説明

ゲームコントローラケース

【課題】 専用のゲームコントローラを用いずに家庭用ゲーム装置に付属するゲームコントローラを用いて、叩いたり押したりといったアクション系の操作入力を利用したゲームプレイを可能にする。
【解決手段】ゲームコントローラ1230を、空気入りビニール製の上部ケース部110Uと下部ケース部110Dを組み立てて形成されるケース本体110内に収容し、このケース本体110にカバーを被せる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームコントローラを収容するゲームコントローラケースに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームジャンルの一つに、音楽ゲームが知られている。音楽ゲームは、リズムやテンポに合わせて、所定タイミングで楽器を模した専用コントローラを操作する、ステップを踏むといったアクション系の操作入力をすることで、仮想的にダンスをしたり、仮想的に楽器を演奏しているかのような楽しさを得ることのできるゲームである。
音楽ゲームが楽しまれる主たる場はゲームセンターなどであり、プレーヤは業務用に開発された専用のゲーム装置でプレイすることが多いが、近年では家庭用ゲーム装置に接続する専用のコントローラを用いて、例えば和太鼓の演奏を仮想的に楽しむものも存在し、音楽ゲームを家族で楽しむことができることから人気が高い(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−313764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1の技術のように専用のコントローラを用いる場合、叩くなどのアクション系の操作入力に対して高い耐久性を実現するために、構造強度を高めたり内蔵される電子部品の耐振処理を施すなど製作に多くの工数や費用を要すると言った問題があった。
【0004】
本発明は、こうした事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、専用のゲームコントローラを用いずに家庭用ゲーム装置に付属するゲームコントローラを用いて、叩いたり押したりといったアクション系の操作入力を利用したゲームプレイを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決する第1の発明は、加速度検出部(例えば、図2の加速度センサ1248)と前記加速度検出部の検出信号をゲーム装置本体に送信する送信部(例えば、図2の近距離無線モジュール1256)とを備えた把持操作可能なゲームコントローラを収容する収容部(例えば、図6のケース本体110、上部ケース部110U、下部ケース部110D、図8の間隙122)と、
充填された空気の圧力で膨張して前記収容部の外周に緩衝域を形成する緩衝気室部(例えば、図6のケース本体110、上部ケース部110U、下部ケース部110D)と、を備えたゲームコントローラケースである。
【0006】
第1の発明によれば、ゲームコントローラを緩衝性のある緩衝気室部で囲んで収容することができるので、ゲームコントローラケース外部から叩くなどしてもゲームコントローラに直接その衝撃が伝わって壊れる事は無い。その一方で、ゲームコントローラには加速度センサが搭載されており、加速度の検出信号はゲーム装置本体に送信されるので、これを操作入力に利用することができる。従って、専用のゲームコントローラを用いずに家庭用ゲーム装置に付属するゲームコントローラを用いて、叩いたり押したりといったアクション系の操作入力を利用したゲームプレイが実現可能になる。
【0007】
更に、前記緩衝気室部を、組み立てることにより内部に所定空間が形成される複数のサブ気室部(例えば、図6の上部ケース部110U、下部ケース部110D)から成り、前記収容部は、前記サブ気室部によって形成された内部空間から成る、構成とするならば(第2の発明)、複雑な形状のゲームコントローラであっても適切な収容部の形状を作り出す事ができる。
【0008】
また、ゲームコントローラを収容しやすくすることを望むならば、前記収容部を、前記緩衝気室部を貫通する通路とし、前記通路に挿入された前記ゲームコントローラを前記緩衝気室部が周囲から圧接することで保持してなる構成とすると好適である(第3の発明)。
【0009】
或いは、前記収容部を前記緩衝気室部に形成された前記ゲームコントローラ全体を収容可能な凹部から形成し、前記収容部に挿入された前記ゲームコントローラを前記緩衝気室部が周囲から圧接することで保持してなる構成としても良い(第4の発明)。
