説明

ゲーム実況解説制御プログラム及びゲーム実況解説制御方法

【課題】多人数参加型オンラインゲームにおいて同時多発的に発生する複数のゲーム状況に対応した複数のゲーム実況解説を、プレイヤ端末で好適に制御するゲーム実況解説制御プログラム及びゲーム実況解説制御方法を提供する
【解決手段】ゲーム実況解説機能を備えた多人数参加型オンラインゲームシステムからゲーム進行中に発生したゲーム状況に対応するゲーム実況又は/及びゲーム解説の音声データの再生制御情報を受信し、該再生制御情報に基づいて上記音声データを再生するプレイヤ端末で実行されるゲーム実況解説制御プログラムは、上記プレイヤ端末に、所定時間内に再生される上記音声データの再生数をカウントし、上記再生数が上記所定時間内に再生可能な再生上限数を越えるか否かを判別する第1機能と、上記再生数が上記再生上限数を越えると判別された場合に、上記所定時間内に再生する音声データを制御する第2機能と、を実現させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム実況解説機能を備えた多人数参加型オンラインゲームのゲーム実況解説制御方法に関し、より詳しくは、多人数参加型オンラインゲームにおいて音声による実況解説を再生するプレイヤ端末のゲーム実況解説制御方法及びゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
野球ゲームやサッカーゲーム、レースゲーム等では、従来から実況機能が設けられている。例えば、特許文献1記載のゲーム実況中継装置は、同じゲーム展開パターンであっても実況ストーリーの異なる実況中継を提供する。また、特許文献2記載の音声再生装置は、特定のゲーム条件に対して複数の台詞を用意し、台詞をランダムに選択することでプレイヤを飽きさせないゲーム実況を提供する。また、ゲーム進行に合わせた実況を提供するための技術として、特許文献3記載のビデオゲーム装置では、ゲーム進行中に特定のイベントが発生した場合、実況を中断させて該特定のイベントに対応した実況を行い、さらにその後中断させた実況を再開させる実況機能が提案されている。また、特許文献4記載のゲーム装置では、実況漏れを防止するために、音声データに対して予め優先度を付与し、表示画像のタイミングに応じて音声を再生する音声再生機能が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特許第3431333号公報
【特許文献2】特許第3890646号公報
【特許文献3】特許第3735359号公報
【特許文献4】特開2006−87620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、インターネットの発達、コンピュータ性能の向上に伴い、ネットワークを通じて複数のプレイヤが同時にプレイする多人数参加型オンラインゲームが登場し、複数のプレイヤが共同してゲームを進める戦略性の高い多人数参加型の対戦ゲームやアクションゲーム、ロールプレイングゲームなどが提供されている。
【0005】
複数のプレイヤが同時に参加する多人数参加型オンラインゲームは、複数のプレイヤ達がゲームルール等に則しつつゲームを進行させるが、基本的に他のプレイヤと独立しており、他のプレイヤのゲーム内の行動が自身のゲーム進行にリアルタイムに影響し合う。したがって、音声によるゲーム実況解説機能を備える多人数参加型オンラインゲームのゲーム実況解説は、自身のゲーム状況に対する音声によるゲーム実況解説ととともに、他のプレイヤの行動により生じたゲーム状況に対する音声によるゲーム実況解説が再生される。
【0006】
しかしながら、多人数参加型オンラインゲームでは複数のプレイヤにより同時多発的にゲーム状況が発生し、発生したゲーム状況に対応する音声によるゲーム実況解説も同時多発できに発生することになる。すなわち、複数のゲーム実況解説の連続再生が生じてプレイヤのゲーム進行を妨げるとともに、不快感を与えることになる。また、連続して再生される実況解説が多い場合は、ゲーム状況が発生した時点と再生開始の時点との間に大きなタイムラグが生じ、かえってゲーム進行を妨げてしまう恐れがある。
【0007】
また、一方で、多人数参加型オンラインゲームでは、上述のように他のプレイヤのゲーム内の行動が自身のゲーム進行にリアルタイムに影響し合うことから、複数の各プレイヤが同時進行的に発生させる大量のゲーム状況に対する大量の情報を把握する必要性もある。しかしながら、プレイヤ自身にとって必要なゲーム実況解説でない場合は、単に情報が大量に垂れ流されている状態となり、プレイヤのゲーム状況によっては、他のゲーム状況よりも優先して実況解説を再生する必要もある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、多人数参加型オンラインゲームにおいて同時多発的に発生する複数のゲーム状況に対応した複数のゲーム実況解説を、プレイヤ端末で好適に制御するゲーム実況解説制御プログラム及びゲーム実況解説制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの側面としてのゲーム実況解説制御プログラムは、ゲーム実況解説機能を備えた多人数参加型オンラインゲームシステムからゲーム進行中に発生したゲーム状況に対応するゲーム実況又は/及びゲーム解説の音声データの再生制御情報を受信し、該再生制御情報に基づいて上記音声データを再生するプレイヤ端末で実行されるゲーム実況解説制御プログラムであって、上記プレイヤ端末に、所定時間内に再生される上記音声データの再生数をカウントし、上記再生数が上記所定時間内に再生可能な再生上限数を越えるか否かを判別する第1機能と、上記再生数が上記再生上限数を越えると判別された場合に、上記所定時間内に再生する音声データを制御する第2機能と、を実現させることを特徴とする。
【0010】
本発明の他の側面としてのゲーム実況解説制御方法は、ゲーム実況解説機能を備えた多人数参加型オンラインゲームシステムからゲーム進行中に発生したゲーム状況に対応するゲーム実況又は/及びゲーム解説の音声データの再生制御情報を受信し、該再生制御情報に基づいて上記音声データを再生するプレイヤ端末で実行されるゲーム実況解説制御方法であって、所定時間内に再生される上記音声データの再生数をカウントし、上記再生数が上記所定時間内に再生可能な再生上限数を越えるか否かを判別する第1ステップと、上記再生数が上記再生上限数を越えると判別された場合に、前記所定時間内に再生する音声データを制御する第2ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の実況解説が同時多発的に発生した場合に所定時間内に再生する音声データを制御するため、プレイヤに対して好適なゲーム実況解説を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0013】
本発明は、音声によるゲーム実況解説機能を備えた多人数参加型オンラインゲームシステムにおいて、同時多発的に発生するゲーム状況に対応した複数のゲーム実況解説を遂行するゲーム実況解説制御方法に関し、プログラムとしてプレイヤ端末に適用(インストール)される。
【0014】
そして、本発明のゲーム実況解説制御方法は、上述のように、複数のプレイヤが同時に参加する多人数参加型オンラインゲームにおいて異なるプレイヤが実質的に同一のゲーム状況を発生させたり、同時多発的に複数のゲーム状況が発生するなど、従来のゲームにはない特殊性に対して好適な音声によるゲーム実況解説を提供することができる。
【0015】
なお、多人数参加型オンラインゲームとしては、リアルタイムストラテジーゲーム(Real-time Strategy(RTS)、リアルタイムシミュレーションと称されることもある)が挙げられる。このリアルタイムストラテジーゲームは、命令および行動の順番が明確に決まっているターン制のストラテジーゲームとは異なり、複数のプレイヤがリアルタイムに進行する時間に対応しつつ、共同して又は個別に戦略を立てながら行う対戦型ゲームである。また、このRTSに限らず、例えば、多人数(同時)参加型オンラインロールプレイングゲーム(MMORPG)や多人数(同時)参加型オンラインアクションゲームなど、ゲームジャンルを問わず、複数のプレイヤが同時に参加してプレイするオンラインゲーム全般のプレイヤ端末に本発明を適用可能である。また、プレイヤの参加人数の制限はないが、本発明は、参加人数が多ければ多いほどより顕著な効果を発揮する(例えば、参加人数50人〜)。
【0016】
