説明

ゲーム提供システム

【課題】特定の地理的な位置に集まった利用者のみが参加することができるとともに、参加の敷居を低くして参加者を募りやすいゲーム提供システムを提供する。
【解決手段】位置情報取得手段を備えるクライアント端末2がネットワークを介してゲームサーバ1と通信を行う複数のゲームを利用者に提供するゲーム提供システムにおいて、ゲームサーバ1が、位置取得手段によって取得した位置情報を受信し、位置情報を所定の領域にグルーピングした領域情報にもとづいて、利用者が参加できるゲームについての情報をクライアント端末に通知する参加可能ゲーム通知手段と、参加可能ゲーム通知手段によってクライアント端末に通知されたゲームから利用者が選択したゲームについて、利用者をゲームに参加させるゲーム参加手段と、ゲームを実施し、実施したゲームの結果をクライアント端末に通知するゲーム実施手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報を利用した複数のゲームを多数の利用者に提供するゲーム提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワークを利用してゲームを提供するシステムとして、例えば特許文献1のシステムがある。このシステムは、利用者に勝ち抜きゲーム等のゲームを提供して、優勝者に賞金を配分するものである。たとえばイベント等の会場で、当該会場を訪れた利用者にこのようなシステムを提供すれば、イベント参加者の増加を期待することができる。
【0003】
しかし、ネットワークを利用したゲームは、地理的に離れた場所に利用者がいてもこれに参加できることがメリットであり、特許文献1のシステムを単に使用するのみでは、イベント等の参加者のみが遊ぶことのできるゲームを提供することはできないという問題があった。
【0004】
一方で、地理的な位置情報を扱ってゲームを進行するものとして、例えば特許文献2のサバイバルゲーム支援システムがある。このシステムでは、参加者の地理的な位置情報をGPSによって取得し、基地局に集積してリアルタイムなモニタリングを可能とするものである。
【0005】
しかし、特許文献2のシステムでは、参加者がゲーム開始から終了まで、一定の範囲の場所に留まり続ける必要がある。利用者はゲームに参加するためには長時間の地理的な拘束を受けることとなるため、参加の敷居が高く、参加者を募りにくいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2009/141858号公報
【特許文献2】特開2003−320063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前述の状況に着目し、特定の地理的な位置に集まった利用者のみが参加することができるとともに、参加の敷居を低くして参加者を募りやすいゲーム提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明は、位置情報を取得する位置情報取得手段を備えるクライアント端末がネットワークを介してゲームサーバと通信を行う複数のゲームを利用者に提供するゲーム提供システムであって、前記ゲームサーバは、前記位置取得手段によって取得した位置情報を受信し、該受信した位置情報にもとづいて、利用者が参加できるゲームについての情報をクライアント端末に通知する参加可能ゲーム通知手段と、該参加可能ゲーム通知手段によってクライアント端末に通知されたゲームから利用者が選択したゲームについて、当該ゲームを選択した利用者をゲームに参加させるゲーム参加手段と、前記ゲームを実施し、該実施したゲームの結果をクライアント端末に通知するゲーム実施手段と、を備え、前記参加可能ゲーム通知手段は、前記受信した位置情報を所定の領域にグルーピングしたうえで、該グルーピングした領域にもとづいて利用者が参加できるゲームを決定することを特徴とするものである。
【0009】
本発明において、前記クライアント端末はGPS受信機能付き携帯端末であって、前記位置情報取得手段はGPS受信機能を用いてなるようにすると好適である。
【0010】
本発明において、前記クライアント端末は無線通信機能付き携帯端末であって、前記位置情報取得手段は、無線通信における接続情報を用いて位置情報を取得するようにしてもよい。
【0011】
本発明において、前記位置情報はクライアント端末のネットワーク上の位置を示すアドレス情報であり、前記参加可能ゲーム通知手段は、前記アドレス情報を地理上の位置を示す第2位置情報に変換し、該第2位置情報にもとづいて前記利用者が参加できるゲームについての情報をクライアント端末に通知するようにしてもよい。