【0010】
更に、前記ゲームコントローラに着脱自在で、前記ゲームコントローラに備えられたスイッチの誤操作防止用のスイッチカバー部を備える構成とすると(第5の発明)、ゲームコントローラケースの外部から叩き操作したとしてもスイッチ類が押されてプレーヤが意図しない操作入力が為されてしまうのを防ぐことができるので好適である。
【0011】
また更に、前記緩衝気室部に空気吹込口を備える構成とすると(第6の発明)、必要に応じてユーザが膨らませて使用することができるので、販売時には緩衝気室をしぼめた小さな状態で管理・運搬・販売できるので好適である。
【0012】
また更に、前記緩衝気室部の外周を被覆するカバー部を備える構成とするならば(第7の発明)、緩衝気室部の損傷を防ぐことができる。また、ゲームコントローラケースの意匠を自在に変えることができるので、異なるゲームで使用することが可能になるので好適である。
【0013】
そして、前記緩衝気室部をビニール製とするならば(第8の発明)、製造が低コストで済むので好適である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ゲームコントローラを緩衝性のある緩衝気室部で囲んで収容することができるので、ゲームコントローラケース外部から叩くなどしてもゲームコントローラに直接その衝撃が伝わって壊れる事は無い。その一方で、ゲームコントローラには加速度センサが搭載されており、加速度の検出信号はゲーム装置本体に送信されるので、これを操作入力に利用することができる。従って、専用のゲームコントローラを用いずに家庭用ゲーム装置に付属するゲームコントローラを用いて、叩いたり押したりといったアクション系の操作入力を利用したゲームプレイが実現可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
〔第1実施形態〕
本発明を適用した第1実施形態として、家庭用ゲーム装置に付属する加速度センサを搭載したゲームコントローラを収容するゲームコントローラケースを例に挙げて説明する。
【0016】
[システム構成の説明]
図1は、本実施形態における家庭用ゲーム装置1200の構成例を説明するための図である。家庭用ゲーム装置1200は、ゲーム装置本体1201と、ゲームコントローラ1230と、ビデオモニタ1220とを備える。
【0017】
ゲーム装置本体1201は、例えばCPUや画像処理用LSI、ICメモリ等が実装された制御ユニット1210と、光学ディスク1202やメモリカード1204といった情報記憶媒体の読み取り装置1206,1208とを備える。そして、家庭用ゲーム装置1200は、光学ディスク1202やメモリカード1204からゲームプログラム及び各種設定データを読み出し、ゲームコントローラ1230に為される操作入力に基づいて制御ユニット1210が各種のゲーム演算を実行し、所与のビデオゲームを実行する。
【0018】
制御ユニット1210は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)及びDSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ICメモリなどの電気電子機器を備え家庭用ゲーム装置1200の各部を制御する。
また、制御ユニット1210は、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)と言った通信回線1と有線又は無線接続し、外部装置との間でデータ通信を実現する通信装置1212を備える。また、近距離無線通信モジュール1214を備え、近距離無線を介して複数のゲームコントローラ1230との間でデータの送受信を実現する。近距離無線の形式としては、例えばBluetooth(登録商標)やUWB(超広帯域無線)、無線LANなどが適宜適用可能である。
【0019】
そして、制御ユニット1210は、ゲームコントローラ1230から受信した操作入力信号に基づいてゲーム画面やゲーム音を生成してビデオゲームを実行する。生成されたゲーム画面やゲーム音に基づく映像信号や音信号がケーブル1209で接続されたビデオモニタ1220(ディスプレイモニタ)に出力される。ビデオモニタ1220には、画像を表示する画像表示装置1222と、音声を出力するスピーカ1224とが備えられており、プレーヤは画像表示装置1222に映し出されるゲーム画面を見ながら、スピーカ1224から放音されるゲーム音を聞きつつゲームをプレイする。
