説明

ゲームシステム及び、それに用いる制御方法

【課題】ゲームの難易度を多様に変化させることができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲームシステムは、ゲーム画面50を表示出力するモニタ3と、モニタ3に重ね合わされたタッチパネル5と、ゲーム中におけるタッチパネル5の操作時期と複数のオブジェクト60のいずれかを指定する情報とが対応付けて記述されたシーケンスデータ28を記憶する外部記憶装置20と、を備えている。そして、ゲームシステムは、2つの操作基準部55A、55Bが周囲に設定されたゲーム領域52をモニタ3上に表示させ、各操作基準部55A、55Bに対する操作を指示するための複数のオブジェクト60を、各操作基準部55A、55B間で移動させつつ表示し、かつ、特定の条件を満たした場合に、後のオブジェクト60Bが先行するオブジェクト60Aを追い抜くように各オブジェクト60A、60Bを移動表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に設けられた操作部の操作時期をプレイヤに指示するゲームシステム及び、それに用いる制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプレイヤが、音楽のリズムに合わせて交互に操作部を操作するゲーム機が存在する。このようなゲーム機であって、複数のプレイヤにてプレイされ、操作部の操作により次に操作部を操作するプレイヤを決めつつ各プレイヤが交互に操作部を操作するゲーム機が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、二人のプレイヤにて操作時期を指示する対象物を交互に打ち返すようにプレイされ、各プレイヤが対象物を打ち返す時点の対象物の位置に応じて相手側に向かう対象物の速度が変化するゲーム機も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−236243号公報
【特許文献2】特開2000−155543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム機では、操作部の操作時期を指示する光弾の数の増加、音楽のリズムのテンポアップ等によりゲームの難度が一律的に上昇する。このため、各プレイヤのゲームの難易度も一律的に上昇してしまう。一方、特許文献2のゲーム機では、一方のプレイヤの操作時における対象物の位置に応じて、他方のプレイヤへの対象物の移動速度が変化する。このため、一方のプレイヤは、他方のプレイヤのゲームの難度を変化させることができる。しかし、特許文献2のゲーム機では、相手プレイヤのゲームの難度を変化させる要素が対象物の速度に限定されてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、ゲームの難易度を多様に変化させることができるゲームシステム及び、それに用いる制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、ゲーム画面(50)を表示出力する表示装置(3)と、少なくとも一つの操作部を有する入力装置(5)と、ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータ(28)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(20)と、互いに間隔をあけて配置された複数の基準部(55A、55B)が設定されたゲーム領域(52)を前記表示装置のゲーム画面上に表示させるゲーム領域提示手段(10)と、前記操作部に対する操作を指示するための操作指示標識(60)を、当該操作指示標識が前記シーケンスデータにて指示された操作時期に前記複数の基準部のうちの少なくとも一つに到達するようにして、前記ゲーム領域内で移動させつつ表示する標識表示制御手段(10)と、を備え、前記シーケンスデータには、複数の操作指示標識のいずれかを指定する標識情報(28f)が更に各操作時期に対応付けて記述されており、前記標識表示制御手段は、前記シーケンスデータの前記標識情報に基づいて、各操作時期にそれぞれ対応する複数の操作指示標識を表示させるとともに、特定の条件を満たした場合に、前記ゲーム領域に表示されている一の操作時期に対応する操作指示標識(60A)と、前記一の操作時期が到達すべき基準部に前記一の操作時期よりも後に到達すべき後の操作時期に対応する操作指示標識(60B)と、の間で基準部に到達すべき時期を入れ替えて、前記一の操作時期に対応する操作指示標識が到達すべき基準部に前記後の操作時期に到達し、前記後の操作時期に対応する操作指示標識が到達すべき基準部に前記一の操作時期に到達するように、各操作指示標識を移動させつつ表示するものである。
【0007】
本発明によれば、特定の条件が満たされた場合に、ゲーム領域に表示されている一の操作時期に対応する操作指示標識の到達時期と、その一の操作時期が到達すべき操作基準部に到達すべき操作指示標識であって一の操作時期よりも後の操作時期に対応する操作指示標識の到達時期と、が入れ替えられる。ゲーム領域内の一の操作時期に対応する操作指示標識は後の操作時期よりも先に操作基準部に到達すべく、後の操作時期に対応する操作指示標識よりも先行して操作基準部に移動している。このため、到達時期が入れ替わることにより、先行して移動している一の操作時期に対応する操作指示標識は後の操作時期に操作基準部に到達するように移動速度が遅くなる一方で、一の操作時期に対応する操作指示標識の後方に位置する後の操作時期に対応する操作指示標識は一の操作時期に操作基準部に到達するように移動速度が速まる。これにより、後から移動する操作指示標識が先行する操作指示標識を追い抜くという演出をすることができる。また、先行する操作指示標識と後の操作指示標識との間の到達時期を入れ替えることにより、ゲームの難易度を高めることができるので、ゲームの難易度を変化させる手段に幅を持たせることができる。このため、ゲームの難易度を多様に変化させることができる。また、これにより、ゲームの興趣性を向上させることもできる。
【0008】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記標識表示制御手段は、前記標識表示制御手段は、前記操作部に対する少なくとも特定の操作が実行された場合に前記特定の条件が満たされたと判断してもよい。この場合、特定の操作の有無により、一の操作時期に対応する操作指示標識の到達時期と後の操作時期に対応する操作指示標識の到達時期とを入れ替えることができる。このため、特定の操作の有無に応じて、ゲームの難易度を変化させることができる。
【0009】
特定の操作として、どのような操作が適用されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記標識表示制御手段は、所定の方向及び所定の速度の少なくともいずれか一方を指定する操作が実行された場合に前記特定の操作が実行されたと判断してもよい。また、所定の方向及び所定の速度が指定されたか否かは、どのように判断されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記入力装置は、前記操作部に対する操作の操作位置を検出可能に構成され、前記標識表示制御手段は、前記入力装置の検出結果を参照して、前記操作位置が連続して変化する方向に基づいて前記所定の方向が指定されたか否かを、前記操作位置が連続して変化する変化の速度に基づいて前記所定の速度が指定されたか否かを、それぞれ判断してもよい。
【0010】
また、特定の操作の実行の有無が特定の条件に含まれる態様において、前記標識表示制御手段は、前記一の操作時期に対応する操作指示標識が前記特定の操作が実行された際に前記ゲーム領域の所定の位置に位置する位置条件が更に満たされた場合に前記特定の条件が満たされたと判断してもよい。この場合、位置条件が満たされなければ両操作指示標識間の到達時期の入れ替えが実行されないので、両操作指示標識の移動時間の変化を一定範囲内に抑えることができる。このため、一の操作時期に対応する操作指示標識の移動速度及び後の操作時期に対応する操作指示標識の移動速度が一定以上に変化することを抑制することができる。
【0011】
位置条件の所定の位置には、操作指示標識の移動時間の変化が一定範囲内に抑えられる限り、どのような位置が適用されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記ゲーム領域提示手段は、前記ゲーム領域として直線状に延びる複数の基準部が互いに間隔をあけて設定された領域を表示させ、前記標識表示制御手段は、前記特定の操作が実行された際に、前記特定の操作が実行された操作部に対する操作の指示に利用された特定の基準部と並行し、かつ、前記ゲーム領域を2等分するような位置に配置された中央線(C)よりも前記特定の基準部側に前記一の操作時期に対応する操作指示標識が位置している場合に、当該操作指示標識が前記所定の位置に位置するとして前記位置条件が満たされたと判断してもよい。
【0012】
また、特定の操作の実行の有無及び位置条件が特定の条件に含まれる態様において、前記標識表示制御手段は、前記特定の操作が実行された場合であって、前記位置条件が満たされなかった場合には、移動距離が所定距離以上となる移動経路(WS)を前記後の操作時期に対応する操作指示標識が移動するように、当該操作指示標識を表示してもよい。この場合、位置条件が満たされてないので、両操作指示標識間の到達時期の入れ替えは実行されない。一方で、特定の操作に対応させて後の操作時期に対応する操作指示標識の移動距離を所定距離以上にすることができる。到達時期に変化がないので、移動距離が変化すれば移動速度が変化する。このため、操作指示標識の移動速度が一定以上に変化することを抑制しつつ、特定の操作に対応させて後の操作時期に対応する操作指示標識の移動速度を所定の速度以上にすることができる。