以下、多人数参加型のオンライン対戦ゲームを一例に、本発明のゲーム実況解説制御方法を説明する。なお、多人数参加型のオンライン対戦ゲームのゲーム制御については、従来のオンライン対戦ゲームのゲーム制御と同様の技術を適用できるため、説明を省略する。その他、同技術分野の当業者であれば説明を要しない箇所についても、適宜説明を省略する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る多人数参加型オンラインゲームシステムの概略図である。本実施形態のオンラインゲームシステムは、ゲームサーバ100、本システムにインターネット等のネットワークNを介して接続可能な複数のユーザ端末(プレイヤ端末)400、該システムが提供するゲームサービスを受ける(ユーザ(プレイヤ)の認証処理を行う認証サーバ200、及びユーザ情報DB300を含む。
【0018】
なお、これらの他にコミュニケーション機能、チャット機能を提供するコミュニティーサーバなど、ゲームサービス以外の、若しくはゲームサービスに付随するオンラインサービスのためのサーバを含むこともできる。また、ゲームサーバ100、認証サーバ200を含む各サーバは、各機能を担う個別のサーバを適用しているが、これに限らず、1つのサーバ、例えば、ゲームサーバ100に認証サーバ200の機能を組み込み、ゲームサーバ100がユーザ情報DB300に格納された情報を用いてユーザ認証処理を遂行するように構成することも可能である。
【0019】
図2は、本実施形態のゲームサーバ100の構成を示す構成ブロック図である。図2に示すように、ゲームサーバ100は、ネットワークNを介した複数のユーザ端末400との通信制御及び認証サーバ200との通信制御を行う通信制御部110、ゲームサーバ100全体の制御を司る制御部(CPU)120、ゲームサービスとして複数のユーザ端末400に提供される多人数参加型オンラインゲームのゲーム制御を行うゲーム制御部130、該多人数参加型オンラインゲームにおける各プレイヤのセーブデータ、ゲーム定義、ゲーム制御アルゴリズムのプログラムなどの各種ゲーム情報を格納するゲームデータベース140、及び複数のプレイヤが同時に同じゲームを共有するためのゲームルーム(ロビールーム)を提供するゲームルーム制御部150を含む。
【0020】
本実施形態のオンラインゲームシステムでは、ユーザ端末400にゲーム実況解説音声データを格納し、ゲームサーバ100の再生指示により、格納された音声データをユーザ端末400で再生する形態としている。これは、ユーザ端末400が発生したゲーム状況に対してゲーム実況解説を再生すべきか否かを判別する構成である場合、複数の音声再生指示要求等が複数のユーザ端末400からゲームサーバ100に送信されることになり、ネットワークのトラフィック及びゲームサーバ100の処理負荷を増大してしまう。このため、ゲームサーバ100側でユーザ端末400のゲーム状況を把握し、ゲーム実況解説の有無を判別(決定)することで、複数プレイヤが同時に参加するゲーム形態に起因するネットワークのトラフィック及びゲームサーバ100の処理負荷を低減することが可能となる。なお、ユーザ端末400にゲーム実況解説音声データを格納せず、その都度ゲームサーバ100から再生指示を含めたゲーム実況解説に対応する音声データを後述する再生制御情報としてユーザ端末400に送信する構成であってもよい。
【0021】
このため、ゲーム制御部130は、複数の各プレイヤのゲーム状況が、ゲーム実況又は/及びゲーム解説を開始する条件(実況再生条件)を満たすか否かを判別するゲーム状況判別部131と、ゲーム状況に対応したゲーム実況又は/及びゲーム解説音声データに対する再生指示情報であって、ユーザ端末400に送信される再生制御情報を生成する再生指示制御部132とをさらに含む。このゲーム状況判別部131及び再生指示制御部132によりゲームサーバ100側のゲーム実況解説制御を遂行する。なお、これらを1つのゲーム実況解説制御部として構成することも可能である。
【0022】
ゲームデータベース140は、図4(a)に示すように、プレイヤ情報テーブル141、ゲーム実況解説管理テーブル142、及び再生指示情報テーブル143を含む。これらのテーブルに格納される情報については後述する。
【0023】
ゲームルーム制御部150は、従来の多人数参加型オンラインゲームにおけるロビーサーバと同様の機能を遂行し、対戦ゲームを開始するにあたり、対戦相手や味方となるプレイヤを見つけるための1つ又は複数のゲームルームを形成する。そして、これらのゲームルームが表示されたロビー画面をユーザ端末400に提供する。なお、本実施形態のゲームルーム制御部150は、ゲームサーバ100とは個別のロビーサーバで実現可能である。
【0024】
図3は、プレイヤのユーザ端末(プレイヤ端末)400の構成ブロック図である。同図に示すように、本実施形態のユーザ端末400は、ネットワークNを介したゲームサーバ100との通信制御を行う通信制御部410、ユーザ端末400全体の制御を司る制御部(CPU)420、ユーザ端末400側のゲーム処理を行うゲームクライアント430を備えるとともに、外部インターフェース440、操作入力部450(キーボード、マウス、コントローラ等)、表示インターフェース460、表示部470(表示ディスプレイ)、サウンドデバイス480、及び内蔵型又は外付け型のスピーカ等の音声出力部490を備える。
【0025】
ゲームクライアント430は、一般的なオンラインゲームにおいて適用される技術であり、ゲームを行うユーザ端末400に対して予め(若しくはゲーム開始時に)インストールされ、ユーザ端末400側のゲーム処理全般を担う。本実施形態のゲームクライアント430は、ゲームサーバ100から送信されるゲーム制御に関する情報に応じて表示インターフェース460を介した表示部470へのゲーム表示処理及びゲーム制御を行うゲーム処理部431、当該ゲームに使用される多様なグラフィックデータ、ゲームルールが定義されたゲーム基本ファイル、及び更新ファイルなどの情報が格納されるゲームデータ格納部432を備える。
【0026】
ゲームデータ格納部432は、図4(b)に示すように、本発明のゲーム実況及びゲーム解説に使用されるゲーム実況解説音声データを格納するゲーム実況解説音声データテーブル432a、音声ファイル定義データを格納する音声ファイル定義テーブル432b、各音声データに対応したゲーム実況解説テキストデータを格納するゲーム実況解説テキストデータテーブル432c、テキストデータ定義テーブル432d及びプレイヤが音声によるゲーム実況解説に関して任意に設定した情報が格納されるユーザ設定情報テーブル432eをさらに含む。
【0027】
ゲーム処理部431は、ゲームサーバ100から送信される再生制御情報に基づいてゲーム実況解説音声データを再生するとともに、ゲーム実況解説テキストデータをゲーム画面に表示する音声再生制御部431aをさらに有する。なお、ゲームデータ格納部432に格納される各データは、ゲーム開始時、ゲーム終了時、又はゲーム進行中にゲームサーバ100との通信により適宜更新可能である。
【0028】
ここで、ゲームデータベース140及びゲームデータ格納部432に格納されている各データ(テーブル)について、図5から図11を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
図5は、ゲーム実況解説音声データを格納したゲーム実況解説音声データテーブル432aの一例を示す図である。各ゲーム実況解説音声データは、mp3形式、rm形式(ra、ram)、asf形式(wma)、wav形式、aiff形式等の各種類の音声ファイル形式で構成することができる。音声ファイルの形式は、各ユーザ端末400のサウンドデバイス(サウンドボード、サウンドカード等)が対応するファイル形式を任意に選択可能である。また、各ゲーム実況解説音声データには、各々ユニークな音声ファイルIDが付与されている。
【0030】
図6は、ゲーム実況解説テキストデータを格納したゲーム実況解説テキストデータテーブル432cの一例を示す図である。このテキストは、図5の音声データに対応しており、音声として再生される内容をテキストデータ形式(図6のテキスト内容)で格納している。したがって、図5の音声ファイルID:SE_NUN1_1とテキストID:T_NUN1_1とが対応している。各テキストは、各々ユニークのテキストIDが付与されている。なお、当該テーブルにテキストデータをテキストファイル形式で格納するように構成してもよい。
【0031】
また、図5及び図6の各テーブルに格納されている音声ファイル及びテキストは、数値に対する音声データ及びテキストが格納されており、また、ゲーム解説に対する音声データ及びテキストも各々格納されている。
【0032】
図7(a)は、音声ファイル定義情報が格納された音声ファイル定義テーブル432bの一例を示す図である。音声ファイル定義情報は、ゲーム状況に応じて再生される再生音声ファイルの構成ルールに関する情報であり、ゲームサーバ100からの再生制御情報(再生指示パケット)に含まれるアナウンスID毎に格納されている。本実施形態の音声ファイル構成ルールは、1つのゲーム状況に対して固定的に再生される音声ファイルと変動的に再生される音声ファイルに関するパラメータとを含み、このパラメータは、例えば、XY座標系のゲームフィールドにおいて、「(○○,△△)地点で敵軍を発見しました。」と実況する場合におけるXY座標値に対応した音声ファイルを抽出するための情報として使用される。また、後述する再生指示情報テーブル143のパラメータと対応関係にある。この音声ファイル定義テーブル432bには、さらにゲーム解説についての音声ファイル情報が各アナウンスIDに関連付けられて格納され、1つのアナウンスIDに対して実況及び解説の各音声ファイルの構成ルール情報が格納されることになる。