【0020】
図2は、ゲームコントローラ1230の構成例を示す外観図であって、(a)正面図、(b)正面向かって右から見た右側面図、(c)後面図に相当する。同図に示すように、ゲームコントローラ1230は面取りされた略四角断面を有する棒状を成しており、単独で使用する場合にはプレーヤは棒を握る要領で片手把持し操作することができる。
【0021】
ゲームコントローラ1230は、内蔵するコントローラ制御ユニット1260を中心に、各種入力デバイス及び出力デバイスを、例えばIIC(Inter-Integrated Circuit)バスなどによって実現されるローカルバス回路によって接続しており、コントローラ制御ユニット1260によって各デバイス間の入出力を制御する。
【0022】
具体的には、例えばスイッチ類の入力デバイスとしては、正面側(上面側)の中央部にAボタン1232とBボタン1234、正面側下部にCボタン1236とDボタン1238を備える。また正面側の上部には、十字状の四隅を押下することで上下左右の方向を個別に入力することのできる方向入力キー1242を備える。更に背面側の上部にはトリガー1246を備える。
【0023】
また、その他の入力デバイスとしては、加速度センサ1248と、撮像素子1255とを備える。
加速度センサ1248はゲームコントローラ1230の長手先端方向(図2(a)で言うところの上方向)をZ軸のプラス方向、正面向かって右方向(図2(a)で言うところの右方向)をX軸のプラス方向、正面向かって手前方向(図2(b)で言うところの左方向)をY軸のプラス方向とする直交3軸方向の各加速度を検出し、検出した加速度に応じた電圧等の検出信号をコントローラ制御ユニット1260に出力する。
撮像素子1255は、CCDセンサやCMOSセンサによって実現され、ゲームコントローラ1230の先端に設けられて長手方向前方(前端方向)の様子を撮影し、画像信号をコントローラ制御ユニット1260に出力する。
【0024】
また、本実施形態におけるゲームコントローラ1230は、出力デバイスとしてバイブレータ1252と、スピーカ1254とを備える。
バイブレータ1252は、コントローラ制御ユニット1260から出力された振動制御信号に従って振動を発生させ、ゲームコントローラ1230を把持するプレーヤの手に振動を感じさせる。
スピーカ1254は、コントローラ制御ユニット1260から出力された音出力信号に従って音を発生させ、操作面側に放音する。
【0025】
また、本実施形態におけるゲームコントローラ1230は、その後端面に、操作入力デバイス及び出力デバイスを繋ぐ通信ケーブルを着脱自在に接続するための拡張端子1250と、ストラップ1270の一端を止めるストラップホルダ1272とを備える。
拡張端子1250は、コントローラ制御ユニット1260に設けられたローカルバス回路を外部に拡張するための端子である。本実施形態におけるローカルバスは、例えばIIC(Inter-Integrated Circuit)バス規格によって実現され、所定形状のコネクタを活線挿抜に接続することができるとともに、拡張端子1250に含まれる接続ピンの電圧を検知することで挿抜に伴うコネクタやデバイスの接続検出ができる。
【0026】
コントローラ制御ユニット1260は、例えば、CPUやローカルバス回路におけるデータ通信を制御するバスコントローラICなどの各種マイクロチップやICメモリなどの電子部品、ゲーム装置本体1201の近距離無線通信モジュール1214と無線通信を実現する近距離無線通信モジュール1256などを実装する。なお、ゲーム装置本体1201とゲームコントローラ1230とは、近距離無線通信モジュール1214及び近距離無線通信モジュール1256を利用して無線通信で通信されるが、有線通信用の通信モジュールを組み込んで有線で通信しても良いことは勿論である。
【0027】
そして、コントローラ制御ユニット1260は、ローカルバス回路を介して各種入力デバイスから送信された信号に基づいて操作入力信号を生成し、生成した操作入力信号を近距離無線通信モジュール1256でゲーム装置本体1201へ送信する。また、近距離無線通信モジュール1256によって、ゲーム装置本体1201から送出された出力信号を受信した場合には、受信した出力信号に対応づけられている出力デバイスへ制御信号を生成・送出する。
尚、コントローラ制御ユニット1260及び各部が必要とする電力は、ゲームコントローラ1230の背面側に凹設されたバッテリー室内に内蔵されたバッテリー1258から供給される。