【0013】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記入力装置は、複数の操作部を有し、前記シーケンスデータには、ゲーム中における前記複数の操作部のそれぞれに対する操作時期と前記複数の操作部のいずれかを指示する情報とが対応付けて記述されており、前記ゲーム領域提示手段は、前記複数の基準部のうち前記複数の操作部にそれぞれ対応する各基準部がそれぞれ操作基準部として設定されたゲーム領域を前記表示装置のゲーム画面に表示させ、前記標識表示制御手段は、前記操作指示標識が前記シーケンスデータにて指示された操作時期に当該操作時期に対応付けられた操作部に対応する操作基準部に到達するようにして、前記操作指示標識を前記ゲーム領域内で移動させつつ表示するとともに、前記特定の条件を満たした場合に、前記一の操作時期に対応する操作指示標識と前記後の操作時期に対応する操作指示標識との間で操作基準部に到達すべき時期を入れ替えて、前記一の操作時期に対応する操作指示標識が到達すべき操作基準部に前記の操作時期に到達し、前記後の操作時期に対応する操作指示標識が到達すべき操作基準部に前記一の操作時期に到達するように、各操作指示標識を移動させつつ表示してもよい。この場合、複数の操作部を有し、複数のプレイヤにてプレイ可能なゲームにおいて、先行する操作指示標識と後の操作指示標識との間の到達時期を入れ替えることにより、ゲームの難易度を高めることができるので、ゲームの難易度を変化させる手段に幅を持たせることができる。このため、複数のプレイヤにてプレイ可能なゲームにおいて、ゲームの難易度を多様に変化させることができる。なお、操作基準部として設定されるのは複数の基準部の全部でもよいし、一部でもよい。
【0014】
前記入力装置としてどのようなものが用いられてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記入力装置として前記ゲーム領域を覆うように前記表示装置に配置されるタッチパネルが用いられてもよい。
【0015】
ゲーム領域として、どのような態様のものが用いられてもよい。例えば、本発明の一態様において、前記ゲーム領域提示手段は、四角形に形成された領域であって、直線状に延びる2つの基準部が前記四角形の一の両端に互いに対向するように設定されている領域を前記ゲーム領域として前記表示装置の画面上に表示させてもよい。この場合、例えば、四角形の両端の操作基準部のそれぞれに対応する2人のプレイヤにて、特定の条件を満たした場合に両操作基準部間を移動する操作指示標識の移動速度が変化する対戦型のゲームを実現することができる。
【0016】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記各操作部に対する操作の時期と前記シーケンスデータにて指定された操作時期とに基づいて少なくとも一つの操作部における操作を評価する評価手段を、更に備えてもよい。この場合、各操作部に対する操作の時期をシーケンスデータに記述された操作時期に基づいて評価することができる。これにより、ゲームの興趣性をより向上させることができる。
【0017】
本発明のゲームシステムの一態様において、音声を再生出力する音声出力装置(14)と、楽曲を再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段(20)と、前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段(10)と、を更に備え、前記シーケンスデータには、前記楽曲の再生中における前記複数の操作部のそれぞれの操作時期が記述されていてもよい。この場合、音楽のリズムに対応した操作時期に当該操作時期に対応する操作基準部に到達するように各操作基準部間を操作指示標識が移動する音楽ゲームであって、特定の条件を満たした場合に各操作基準部間を移動する操作指示標識の移動速度が変化する音楽ゲームを実現することができる。
【0018】
本発明のゲームシステムの制御方法は、ゲーム画面(50)を表示出力する表示装置(3)と、少なくとも一つの操作部を有する入力装置(5)と、ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータ(28)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(20)と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータ(10)に、互いに間隔をあけて配置された複数の基準部(55A、55B)が設定されたゲーム領域(52)を前記表示装置のゲーム画面上に表示させるゲーム領域提示工程と、前記操作部に対する操作を指示するための操作指示標識(60)を、当該操作指示標識が前記シーケンスデータにて指示された操作時期に前記複数の基準部のうちの少なくとも一つに到達するようにして、前記ゲーム領域内で移動させつつ表示する標識表示制御工程と、を実行させ、前記シーケンスデータには、複数の操作指示標識のいずれかを指定する標識情報(28f)が更に各操作時期に対応付けて記述されるように構成し、更に、前記標識表示制御工程にて、前記シーケンスデータの前記標識情報に基づいて、各操作時期にそれぞれ対応する複数の操作指示標識を表示させるとともに、特定の条件を満たした場合に、前記ゲーム領域に表示されている一の操作時期に対応する操作指示標識(60A)と、前記一の操作時期が到達すべき基準部に前記一の操作時期よりも後に到達すべき後の操作時期に対応する操作指示標識(60B)と、の間で基準部に到達すべき時期を入れ替えて、前記一の操作時期に対応する操作指示標識が到達すべき基準部に前記後の操作時期に到達し、前記後の操作時期に対応する操作指示標識が到達すべき基準部に前記一の操作時期に到達するように、各操作指示標識を移動させつつ表示する工程を実行させるものである。本発明の制御方法を実行することにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【0019】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0020】
以上、説明したように、本発明によれば、ゲームの難易度を多様に変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一形態に係るゲームシステムが適用された業務用のゲーム機を示す図。
【図2】ゲーム機の機能ブロック図。
【図3】ゲーム画面を模式的に示した図。
【図4】オブジェクトの領域を説明するための図。
【図5】ゲーム領域に2つのオブジェクトが表示されている状態のゲーム画面を模式的に示す図。
【図6】スマッシュ操作により移動速度が速くなった場合のオブジェクトの移動経路の一例を示す図。
【図7】後発のオブジェクトが先行するオブジェクトを追い抜いた場合のゲーム画面を模式的に示した図。
【図8】シーケンスデータの内容の一例を示す図。
【図9】シーケンス処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図10】経路決定処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図11】追い抜き処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図12】操作評価ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るゲームシステムの一形態について説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムが適用された業務用のゲーム機を示す図である。図1に示すように、ゲーム機1は、筐体2と、筐体2の上面にプレイヤP側に傾けられて配置されるモニタ3と、を備えている。モニタ3の表面には、透明なタッチパネル5が重ね合わされている。タッチパネル5は、プレイヤPが指等で触れると、その接触位置に応じた信号を出力する公知の入力装置である。その他にも、ゲーム機1には、選択或いは決定をするためのボタン、電源スイッチ、ボリューム操作スイッチ、電源ランプといった通常の業務用のゲーム機が備えている各種の入力装置及び出力装置が設けられているが、図1ではそれらの図示を省略している。
【0023】
図2は、ゲーム機1の機能ブロック図である。図2に示すように、筐体2の内部にはコンピュータとしての制御ユニット10が設けられている。制御ユニット10は、制御主体としてのゲーム制御部11と、そのゲーム制御部11からの出力に従って動作する表示制御部12及び、音声出力制御部13と、を備えている。ゲーム制御部11は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種の周辺装置とを組み合わせたユニットとして構成されている。表示制御部12は、ゲーム制御部11から与えられる画像データに応じた画像をフレームバッファに描画し、その描画した画像に対応する映像信号をモニタ3に出力することにより、モニタ3上に所定の画像を表示させる。音声出力制御部13は、ゲーム制御部11から与えられる音声再生データに応じた音声再生信号を生成してスピーカ14に出力することにより、スピーカ14から所定の音声(楽音等を含む)を再生させる。
【0024】
ゲーム制御部11には、外部記憶装置20が接続されている。外部記憶装置20には、DVDROM、CDROM等の光学式記憶媒体、あるいはEEPROM等の不揮発性半導体メモリ装置といった、電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用される。
【0025】
外部記憶装置20には、ゲームプログラム21と、ゲームデータ22とが記憶されている。ゲームプログラム21は、ゲーム機1にて所定の手順に従って音楽ゲームを実行するために必要なコンピュータプログラムであり、そこには、本発明に係る機能を実現するためのシーケンス制御モジュール23及び評価モジュール24が含まれている。ゲーム機1が起動されると、ゲーム制御部11はその内部記憶装置に記憶されたオペレーションプログラムを実行することにより、ゲーム機1として動作するために必要な各種の初期設定を実行し、続いて、外部記憶装置20からゲームプログラム21を読み込んでこれを実行することにより、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行するための環境を設定する。ゲームプログラム21のシーケンス制御モジュール23がゲーム制御部11にて実行されることにより、ゲーム制御部11にはシーケンス制御部15が生成される。また、ゲームプログラム21の評価モジュール24がゲーム制御部11にて実行されることにより、ゲーム制御部11には操作評価部16が生成される。シーケンス処理部15及び操作評価部16は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現される論理的装置である。シーケンス処理部15は、プレイヤが選択した音楽(楽曲)の再生に合わせてプレイヤに操作を指示し、或いはプレイヤの操作に応じて効果音を発生させるといった音楽ゲーム処理を実行する。操作評価部16は、プレイヤの操作を評価し、かつその評価結果に応じたゲームの制御といった処理を実行する。なお、ゲームプログラム21には、上述したモジュール23、24の他にも音楽ゲームを実行するために必要な各種のプログラムモジュールが含まれ、ゲーム制御部11にはそれらのモジュールに対応した論理的装置が生成されるが、それらの図示は省略した。