【0033】
また、図7(b)は、テキストデータ定義情報が格納されたテキストデータ定義テーブル432dの一例を示す図である。このテキストデータ定義情報も図7(a)の音声ファイル定義情報と対応しており、図7(a)のアナウンスIDを同じアナウンスIDが付与されている。すなわち、1つのアナウンスIDにゲーム状況に対応した再生音声ファイルと音声内容をテキストで表示したテキストデータとが関連付けられている。また、テキストデータ構成ルールも1つのゲーム状況に対して固定的に表示されるテキストと変動的に表示されるテキストに関するパラメータとを含み、再生指示情報テーブル143のパラメータと対応関係にある。また、1つのアナウンスIDに対して実況及び解説の各テキストデータの構成ルール情報が格納されている。
【0034】
このように本実施形態のユーザ端末400は、受信した再生制御情報を解析してアナウンスIDを抽出し、当該音声ファイル定義テーブル432bから音声ファイル構成ルールを取得する。そして、取得した音声ファイル構成ルールに従いゲーム実況解説音声データテーブル432aから各音声ファイルを取得し、取得した複数の音声ファイルを合成して再生する再生音声ファイルを生成する。なお、再生音声ファイルが単一の音声ファイルで構成される場合は、複数の音声ファイルを合成する処理は省略される。また、テキストデータについても同様に、受信した再生制御情報を解析して得られるアナウンスIDにもとづいて、テキストデータ定義テーブル432dからテキストデータ構成ルールを取得する。そして、取得したテキストデータ構成ルールに従いゲーム実況解説テキストデータテーブル432cから各テキストデータを取得し、取得した複数のテキストデータを合成してゲーム画面(ゲーム画面内のテキスト表示欄等)に表示する表示テキストを生成する。
【0035】
また、再生音声ファイルを生成する音声ファイル合成処理は、適宜省略することができる。つまり、複数の音声ファイルを合成して1つの再生音声ファイルとして生成するのではなく、音声ファイル構成ルールの構成順を音声ファイルの再生順として参照し、各音声ファイルを構成ルール順に構成する処理であってもよい。この場合、複数の音声ファイルが構成ルール順に連続して再生される。テキストデータについても同様である。
【0036】
図8(a)は、プレイヤがゲーム実況解説機能に対する設定を行うためのユーザ設定画面の一例を示す図である。本実施形態では、音声によるゲーム実況解説が再生される複数の各実況対象イベント(アナウンス名)に対してその有効/無効を設定することができ、また、テキスト表示についても同様に有効/無効を設定することができる。さらに、複数のゲーム実況解説が所定時間内に同時に発生した場合の再生上限数もプレイヤが任意に設定できる。なお、プレイヤがユーザ設定画面で各設定を行わない場合は、初期設定として全ての実況対象イベントに対する音声再生及びテキスト出力が有効に設定され、再生上限数も各音声ファイルの再生時間等から計算された最適な数値が設定される。
【0037】
ユーザ設定画面で設定された情報は、図8(b)に示すようにユーザ設定情報テーブル432eに格納され、ユーザ端末400に保持される。また、ゲームサーバ100にもプレイヤの設定情報としてプレイヤ情報テーブル141に格納される。
【0038】
図8(c)は、プレイヤ情報テーブル141の一例を示す図であり、プレイヤ毎にプレイヤID、属性1(所属軍)、属性2(所属グループ)、属性3(キャラクタ属性)、各実況対象イベントの各々に対する音声再生及びテキスト出力の有効/無効、及び再生上限数が格納される。属性1から属性3は、ゲーム内における複数のプレイヤ間の関係性を示す情報であり、対戦ゲームの場合、複数のプレイヤがA軍(味方軍)とB軍(敵軍)に分かれてゲームが進行し、属性1にはプレイヤがどちらの軍に属しているかを示す所属軍に関する情報が格納される。また、例えば、ゲーム構成上、軍内を複数のグループに分けることも可能であり、攻撃部隊、補給部隊など複数のグループのどのグループに属しているかの情報を属性2に格納することができる。属性3は、軍内又はグループ内におけるプレイヤキャラクタのキャラクタ属性を格納する。例えば、将軍、グループリーダー、非戦闘員などのキャラクタ属性情報を格納することができる。
【0039】
なお、これらの属性情報は、ゲームルールやゲーム内容(ゲームジャンル等)に応じて任意の属性を設定することが可能であり、上記以外にもプレイヤ間の友好度や親密度などのプレイヤ間の関係性を示す情報を保持することも可能である。また、ゲーム進行中に変更されてもよい。例えば、敵軍の捕虜として捕まって敵軍に属したり、他のグループに移籍したり、敵に打ち勝つなどの戦績に応じてレベルアップした場合に、これらの属性1から属性3を任意に変更することが可能である。
【0040】
図9(a)は、ゲーム実況解説管理テーブル142の一例を示す図であり、実況対象イベントID、実況対象イベント名、当該実況対象イベントにおいてゲーム実況が発生する条件(実況再生条件)、当該実況対象イベントにおけるゲーム実況が成される対象プレイヤ(再生対象プレイヤ)の各種情報が格納されている。
【0041】
本実施形態のゲーム実況解説は、所定の実況対象イベントの発生をトリガーに遂行され、この実況対象イベントは、ゲーム性に応じて予め設定される情報である。つまり、実況対象イベント毎に実況再生条件が決められ、プレイヤのゲーム状況がいずれかの実況再生条件を満たした場合、関連する実況対象イベントに対応した音声によるゲーム実況がユーザ端末400で再生される。同図に示すように、例えば、敵軍を発見したり、敵プレイヤを退治した場合などのゲーム状況に対して実況対象イベントが設定され、また、敵軍発見イベント(Evt_1)では、A軍所属のプレイヤがB軍のいずれか1つのプレイヤと所定の位置関係となった場合が実況再生条件として格納されている。
【0042】
ここで、ユーザ端末400からゲームサーバ100に送信されるゲーム状況について説明する。このゲーム状況には、例えば、敵軍のプレイヤを発見した場合、敵軍を発見した旨の実況対象イベントID、発見したプレイヤID、発見された敵プレイヤID、プレイヤ自身のゲームフィールド内の現在位置情報、及び発見した敵プレイヤのゲームフィールド内の現在位置情報が含まれる。また、敵軍プレイヤを退治した場合、敵を退治した旨の実況対象イベントID、プレイヤID、退治した敵プレイヤID、プレイヤ自身のゲームフィールド内の現在位置情報、及び退治した敵プレイヤのゲームフィールド内の現在位置情報が含まれる。なお、本実施形態のゲーム状況は、上記構成に限らず、設定された実況対象イベントの実況再生条件の判別に使用される情報が含まれるように適宜追加、変更が可能である。
【0043】
また、再生対象プレイヤ情報は、実況再生条件を満たすゲーム状況を発生させた1のプレイヤに対して、他のどのプレイヤに当該実況対象イベントに対応する実況が再生されるのかを示す情報である。例えば、味方軍のプレイヤが敵を発見した場合、味方軍のみに敵軍を発見した実況がなされ、敵軍のプレイヤには実況がなされないように(敵軍には味方軍が発生させたゲーム状況に対する情報を流さないように)、ゲーム戦略に応じた再生対象プレイヤの制御を行うための情報である。この再生対象プレイヤ情報の他の例としては、自軍の他にグループ内のみ、自軍又はグループのリーダーのみに実況を再生させるなどが挙げられる。
【0044】
図11は、発生したゲーム状況に対応するゲーム実況をユーザ端末400が再生するに際し、ゲームサーバ100側で再生対象プレイヤを抽出する処理過程を説明するための模式図である。まず、実況再生条件が満たされた実況対象イベントの再生対象プレイヤ情報を抽出する。例えば、実況対象イベントEvt_1において、A軍のプレイヤ(P_NUM1)が敵軍であるB軍のプレイヤを発見した場合、再生対象プレイヤ情報が自軍のみであるので、A軍に所属することを抽出条件に、プレイヤ情報テーブル141から再生対象プレイヤを抽出する。
【0045】
図9(b)は、再生指示情報テーブル143の一例を示す図であり、上述の実況対象イベントIDとアナウンスIDが対応付けられ、アナウンスID毎にプレイヤ端末400に送信する再生制御情報としての再生指示パケットの構成情報が格納されている。この再生指示パケットは、アナウンスIDと各種パラメータで構成される。パラメータは、1つのゲーム状況に対して変動的に再生される音声ファイル又は表示されるテキストに関する情報であり、ユーザ端末400に格納された音声ファイル定義テーブル432b、テキストデータ定義テーブル432dの各ファイル構成ルールのパラメータと対応関係にある。