【0028】
また、ゲームコントローラ1230の左右側面には、後端から前端へ向けて各一筋の嵌合溝1244が凹設されている。嵌合溝1244の前端側の底部には、凹設寸法が部分的に大きくなった嵌合凹部1245が設けられている。
【0029】
[ゲームコントローラケースの構成]
図3は、本実施形態におけるゲームコントローラケース100の構成例を示す斜視図である。本実施形態におけるゲームコントローラケース100は、スイッチカバー1270と、同カバーを装着したゲームコントローラ1230を収容するケース本体110と、ケース本体110の全外周を覆うカバー190とを備える。
【0030】
カバー190は、例えばゲームに登場するキャラクタを模した意匠を備え、その内寸はゲームコントローラ1230を収納した状態で運搬しても、中に収容されているケース本体110の位置ズレが起きない程度に密着するように設定されている。
【0031】
図4は、本実施形態におけるスイッチカバー1270の構成例を示す図であって、(a)正面図、(b)A−A断面図、(c)後面図に相当する。
スイッチカバー1270は、ゲームコントローラ1230の正面を覆うカバーである。具体的には、ゲームコントローラ1230の正面に設けられたボタンスイッチ類(Aボタン1232、Bボタン1234、Cボタン1236、Dボタン1238、方向入力キー1242)を覆う前後に長い長方形の板材からなるカバー本体1272と、その左右両端から延設された係合腕部1274と、カバー本体1272の正面側に設けられたすべり止め1276と、カバー本体1272の前端部裏面に突設された脚部1278とを備える。
【0032】
係合腕部1274の長さは、Aボタン1232、Bボタン1234、Cボタン1236、Dボタン1238、方向入力キー1242の内、最突出した部分から嵌合溝1244までの距離より長く設定されている。また、係合腕部1274の特に屈曲部の板厚はゲームコントローラ1230の嵌合溝1244の溝に遊嵌できるように設定され、突起1275は嵌合凹部1245の深さに合わせて設定されている。また、左右の係合腕部1274は、それぞれ後端から前後中ほどまでの区間でその先端部が互いに対向するように屈曲されている。更に係合腕部1274の屈曲部分の前端寄りの位置には、屈曲方向に突起1275が設けられている。
【0033】
すべり止め1276は、すべり止め塗料の塗布、シリコンゴムシートの貼設などによって実現される。
脚部1278は、カバー本体1272の前端部裏面の左右縁に、前後方向に沿って突設された突起部である。突寸は、スイッチカバー1270をゲームコントローラ1230に装着した状態において、カバー本体1272の前端側の裏面がゲームコントローラ1230のプッシュスイッチ類の上面に接触しないように浮かせるのに十分な値を適宜設定すると良い。
【0034】
図5は、スイッチカバー1270をゲームコントローラ1230に装着した状態を示す図であって、(a)正面図、(b)正面向かって左側から見た左側面図、(c)後面図に相当する。同図に示すように、カバー本体1272をゲームコントローラ1230の正面と略平行になるようにして、係合腕部1274の屈曲部をゲームコントローラ1230の嵌合溝1244に嵌合させて後方から前方へスライド嵌合させると、突起1275が嵌合凹部1245に嵌まって止まる。
【0035】
係合腕部1274の長さは、Aボタン1232、Bボタン1234、Cボタン1236、Dボタン1238、方向入力キー1242の内、最突出した部分から嵌合溝1244までの距離より長く設定されているので、カバー本体1272がそれらボタンスイッチ類の上方を覆い外部からの接触によってそれらが押下されてしまう誤操作を防ぐことができる。
【0036】
図6は、本実施形態におけるケース本体110の構成例を示す図であって、(a)正面図(=上面図)、(b)後側面図である。尚、ケース本体110の向きを説明する際は、図6(a)における上、下、左、右をそれぞれ前方、後方、左、右とし、図6(b)における上、下をそれぞれ正面又は上、背面又は下という。即ち、ゲームコントローラ1230を収納した状態のゲームコントローラ1230の方向と同様である。
【0037】
ケース本体110は、ゲームコントローラ1230を直径方向に沿って寝かせた姿勢で収容することのできる円柱形状を有する。ケース本体110は、上部ケース部110Uと下部ケース部110Dとの二つのパーツから成り、使用時に一体に組み立てられる。
【0038】