【0012】
本発明において、前記参加可能ゲーム通知手段は、さらに、前記位置情報にもとづいた広告を前記クライアント端末に送信する広告送信手段を備えるようにしてもよい。
【0013】
本発明において、前記ゲームは、じゃんけんによる勝ち抜きゲームとしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利用者がゲームに参加できるか否かは参加可能ゲームを問い合わせた時点での利用者の位置によって決定されるので、特定の位置に集まった利用者のみが参加することのできるゲームを提供することができる。さらに、位置に拘束されるのはゲームに参加する際に限られるため、利用者のゲーム参加における敷居が低く、参加者を募りやすいゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】システムの全体像を示す構成図である。
【図2】ゲームサーバ及びクライアント端末の機能上の構成を示す図である。
【図3】ゲームに参加する際の処理を表したフローチャート図である。
【図4】ゲームを進行する際の処理を表したフローチャートであり、(a)は利用者がゲームの勝負手を入力する処理を示す図、(b)はじゃんけんゲームを実施する処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本実施形態にかかるゲーム提供システム全体の構成を示すブロック図である。
本実施形態では、好適には、例えばゲームに参加するゲーム参加者はじゃんけん、すなわちグー、チョキ、パーの三種の形態を手で表現して勝敗を競うゲームを行い、優勝を目指す形態が例示される。
このじゃんけんゲームは、ゲーム運営者によって管理されるゲームサーバ1と、利用者が操作する携帯端末等のクライアント端末2の間で情報通信を行うことで実施されるものである。
また、このゲームを運営する上で、本ゲームを支援する支援者となる事業者(以下、「広告依頼主」と記載する)がゲーム運営に参加すると好適である。広告依頼主は本ゲームを運営するインターネットサイトやゲーム参加者に送信されるイベント告知内に広告情報(広告依頼主が提供する商品・サービスを広告する情報)を掲載することにより、自身が販売する商品・サービスの宣伝を行うことができる。
他方で、ゲーム運営者は、広告依頼主から広告料の支払いや賞品の提供を適宜受ける。
【0017】
本実施例のゲーム提供システムは、ゲーム運営者が管理するゲームサーバ1と、ゲームに参加する利用者が操作するクライアント端末2から構成されている。なお、本ゲームでは複数のゲーム参加者が存在するため、ゲーム提供システムはクライアント端末2を複数備えている。
また、本実施例のゲーム提供システムが提供するゲームは、ゲームサーバ1上に構築されたWEBアプリケーションとして提供されるものである。したがって、クライアント端末2はいわゆるWEBブラウザを備えているものであり、利用者によるゲーム画面の操作、情報の入力、情報の送受信等はすべてWEBブラウザ22を介して行われる。
なお、本実施例では上記のように提供するゲームをWEBアプリケーションとしたが、本発明の実施形態は無論これに限られない。例えば、クライアント端末2が専用のクライアントプログラムを実行する、いわゆるチッリクライアントなアプリケーションとしてゲームを提供してもよい。この場合は画面の構成やデザインをより豪華なものとすることができ、利用者の参加意欲を促進することができる。
【0018】
利用者が操作するクライアント端末2は、図2で示すように、GPS受信部(図示しない)を備える携帯電話等の携帯端末からなる。このクライアント端末は、GPS受信部から位置情報を取得する位置情報取得手段21と、ゲームサーバと情報の送受信を行う通信手段(図示しない)と、を備えている。
【0019】
GPS受信部は、衛星からの信号を受信してクライアント端末2の地理的な位置を測位するものである。位置情報取得手段21はGPS受信部が測位した地理的な位置情報を取得する。
GPS受信部を備える携帯端末の場合には、上記WEBブラウザ22がGPS受信部から位置情報を取得する機能が備わっていることが一般的であり、この場合には当該機能によって位置情報取得手段21が構成される。
【0020】