【0046】
例えば、図10(a)に示すように、アナウンスID:A_NUM1の再生指示パケットをユーザ端末400に送信する場合、発見した敵軍の位置を実況に含めるため、再生指示パケットのパラメータ1にX座標値を、パラメータ2にY座標値を挿入する。図10(a)の例では、ユーザ端末400から受信したゲーム状況に発見した敵軍の位置情報(座標100、50)が含まれているので、この座標100、50を各パラメータ1、2に適用した再生指示パケットを生成する。そして、図10(b)に示すように、再生指示パケット:A_NUM1+100+50を受信したユーザ端末400は、A_NUM1をキーに音声ファイル定義テーブル432bから音声ファイル定義ルールを抽出し、さらに、ゲーム実況解説音声データテーブル432aから音声ファイルSE_NUM1_2.wav、パラメータ1の数値に対応する音声ファイルSE_NUM2_1.wav、及びパラメータ2の数値に対応する音声ファイルSE_NUM3_1.wavを抽出し、再生音声ファイル:SE_NUM2_1.wav+SE_NUM3_1.wav+SE_NUM1_2.wavを生成(構成)する。
【0047】
なお、再生指示パケットを構成するパラメータフィールドは、各ゲーム状況、各プレイヤに変動的に再生される音声ファイルに関する情報として用いられ、上記以外にも、発見したプレイヤ名やプレイヤキャラクタの名称(ニックネーム等)を再生する指示情報を含むことができる。例えば、パラメータ1に発見したプレイヤ名を挿入し、五十音全ての音声データを用意することで、「○○さんが敵軍を発見しました」などのゲーム実況を実現することも可能である。
【0048】
また、音声再生内容に対応する表示テキストも同じ再生指示パケットから生成される。つまり、図10(c)に示すように、再生指示パケット:A_NUM1+100+50を受信したユーザ端末400は、A_NUM1をキーにテキストデータ定義テーブル432dからテキストデータ定義ルールを抽出し、テキストデータ定義ルールの各テキストIDに紐付くテキストデータ(テキスト内容)を抽出する。具体的には、テキスト:T_NUM1_2、パラメータ1の数値に対応するテキスト:T_NUM2_1、及びパラメータ2の数値に対応するテキスト:T_NUM3_1のテキストデータを各々抽出し、表示テキスト:T_NUM2_1+T_NUM3_1+T_NUM1_2を生成(構成)する。
【0049】
このように本実施形態では、1つのアナウンスIDで音声再生及びテキスト表示の2つの出力指示を行う。すなわち、ゲームサーバ100からは、音声によるゲーム実況解説の再生指示パケットとテキスト表示による再生指示パケットの2つをユーザ端末400に送信しない。このため、ネットワークの負荷を軽減できるとともに、ゲームサーバ100の処理負荷を軽減され、ゲーム状況に応じた再生指示パケットのユーザ端末400に対する送信レスポンスが向上する。一方でユーザ端末400側もユーザ端末400で音声再生及びテキスト表示を判別して各出力を行うため、音声再生とテキスト表示の処理ロジックを別々に持つ必要がなく、処理が単純化される。
【0050】
図12は、本実施形態のゲーム実況解説制御方法が適用された多人数参加型オンラインゲームの処理遷移を説明するためのフローチャートである。プレイヤは、ユーザ端末400からゲーム開始をさせるため、ゲームクライアント430を起動、又は所定のWEBサイトからゲーム開始を選択することでゲーム開始要求がゲームサーバ100に送信される(ステップS401)。
【0051】
なお、プレイヤが事前に当該オンラインゲームに対するユーザ登録を行ことで、ユーザ登録情報がユーザ情報データベース300に格納され、認証サーバ200から登録したユーザにユーザID、パスワードが発行される。ゲーム開始に際し、プレイヤは、認証サーバ200が提供する認証画面を介して認証サーバ200による認証を得る。
【0052】
認証処理後、ゲームサーバ100のゲームルーム制御部150は、ユーザ端末400に多人数参加型のオンライン対戦ゲームに参加する複数のプレイヤが集まるロビー画面を提供する(ステップS101)。ロビー画面には、複数のゲームルームが用意され、プレイヤは任意のゲームルームを選択し(ステップS402)、A軍又はB軍のどちらかに所属するかを決定した後、対戦ゲームを参加するゲーム参加要求をゲームサーバ100に送信する(ステップS403)。ゲームサーバ100のゲーム制御部130は、ユーザ端末400との間のゲームセッションを確立し(ステップS102)、ゲームセッションが確立した後、ゲーム処理部431のゲーム処理及ぶゲーム制御130のゲーム制御が開始される(ステップS103、S404)。
【0053】
ゲーム進行中、ゲームクライアント430は、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタの行動又は他のプレイヤの行動等によって発生するゲーム状況をゲームサーバ100に送信し(ステップS405)、ゲーム制御部130のゲーム状況判別部131は、受信したゲーム状況が実況対象イベントの実況再生条件を満たすか否かを判別する(ステップS104)。実況再生条件を満たす場合、実況再生条件が満たされた実況対象イベントIDを再生指示制御部132に出力し、再生指示制御部132は、当該実況対象イベントの再生指示パケットの生成処理及び再生対象プレイヤの抽出処理を遂行し(ステップS105、S106)、抽出した再生対象プレイヤに再生指示パケットを送信する(ステップS107)。
【0054】
ユーザ端末400の音声再生制御部431aは、ゲームサーバ100から再生指示パケットを受信し、当該再生指示パケットを解析する。そして、再生指示パケットに含まれるアナウンスID、パラメータに対応する音声ファイルを取得し、取得した音声ファイルを合成して再生音声ファイルを生成し(ステップS406)、生成した再生音声ファイルを再生する(ステップS407)。
【0055】
図13は、本実施形態のゲーム実況解説制御方法が適用されたゲームサーバ100の処理遷移を示したフローチャートである。ゲームサーバ100のゲーム制御部130は、ユーザ端末400からゲーム状況を受信すると(ステップS1301)、ゲーム状況判別部131によるゲーム状況判別処理を開始させる(ステップS1302)。ゲーム状況判別部131は、ゲーム実況解説管理テーブル142を参照し、受信したゲーム状況が各実況対象イベントの実況再生条件を満たすか否かを判別する(ステップS1303)。判別の結果、受信したゲーム状況が実況再生条件を満たす場合、実況再生イベントに対する再生対象プレイヤの抽出処理及び再生指示パケットの生成処理を、再生指示制御部132に要求する。
【0056】
再生指示制御部132は、実況対象イベントのIDをキーにゲーム実況解説管理テーブル142に格納されている再生対象プレイヤ情報を取得し、再生対象プレイヤ情報に基づいて、再生対象プレイヤを抽出する(ステップS1304)。また、ステップS1304と並行して若しくはステップS1304の処理後に、再生指示パケット生成処理を遂行する。再生指示制御部132は、実況対象イベントの実況対象イベントIDをキーに再生指示情報テーブル143から再生指示パケットの構成情報を取得し、ユーザ端末400に送信するための再生指示パケットを生成する(ステップS1305)。その後、再生指示制御部132は、ステップS1304で抽出した再生対象プレイヤに対して生成した再生指示パケットを、通信制御部110を介して送信する(ステップS1306)。
【0057】
次に、本実施形態のユーザ端末400におけるゲーム実況解説制御フローについて、図14から図17を参照しながら、詳細に説明する。
【0058】
図14は、本実施形態のユーザ端末400で遂行されるゲーム実況解説制御方法を説明するための図であり、複数のプレイヤが同時に参加する多人数参加型オンラインゲームでは、異なる他のプレイヤが実質的に同一のゲーム状況を発生させたり、同時多発的に複数のゲーム状況が発生するなど、従来のゲームにはない特殊なイベント発生状況が生じる。そこで、本実施形態のゲーム実況解説制御方法は、同時多発的に発生するゲーム状況に対応した複数のゲーム実況解説の好適な音声再生をユーザ端末400で遂行する。なお、同時多発的な複数のゲーム状況の発生とは、厳密には、正確な発生時刻の同一性とともに、所定時間内に複数のゲーム状況が発生した場合を含む。すなわち、各音声データは、所定の再生時間を有し、原則、1つの音声データの再生が終了した後に次の音声データを再生する。このため、再生時間の制限から所定時間内に発生した複数のゲーム状況を同時多発的に発生した複数のゲーム状況としてみなすことができる。
【0059】
図14に示すように、本実施形態では、所定時間内に発生した複数のゲーム状況に対応する音声による複数のゲーム実況解説が発生した場合、所定時間内に音声で再生可能な再生上限数に基づいてゲーム状況の発生順にゲーム実況解説を再生しない又は音声の代わりにゲーム画面に当該音声内容をテキスト表示する。