上部ケース部110Uと下部ケース部110Dは、例えば塩化ビニール製の空気入りビニールによって形成される。それぞれ、人が口を付けて息を吹き込むための吹込口112を備え、プレーヤが使用前に息を吹き込んで膨らませて使用する。上部ケース部110Uと下部ケース部110Dは、それぞれサブ気室となり、充填された空気の圧力で膨張した後に組み合わされて図のような外形を成す。
尚、ケース本体100の製造に当たっては、公知の空気入りビニール製品に適用される技術を適宜流用可能である
【0039】
図7は、上部ケース部110Uの例を示す外観図であって、(a)側面図、(b)背面図(=下面図)に相当する。
上部ケース部110Uは、平たい円柱状のベース部114の背面側外縁に環状突部116が設けられた外形を有する。環状突部116の内径は、ゲームコントローラ1230の全長とほぼ同じ或いは僅かに大きく設定され、その突寸はゲームコントローラ1230にスイッチカバー1270を装着した状態の全高(図5(b)で言うところの左右幅、図5(c)で言うところの上下幅)とほぼ同じ或いは僅かに大きく設定されている。
尚、上部ケース本体110Uに空気を入れた時に上面ができるだけ平らに近づくように適宜内壁118を設ける構成としても良い。
【0040】
図8は、本実施形態における下部ケース部110Dの例を示す外観図であって、(a)正面図(=上面図)、(b)側面図に相当する。
下部ケース部110Dは、平たい円柱状のベース部114の正面側に、上面視略半円形の二つの半円突部120が互いに直線部を対向させて間隙122を開けて突設された外形を有する。間隙122は、ゲームコントローラ1230にスイッチカバー1270を装着した状態の全幅(図5(a)で言うところの左右幅)とほぼ同じ或いは僅かに大きく設定されている。
【0041】
二つの半円突部120の側曲面を曲率にしたがって結ぶ円124の直径D1は、上部ケース部110Uの環状突部116の内径とほぼ同じか僅かに小さく設定されている。また、半円突部120の突寸はゲームコントローラ1230にスイッチカバー1270を装着した状態の全高とほぼ同じ或いは僅かに小さく設定されている。
尚、上部ケース本体110Uと同様に、空気を入れた時に下面ができるだけ平らに近づくように適宜内壁118を設ける構成としても良い。
【0042】
図9は、本実施形態におけるカバー190の構成例を示す図であって、(a)正面図(=上面図)、(b)B−B断面図である。
カバー190は、布製カバーであり、その正面には、キャラクタの顔などが描かれ、全体としてキャラクタとしての意匠を有する。内寸はゲームコントローラ1230を収納した状態で運搬しても収容されているケース本体110の位置ズレが起きない程度に密着するように設定されている。カバー190を説明する際の方向は、ケース本体110を収納した状態のケース本体110の方向と同様である。カバー190の側面下部には、外周沿いにジッパー192が設けられており、開閉自在となっている。また、その下面(背面)にはすべり止め194が貼設されている。
【0043】
[ゲームコントローラケースの使い方の説明]
ゲームコントローラケース100は、使用前に組み立てる必要がある。先ずゲームコントローラ1230にスイッチカバー1270を装着し、上部ケース部110U及び下部ケース部110Dを膨らませておく。
【0044】
次に、ケース本体110の下部ケース部110Dの間隙122に嵌め込み、上部ケース部110Uの環状突部116を下にして、下部ケース部110Dの半円突部120をその内側に嵌合させるようにして被せてケース本体110を組み立てる。
そして、ケース本体110の正面(上面)をカバー190の正面(上面)に合わせてその内に入れ、ジッパー192を閉じて組立完成となる。
【0045】
ゲームコントローラケース100が組み立てられると、間隙122は上部ケース部110U及び下部ケース部110Dの形成する気室によって囲繞された閉空間となる。
そして、上部ケース部110U及び下部ケース部110Dはそれぞれ空気で膨らまされているので、閉空間の各内壁に相当する部分はそれぞれ僅かに同空間中央へやや膨らむことになる。そこにスイッチカバー1270を装着したゲームコントローラ1230が収容されるのであるから、ゲームコントローラ1230は外周面から圧接されて保持されることになる。
【0046】
ゲームコントローラ1230の正面には各種プッシュスイッチ類が設けられているが、スイッチカバー1270でその上面を覆うことで、圧接環境に有ってもそれらプッシュスイッチ類が押されて誤入力されることを防ぐことができる。そして、上部ケース部110U及び下部ケース部110Dの各気室がそれぞれ緩衝材として機能する。
