説明

ゲームシステム、それに用いる制御方法及び、コンピュータプログラム

【課題】ゲーム端末の位置を利用して参照情報の内容を変化させることができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲームシステム1は、センターサーバ3と、センターサーバ3にネットワーク5を介して接続可能な複数のゲーム端末GTと、を備え、各ゲーム端末GTのゲーム結果を利用したランキング情報が提供されるゲームシステムであって、複数のゲーム端末GTのそれぞれには、自己の位置情報をセンターサーバ3に送信するGPS機能が設けられ、センターサーバ3にて、各ゲーム端末GTの位置情報に基づいて、複数のゲーム端末GTのゲーム結果のうちから一部のゲーム結果を抽出し、抽出した一部のゲーム結果に限定されたランキングが提供されるように、抽出した一部のゲーム結果に限定して所定の処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム結果を利用した参照情報が提供されるゲームシステム、それに用いる制御方法及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム結果を利用した参照情報が提供されるゲーム機或いはゲームシステムが存在する。このような参照情報として、例えば、全国ランキング、都道府県別ランキング、店舗内ランキング、ゲーム機内ランキング、グループ内ランキングといったランキングの情報をゲーム結果に基づいて提供するゲームシステム等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−168762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような従来のゲームシステム等では、ランキングを生成する対象範囲が事前に設定されており、この対象範囲が変更されることはない。このため、設定された範囲によっては、例えば、対象範囲が都道府県別に設定されていれば、東京都はプレイヤ等の人口が多く、地方のプレイヤの人口は少ないというように人口密度の相違等により各範囲間に不均衡が生じてしまう場合がある。しかし、従来のゲームシステム等では、このような不都合を解消する余地がない。
【0005】
そこで、本発明は、ゲーム端末の位置を利用して参照情報の内容を変化させることができるゲームシステム、それに用いる制御方法及び、コンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、センターサーバ(3)と、前記センターサーバに通信回線(5)を介して接続可能な複数のゲーム端末(GT)と、を備え、各ゲーム端末のゲーム結果を利用した処理結果に基づいて参照情報が提供されるゲームシステムにおいて、前記複数のゲーム端末のそれぞれには、自己の位置情報を前記センターサーバに送信する位置情報送信手段(7、9、10)が設けられ、前記センターサーバには、前記位置情報送信手段により送信された前記位置情報に基づいて、前記複数のゲーム端末のゲーム結果のうちから一部のゲーム結果を抽出する抽出手段(31)と、前記抽出手段により抽出された一部のゲーム結果に限定された前記参照情報が提供されるように、前記一部のゲーム結果に限定して所定の処理を実行する処理実行手段(31)とが設けられている。
【0007】
本発明によれば、各ゲーム端末が実際に位置している場所を利用して、全ゲーム結果の一部が抽出され、その抽出範囲に限定した処理結果が提供される。これにより、参照情報にゲーム結果の実際の位置を反映することができるので、ゲーム端末の位置を利用して参照情報の内容を変化させることができる。また、ゲーム端末の位置を利用して参照情報の内容を変化させることにより、人口密度の相違による不均衡等の地理的な不都合を解消することもできる。
【0008】
位置情報が利用されれば、参照情報の対象となる一部のゲーム結果はどのように抽出されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記抽出手段は、前記位置情報に基づいて、少なくとも一つのゲーム端末の位置と当該ゲーム端末の位置を基準として設定される所定の範囲内に位置する各ゲーム端末とを特定し、前記所定の範囲に含まれる各ゲーム端末の各ゲーム結果を前記一部のゲーム結果として抽出してもよい。
【0009】
所定の範囲は、どのように設定されてもよい。例えば、抽出手段が所定の範囲を利用する態様において、前記センターサーバには、所定のエリアを複数の所定の単位(ST)に分割して定義したエリア分割データ(35)を記憶するサーバ記憶部(32)が設けられ、前記抽出手段は、前記エリア分割データにて定義された前記所定の単位と対応付けて各ゲーム端末の位置を特定するとともに、前記所定の単位を利用して前記所定の範囲を設定してもよい。
【0010】
また、位置情報を利用して設定された所定の範囲内の各ゲーム端末のゲーム結果が一部のゲーム結果として抽出される態様において、前記複数のゲーム端末のそれぞれには、前記参照情報として求める参照条件を指定する条件指定手段(8、10)が更に設けられ、前記抽出手段は、前記参照条件に基づいて、前記参照条件が満たされるように、前記所定の範囲を設定してもよい。この場合、指定された参照条件に従って、所定の範囲が設定されるので、位置情報に加えて、参照条件も参照情報に反映することができる。このため、例えば、対象のゲーム端末の数が参照条件として指定される場合には、指定のゲーム端末数が参照情報の対象となるように所定の範囲が設定され、その所定の範囲内に限定された参照情報が提供される。従って、参照情報の一例として、ランキング情報が提供されるときには、人口密度が高く高得点の人口が多い東京では上位にランキング出来ない等の地理的不都合を効果的に解消することができる。
【0011】
また、所定の範囲の設定に参照条件が利用される態様において、前記処理実行手段は、前記所定の範囲に対応する前記少なくとも一つのゲーム端末が存在する所定の単位を基準とする特定の領域(ST1、ST2)を設定し、前記所定の範囲に対する前記所定の処理の実行前に前記特定の領域に含まれる各ゲーム端末に限定して前記所定の処理を実行し、当該処理結果を前記所定の範囲に対する前記所定の処理の実行のときに利用してもよい。所定の範囲は、参照条件の指定により変化するが、必ず含まれると想定される領域も存在する。この場合、そのような領域に対して事前に処理を実行しておくことができるので、所定の範囲に対する所定の処理に要する時間を短縮することができる。
【0012】
参照条件として、各種の条件が採用されてよい。例えば、条件指定手段が設けられている態様において、前記参照条件として、前記ゲーム端末の数が利用され、前記抽出手段は、前記所定の範囲内に位置する前記ゲーム端末の数が前記参照条件として指定された数を満たすように、前記所定の範囲を設定してもよい。この場合、地理的不都合を効果的に解消することができる。