【0060】
図15から図17は、本実施形態のユーザ端末400におけるゲーム実況解説制御フローを示したフローチャートである。ユーザ端末400のゲーム処理部431は、再生指示パケットをゲームサーバ100から受信すると(ステップS1501)、音声再生制御部431aに音声再生処理を開始させる。音声再生制御部431aは、ユーザ設定情報テーブル432eを参照し、受信した再生指示パケットの実況対象イベントに対するユーザ設定において、音声出力が有効か無効かを判別する(ステップS1502)。この判別処理は、アナウンスIDと実況対象イベントIDとが対応付けられているため、ユーザ設定情報テーブル432eを参照することで判別可能である。
【0061】
判別の結果、音声出力が有効である場合は、ステップS1503に進み、音声出力が無効である場合は、ステップS1506に進み、さらに当該実況対象イベントに対するゲーム実況解説のテキスト表示が有効か無効かを判別する。テキスト表示が有効になっている場合は、図17のステップS1701に進み、ゲーム画面の所定の表示領域にテキスト表示を行う。テキスト表示が無効になっている場合、すなわち、当該実況対象イベントに対するゲーム実況解説の音声出力及びテキスト表示が無効となっている場合は、音声再生制御部431aは、受信した再生指示パケットを破棄し、当該実況対象イベントについてのゲーム実況解説を遂行しない(ステップS1507)。
【0062】
一方、ステップS1503では、音声再生されるゲーム実況解説、言い換えれば、所定時間内に実況再生条件を満たしたゲーム状況に対応する音声再生数をカウントする。そして、カウントした所定時間内に再生すべき音声再生数(再生音声ファイル数)と再生上限数とを比較し(ステップS1504)、所定時間内に再生される音声再生数が再生上限数以下である場合には、図16のステップS1601に進み、音声によるゲーム実況解説の再生を遂行する。
【0063】
ステップS1504において所定時間内に再生される音声再生数が再生上限数を超えると判別された場合、音声再生制御部431aは、ステップS1505において、ゲーム状況の発生順(受信した再生指示パケット順)に数えて再生上限数以内の順位に位置するゲーム実況解説と、ゲーム状況の発生順に数えて再生上限数を超えた順位に位置するゲーム実況解説とに選別する。再生上限数以内の順位に位置するゲーム実況解説を音声再生させるために図16のステップS1601に進み、再生上限数を超えた順位に位置するゲーム実況解説は、テキスト表示を行うためにステップS1506に進む。再生上限数を超えた順位に位置するゲーム実況解説については、ユーザ設定において対応する実況対象イベントのゲーム実況解説のテキスト表示が有効か無効かを判別し、有効となっている場合に、再生上限数を超えた順位に位置するゲーム実況解説をテキスト表示する。無効となっている場合、対応する実況対象イベントの再生指示パケットを破棄する(ステップS1507)。
【0064】
音声再生するゲーム実況解説は、図16に示すように、受信した再生指示パケットを解析して、アナウンスID及びパラメータ情報を再生指示パケットから抽出する。そして、抽出したアナウンスIDをキーに音声再生制御部431aは、音声ファイル定義テーブル432bを参照し、アナウンスIDに紐付く音声ファイル構成ルールを抽出する(ステップS1601)。音声再生制御部431aは、音声ファイル構成ルールの音声ファイルIDに基づいてゲーム実況解説音声データテーブル432aから音声ファイルを取得するとともに、再生指示パケットに含まれたパラメータに対応する音声ファイルを取得する。さらに、音声再生制御部431aは、取得した音声ファイルを音声ファイル構成ルールに基づいて合成して再生音声ファイルを生成する(ステップS1602)。音声再生制御部431aは、生成した再生音声ファイルを再生する(ステップS1603)。
【0065】
なお、生成された音声再生ファイルは、再生中に再生音声ファイルが有る場合には、再生中の再生音声ファイルの再生が終了した後に、順次再生が開始される(ステップS1604)。
【0066】
また、テキスト表示するゲーム実況解説は、図17に示すように、音声再生制御部431aは、受信した再生指示パケットを解析して、アナウンスID及びパラメータ情報を抽出する。そして、抽出したアナウンスIDをキーに音声再生制御部431aは、テキストデータ定義テーブル432dを参照し、アナウンスIDに紐付くテキストデータ構成ルールを抽出する(ステップS1701)。音声再生制御部431aは、テキストデータ構成ルールのテキストIDに基づいてゲーム実況解説テキストデータテーブル432cからテキストデータを取得するとともに、再生指示パケットに含まれたパラメータに対応するテキストデータを取得する。さらに、音声再生制御部431aは、取得したテキストデータをテキストデータ構成ルールに基づいて合成してゲーム画面に表示する表示テキストを生成し(ステップS1702)、テキストデータを表示する(ステップS1703)。
【0067】
このように本実施形態のゲーム実況解説制御方法は、音声によるゲーム実況解説機能を備えた多人数参加型オンラインゲームにおいて同時多発的に発生するゲーム状況に対応した複数のゲーム実況解説を、所定時間内に再生可能な再生上限数に基づいて制御し、プレイヤに好適な音声によるゲーム実況解説を提供することが可能となる。
【0068】
より具体的には、所定時間内に発生した複数のゲーム状況に対応する音声による複数のゲーム実況解説が発生した場合、所定時間内に音声で再生可能な再生上限数に基づいてゲーム状況の発生順にゲーム実況解説を再生しない再生カット、又は音声を再生する代わりにゲーム画面に当該音声内容をテキスト表示する。
【0069】
特に、ゲーム状況が発生した時点と再生開始の時点との間に大きなタイムラグが生じるゲーム実況解説を再生しない音声データの制御を行うことで、プレイヤのゲーム進行を円滑にし、発生したゲーム状況と対応するゲーム実況解説との時間的な整合性を保ちつつ、情報の垂れ流しを防止することが可能となる。
【0070】
また、音声で再生しないゲーム実況解説をゲーム画面にテキストで表示させることで、音声でのゲーム実況解説を聞きながら、視覚的にゲーム実況解説を把握することができ、同時多発的に発生するゲーム状況を容易に把握することが可能となる。また、音声による実況解説を再生上限数で区切ることで、発生したゲーム状況と対応するゲーム実況解説との時間的な整合性をさらに向上させることが可能となる。
【0071】
本実施形態のゲーム実況解説制御方法は、従来の10人前後のプレイヤが同時に参加するオンラインゲームにも適用可能であるが、同時に参加するプレイヤ数が多い場合に特に有効であり、例えば、味方軍20名vs敵軍20名の合計40名以上のプレイヤが同時に参加するオンラインゲームに顕著な効果を発揮する。すなわち、同時参加するプレイヤ数の増加により、同時多発的に発生するゲーム状況が飛躍的に増大するが、本実施形態のゲーム実況解説制御方法は、プレイヤに好適な音声によるゲーム実況解説を提供することが可能となる。
【0072】
(第2実施形態)
図18から図20は、本発明の第2実施形態におけるゲーム実況解説方法を説明するための図であり、上記第1実施形態に対して各ゲーム実況解説に再生優先度を適用したゲーム実況解説制御方法である。なお、以下の説明において、上記第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、相違する点を中心に説明する。
【0073】
まず、本実施形態のゲーム実況解説制御方法について、図18を参照しながら詳細に説明する。図18に示すように、上記第1実施形態では同時多発的に発生した複数のゲーム実況解説を、対応するゲーム状況が発生した順に制御しているが、本実施形態では、ゲーム状況に対応付けられた実況対象イベント、すなわち、ゲーム実況解説に再生優先度を適用し、この再生優先度順に制御を行う。
【0074】
より具体的に説明すると、図18に示すように、ゲーム状況が発生した順序が、実況A→実況B→実況C→解説A→実況Dである場合、例えば、解説Aの再生優先度が他の実況よりも低い場合、順序を並び替えて実況A→実況B→実況C→実況D→解説Aの順序で上記第1実施形態におけるゲーム実況解説制御方法を遂行する。
【0075】
図19(a)は、本実施形態のユーザ設定画面の一例を示す図であり、プレイヤは当該ユーザ設定画面から対象実況イベント(アナウンス名)毎に、再生優先度を設定することができる。再生優先度は、他の実況対象イベントとの関係でプレイヤが優先的に必要とする音声によるゲーム実況解説を判別するための情報であり、0から100の間で設定することができる。なお、プレイヤが各実況対象イベントに対して再生優先度を設定しない場合は、予めゲーム性に基づいて決められた再生優先度が適用される。
【0076】