【0026】
ゲームデータ22には、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行する際に参照されるべき各種のデータが含まれている。例えば、ゲームデータ22には、楽曲データ25、効果音データ26及び画像データ27が含まれている。楽曲データ25は、ゲームの対象となる楽曲をスピーカ14から再生出力させるために必要なデータである。図2では、一種類の楽曲データ25が示されているが、実際には、プレイヤが複数の楽曲からプレイする楽曲を選択可能である。ゲームデータ22には、それらの複数の楽曲データ25がそれぞれの曲を識別するための情報を付して記録されている。効果音データ26は、プレイヤの操作に応答してスピーカ14から出力させるべき複数種類の効果音を、効果音毎にユニークなコードと対応付けて記録したデータである。効果音は、楽器その他の様々な種類の音声を含む。効果音データは、各種類に対して、音程を変えて所定のオクターブ数だけ用意されていてもよい。画像データ27は、ゲーム画面内の背景画像、各種のオブジェクト、アイコン等をモニタ3に表示させるためのデータである。
【0027】
ゲームデータ22には、更にシーケンスデータ28が含まれている。シーケンスデータ28は、プレイヤに対して指示すべき操作等を定義したデータである。一曲の楽曲データに対して、最低一個のシーケンスデータ28が用意される。シーケンスデータ28の詳細は後述する。
【0028】
次に、ゲーム機1にて実行される音楽ゲームの概要を説明する。ゲーム機1は、音楽に合わせて二人のプレイヤ(ゲーム機1が一方のプレイヤとして機能する場合を含む)が操作を実行し、その二人のプレイヤの操作時期を評価して競わせる対戦タイプの音楽ゲーム機として構成されている。図1では、1台のゲーム機のみが示されているが、ゲーム状況を共有可能に接続された複数のゲーム機1にてゲームが実行されてもよい。図3は、ゲーム画面を模式的に示した図である。ゲーム画面50には、プレイヤに操作時期を案内するためのゲーム領域52と、各プレイヤの得点等を表示するための情報領域53とが含まれている。ゲーム領域52は矩形に形成されている。ゲーム領域52の長手方向の両端には、操作基準部としての第1操作基準部55A及び第2操作基準部55Bが互いに対向するように配置されている。各操作基準部55A、55Bは、ゲーム領域52の長手方向と直交する方向に直線状に延びている。各操作基準部55A、55Bは、ゲームのプレイヤによりそれぞれゲーム上の現在時刻の基準として用いられる。具体的には、第1操作基準部55Aが第1プレイヤの現在時刻の基準として、第2操作基準部55Bが第2プレイヤの現在時刻の基準として、それぞれ用いられる。図3の例では、第1操作基準部55Aとして赤色の直線が、第2操作基準部55Bとして青色の直線が、それぞれ用いられており、各プレイヤを区別するためにプレイヤ毎に異なる色が用いられている。また、情報領域53は、ゲーム領域52の周囲に配置され、ゲーム領域52の長手方向の一端側が一方のプレイヤの得点等を表示するために用いられ、他端側が他方のプレイヤの得点等を表示するために用いられる。
【0029】
各操作基準部55A、55Bは、所定の間隔で配置された複数の反発点をそれぞれが含んでいる。第1操作基準部55Aに含まれる複数の反発点R1と第2操作基準部に含まれる反発点R2とは、複数の経路Wによって相互に接続されている。つまり、第1操作基準部55Aに含まれる一の反発点R1からは第2操作基準部に含まれる複数の反発点R2に到る複数の経路Wが設けられている。図3の3つの破線はいずれも反発点R1と反発点R2とを接続する3つの経路W1、W2、W3を示している。図3の例では、第1操作基準部55Aのある一の反発点R1には、この反発点R1から第2操作基準部55Bに含まれる3つの反発点R2に向かって延びる3つの経路W1、W2、W3が設けられている。音楽ゲームの実行中、つまり、楽曲の再生の進行中において、反発点R1と反発点R2とを接続する経路W上には、操作を指示する操作指示標識としてのオブジェクト60がシーケンスデータ28に従って表示される。なお、図3では、説明の都合上、各経路W1、W2、W3を破線で示したが、実際のゲーム画面50には複数の経路Wのいずれも表示されていない。
【0030】
オブジェクト60は、曲中の適当な時期に反発点R1或いは、反発点R2に出現し、楽曲の進行に従って、出現した各反発点R1、R2から反対側に位置する各反発点R1、R2に向かって、出現した各反発点R1、R2から延びる経路W上を移動する。そして、オブジェクト60が到達した各反発点R1、R2は、次のオブジェクト60の出現位置となり、その出現位置から反対側に位置する各反発点R1、R2に向かって移動する。このため、オブジェクト60は、各反発点R1、R2であたかも反発するように、各操作基準部間55A、55B間を交互に繰り返し移動する。また、オブジェクト60の各操作基準部55A、55Bへの到達に合わせて、オブジェクト60が到達した各操作基準部55A、55Bを現在時刻の基準として用いる各プレイヤには、各操作基準部55A、55Bのオブジェクト60が到達した位置をタッチするタッチ操作が要求される。各プレイヤがタッチ操作を行うと、オブジェクト60が各操作基準部55A、55Bに一致した時刻と、各プレイヤがタッチ操作した時刻との間のずれ時間が検出される。そのずれ時間が小さいほどプレイヤの操作が高く評価される。また、タッチ操作に応じて効果音がスピーカ14から再生される。効果音の再生方法として周知の方法が適用されてよい。例えば、効果音再生の周知な方法として、楽曲を再生しつつ楽曲の上から効果音を追加する方法、ミスした場合に楽曲を消音しつつミス操作に対応した効果音を再生する方法が存在する。また、例えば、楽曲を分割して各操作時期に割り当てて、適切な操作が実行された場合、当該操作時期に割り当てられた楽曲のパートが演奏される(各操作時期に対する適切な操作により楽曲を形成するような方法。このため、ミス操作がされた場合には、その操作時期に割り当てられた楽曲のパートが再生されない)方法も存在する。
【0031】
図3の例では、オブジェクト60が経路W2上にて第2操作基準部55Bの反発点R2に到達する直前であり、その到達に合わせて第2操作基準部55Bを現在時刻の基準として用いる第2プレイヤは、第2操作基準部55Bのオブジェクト60が到達する位置をタッチ操作すればよい。また、オブジェクト60は、これから向かう先の各操作基準部55A、55Bに対応した色で表示されている。つまり、図3の例では、オブジェクト60は第2操作基準部55Bの反発点R2に到達するまで青色で表示され、到達した反発点R2に出現する次のオブジェクト60は赤色で表示される。本形態では、モニタ3上の各操作基準部55A、55Bと、それらに重ね合わされるタッチパネル5との組み合わせによって、複数の操作部が形成される。なお、以下では、各操作基準部55A、55Bを、操作部を代表する用語として使用することがある。
【0032】
オブジェクト60が到達した各反発点R1、R2から反対側の各反発点R1、R2に移動するための経路Wは、各操作基準部55A、55Bがタッチ操作されたときのオブジェクト60の位置に応じて決定される。位置の対比を容易にするために、オブジェクト60は複数の領域に分けられる。図4は、オブジェクト60の領域を説明するための図である。図4の破線は経路W1、W2、W3をそれぞれ示し、一点鎖線62は各領域の境界をそれぞれ示している。図4の例では、オブジェクト60は各操作基準部55A、55Bと最初に接触する接触点付近の接触領域Sと、その接触領域Sを境界とする右側領域R、左側領域L及び、その他の領域の4つの領域に分けられる。そして、オブジェクト60が移動する経路として、反発点R2から反発点R1に向かう経路Wのうちから接触領域S及び、その他の領域付近がタッチ操作された場合にはR1に最短距離で向かう直線経路W2が、左側領域L付近がタッチ操作された場合にはゲーム領域52の長手方向の右側の側壁52Rを経由してR1に向かう第1右側経路W3が、右側領域R付近がタッチ操作された場合にはゲーム領域52の長手方向の左側の側壁52Lを経由してR1に向かう第1左側経路W1が、それぞれ選択される。つまり、タッチ操作がされた操作位置とオブジェクト60の位置との間の位置関係に応じてオブジェクト60が次の各操作基準部55A、55Bに向かう際の移動経路が決定される。移動経路によって移動距離が異なるので、操作位置とオブジェクト60の位置との間の位置関係に応じて、オブジェクト60が次の各操作基準部55A、55Bに移動するための移動距離に差が生じる。一方で、移動経路に関係なくオブジェクト60をタッチ操作すべき操作時期、つまり、各操作基準部55A、55Bにオブジェクト60が到達すべき時期は一定である。このため、移動経路に応じてオブジェクト60の移動速度に差が生じる。つまり、一方のプレイヤのタッチ操作に応じて他方のプレイヤに向かって移動するオブジェクト60の経路W及び移動速度が変化する。これによりゲームの難易度が変化するので、各プレイヤは相手プレイヤへの影響を意識しつつ自己の操作を実行する。
【0033】
各経路Wには、楽曲の都合或いは、ゲームの進行上の都合等により、適宜に複数のオブジェクト60が表示される。図5は、ゲーム領域52に2つのオブジェクト60が表示されている状態のゲーム画面を模式的に示す図である。図5の例では、第1オブジェクト60Aが第2操作基準部55Bの手前に表示されており、第2オブジェクト60Bが第1操作基準部55A上に表示されている。これらのオブジェクト60A、60Bは、後述のシーケンスデータ28にてそれぞれに対応付けられた操作時期に各操作基準部55A、55Bに到達すべくそれぞれゲーム領域52内を移動する。これらの各オブジェクト60A、60Bを区別しないときには、以下でオブジェクト60と表記する。
【0034】