【0013】
また、条件指定手段が設けられている態様において、前記参照条件として、前記少なくとも一つのゲーム端末を中心とする所定の距離が利用され、前記抽出手段は、前記参照条件として指定された前記所定の距離が前記所定の範囲に対応するように、前記所定の範囲を設定してもよい。この場合、一つのゲーム端末を中心とする所定の距離内に限定された参照情報を提供することができる。同様に、条件指定手段が設けられている態様において、前記センターサーバには、複数の所定のエリアを定義したエリア定義データを記憶するエリアデータ記憶部が設けられ、前記参照条件として、前記複数のエリアに対応するエリア条件が利用され、前記抽出手段は、前記参照条件としてエリア条件が指定された場合に、前記エリア定義データに基づいて、前記複数の所定のエリアのうち前記少なくとも一つのゲーム端末から最も近い所定のエリアを前記所定の範囲として設定してもよい。この場合、一つのゲームを基準にして、最も近い所定のエリア内に限定された参照情報を提供することができるので、例えば、ある一つのゲーム端末を基準にして最も近い、或いは、そのゲーム端末が含まれる都道府県等の所定のエリア内のランキング情報等を提供することができる。
【0014】
また、所定の範囲の構成等に利用される所定の単位は、どのように設定されてもよい。例えば、エリア分割データがサーバ記憶部に記憶されている態様において、前記所定の単位として、各所定の単位の面積が互いに等しくなるように前記所定のエリアを等面積に分割する単位が利用されてもよい。この場合、所定の単位はほぼ変化しないので、比較的容易に所定の範囲を把握することができる。一方、前記所定の単位として、各所定の単位内に含まれる各ゲーム端末の数が互いに所定値以下となるように前記所定のエリアを等分布に分割する単位が利用されていてもよい。この場合、所定の単位はゲーム端末の移動により変動するが、例えば、参照条件としてゲーム端末の数が指定された場合等、参照情報を提供するための処理を軽減可能な場合がある。従って、参照条件によっては、参照の要求から参照情報の提供までの時間を短縮することができる。
【0015】
参照情報として、各種の情報が提供されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記処理実行手段は、前記参照情報として各ゲーム端末のゲーム結果をそれぞれ順位づけたランキング情報が提供されるように、前記所定の処理として、前記所定の範囲内の各ゲーム端末に限定して各ゲーム結果を順位づける処理を実行してもよい。
【0016】
また、ゲーム端末として、どのようなものが利用されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記ゲーム端末として、GPS機能が搭載された携帯電話(GT)が利用されてもよい。
【0017】
本発明のゲームシステムの制御方法は、センターサーバ(3)と、前記センターサーバに通信回線(5)を介して接続可能な複数のゲーム端末(GT)と、を備え、各ゲーム端末のゲーム結果を利用した処理結果に基づいて参照情報が提供されるゲームシステムに適用される制御方法であって、前記複数のゲーム端末のそれぞれに、自己の位置情報を前記センターサーバに送信する位置情報送信工程を実行させ、前記センターサーバに、前記位置情報送信工程により送信された前記位置情報に基づいて、前記複数のゲーム端末のゲーム結果のうちから一部のゲーム結果を抽出する抽出工程と、前記抽出工程により抽出された一部のゲーム結果に限定された前記参照情報が提供されるように、前記一部のゲーム結果に限定して所定の処理を実行する処理実行工程と、を実行させるものである。
【0018】
また、本発明のゲームシステム用のコンピュータプログラムは、センターサーバ(3)と、前記センターサーバに通信回線(5)を介して接続可能な複数のゲーム端末(GT)と、を備え、各ゲーム端末のゲーム結果を利用した処理結果に基づいて参照情報が提供されるゲームシステムに適用されるコンピュータプログラムであって、前記複数のゲーム端末のそれぞれを、自己の位置情報を前記センターサーバに送信する位置情報送信手段として機能させるように構成され、前記センターサーバを、前記位置情報送信手段により送信された前記位置情報に基づいて、前記複数のゲーム端末のゲーム結果のうちから一部のゲーム結果を抽出する抽出手段及び、前記抽出手段により抽出された一部のゲーム結果に限定された前記参照情報が提供されるように、前記一部のゲーム結果に限定して所定の処理を実行する処理実行手段として機能させるように構成されたものである。本発明の制御方法或いは、コンピュータプログラムを実行することにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【0019】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0020】
以上、説明したように、本発明によれば、各ゲーム端末が実際に位置している場所を利用して、全ゲーム結果の一部が抽出され、その抽出範囲に限定した処理結果が提供される。これにより、参照情報にゲーム結果の実際の位置を反映することができるので、ゲーム端末の位置を利用して参照情報の内容を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を示す図。
【図2】ゲーム端末及び、センターサーバの機能ブロック図。
【図3】日本を地理的に分割することにより得られる所定の単位を説明するための説明図。
【図4】図3における関東地方の一部を拡大した拡大図。
【図5】エリア分割データの内容の一例を示す図。
【図6】ゲーム結果データの内容の一例を示す図。
【図7】位置別ランキングデータの内容の一例を示す図。
【図8】エリア分割データ更新処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図9】位置別ランキング生成処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図10】所定の範囲決定処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るゲームシステムの一形態について説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1においては、複数のゲーム端末GTと、センターサーバ3とがネットワーク5を介して接続されている。センターサーバ3は、一台の物理的装置によって構成されている例に限らず、複数の物理的装置としてのサーバ群によって一台の論路的なセンターサーバ3が構成されていてもよい。更には、ゲーム端末GTがセンターサーバ3の機能を備えていてもよい。