なお、本実施例では位置情報として地理的な位置を取得できることからGPS受信部を用いるものとしたが、クライアント端末2が基地局と無線通信する機能を備えた携帯端末であって基地局の情報から地理的な位置を取得できる場合には、当該基地局の情報をもって位置情報としてもよい。また、ネットワーク上のアドレス等から地理的な位置を取得できる場合には、当該アドレス情報をもって位置情報としてもよい。また、クライアント端末2ごとに、送信する位置の種類、すなわちGPSによる地理的な位置情報、基地局の情報、ネットワーク上のアドレス情報が異なっていてもよい。この場合には、GPS受信部を備えていないクライアント端末や、無線通信機能を備えていないクライアント端末であってもゲームに参加することができるので、さらにゲーム参加の敷居を低くし、多くの参加者を募ることができる。
【0021】
ゲームサーバ1は、パーソナルコンピュータ、専用サーバ、仮想サーバ等からなるコンピュータであり、一般的には、CPUとメモリがバスで繋がれ、このバスから入出力インタフェースを経由してキーボードやマウス等の入力部、ディスプレイ等の出力部、HDD等の記録部、ネットワークインタフェース等の通信部が接続されるものである。本実施形態におけるゲームサーバは、機能上の構成としては、利用者認証手段11と、参加可能ゲーム通知手段12と、ゲーム参加手段13と、ゲーム実施手段14と、必要なデータを記録するデータベース15から構成されている。
【0022】
利用者認証手段11は、クライアント端末2を使用する利用者の正当性を確認するためのもので、利用者がクライアント端末2に入力し、ゲームサーバ1に送信した利用者の認証情報を受信し、データベース15にあらかじめ記録された利用者情報と照合して、該照合結果をクライアント端末2に送信する。本実施例では、上記認証に関する情報としてアカウント名及びパスワードを使用する。またデータベースに記録された利用者情報としては、当該アカウント名及びパスワードの他に、利用者を一意に識別するIDと、氏名や連絡先等の個人情報がふくまれている。また、本実施例では、上記利用者情報等を格納するデータベース15として、公知の一般的なRelational Data Base Management System(以下、RDMBSという)を使用する。なお、必要なデータを記録することができればよいので、RDMBS以外、例えばHDD上に構成されたファイルシステム等を用いてデータベース15としてもよい。
【0023】
参加可能ゲーム通知手段12は、クライアント端末2を操作する利用者に参加可能なゲームを通知するものである。具体的には、クライアント端末2から、該クライアント端末2の位置情報取得手段21によって取得された位置情報を受信し、該受信した位置情報を所定の領域にグルーピングした上で、この領域を参加条件として設定されたゲームのゲーム情報をデータベース15から取得し、クライアント端末2に送信する。また、このとき、ゲームサーバ1はグルーピングした領域に関連する広告をデータベース15から取得し、クライアント端末に送信する。
【0024】
ゲーム情報は、本実施例のゲーム提供システムが提供する複数のゲームを一意に識別するIDと、これにひもづく種々のデータ群から構成される。例えば、ゲームの名称や、次回のじゃんけんの勝負手を入力できる期間、現在何回戦目を実施しているか等の情報がこれに含まれており、ゲームサーバ1はこれらの情報群から適宜必要なデータを取得し、クライアント端末2に送信する。
また、所定の領域はあらかじめデータベース15に記録されている。具体的には、領域を一意に識別するためのIDに対して、当該領域の外縁を示す複数の位置情報群を関連付けたデータが用いられる。クライアント端末2の位置情報が、上記複数の位置情報群で構成される領域外縁の内側を示すものであれば、当該位置情報はこの領域に属するものと判断することができる。所定の領域をどのようなデータによって設定及び記録するかは、適宜選択することができる。本実施例では上記の様に、領域の外縁を示す位置情報群をもって所定の領域としているが、例えばある位置情報と、該位置情報からの距離によって、同心円状の領域としてもよい。
【0025】
また、本実施例では、位置情報としてGPS受信部から取得した地理的な位置情報、すなわちクライアント端末2が位置している場所の緯度と経度を示す情報を用いているが、前述のように無線通信による基地局情報や、ネットワーク上のアドレス情報を位置情報として用いてもよい。この場合には受信した位置情報から地理的な位置情報を算出し、次いで地理的な位置情報から領域を取得するように構成すれば、地理的な位置情報からでもネットワーク上の位置情報からでも領域を取得することができるので好適である。
【0026】