【0047】
ゲームコントローラケース100を、太鼓を叩く要領で叩き操作した場合、ゲームコントローラ1230の加速度センサ1248が同操作に伴う加速度を検出し、検出された加速度信号はゲーム装置本体1201に送信されゲーム処理に利用される。
【0048】
具体的には、例えば図10は、ゲームコントローラケース100の上面を叩き操作する場合を示す図であって、(a)外観様子、(b)加速度センサ1248で検出された各加速度値に基づくジャークの波形の例を示す図である。「ジャーク」とは、加速度の微分値であり「躍動」とも呼ばれる。
【0049】
同図に示すように、ゲームコントローラケース100の上面(=正面)を叩き操作した場合に、加速度センサ1248で検出されたXYZ各軸の加速度のジャークを求めると、Y軸加速度のジャーク(Yj)ではスパイク状の変化が検出されるが、X軸やZ軸の加速度のジャークでは僅かな変化しか検出されない。従って、Y軸加速度のジャークに基準値以上の変化を検出したことを操作入力の一つとして利用することができる。
【0050】
また、図11は、ゲームコントローラケース100の右側面を叩き操作する場合を示す図であって、(a)外観様子、(b)加速度センサ1248で検出された各加速度値に基づくジャークの波形の例を示す図である。同図に示すように、ゲームコントローラケース100の右側面を叩き操作した場合に、加速度センサ1248で検出されたXYZ各軸の加速度のジャークを求めると、X軸加速度のジャーク(Xj)ではスパイク状の変化が検出されるが、Y軸やZ軸の加速度のジャークでは僅かな変化しか検出されない。従って、X軸加速度のジャークに基準値以上の変化を検出したことを操作入力の一つとして利用することができる。
【0051】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様であるが、ケース本体110の構成が異なる。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与し説明は省略するものとする。
【0052】
図12は、本実施形態におけるケース本体110Bの構成例を示す外観図である。ケース本体110Bは、第1実施形態のケース本体110と同様にスイッチカバー1270を装着したゲームコントローラ1230を直径方向に寝かせた姿勢で収容できる大きさの一体の円柱状の外観を有する。ケース本体110Bは、例えば塩化ビニール製の空気入りビニールによって形成され、その側面には吹込口112が備えられている。プレーヤが使用前に息を吹き込んで膨らませることでケース本体110Bは、一つの気室に充填された空気の圧力で膨張して図のような外形を成す。
【0053】
また、ケース本体110Bは直径方向に貫通するコントローラ収容部130を備える。コントローラ収容部130は、内寸高さがスイッチカバー1270を装着したゲームコントローラ1230の全高より僅かに大きく、内寸横幅がスイッチカバー1270を装着したゲームコントローラ1230の全幅より僅かに大きく設定されている。
【0054】
図13は、本実施形態におけるケース本体110Bの分解斜視図である。
ケース本体110Bの構造及び組立方法は、公知の空気入りビニール製品に適用される技術を適宜流用可能であるが、一例として次のような構造と組立方法が考えられる。すなわち、予め成形された管状のコントローラ収容部130の両端開口部の外周をケース側面帯132に接着し、更にシート状の隔壁材134の両端をそれぞれコントローラ収容部130の左右側壁部とケース側面帯132とに接着する。
【0055】
そして、ケース側面帯132の長手方向両端を接着して環状体し、この環状体となったケース側面帯132の上部及び下部の開口部にそれぞれ円形シートの蓋部136を接着して組立完了となる。尚、コントローラ収容部130と隔壁材134は、ケース本体110Bを膨らませた時、図12に示すように、上面視略十文字状となるように配置されると好適である。また、組立に際してはケース側面帯132には予め吹込口112が取り付けられているものとする。
【0056】
使用に当たっては、吹込口112から息を吹き込んでケース本体110Bを膨らませ、スイッチカバー1270を装着したゲームコントローラ1230をコントローラ収容部130へ挿入し、カバー190内に収容する。