【0023】
各ゲーム端末GTとして、本形態では携帯電話が利用されている。これらの携帯電話には、Global Positioning System(以下、GPSという)用の受信機が搭載され、いわゆるGPS機能が設けられている。これにより、各ゲーム端末GTは、衛星を利用して、自己の位置情報を取得可能に構成されている。
【0024】
ネットワーク5としては、インターネット及び、携帯電話網が利用されている。なお、ネットワーク5は、通信回線を利用したものであればよく、インターネットや携帯電話網に限定されるものではない。
【0025】
図2は、ゲーム端末GT及び、センターサーバ3の機能ブロック図である。図2に示すように、ゲーム端末GTには、通信部7と、操作入力部8と、GPS情報受信部9と、端末制御部10と、画像表示部11と、音声出力部12と、端末記憶部13とが設けられている。
【0026】
通信部7は、ネットワークを介してセンターサーバ3との通信を実行する。操作入力部8は、プレイヤの入力操作を受け付ける。操作入力部8には、例えば、キーボード、タッチパネル等が含まれる。GPS情報受信部9は、GPS用の衛星が出力する信号を受信し、GPS受信機として機能する。画像表示部11はゲーム画面を表示する。画像表示部11には、例えば、モニタ等が含まれる。音声出力部12は、ゲームの状況等に応じて音声を出力する。音声出力部12には、例えば、スピーカ等が含まれる。通信部7、操作入力部8、GPS情報受信部9、画像表示部11、音声出力部12は、いずれも端末制御部10に接続されている。
【0027】
端末制御部10は、CPU及びその動作に必要な記憶域で構成され、コンピュータとして機能する。端末制御部10は、操作入力部8及びGPS情報受信部9が出力する信号を参照しつつ各種情報がセンターサーバ3に送信されるように通信部7を制御する。また、端末制御部10は、映像信号を画像表示部11に出力することにより、ゲームの進行に応じたゲーム画面を画像表示部11に表示させる。更に、端末制御部10は、音声再生信号を音声出力部12に出力することにより、音声出力部12から所定の音声(ゲームのBGM等を含む)を再生させる。端末制御部10には、更に、端末記憶部13が接続されている。
【0028】
端末記憶部13は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、ハードディスク、Flash SSD(Solid State Drive)などにより構成されている。端末記憶部13には、ゲームプログラム21と、ゲームデータ22と、位置別ランキングデータ23とが記憶されている。ゲームプログラム21は、ゲームを実行するために必要なコンピュータプログラムである。一方、ゲームデータ22は、ゲームプログラム21に従ってゲームを実行する際に参照される各種データにより構成されている。ゲームデータ22には、例えば、画像データ、BGMデータが含まれている。
【0029】
また、位置別ランキングデータ23は、自己の位置を基準とした所定の範囲内に含まれる各ゲーム端末GTを対象に、その所定の範囲内に限定して各ゲーム結果を順位付けしたランキングに関するデータである。位置別ランキングデータ23は、センターサーバ3から送信され、端末記憶部13に記憶される。位置別ランキングデータ23の詳細は後述する。なお、端末記憶部13には、ゲームプログラム21、ゲームデータ22及び、位置別ランキングデータ23の他にも各種プログラム及び各種データが記憶されているが、図示は省略した。
【0030】
ゲームプログラム21が実行されることにより、端末制御部10には、ゲーム実行部25、ゲーム評価部26及び、位置情報算出部27が生成される。ゲーム実行部25、ゲーム評価部26及び、位置情報算出部27は、いずれもコンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現される論理的装置である。ゲーム実行部25は、ゲームを実行及び進行させるために必要な処理、並びに、位置別ランキングデータ23を参照して、所定の範囲内に限定されたランキング情報を提供するための処理を実行する。ゲーム評価部26は、ゲーム中のプレイヤの操作を得点等として評価するための処理を実行する。位置情報算出部27は、GPS情報受信部9が受信した衛星からの信号に基づいて、自己の位置情報を算出するための処理を実行する。これらの処理は、周知な技術により実現されてよい。
【0031】
一方、センターサーバ3には、サーバ制御部31と、サーバ制御部31に接続されているサーバ記憶部32とが設けられている。サーバ制御部31は、CPU及びその動作に必要な記憶域で構成され、コンピュータとして機能する。サーバ記憶部32は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、ハードディスク、Flash SSD(Solid State Drive)などにより構成されている。
【0032】
サーバ記憶部32には、サーバ制御部31にて実行されるべきサーバプログラム34及び、そのプログラム34が参照する各種データが記憶されている。サーバ記憶部32に記憶されている各種データには、エリア分割データ35及び、ゲーム結果データ36が含まれている。エリア分割データ35は、所定のエリアとしての日本を地理的に複数の所定の単位に分割して定義したデータである。ゲーム結果データ36は、ネットワーク5を介して取得した各ゲーム端末GTのゲーム結果のデータである。ゲーム結果には、ゲーム中のプレイヤの操作を得点化した評価が含まれる。これらのデータ35、36の詳細は、後述する。なお、サーバ記憶部32には、その他にも、ネットワーク5を介して各ゲーム端末GTに提供可能なランキングデータ等が記憶されていてもよい。このようなランキングには、例えば、都道府県別のその都道府県内に限定された順位、並びに、全国順位といったランキングが含まれる。
【0033】
サーバプログラム34が実行されることにより、サーバ制御部31には、処理実行部39が生成される。処理実行部39は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現される論理的装置である。処理実行部39は、サーバ記憶部32に記憶されたエリア分割データ35及び、ゲーム結果データ36の管理、並びに、各ゲーム端末GTに送信するために位置別ランキングデータ23を生成する位置別ランキング生成処理を実行する。位置別ランキング生成処理の詳細は、後述する。
【0034】
