり、前記キャラクタを特定する画像がゲーム進行において能動状態に設定されているキャラクタに重ねて表示されることを特徴とするゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項2】
入力装置が、遊技者の操作によって赤外線信号を送信する赤外線点滅生成回路を有する赤外照射部と、赤外照射部を遊技者の側頭部に位置付けて頭部を跨って固定する当該赤外照射部に設けられたヘッド固定部と、赤外照射部を位置付けた側の側頭部寄りの目を覆うように赤外照射部から延設された透明アイシールドとからなるヘッドマウントディスプレイ様入力装置である請求項1記載のゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項3】
キャラクタを特定する画像が、能動状態に設定されている不可視状態となっているキャラクタに重ねて表示される請求項1又は請求項2記載のゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項4】
キャラクタを特定する画像が、能動状態に設定されているキャラクタが姿を現す位置に表示される請求項1又は請求項2記載のゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項5】
遊技者の頭部に装着して赤外線信号を遊技者の視線方向に向かって照射する入力装置と、ゲームプログラムを実行すると共に前記入力装置から送信される赤外線信号を受信するゲーム装置とを備えてなり、前記ゲーム装置は前記入力装置から送信される赤外線信号を受信することにより複数の画面表示モードの切り替えを行うことを特徴とするゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項6】
入力装置が赤外線信号を照射する赤外線発光ダイオードを備え、赤外線信号が所定周波数によって発生する赤外線発光ダイオードの点滅信号である請求項5記載のゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項7】
入力装置が抵抗とコンデンサとからなる時定数設定回路を含んでおり、所定周波数が当該時定数設定回路によって設定される請求項6記載のゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項8】
時定数設定回路が無安定マルチバイブレータICを含んでおり、抵抗とコンデンサが当該無安定マルチバイブレータICの端子に接続されている請求項7記載のゲームキャラクタ表示制御システム。
【請求項9】
ゲーム装置が、ゲームプログラムを実行するマルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップと、所定周波数の赤外線信号を受信して出力信号を変化させる赤外線レシーバとを含んでおり、当該出力信号は前記マルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップに入力され、マルチメディアプロセッサ・システム・オン・チップが当該出力信号の変化を検出することにより複数の画面表示モードの切り替えを行う請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載のゲームキャラクタ表示制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−112631(P2009−112631A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−290906(P2007−290906)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(597010226)株式会社コト (13)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(597010226)株式会社コト (13)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】
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