また、各プレイヤは、オブジェクト60が到達した各操作基準部55A、55Bをタッチ操作するとともに、タッチ操作した状態でオブジェクト60を押し出すような特定の操作としてのスマッシュ操作を実行することにより、相手プレイヤに対応する操作基準部に向かって移動するオブジェクト60の移動速度を速めることができる。各操作基準部55A、55Bに到達する到達時期は操作時期として変化しない。このため、スマッシュ操作が実行された場合、オブジェクト60は移動距離の長い経路を移動する。図6は、スマッシュ操作により移動速度が速くなった場合のオブジェクト60の移動経路の一例を示す図である。図6の矢印Aは、スマッシュ操作の方向を、破線は移動距離の長い経路WSを、それぞれ示している。図6の例では、オブジェクト60の第1操作基準部55Aへの到達に合わせて第1操作基準部55Aのオブジェクト60が到達した位置をタッチ操作するとともに、タッチ操作した状態でオブジェクト60を矢印A方向に押し出すようなスマッシュ操作が実行されている。これらの操作の結果、スマッシュ操作されたオブジェクト60は矢印A方向に向かって高速で移動する。そして、そのオブジェクト60は移動距離が所定距離以上になるように、移動経路としてゲーム領域52の長手方向に延びる両側壁52L、52Rでそれぞれ複数回跳ね返る移動距離の長い経路WSを移動する。
【0035】
また、スマッシュ操作が実行された際に、スマッシュ操作されたオブジェクト60よりも先行して反対側の操作基準部に移動しているオブジェクト60が存在している場合がある。更に、スマッシュ操作された際に、先行するオブジェクト60がゲーム領域52の中央よりも手前に位置している場合がある。このような場合には、スマッシュ操作された後発のオブジェクト60の到達時期と先行するオブジェクト60の到達時期とが入れ替わり、先行するオブジェクト60の移動速度が落ちるとともに、後発のオブジェクト60が先行するオブジェクト60を追い抜いて先に反対側の操作基準部に到達するように移動する。つまり、先行するオブジェクト60が存在し、かつ、先行するオブジェクト60がゲーム領域52の中央よりも手前に位置している場合には、スマッシュ操作により、後発のオブジェクト60が指示すべき操作時期と先行するオブジェクト60が指示すべき操作時期とが入れ替わる。図7は、後発のオブジェクト60が先行するオブジェクト60を追い抜いた場合のゲーム画面を模式的に示した図である。図7の例では、後発のオブジェクト60Bに対してスマッシュ操作がされた際には、先行して第2操作基準部55Bに向かう先行のオブジェクト60Aがゲーム領域52の中央線Cより第1操作基準部55A側に位置していた。図7の二点鎖線は中央線Cを示している。中央線Cはゲーム領域52の中央に位置し、ゲーム領域52を2等分するように各操作基準部55A、55Bと並行に延びている。このため、後発のオブジェクト60Bは、スマッシュ操作前に先行のオブジェクト60Aが本来指示する予定であった操作時期に第2操作基準部55Bに到達すべく先行するオブジェクト60Aを追い抜いている。この際、後発のオブジェクト60Bは、先行のオブジェクト60Aを追い抜くための移動経路として、追い抜き経路WFを移動している。一方、追い抜かれた先行するオブジェクト60Aは、スマッシュ操作前に後発のオブジェクト60Bが本来指示する予定であった操作時期に第2操作基準部55Bに到達すべく移動速度を落とす。このように、各プレイヤは、相手プレイヤの操作による影響を受けつつゲームをプレイする。なお、図7では、説明のために中央線Cを図示しているが、実際のゲーム画面に中央線Cは表示されない。中央線Cは、オブジェクト60の移動速度の急激な変化を抑制するための判定基準として機能している。但し、このような中央線Cを基準として追い抜きを実行するか否か判断する構成は省略されてもよい。この場合、意図的に移動速度が急激に変化するオブジェクト60を発生させるこができる。
【0036】
次に、図8を参照して、シーケンスデータ28の詳細を説明する。図8に示したように、シーケンスデータ28は、条件定義部28aと、操作シーケンス部28bと、を含んでいる。条件定義部28aには、音楽のテンポ、ビート、トラック、また、オブジェクト60をタッチ操作したときにそれぞれ発生させるべき効果音を指定する情報等、楽曲毎に異なるゲームの実行条件を指定する情報が記述される。なお、図8では条件定義部28aがシーケンスデータ28の先頭のみに設けられているが、操作シーケンス部28bの途中の適宜の位置にも条件定義部28aが追加されてよい。それにより、曲中のテンポの変更、効果音の割り当ての変更といった処理を実現することができる。
【0037】
一方、操作シーケンス部28bには、オブジェクト60をタッチ操作すべき時期と、表示開始すべき時期と、プレイヤ(或いは、各操作基準部55A、55B)を指示する情報とがオブジェクト60毎に対応付けて記述されている。図8は、シーケンスデータの内容の一例を示す図である。図8にその一部を例示したように、操作シーケンス部28bは、楽曲中において操作が行われるべき時期(操作時期)を指示する操作時期部28cと、オブジェクト60の表示が開始されるべき表示開始時期を設定する表示開始情報部28dと、オブジェクト60が表示開始されるプレイヤ(或いは、各操作基準部55A、55B)を指示する表示位置指示部28eと、表示するオブジェクト60を指示する標識情報部28fと、を含んでいる。そして、操作シーケンス部28bは、表示するオブジェクト60毎に楽曲中において操作が行われるべき操作時期と、オブジェクト60の表示開始時期と、オブジェクト60が表示開始されるプレイヤ(或いは、各操作基準部55A、55B)とが対応付けて記述された複数のレコードの集合として構成されている。操作時期及び表示開始時期は、楽曲中の小節番号、拍数、及び拍中の時刻を示す値がカンマで区切られて記述されている。拍中の時刻は、一拍の先頭からの経過時間であり、一拍の時間長をn個の単位時間に等分したときのその拍の先頭からの単位数で表現される。例えば、n=100で、楽曲の一小節目の二拍目で、かつその拍の先頭から1/4だけ経過した時刻を操作時期又は表示開始時期として指定する場合には、“01,2,025”と記述される。
【0038】
オブジェクト60が表示開始されるプレイヤの指示は、第1プレイヤを指示する場合に“P1”、第2プレイヤを指示する場合に“P2”、とそれぞれ記述される。なお、プレイヤの指示は、表示されるオブジェクト60の色の指示にも該当し、“P1”の場合に青色のオブジェクト60が、“P2”の場合に赤色のオブジェクト60が、それぞれ表示される。
【0039】
標識情報部28fには、表示するオブジェクト60を指示する情報が“A”等のアルファベットによって記述されている。ゲーム領域52に表示させる1つ目のオブジェクト60に対応するアルファベットとして“A”が、2つめのオブジェクト60に対応するアルファベットとして“B”が、3つめのオブジェクト60に対応するアルファベットとして“C”が、それぞれ用いられる。つまり、表示するオブジェクト60を指示する情報として、ゲーム領域52に表示させるオブジェクト60の数に応じた種類のアルファベットが用いられている。また、オブジェクト60を指示する情報は、各操作時期間の対応関係も示している。具体的には、共通のオブジェクト60を指示する情報が対応付けられている各操作時期間において、ある一つの操作時期に対応するオブジェクト60が到達した位置は、その一つの操作時期に最も近い(或いは、等しい)表示開始時期が設定されている他の操作時期に対応するオブジェクト60の移動の出現位置としての機能を有している。なお、同一の操作時期を指定するレコードが複数存在する場合には、表示開始時期が早い方、又は、シーケンスデータ28の記述されている並びの早い方等、同一の操作時期を指定するレコードのうちいずれか一つを所定の特定条件等により特定することにより、他の操作時期に対応するオブジェクト60(次に出現するオブジェクト60)の出現位置を特定すればよい。また、シーケンスデータ上に、各オブジェクト60の到達位置と出現位置とを関連付ける情報が別途記述されていてもよい。
【0040】
図8の例では、一小節目の四拍目の開始時点(000)に第1プレイヤが基準として用いる第1操作基準部55A上に青色のオブジェクト60が表示され、第1操作基準部55Aから経路Wに沿って、一小節目の四拍目の開始時点から“010”相当だけ経過した時期に第2操作基準部55Bに到達するように移動するといった具合に、表示開始時期、操作時期及び、操作すべきプレイヤが指示されている。一方、三小節目の一拍目の開始時点(000)に第1操作基準部55Aに2つのオブジェクト60が表示され、一方のオブジェクト60は三小節目の一拍目の開始時点から“010”相当だけ経過した時期に、他方のオブジェクト60は三小節目の一拍目の開始時点から“015”相当だけ経過した時期に、それぞれ第2操作基準部55Bに到達するように移動する。更に、三小節目の一拍目の開始時点(000)には、第2操作基準部55Bにもオブジェクト60が表示され、このオブジェクト60は三小節目の一拍目の開始時点から“012”相当だけ経過した時期に第1操作基準部55Aに到達するように移動する。つまり、三小節目の一拍目の開始時点(000)には合計3つのオブジェクト60が表示される。
【0041】
また、図8の例では、共通のアルファベット“A”、“B”或いは“C”が対応付けられている各操作時期間には対応関係が指示されている。つまり、図8の例では、一小節目の四拍目の開始時点(000)に第1操作基準部55Aに表示され、一小節目の四拍目の開始時点から“010”相当だけ経過した時期に第2操作基準部55Bに到達するオブジェクト60の到達した位置が、一小節目の四拍目の開始時点から“010”相当だけ経過した時期に第2操作基準部55Bに表示開始され、一小節目の四拍目の開始時点から“016”相当だけ経過した時期に第1操作基準部55Aに到達するように移動するオブジェクト60の出現位置として機能するように対応関係が指示されている。なお、図8の例では、対応関係を有する各操作時期間に、各操作時期と同一の表示開始時期が設定されているが、各操作時期と同一の表示開始時期でなくてもよい。オブジェクト60の連続性を演出可能な限り、例えば、出現位置として機能する各操作時期に対応する表示開始時期として、出現位置に到達するオブジェクト60に対応する操作時期よりも少し早い時期が設定されていてもよい。また、対応関係を有する各操作時期間には、必ずしも出現位置として機能する操作時期が存在しなくてもよい。出現位置として機能する操作時期が存在しない操作時期に対応するオブジェクト60は、連続性がないものとしてゲーム領域52から消滅させればよい。
【0042】
次に、ゲーム機1にて音楽ゲームが実行される際のゲーム制御部11の処理を説明する。ゲーム制御部11は、ゲームプログラム21を読み込んで音楽ゲームを実行するために必要な初期設定を終えると、プレイヤからのゲーム開始の指示に備えて待機する。ゲーム開始の指示には、例えばゲームでプレイする楽曲、或いは難易度の選択といったゲームで使用するデータを特定する操作が含まれる。それらの指示を受け付ける手順は、公知のゲーム等と同等でよい。
【0043】