次に、各ゲーム端末GTにて実行されるゲームの一例について説明する。各ゲーム端末GTでは、例えば、一定数の牌が利用され、当該牌にて所定の役を形成することにより得られる得点を競う麻雀ゲームが実行される。麻雀ゲームでは、一定期間毎の得点がゲーム結果として表示される。なお、麻雀ゲームは、端末記憶部13等を利用して過去の各ゲーム結果、つまり過去の各得点を保持し、自己のゲーム端末GT内における過去の各得点を順位づけてランキング情報として提供するように構成されていてもよい。
【0035】
また、麻雀ゲームのゲーム結果はネットワークを介して、センターサーバ3に送信される。センターサーバ3では、各ゲーム端末GTから送信された各ゲーム結果に基づいて、全国ランキング、都道府県別ランキングといった予め設定された地域毎のランキング等の参照情報が生成される。センターサーバ3は、このような参照情報の一つとして、各ゲーム端末GTから送信された位置情報を利用して位置別ランキングを生成する。
【0036】
位置別ランキングは、各ゲーム端末GTから送信された位置情報に基づいて、各ゲーム端末のそれぞれの位置を基準にした所定の範囲内に含まれる各ゲーム端末GTの各ゲーム結果に限定されたランキングである。つまり、順位づけられるゲーム結果が所定の範囲内に含まれる各ゲーム端末GTのものに限定され、位置別ランキングにより通知される順位は所定の範囲内に限定された順位である。位置別ランキングを参照する場合には、プレイヤは、参照条件としてのランキング対象数の指定を行う。そして、所定の範囲は、例えば、100人中の順位、50人中の順位等、プレイヤがランキング対象として所望するゲーム端末GT数によって決定される。具体的には、次のようにして、所定の範囲は決定される。
【0037】
まず所定の範囲は、所定の単位の組合せによって特定される。所定の単位は、日本を地理的に分割することにより得られる。図3は、日本を地理的に分割することにより得られる所定の単位を説明するための説明図である。図3の例では、各所定の単位が等面積になるように日本を地理的に分割した場合の関東地方を拡大して示している。図3に示すように、所定の単位STは正方形状の升目で示され、日本を地理的に等面積な所定の単位で分割した場合、例えば、関東地方は均一な面積となる一定数の所定の単位STにより特定することができる。
【0038】
図4は、図3における関東地方の一部を拡大した拡大図である。図4に示すように、各所定の単位STは、少なくとも4つの領域に分類される。まず第1に各ゲーム端末GTのうちのある一のゲーム端末GTの位置情報に対応する所定の単位ST、つまりある一のゲーム端末GTが存在する地域に対応する所定の単位STが存在領域ST1に分類される。第2に、存在領域ST1の周辺に位置する各所定の単位STが第1周辺領域ST2に分類される。第3に、第1周辺領域ST2の更に周辺に位置する各所定の単位STが第2周辺領域ST3に分類される。第4に、上記3つの各領域ST1、ST2、ST3のいずれの領域にも属さない各所定の単位STが共通領域ST4に分類される。
【0039】
図4の例では、存在領域ST1に対応する所定の単位STが黒く塗りつぶされている。また、この例では、第1周辺領域ST2は、存在領域ST1を囲むように位置する8個の所定の単位STにより構成され、存在領域ST1よりも少し淡い色で示されている。同様に、第2周辺領域ST3は、第1周辺領域ST2を囲うように位置する36個の所定の単位STにより構成され、第1周辺領域ST2よりも更に少し淡い色で示されている。更に、この例では、第2周辺領域ST3を囲うように位置する共通領域ST4の一部が白抜きで示されている。つまり、存在領域ST1を中心とする一定距離の範囲に第1周辺領域ST2及び、第2周辺領域ST3が含まれるように、中心の存在領域ST1から順に第1周辺領域ST2、第2周辺領域ST3の順に配置され、第2周辺領域ST3の更に外側の各所定の単位STが共通領域ST4に分類されている。
【0040】
一方、所定の範囲の設定には、所定の単位ST毎のゲーム端末GTの数が利用される。この所定の単位ST毎のゲーム端末GTの数は、各ゲーム端末GTが送信する位置情報に基づいて特定される。そして、原則として、特定の領域としての存在領域ST1及び、第1周辺領域ST2が含まれるように、所定の範囲は設定される。但し、存在領域ST1及び、第1周辺領域ST2によってもプレイヤが位置別ランキングの対象として所望するゲーム端末GT数に届かない場合には、所望のゲーム端末GT数に到るまで、第2周辺領域ST3に含まれる各所定の単位STが順次所定の範囲に追加される。追加される順番は、例えば、第1周辺領域ST2の左下角の所定の単位STの下に位置する所定の単位STを一番目として、左回り(時計回り)に決定されるといった具合に予め指定されていればよい。そして、所望のゲーム端末GT数に到った(或いは、若干超えてもよい)ところまでに追加された第2周辺領域ST3の所定の単位STと、存在領域ST1と、第1周辺領域ST2とが所定の範囲として設定される。このようにして、所定の範囲は設定される。
【0041】
ある一のゲーム端末GTを例に説明すると、位置別ランキングは、ある一のゲーム端末GTが存在する位置を存在領域ST1とする所定の範囲内に限定されたランキングとして生成される。つまり、位置別ランキングでは、所定の範囲内に含まれる各ゲーム端末GTの各ゲーム結果に限定して順位が付けられ、所定の範囲内に存在しない各ゲーム端末GT、つまり共通領域ST4内及び、所定の範囲に含まれなかった第2周辺領域ST3の所定の単位ST内に位置する各ゲーム端末GTの各ゲーム結果はランキングに反映されない。
【0042】
また、位置別ランキングには、ある一のゲーム端末GTの位置の変化も反映される。つまり、ある一のゲーム端末GTが存在する所定の単位STが変化すれば、変化先の所定の単位STが存在領域ST1として機能し、その存在領域ST1を中心とする新たな所定の範囲が位置別ランキングには反映される。このため、ある一のゲーム端末GTの存在位置が変化すれば、ゲーム結果自体に変化がなくても位置別ランキングの内容は変化する。これは、ある一のゲーム端末GTの位置が変化しなくても、所定の範囲内に含まれる各ゲーム端末GTの位置が変化しても同様である。このように、位置別ランキングには、各ゲーム端末GTが実際に存在している地理的な位置が反映され、それは各ゲーム端末GTの位置の変化に応じてダイナミックに変化する。
【0043】
各ゲーム端末GTでは、このようにゲーム結果を順位づけることができるゲームが実行される。また、ゲーム端末GTの各ゲーム結果は、上記のように各種のランキングの生成に使用され、生成された各ランキングの情報は、参照情報として各ゲーム端末GTに提供される。そして、提供されたランキングの情報によりプレイヤのモチベーションの向上が図られている。
【0044】