ゲーム参加手段13は、クライアント端末2からのゲーム参加申請を受理し、利用者をゲームに参加させるものである。前述の参加可能ゲーム通知手段12によってクライアント端末2に通知したゲーム情報から、利用者が参加したいゲームを選択すると、クライアント端末2から当該ゲーム情報が送信される。これをゲームサーバ1が受信し、利用者をゲーム参加者としてデータベース15に記録する。
【0027】
ゲーム実施手段14は、本実施例のゲーム提供システムが提供するじゃんけんゲームの勝敗を決定するためのものである。一定期間の間、ゲーム参加者に勝負手、すなわちグー、チョキ、パーのいずれかを選択したものをクライアント端末2に入力させ、ゲームサーバ1に送信させる。ゲームサーバ1は受信した勝負手をデータベース15に記録する。次いで、上記期間終了後に、勝負手を入力した参加者同士をマッチングして対戦相手を決定した後に、対戦者同士の勝負手を比較して勝者を決定する。じゃんけんの勝者となった参加者が上記処理を繰り返し、勝者が一人になった時点でゲームは終了となる。優勝者とゲーム運営者には当該ゲームの優勝者に関する情報が電子メールにより送信され、優勝者とゲーム運営者の間で賞品授受の手続きについて連絡が行われる。
【0028】
続いて、本実施例のゲーム提供システムが提供するじゃんけんゲームの具体的な処理の流れを説明する。
図3は、本実施例が提供するじゃんけんゲームに、利用者が参加をする際の処理を表したものである。
【0029】
前述のとおり、本実施例が提供するじゃんけんゲームはWEBアプリケーションであり、まず、ステップS201において、利用者がクライアント端末のWEBブラウザにより、ゲームサーバのURLにアクセスする。
利用者からのアクセスを受信したゲームサーバ1は、ステップS101において利用者にゲーム提供システムにログインするためのログイン画面を表示する情報をクライアント端末2に送信し、ステップS202において、クライアント端末2はこれを受信してWEBブラウザ上に表示する。
利用者がログイン画面のフォームにアカウント名とパスワードを入力して送信操作を行うと、ステップS203においてクライアント端末2が当該情報をゲームサーバ1に送信する。ステップS102において、ゲームサーバ1はこれを受信し、データベース15にあらかじめ登録された利用者情報と照合する。照合に成功した場合には、ステップS103において、認証に成功したものとしてログイン後に表示されるマイページ画面に関する情報をクライアント端末2に送信し、一方で照合に失敗した場合は、ステップS104において、認証に失敗した旨に関する情報をクライアント端末2に送信する。当該情報はクライアント端末2によって受信され、ステップS204においてWEBブラウザに表示される。
なお、本実施例のゲーム提供システムは上記のとおりWEBアプリケーションであるので、利用者が一度ログインした後はHTTP Cookie等を使用してWEBブラウザとゲームサーバ1間の一連の通信が同一のセッションを構成するように構成されている。したがって、利用者がログインした後は、特に明示的に利用者を識別するID等をゲームサーバ1に送信する処理は行われないが、ゲームサーバ1側では以降の処理についてどの利用者からの通信であるかを特定することが可能となっている。
【0030】
ログイン後にWEBブラウザ上に表示されるマイページ画面には、参加可能ゲームを表示する画面に遷移するボタンと、現在参加しているゲームを表示する画面に遷移するボタンが表示される。ここで、利用者が参加可能ゲームを表示する画面に遷移するボタンを選択することで、参加可能なゲームのゲーム情報をゲームサーバ1から取得することができる。また、前記認証画面からマイページ画面に遷移する段階で、ステップS205においてクライアント端末は位置取得手段により位置情報を取得し、メモリ等の記録部(図示しない)に記録する。
【0031】
ステップS206において、利用者が上記参加可能ゲームを表示する画面に遷移するボタンを選択すると、クライアント端末2は記録部に記録した位置情報をゲームサーバ1に送信する。
ステップS105において、ゲームサーバ1はクライアント端末2から送信された位置情報を受信し、当該位置情報が含まれる所定の領域をデータベース15から取得する。次いで、ステップS106において、取得した領域と、上記位置情報を受信した日時が参加条件に合致するゲームのゲーム情報をデータベース15から取得し、ステップS107においてクライアント端末2に送信する。クライアント端末はステップS207において受信したゲーム情報をWEBブラウザに表示する。また、この際にゲームサーバ1は上記領域に関連する広告情報をデータベース15から取得し、クライアント端末2に送信する。クライアント端末2はこれを受信し、WEBブラウザに表示する。