この再生優先度の設定情報は、ユーザ端末400側のユーザ設定情報テーブル432eに格納されるとともに(図19(b))、ゲームサーバ100側のプレイヤ情報テーブル141にも格納される(図19(c))。各テーブルに格納されるタイミングは、ユーザが設定した項目について確定ボタン等の確定処理を行った場合に、リアルタイムに処理されるように構成することが好ましい。
【0077】
図20は、本実施形態のユーザ端末400のゲーム実況解説制御方法の処理遷移を示したフローチャートである。
【0078】
本実施形態のゲーム実況解説制御方法の処理遷移は、図15のステップS1503において設定された再生優先度に基づいたソート処理が適用される。本実施形態のステップS2003は、所定時間内に実況再生条件を満たしたゲーム状況に対応する音声再生数をカウントするとともに、カウントした所定時間内に再生すべき各音声再生を再生優先度に基づいてソートする。そして、音声再生数(再生音声ファイル数)と再生上限数とを比較し(ステップS2004)、所定時間内に再生される音声再生数が再生上限数以下である場合には、図16のステップS1601に進み、音声によるゲーム実況解説の再生を遂行する。
【0079】
一方、ステップS2004において所定時間内に再生される音声再生数が再生上限数を超えると判別された場合、音声再生制御部431aは、ステップS2005においてゲーム状況の発生順ではなく発生したゲーム状況に対応するゲーム実況解説の再生優先度順に再生上限数以内の順位に位置するゲーム実況解説と、再生上限数を超えた順位に位置するゲーム実況解説とに選別する。再生上限数以内の順位に位置するゲーム実況解説は、再生優先度が高いため音声再生させるために図16のステップS1601に進み、再生上限数を超えた順位に位置するゲーム実況解説は、再生優先度が低いため、テキスト表示を行うためにステップS2006に進む。再生上限数を超えた順位に位置するゲーム実況解説については、ユーザ設定において対応する実況対象イベントのゲーム実況解説のテキスト表示が有効か無効かを判別し、有効となっている場合に、再生上限数を超えた順位に位置するゲーム実況解説をテキスト表示する。無効となっている場合、対応する実況対象イベントの再生指示パケットを破棄する(ステップS2007)。その他のステップ及び図16、図17の各処理については、上記第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0080】
このように本実施形態では、プレイヤが任意に設定した、又はゲーム性に応じて予め決められたゲーム実況解説(実況対象イベント)毎の音声による再生の優先度を適用することで、プレイヤ自身にとって必要なゲーム実況解説、言い換えれば、ゲーム進行において他のゲーム状況よりも優先してゲーム実況解説されるべきゲーム状況がプレイヤに的確に提供される。したがって、プレイヤに対する情報の垂れ流しを好適に防止し、かつ同時進行的に発生する複数のゲーム状況を円滑に把握することが可能となる。
【0081】
(第3実施形態)
図21から図29は、本発明の第3実施形態におけるゲーム実況解説方法を説明するための図であり、本実施形態は、複数のゲーム実況解説を重複させて再生するゲーム実況解説制御方法である。なお、以下の説明において、上記第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、相違する点を中心に説明する。
【0082】
図21は、本実施形態のゲーム実況解説制御方法を説明するための図であり、同図に示すように、上記第1及び第2実施形態では、連続して再生される音声データ間は重複されておらず、1つのゲーム実況解説の再生が終了した後に、次にゲーム実況解説が再生される。しかしながら、所定時間内に再生可能な再生数は、上述のように再生時間に応じて制限されることになる。また、音声データを重複して再生することは、再生内容が聞き取り辛く、音声によるゲーム実況解説の効果を低減させてしまう。
【0083】
そこで、本実施形態では、所定時間内に再生可能な音声再生数を向上させるために、連続して再生される音声データの一部を重複させて再生し、かつ重複再生部分については、再生音量を調節することで、機能を損なうことのないゲーム実況解説を提供する。
【0084】
まず、複数のゲーム実況解説の音声データの重複再生処理について、図22を参照しながら説明する。同図に示すように、実況Aと実況Bとが連続して再生される場合、音声再生制御部431aは、実況Aの再生途中から実況Bの再生を開始し、かつ実況Bの再生開始位置(重複再生開始位置)から実況Aの再生を中断するのではなく、再生音量を下げて再生する。
【0085】
このように重複再生部分について一方の音声データの再生音量を下げることで、重複して再生される複数の音声データを聞き取り易くすることが可能となり、ゲーム実況解説機能を好適に維持することができる。したがって、実質的に所定時間内に再生可能の音声データの再生数が増えることになり、同時多発的に発生した複数のゲーム状況に対応した好適な音声によるゲーム実況解説を提供することが可能となる。
【0086】
また、本実施形態のゲーム実況解説制御方法における音声データの重複再生は、図23に示すように、各ゲーム実況解説の再生優先度に基づいて、連続再生される音声データ間を重複するかしないかを決定するように構成することも可能である。例えば、実況Bの再生優先度が実況Cよりも高い場合、実況Cを実況Bに対して重複して再生しないように制御することができる。
【0087】
また、図24に示すように、再生優先度に応じて重複再生位置を制御することも可能である。具体的には、実況Bの再生優先度と実況Cの再生優先度とが同一の場合に重複再生される重複再生開始位置に対して、実況Bの再生優先度が実況Cの再生優先度よりも高い場合、再生優先度が同一の場合に比べて実況Cの再生開始位置を後ろにずらし、重複再生部分を少なくするように制御することもできる。
【0088】
また、重複再生位置をずらすことも可能であるが、再生音量の調節を行わずに重複再生される音声ファイルの再生開始時間をずらすことも可能である。例えば、実況Aの再生優先度が実況Bの再生優先度よりも高い場合に、全体で10秒の再生時間を有する実況Bを3秒経過後の再生位置から再生するように構成することも可能である。具体的には、実況Bが「100,50の地点で敵軍を発見しました」を音声でアナウンスする場合、「100,50の地点で」に相当する再生時間経過後の「敵軍を発見しました」の再生位置から再生する。このように、再生優先度が高い実況が既に再生されていた場合、再生音量の調整ではなく、重複再生する次の音声ファイルの再生タイミングを遅らせるように構成することができる。なお、遅らせる秒数は再生優先度の差により決定することができる。例えば、再生優先度の差が20である場合は2秒、差が30の場合は3秒遅らせた再生位置から実況Bの再生を遅らせて再生するように構成することが可能である。
【0089】
また、図25に示すように、重複再生開始位置からの実況A及び実況Bの再生音量を、再生優先度に応じて調整することもできる。例えば、同図に示すように、実況Bの再生優先度が実況Aの再生優先度よりも高い場合、重複再生開始位置からの実況Aの音量を基準調節量(各優先度が同一の場合の音量調節量)よりも大きい調節量で実況Aの重複再生開始位置からの再生音量を下げ、実況Aの再生優先度が実況Bの再生優先度よりも高い場合は、
重複再生開始位置からの実況Aの再生音量を基準調節量よりも小さい調節量で下げる。なお、図25の例では、重複再生される実況Aの再生音量を下げる場合について説明しているが、例えば、実況Bの再生音量を実況Aの再生音量の低下に伴って、又は実況Aの再生音量の低下制御を行わずに、実況Bの再生音量を再生優先度に応じて高く調節することも可能である。
【0090】
また、図26に示すように、再生優先度に応じて重複再生開始位置から再生中の実況を中断させて次の実況を再生することもできる。このようなケースが想定されるのは、例えば、特殊イベントの発生した場合である。この場合、図26(b)に示すようにユーザ設定画面から、プレイヤが特殊イベント(優先イベント)に対する実況の割り込み処理を設定し、その際の音声調節値も設定する。音声調節値は、重複再生される実況Aに対する音量調節値であり、100%に設定することで実況Aの再生を中断し、特殊イベントに対する実況Bを再生する。30%の場合は、重複再生開始位置から実況Aの再生音量を30%下げて実況Bを再生する。なお、この特殊イベントは、当該特殊イベントの再生優先度を自動的に最上位にランクさせ、上記の再生優先度に応じた重複再生に適用することも可能である。
【0091】
図27は、本実施形態のゲーム実況解説制御方法におけるユーザ端末400の処理遷移を示すフローチャートである。本実施形態では、同時多発的に発生した複数の音声によるゲーム実況解説を重複再生するため、上記第1及び第2実施形態の再生上限数に加え、重複再生上限数を適用している。この重複再生上限数は、上述のように再生上限数よりも高く設定される。
【0092】