次に、図5〜図8を参照して、サーバ記憶部32に記憶されている各データ35、36、及び、端末記憶部13に記憶されている位置別ランキングデータ23の詳細を説明する。図5は、エリア分割データ35の内容の一例を示す図である。図5に示すように、エリア分割データ35は、中心位置の緯度、経度の情報、所定の単位STに含まれる最大、最小の緯度及び経度の情報といった所定の単位STの位置及び、範囲を示す情報を所定の単位ST毎にユニークな単位IDと対応付けて記録したレコードの集合である。図5の例では、左から順に、単位IDの情報N、中心位置の緯度の情報Ic及び、経度の情報Kc、所定の単位STに含まれる緯度の最小値の情報Im及び、最大値の情報Ix、経度の最小値の情報Km及び、最大値の情報Kxといった具合に並べられて、記憶されている。
【0045】
更に、エリア分割データ35には、所定の単位ST内に含まれる人口数の情報Pが単位IDと対応付けて記憶されている。この情報は、所定の単位ST内に含まれる各ゲーム端末GTの数を示す情報である。この人口数の情報Pは、例えば、各ゲーム端末GTの移動、つまり各ゲーム端末GTの変化が反映されるように、一時間に一度、一日に一度或いは、一週間に一度等、定期的に更新されるように構成されている。なお、エリア分割データ35には、その他にも所定の単位STを定義づける各種の情報が含まれていてよい。
【0046】
一方、図6は、ゲーム結果データ36の内容の一例を示す図である。図6に示すように、ゲーム結果データ36は、ゲーム結果としての各得点をゲーム端末GT毎にユニークなゲーム端末IDと対応付けて記録したレコードの集合である。図6の例では、ゲーム結果データ36は、各ゲーム端末GTのゲームをプレイするプレイヤ毎にユニークなプレイヤIDにも得点が対応付けられている。これにより、ゲーム結果データ36は、各ゲーム端末ID別の得点のみならず、ゲーム端末GT毎の各プレイヤ別の得点にて、ゲーム結果を並び替え可能に構成されている。
【0047】
なお、ゲーム結果データ36には、その他の情報が含まれていてもよい。図6の例では、一例として、プレイナンバーの情報及び、プレイ時間の情報が含まれている。プレイナンバーの情報は、プレイヤID毎に、そのプレイヤが何度目に実行したゲームのゲーム結果であるかを示す情報である。一方、プレイ時間の情報は、プレイヤID毎に、そのプレイヤがどれくらいの時間ゲームをプレイしたかを示す情報である。このような情報もゲーム結果の情報の一例として利用されてよい。
【0048】
また、図7は、位置別ランキングデータ23の内容の一例を示す図である。図7に示すように、位置別ランキングデータ23は、ゲーム端末ID(或いは、プレイヤID)及びそのIDに対応する得点等のゲーム結果と、当該位置別ランキングデータ23に含まれる各ゲーム端末IDに限定された範囲で順位づけられた位置別順位と、を対応付けて記憶したレコードの集合である。ゲーム端末ID及び、そのIDに対応するゲーム結果は、ゲーム結果データ36のゲーム端末ID及び、そのIDに対応するゲーム結果と共通のものである。位置別ランキングデータ23は、所定の範囲内という限定された範囲で作成されるランキングデータである。このため、位置別順位は、所定の範囲内に含まれる各ゲーム端末GTに限定して順位付けした場合の各ゲーム端末ID(或いは、プレイヤID)別の順位を示している。
【0049】
次に、センターサーバ3側にて、処理実行部39が実行する処理の概要を説明する。処理実行部39は、適宜の時期にエリア分割データ35及び、ゲーム結果データ36の各レコードの削除や並び替え、更新といった各データ35、36を管理するための処理を実行する。また、処理実行部39は、全国ランキング、地域別ランキングといったゲーム結果に基づく参照情報の生成も適宜実行する。処理実行部39が実行する処理のうち周知な処理にて実現可能なものの詳細な説明は省略する。
【0050】
処理実行部39は、エリア分割データ35の人口数の情報を更新する処理を実行する。図8は、処理実行部39が実行するエリア分割データ更新処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図8のルーチンは、例えば、一時間毎、一日毎といった適宜な時期に定期的に実行される。なお、エリア分割データ35は、実行頻度が高いほど、より現在の位置が反映される。また、エリア分割データ35は、後述のように、位置別ランキングデータ23の生成に利用される。そして、位置別ランキングデータ23の生成時期に近ければ近いほど、各ゲーム端末GTのよりリアルタイムな位置が位置別ランキングに反映される。このため、図8のルーチンは、各ゲーム端末GTからの位置別ランキング参照(或いは、生成)の指示に基づいて実行されてもよい。但し、図8のルーチンが定期的に実行される方が位置別ランキングの生成までに必要な時間は短くなる。
【0051】
図8は、処理実行部39が実行するエリア分割データ更新処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図8のルーチンが開始されると、処理実行部39は、まずステップS1にて、各ゲーム端末GTの位置情報を取得する。続くステップS2にて、ステップS1で取得した各ゲーム端末GTの位置情報と、エリア分割データ35内の中心位置の情報Ic、Kc及び、所定の単位STの範囲を示す情報Im、Ix、Km、Kxといった各所定の単位STの位置及び範囲を定義する各情報と、を利用して、ゲーム端末GT毎に、各ゲーム端末GTが属する各所定の単位STを特定する。この特定は、例えば、エリア分割データ35にて定義された各所定の単位STの情報を基準にして、各ゲーム端末GTの位置情報が各単位IDのいずれに属するものであるかを特定することにより実現される。
【0052】
次のステップS3にて、処理実行部39は、ステップS2の結果を利用して、単位ID毎に、人口数の情報がステップS2にて特定された各所定の単位STに含まれる各ゲーム端末数の情報となるように、エリア分割データ35を更新する。処理実行部39は、ステップS3の処理を終えると、今回のルーチンを終了する。これにより、エリア分割データ35の人口数の情報に、各ゲーム端末GTの最新の位置情報が反映される。
【0053】
一方、処理実行部39は、位置別ランキングを生成するための処理も実行する。図9は、処理実行部39が実行する位置別ランキング生成処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図9のルーチンは、例えば、各ゲーム端末GTからの位置別ランキング生成処理の指示に基づいて開始される。このような指示として、例えば、各ゲーム端末GTにて、位置別ランキング参照ボタン或いは、コマンドの選択といった操作入力部8を介した操作に基づいて各ゲーム端末GTから出力される指示等が利用されればよい。なお、図9のルーチンは、予め所望される頻度が高いランキング対象数を利用して、一時間に一度等、定期的に実行されていてもよい。