コントローラ収容部130の内壁は、充填された空気の圧力によって同通路の中央方向へ向けて膨張した状態となるので、ゲームコントローラ1230は四方から圧接されて位置が固定され保持される。またこの時、スイッチカバー1270のすべり止め1276が同通路上面内壁と圧接されることで抜け止め、位置保持の機能を発揮する。
【0057】
〔第3実施形態〕
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。本発明も基本的には第1実施形態と同様であるが、ケース本体110Cの形状と構造が異なる。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与し説明は省略する。
【0058】
図14は、本実施形態におけるケース本体110Cの構成例を示す外観図であって、(a)正面図(上面図)、(b)下側図である。同図に示すように、ケース本体110Cは、空気入りビニールによって作られたドーナツ型のサブ気室140を同軸状に複数連結・接着して形成され、全体としてスイッチカバー1270を装着したゲームコントローラ1230の全長よりも長い管状の外観を成している。
【0059】
サブ気室140の中央に設けられる空間の内径は、スイッチカバー1270を装着したゲームコントローラ1230の全高及び全幅の何れか大きいほうよりも僅かに大きく設定されている。
【0060】
また、サブ気室140にはそれぞれ吹込口112が設けられているが、図14(a)に示すように吹込口112が中心軸CLを中心に左右交互に配置されるとともに、図14(b)に示すように上面視或いは下面視すると、吹込口112がケース本体110Cの周り止めとなる位置となるように、連結・接着される。つまり、ケース本体110Cを吹込口112を下にして横倒して置いた時に、中心軸CLを中心に左右に配された吹込口112が、あたかも管から斜め下方に向けて突設された脚部となるようにしてサブ気室140が連結される。なお、吹込口112を脚部代わりとするのではなく、脚部をサブ気室140に設けてもよいことは勿論である。
【0061】
使用に当たっては、予め各サブ気室140に息を吹き込んで膨らませておく。そして、管の中心にできる通路にスイッチカバー1270を装着したゲームコントローラ1230を挿入する。この時、通路内壁はそれぞれ内向きに膨張した状態となるので挿入されたゲームコントローラ1230は四方から圧接されて位置保持される。また、スイッチカバー1270のすべり止め1276が同通路内壁と圧接されることで更なる抜け止め、位置保持の機能を発揮する。
尚、第1実施形態と同様にケース本体110Cにカバーを被せる場合には、ケース本体110Cと同様の円柱状のカバーデザインとする必要がある。
【0062】
〔第4実施形態〕
次に、本発明を適用した第4実施形態について説明する。本発明も基本的には第1実施形態と同様であるが、ケース本体110Dの形状と構造が異なる。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与し説明は省略する。
【0063】
図15は、本実施形態におけるケース本体110Dの構造例を示す外観図であって、(a)正面図(上面図)、(b)後面図である。ケース本体110Dは、四つの縦長のサブ気室150が配列されたシート状の空気入りビニールの両端が繋がれて、全体としてサブ気室150が四方に配された管状を成し、その中央にスイッチカバー1270を装着したゲームコントローラ1230を挿入する収容空間が形成されている。
【0064】
サブ気室150の全長は、ゲームコントローラ1230よりも長く設定されており、全てのサブ気室150は連通しており、一つの吹込口112から吹き込まれた空気で全てが膨らむようにできている。
【0065】
尚、本実施形態ではケース本体110Dは予め管状に形成されるが、両端に面ファスナーを設けたシート状とし、スイッチカバー1270を装着したゲームコントローラ1230に巻き付けて使用する構成としても良い。
また、サブ気室150の数も適宜設定可能である。
【0066】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態及びその変形例について述べたが、本発明の適用形態がこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜構成要素の変更・追加・省略を行うことができる。
【0067】