したがって、同図に示すように、ステップS2704において音声再生数が再生上限数を超える場合、ステップS2705で所定時間内の再生数が重複再生上限数を超えているかいないかを判別する。そして、重複再生上限数を超えていない場合は、図28のステップS2801に進み、再生音声ファイルを生成する(ステップS2801、S2802)。そして、図22の例では、再生中のゲーム実況解説を所定の再生途中(重複再生開始位置)から再生音量を下げ、生成した再生音声ファイルを再生する。
【0093】
また、ステップS2705で所定時間内の再生数が重複再生上限数を超えている場合は、ゲーム状況の再生優先度順に重複再生上限数以内の順位に位置するゲーム実況解説と、重複再生上限数を超えた順位に位置するゲーム実況解説とに選別する。重複再生上限数以内の順位に位置するゲーム実況解説は、図28のステップS2801に進み、重複再生上限数を超えた順位に位置するゲーム実況解説は、テキスト表示を行うためにステップS2707に進む。重複再生上限数を超えた順位に位置するゲーム実況解説については、ユーザ設定において対応する実況対象イベントのゲーム実況解説のテキスト表示が有効か無効かを判別し、有効となっている場合に、重複再生上限数を超えた順位に位置するゲーム実況解説をテキスト表示する。無効となっている場合、対応する実況対象イベントの再生指示パケットを破棄する(ステップS2708)。
【0094】
図29は、再生優先度に応じた図23から図26の各重複再生処理に対応した図27のステップS2705以降の処理遷移を示すフローチャートであり、ステップS2903において、重複再生を制御する際、重複再生される音声データ間の再生優先度に応じた図23から図26の各重複再生処理を遂行する。
【0095】
このように本実施形態のゲーム実況解説制御方法は、重複再生部分について一方の音声データの再生音量を下げることで、重複して再生される複数の音声データを聞き取り易くしつつ、実質的に所定時間内に再生可能の音声データの再生数を増やすことができる。したがって、同時多発的に発生した複数のゲーム状況に対応した好適な音声によるゲーム実況解説を提供することが可能となる。
【0096】
以上、本発明を好適な実施形態に則して詳細に説明したが、上記実施形態における音声によるゲーム実況解説機能は、ゲーム実況又はゲーム解説のどちらか一方、または、ゲーム実況及びゲーム解説の両方を提供するように構成することもできる。すなわち、ゲーム実況のみ、ゲーム解説のみ、またはゲーム実況及び解説を、適用するゲームの戦略性やゲーム性に応じて実現することができる。
【0097】
また、本実施形態では、図5に示すように、1つの音声ファイルに対して性別(男女)、声の高さ(低音、高音)、台詞回し(口調、方言)等毎に複数の音声ファイルが格納されている。例えば、「敵軍を発見しました」と実況する音声ファイルSE_NUM_1には、緊迫感の口調の音声ファイルSE_NUM_1_1、冷静な口調の音声ファイルSE_NUM_1_2、関西弁のSE_NUM_1_3などが含まれる。性別、声の高さについても同様である。プレイヤは、図30(a)のユーザ設定画面から、音声の性別(男女)、声の高さ(低音、高音)、台詞回し(口調、方言)を任意に設定することができる。
【0098】
そして、このユーザ設定情報は、図30(b)に示すように、ゲームサーバ100のプレイヤ情報テーブル141にも格納される。図31(a)は、音声の性別(男女)、声の高さ(低音、高音)、台詞回し(口調、方言)が設定されている場合の再生指示パケットの構成例であり、図10(a)に示した再生指示パケットに対して音声の性別(男女)、声の高さ(低音、高音)、台詞回し(口調、方言)の各々ユーザ設定情報のパラメータ情報が含まれる。つまり、再生指示制御部132は、図13のステップS1305において、性別(男女)、声の高さ(低音、高音)、台詞回し(口調、方言)が設定されている場合には、プレイヤ情報テーブル141からこれらの設定情報を抽出し、再生指示パケットに挿入してユーザ端末400に送信する。
【0099】
そして、音声再生制御部431aは、図16のステップS1602で音声ファイルを抽出する際、音声ファイルIDとともに、再生指示パケットに含まれる音声の性別(男女)、声の高さ(低音、高音)、台詞回し(口調、方言)のパラメータ情報を用いて、該当する音声ファイルを抽出することができる。
【0100】
なお、上記実施形態では、ユーザ端末400にゲームクライアント430をダウンロードさせるダウンロード型のゲームクライアント430を一例に説明したが、これに限らず、例えは、アドビシステムズ社製のFLASH(登録商標)を使用したOSやブラウザに依存しないプラグインでの提供も可能ある。この場合、Flash Playerが上記ゲームクライアント430の役割を担うことになる。
【0101】
また、各サーバは、ハードウェア構成として上述以外にも、キーボード、マウス、スキャナー等の操作入力手段、液晶ディスプレイ等の表示手段、プリンタ、スピーカなどの出力手段、主記憶装置(メモリ)、補助記憶装置(ハードディスク等)等を備えることが可能であり、ユーザ端末においてもこれらの手段を備えることができる。各手段に制御は、サーバ又はコンピュータ全体の制御を司る制御手段(CPU)により遂行される(不図示)。
【0102】
本発明のゲーム実況解説制御プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、多人数参加型オンラインゲームのプレイヤ端末に提供することも可能であり、インターネット等のネットワークを通じてプレイヤ端末にダウンロードすることも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスク、DVD−ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。
【0103】
なお、本発明を好適な実施形態に則して説明したが、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で当該技術分野の技術に照らし合わせて多様に変形することが可能である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の第1実施形態におけるオンラインゲームシステムの概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるゲームサーバの構成ブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるユーザ端末の構成ブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態におけるゲームデータベース及びゲームデータ格納部の構成を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態におけるゲーム実況解説音声データの一例を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態におけるゲーム実況解説テキストデータの一例を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態におけるファイル定義テーブルの一例を示す図であり、(a)は音声ファイル定義テーブル、(b)はテキストデータ定義テーブルである。
【図8】本発明の第1実施形態におけるユーザ設定画面及びテーブル構成の一例を示す図であり、(a)は、ユーザ設定画面、(b)はユーザ設定情報テーブル、(c)は、プレイヤ情報テーブルである。
【図9】本発明の第1実施形態におけるテーブル構成の一例を示す図であり、(a)はゲーム実況解説管理テーブル、(b)は再生指示情報テーブルである。
【図10】本発明の第1実施形態における再生指示パケットの構成及びファイルの構成の一例を示す図であり、(a)は再生指示パケット、(b)は、再生音声ファイル、(c)は表示テキストである。
【図11】本発明の第1実施形態における再生対象プレイヤの決定する過程を説明するための図であり、(a)はプレイヤ情報テーブル、(b)は抽出された再生対象プレイヤを示す図である。
【図12】本発明の第1実施形態における多人数参加型オンラインゲームの処理遷移を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第1実施形態におけるゲームサーバの処理遷移を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第1実施形態におけるゲーム実況解説制御方法を説明するための図である。
【図15】本発明の第1実施形態におけるユーザ端末の処理遷移を示すフローチャートである。
【図16】図15に続く処理遷移を示すフローチャートである。
【図17】図15に続く処理遷移を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第2実施形態におけるゲーム実況解説制御方法を説明するための図である。
