説明

ゲーム器及びプログラム

【課題】使用者の繰り返し遊びに対する意欲を向上させる新しいゲーム器を提供することを目的とする。
【解決手段】時間測定の開始信号及び終了信号を入力するスイッチ101と、前記開始信号が入力されてから前記終了信号が入力されるまでの測定時間を表示する表示部102と、本体に設定されている目標時間と前記測定時間との差に応じた音声を出力するスピーカーと、を備えたゲーム器である。本発明のゲーム器を用いることにより、より使用者の興味を惹くことが可能であり、使用者の繰り返し遊びに対する意欲を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間測定が可能で、音声を出力することができるゲーム器及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ストップウォッチ等を用いて、使用者の感覚のみで目標時間ぴったりに時計を止められるかを競うといった体内時計の正確さを競う遊びは、人間の本能を刺激し、興味をそそる遊びとして広く行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、通常のストップウォッチ等を用いた遊びでは、単に目視でのみ目標時間と実際の測定時間との差を比較するものであるため、面白みに欠け、繰り返し遊びに対する意欲を向上させるものではなかった。
【0004】
そこで、本発明では、使用者の繰り返し遊びに対する意欲を向上させる新しいゲーム器及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係るゲーム器は、時間測定の開始信号及び終了信号を入力するスイッチと、前記開始信号が入力されてから前記終了信号が入力されるまでの測定時間を表示する表示部と、本体に設定されている目標時間と前記測定時間との差に応じた音声を出力するスピーカーと、を備えている。
【0006】
なお、本発明に係るゲーム器は、終了信号の入力後に、測定時間を表示部に表示することが好ましい。また、本体に記憶された少なくとも1つのゲームプログラムから、任意のゲームを選択するスイッチを備えることが好ましい。また、目標時間を設定するためのスイッチを備えることが好ましい。
【0007】
本発明に係るプログラムは、開始信号の入力によって測定を開始する処理と、終了信号の入力によって測定を終了する処理と、開始信号が入力されてから終了信号が入力されるまでの測定時間を表示部に表示する処理と、本体に設定されている目標時間と測定時間との差に応じた音声をスピーカーから出力する処理を行う。なお、終了信号の入力後に、測定時間を表示部に表示する処理を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、目標時間と測定時間とを比較して、目標時間と測定時間との差に応じて音声を発生させることができるので、より使用者の興味を惹くことが可能であり、使用者の繰り返し遊びに対する意欲を向上させることが可能なゲーム器を提供することができる。また、目標時間と測定時間との差に応じて異なる様々な音声を発生させることができるため、より使用者が興味を持ってゲームを行うことが可能なゲーム器及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】発明の実施形態に対応するゲーム器本体の正面外観の一例を示す図である。
【図2】発明の実施形態に対応するゲーム器本体の背面外観の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に対応するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0011】
[第1の実施形態]図1は、本発明の実施形態に対応する本体100の正面外観を示す模式図であり、図2は本体100の背面外観を示す模式図である。図1において、本体100は、スイッチ101と、表示部102と、第1のモード切替スイッチ103と、第2のモード切替スイッチ104、とが設けられている。なお、図2に示すように、本体101の背面にはスピーカー201が設けられている。
【0012】
本実施の形態において、スイッチ101を操作することにより時間測定の開始を指示する開始信号が入力されて時間測定が開始され、再度スイッチ101を操作することにより時間測定の終了を指示する終了信号が入力されて時間測定が終了される。
【0013】
そして、時間測定が終了すると、測定開始から測定終了までの測定時間(つまり開始信号が入力されてから終了信号が入力されるまでの時間)が表示部102に表示される。ここで、終了信号が入力されるまで、表示部102に測定時間が表示されないようにしても良いし、開始信号の入力後に測定時間が逐次表示されるようにしても良い。なお、終了信号が入力されるまで測定時間を非表示(つまり、終了信号の入力後に、測定時間を前記表示部に表示する)とすることにより、ゲーム中により心理的圧迫感を感じるため、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0014】
そして、本体100に記憶された目標時間と測定時間との差(つまり、目標時間と測定時間とのずれ)に応じた音声がスピーカー201から出力される。
【0015】
なお、ここで目標時間とは、測定開始から測定終了までの測定時間として目標にするタイムであり、少なくとも1つの目標時間が本体100に記憶されていても良いし、使用者が適宜設定することが可能な構成としても良い。
【0016】
また、ここでスピーカー201から出力される音声は、本体100に予め記憶されていても良いし、使用者が任意に登録することが可能な構成としても良い。本実施の形態では、目標時間と測定時間とのずれに応じた音声が複数登録されているため、ゲームを実施するたびに、様々な音声が出力され、使用者のやる気を向上させることができる。
【0017】
ここで、例として、目標時間として5秒が設定されているときの遊びについて説明する。例えば、目標時間と測定時間とのずれ(誤差)に応じた音声として表1に示すものが出力される。この場合、測定時間が4.9秒であったとすると誤差は0.1秒であるため、スピーカー201から「まあまあだな」という音声が出力される。
【0018】
【表1】