ゲーム開始が指示されると、ゲーム制御部11は、プレイヤが選択した曲に対応する楽曲データ25を読み取って音声出力制御部14に出力することにより、スピーカ8から楽曲の再生を開始させる。これにより、制御ユニット10が楽曲再生手段として機能する。また、ゲーム制御部11は、楽曲の再生に同期して、プレイヤの選択に対応したシーケンスデータ28を読み取って、画像データ27を参照しつつゲーム領域52及び情報領域53の描画に必要な画像データを生成して表示制御部12に出力することにより、モニタ3上にゲーム領域52及び情報領域53を表示させる。更に、音楽ゲームの実行中において、ゲーム制御部11は、ゲーム領域52の表示等に必要な処理として、図9に示すシーケンス処理ルーチン、図10に示す経路決定処理ルーチン、図11に示す追い抜き処理ルーチン及び、図12に示す操作評価ルーチンのそれぞれを所定の周期で繰り返し実行する。なお、図9、図10及び、図11のルーチンはシーケンス処理部15が、図12の操作評価ルーチンは操作評価部16が、それぞれ担当する。
【0044】
図9は、シーケンス処理部15が実行するシーケンス処理ルーチンのフローチャートの一例を示している。図9のルーチンが開始されると、ゲーム制御部11のシーケンス処理部15は、まずステップS1にて楽曲上の現在時刻を取得する。例えば、楽曲の再生開始時点を基準として、ゲーム制御部11の内部クロックにて計時が開始され、その内部クロックの値から現在時刻が取得される。続くステップS2において、シーケンス処理部15は、シーケンスデータ28から、ゲーム領域52の表示範囲に相当する時間長に表示開始時期及び、操作時期が存在するオブジェクト60のデータを取得する。表示範囲は、一例として現在時刻から将来に向かって楽曲の2小節相当の時間範囲に設定される。
【0045】
次のステップS3では、表示すべき全てのオブジェクト60の経路Wを決定する。その決定は、一例として図10のルーチンが実行されることにより実現される。図10は、シーケンス処理部15が実行する経路決定処理ルーチンのフローチャートの一例を示している。図10のルーチンが開始されると、シーケンス処理部15は、まずステップS11にてゲーム開始時であるか否かを判断する。このステップS11にて、肯定的判断がされた場合にはステップS21に進み、否定的判断がされた場合にはステップS12に進む。ステップS21では、オブジェクト60を表示すべき経路として、予め設定された経路が選択され、ステップS20に進む。一例として、予め設定された経路として第1操作基準部55Aに含まれ、左側からn番目に位置する反発点R1から延びる経路W3が設定されている。
【0046】
一方、ステップS12では、オブジェクト60の表示が表示開始時期としての表示か否かを判断する。ステップS12にて、否定的判断がされた場合、つまり、オブジェクト60の表示が表示開始時期としての表示ではなく既に表示すべき経路が選択されているものと判断された場合には、ステップS22に進む。ステップS22では、表示すべき経路として既に選択されている経路、つまり、現在の経路を選択して、ステップS20に進む。
【0047】
一方、ステップS12にて、肯定的判断がされた場合、つまり、オブジェクト60の表示が表示時期としての表示であり、表示すべき経路が選択されていないものと判断された場合には、ステップS13に進む。ステップS13では、タッチパネル5の出力信号を参照して、各操作基準部55A、55Bに対してタッチ操作がされたか否かが判断される。ステップS13にて、否定的判断がされた場合にはステップS23に進み、肯定的判断がされた場合にはステップS14に進む。ステップS23では、オブジェクト60が表示されるべき経路として所定の経路が選択されて、ステップS20に進む。ステップS23の所定の経路の選択は、例えば、表示開始されるオブジェクト60と対応するオブジェクト60、つまり、表示開始されるオブジェクト60の出現位置として用いられる各反発点R1、R2に直前に到達したオブジェクト60が表示されていた経路と隣接する経路や、出現位置から到達すべき各操作基準部55A、55Bに向かう最も距離の短い経路が所定の経路として設定されることにより実現される。
【0048】
一方、ステップS14では、タッチパネル5から出力された信号に基づいて、タッチ操作がされた操作基準部と、そのタッチ操作がされたタイミング(楽曲上の時刻)と、を判別する。続くステップS15では、タッチ操作が行われた操作基準部に関して、シーケンスデータ28に記述された直近の操作時期、つまり、タッチ操作が行われた操作基準部に関して、シーケンスデータ28上で対応づけられた時間的に最も接近した操作時期を特定し、その操作時期とタッチ操作が行われた時刻との間の時間のずれ時間を取得する。
【0049】
次のステップS16において、シーケンス処理部15は、ずれ時間が一定範囲内か否かを判別することにより、各プレイヤの操作が適切か否か判断する。一定範囲は、比較対象の操作時期を中心として前後に所定の時間範囲で設定される。ステップS16にて否定的判断がされた場合には、ステップS23に進み、上述のように、オブジェクト60が表示されるべき経路として所定の経路が選択されて、ステップS20に進む。一方、ステップS16にて肯定的判断がされた場合にはステップS17に進む。
【0050】
ステップS17にて、シーケンス処理部15は、スマッシュ操作が実行されたか否か判断する。スマッシュ操作が実行されたか否かの判断は、一例として、次のように行われる。まず、タッチパネル5から出力された信号に基づいて、タッチ操作されたタッチ操作位置の連続的変化の有無を算出する。タッチ操作位置が連続的に変化していない場合には、スマッシュ操作は実行されていないと判断される。タッチ操作位置が連続的に変化している場合には、その変化の方向及び速度を算出する。そして、その連続的変化の方向及び、速度がいずれも所定の範囲内であると判断された場合には、スマッシュ操作が実行されたと判断される。なお、所定の範囲として、例えば、連続的変化の方向と操作基準部との間に形成される角度が所定値よりも小さい場合(より両側壁52R、52L方向を向いている場合)、或いは連続的変化の速度がスマッシュ操作に対応する速度として設定されているオブジェクト60の移動速度よりも大きい場合といった範囲が設定される。ステップS17にて、肯定的判断がされた場合にはステップS24に進み、否定的判断がされた場合にはステップS18に進む。
【0051】
次のステップS18では、タッチパネル5から出力された信号に基づいて、各操作基準部55A、55Bのタッチ操作された操作位置とオブジェクト60の位置との間の位置関係を判別する。具体的には、タッチ操作された位置が、表示開始されるオブジェクト60又は、出現位置に直近に到達したオブジェクト60の接触領域S、右側領域R、左側領域L及び、それら以外の領域のいずれの領域付近かを判別する。続くステップS19では、ステップS18にて判別された位置関係に応じてオブジェクト60を配置すべき経路を選択する。この経路の選択は、一例として以下のように行われる。まず、右側領域R、左側領域L、或いは接触領域S及びその他の領域のいずれかを、各経路Wに割り当てる。次に、ステップS18の判別結果に基づいて、出現位置から延びる複数の経路Wのうちからタッチ操作がされた位置に割り当てられた経路が選択される。図3の例では、反発点R1において、接触領域S及び、その他の領域に直線経路W2が、左側領域Lに第1右側経路W3が、右側領域Rに第1左側経路W1が、それぞれ割り当てられている。そして、オブジェクト60の接触領域S又は、その他の領域付近がタッチ操作された場合には直線経路W2が、右側領域R付近がタッチ操作された場合には第1左側経路W1が、左側領域L付近がタッチ操作された場合には第1右側経路W3が、それぞれ選択される。
【0052】
一方、ステップS24では、追い抜き処理が実行される。追い抜き処理は、一例として、図11のルーチンが実行されることにより実現される。図11は、シーケンス処理部15が実行する追い抜き処理ルーチンのフローチャートの一例を示している。図11のルーチンが開始されると、シーケンス処理部15は、まずステップS31にて、先行するオブジェクト60が存在するか否かを判断する。具体的には、スマッシュ操作されたオブジェクト60が到達すべき操作基準部に向かって移動するオブジェクト60であって、スマッシュ操作されたオブジェクト60に対して先行した位置に配置されているオブジェクト60が存在するか否かが判断される。ステップS31にて、先行するオブジェクト60が存在すると判断された場合にはステップS33に、先行するオブジェクト60が存在しないと判断された場合にはステップS32に、それぞれ進む。
【0053】
ステップS32では、オブジェクト60の移動経路として移動距離が所定距離以上となる経路を算出して、今回のルーチンを終了する。一例として、所定距離以上の経路の算出は、次のように行われる。まず、シーケンスデータ28に記述された操作時期及び現在時刻に基づいて、対象のオブジェクト60の移動時間を算出する。次に、スマッシュ操作に対応する移動速度として一定値以上で予め定められた速度を取得し、取得した移動速度と算出した移動時間とから移動経路に必要な距離を算出する。更に、スマッシュ操作が実行された方向を取得する。続いて、算出した移動距離が確保されるように、両側壁52R、52Lのうち取得したスマッシュ操作の方向を考慮した方向に位置する側壁との跳ね返り点、更に跳ね返り点で跳ね返った後の反対側の側壁との跳ね返り点、といった具合に両側壁52R、52Lとの跳ね返り数、跳ね返り点を算出する。跳ね返り点の算出は、跳ね返り点間を結ぶ経路の入射角の値と反射角の値とがなるべく近い値となるようにして実行される。そして、出現位置から順に算出された跳ね返り点を到達すべき操作基準部まで結ぶ経路が所定距離以上の経路として算出される。
【0054】
一方、ステップS33では、先行するオブジェクト60の位置がゲーム領域52の中央線Cよりも手前か否かを判断する。先行するオブジェクト60の位置がゲーム領域52の中央線Cよりも到達すべき操作基準部側(ゲーム領域52の中央線Cの位置を含む)に位置していると判断された場合には、ステップS32に進み、ゲーム領域52の中央線Cよりも手前側に位置していると判断された場合には、ステップS34に進む。
【0055】