【図19】本発明の第2実施形態におけるユーザ設定画面及びテーブル構成の一例を示す図であり、(a)は、ユーザ設定画面、(b)はユーザ設定情報テーブル、(c)は、プレイヤ情報テーブルである。
【図20】本発明の第2実施形態におけるユーザ端末の処理遷移を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第3実施形態におけるゲーム実況解説制御方法を説明するための図である。
【図22】本発明の第3実施形態における重複再生制御を説明するための図である。
【図23】本発明の第3実施形態における重複再生制御を説明するための図である。
【図24】本発明の第3実施形態における重複再生制御を説明するための図である。
【図25】本発明の第3実施形態における重複再生制御を説明するための図である。
【図26】本発明の第3実施形態における重複再生制御を説明するための図であり、(b)は、ユーザ設定画面である。
【図27】本発明の第3実施形態におけるユーザ端末の処理遷移を示すフローチャートである。
【図28】図27に続く処理遷移を示すフローチャートである。
【図29】図27に続く処理遷移を示すフローチャートである。
【図30】本発明の再生指示パケットの構成及びファイルの構成の変形例を示す図であり、(a)は再生指示パケット、(b)は、再生音声ファイルである。
【図31】本発明の変形例におけるユーザ設定画面及びテーブル構成の一例を示す図であり、(a)は、ユーザ設定画面、(b)プレイヤ情報テーブルである。
【符号の説明】
【0105】
100 ゲームサーバ
110 通信制御部
120 制御部
130 ゲーム制御部
131 ゲーム状況判別部
132 再生指示制御部
140 ゲームデータベース
141 プレイヤ情報テーブル
142 ゲーム実況解説管理テーブル
143 再生指示情報テーブル
200 認証サーバ
300 ユーザ情報データベース
400 ユーザ端末
410 通信制御部
420 制御部
430 ゲームクライアント
431 ゲーム処理部
431a 音声再生制御部
432 ゲームデータ格納部
432a ゲーム実況解説音声データテーブル
432b 音声ファイル定義テーブル
432c ゲーム実況解説テキストデータテーブル
432d テキストデータ定義テーブル
432e ユーザ設定情報テーブル
440 外部インターフェース
450 操作部
460 表示インターフェース
470 表示部
480 サウンドデバイス
490 音声出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム実況解説機能を備えた多人数参加型オンラインゲームシステムからゲーム進行中に発生したゲーム状況に対応するゲーム実況又は/及びゲーム解説の音声データの再生制御情報を受信し、該再生制御情報に基づいて前記音声データを再生するプレイヤ端末で実行されるゲーム実況解説制御プログラムであって、前記プレイヤ端末に、
所定時間内に再生される前記音声データの再生数をカウントし、前記再生数が前記所定時間内に再生可能な再生上限数を越えるか否かを判別する第1機能と、
前記再生数が前記再生上限数を越えると判別された場合に、前記所定時間内に再生する音声データを制御する第2機能と、を実現させるためのゲーム実況解説制御プログラム。
【請求項2】
前記第2機能は、前記再生数が前記再生上限数を越えると判別された場合に、前記再生上限数を超えた前記音声データを再生しないことを特徴とする請求項1に記載のゲーム実況解説制御プログラム。
【請求項3】
前記第2機能は、前記再生数が前記再生上限数を越えると判別された場合に、前記再生上限数を超えた前記音声データを、対応するテキストでゲーム画面に表示させることを特徴とする請求項1に記載のゲーム実況解説制御プログラム。
【請求項4】
前記第2機能は、発生したゲーム状況に対応する第1順序、又は音声データの再生優先度に対応する第2順序で前記所定時間内に再生する音声データを制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のゲーム実況解説制御プログラム。
【請求項5】
前記第2機能は、前記再生数が前記再生上限数を越えると判別された場合に、前記所定時間内に再生する複数の音声データを重複させて再生することを特徴とする請求項1に記載のゲーム実況解説制御プログラム。
【請求項6】
前記第2機能は、前記複数の音声データを重複させて再生する場合、重複再生する第2音声データの再生開始位置から再生中の第1音声データ又は前記第2音声データの音量を調節して当該第1及び第2音声データを重複させた再生を行うことを特徴とする請求項5に記載のゲーム実況解説制御プログラム。
【請求項7】
前記第2機能は、重複再生する複数の音声データに対して再生優先度が設定されている場合に、前記再生優先度が高い音声データに対して前記再生優先度が低い音声データを重複させないことを特徴とする請求項5に記載のゲーム実況解説制御プログラム。
【請求項8】
前記第2機能は、重複再生する複数の音声データに対して再生優先度が設定されている場合、再生中の第1音声データに対して重複して再生される第2音声データの再生開始位置を、前記第1及び第2音声データ間の前記再生優先度の関係に応じて変更することを特徴とする請求項5に記載のゲーム実況解説制御プログラム。
【請求項9】
前記第2機能は、重複再生する複数の音声データに対して再生優先度が設定されている場合、前記第1及び第2音声データの前記再生優先度を比べ、前記第1音声データの再生優先度が高い場合には、第1調節量で前記再生開始位置から前記第1音声データの音量を調節し、前記第2音声データの再生優先度が高い場合には、前記第1調整量よりも高い第2調整量で前記第1音声データの音量を調節することを特徴とする請求項6に記載のゲーム実況解説制御プログラム。
【請求項10】
前記第2機能は、重複再生する複数の音声データに対して再生優先度が設定されている場合、前記第1及び第2音声データの前記再生優先度を比べ、前記第1音声データの再生優先度が高い場合には、第1音量で前記再生開始位置から前記第2音声データを再生し、前記第2音声データの再生優先度が高い場合には、前記第2音量よりも高い第2音量で前記第2音声データを再生することを特徴とする請求項6に記載のゲーム実況解説制御プログラム。
【請求項11】
前記第2機能は、重複再生する複数の音声データに対して再生優先度が設定されている場合、前記第1及び第2音声データの前記再生優先度を比べ、前記第1音声データの再生優先度が低い場合には、前記再生開始位置から前記第1音声データを中断し、前記第2音声データの再生することを特徴とする請求項6に記載のゲーム実況解説制御プログラム。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1つに記載のゲーム実況解説制御プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項13】
ゲーム実況解説機能を備えた多人数参加型オンラインゲームシステムからゲーム進行中に発生したゲーム状況に対応するゲーム実況又は/及びゲーム解説の音声データの再生制御情報を受信し、該再生制御情報に基づいて前記音声データを再生するプレイヤ端末で実行されるゲーム実況解説制御方法であって、
所定時間内に再生される前記音声データの再生数をカウントし、前記再生数が前記所定時間内に再生可能な再生上限数を越えるか否かを判別する第1ステップと、
前記再生数が前記再生上限数を越えると判別された場合に、前記所定時間内に再生する音声データを制御する第2ステップと、を含むことを特徴とするゲーム実況解説制御方法。
【請求項14】
ゲーム実況解説機能を備えた多人数参加型オンラインゲームシステムからゲーム進行中に発生したゲーム状況に対応するゲーム実況又は/及びゲーム解説の音声データの再生制御情報を受信し、該再生制御情報に基づいて前記音声データを再生するプレイヤ端末であって、
所定時間内に再生される前記音声データの再生数をカウントして前記再生数が前記所定時間内に再生可能な再生上限数を越えるか否かを判別し、前記再生数が前記再生上限数を越えると判別された場合に前記所定時間内に再生する音声データを制御する音声再生制御手段を有することを特徴とするプレイヤ端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2009−125108(P2009−125108A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300051(P2007−300051)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(505205812)エヌエイチエヌ コーポレーション (408)
【出願人】(501333021)NHNJapan株式会社 (29)
【Fターム(参考)】