【0032】
ステップS208において、WEBブラウザに表示されたゲーム情報から利用者が参加したいゲームを選択すると、クライアント端末2は当該ゲームのゲーム情報をゲームサーバ1に送信する。
ステップS108において、ゲームサーバ1は当該ゲーム情報を受信し、利用者を参加者として当該ゲームに参加した旨の情報、具体的には利用者を識別するIDとゲームを識別するIDを関連づけた情報をデータベース15に格納する。
【0033】
以上が、本実施例において利用者がゲーム提供システムにログインし、ゲームに参加するまでの処理の流れである。
【0034】
図4は、本実施例が提供するじゃんけんゲームを進行する際の処理を表したフローチャート図である。
図4(a)で示すように、ステップS209において、利用者が、前記のマイページ画面で参加中のゲームを表示する画面に遷移するボタンを選択すると、クライアント端末のWEBブラウザは利用者が現在参加しているゲームであって、勝負手を入力することが可能なゲームを示す画面をディスプレイに表示する。ここで、利用者が勝負手を入力したいゲームを選択すると、ステップS210においてWEBブラウザはじゃんけんゲームの勝負手を入力する画面を表示する。本実施例のゲーム提供システムが提供するゲームは3回勝負によるじゃんけんであり、利用者は勝負手、すなわちグー、チョキ、パーのいずれかを3回分選択する。
なお、じゃんけんゲームは勝ち抜き選により優勝者を決定するものであり、利用者が途中で敗退したゲームは上記画面には表示されない。また、各ゲームごとに勝負手を入力できる期間はあらかじめ設定されており、この期間を過ぎたゲームも同様に、上記画面には表示されない。
【0035】
利用者がWEBブラウザによって勝負手を選択すると、ステップS211において、クライアント端末2は当該勝負手をゲームサーバ1に送信する。ステップS109において、ゲームサーバ1はこれを受信し、どのゲームについてどの参加者が何回戦目の勝負手としてどのような勝負手を選択したかをデータベース15に記録する。
【0036】
図4(b)で示すように、上記勝負手を入力できる期間が経過すると、ゲームサーバ1はゲームの結果、すなわちじゃんけんの勝者を決定する。本実施例では、ステップS110において、データベース15を検索し、勝負手を入力した参加者を取得する。次いで、ステップS111において、当該参加者と他の参加者とのマッチングを行い、じゃんけんゲームを行う対戦者を決定し、ステップS112において、両者の勝負手をデータベースから取得して比較することで、じゃんけんの勝敗を決定する。勝敗が決定した後は、ステップS113においてゲームサーバ1が当該勝敗をデータベース15に記録する。
なお、本実施例のゲーム提供システムでは、ステップS110は入力期間が終了するまで処理を開始しないこととしたが、対戦者を選定できる状態、すなわち勝負手を入力した参加者が複数いる場合には随時ステップS110を実行するようにしてもよい。
【0037】
上記の処理を勝者が最後の一人になるまで繰り返すことで、じゃんけんゲームの優勝者を決定する。
ゲームに参加している全利用者の中で勝者が一人になった時点で、ゲームサーバ1は当該勝者を優勝者とする。ステップS114において、ゲームサーバ1は優勝者及びゲーム運営者に優勝者が決定した旨を電子メールにより通知する。
ゲーム運営者は上記電子メールを受信し、優勝者と連絡して、賞品受け渡しに関する手順を適宜決定し、賞品を優勝者に発送する。
【0038】
本実施例のゲーム提供システムでは、WEBブラウザがマイページ画面を表示する際に取得した位置情報を使用して、利用者が参加可能なゲームのゲーム情報を取得する。参加可能なゲームのゲーム情報を取得する際には、利用者が参加したいゲームについて、そのゲームの参加条件となる所定の領域にクライアント端末2が存在していなければならないので、特定の場所で開催されるイベント等において、当該イベントの参加者のみが参加できるゲームを提供することができる。
また一方で、参加可能なゲームのゲーム情報を取得した後には、上記参加条件となる所定の領域にクライアント端末2が存在している必要はないので、利用者はゲームに参加する処理をした後は自由に行動することができ、参加の敷居が低く、多数の参加者を募り易いゲームを提供することができる。
【0039】