ステップS34では、先行するオブジェクト60が操作基準部に到達すべき到達時期とスマッシュ操作されたオブジェクト60が操作基準部に到達すべき到達時期とを入れ替えた到達時期補正データを生成する。到達時期補正データの一例として、オブジェクト60を指示する情報及び、操作時期に到達時期の情報が付加されたデータが生成されることにより実現される。続くステップS35では、スマッシュ操作されたオブジェクト60の移動経路として追い抜き経路を算出して、今回のルーチンを終了する。追い抜き経路の算出は、一例として次のように行われる。まず、ステップS34で生成された到達時期補正データからスマッシュ操作されたオブジェクト60の到達時期を取得し、取得した到達時期と現在時刻とからスマッシュ操作されたオブジェクト60の移動時間を算出する。次に、スマッシュ操作に対応する移動速度として一定値以上で予め定められた速度を取得し、取得した移動速度と算出した移動時間とに基づいて、到達時期補正データに設定された到達時期に到達すべき操作基準部に到達するような移動距離を算出する。更に、スマッシュ操作が実行された方向を取得する。続いて、算出した移動距離が確保されるように、両側壁52R、52Lのうち取得したスマッシュ操作の方向を考慮した方向に位置する側壁との跳ね返り点、更に跳ね返り点で跳ね返った後の反対側の側壁との跳ね返り点、といった具合に両側壁52R、52Lとの跳ね返り数、跳ね返り点を算出する。跳ね返り点の算出は、跳ね返り点間を結ぶ経路の入射角の値と反射角の値とがなるべく近い値となるようにして実行される。そして、出現位置から順に算出された跳ね返り点を到達すべき操作基準部まで結ぶ経路が所定距離以上の経路として算出される。
【0056】
なお、上述のステップS32及び、ステップS35にて、移動速度として取得する予め定められた一定値以上の速度は、スマッシュ操作の速度に応じて変化するように設定されていてもよいし、スマッシュ操作の速度が一定以上であれば一律同じ速度となるように設定されていてもよい。更に、ステップS35にて用いられる一定値以上で予め定められた速度は、ステップS32で用いられるものと同じでもよいし、ステップS32とステップS35とで別途異なるものを用意してもよい。また、各反発点R1、R2毎に予め設定されたスマッシュ操作に対応する経路から、スマッシュ操作の方向及び、速度に応じて所定距離以上の経路或いは、追い抜き経路が選択される形態でもよい。また、ステップS32或いは、ステップS35で算出される経路の方向とスマッシュ操作の方向とは必ずしても一致していなくてよい。ある程度スマッシュ操作の方向が考慮されていればよい。また、スマッシュ操作の方向が考慮されなくてもよい。例えば、移動方向として考慮される方向は予め定められた方向でもよいし、或いは乱数を用いた抽選により決定された方向でもよい。更に、追い抜き経路として、両側壁52R、52Lのいずれにも跳ね返り点をもたない経路が算出されてもよい。
【0057】
図10のルーチンに戻り、ステップS20では、ステップS19、及び、ステップS21〜S24の各ステップで選択された経路を、オブジェクト60を表示させる経路に決定して、今回のルーチンを終了する。
【0058】
図9のルーチンに戻り、ステップS4では、シーケンス処理部15は各経路Wに表示すべき全てのオブジェクト60のゲーム領域52内における座標を演算する。その演算は、一例として以下のように行われる。まずステップS3の処理結果に基づいて、表示範囲に含まれている各オブジェクト60を表示すべき経路Wを判別する。更に、図11のルーチンのステップS34にて生成された到達時期補正データを取得する。次に、各オブジェクト60に対応した移動方向(到達すべき各操作基準部55A、55B)及び、各操作時期と現在時刻との時間差に応じて、各操作基準部55A、55Bからの時間軸方向(つまり、オブジェクト60の移動方向)における各オブジェクト60の位置を判別する。この際、取得した到達時期補正データ上にオブジェクト60を指示する情報及び、操作時期をキーとして補正された到達時期のレコードが存在している場合は、操作時期と現在時刻との時間差に応じた位置ではなく、到達時期補正データ上の到達時期と現在時刻との時間差に応じて、各操作基準部55A、55Bからの時間軸方向における各オブジェクト60の位置を判別する。到達時期補正データ上のレコードとして、具体的には、スマッシュ操作が実行されたオブジェクト60に対応する操作時期のレコード及び、そのスマッシュ操作されたオブジェクト60に先行するオブジェクト60に対応する操作時期のレコードが存在している。これらにより、各オブジェクト60を配置すべき経路Wと、その経路W上にて各オブジェクト60を各操作基準部55A、55Bから時間軸に沿って配置するために必要な各オブジェクト60の座標と、を取得することができる。
【0059】
次のステップS5において、シーケンス処理部15は、ステップS4で演算されたオブジェクト60の座標に基づいて、ゲーム領域52を描画するために必要な画像データを生成する。具体的には、演算された座標に各オブジェクト60が配置されるように画像データを生成する。オブジェクト60等の画像は、画像データ27から取得すればよい。続くステップS6にて、シーケンス処理部15は表示制御部12に画像データを出力する。それにより、モニタ3にゲーム領域52が表示される。ステップS6の処理を終えると、シーケンス処理部15は今回のシーケンス処理ルーチンを終了する。以上の処理が繰り返し実行されることにより、オブジェクト60がシーケンスデータ28に記述された表示開始時期に指定された各操作基準部55A、55B上に表示され、オブジェクト60がシーケンスデータ28に記述された操作時期に指定された各操作基準部55A、55Bに到達するように2つの操作基準部55A、55B間を移動する。また、ステップS4の座標の演算に到達時期補正データを利用することにより、先行するオブジェクト60が本来指示すべき操作時期をスマッシュ操作されたオブジェクト60が指示すべく先行するオブジェクト60を追い抜いくとともに、スマッシュ操作されたオブジェクト60が本来指示すべき操作時期を先行するオブジェクト60が指示すべく先行するオブジェクト60の移動速度が遅くなるような表示を実現することができる。
【0060】
次に、図12の操作評価ルーチンを説明する。図12の操作評価ルーチンが開始されると、操作評価部16は、まずステップS41で、タッチパネル5の出力信号を参照して、オブジェクト60に対するタッチ操作の有無を判別する。このとき、各操作基準部55A、55B以外の位置がタッチされた場合には、タッチ操作なしと判断される。操作評価部16は、タッチ操作がなければ今回のルーチンを終了し、タッチ操作があればステップS42へ進む。ステップS42において、操作評価部16は、タッチパネル5から出力された位置信号に基づいて、そのタッチ操作が行われたタイミング(楽曲上の時刻)を判別する。続くステップS43にて、操作評価部16はタッチ操作が行われた操作基準部に関して、シーケンスデータ28に記述された直近の操作時期、つまりはタッチ操作が行われた操作基準部に関して、シーケンスデータ28上で時間的に最も接近した操作時期を特定し、その操作時期とタッチ操作が行われた時刻との間のずれ時間を取得する。
【0061】
次のステップS44において、操作評価部16は、ずれ時間が評価範囲内か否かを判別することにより、プレイヤの操作が適切か否か判断する。評価範囲は、比較対象の操作時期を中心として前後に所定の時間範囲で設定される。一例として、操作時期を中心として複数段のレベルが設定され、それらのレベルが設定されている時間範囲が評価範囲として扱われる。ステップS44にてずれ時間が評価範囲外の場合、操作評価部16は今回のルーチンを終了し、評価範囲内の場合にはステップS45に進む。ステップS46にて、操作評価部16は、各操作基準部55A、55Bのタッチ操作が行われた操作位置と、そのタッチ操作が行われた操作基準部に関して、シーケンスデータ28上で時間的に最も接近した操作時期を特定し、その操作時期を指示するオブジェクト60の到達位置との間の位置のずれを取得する。
【0062】
続くステップS46にて、操作評価部16は、ステップS44で取得したずれ時間及びステップS45で取得した位置のずれに基づいてプレイヤのタッチ操作に対する評価を決定する。これらの評価は、一例として、以下のように行われる。まず、ずれ時間に関しては、タッチ操作の時期が時間範囲内に設定された複数のレベルのいずれに属するかを判別することにより実現される。複数のレベルは、時間範囲を一定期間毎に区分するように設定されており、その各区分の操作時期に近い区分に属するほど高く評価される。また、ずれ位置に関しては、オブジェクト60の中心位置とタッチ操作位置とを対比することにより実現される。ずれ位置の評価は、ずれ位置の評価は、例えば、オブジェクト60の直径の倍までの領域は“GOOD”、それ以外の領域は“MISS”と評価する。或いは、オブジェクト60の外周より内側を最高の評価として外周から一定距離離れる毎に評価が下がるように一定の評価範囲が設定され、タッチ操作の位置がこの評価範囲のいずれの位置に属するかによって判断されてもよい。その後、操作評価部16はステップS47に進み、評価結果がゲーム領域52及び情報領域53の少なくともいずれか一方に表示されるように、表示制御部12への出力を制御する。ステップS47の処理を完了すると、操作評価部16は今回のルーチンを終了する。なお、図12の例のオブジェクトの位置とタッチ操作の位置との間のずれを取得するステップは、操作基準部の直近の操作時期とタッチ操作が行われた時刻との間のずれを取得するステップよりも前に実行されてもよい。また、図12の例では、ずれ位置の評価は、領域に応じて“GOOD”又は“MISS”と評価されるように構成されているが、ずれ位置が一定の範囲外の場合には、ステップS44の処理と同様に、以降の処理をスキップし、その回のルーチンを終了するように構成されていてもよい。この場合、例えば、第1操作基準部55Aに対しての操作が要求されているときに、第2操作基準部55Bに対して操作が実行される等の一定の範囲外の不適切な位置への操作を評価対象外とすることができる。
【0063】
以上に説明したように、この形態によれば、各プレイヤは、オブジェクト60の移動経路の選択に加えて、スマッシュ操作を実行することにより、相手プレイヤの操作基準部に向かって移動するオブジェクト60の移動速度を速めることができる。このため、相手プレイヤのゲームの難易度を向上させる選択肢の幅を広げることができる。更に、先行するオブジェクト60の位置によっては、スマッシュ操作された後発のオブジェクト60の到達時期と先行するオブジェクト60の到達時期とが入れ替えられる。これにより、後発のオブジェクト60の移動速度を速める一方で、先行するオブジェクト60の移動速度を遅くすることができる。このため、後発のオブジェクト60が先行するオブジェクト60を追い抜くという演出をすることができる。これにより、ゲームの難易度を多様に変化させることができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0064】