【0054】
図9のルーチンが開始されると、処理実行部39は、まずステップS11にて、各ゲーム端末GTのゲーム結果を取得する。この取得は、例えば、予め別の処理にて更新され、各ゲーム端末GTの最新の各ゲーム結果が反映されたゲーム結果データ36を通じて各ゲーム端末GTのゲーム結果を取得することにより実現される。
【0055】
続くステップS12にて、処理実行部39は、エリア分割データ35を利用して、位置別ランキングの参照の指示が出力されたゲーム端末GTを対象にして、当該対象となるゲーム端末GTが各所定の単位STのうちのいずれの所定の単位STに含まれるかを特定する。この特定は、エリア分割データ35によって定義される各所定の単位STの情報を基準にして、対象となるゲーム端末GTの位置情報が含まれる所定の単位STを特定することにより実現される。
【0056】
次に処理実行部39は、ステップS13にて、所定の範囲決定処理ルーチンを実行する。図10は、処理実行部39が実行する所定の範囲決定処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図10のルーチンが開始されると、ステップS21にて、処理実行部39は、図9のルーチンのステップS12で特定した対象となるゲーム端末GTが含まれる所定の単位STの情報を取得する。続くステップS22にて、処理実行部39は、ステップS21で取得した所定の単位STを基準にして、存在領域ST1と第1周辺領域ST2とを特定する。具体的には、処理実行部39は、ステップS21にて取得した所定の単位STを存在領域ST1と特定することにより、存在領域ST1及び、その存在領域ST1に対して予め設定されている第1周辺領域ST2を特定する。
【0057】
次のステップS23にて、処理実行部39は、エリア分割データ35を参照して、ステップS22で特定した存在領域ST1及び、その第1周辺領域ST2に含まれるゲーム端末GTの数を算出する。続くステップS24にて、処理実行部39は、ステップS23で算出したゲーム端末GTの数がランキング対象として指定された数以上であるか否か判別する。この判別結果が肯定的結果の場合、つまりステップS22にて算出したゲーム端末GTの数がランキング対象数以上の場合には、処理実行部39は、ステップS25に進む。ステップS25にて、処理実行部39は、これらの存在領域ST1及び、その第1周辺領域ST2を所定の範囲として決定し、今回のルーチンを終了する。
【0058】
一方、ステップS24の判別結果が否定的結果の場合、つまりステップS22にて特定した存在領域ST1及び、その第1周辺領域ST2に含まれるゲーム端末GTの数がランキング対象数に満たない場合、処理実行部39は、ステップS26に進む。ステップS26にて、処理実行部39は、ステップS22で特定した存在領域ST1に対応する第2周辺領域ST3から一つ所定の単位STを存在領域ST1及び、その第1周辺領域ST2に加えた範囲を、所定の範囲として設定する。続いて、処理実行部39は、ステップS23に戻り、ステップS23にて、ステップS26で設定した所定の範囲内のゲーム端末GTの数を算出する。更に、処理実行部39は、ステップS24に進み、ステップS24にて、ステップS23の算出結果を利用し、ステップS26で設定した所定の範囲内に含まれるゲーム端末GTの数がランキング対象数以上であるか否か判別する。判別結果が否定的結果の場合、処理実行部39は再びステップS26に進み、ステップS26にて、前回ステップS26で設定された所定の範囲に前回とは異なる所定の単位STを更に一つ加える。ステップS26の処理が実行される毎に所定の範囲に加えられる第2周辺領域ST3内の所定の単位STの順番は、予め設定された順番である。そして、処理実行部39は、ステップS24の判別結果が肯定的結果となるまで繰り返しこれらの処理を実行し、所定の範囲に含まれる所定の単位STの数を一つずつ増やしていく。一方、ステップS24の判別結果が肯定的結果の場合、ステップS25に進み、処理実行部39は、ステップS26にて、最後に設定した範囲を所定の範囲に決定して、今回のルーチンを終了する。
【0059】
図9に戻り、ステップS13に続いて、処理実行部39は、ステップS14にて、位置別ランキングデータ23を生成する。この生成は、例えば、次のようにして、実行される。まず、処理実行部39は、ステップS13にて決定された所定の範囲に含まれる各ゲーム端末GTに限定したゲーム結果をレコード毎にゲーム結果データ36から抽出し、抽出した各レコードから構成される抽出データを生成する。次に、処理実行部39は、生成した抽出データ中の各ゲーム端末GTの各ゲーム結果をそれぞれ比較して、各ゲーム結果を抽出データ内で順位づける。そして、順位付けの結果を位置別順位として抽出データに付加したデータを位置別ランキングデータ23として生成する。なお、位置別順位の情報の付加に合わせて、処理実行部39は、必要な情報のみが位置別ランキングデータ23に含まれるように、抽出データ中の不要な情報を削除してもよい。このようにして、処理実行部39は、ステップS14にて、位置別ランキングデータ23を生成する。
【0060】
次のステップS15にて、処理実行部39は、ステップS14で生成した位置別ランキングデータ23を対象となるゲーム端末GTに送信して、今回のルーチンを終了する。これにより、各ゲーム端末GTの実際の位置が反映され、その実際の位置を基準とする所定の範囲内に含まれるゲーム端末GTに限定されたランキングが生成される。なお、送信された位置別ランキングデータ23は、常に上書きされ、ゲーム端末GT内には一つの位置別ランキングデータ23しか記憶されていなくてもよい。一方で、送信された日時、或いは対象ゲーム端末数等の情報を付したID等を利用して、端末記憶部13には複数の位置別ランキングデータ23が記憶され、端末制御部10がそれらを管理するように構成されていてもよい。
【0061】
以上に説明したように、この形態によれば、全国順位や地域別ランキングのみならず、ゲーム端末GTが実際に位置している場所を基準にした所定の範囲内のランキングが位置別ランキングとして生成される。位置別ランキングの対象となる所定の範囲は、各ゲーム端末GTの位置によって変化するので、位置別ランキングには実際に各ゲーム端末GTが存在する位置情報を反映することができる。つまり、ゲーム端末GTの位置を利用してランキング情報を提供する範囲を変化させることができる。更に、所定の範囲は、所望のランキング対象数により変化する。従来の都道府県別等のランキングでは、まず地理的な範囲が指定され、その地理的範囲内で順位づけられる。このため、人口密度等によりランキングに不均衡が生じてしまう。一方、位置別ランキングは、自己の位置を基準としつつ所望のゲーム端末GT数が対象となるように所定の範囲が設定される。つまり、自己の位置に近い範囲内に存在する所望の対象数によりランキングを生成することができる。このため、人口密度が高い地域においても対象数を所望の数に限定して順位づけることができる。これにより、人口密度等による地理的不都合等を解消することができる。