クライアント端末2の位置を特定する手段としては、前述のようにGPSを使用するものや、無線通信の基地局情報を用いるもの、ネットワーク上のアドレス情報を用いるもの等、様々な手段が考えられるが、これらの手段は、手段ごとに特定できる位置の精度が異なっていることが現状である。また、同一手段による位置情報、例えばGPSを用いて取得した位置情報であっても、GPS受信装置の精度や受信環境等の違いにより、取得できる位置情報の精度はさまざまである。また、本実施例のゲーム提供システムでは、クライアント端末2から取得した位置情報を所定の領域にグルーピングした上で、当該グルーピングされた領域によってゲーム参加可能の是非を決定している。この時、地理的にどの範囲をもって所定の領域とするのかは、ゲーム運営者が自由に決定して、データベース15上に記録しておくことができるので、想定される位置情報の精度に合わせて領域の範囲を設定することで、様々な精度の位置情報を送信するクライアント端末2に対してゲームを提供することができる。これにより、参加者の敷居を一層低くし、より多くのゲーム参加者を募ることができる。
【0040】
なお、本発明の構成は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、ゲームの運営において広告依頼主が存在する場合に、参加可能なゲームを通知する際だけでなく、クライアント端末2に表示される各画面において、クライアント端末2が取得する位置情報にもとづいた広告を表示するようにしてもよい。
その他の具体的構成についても上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でさまざまな変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 ゲームサーバ
2 クライアント端末




【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報を取得する位置情報取得手段を備えるクライアント端末がネットワークを介してゲームサーバと通信を行う複数のゲームを利用者に提供するゲーム提供システムであって、
前記ゲームサーバは、前記位置取得手段によって取得した位置情報を受信し、該受信した位置情報にもとづいて、利用者が参加できるゲームについての情報をクライアント端末に通知する参加可能ゲーム通知手段と、
該参加可能ゲーム通知手段によってクライアント端末に通知されたゲームから利用者が選択したゲームについて、当該ゲームを選択した利用者をゲームに参加させるゲーム参加手段と、
前記ゲームを実施し、該実施したゲームの結果をクライアント端末に通知するゲーム実施手段と、を備え、
前記参加可能ゲーム通知手段は、前記受信した位置情報を所定の領域にグルーピングしたうえで、該グルーピングした領域にもとづいて利用者が参加できるゲームを決定することを特徴とする、ゲーム提供システム。
【請求項2】
前記クライアント端末はGPS受信機能付き携帯端末であって、前記位置情報取得手段はGPS受信機能を用いたことを特徴とする、請求項1記載のゲーム提供システム。
【請求項3】
前記クライアント端末は無線通信機能付き携帯端末であって、前記位置情報取得手段は、無線通信における接続情報を用いて位置情報を取得することを特徴とする、請求項1記載のゲーム提供システム。
【請求項4】
前記位置情報はクライアント端末のネットワーク上の位置を示すアドレス情報であり、前記参加可能ゲーム通知手段は、前記アドレス情報を地理上の位置を示す第2位置情報に変換し、該第2位置情報にもとづいて前記利用者が参加できるゲームについての情報をクライアント端末に通知することを特徴とする、請求項1記載のゲーム提供システム。
【請求項5】
前記参加可能ゲーム通知手段は、さらに、前記位置情報にもとづいた広告を前記クライアント端末に送信する広告送信手段を備えることを特徴とした、請求項1〜4のいずれかに記載のゲーム提供システム。
【請求項6】
前記ゲームは、じゃんけんによる勝ち抜きゲームであることを特徴とした、請求項1〜5のいずれかに記載のゲーム提供システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−130671(P2012−130671A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260157(P2011−260157)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(506268599)エグジットチューンズ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】