以上の形態において、ゲーム機1の外部記憶装置20が楽曲データ記憶手段、シーケンスデータ記憶手段、として機能する。また、制御ユニット10が、シーケンス処理部15に図9、図10及び、図11のルーチンを実行させることによりゲーム領域提示手段及び、標識表示制御手段として機能する。さらに、制御ユニット10が、評価操作部16に図12のルーチンを実行させることにより、評価手段として機能する。
【0065】
上述の形態では、1つの各反発点R1、R2から延びる経路Wが3つの場合を例示しているが、各反発点から延びる経路の数を限定するものではない。従って、各反発点から全方向に延びる多数の経路を設定可能である。また、各操作基準部55A、55Bに含まれる各反発点R1、R2も多数設けられてよい。つまり、複数の経路は、操作指示標識が各操作基準部の全位置間を全方向に向かって移動可能なように設けられていてもよい。さらに、ゲーム領域52の両側壁52R、52Lとの跳ね返り点及び、跳ね返り点からの経路も多数設けられていてもよい。これにより、跳ね返り点までの経路及び、跳ね返り後の経路を多数設定することができる。また、上述の形態では、オブジェクト60が4つの領域に分けられ、タッチ操作の位置とオブジェクト60の4つの領域とを対比して、移動経路が決定されているが、このような形態に限定されるものではない。操作指示標識はゲーム領域に設けられた多数の経路に対応して多数の領域に分けられていてもよい。これにより、タッチ操作に応じて操作指示標識を各操作基準部間の自由な経路にて移動させることができる。また、操作指示標識が複数の領域に分けられる形態に限定されるものでもなく、例えば、操作指示標識の中心位置等の固定位置とタッチ操作位置との対比により操作指示標識の移動経路が決定されてもよい。
【0066】
上述の形態では、操作指示標識が移動する経路は各操作基準部間に設けられているが、このような形態に限定されるものではない。例えば、各経路は各操作基準部を超えて、ゲーム領域の両端まで延びていてもよい。この場合、例えば、各操作指示標識はシーケンスデータに記述された操作時期に各操作基準部へ到達するように移動するとともに、操作基準部に到達した際に操作部への適切な操作がされない場合には、操作基準部を超えてゲーム領域の端部にぶつかるまで操作指示標識を移動させることができる。この場合、ゲーム領域の端部にも反発点が設けられ、ゲーム領域の端部の操作指示標識の到達した位置が次の操作指示標識の移動の出現位置として機能すればよい。また、上述の形態では、オブジェクト60は到達した到達位置で消滅するとともに、その到達位置が共通のオブジェクト60が指示されている操作時期に対応するオブジェクト60の出現位置として機能することにより、あたかも各操作基準部55A、55B間で反発しているようにオブジェクト60が移動しているが、オブジェクト60の移動はこのような形態に限定されるものではない。例えば、操作指示標識は到達した反発点で到達毎に消滅するものではなく、そのまま共通のオブジェクト60を利用して反発点で実際に反発するような形態でもよい。この場合、例えば、反発点での反発後に、次に到達すべき操作基準部に対応する色に変色することにより、操作指示標識が向かう操作基準部を案内することができる。
【0067】
また、操作指示標識の移動速度が操作指示に適さない程早くならないように、移動経路の変化を操作指示標識の移動速度が一定範囲内に収まる経路に制限する制限手段を更に備えていてもよい。この場合、制御ユニット10が制限手段として機能するように構成されていてもよい。制御ユニット10が制限手段として機能するように構成されている場合、例えば、図10に示す経路決定処理ルーチンのステップS18或いは、図11に示す追い抜き処理ルーチンのステップS32及びステップS34の処理にて、経路の選択或いは算出を移動速度が一定範囲内となる所定の経路に制限するように構成されていればよい。
【0068】
上述の形態では、タッチ操作の位置とオブジェクト60の位置との間の位置関係に応じて、オブジェクト60が次の操作基準部に向かうための移動経路が決定されているが、移動経路の決定は、このような位置関係に応じたものに限定されない。例えば、移動経路は、タッチ操作の位置が連続して変化するような方向を指定する操作に応じて決定されてもよい。
【0069】
上述の形態では、特定の操作が実行されたか否かの判断が、タッチ操作位置の連続的変化の方向及び速度の両方が所定値範囲内の場合に特定の操作が実行されたと判断されているが、このような操作に限定されるものではない。例えば、タッチ操作位置の連続的変化の方向又は速度のいずれか一方が所定値範囲内の場合にスマッシュ操作が実行されたと判断してもよい。また、例えば、操作基準部をタッチ操作した際の操作位置と操作指示標識との間の位置関係に応じて、特定の位置関係にある場合に特定の操作が実行されたと判断されてもよい。更に、上述の形態では、特定の操作が実行された場合であって、先行するオブジェクト60の位置が中央線Cよりも手前に位置する場合という位置条件が満たされた場合に、後発のオブジェクト60の到達時期と先行するオブジェクト60の到達時期とが入れ替えられているが、位置条件が省略された形態でも実現可能である。また、上述の形態では、所定の位置として中央線Cよりもタッチ操作が実行された操作基準部側の位置を適用して、この中央線Cよりもタッチ操作が実行された操作基準部側に先行する操作指示標識が位置している場合に、位置条件が満たされたと判断しているが、所定の位置はこのような位置に限定されるものではない。例えば、所定の位置として移動経路の中間位置よりもタッチ操作が実行された操作基準部側の位置が適用されてもよい。所定の位置として、操作指示標識の移動時間の変化を一定範囲に抑えられる限り、どのような位置が適用されてもよい。
【0070】
また、上述の形態では、少なくとも特定の操作が実行された場合を先行する操作指示標識の到達時期と後発の操作指示標識の到達時期との入れ替え条件としているが、このような形態に限定されるものではない。例えば、操作部に対する操作に影響されずに、ゲームの進行の都合、或いは、ゲーム展開中のオプションとして、先行する操作指示標識の到達時期と後発の操作指示標識の到達時期との入れ替えが実行されてもよい。つまり、到達時期の入れ替えは、特定の操作、或いは、ゲームの展開又はゲーム進行の都合といった所定の条件で実行されてよい。
【0071】
また、上述の形態では、オブジェクト60の移動経路がタッチ操作に応じて変化しているが、このようなプレイヤの操作に応じて移動経路が変化する構成に限定されるものではない。例えば、ゲームの展開や演出等により移動経路が変化するように構成されていてもよい。つまり、オブジェクトの移動経路が操作部への操作、ゲームの展開や演出といった所定の条件で変化するように構成されていればよい。ゲームの演出としてオブジェクト60の移動経路が変化する一例として、オブジェクト60の移動経路が、一の操作時期とその次の操作時期との間の時間間隔に応じて決定されるように構成されていてもよい。また、例えば、所定の条件の一つとして、ゲームの進行上に用意されたオプションにより、操作指示標識の移動範囲が制限され、この制限により移動経路が変化してもよい。或いは、ゲームの進行上に用意された他のオプションにより、操作指示標識の移動速度が速められ、これにより移動経路が変化してもよい。更に、プレイヤのレベルに応じて、移動速度が変化するように、移動経路が変化してもよい。
【0072】
また、シーケンスデータに記述される時期として、上述の各形態では、操作時期が記述されているが、操作時期に替えて表示継続時間が記述されていてもよい。この場合、表示開始時期から表示継続時間が経過した時期にいずれかの操作基準部に到達するようにオブジェクト60を移動させることにより、操作時期を指示可能である。
【0073】
また上述の形態では、複数のプレイヤ若しくはゲーム機自体が他のプレイヤとして機能することにより、複数のプレイヤにてプレイされるゲームが実行されているが、このような形態に限定されるものではない。例えば、他の例として、ゲーム機1にて実行されるゲームは、第1操作基準部55Aの一つのみが操作部と対応するように設定され、第2操作基準部55Bは単に操作指示標識を反発させるための壁として機能するように配置されているものが実現されてもよい。そして、ゲーム画面には第1操作基準部55Aのみ設けられ、操作指示標識がゲーム領域の境界に設けられた基準部としての壁で反発しつつ、シーケンスデータに記述された時期に第1操作基準部55Aのみに、或いは、第1操作基準部55A及び第1操作基準部55Aと対向する位置に配置された壁(又はその他の壁等)に到達するように移動するゲームが実行されてもよい。この場合、ゲームの難易度を多様に変化させることができるゲームであって、一人プレイ用のゲームを実現することができる。また、この場合、第1操作基準部55A及び、第1操作基準部55Aと対向する位置に配置された壁等が本発明の複数の基準部として機能する。また、シーケンスデータに記述される時期として操作時期に替えて基準時期が用いられ、この基準時期のうち第1操作基準部55Aに到達する時期が操作時期として機能する。
【0074】
また、上述の形態では、先行するオブジェクトは一つのみが表示されているが、このような形態に限定されるものではない。先行するオブジェクトは複数存在していてもよい。この場合、後発のオブジェクとの間で到達時期の入れ替え対象となるオブジェクトを先行する複数のオブジェクトのうちのいずれにするかは、ランダムに決定されてもよい。また、位置条件を適用して、例えば、後発オブジェクトから見て一番近い位置に存在するもの、或いは、逆に一番遠い位置に存在するものが入れ替え対象として決定されてもよい。更に、到達時期の条件を適用して、到達時期が早いものが入れ替え対象として決定されてもよい。これらの形態は、例えば、図11の処理に、ステップS31にて肯定的判断がされた後であって、ステップS33の前に上記各種条件を満たすか否かを判断する処理が追加されることにより実現可能である。
【0075】
上述の形態では、ゲーム領域52として、矩形の領域が用いられているがこのような形態に限定されるものでない。多角形、或いは円形等の多様な形状の領域がゲーム領域として用いられてよい。また、上述の形態では、ゲーム領域52の長手方向の両端にそれぞれ対応する2つの操作基準部55A、55Bが設けられているが、操作基準部の数は2つに限定されるものではない。例えば、3人以上のプレイヤにてプレイ可能に、3つ以上の操作基準部が周囲に設定された領域がゲーム領域として用いられてもよい。
【0076】