【0062】
以上の形態において、GPS情報受信部、端末制御部10及び、通信部7との組み合わせが位置情報送信手段として機能する。また、操作入力部及び、端末制御部10の組合せが条件指定手段として機能する。更に、サーバ制御部31が処理実行部39を通じて図9のルーチン及び図10のルーチンを実行することにより、抽出手段及び、処理実行手段として機能する。
【0063】
本発明は上述のけ形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、所定の単位STとして等面積な単位が利用され、日本が地理的に等面積に分割されているが、所定の単位は、このような形態に限定されない。例えば、所定の単位として、互いに等人口或いは、いずれもn人以下というように人口を基準に人口が等分布となるものが利用されてもよい。所定の単位として人口がn人以下となる等分布単位は、例えば、まず地理全体(日本等)を人数が同じになるように地理的に二等分し、その後、その等分割した二つのエリアを更に人数が互いに同じになるように地理的に等分するといった具合に、人口がn人以下になるまで繰り返し等分することにより実現される。更に、等分布の人口は、全ゲーム端末が対象にされる必要はない。例えば、全ゲーム端末のうちのプレイ時間やプレイレベル等、所定の条件を満たすゲーム結果を含むゲーム端末のみを対象にして等分布となる所定の単位が利用されてもよい。また、このような等分布単位を利用したエリア分割データを作成するための処理は、必要な処理時間を考慮し、1日に一度、週に一度等、定期的に実行されればよい。更に、所定のエリアは、日本に限定されず、関東等の特定の地域或いは、世界各国が所定のエリアとして利用されてよい。
【0064】
また、処理実行部39は、位置別ランキングデータ23を生成するための処理時間を削減するための処理を実行するように構成されていてもよい。このような処理として、例えば、処理実行部39は、図9のルーチンとは別に、所定の範囲に必ず含まれる特定の領域(例えば、上述の形態の存在領域ST1及び、その第1周辺領域ST2)内の各ゲーム端末GTに限定したランキングを生成する処理を事前に(図9のルーチンの前に)実行してもよい。この場合、事前に生成された範囲外の各ゲーム端末のゲーム結果については、事前に生成されたランキングの最上位の物及び最下位のもののみを比較すれば良い可能性があるので、処理時間を短縮することができる場合がある。また、同様に、処理時間の短縮を図るために、処理実行部39は、所定の単位毎のランキングを事前に生成してもよい。
【0065】
上述の形態では、麻雀ゲームを例示しているが、ゲーム端末で実行されるゲームは、このような形態に限定されない。音楽ゲーム、アクションゲーム、或いはロールプレイングゲーム等、ゲーム中に数値化可能な少なくとも一つの要素が含まれていれば、ゲーム端末では、どのようなゲームが実行されてもよい。つまり、上述の形態では、ゲーム結果として、ゲームで得られた得点の情報を利用しているが、ゲーム結果として利用される情報は、このような情報に限定されない。ゲーム結果として、例えば、上述のプレイ時間等、ゲーム中の数値化可能な各種の要素が利用されてもよい。更に、上述の形態では、参照情報として、ランキング情報が提供されているが、参照情報はこのような情報に限定されない。例えば、参照情報として、所定の範囲内の各ゲーム端末に限定された得点のアベレージ、最頻出得点等、ゲーム内容に応じて、プレイヤの興味を引くことができる多様な情報が提供されてよい。
【0066】
上述の形態では、参照条件としてランキング対象数が利用されているが、参照条件はこのような形態に限定されない。例えば、プレイ時間やプレイレベル、或いは、ゲームによっては、取得アイテム等、各種の条件が利用されてもよい。また、例えば、参照条件として、ある一つのゲーム端末を中心とする所定の距離が利用され、所定の距離に対応する所定の範囲が設定されてもよい。この場合、例えば、所定の距離内に含まれる所定の単位により所定の範囲が設定される。或いは、参照条件として、都道府県等の所定のエリアが利用されてもよい。この場合、参照条件として、所定のエリアに関する情報を要求するようなエリア条件が指定されればよい。そして、この指定に基づいて、ある一つのゲーム端末が位置する最も近い所定のエリア(そのゲーム端末の位置が含まれる場合も含む)が所定の範囲として設定されればよい。また、所定のエリアを特定するために、所定のエリアを定義するエリア定義データがサーバ記憶部32に記憶されていてもよい。このエリア定義データは、例えば、エリア定義データを利用して、所定のエリアを構成する所定の単位を定義することにより、実現される。なお、この場合、サーバ記憶部32がエリアデータ記憶部としても機能する。
【0067】
また、位置情報送信手段は、上述のようなGPS機能を利用した形態に限定されない。その他にも、例えば、位置情報の送信は、プレイヤが入力した情報をネットワークを介して送信する等により、実現されてもよい。
【0068】
上述の形態では、ゲーム端末として、携帯電話が利用されているが、ゲーム端末は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム端末として、業務用、家庭用或いは、据置型、携帯型といった各種ゲーム機やパーソナルコンピュータ等が利用されてよい。
【符号の説明】
【0069】
1 ゲームシステム
3 センターサーバ
5 ネットワーク
8 操作入力部
9 GPS情報受信部
10 端末制御部
13 端末記憶部
23 位置別ランキングデータ
31 サーバ制御部(抽出手段、処理実行手段)
32 サーバ記憶部
35 エリア分割データ
36 ゲーム結果データ
GT ゲーム端末
ST 所定の単位
ST1 存在領域(特定の領域)
ST2 第1周辺領域(特定の領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センターサーバと、前記センターサーバに通信回線を介して接続可能な複数のゲーム端末と、を備え、各ゲーム端末のゲーム結果を利用した処理結果に基づいて参照情報が提供されるゲームシステムにおいて、
前記複数のゲーム端末のそれぞれには、自己の位置情報を前記センターサーバに送信する位置情報送信手段が設けられ、
