説明

ゲーム機に取り付けられる外付けマイク及びその外付けマイクを用いた楽曲配信システム

【課題】ゲーム機を用いた楽曲配信システム、及びそのシステムに用いる外付けマイクの提供を目的とする。
【解決手段】コントローラより送信される情報を保存可能な記憶装置を備えた外付けマイクをコントローラにとりつけてあるゲーム機と、楽曲データベースと、配信サーバと、ゲーム機と、を含む楽曲配信システムであって、前記ゲーム機には、前記表示手段に表示される楽曲リストのうち、ユーザがコントローラでもって指定した楽曲情報を当該コントローラを介して前記外付けマイクに備えた記憶装置に保存する楽曲情報保存手段と、前記記憶装置に保存されてある楽曲情報を取得して前記表示手段に出力し、ユーザに当該楽曲情報を選択可能とする、楽曲情報取得手段を設けて、楽曲情報のやりとりを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機に取り付けられる外付けマイク及び楽曲配信システムに関し、特に、ゲーム機に備えるコントローラ(操作装置)にマイク機能を具備しないゲーム機において、マイク機能を付与するための外付けマイク、及びその外付けマイクを取り付けたコントローラを用いた楽曲配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲーム機市場においては、Nintendo Wii(登録商標)が、専用コントローラによる直感的な操作が幅広い年齢層に受け入れられ、多くの支持を得ている。
【0003】
前記コントローラは、以下の非特許文献1に示されているように、ユーザが握りやすい長方形状、すなわち、テニスラケット、野球バット、或いは鍋などの持ち手部分(グリップ部分)の形状に近似しており、内部に加速度センサを備えることにより、スイング動作などを直感的に行うことができ、多種多様な内容のゲームが提案されている。
【非特許文献1】http://www.nintendo.co.jp/wii/index.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、Nintendo Wiiのコントローラは、内部にスピーカを備えているものの、マイク機能は備えていない。これは、前記コントローラがあくまでユーザが握るツールの実施例として、前述のテニスラケット、野球バット、或いは鍋などの持ち手部分を想定することによるものであって、スイング動作や、鍋振り動作などによって生じる擬似的な音声をスピーカより出力することを主目的としてあるにすぎないことに起因する。
【0005】
また、前記コントローラには、本ゲーム機の本体部から送信される情報を半永久的にユーザの意志でもって保存することが可能な記憶装置を備えていない。これは、前記コントローラが、あくまで本ゲーム機の本体部に指令を送信することを主目的としてあるからに他ならない。
【0006】
上記の現状を踏まえつつも、ゲーム機を用いた新たな遊技方法、遊技システムの提案が求められている。
【0007】
従って、本発明は、新たな遊技方法を提供することのできる装置の提供を一つの目的とする。
【0008】
また、本発明は本ゲーム機と前記装置を少なくとも用いて新たな遊技方法を実現することのできるシステムの提供をもう一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、上記目的を達成するためになされた本願の第1発明は、ゲーム機のコントローラに取り付け可能な外付けマイクであって、前記コントローラより送信される情報を保存可能な記憶装置を備えたことを特徴とする、外付けマイクを要旨としている。
【0010】
また、本願の第2発明は、カラオケの楽曲情報が格納されてある楽曲データベースと、前記楽曲データベースより該当する楽曲リスト情報及び楽曲情報を取得して配信する配信サーバと、前記配信された楽曲データを受信してカラオケの実施を可能とするゲーム機と、前記ゲーム機と接続され、映像及び音声を出力する表示手段と、を少なくとも含んでなる、楽曲配信システムであって、前記ゲーム機はNintendo Wii(登録商標)であって、当該ゲーム機のコントローラには、本願の第1発明に記載の外付けマイクが接続され、前記ゲーム機は、前記表示手段に表示される楽曲リストのうち、ユーザがコントローラでもって指定した楽曲リストを当該コントローラを介して前記外付けマイクに備えた記憶装置に保存する、楽曲情報保存手段、及び、前記記憶装置に保存されてある楽曲リストを取得して前記表示手段に出力可能とする、楽曲情報取得手段を、少なくとも有することを特徴とする、楽曲配信システムを要旨としている。
【0011】
また、本願の第3発明は、本願の第2発明に記載の楽曲配信システムであって、前記ゲーム機は、前記外付けマイクが接続されたコントローラに備えた入力手段による入力信号に基づいて、前記表示手段より出力される音量、音程、音質の変更を可能とする、出力音声制御手段を少なくとも設けることを特徴とする、楽曲配信システムである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によると下記の効果のうち、少なくとも一つを得ることができる。
【0013】
(1)本願の第1発明に係る外付けマイクによれば、内部に備えた記憶装置でもって、当該マイクが接続されるコントローラより受信した情報を保存することができる。
【0014】