上述の形態では、評価手段として機能する制御ユニット10にて、タッチ操作の操作時期がシーケンスデータに記述された操作時期と比較されることにより評価されているが、評価手段としての機能は省略されてもよい。この場、音楽のリズムで操作しつつ相手プレイヤのミスを誘発させるような対戦型のゲーム機として利用可能である。
【0077】
上述の形態では、入力装置としてタッチパネルが用いられているが、入力装置はこのような形態に限定されるものではない。例えば、操作部としての複数の押しボタンが設けられたコントローラ等、複数の操作部を有している限り、各種の構成の入力装置を利用することができる。
【0078】
上述の形態では、ゲーム機1は楽曲が再生され、楽曲の演奏時間に基づいて操作指示標識が操作基準部に向かって移動する音楽ゲーム機として構成されているが、このような構成に限定されるものではない。ゲーム機1では、映像を通じて操作時期が指示される限り多様なゲームを実行可能である。さらに、本発明のゲームシステムは、商業施設に設置される業務用ゲーム機、家庭用の据置型ゲーム機、携帯型のゲーム機、ネットワークを利用して実現されるゲームシステムといった適宜の形態で実現されてよい。
【符号の説明】
【0079】
1 ゲーム機
3 モニタ(表示装置)
5 タッチパネル(入力装置、操作部)
14 スピーカ(音声出力装置)
10 制御ユニット(コンピュータ、ゲーム領域提示手段、標識表示制御手段、評価手段、楽曲再生手段)
20 外部記憶装置(楽曲データ記憶手段、シーケンスデータ記憶手段)
21 ゲームプログラム
22 ゲームデータ
25 楽曲データ
28 シーケンスデータ
28c 操作時期部
28d 表示開始情報部
28e 表示位置指示部
28f 標識情報部(標識情報)
50 ゲーム画面
52 ゲーム領域
55A 第1操作基準部(操作部)
55B 第2操作基準部(操作部)
60 オブジェクト(操作指示標識)
60A 第1オブジェクト(一の操作時期に対応する操作指示標識)
60B 第2オブジェクト(後の操作時期に対応する操作指示標識)
C 中央線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム画面を表示出力する表示装置と、
少なくとも一つの操作部を有する入力装置と、
ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、
互いに間隔をあけて配置された複数の基準部が設定されたゲーム領域を前記表示装置のゲーム画面上に表示させるゲーム領域提示手段と、
前記操作部に対する操作を指示するための操作指示標識を、当該操作指示標識が前記シーケンスデータにて指示された操作時期に前記複数の基準部のうちの少なくとも一つに到達するようにして、前記ゲーム領域内で移動させつつ表示する標識表示制御手段と、を備え、
前記シーケンスデータには、複数の操作指示標識のいずれかを指定する標識情報が更に各操作時期に対応付けて記述されており、
前記標識表示制御手段は、前記シーケンスデータの前記標識情報に基づいて、各操作時期にそれぞれ対応する複数の操作指示標識を表示させるとともに、特定の条件を満たした場合に、前記ゲーム領域に表示されている一の操作時期に対応する操作指示標識と、前記一の操作時期が到達すべき基準部に前記一の操作時期よりも後に到達すべき後の操作時期に対応する操作指示標識と、の間で基準部に到達すべき時期を入れ替えて、前記一の操作時期に対応する操作指示標識が到達すべき基準部に前記後の操作時期に到達し、前記後の操作時期に対応する操作指示標識が到達すべき基準部に前記一の操作時期に到達するように、各操作指示標識を移動させつつ表示することを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記標識表示制御手段は、前記操作部に対する少なくとも特定の操作が実行された場合に前記特定の条件が満たされたと判断する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記標識表示制御手段は、所定の方向及び所定の速度の少なくともいずれか一方を指定する操作が実行された場合に前記特定の操作が実行されたと判断する請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記入力装置は、前記操作部に対する操作の操作位置を検出可能に構成され、
前記標識表示制御手段は、前記入力装置の検出結果を参照して、前記操作位置が連続して変化する方向に基づいて前記所定の方向が指定されたか否かを、前記操作位置が連続して変化する変化の速度に基づいて前記所定の速度が指定されたか否かを、それぞれ判断する請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記標識表示制御手段は、前記一の操作時期に対応する操作指示標識が前記特定の操作が実行された際に前記ゲーム領域の所定の位置に位置する位置条件が更に満たされた場合に前記特定の条件が満たされたと判断する請求項2〜4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記ゲーム領域提示手段は、前記ゲーム領域として直線状に延びる複数の基準部が互いに間隔をあけて設定された領域を表示させ、
前記標識表示制御手段は、前記特定の操作が実行された際に、前記特定の操作が実行された操作部に対する操作の指示に利用された特定の基準部と並行し、かつ、前記ゲーム領域を2等分するような位置に配置された中央線よりも前記特定の基準部側に前記一の操作時期に対応する操作指示標識が位置している場合に、当該操作指示標識が前記所定の位置に位置するとして前記位置条件が満たされたと判断する請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記標識表示制御手段は、前記特定の操作が実行された場合であって、前記位置条件が満たされなかった場合には、移動距離が所定距離以上となる移動経路を前記後の操作時期に対応する操作指示標識が移動するように、当該操作指示標識を表示する請求項5又は6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記入力装置は、複数の操作部を有し、
前記シーケンスデータには、ゲーム中における前記複数の操作部のそれぞれに対する操作時期と前記複数の操作部のいずれかを指示する情報とが対応付けて記述されており、
前記ゲーム領域提示手段は、前記複数の基準部のうち前記複数の操作部にそれぞれ対応する各基準部がそれぞれ操作基準部として設定されたゲーム領域を前記表示装置のゲーム画面に表示させ、
前記標識表示制御手段は、前記操作指示標識が前記シーケンスデータにて指示された操作時期に当該操作時期に対応付けられた操作部に対応する操作基準部に到達するようにして、前記操作指示標識を前記ゲーム領域内で移動させつつ表示するとともに、前記特定の条件を満たした場合に、前記一の操作時期に対応する操作指示標識と前記後の操作時期に対応する操作指示標識との間で操作基準部に到達すべき時期を入れ替えて、前記一の操作時期に対応する操作指示標識が到達すべき操作基準部に前記後の操作時期に到達し、前記後の操作時期に対応する操作指示標識が到達すべき操作基準部に前記一の操作時期に到達するように、各操作指示標識を移動させつつ表示する請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記入力装置として前記ゲーム領域を覆うように前記表示装置に配置されるタッチパネルが用いられる請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記ゲーム領域提示手段は、四角形に形成された領域であって、直線状に延びる2つの基準部が前記四角形の一の両端に互いに対向するように設定されている領域を前記ゲーム領域として前記表示装置の画面上に表示させる請求項1〜9のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
各操作部に対する操作の時期と前記シーケンスデータにて指定された操作時期とに基づいて少なくとも一つの操作部における操作を評価する評価手段を、更に備える請求項1〜10のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項12】
音声を再生出力する音声出力装置と、
楽曲を再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段と、を更に備え、
前記シーケンスデータには、前記楽曲の再生中における前記複数の操作部のそれぞれの操作時期が記述されている請求項1〜11のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項13】
ゲーム画面を表示出力する表示装置と、少なくとも一つの操作部を有する入力装置と、ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
互いに間隔をあけて配置された複数の基準部が設定されたゲーム領域を前記表示装置のゲーム画面上に表示させるゲーム領域提示工程と、
前記操作部に対する操作を指示するための操作指示標識を、当該操作指示標識が前記シーケンスデータにて指示された操作時期に前記複数の基準部のうちの少なくとも一つに到達するようにして、前記ゲーム領域内で移動させつつ表示する標識表示制御工程と、を実行させ、
前記シーケンスデータには、複数の操作指示標識のいずれかを指定する標識情報が更に各操作時期に対応付けて記述されるように構成し、
更に、前記標識表示制御工程にて、前記シーケンスデータの前記標識情報に基づいて、各操作時期にそれぞれ対応する複数の操作指示標識を表示させるとともに、特定の条件を満たした場合に、前記ゲーム領域に表示されている一の操作時期に対応する操作指示標識と、前記一の操作時期が到達すべき基準部に前記一の操作時期よりも後に到達すべき後の操作時期に対応する操作指示標識と、の間で基準部に到達すべき時期を入れ替えて、前記一の操作時期に対応する操作指示標識が到達すべき基準部に前記後の操作時期に到達し、前記後の操作時期に対応する操作指示標識が到達すべき基準部に前記一の操作時期に到達するように、各操作指示標識を移動させつつ表示する工程を実行させるゲームシステムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−229771(P2011−229771A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104543(P2010−104543)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】