前記センターサーバには、前記位置情報送信手段により送信された前記位置情報に基づいて、前記複数のゲーム端末のゲーム結果のうちから一部のゲーム結果を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された一部のゲーム結果に限定された前記参照情報が提供されるように、前記一部のゲーム結果に限定して所定の処理を実行する処理実行手段とが設けられていることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記位置情報に基づいて、少なくとも一つのゲーム端末の位置と当該ゲーム端末の位置を基準として設定される所定の範囲内に位置する各ゲーム端末とを特定し、前記所定の範囲に含まれる各ゲーム端末の各ゲーム結果を前記一部のゲーム結果として抽出する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記センターサーバには、少なくとも一つの所定のエリアを複数の所定の単位に分割して定義したエリア分割データを記憶するサーバ記憶部が設けられ、
前記抽出手段は、前記エリア分割データにて定義された前記所定の単位と対応付けて各ゲーム端末の位置を特定するとともに、前記所定の単位を利用して前記所定の範囲を設定する請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記複数のゲーム端末のそれぞれには、前記参照情報として求める参照条件を指定する条件指定手段が更に設けられ、
前記抽出手段は、前記参照条件に基づいて、前記参照条件が満たされるように、前記所定の範囲を設定する請求項2又は3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記処理実行手段は、前記所定の範囲に対応する前記少なくとも一つのゲーム端末が存在する所定の単位を基準とする特定の領域を設定し、前記所定の範囲に対する前記所定の処理の実行前に前記特定の領域に含まれる各ゲーム端末に限定して前記所定の処理を実行し、当該処理結果を前記所定の範囲に対する前記所定の処理の実行のときに利用する請求項3又は請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記参照条件として、前記ゲーム端末の数が利用され、
前記抽出手段は、前記所定の範囲内に位置する前記ゲーム端末の数が前記参照条件として指定された数を満たすように、前記所定の範囲を設定する請求項4又は5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記参照条件として、前記少なくとも一つのゲーム端末を中心とする所定の距離が利用され、
前記抽出手段は、前記参照条件として指定された前記所定の距離が前記所定の範囲に対応するように、前記所定の範囲を設定する請求項4又は5に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記センターサーバには、複数の所定のエリアを定義したエリア定義データを記憶するエリアデータ記憶部が設けられ、
前記参照条件として、前記複数のエリアに対応するエリア条件が利用され、
前記抽出手段は、前記参照条件としてエリア条件が指定された場合に、前記エリア定義データに基づいて、前記複数の所定のエリアのうち前記少なくとも一つのゲーム端末から最も近い所定のエリアを前記所定の範囲として設定する請求項4又は5に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記所定の単位として、各所定の単位の面積が互いに等しくなるように前記所定のエリアを等面積に分割する単位が利用されている請求項3〜8のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記所定の単位として、各所定の単位内に含まれる各ゲーム端末の数が互いに所定値以下となるように前記所定のエリアを等分布に分割する単位が利用されている請求項3〜8のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記処理実行手段は、前記参照情報として各ゲーム端末のゲーム結果をそれぞれ順位づけたランキング情報が提供されるように、前記所定の処理として、前記所定の範囲内の各ゲーム端末に限定して各ゲーム結果を順位づける処理を実行する請求項1〜10のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項12】
前記ゲーム端末として、GPS機能が搭載された携帯電話が利用されている請求項1〜11のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項13】
センターサーバと、前記センターサーバに通信回線を介して接続可能な複数のゲーム端末と、を備え、各ゲーム端末のゲーム結果を利用した処理結果に基づいて参照情報が提供されるゲームシステムに適用される制御方法であって、
前記複数のゲーム端末のそれぞれに、自己の位置情報を前記センターサーバに送信する位置情報送信工程を実行させ、
前記センターサーバに、前記位置情報送信工程により送信された前記位置情報に基づいて、前記複数のゲーム端末のゲーム結果のうちから一部のゲーム結果を抽出する抽出工程と、前記抽出工程により抽出された一部のゲーム結果に限定された前記参照情報が提供されるように、前記一部のゲーム結果に限定して所定の処理を実行する処理実行工程と、を実行させることを特徴とするゲームシステムの制御方法。
【請求項14】
センターサーバと、前記センターサーバに通信回線を介して接続可能な複数のゲーム端末と、を備え、各ゲーム端末のゲーム結果を利用した処理結果に基づいて参照情報が提供されるゲームシステムに適用されるコンピュータプログラムであって、
前記複数のゲーム端末のそれぞれを、自己の位置情報を前記センターサーバに送信する位置情報送信手段として機能させるように構成され、
前記センターサーバを、前記位置情報送信手段により送信された前記位置情報に基づいて、前記複数のゲーム端末のゲーム結果のうちから一部のゲーム結果を抽出する抽出手段及び、前記抽出手段により抽出された一部のゲーム結果に限定された前記参照情報が提供されるように、前記一部のゲーム結果に限定して所定の処理を実行する処理実行手段として機能させるように構成されたゲームシステム用のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−213515(P2012−213515A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80861(P2011−80861)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】