【0019】
また、本体100には、少なくとも1つのゲームプログラムが組み込まれており、第1のモードスイッチ103を操作することにより、任意のゲームを選択することができる。例えば、ゲームプログラムとして、終了信号が入力されるまで表示部に測定時間が表示されない試合モード、開始信号の入力後に逐次測定時間が表示される練習モード、次々と与えられる課題を成功させてステージをクリアしていくチャレンジモード等が登録されており、第1のモードスイッチ103を操作することにより、任意のゲームを選択することができる。
【0020】
また、本体100には、第2のモードスイッチ104が設けられており、任意の目標時間を設定することができる。例えば、5秒、10秒等の目標時間が本体100に記憶されており、第2のモードスイッチ104を操作することにより、任意の目標時間を選択することができる。
【0021】
次に、図3のフローチャートを参照して、スイッチ101が操作された場合に、スピーカー201から音声を出力する際の処理の一例について説明する。なお、図3に示すフローチャートは、制御部において、対応する処理プログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
【0022】
まず、ステップS1001では、スイッチ101がOFF状態からON状態になったか否かを判定する。もし、ON状態になった場合には(ステップS1001において「YES」)、ステップS1002に移行する。
【0023】
続くステップS1002では、モード切替スイッチ104が操作されたか否かを判定する。入力操作があった場合には(ステップS1002において「YES」)、ステップS1003に移行する。ステップS1003では、目標時間を選択し、ステップS1004に移行する。なお、ステップS1002において、入力操作がなかった場合には(ステップS1002において「NO」)、ステップS1004に移行する。
【0024】
続くステップS1004では、スイッチ101が操作されたか否かを判定する。入力操作があった場合には(ステップS1004において「YES」)、ステップS1005に移行する。ステップS1005では、スイッチ101の入力信号を受けて、本体100において時間測定が開始される。
【0025】
続くステップS1006では、スイッチ101が操作されたか否かを判定する。入力操作があった場合には(ステップS1006において「YES」)、ステップS1007に移行する。一方、入力操作がなかった場合には(ステップS1006において「NO」)、ステップS1011に移行する。
【0026】
ステップS1007では、スイッチ101の入力信号を受けて、本体100において時間測定が終了する。続くステップS1008では、時間測定が開始されてから終了するまでの測定時間を本体100の表示部102に表示する。そして、測定時間と本体100に記憶されている目標時間との差を演算し(ステップS1009)、演算された値(つまり、測定時間と目標時間とのずれ)に応じた音声を本体100のスピーカー201から出力する(ステップS1010)。
【0027】
一方、ステップS1011では、一定時間が経過したことを判断する。一定時間が経過した後、表示部102に経過時間を表示し(ステップS1012)、設定された音声をスピーカー201から出力する(ステップS1013)。ここで、一定時間は、予め設定された時間であり、本体100に記憶されていても良いし、使用者が適宜設定する値であっても良い。
【0028】
続くステップS1014では、スピーカー201から音声が出力中か否かを判断する。音声出力中の場合には、続くスイッチ101の入力信号を受け付ける。
【0029】
続くステップS1015では、スイッチ101が操作されたか否かを判定する。入力操作があった場合には(ステップS1015において「YES」)、スタンバイ状態となる。一方、入力操作がなかった場合には(ステップS1015において「NO」)、ステップS1016に移行する。ステップS1016では、一定時間が経過したことを判断し、一定時間が経過した後、本体100の電源を停止する(ステップS1017)。
【0030】
以上のように、本発明によれば、目標時間と測定時間とを比較して、目標時間と測定時間との差に応じて音声を発生させることができるので、より使用者の興味を惹くことが可能であり、使用者の繰り返し遊びに対する意欲を向上させることができる。また、目標時間と測定時間との差に応じて異なる様々な音声を発生させることができるため、より使用者が興味を持ってゲームを行うことが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間測定の開始信号及び終了信号を入力するスイッチと、前記開始信号が入力されてから前記終了信号が入力されるまでの測定時間を表示する表示部と、本体に設定されている目標時間と前記測定時間との差に応じた音声を出力するスピーカーと、を備えるゲーム器。
【請求項2】
時間測定の開始信号及び終了信号を入力するスイッチと、前記開始信号が入力されてから前記終了信号が入力されるまでの測定時間を表示する表示部と、本体に設定されている目標時間と前記測定時間との差に応じた音声を出力するスピーカーと、を備え、前記終了信号の入力後に、前記測定時間を前記表示部に表示するゲーム器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、前記本体に記憶された少なくとも1つのゲームプログラムから、任意のゲームを選択するスイッチを備えるゲーム器。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、前記目標時間を設定するスイッチを備えるゲーム器。
【請求項5】
開始信号の入力によって測定を開始する処理と、終了信号の入力によって測定を終了する処理と、前記開始信号が入力されてから前記終了信号が入力されるまでの測定時間を表示部に表示する処理と、本体に設定されている目標時間と前記測定時間との差に応じた音声をスピーカーから出力する処理を行うプログラム。
【請求項6】
開始信号の入力によって測定を開始する処理と、終了信号の入力によって測定を終了する処理と、前記開始信号が入力されてから前記終了信号が入力されるまでの測定時間を、前記終了信号の入力後に表示部に表示する処理と、本体に設定されている目標時間と前記測定時間との差に応じた音声をスピーカーから出力する処理を行うプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−215153(P2011−215153A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130589(P2011−130589)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3145352号
【原出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】