(2)本願の第2発明に係る楽曲配信システムによれば、ゲーム機(Nintendo Wii)でもってカラオケを行うことができる。ゲーム機は従来のカラオケシステムと比較して安価に購入できるため、カラオケ店などの施設に出向くことなく、自宅で手軽にカラオケが可能となる。
また、前記ゲーム機が有する楽曲情報保存手段により、使用者のお気に入りの楽曲リストを、前記第1発明に係る外付けマイクに備えた記憶装置に保存しておくことができる。
また、前記ゲーム機が有する楽曲情報取得手段により、前記外付けマイクのみをユーザが持ち歩き、所有者の異なるゲーム機であっても前記外付けマイクをコントローラに接続することにより、前記外付けマイクに備えた記憶装置に保存してあるお気に入りの楽曲リストの情報を取得して、自己のお気に入りの楽曲を表示させることができ、楽曲番号による検索などを行わずとも、簡易に楽曲選択することができる。
【0015】
(3)本願の第3発明に係る楽曲配信システムによれば、前記ゲーム機が有する出力音声制御手段により、カラオケの実施時にちょうどマイクのグリップ部(把持部)に相当する当該ゲーム機のコントローラに設けた入力手段によって、前記表示手段より出力される音量、音程、音質の設定を変更することができ、設定専用のコントローラを別途用いることなく、歌いながら自分自身でマイクから直接設定変更を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0017】
<1>外付けマイクの内部構成例
はじめに、本発明の外付けマイクの構成について説明する。
図1は、本発明に係る外付けマイクの機能ブロック図の一例である。
本発明の外付けマイクは、コネクタ15を介して、ゲーム機(Nintendo Wii)のコントローラに取り付け可能なマイクであって、集音部11と、A/D変換部12と、制御部13と、記憶装置14と、を少なくとも有する。
【0018】
集音部11は、外部の音声信号を取得する周知の部品が用いられる。
A/D変換部12は、前記集音部11より取得した音声データのアナログ信号をデジタル信号に変換する機能を有するもので、周知の部品が用いられる。
制御部13は、変換手段131と保存手段132を少なくとも有するもので、CPUなどの周知の部品が用いられる。
変換手段131は、前記A/D変換部12にて生成されるデジタル信号をコントローラで利用可能なシリアルデータに変換する機能を有する。
保存手段132は、前記コントローラ20より送信される情報を、当該マイクの内部に備えた記憶装置14に保存する機能を有する。
記憶装置14は、フラッシュメモリ等の周知の不揮発性メモリを用いるものとする。
【実施例2】
【0019】
<1>楽曲配信システムの構成例
次に、本発明の楽曲配信システムの構成について説明する。
【0020】
図2は、先に説明した外付けマイク10を用いた、楽曲配信システムの構成の一例を示す図である。
本発明の楽曲配信システムは、楽曲リスト情報(楽曲のタイトル、歌手名等)楽曲情報(楽曲の音声情報、映像情報等)が格納されてある楽曲データベース50と、前記楽曲データベース50より、該当する楽曲リスト情報及び楽曲情報を取得して配信する配信サーバ40と、前記配信された楽曲データを受信してカラオケの実施を可能とするゲーム機30と、前記ゲーム機40と接続され、映像及び音声を出力する表示手段(図示せず)と、を少なくとも含んで構成される。
【0021】
前記ゲーム機30のコントローラ20には、先に説明した外付けマイク10が接続され、互いに情報の送受信が可能に構成されている。
【0022】
また、前記ゲーム機30には、前記表示手段に表示される楽曲リストから、ユーザがコントローラ20でもって指定した楽曲リスト情報を当該コントローラ20を介して前記外付けマイク10に備えた記憶装置14に保存する、楽曲情報保存手段31と、前記記憶装置14に保存されてある楽曲リスト情報を取得して前記表示手段に出力し、ユーザに当該楽曲情報を選択可能とする、楽曲情報取得手段32を、少なくとも有する。
【0023】
なお、楽曲情報保存手段31及び楽曲情報取得手段32は、プログラムがゲーム機30上で実行されることによって当該ゲーム機30に特定の機能が具備されるもので、当該プログラムは、ゲーム機30で読み込み可能な記録媒体(CD等)から取得しても良いし、前記ネットワーク70を通じてプログラムを直接から受信しても良いものとする。
【0024】
(1)楽曲データの選択・配信
次に、本発明の楽曲配信システムの一般的な使用例について説明する。
【0025】
ゲーム機30がユーザからの指令に基づいて楽曲配信サービスを実行すると、ゲーム機30は配信サーバ40に楽曲リストの配信要求を行い、配信サーバ40は前記ゲーム機30からの要求に基づき、データベース50から楽曲のタイトル等の情報を含む楽曲リストを取得して先のゲーム機30に配信する。ゲーム機30は取得した楽曲リストを表示手段に表示して、ユーザの楽曲選択を待つ状態となる。
【0026】
ユーザが楽曲リストの一覧から楽曲を指定すると、ゲーム機30は、前記配信サーバ40にアクセスして、指定した楽曲の楽曲データ(楽曲の音声、映像等のデータ)の配信を要求する。
楽曲データがゲーム機30に配信されると、ゲーム機30は楽曲データの再生を開始し、ユーザは外付けマイク10が取り付けられたコントローラ20でもって表示手段を見ながらカラオケを行う、というものである。
【0027】
(2)楽曲リスト情報の保存・取得
また、本発明に係る楽曲配信システムは、ゲーム機30が楽曲リストを表示手段に表示している際に、ユーザからの指令によって選択した楽曲リストの情報(曲名、楽曲リストの識別番号など)を前記外付けマイク10に保存しておくことができる。