例えば、上記実施形態ではユーザレベルで空気を充填して膨らませる構成としているが、窒素ガスなど特定のガスを封入した状態で提供されるとしても良い。また、充填するものは気体に限らず、ゲル状物質でも良い。また、第2〜第4実施形態で、管の中心にできる通路を、スイッチカバー1270を装着したゲームコントローラ1230の収容部として用いる構成を説明したが、この通路は、ゲームコントローラケースを貫通している必要はなく、前端側(例えば図12(a)における上側)が閉じられた凹部であってもよい。その凹部はゲームコントローラ1230の全長よりも長い内部空間であるため、ゲームコントローラ1230全体を収容可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】家庭用ゲーム装置の構成例を示す構成図。
【図2】ゲームコントローラの構成例を示す外観図。
【図3】第1実施形態におけるゲームコントローラケースの構成例を示す斜視図。
【図4】スイッチカバーの構成例を示す図。
【図5】スイッチカバーをゲームコントローラに装着した状態を示す図。
【図6】第1実施形態におけるケース本体の構成例を示す図。
【図7】上部ケース部の例を示す外観図。
【図8】下部ケース部の例を示す外観図。
【図9】カバーの構成例を示す図。
【図10】第1実施形態におけるゲームコントローラケースの上面を叩き操作する場合を示す図であって、(a)外観様子、(b)加速度センサで検出された各加速度値に基づくジャークの波形の例を示す図。
【図11】第1実施形態におけるゲームコントローラケース右側面を叩き操作する場合を示す図であって、(a)外観様子、(b)加速度センサで検出された各加速度値に基づくジャークの波形の例を示す図。
【図12】第2実施形態におけるケース本体の構成例を示す外観図。
【図13】第2実施形態におけるケース本体の分解斜視図。
【図14】第3実施形態におけるケース本体の構成例を示す外観図。
【図15】第4実施形態におけるケース本体の構成例を示す外観図。
【符号の説明】
【0069】
100 ゲームコントローラケース
110 ケース本体
110U 上部ケース部
110D 下部ケース部
112 吹込口
114 ベースプレート
116 環状突部
118 内壁
120 半円突部
122 間隙
130 コントローラ収容部
132 ケース側面帯
134 隔壁材
136 蓋部
190 カバー
1200 家庭用ゲーム装置
1230 ゲームコントローラ
1270 スイッチカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速度検出部と前記加速度検出部の検出信号をゲーム装置本体に送信する送信部とを備えた把持操作可能なゲームコントローラを収容する収容部と、
充填された空気の圧力で膨張して前記収容部の外周に緩衝域を形成する緩衝気室部と、
を備えたゲームコントローラケース。
【請求項2】
前記緩衝気室部は、組み立てることにより内部に所定空間が形成される複数のサブ気室部から成り、
前記収容部は、前記サブ気室部によって形成された内部空間から成る、
請求項1に記載のゲームコントローラケース。
【請求項3】
前記収容部は、前記緩衝気室部を貫通する通路から成り、
前記通路に挿入された前記ゲームコントローラを前記緩衝気室部が周囲から圧接することで保持してなる、
請求項1又は2に記載のゲームコントローラケース。
【請求項4】
前記収容部は、前記緩衝気室部に形成された前記ゲームコントローラ全体を収容可能な凹部から成り、
前記収容部に挿入された前記ゲームコントローラを前記緩衝気室部が周囲から圧接することで保持してなる、
請求項1又は2に記載のゲームコントローラケース。
【請求項5】
前記ゲームコントローラに着脱自在で、前記ゲームコントローラに備えられたスイッチの誤操作防止用のスイッチカバー部を備える請求項1〜4の何れか一項に記載のゲームコントローラケース。
【請求項6】
前記緩衝気室部に空気吹込口を備える請求項1〜5の何れか一項に記載のゲームコントローラケース。
【請求項7】
前記緩衝気室部の外周を被覆するカバー部を備える請求項1〜6の何れか一項に記載のゲームコントローラケース。
【請求項8】
前記緩衝気室部は、ビニール製でなる請求項1〜7の何れか一項に記載のゲームコントローラケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−207632(P2009−207632A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−52593(P2008−52593)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】