【0028】
楽曲リストの表示中において、ユーザが表示手段に表示される楽曲リストの一部を選択し、楽曲情報の保存指令を実行すると、ゲーム機30に備えた楽曲情報保存手段31により、前記指定した楽曲リスト情報を当該コントローラ20を介して前記外付けマイク10に送信し、前記制御部13の保存手段132を介して、記憶装置14に保存することができる。
【0029】
また、本発明に係る楽曲配信システムは、ゲーム機30に備えた楽曲情報取得手段32によって、外付けマイク10内部の記憶装置14に既に保存済みの楽曲リスト情報をゲーム機30から取得させることができる。
楽曲リストの表示中において、ユーザが記憶済みの楽曲情報の表示指令を実行すると、ゲーム機30に備えた楽曲情報取得手段32が前記外付けマイク10に備えてある制御部13が記憶装置14から楽曲情報を取得し、表示手段に表示するもので、簡単にお気に入りの楽曲の選択ができるようにすることができる。
【実施例3】
【0030】
なお、本発明に係る楽曲配信システムに係るゲーム機には、出力音声制御手段33を設けておくこともできる。
出力音声制御手段33は、楽曲の再生中に前記外付けマイク10が接続されたコントローラ20に備えた入力手段(ボタン)による入力信号に基づいて、表示手段より出力される音量、音程、音質の変更を可能とするものである。
したがって、出力音声制御手段33によれば、設定専用のコントローラを別途用いることなく、歌いながら自分自身で手元で設定変更を行うことができる。
【0031】
なお、出力音声制御手段33は、先に説明した楽曲情報保存手段31等と同様に、プログラムがゲーム機30上で実行されることによって当該ゲーム機30に機能が具備されるもので、当該プログラムは、ゲーム機30で読み込み可能な記録媒体(CD等)から取得しても良いし、前記ネットワーク70を通じてプログラムを直接から受信しても良いものとする。
【0032】
[その他の実施例]
先に説明した実施例では、ゲーム機30と外付けマイク10との間で、楽曲リスト情報のやりとりを行っているが、図2に示すように、カラオケ店などに設置されている業務用STB(セットトップボックス)60と外付けマイク10との間で、楽曲リスト情報のやりとりを行ってもよい。この場合、ゲーム機30に備えた楽曲情報保存手段31、楽曲情報取得手段32、出力音声制御手段33と同等の機能を有する手段を当該業務用STB60に備えればよい。
また、外付けマイク10と、ゲーム機30と、業務用STBとの間で楽曲リスト情報がお互い使用できるように構成することにより、より汎用性の高い楽曲配信システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る外付けマイクの機能ブロック図。
【図2】外付けマイクを用いた、楽曲配信システムの構成図。
【符号の説明】
【0034】
10 外付けマイク
11 集音部
12 A/D変換部
13 制御部
131 変換手段
132 保存手段
14 記憶装置
15 コネクタ
20 コントローラ
30 ゲーム機
31 楽曲情報保存手段
32 楽曲情報取得手段
33 出力音声制御手段
40 配信サーバ
50 データベース
60 業務用STB
70 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム機のコントローラに取り付け可能な外付けマイクであって、
前記コントローラより送信される情報を保存可能な記憶装置を備えたことを特徴とする、
外付けマイク。
【請求項2】
カラオケの楽曲情報が格納されてある楽曲データベースと、前記楽曲データベースより該当する楽曲リスト及び楽曲情報を取得して配信する配信サーバと、前記配信された楽曲データを受信してカラオケの実施を可能とするゲーム機と、前記ゲーム機と接続され、映像及び音声を出力する表示手段と、を少なくとも含んでなる、楽曲配信システムであって、
前記ゲーム機はNintendo Wii(登録商標)であって、当該ゲーム機のコントローラには、請求項1に記載の外付けマイクが接続され、
前記ゲーム機は、
前記表示手段に表示される楽曲リストのうち、ユーザがコントローラでもって指定した楽曲リストを当該コントローラを介して前記外付けマイクに備えた記憶装置に保存する、楽曲情報保存手段、及び、
前記記憶装置に保存されてある楽曲リストを取得して前記表示手段に出力可能とする、楽曲情報取得手段を、少なくとも有することを特徴とする、
楽曲配信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の楽曲配信システムであって、前記ゲーム機は、前記外付けマイクが接続されたコントローラに備えた入力手段による入力信号に基づいて、前記表示手段より出力される音量、音程、音質の変更を可能とする、出力音声制御手段を少なくとも設けることを特徴とする、楽曲配信システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−295606(P2008−295606A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−142783(P2007−142783)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(507177788)メディアウェイブ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】